JPH0613903B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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- JPH0613903B2 JPH0613903B2 JP60182485A JP18248585A JPH0613903B2 JP H0613903 B2 JPH0613903 B2 JP H0613903B2 JP 60182485 A JP60182485 A JP 60182485A JP 18248585 A JP18248585 A JP 18248585A JP H0613903 B2 JPH0613903 B2 JP H0613903B2
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- transmission
- shift
- gear
- automatic transmission
- control device
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Description
本発明は、自動変速機の変速制御装置に係り、特に、複
数の変速段を自動的に切換え得る第1変速機及び該第1
変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さなギヤ比差の変
速段を有する第2変速機を備え、前記第1変速機と第2
変速機とを同時に変速させることにより特定の変速を達
成するようにした自動変速機の変速制御装置の改良に関
する。
数の変速段を自動的に切換え得る第1変速機及び該第1
変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さなギヤ比差の変
速段を有する第2変速機を備え、前記第1変速機と第2
変速機とを同時に変速させることにより特定の変速を達
成するようにした自動変速機の変速制御装置の改良に関
する。
近年の車両用自動変速機の急速な普及に伴ない、主に燃
費の向上を意図して車速及びスロットル開度等に関係し
て変速段を自動的に切換え得る第1変速機に、変速比が
1以下となるいわゆるオーバードライブ装置を第2変速
機として直列に付設したものが多く採用されてきてい
る。 又、こうしたオーバードライブ装置のような低速段と高
速段に切換え得る第2変速機としての機能に着目し、こ
れを第1変速機の変速に積極的に同調させ、比較的大き
な変速段間ギヤ比差の第1変速機と比較的小さな変速段
間ギヤ比差の第2変速機とを同時又は交互に変速させる
ことにより、例えば第2図A部分に示されるような変速
制御を行わせることによつて最高前進6段の多段変速を
達成するようにしたものも既に知られている(例えば特
開昭57−37140)。 このように、第1変速機に対して低速側と高速側とを切
換え得る第2変速機を直列関係に配置することによつ
て、既存の自動変速機を基礎とし、設計変更を少なくし
て製造上有利としながら容易に多段変速が実現でき、燃
費の向上、動力性能の向上、あるいは変速段を多段にし
たことによる摩擦材の負担低下等の多くの利点を得るこ
とができる。
費の向上を意図して車速及びスロットル開度等に関係し
て変速段を自動的に切換え得る第1変速機に、変速比が
1以下となるいわゆるオーバードライブ装置を第2変速
機として直列に付設したものが多く採用されてきてい
る。 又、こうしたオーバードライブ装置のような低速段と高
速段に切換え得る第2変速機としての機能に着目し、こ
れを第1変速機の変速に積極的に同調させ、比較的大き
な変速段間ギヤ比差の第1変速機と比較的小さな変速段
間ギヤ比差の第2変速機とを同時又は交互に変速させる
ことにより、例えば第2図A部分に示されるような変速
制御を行わせることによつて最高前進6段の多段変速を
達成するようにしたものも既に知られている(例えば特
開昭57−37140)。 このように、第1変速機に対して低速側と高速側とを切
換え得る第2変速機を直列関係に配置することによつ
て、既存の自動変速機を基礎とし、設計変更を少なくし
て製造上有利としながら容易に多段変速が実現でき、燃
費の向上、動力性能の向上、あるいは変速段を多段にし
たことによる摩擦材の負担低下等の多くの利点を得るこ
