JPH0528490U

JPH0528490U - 液面上浮遊物の吸取装置

Info

Publication number: JPH0528490U
Application number: JP078911U
Authority: JP
Inventors: 見裕基鶴; 司麟庄; 根慎一中
Original assignee: トリニテイ工業株式会社
Priority date: 1991-09-30
Filing date: 1991-09-30
Publication date: 1993-04-16

Abstract

(57)【要約】【目的】廃塗料等を回収する貯液槽の液面上に浮遊した
塗料カス等を貯液槽の片隅に淀ませずに、その液面に開
口する吸込管の吸取口で確実に吸い取れるようにする。【構成】貯液槽１の液面と一定の間隔を保つようにその
液面のレベル変化に応じて昇降する昇降フレーム４に、
複数のシャワーノズル１９から吸込管２の吸取口３の方
向に向かって液面にシャワーを浴びせるライザー管１８
を設けると共に、その昇降フレーム４をトラッキング装
置５で吸取口３の方向にトラッキングさせて、液面上の
浮遊物をシャワー液で吸取口３の方向に寄せ集める。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃塗料などを回収する貯液槽の液面上に浮遊した塗料カスや油類等の浮遊物を吸い取る液面上浮遊物の吸取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の吸取装置は、貯液槽の液面に開口する吸込管の吸取口を液面のレベル変化に追従するフロートで液面位置に保持して液面上の浮遊物を吸い取るようにしている（特公昭４７−１３２１５号，実公昭５６−２００７４号，実開昭５７ −９３８１号，特開昭６３−１６２０９３号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、吸込管の吸取口を液面位置に保持するだけでは、貯液槽の液面全体にわたって浮遊物を吸い取ることができず、特に風波の影響を受けて貯液槽の片隅に淀んだ浮遊物を吸込管の吸引力だけで吸い取ることは不可能であった。また、廃塗料を回収する貯液槽は、廃塗料中の塗料成分をキラー剤で不粘着化させて吸込管で吸い取りやすい塗料カスの状態にしているが、廃塗料が貯液槽内に淀みを生ずると、キラー剤との接触が十分に行われないために、その廃塗料中に含まれた有機溶剤の作用で塗料成分が粘着性を増して吸込管の吸取口から吸い取れない程の大きさに凝集粗大化することがあった。そこで本考案は、貯液槽内に浮遊物の淀みを生じさせずに、その浮遊物を吸込管の吸取口で確実に吸い取れるようにすることを技術的課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案は、貯液槽の液面に開口する吸込管の吸取口を液面位置に保持して液面上の浮遊物を吸い取る液面上浮遊物の吸取装置において、貯液槽の液面と一定の間隔を保つように液面のレベル変化に応じて昇降する昇降フレームと、当該昇降フレームを前記吸取口に向かってトラッキングさせるトラッキング装置が設けられ、昇降フレームには、当該昇降フレームのトラッキング方向と交差する水平方向に沿って並設した複数のシャワーノズルから前記吸取口の方向に向かって液面にシャワー液を浴びせるライザー管が設けられると共に、当該ライザー管のシャワー液を貯液槽内から汲み上げて送液するポンプが搭載されていることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、昇降フレームを貯液槽の液面と一定の間隔を保った状態で吸込管の吸取口に向かってトラッキングさせると同時に、その昇降フレームに設けられたライザー管のシャワーノズルから吸込管の吸取口の方向に向かって貯液槽の液面にシャワー液を浴びせる。これにより、貯液槽の液面に浮遊する浮遊物が、液面に浴びせられるシャワー液で吸込管の吸取口の方向に寄せ集められて、その吸取口から効率良く確実に吸い取られる。また、シャワー液は、昇降フレームに搭載したポンプで貯液槽内から汲み上げて送液されるので、廃塗料を回収する貯液槽にあっては、廃塗料中に添加されたキラー剤を含むシャワー液が液面に浴びせられてその液面付近に漂う塗料成分の不粘着化が促進され、塗料成分の凝集粗大化が防止される。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面によって具体的に説明する。図１は本考案による吸取装置の一例を示す正面図、図２はその側面図である。

