JPH05285331A - 吸収塔空気吹込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の使用に供しても、目詰りが生ぜず、
また攪拌機の設置を必要としない気泡分散器を備えてい
る吸収塔空気吹込み装置を提供することにある。 【構成】 吸収塔の液溜め部に設けられた気泡分散器
と、吸収塔の外部に設けられて液溜め部の液を吸引昇圧
して吐出ラインに吐出する還流ポンプと、該吐出ライン
に設けられた空気混合器と、ここで得られた混合流体を
気泡分散器に供給する混合流体ラインとを備え、かつ、
前記気泡分散器には、中央に該混合流体の入口部を有
し、外周部に該入口部に連通して横向き放射状にその混
合流体を噴出する噴出部を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸収塔空気吹込み装置
に関するもので、詳しくは、排煙脱硫装置等の吸収塔の
液溜め部に酸化用空気を吹込む装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の空気吹込み装置は、たと
えば、図４に示すような構成からなっている。図４にお
いて、２１は吸収塔、２２は液溜め部、２３は該液溜め
部２２の液中に設置された空気分散器である。そして、
前記空気分散器２３は、横設された空気管２４からな
り、その下方部には多数の小孔２５が設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図４に
示した従来の技術においては、空気分散器２３としての
空気管２４の各小孔２５から酸化用空気が噴出される
が、石膏の析出がなされるにつれて、その小孔２５に目
詰りを生じ、使用期間が短いという問題点があった。ま
た液中の固形分の沈降を防止するために、液溜め部２２
に攪拌機を設置しなければならないという問題点があっ
た。

【０００４】本発明は、上記のような問題点を解決しよ
うとするものである。すなわち、本発明は、長期間の使
用に供しても、目詰りが生ぜず、また攪拌機の設置を必
要としない気泡分散器を備えている吸収塔空気吹込み装
置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の吸収塔空気吹込み装置は、吸収塔の液溜め
部の液中に設けられた気泡分散器と、該吸収塔の外部に
設けられて前記液溜め部の液を吸引昇圧してポンプ吐出
ラインに吐出する還流ポンプと、該ポンプ吐出ラインに
設けられた空気混合器と、この空気混合器で得られた液
と空気の混合流体を前記気泡分散器に供給する混合流体
ラインとを備え、かつ、前記気泡分散器には、中央に該
混合流体の入口部を有し、外周部に該入口部に連通して
横向き放射状にその混合流体を噴出する噴出部を有して
いるものとした。

【０００６】

【作用】本発明によれば、還流ポンプの吐出ラインに設
けられた空気混合器で得られた液と空気の混合流体を、
液溜め部の中に設置された気泡分散器に供給するので、
前記気泡分散器の出口部である噴出部は、その還流液で
洗浄され、石膏の析出が進行しても、目詰りが生じな
い。しかも、前記気泡分散器は、液と空気の混合流体を
中央から流入させて横方向に放射状に噴出させるので、
液溜め部内の液が必然的に攪拌される。また混合効率が
よくなり、酸化が促進される。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示した断面正面図
である。同図において、１は吸収塔、２はガス入口部、
３はガス出口部、４は吸収部、５は液溜め部、６は還流
液ライン、７は還流ポンプ、８はポンプ吐出ライン、９
は空気混合器（ラインミキサ）、１０は空気供給ライ
ン、１１は混合流体ライン、１２は後述する気泡分散
器、１３はタンク底面、１４は支柱である。図２は前記
気泡分散器１２を拡大して示した一部切欠断面正面図で
あり、図３は図２の切断線Ａ−Ａに沿う断面平面図であ
る。図２および図３において、１５は液と空気の混合流
体の入口部、１６は噴出部、１７は該入口部１５と噴出
部１６の間に横向きに放射状に配列された仕切片であ
る。