とができる。
しかしながら、このような第1変速機と第2変速機とを
同時又は交互に変速させることにより多段変速を達成す
るようにした自動変速機にあつては、例えば第2図の第
2速段から3速段へのアツプシフト、第4速段から第5
速段へのアツプシフト、あるいはこれらの逆のダウンシ
フトのように第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向
に変速することによつて新たな変速段を達成する場合が
生じるが、このとき、単に各変速を個別に制御していた
のでは、変速シヨツクの増大が避けられないだけでな
く、アツプシフトなのにダウンシフトから変速が始まつ
たり、又、ダウンシフト後のアツプシフト、あるいはア
ツプシフト後のダウンシフトというような奇妙な運転感
覚の変速特性となる場合があるという問題があつた。 このような問題に鑑み、出願人は先に、特願昭59−2
19454〜5(未公知)において、第2変速機の変速
が第1変速機の変速期間(以下イナーシヤ相という)中
に開始、完了するように構成すると、良好な変速特性が
得られることを開示した。即ち、第2変速機の変速開始
が第1変速機の変速開始より前であつてはならず、又、
第2変速機の変速完了が第1変速機の変速完了の後であ
つてはならないことを開示したものである。 又、同出願人はその後、第2変速機の変速完了が第1変
速機の変速完了よりも早いと、第1変速機のイナーシヤ
相残部で出力軸トルクの急上昇が発生し、変速シヨツク
が増大するという問題を見出し、両変速機の変速完了が
同時に行われるべきことも開示した(特願昭60−14
4340=未公知)。 しかしながら、このような制御を行う場合に、両者の変
速タイミングを例えば単にタイマ等によつて制御するだ
けでは、こうした奇妙な開始、終了時期を意図した時期
に一致させるように制御するのが極めて困難であるとい
う問題が新たに浮かび上つてきた。即ち、自動変速機の
油温の高低、あるいは変速インターバル(前回の変速か
らどの程度時間が経つているか)等によつて変速開始指
令からイナーシヤ相開始までの時間が異つてくるため、
特に両変速機の変速完了を一致させるのが難しいという
問題が浮上してきたものである。
同時又は交互に変速させることにより多段変速を達成す
るようにした自動変速機にあつては、例えば第2図の第
2速段から3速段へのアツプシフト、第4速段から第5
速段へのアツプシフト、あるいはこれらの逆のダウンシ
フトのように第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向
に変速することによつて新たな変速段を達成する場合が
生じるが、このとき、単に各変速を個別に制御していた
のでは、変速シヨツクの増大が避けられないだけでな
く、アツプシフトなのにダウンシフトから変速が始まつ
たり、又、ダウンシフト後のアツプシフト、あるいはア
ツプシフト後のダウンシフトというような奇妙な運転感
覚の変速特性となる場合があるという問題があつた。 このような問題に鑑み、出願人は先に、特願昭59−2
19454〜5(未公知)において、第2変速機の変速
が第1変速機の変速期間(以下イナーシヤ相という)中
に開始、完了するように構成すると、良好な変速特性が
得られることを開示した。即ち、第2変速機の変速開始
が第1変速機の変速開始より前であつてはならず、又、
第2変速機の変速完了が第1変速機の変速完了の後であ
つてはならないことを開示したものである。 又、同出願人はその後、第2変速機の変速完了が第1変
速機の変速完了よりも早いと、第1変速機のイナーシヤ
相残部で出力軸トルクの急上昇が発生し、変速シヨツク
が増大するという問題を見出し、両変速機の変速完了が
同時に行われるべきことも開示した(特願昭60−14
4340=未公知)。 しかしながら、このような制御を行う場合に、両者の変
速タイミングを例えば単にタイマ等によつて制御するだ
けでは、こうした奇妙な開始、終了時期を意図した時期
に一致させるように制御するのが極めて困難であるとい
う問題が新たに浮かび上つてきた。即ち、自動変速機の
油温の高低、あるいは変速インターバル(前回の変速か
らどの程度時間が経つているか)等によつて変速開始指
令からイナーシヤ相開始までの時間が異つてくるため、
特に両変速機の変速完了を一致させるのが難しいという
