JPH05280625A - 自動変速機のライン圧算出装置 - Google Patents

自動変速機のライン圧算出装置

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JPH05280625A
JPH05280625A JP4079601A JP7960192A JPH05280625A JP H05280625 A JPH05280625 A JP H05280625A JP 4079601 A JP4079601 A JP 4079601A JP 7960192 A JP7960192 A JP 7960192A JP H05280625 A JPH05280625 A JP H05280625A
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torque
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turbine
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大輔 井上
Hiroya Nakamura
泰也 中村
Yuji Yasuda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速中にライン圧が変動するのを極力防止
し、安定した変速制御が実行できるようにする。 【構成】 エンジントルクと速度比とからタービントル
クを求め、該タービントルクに基づいてライン圧を算出
するシステムにおいて、変速中はこの算出を中止し、変
速前における最新の算出値に固定する。あるいは、変速
中はエンジントルクと出力軸回転速度とに基づいて求め
られる変速終了後のタービントルクを推定し、この変速
終了後のタービントルクに基づいてライン圧を算出す
る。あるいは、変速中はエンジントルクと出力軸回転速
度とに基づいて直接的にライン圧を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機のライン圧
を適正に算出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機内の各種油圧制御で実行する
ための基本となる元油圧を一般にライン圧と称してい
る。このライン圧は、アクセルペダル、あるいはこれと
連動して動くスロットルバルブの機械的な動きに依存し
てアクセル開度、あるいはスロットル開度が大きくなる
程高くなるような油圧に設定される。
【0003】近年、電子制御による油圧制御装置の普及
に伴い、このライン圧を、エンジントルクとトルクコン
バータの速度比とに基づいて、まずトルクコンバータの
タービントルク(自動変速機の入力軸トルク)を求め、
該タービントルクに基づいてライン圧を算出し、この算
出値に見合うライン圧をリニアソレノイド等を用いて正
確に発生させる技術が提案されている(例えば特開昭6
2−124343号公報)。
【0004】この方法によれば、ライン圧は常に自動変
速機の入力軸トルクに見合う値に制御されるため、自動
変速機の各種制御を良好に実行することができるように
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によって算出されたライン圧を常時リアルタイ
ムで発生させた場合、変速過渡時にライン圧が変動しす
ぎ、摩擦係合装置への油圧供給が不安定となり、変速フ
ィーリングを損なってしまうことがあるという問題があ
った。
【0006】以下、この問題について少し詳しく説明す
る。
【0007】説明のための例として、エンジントルク
Te を計算し、エンジン回転速度Ne とトルクコンバ
ータのタービン回転速度Nt とから、トルクコンバータ
の速度比e (e =Nt /Ne )を計算し、該速度比e
を変数とする図15で示されるようなマップで与えられ
るトルクコンバータのトルク比(増幅率)t と、前記エ
ンジントルクTe とを用いて自動変速機のタービントル
ク(入力軸トルク)Tt を、Tt =Te ×t によって計
算し、このタービントルクTt に応じてライン圧を制
御する場合を考える。
【0008】図14は、実際の変速特性に即した図であ
る。但し、問題を簡単にするため、変速中のエンジント
ルクTe の変化はないものとし、トルクコンバータの速
度比e も0≦e <e1の範囲で変化するものとする。な
お、図15から明らかなように、0≦e <e1のとき、ト
ルク比t は{(1−t1)/e1}×e +t1となり、e1≦e
のとき、t =1となる。
【0009】図14に戻ってまず、時点1でクラッチが
係合を始め、変速を開始する。すると、自動変速機の入
力軸回転速度、即ちタービン回転速度Nt が低下し始め