【０００８】すなわち、液溜め部５の液は、還流液ライ
ン６を介して還流ポンプ７によって吸引され、昇圧され
てポンプ吐出ライン８に吐出される。このポンプ吐出ラ
イン８には空気混合器９が設けられていて、ここで、該
吐出ライン８からの液と空気供給ライン１０からの空気
の混合流体が作られ、混合流体ライン１１から気泡分散
器１２に供給される。気泡分散器１２においては、図２
に示すように、その混合流体が混合流体ライン１１から
中央の入口部１５に流入し、つづいて、図３に示すよう
に、放射状に設けられた仕切片１７に案内されて、矢印
１８で示すように、周囲の噴出部１６から水平放射状に
噴出する。なお気泡分散器１２は、タンク底面１３に立
設された支柱１４によって固定支持されている。

【０００９】図１に示すように構成され、また図２およ
び図３で説明した気泡分散器１２を有する吸収塔空気吹
込み装置においては、ポンプ吐出ライン８に空気混合器
９が設けられているので、気泡分散器１２には、空気だ
けが供給されるのではなく、その空気混合器９で作られ
た液と空気の混合流体が供給されるため、気泡分散器１
２の出口部である噴出部１６は、その還流液で洗浄さ
れ、したがって、石膏の析出が進行しても、目詰りが生
じない。また気泡分散器１２から噴出される混合流体
は、水平方向に放射状に噴出されるため、酸化促進とと
もに液溜め部５内の液の攪拌効果もある。あわせて、気
泡分散器１２は、タンク底面１３との間に隙間を設けて
支柱１４に固定支持され、還流ポンプ７は還流液ライン
６を介して気泡分散器１２より下位の液を主として吸引
するので、液溜め部５内の液が必然的に攪拌され、混合
効率がよくなる。したがって、液溜め部５内に攪拌機を
設置する必要がなくなる。そして、液溜め部５の大きさ
や吹込み空気量に応じて、気泡分散機１２の個数や配置
を適切に選べるので、効率のよい空気吹込みが可能とな
る。また駆動部が塔外にあるため、メンテナンスが容易
である。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
還流ポンプの吐出ラインに空気混合器が設けられてい
て、この空気混合器で得られた液と空気の混合流体を、
液溜め部の中に設置された気泡分散器に供給することが
できる。したがって、気泡分散器の出口部である噴出部
は、その還流液で洗浄され、石膏の析出が進行しても、
目詰りが生じないので、長期使用に供することができ
る。しかも、前記気泡分散器には、中央に該混合流体の
入口部を有し、外周部に該入口部に連通して横向き放射
状にその混合流体を噴射する噴出部を有するので、該気
泡分散器は、液と空気の混合流体を中央から流入させて
横方向に放射状に噴出させることができる。このため、
液溜め部内の液が必然的に攪拌され、混合効率がよくな
り、酸化が促進する。また攪拌機を設置する必要がなく
なり、設備費および運転費を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示した断面正面図であ
る。

【図２】 図１の気泡分散機を拡大して示した一部切欠
断面正面図である。

【図３】 図２の切断線Ａ−Ａに沿う断面平面図であ
る。

【図４】 従来の技術の一例を示した一部切欠断面正面
図である。

【符号の説明】

１：吸収塔 ５：液溜め部 ６：還流液ライン ７：還流ポンプ ８：ポンプ吐出ライン ９：空気混合器 １１：混合流体ライン １２：気泡分散器 １３：タンク底面 １４：支柱 １５：入口部 １６：噴出部 １７：仕切片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸収塔の液溜め部の液中に設けられた気
   泡分散器と、該吸収塔の外部に設けられて前記液溜め部
   の液を吸引昇圧してポンプ吐出ラインに吐出する還流ポ
   ンプと、該ポンプ吐出ラインに設けられた空気混合器
   と、この空気混合器で得られた液と空気の混合流体を前
   記気泡分散器に供給する混合流体ラインとを備え、か
   つ、前記気泡分散器には、中央に該混合流体の入口部を
   有し、外周部に該入口部に連通して横向き放射状にその
   混合流体を噴出する噴出部を有することを特徴とする、
   吸収塔空気吹込み装置。
2. 【請求項２】 気泡分散器の入口部と噴出部の間に、放
   射状に配列された多数の仕切片を有している請求項１記
   載の吸収塔空気吹込み装置。
3. 【請求項３】 液溜め部のタンク底面に立設された支柱
   を有し、該支柱に気泡分散器が載置固定されている請求
   項１記載の吸収塔空気吹込み装置。