問題が浮上してきたものである。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであつ
て、例えば第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向に
変速することによつて新たな変速段を達成するような場
合にあつても、油温や使用条件(変速インターバル)に
拘わらず変速シヨツクが少なく、常に良好な変速感覚を
得ることができる自動変速機の変速制御装置を提供する
ことを目的とする。
て、例えば第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向に
変速することによつて新たな変速段を達成するような場
合にあつても、油温や使用条件(変速インターバル)に
拘わらず変速シヨツクが少なく、常に良好な変速感覚を
得ることができる自動変速機の変速制御装置を提供する
ことを目的とする。
本第1発明は、複数の変速段を自動的に切換え得る第1
変速機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小
さなギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、前記
第1変速機と第2変速機とを同時に変速させることによ
り特定の変速を達成するようにした自動変速機の変速制
御装置において、前記第1変速機の変速を開始させる手
段と、油温を検出する手段と、第1変速機の変速が開始
した後に、油温に依存したタイミングで第2変速機の変
速を開始させる手段と、第1変速機及び第2変速機の変
速を同期させて終了する手段と、を備えることにより上
記目的を達成したものである。 又、本第2発明は、複数の変速段を自動的に切換え得る
第1変速機及び該第1変速機の変速段間のジヤ比差より
も小さなギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、
前記第1変速機と第2変速機とを同時に変速させること
により特定の変速を達成するようにした自動変速機の変
速制御装置において、前記第1変速機の変速を開始させ
る手段と、前回の変速からの時間を検出する手段と、第
1変速機の変速が開始した後に、前回の変速からの時間
に依存したタイミングで第2変速機の変速を開始させる
手段と、第1変速機及び第2変速機の変速を同期させて
終了する手段と、を備えることにより、同じく上記目的
を達成したものである。 第1発明において、好ましい実施態様は、前記第2変速
機の変速開始のタイミングを、自動変速機の油温のほ
か、エンジン負荷、及び変速の種類に関係して変更する
ことである。これにより、変速完了をより適正に制御す
ることができる。 又、好ましくは、第2発明についても同様にエンジン負
荷、変速の種類等まで考慮するとよい。本第1発明と第
2発明とが相互に組合せ可能なのは明らかである。
変速機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小
さなギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、前記
第1変速機と第2変速機とを同時に変速させることによ
り特定の変速を達成するようにした自動変速機の変速制
御装置において、前記第1変速機の変速を開始させる手
段と、油温を検出する手段と、第1変速機の変速が開始
した後に、油温に依存したタイミングで第2変速機の変
速を開始させる手段と、第1変速機及び第2変速機の変
速を同期させて終了する手段と、を備えることにより上
記目的を達成したものである。 又、本第2発明は、複数の変速段を自動的に切換え得る
第1変速機及び該第1変速機の変速段間のジヤ比差より
も小さなギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、
前記第1変速機と第2変速機とを同時に変速させること
により特定の変速を達成するようにした自動変速機の変
速制御装置において、前記第1変速機の変速を開始させ
る手段と、前回の変速からの時間を検出する手段と、第
1変速機の変速が開始した後に、前回の変速からの時間
に依存したタイミングで第2変速機の変速を開始させる
手段と、第1変速機及び第2変速機の変速を同期させて