る。これに伴って、エンジン回転速度Ne が下がり始め
るが、エンジンの慣性モーメントの影響で実際に回転が
下がり始めるのは時点1よりも若干遅れる。すると、N
t /Ne で計算される速度比e は若干減少する。又、速
度比e の逆比例関数で表わされる自動変速機の入力トル
ク(タービントルク)Tt が上昇し、これに伴ってライ
ン圧も上昇される。
【0010】ライン圧が上昇すると、クラッチのトルク
容量が上昇し、変速フィーリングを決定せしめる自動変
速機の出力トルクTout も上昇する。又、タービン回転
速度Nt の時間微分値 dNt の絶対値も併せて上昇す
る。 dNt の絶対値が上昇すると、エンジン回転速度N
e の時間微分値 dNe の絶対値もそれに伴って上昇す
る。 dNe の絶対値に比例してエンジンの慣性モーメン
トの影響が大きくなるため、結果としてトルクコンバー
タの速度比e が減少する。従って、それに伴って更にラ
イン圧が上昇する。
【0011】この悪循環を繰り返すため、結果として変
速終了(時点2)までの間にライン圧が等比級数的に上
昇してしまい、変速終了時の自動変速機の出力軸トルク
の落差の大きい(変速ショックの大きい)変速フィーリ
ングとなってしまうという問題があったものである。
【0012】本発明は、このような従来の問題が鑑みて
なされたものであって、変速中にライン圧が必要以上に
増減することを禁止し、よりよい変速フィーリングを得
ることのできる自動変速機のライン圧算出装置を提供
し、上記課題を解決せんとしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその要
旨を示すように、エンジントルクとトルクコンバータの
速度比とに基づいて、該トルクコンバータのタービント
ルクを求め、該タービントルクに基づいてライン圧を算
出する自動変速機のライン圧算出装置において、変速中
か否かを判断する手段と、変速中と判断されたときは、
前記エンジントルクと速度比とに基づいて求められるタ
ービントルクからのライン圧の算出を中止し、該判断前
に求められた最新のライン圧の算出値に固定する手段と
を備えたことにより、上記課題を解決したものである
(請求項1)。
【0014】又、本発明は、図2にその要旨を示すよう
に、エンジントルクとトルクコンバータの速度比とに基
づいて、該トルクコンバータのタービントルクを求め、
該タービントルクに基づいてライン圧を算出する自動変
速機のライン圧算出装置において、変速中か否かを判断
する手段と、自動変速機の出力軸回転速度を検出する手
段と、変速中と判断されたときは、前記エンジントルク
と速度比とに基づいて求められるタービントルクからの
ライン圧の算出を中止し、エンジントルクと出力軸回転
速度とに基づいて求められる変速終了後のタービントル
クからのライン圧の算出に切換える手段とを備えたこと
により、同じく上記課題を解決したものである(請求項
2)。
【0015】又、本発明は、図3にその要旨を示すよう
に、エンジントルクとトルクコンバータの速度比とに基
づいて、該トルクコンバータのタービントルクを求め、
該タービントルクに基づいてライン圧を算出する自動変
速機のライン圧算出装置において、変速中か否かを判断
する手段と、自動変速機の出力軸回転速度を検出する手
段と、変速中と判断されたときは、前記エンジントルク
と速度比とに基づいて求められるタービントルクからの
ライン圧の算出を中止し、エンジントルクと出力軸回転
速度とに基づいたライン圧の算出に切換える手段とを備
えたことにより、同じく上記課題を解決したものである
(請求項3)。
【0016】
【作用】請求項1の発明においては、変速中と判断され
たときは、エンジントルクと速度比とによって求められ
るタービントルクからのライン圧の算出を中止し、該判
断前に求められた最新のライン圧の算出値に固定するよ
うにしたため、変速中にはライン圧の変動がなくなり、
良好な変速特性を得ることができるようになる。
【0017】又、請求項2の発明においては、変速中と
判断されたときは、同じくエンジントルクと速度比とに
基づいて求められるタービントルクからのライン圧の算
出を中止し、代わりにエンジントルクと出力軸回転速度
とに基づいて求められる変速終了後のタービントルクか
らのライン圧の算出に切換えるようにしている。
【0018】出力軸回転速度は変速中においてほとんど
変化しないため、この発明によってもライン圧を安定し
て供給することができるようになる。又、一応変速終了
後のタービントルクを推定した上でライン圧の算出を行
っているため、できるだけ現状に見合ったライン圧供給
を行うことができる。この発明は、主にスロットル開度
が変化することによって実行される変速やマニュアル変
速(変速時の車速が狭い一点に特定されない変速)のと