【０００７】本例に示す吸取装置は、廃塗料を回収する貯液槽１の液面に開口する吸込管２の吸取口３が貯液槽１の前壁１ａに沿って一又は二以上設けられ、また、貯液槽１の液面と一定の間隔を保つように液面のレベル変化に応じて昇降する昇降フレーム４と、当該昇降フレーム４を貯液槽１の前壁１ａと相対する後壁１ｂ側から吸取口３に向かってトラッキングさせるトラッキング装置５が設けられている。

【０００８】吸込管２は、フレキシブルホース６を介して吸込ポンプ７に連結され、吸取口３は、ホイスト８のチェーン９に懸吊されたエアシリンダ１０のピストンロッド１１に支持されて、エアシリンダ１０に設けた音波式レベル計１２で検出する液面のレベル変化に応じてチェーン９の巻き出しと巻き上げを行うホイスト８で液面位置に保持されるようになっている。また、吸取口３は、液面に沿って周方向に開口されると共に、その開口部１３の上面が吸込管２の先端に向かって円錐状に延びた案内斜面１４になっている。なお、開口部１３は、約２００mm程度の開口高さを有している。

【０００９】次に、昇降フレーム４は、トラッキング装置５の走行台車１５に搭載された巻き上げ機１６の一対のチェーン１７及び１７によりトラッキング方向と交差する方向に水平状態で懸吊されている。また、昇降フレーム４には、そのトラッキング方向と交差する水平方向に沿って並設した複数のシャワーノズル１９から吸込管２の吸取口３の方向に向かって貯液槽１の液面にシャワー液を浴びせるライザー管１８が設けられると共に、当該ライザー管１８のシャワー液を貯液槽１内からフレキシブルホース２０で汲み上げて送液するポンプ２１が搭載されている。

【００１０】なお、巻き上げ機１６は、モータで正逆方向に回転駆動される巻胴２２ａと、その巻胴２２ａにシャフト２３で連結されて連動する巻胴２２ｂとで成り、昇降フレーム４に設けられた音波式レベル計２４で検出する液面のレベル変化に応じて各巻胴２２ａ及び２２ｂからチェーン１７を巻き出し又は巻き上げることによって、昇降フレーム４と貯液槽１の液面との間に一定の距離を保たせるようになっている。また、フレキシブルホース２０の下端には、その下端を貯液槽１内の液中に保持する錘２５が取り付けられている。

【００１１】次に、トラッキング装置５は、貯液槽１の左右壁１ｃ及び１ｄの上端に沿って敷設したトラッキングレール２６及び２６上に左右各一対の前輪２７と後輪２８を載せた走行台車１５に、モータで正逆方向に回転駆動されるスプロケット２９ａと、そのスプロケット２９ａにシャフト３０で連結されて連動するスプロケット２９ｂが搭載され、これら各スプロケット２９ａ及び２９ｂと各後輪２８及び２８の車軸に固設した従動スプロケット３１との間に駆動チェーン３２が平行掛けされている。

【００１２】なお、３３は、吸取装置の動作を制御する制御盤であって、貯液槽１の液面のレベル変化を検出するレベル計１２及び２４の検出信号に基づいて、吸込管２の吸取口３を液面のレベル変化に応じて昇降させる位置調節信号ＣＨと昇降フレーム４を液面のレベル変化に応じて昇降させる位置調節信号ＣＦを、夫々ホイスト８と巻き上げ機１６に出力し、また、一定の時間的間隔で、走行台車１５をトラッキングレール２６及び２６上に沿って往復走行させるトラッキング信号ＣＴをスプロケット２９ａを回転駆動するモータに出力すると共に、走行台車１５が貯液槽１の後壁１ｂ側から前壁１ａに向かって走行する間だけポンプ２１を稼働させるシャワー信号ＣＰを出力するようになっている。