終了する手段と、を備えることにより、同じく上記目的
を達成したものである。 第1発明において、好ましい実施態様は、前記第2変速
機の変速開始のタイミングを、自動変速機の油温のほ
か、エンジン負荷、及び変速の種類に関係して変更する
ことである。これにより、変速完了をより適正に制御す
ることができる。 又、好ましくは、第2発明についても同様にエンジン負
荷、変速の種類等まで考慮するとよい。本第1発明と第
2発明とが相互に組合せ可能なのは明らかである。
本第1発明においては、第1変速機及び第2変速機のう
ちの少なくとも一方の変速開始のタイミングを、少なく
とも自動変速機の油温に関係して変更するようにしたた
め、第1変速機の変速終了と第2変速機の変速終了を正
確に同期させることができる。即ち、自動変速機の油温
が高い場合には、低い場合に比べて摩擦係合装置の油圧
が油圧回路の油路中においてより多量に洩れるため、結
果として摩擦係合装置に油圧が供給される場合は、油圧
供給開始から該供給によつて変速機が変速開始されるま
での時間がかかるようになる。逆に、摩擦係合装置から
油圧がドレンされる場合はドレン開始から該ドレンによ
つて変速機が変速開始されるまでの時間が短くなる。
又、油温が極端に低い場合(例えば0℃以下)では、オ
イルの粘性抵抗が大きくなるため、摩擦係合装置の油圧
が供給されるまでに時間がかかるようになる。 こうした影響は、第1変速機及び第2変速機の油路構
成、特に油路の長さが異つている場合、あるいは第1変
速機と第2変速機とで油圧の供給、ドレンが逆になつて
いる場合に両変速機の変速開始や変速終了のタイミング
に大きく及ぶようになつてくる。 本第1発明は、このような場合であつても、少なくとも
油温を考慮した上で変速開始のタイミングを決定するよ
うにしたため、第1変速機と第2変速機とを正確に同期
させて終了させることができるようになる。 一方、本第2発明においては、第1変速機及び第2変速
機のうちの少なくとも一方の変速開始のタイミングを、
少なくとも前回の変速からの時間に関係して変更するよ
うにしたため、同じく第1変速機の変速終了と第2変速
機の変速終了とを正確に同期させることができる。即
ち、例えば摩擦係合装置の油圧がドレンされたあと、す
ぐに当該摩擦係合装置の油圧が供給される場合、この摩
擦係合装置の油圧回路中にまだオイルが残つているた
め、供給される時間は通常に比べて極めて短くなる。こ
の場合、第1変速機の摩擦係合装置に関する油路の構成
と第2変速機に関する摩擦係合装置の油路構成が異なる
と、残存油圧の影響も当然異つてくる。 本第2発明は、このような場合であつても、少なくとも
前回の変速からの時間を考慮した上で変速タイミングを
決定するようにしたため、第1変速機と第2変速機とを
正確に同期させて終了させることができるようになる。
ちの少なくとも一方の変速開始のタイミングを、少なく
とも自動変速機の油温に関係して変更するようにしたた
め、第1変速機の変速終了と第2変速機の変速終了を正
確に同期させることができる。即ち、自動変速機の油温
が高い場合には、低い場合に比べて摩擦係合装置の油圧
が油圧回路の油路中においてより多量に洩れるため、結
果として摩擦係合装置に油圧が供給される場合は、油圧
供給開始から該供給によつて変速機が変速開始されるま
での時間がかかるようになる。逆に、摩擦係合装置から
油圧がドレンされる場合はドレン開始から該ドレンによ
つて変速機が変速開始されるまでの時間が短くなる。
又、油温が極端に低い場合(例えば0℃以下)では、オ
イルの粘性抵抗が大きくなるため、摩擦係合装置の油圧
が供給されるまでに時間がかかるようになる。 こうした影響は、第1変速機及び第2変速機の油路構
成、特に油路の長さが異つている場合、あるいは第1変
速機と第2変速機とで油圧の供給、ドレンが逆になつて
いる場合に両変速機の変速開始や変速終了のタイミング
に大きく及ぶようになつてくる。 本第1発明は、このような場合であつても、少なくとも
油温を考慮した上で変速開始のタイミングを決定するよ
うにしたため、第1変速機と第2変速機とを正確に同期
させて終了させることができるようになる。 一方、本第2発明においては、第1変速機及び第2変速
機のうちの少なくとも一方の変速開始のタイミングを、
少なくとも前回の変速からの時間に関係して変更するよ
