JPH05282819A - 磁気ディスクドライブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスクの非駆動時において簡潔な構成
を採って磁気ヘッドが磁気ディスクに対して離間ないし
は小なる対接圧をもって対接するようにして円滑な動作
を行うことができるようにする。 【構成】 磁気ヘッド４がサスペンション３を介して取
付けられ、そのサスペンション３の変形量によって磁気
ヘッド荷重が設定されるようになされ、その変形部７に
衝合する可動押え体１１が設けられて磁気ディスク１の
停止時に変形部７の変形量ないしはサスペンション３の
実質的支点を変化させてヘッド荷重を小ないしは０とす
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスクのドライ
ブ装置例えば磁気ハードディスクのドライブ装置に係わ
る。

【０００２】

【従来の技術】磁気ディスク例えばハードディスクのド
ライブ装置は、例えば図５にその略線的平面図を示すよ
うに、回転駆動するように支持された磁気ディスク１に
対して磁気ディスク面と平行な面内で回動する磁気ヘッ
ドアーム２の先端にサスペンション３を介して磁気ヘッ
ド４、具体的には磁気ヘッド４が取付けられたスライダ
５が例えばジンバル６を介して配設され、サスペンショ
ン３によって磁気ヘッド４の磁気ディスク１へのヘッド
荷重が与えられるようになされている。そして、このよ
うな磁気ヘッド荷重をサスペンションによって与えるた
めに、そのサスペンションは例えばヘッドアームに対す
る固定端とヘッドとの間の図においては固定端近傍に湾
曲ないしは屈曲した変形部７を設けてその変形量の選定
によって所望のばね圧を与え、これによってヘッド荷重
を設定するようになされている。

【０００３】そして、磁気ディスク１の回転によるスラ
イダ５との間の気流に因る浮上圧によってスライダ５が
サスペンション３によって与えられたヘッド荷重に抗し
て浮上して磁気ヘッド４が磁気ディスク１と所要の狭小
な間隔を保持して対向して、目的とする記録・再生ない
しは消去を行うようになされている。

【０００４】通常、この種の磁気ディスクドライブ装置
においては、磁気ディスク１の回転が停止された状態で
磁気ヘッドはサスペンション３によるヘッド荷重によっ
て磁気ディスク１と弾性的に衝合した状態に保持された
いわゆるＣＳＳ（コンタクト・スタート・アンド・スト
ップ）状態とされている。

【０００５】ところが、このようなＣＳＳ方式による場
合、装置の起動時及び停止時磁気ヘッド４とディスク１
間の接触摺動が起こるため、磁気ヘッド４と磁気ディス
ク１との対接ないしは対向面、及び磁気ディスク面の相
互の損耗等、耐久性、信頼性が問題となってくる。

【０００６】一方、この種磁気ディスクドライブ装置に
おいて、その磁気ディスクに対する面記録密度の向上を
はかるために磁気ヘッドと磁気ディスクとのスペーシン
グをできるだけ小さくすることが要求され、これに伴っ
て磁気ディスク表面の平滑化が要求されてくる。

【０００７】ところが、このように磁気ディスクの平滑
化が進むにつれ、ＣＳＳ方式において、より磁気ヘッド
と磁気ディスク間の接触摺動における摩擦力及び吸着力
が増大しドライブ起動の円滑化が阻害され、より磁気ヘ
ッド及び磁気ディスク表面の損耗が問題となってくる。

【０００８】このような問題点を解決するために種々の
工夫がなされていて、ＣＳＳ方式を採らないすなわち磁
気ディスクの停止時において磁気ヘッドを機械的に持ち
上げるアームレストないしはリフト手段が種々開発され
ている。