きに、特に有効である。
【0019】又、請求項3の発明は、変速中と判断され
たときに、同じくエンジントルクと速度比とに基づいて
求められるタービントルクからのライン圧の算出を中止
し、エンジントルクと出力軸回転速度とに基づいたライ
ン圧の算出に切換えるようにしている。この発明は、前
記請求項2の発明に対し制御フローが簡単になるという
利点を有し、且つ、請求項2の発明に対して必ずしも悪
い結果をもたらすものではないため、低コスト化の要求
される車両等においては有効である。
【0020】なお、ここで変速中とは、変速判断があっ
たときとしてもよいし、変速が実際に行われている間
(イナーシャ相、あるいはトルク相+イナーシャ相)と
してもよい。後述するように具体的な実施例に即して適
宜選択可能である。
【0021】又、本発明は、変速時における一般的なラ
イン圧の算出に係るものであり、変速の進行状態に応じ
て意図的にライン圧を増減する制御が併用されることを
禁止するものではない。むしろ、本発明は、このように
変速過渡特性に応じてライン圧やアキュムレータ背圧を
積極的に増減させるような制御を採用している場合に、
その基本となる油圧が不必要に変動しないため、より効
果的な作用が得られると考えられる。
【0022】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0023】図4に本発明の実施例が適用される車両用
自動変速機の全体概要を示す。
【0024】この自動変速機はトルクコンバータ部20
と、オーバードライブ機構部40と、前進3段後進1段
のアンダードライブ機構部60とを備える。
【0025】前記トルクコンバータ部20は、ポンプ2
1、タービン22、ステータ23、及びロックアップク
ラッチ24を備えた周知のものであり、エンジン1のク
ランクシャフト10の出力をオーバードライブ機構部4
0に伝達する。
【0026】ロックアップクラッチ24は、エンジン水
温や車速及びスロットル開度に依存した所定条件が整っ
たときに後述する油圧回路により駆動され、ポンプ21
とタービン22とを(所定のスリップ量で)連結する。
【0027】前記オーバードライブ機構部40は、サン
ギヤ43、リングギヤ44、プラネタリピニオン42、
及びキャリヤ41からなる1組の遊星歯車装置を備え、
この遊星歯車装置の回転状態をクラッチC0 、ブレーキ
B0 、一方向クラッチF0 によって制御している。
【0028】前記アンダードライブ機構部60は、共通
のサンギヤ61、リングギヤ62、63、プラネタリピ
ニオン64、65及びキャリヤ66、67からなる2組
の遊星歯車装置を備え、この2組の遊星歯車装置の回転
状態、及び前記オーバードライブ機構部との連結状態を
クラッチC1 、C2 、ブレーキB1 〜B3 及び一方向ク
ラッチF1 、F2 によって制御している。
【0029】この自動変速機のトランスミッション部の
具体的な構成については、これ自体周知であるため、図
4においてスケルトン図示するに止どめ、詳細な説明は
省略する。
【0030】この自動変速機は、上述の如きトランスミ
ッション部、及びコンピュータ84を備える。コンピュ
ータ84にはアクセル操作量(開度)θを検出するアク
セル開度センサ80、車速Vを検出するための車速セン
サ(出力軸70の回転速度センサ)82、及びエンジン
冷却水温Sを検出するための水温センサ83等の各種制
御のための信号が入力される。又、これらと共にエンジ
ン回転数センサ88からのエンジン回転数信号も入力さ
れる。更には、タービン回転数センサ9(具体的にはク
ラッチC0 の回転数センサ)99からのタービン回転数
信号も入力される。
【0031】コンピュータ84は、アクセル開度−車速
の変速点マップに従って油圧制御回路86内のソレノイ
ドバルブを駆動・制御し、図5に示されるような各クラ
ッチ、ブレーキ等の係合の組合せを行って変速を実行す
る。
【0032】図6に示されるように、油圧制御回路86
内のソレノイドバルブS1 は2−3シフトバルブを制御
し、ソレノイドバルブS2 は1−2シフトバルブ及び3
−4シフトバルブを制御する。そして、1−2、3−4
の各シフトバルブによってアンダードライブ機構60の
第1速段から第3速段までの変速制御が行われ、3−4
シフトバルブによってオーバードライブ機構40の変速
(第3速段と第4速段間の変速)が行われる。又、ソレ
ノイドバルブSLはロックアップリレーバルブを介して
トルクコンバータ20内のロックアップクラッチ24の
制御を行い、リニアソレノイドSd は、プライマリレギ
ュレータバルブを介して油圧制御回路86内のライン圧
の制御をそれぞれ行うようになっている。
【0033】なお、このリニアソレノイドSd によって
ライン圧を制御する構成を含む上記油圧回路86のハー