うにしたため、同じく第1変速機の変速終了と第2変速
機の変速終了とを正確に同期させることができる。即
ち、例えば摩擦係合装置の油圧がドレンされたあと、す
ぐに当該摩擦係合装置の油圧が供給される場合、この摩
擦係合装置の油圧回路中にまだオイルが残つているた
め、供給される時間は通常に比べて極めて短くなる。こ
の場合、第1変速機の摩擦係合装置に関する油路の構成
と第2変速機に関する摩擦係合装置の油路構成が異なる
と、残存油圧の影響も当然異つてくる。 本第2発明は、このような場合であつても、少なくとも
前回の変速からの時間を考慮した上で変速タイミングを
決定するようにしたため、第1変速機と第2変速機とを
正確に同期させて終了させることができるようになる。
以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。 第1変速機60と第2変速機40とが同時に変速される
ことによつて新たな変速段が達成される場合、特に両変
速機40、60が互いに逆方向にシフトされることによ
つて新たな変速段が達成される場合としては、第2図か
ら明らかなように、第2速段及び第3速段間の変速、あ
るいは第4速段及び第5速段間の変速等があるが、趣旨
は同様であるため、ここでは第1変速機がハイギヤシフ
トすると共に、第2変速機がローギヤシフトし、自動変
速機全体としてアツプシフトがなされる第2速段から第
3速段への変速を例にとつて説明してゆく。 まず、第1図にこの実施例が適用される車両用自動変速
機の全体概要を示す。 この自動変速機は、そのトランスミツシヨン部としてト
ルクコンバータ20と、第2変速機40と、前進3段、
後進1段の第1変速機60とを備える。 前記トルクコンバータ20は、ポンプ21、タービン2
2、ステータ23、及びロツクアツプクラツチ 4を備
える。ポンプ21は、エンジン1のクランク軸10と連
結され、タービン22は第2変速機40における遊星歯
車装置のキカリア41に連結されている。 前記第2変速機40においては、このキヤリア41によ
つて回転可能に支持されたプラネタリピニオン42がサ
ンギヤ43及びリングギヤ44と歯合している。又、サ
ンギヤ43とキヤリア41との間には、クラツチC0及
び一方向クラツチF0が設けられており、サンギヤ43
とハウジングHuとの間には、ブレーキB0が設けられ
ている。 前記第1変速機60には、遊星歯車装置としてフロント
側及びリヤ側の2列が備えられている。この遊星歯車装
置は、それぞれ共通のサンギヤ61、リングギヤ62、
63、プラネタリピニオン64、65、及びキヤリア6
6、67からなる。 第2変速機40のリングギヤ44は、クラツチC1を介
して前記リングギヤ62に連結されている。又、前記リ
ングギヤ44とサンギヤ61との間にはクラツチC2が
設けられている。更に、前記キヤリア66は、前記リン
グギヤ63と連結されており、これらキヤリア66及び
リングギヤ63は出力軸70と連結されている。一方、
前記キヤリア67とハウジングHuとの間にはブレーキ
B3及び一方向クラツチF2が設けられており、更に、
サンギヤ61とハウジングHuとの間には、一方向クラ
ツチF1を介してブレーキB2が設けられ、又、サンギ
ヤ61とハウジングHuとの間には、ブレーキB1が設
けられている。 この自動変速機は、上述のごときトランスミツシヨン部
を備え、エンジン1の負荷状態を反映しているスロツト
ル開度を検出するスロツトルセンサ100、及び車速を
検出する車速センサ102等の信号を入力された中央処
理装置(ECU)104によつて、予め設定された変速
パターンに従つて油圧制御回路106内の電磁ソレノイ
ドバルブS1〜S4、及びSLが駆動・制御され、第2
図B部分に示されるような、各クラツチ、ブレーキ等の
継合の組合せが行われて変速制御がなされる。 又、第2図において○印は係合状態を示し、又、×印は
エンジンブレーキ使用時にのみ係合状態となることを示
している。 前記電磁ソレノイドバルブS1、S2は、第4図に示さ
れるように、第1変速機60の第1、第2シフトバルブ
の制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS3は、第2
変速機40の高速側及び低速側を切換える第3シフトバ