【０００９】しかしながら、これらはいずれもその構造
が煩雑であって装置の大型化、組立ての煩雑さを招来し
ている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
述したＣＳＳ方式を採ることを回避して磁気ディスクの
停止時には磁気ヘッドが磁気ディスクから充分離間した
状態に保持されるようにするか、あるいは簡単な構成を
採ってＣＳＳ方式等においてその接触圧力が軽減される
ようにするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１にその一
例の平面図を示し、図２に要部の斜視図を示すように、
少くとも磁気ディスク１の面に平行な面内で可動の磁気
ヘッドアーム２に、磁気ヘッド４がサスペンション３を
介して取付けられ、磁気ヘッド荷重がサスペンション３
に形成した変形部７の変形量によって設定されたばね圧
によって与えられるようにした磁気ディスクドライブ装
置において、少くとも駆動時と、磁気ディスク回転起動
時及び停止時とで図３Ａ及び図４にその側面図をそれぞ
れ示すように、第１と第２の互いに異なる位置を採る可
動押え体１１が設けられる。

【００１２】この可動押え体１１は第１の位置でサスペ
ンション３によって所要の磁気ヘッド荷重が与えられる
磁気ヘッド４が磁気ディスク１に対しこの磁気ディスク
１の回転駆動による浮上圧に抗して所要の間隙を保持し
て浮上状態を保持するようになされている。

【００１３】また、第２の位置で可動押え体１１のサス
ペンション３の変形部７に対する衝合位置ないしは実質
的支点位置が変化してこの変形部７の変形量を変えて磁
気ヘッド荷重を０ないしは低めるようにする。

【００１４】また、本発明の他の１においても、少くと
も磁気ディスク面に平行な面内で可動な磁気ヘッドアー
ム２に磁気ヘッドがサスペンション３を介して取付けら
れ、磁気ヘッド荷重が、サスペンション３に形成した変
形部７の変形量によって設定されたばね圧によって与え
られるようにした磁気ディスクドライブ装置において、
少くとも駆動時と、磁気ディスク１の回転起動時及び停
止時とで第１と第２の互いに異なる位置を採る可動押え
板１１を設ける。

【００１５】そして、特に第１の位置では、サスペンシ
ョン３によって所要の磁気ヘッド荷重が与えられて磁気
ヘッド４がディスク１に対して所要の対接圧をもって接
触するようになされる。

【００１６】また第２の位置で可動押え体１１のサスペ
ンション３の変形部７と対向する衝合位置ないしは実質
的支点位置が変化して磁気ヘッド荷重を０ないしは低め
る。

【００１７】

【作用】上述した本発明構成によれば、サスペンション
３に対して可動押え体１１の移動によってその変形部７
との衝合位置ないしは実質的支点位置を変化させること
によって変形部７の変形量を変化させてサスペンション
３の遊端すなわち磁気ヘッド取付け部を磁気ディスク１
上から離間させるか、あるいは小なくヘッド荷重に低減
化するという単純な構成を採るので、その装置の簡易化
したがって組立ての簡易化等をはかることができ、また
単にサスペンションに対する可動押え体１１の衝合位置
の変化によってのみ制御するので確実にサスペンション
のばね圧を制御できて磁気ヘッドを確実に磁気ディスク
の停止時に磁気ディスク面に対する押圧力を０ないしは
低減化することができる。

【００１８】したがって、本発明によれば、ＣＳＳ方式
によらない、すなわち磁気ディスクの停止時には磁気デ
ィスクから磁気ヘッドを離間した状態に保持した構成と
することもできるし、またＣＳＳ方式においてその起動
停止時にはヘッド荷重が小さくなることによって上述し
た摩擦力、吸着力が低減化されてドライブ起動不能ある
いは円滑さを損なう不都合を回避できる。

【００１９】そして、これに伴って磁気ディスク表面の
平滑化が可能となることによって、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクとのスペーシングを小さくできて面記録密度の向
上をはかることができる。

【００２０】さらに、ディスク表面の磁気ヘッドとの、
摺接による機械的強度の問題が改善されることから保護
膜の厚さを薄くすることができ、これによってより実効
スペーシングの低減化、したがって面記録密度の向上を
はかることができる。