ド構成自体については、既に広く公知な構成であるため
(例えば特開昭62−124343号公報等)、具体的
な説明は省略する。
【0034】次に、コンピュータ84によって実行され
るライン圧の算出フローについて説明する。
【0035】図7は、請求項1に係る技術を適用した制
御フローに相当する。
【0036】まず、ステップ201において、変速の開
始を検出する。この実施例の場合の変速開始とは、速度
比e が変化し始めるポイントのことであり、一般に変速
時のトルク制御等で用いられるイナーシャ相の検出と同
様の方法が採用される。即ち、Nt <N0 ×iB−αが成
立したときである。
【0037】なお、ここでiBは変速前のギヤ比、αは定
数である。
【0038】変速開始を検出した場合、ステップ202
に進んで、フラグFが1に設定される。それ以外の場合
はフラグFの変更は行わない。次いで、ステップ203
で変速終了が検出される。この検出方法は、ロックアッ
プクラッチの制御や変速過渡油圧制御等で一般に用いら
れているものを使用できる。例えば、Nt <N0 ×iA+
αが成立したときである。ここで、iAは変速後のギヤ
比、αは定数である。
【0039】なお、変速の開始及び終了の検出は、変速
判断あるいは変速指令時期から起動されたタイマによっ
て行うようにしてもよい。
【0040】変速終了を検出した場合、ステップ204
でフラグFを0にリセットする。それ以外の場合フラグ
Fの変更は行わない。
【0041】以上のフローを実行すると、結局変速開始
〜変速終了の間だけ、即ち実際に変速が行われている間
だけフラグFが1とされ、それ以外はフラグFが0とさ
れることになる。
【0042】ステップ205では、フラグFの値を確認
することにより、変速中か否かを判断する。変速中でな
い場合はステップ206に進んで、従来と同様の方法で
ライン圧PLの値を、その時点のエンジントルクTe 及
び速度比e で与えられるライン圧PLの関数若しくはマ
ップを用いてリアルタイムで更新する。
【0043】一方、変速中であった場合には、ステップ
206を通らずに制御を終了する。この結果、ライン圧
PLの値は更新されず、変速前の値に固定されることに
なる。
【0044】次に、請求項2に記載した技術を適用した
制御フローを、図8及び図9に示す。 まず、ステップ
301において変速判断が発生するか否かが確認され
る。変速判断が発生しない場合は、ステップ306に飛
ぶ。変速判断が発生する場合は、ステップ302〜30
5において、ライン圧PLの計算に用いるパラメータの
初期化を行う。即ち、ステップ302で変速後のタービ
ン回転速度Nt2がiA×N0 を計算することによって求め
られ、ステップ303ではライン圧PLの計算に使用す
る速度比exがライン圧PLの計算に使用する速度比の初
期値e1に設定される。又、ステップ304では、変速制
御実行中を示すフラグFs を1に設定し、更にステップ
305では、ライン圧PLを計算中であることを示すフ
ラグFc が1に設定される。
【0045】ステップ306では、図9に示すサブルー
チンによりライン圧PLが算出される。図9の詳細は後
述する。
【0046】ステップ307及び308では、変速終了
の判定が行われる。この判定は、基本的に前述した図7
のステップ203、204の判定と同一である。ここま
でのフローで、結局フラグFs は変速判断〜変速終了の
間、即ち変速制御が実行中の間だけ1とされるフラグと
なる。
【0047】ステップ309〜312では、ライン圧の
算出(設定)が行われる。具体的には、変速制御実行中
(Fs =1)且つライン圧PLの計算が終了していると
き(Fc =0)は、ステップ306のライン圧PLの計
算サブルーチンで計算された値PLx にライン圧PLが
設定される。
【0048】一方、それ以外のときは通常のエンジント
ルクTe と速度比e とに基づいたライン圧の算出が行わ
れる。
【0049】次に、図9にステップ306で実行される
ライン圧PLの計算サブルーチンの詳細を示す。
【0050】まず、ステップ401において、フラグF
c の値が確認される。フラグFc が1であるときにステ
ップ402以下の制御が実行される。それ以外のとき、
即ちフラグFc が0のときは何もせず、元に戻る。
【0051】ステップ402〜405では、容量係数C
1 、C2 が求められる。
【0052】具体的には、ステップ402において、ス
テップ302、303でそれぞれ与えられた変速後のタ
ービン回転速度Nt2と速度比ex(当初はe1)とから、N
t2/exを演算することによって、変速後のエンジン回転
速度Ne2が求められる。
【0053】又、ステップ403では、この変速後のエ
ンジン回転速度Ne2とアクセル開度PAとから、当該エ