【００１３】しかして、廃塗料等の廃液の流入又は流出によって貯液槽１の液面レベルが変化すると、そのレベル変化がレベル計１２及び２４で検出されて、制御盤３３から、ホイスト８と巻き上げ機１６に対して位置調節信号ＣＨとＣＦが出力され、信号ＣＨに基づいて、ホイスト８がチェーン９を所要長さだけ巻き上げ又は巻き出して吸取口３を液面位置に保持すると共に、信号ＣＦに基づいて、巻き上げ機１６がチェーン１７及び１７を所要長さだけ巻き上げ又は巻き出して昇降フレーム４と液面との間に一定の間隔を保たせる。

【００１４】なお、制御盤３３からは、エアシリンダ１０に対してそのピストンロッド１１を約２０mm程度のストロークで伸縮させて液面位置に保持した吸取口３を小刻みに上下動させる制御信号ＣＳが常時出力され、液面上浮遊物の吸取効率を高めると同時に、液面が波立っている時でも吸取口３から空気だけを吸い込まないようになっている。

【００１５】そして、一定の時間的間隔で、制御盤３３からトラッキング信号ＣＴとシャワー信号ＣＰが出力されて、ライザー管１８を設けた昇降フレーム４が吸込管２の吸取口３に向かってトラッキングすると同時に、その昇降フレーム４に搭載されたポンプ２１が稼働してライザー管１８のシャワーノズル１９から吸取口３の方向に向かって液面にシャワー液が浴びせられる。これにより、貯液槽１の液面に浮かぶ塗料カス等の浮遊物が、シャワー液で押し流されて吸取口３の近くに寄せ集められ、吸込管２の吸引力でその吸取口３から効率良く吸い取られる。また、液面に浴びせるシャワー液は、貯液槽１内から汲み上げたものを使用するので、塗料成分を不粘着化させるキラー剤が含まれている。したがって、液面に漂う塗料成分が吸取口３の開口部１３から吸い込めない程の大きさに凝集粗大化することも防止でき、液面上の浮遊物を淀みなく確実に吸い取ることができる。

【００１６】なお、実施例では、吸込管２の吸取口３をホイスト８で液面位置に保持しているが、本考案はこれに限らず、従来のようにフロートで液面位置に保持するようにしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、貯液槽の液面に浮遊する浮遊物がその液面に浴びせるシャワー液によって吸込管の吸取口の方向に寄せ集められるので、浮遊物の吸取効率が著しく高まるという大変優れた効果がある。また、シャワー液は、貯液槽内からポンプで汲み上げて送液されるので、廃塗料を回収する貯液槽にあっては、廃塗料中に添加されたキラー剤を含むシャワー液が液面に漂う塗料成分の不粘着化を促進して、その塗料成分の凝集粗大化が防止されるという優れた効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による吸取装置の一例を示す正面図。

【図２】その吸取装置の側面図。

【符号の説明】

１・・・貯液槽２・・・吸込管３・・・吸取口４・・・昇降フ
レーム５・・・トラッキング装置１８・・・ライザ
ー管１９・・・シャワーノズル２１・・・ポン
プ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】貯液槽（１）の液面に開口する吸込管
（２）の吸取口（３）を液面位置に保持して液面上の浮
遊物を吸い取る液面上浮遊物の吸取装置において、貯液
槽（１）の液面と一定の間隔を保つように液面のレベル
変化に応じて昇降する昇降フレーム（４）と、当該昇降
フレーム（４）を前記吸取口（３）に向かってトラッキ
ングさせるトラッキング装置（５）が設けられ、昇降フ
レーム（４）には、当該昇降フレーム（４）のトラッキ
ング方向と交差する水平方向に沿って並設した複数のシ
ャワーノズル（19）から前記吸取口（３）の方向に向か
って液面にシャワー液を浴びせるライザー管（18）が設
けられると共に、当該ライザー管（18）のシャワー液を
貯液槽（１）内から汲み上げて送液するポンプ（21）が
搭載されていることを特徴とする液面上浮遊物の吸取装
置。