【００２１】さらにその接触摺動による摩耗粉の発生、
クラッシュの発生等を防止して信頼性の向上をはかるこ
とができる。

【００２２】

【実施例】本発明による磁気ディスクドライブ装置の一
例を図１〜図４を参照して詳細に説明する。

【００２３】本発明においても例えば磁気ディスク１が
回転駆動できるように支持され、この磁気ディスク面に
対して平行な面内で可動、例えば回転する磁気ヘッドア
ーム２の端部に、サスペンション３例えば板ばねの一端
が固定される。

【００２４】このサスペンションは、例えばほぼ３角形
状に先端に向って幅狭とされた形状に構成でき、その固
定端と遊端との間の固定端の近傍にその遊端を磁気ディ
スク１に近付ける側に、折り曲げるかあるいは湾曲させ
た変形部７が設けられ、この変形部７の変形量によって
サスペンション３のばね圧が設定されるようになされて
いる。

【００２５】また、このサスペンション３は、例えばそ
の両側縁がこれら側縁に沿って同一方向に折り曲げられ
たリブ３Ａ，３Ｂが設けられて、その補強がなされた構
造が採られる。

【００２６】また、サスペンション３の遊端には、磁気
ヘッド４が配設される。この磁気ヘッド４は、スライダ
５に設けられて、このスライダ５がジンバル６を介して
サスペンション３の遊端に揺動自在に取り付けられる。

【００２７】このようにして磁気ディスク１の回転に応
じて生じる気流によってスライダ５に対し浮上圧が生じ
て磁気ヘッド４が磁気ディスク１との間に所要の間隙を
保持するように、浮上量が設定される。すなわちサスペ
ンション３のばね圧を例えば１〜１０ｇｆ／ｍｍ程度の
範囲で設定する。

【００２８】そして、この本発明構成においては、その
サスペンション３すなわち板ばねの変形部７を挟んでサ
スペンション３を例えば平面的に抑止する固定体１２と
可動押え板１１を設ける。

【００２９】可動押え板１１は、例えばサスペンション
３の延長方向に沿って磁気ディスク面とほぼ平行に移動
し得る図３で示す第１の位置と、図４で示す第２の位置
とを採り、磁気ディスク１の非駆動時、すなわち駆動起
動時及び停止時には、図３で示す第１の位置にあって実
質的にサスペンション３の変形部７との衝合が離脱した
状態になされ、磁気ディスク１の停止時には図４に示す
第２の移動位置にあって例えばその先端に設けられた突
起部１１Ａがサスペンションの変形部２と衝合しつつ変
形部７の直下、或いはこれより遊端側に移動させること
によってサスペンション３を固定体１２に向って強制的
に押し上げてサスペンション３を例えば平面状態とす
る。つまり実質的にサスペンション３の支点位置を変化
させることによって磁気ディスク１の回転が停止してス
ライダ５に浮上圧を与えない状態ではヘッド荷重を０な
いしは充分低めて磁気ヘッド４を磁気ディスク１に対し
て離間ないしは対接圧を減少させるようにする。

【００３０】この可動押え板１１の、第１及び第２の位
置への移動は、上述の例では、浮上型磁気ヘッドを用い
たスライダ５を具備する磁気ディスクドライブ装置に本
発明を適用した場合で、この場合ＣＳＳ方式とすること
もできるし、磁気ディスク１の停止時には、磁気ヘッド
を磁気ディスク１から離間させ、非ＣＳＳ方式を採るこ
ともできる。

【００３１】また、本発明は、スライダを有する浮上型
磁気ヘッド構成を採る場合に限らず、サスペンションに
よって所要の対接圧をもって磁気ヘッドが磁気ディスク
に摺接して、その記録・再生等を行う態様を採る磁気デ
ィスクドライブ装置に適用することもでき、この場合に
おいても、磁気ディスクの停止状態では、磁気ヘッドの
磁気ディスクへの対接圧を小さくするか、離間させるよ
うにすることができる。