ンジン固有のマップにより変速後のエンジントルクTe2
が求められる。
【0054】又、ステップ404では、速度比e と容量
係数Cとのマップから、速度比exに対応する容量係数C
1 が求められる。
【0055】更に、ステップ405では、ステップ40
2、403でそれぞれ求められた変速後のエンジン回転
速度Ne2及びエンジントルクTe2によって与えられる変
速後の容量係数C2 が、Te2/Ne22 を演算することに
よって求められる。
【0056】ステップ406以降では、計算された容量
係数C1 、C2 の大きさに応じて、3つに場合分けされ
た制御フローが実行される。まず、ステップ406でC
2 >C1 +αが成立するか否かが判定される。ここでα
はC1 、C2 の差の許容範囲を示す定数である。C2 >
C1 +αが成立するときは、速度比exの値(当初はe1)
が大きすぎると考えられるため、ステップ407に進ん
で、exが所定値βだけ減らされ、ステップ401に戻っ
てこの新たな速度比exに基づいて再計算がなされる。
【0057】一方、C2 <C1 −αであるときには、与
えられた速度比exが小さすぎると考えられるため、この
場合はステップ406、408、409と進んで、速度
比exに所定値βが加算され、ステップ401に戻ってこ
の新たな速度比exに基づいて再計算がなされる。
【0058】この結果、与えられた速度比exが次第に適
正値に近付けられるため、やがてC1 +α≧C2 ≧C1
−αが成立するようになり、フローはステップ406、
408から410へと進んでくるようになる。そこで、
この適正化された速度比exと変速後のエンジントルクT
e2から、従来と同様な方法で変速後のタービントルクT
t2が求められ、これに基づいてライン圧PLx が求めら
れる。
【0059】その後、ライン圧PLを計算中であること
を示すフラグFc が0にリセットされるため、ステップ
306のライン圧PLの計算サブルーチンが実質的に完
了される。
【0060】前述したように、この第2実施例では、変
速判断が発生してから変速終了が検出されるまではステ
ップ311で、この図9に示されるサブルーチンによっ
て計算されたライン圧PLx が用いられ、それ以外のと
きにはエンジントルクTe と速度比e からリアルタイム
で求められるタービントルクTt に基づいてライン圧P
Lが設定される。
【0061】次に、図10に本発明の第3実施例を示
す。
【0062】この実施例は、ステップ501〜505ま
では、基本的に前述した第1実施例(図7)のステップ
201〜205と基本的に同一である。但し、図7で
は、ライン圧を変速前の最新の値に完全に固定してしま
うため、その期間をできるだけ短くするべく、実際に変
速が実行されている間を検出するようにしていたが、こ
の図10の第3実施例では、変速判断が発生してから変
速が終了するまでを検出するようにしている。
【0063】そして、変速制御が実行中であると判定さ
れたとき、即ちステップ505でフラグFs が1である
と判定されたときは、エンジントルクTe と出力軸回転
速度N0 から直接的にライン圧PLが求められる(ステ
ップ506)。一方、それ以外のときは従来通りエンジ
ントルクTe と速度比e とからタービントルクを求め、
これに依存してライン圧PLが求められる(ステップ5
07)。
【0064】この第3実施例に係る制御フローは、計算
負荷が非常に少ない割には比較的適正なライン圧を求め
られる点で有益である。
【0065】次に、図11〜図13を用いて、前記第1
〜第3実施例を実施したときの変速特性をそれぞれ説明
する。
【0066】図11は、第1実施例(図7)を実施した
ときの変速特性である。変速中のライン圧は変速前の値
に固定されるため、変速終了に向けてライン圧が高くな
っていくようなことはない。又、イナーシャ相の開始
(実際の変速開始)から固定するようにし、固定する期
間を可能な限り短くして固定したことによる実値との差
が大きくならないようにも配慮しているため、一層良好
な変速特性が得られている。
【0067】図12は第2実施例(図8、図9)を実施
したときの変速特性を示している。
【0068】変速判断があった時点(時点0)で変速終
了後(時点3)のタービントルク値を予測し、その値に
応じたライン圧としているため、変速中におけるライン
圧の変動がなく、しかもその値が適正であるため、非常
に良好な変速特性が得られる。この実施例の場合、変速
後のタービントルクに依存した算出値に切換えるため、
場合によっては切換時に段差が生じるが、ライン圧の切
換えが変速判断時になされているため、応答遅れを考慮
してもイナーシャ相が始まる頃にはライン圧は完全に安
定しており、しかもその安定したライン圧が変速終了後