【００３２】

【発明の効果】上述したように、本発明構成によれば、
サスペンション３に対する可動押え体１１の移動のみに
よってサスペンションの遊端すなわち磁気ヘッドを磁気
ディスク１上から離間あるいは小なるヘッド荷重に低減
化するという単純な構成を採るので、その装置の簡易化
したがって組立ての簡易化等をはかることができる。

【００３３】また単にサスペンションに対する可動押え
体１１の衝合位置の変化によってのみ制御するので確実
にサスペンションのばね圧を制御できて磁気ヘッドを確
実に磁気ディスクの停止時に磁気ディスク面に対する押
圧力を０ないしは低減化することができる。

【００３４】したがって、本発明によればＣＳＳ方式に
よらない、すなわち磁気ディスクの停止時には磁気ディ
スクから磁気ヘッドを離間した状態に保持した構成とす
ることもできるし、またＣＳＳ方式においてその起動
時、停止時にはヘッド荷重が小さくなることによって上
述した摩擦力、吸着力が低減化されてドライブ起動不能
あるいは円滑さを損なう不都合を回避できる。

【００３５】また、これによって磁気ディスク表面の平
滑化が可能となることによって磁気ヘッドと磁気ディス
クとのスペーシングを小さくできて面記録密度の向上を
はかることができる。

【００３６】さらに、ディスク表面と磁気ヘッドとの摺
接による機械的密度の問題が改善されることから、保護
膜の厚さを薄くすることができ、これによってより実効
スペーシングの低減化、したがって面記録密度の向上を
はかることができる。

【００３７】さらにその接触摺動による摩耗粉の発生、
クラッシュの発生等を回避できることから、長寿命化、
故障発生の抑制化をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による磁気ディスクドライブ装置の一例
の平面図である。

【図２】本発明による磁気ディスクドライブ装置の一例
の要部の斜視図である。

【図３】その第１の動作状態の一例の側面図である。

【図４】第２の動作状態の一例の側面図である。

【図５】従来の磁気ディスクドライブ装置の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 磁気ディスク ２ 磁気ヘッドアーム ３ サスペンション １１ 可動押え体 １２ 固定体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少くとも磁気ディスク面に平行な面内で
   可動の磁気ヘッドアームに、磁気ヘッドがサスペンショ
   ンを介して取付けられ、磁気ヘッド荷重が上記サスペン
   ションに形成した変形部の変形量によって設定されたば
   ね圧によって与えられるようにした磁気ディスクドライ
   ブ装置において、 少くとも駆動時と、上記磁気ディスク回転起動時及び停
   止時とで第１と第２の互いに異なる位置を採る可動押え
   体が設けられて第１の位置で上記サスペンションによっ
   て所要の磁気ヘッド荷重が与えられ、上記磁気ヘッドが
   上記磁気ディスクに対し該磁気ディスクの回転による浮
   上圧に抗して所要の間隙を保持して浮上するようになさ
   れ、 上記第２の位置で上記可動押え体の上記サスペンション
   の変形部に対する衝合位置ないしは実質的支点位置が変
   化して上記磁気ヘッド荷重を０ないしは低めるようにし
   たことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
2. 【請求項２】 少くとも磁気ディスク面に平行な内面で
   可動な磁気ヘッドアームに、磁気ヘッドがサスペンショ
   ンを介して取付けられ、磁気ヘッド荷重が、上記サスペ
   ンションに形成した変形部の変形量によって設定された
   ばね圧によって与えられるようにした磁気ディスクドラ
   イブ装置において、 少くとも駆動時と、上記磁気ディスクの回転起動時及び
   停止時とで第１と第２の互いに異なる位置を採る可動押
   え体が設けられて第１の位置で上記サスペンションによ
   って所要の磁気ヘッド荷重が与えられて上記磁気ヘッド
   が上記磁気ディスクに対して所要の対接圧をもって接触
   するようになされ、上記第２の位置で上記可動押え体の
   上記サスペンションの変形部と対向する衝合位置ないし
   は実質的支点位置が変化して上記磁気ヘッド荷重を０な
   いしは低めるようにしたことを特徴とする磁気ディスク
   ドライブ装置。