においても維持されるため、結局変速の前後に亘って適
正なライン圧を維持することができ、変速ショック低減
のための諸制御を極めて安定した状態で行うことができ
る。
【0069】一方、図13には第3実施例(図10)を
実施したときの変速特性が示されている。
【0070】図から明らかなように、変速制御が実行さ
れる間はエンジントルクTe と出力軸回転速度N0 に依
存した値にライン圧が制御されるため、変速中にライン
圧がむやみに変動することによる不具合を防止すること
ができる。しかも、この第3実施例の場合には、極めて
簡易な制御フローにより実施可能という効果も得られ
る。
【0071】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、変
速中のライン圧を極めて安定した状態で維持することが
でき、変速ショック低減のための諸制御を極めて安定し
た状態で確実に行うことができるようになるという優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1発明の要旨を示すブロック図
【図2】本第2発明の要旨を示すブロック図
【図3】本第3発明の要旨を示すブロック図
【図4】本発明が適用される車両用自動変速機の概略を
示すスケルトン図
【図5】上記自動変速機の各摩擦係合装置の作用状態を
示す線図
【図6】同じくコンピュータ及び油圧制御回路周りの概
略を示すブロック図
【図7】本発明の第1実施例を示す流れ図
【図8】本発明の第2実施例を示す流れ図
【図9】図8における変速制御中のライン圧を計算する
ためのサブルーチンを示す流れ図
【図10】本発明の第3実施例を示す流れ図
【図11】本発明の第1実施例を実施したときの変速特
性線図
【図12】本発明の第2実施例を実施したときの変速特
性線図
【図13】本発明の第3実施例を実施したときの変速特
性線図
【図14】従来の不具合を説明するための変速特性線図
【図15】トルクコンバータの速度比とトルク比との関
係を示す線図
【符号の説明】
Sd …(ライン圧調整用)リニアソレノイド、 84…コンピュータ、 86…油圧制御回路、 Nt …タービン回転速度、 N0 …出力軸回転速度、 PL…ライン圧、 e …速度比、 ex…計算上用いる速度比、 Ne …エンジン回転速度、 c …容量係数。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジントルクとトルクコンバータの速度
    比とに基づいて、該トルクコンバータのタービントルク
    を求め、該タービントルクに基づいてライン圧を算出す
    る自動変速機のライン圧算出装置において、 変速中か否かを判断する手段と、 変速中と判断されたときは、前記エンジントルクと速度
    比とに基づいて求められるタービントルクからのライン
    圧の算出を中止し、該判断前に求められた最新のライン
    圧の算出値に固定する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機のライン圧算出装
    置。
  2. 【請求項2】エンジントルクとトルクコンバータの速度
    比とに基づいて、該トルクコンバータのタービントルク
    を求め、該タービントルクに基づいてライン圧を算出す
    る自動変速機のライン圧算出装置において、 変速中か否かを判断する手段と、 自動変速機の出力軸回転速度を検出する手段と、 変速中と判断されたときは、前記エンジントルクと速度
    比とに基づいて求められるタービントルクからのライン
    圧の算出を中止し、エンジントルクと出力軸回転速度と
    に基づいて求められる変速終了後のタービントルクから
    のライン圧の算出に切換える手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機のライン圧算出装
    置。
  3. 【請求項3】エンジントルクとトルクコンバータの速度
    比とに基づいて、該トルクコンバータのタービントルク
    を求め、該タービントルクに基づいてライン圧を算出す
    る自動変速機のライン圧算出装置において、 変速中か否かを判断する手段と、 自動変速機の出力軸回転速度を検出する手段と、 変速中と判断されたときは、前記エンジントルクと速度
    比とに基づいて求められるタービントルクからのライン
    圧の算出を中止し、エンジントルクと出力軸回転速度と
    に基づいたライン圧の算出に切換える手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機のライン圧算出装
    置。
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