ルブの制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS4はレ
リーズコントロールバルブ(後述)の制御を行い、又、
前記電磁ソレノイドバルブSLはトルクコンバータ20
のロツクアツプクラツチ24の制御をそれぞれ行うよう
になつている。 なお、第1図において符号110はシフトポジシヨンセ
ンサで、運転者によつて操作されるN、D、R等の位置
を検出するもの、112はパターンセレクトスイツチ
で、E(経済走行)、P(パワー走行)等を選択するも
のであり、又、114はエンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサを示し、116はフツトブレーキ、118
はサイドブレーキの作動を検出するブレーキスイツチを
それぞれ示している。 ここにおいて、この実施例では、第1図及び第4図に示
されるように、前記中央処理装置104にこれらの入力
信号の他に、自動変速機の油温を検出するための油温セ
ンサ120の信号が併せて入力されている。 第3図に前記油圧制御回路106の要部を示す。 図において、符号200は第1変速機60の第1速状態
と第2速状態との間を切換えるための第1シフトバル
ブ、S1は該第1シフトバルブの切換えを制御するため
の電磁ソレノイドバルブ、300は第2変速機40の高
速側、低速側を切換えるための第3シフトバルブ、S3
は該第3シフトバルブ300の切換えを制御するための
電磁ソレノイドバルブ、400、500、600は、そ
れぞれ前記ブレーキB2、B0、及びクラツチC0への
油路における油圧の過度特性を制御するためのアキユム
レータ、700は運転者によつて操作されるシフトレバ
ーに連動したマニユアルバルブをそれぞれ示している。
これらの各機器自体の構成及び作用については、基本的
な従来と同様であるため、個々の機器の詳細な説明は省
略する。 又、符号800は、第3シフトバルブ300のドレン油
圧を制御することによつて、ブレーキB0の作用が解除
されるときの時間及び作用圧を制御するためのレリーズ
コントロールバルブである。 このレリーズコントロールバルブ800は、異なるフエ
イス面積A1、A2(A1<A2)の2つのランド80
2、804を備え、該2つのランド802、804の中
間位置に設けられたポート806にブレーキB0のドレ
ン油圧が入力されるようになつている。又、ポート81
0には図示せぬスロツトルバルブからのスロツトル油圧
が入力されるようになつている。このレリーズコントロ
ールバルブ800はECU104によつて制御される電
磁ソレノイドバルブS4によつて制御が可能である。 次に、この実施例の作用を第5図の流れ図を参照しなが
ら説明する。 始めにフラグTは零にしておく。ステツプ900におい
て車速とスロツトル開度によつて定められる変速点によ
り、変速判断がなされると、ステツプ902において再
びスロツトル開度がモニタされ、又、ステツプ904に
おいて自動変速機の油温がモニタされる。その後、多重
変速の場合に対処するためにスロツトル開度に応じて予
め定められた時間の猶予が置かれた後、ステツプ906
において第1変速機60の変速指令(第1シフトバルブ
200を切換えるための電磁ソレノイドバルブS1のO
N指令)が出され、B2油圧が供給される。 この制御フローにおいては、第2変速機40のローギヤ
シフトが第1変速機60のイナーシヤ相中で開始するよ
うに、又、両変速機40、60の変速終了が同期するよ
うに、ステツプ910において、第1変速機60の変速
指令からTDの時間の猶予が置かれた後、ステツプ91
2において第2変速機40の変速開始指令(第3シフト
バルブ300を切換えるための電磁ソレノイドバルブS
3のON指令)が出され、B0油圧のドレンが開始され
るようになつている。 ステツプ908においては、この制御に先立つてこの時
間TDが補正・決定される。この時間TDは、スロツト
ル開度、変速の種類、自動変速機の油温、及び、以前の
変速でB2油圧がドレンされてから経過している時間
(変速インターバル)に応じ、例えば第6図のようなマ
ツプによつて求められる。第6図において、変速のイン
ターバルについては、例えば該変速インターバルが30
sec 未満の場合には第6図の各値に0.8を乗じたもの
とし、30sec 以上60sec 未満の場合には同図の各値
に1を乗じたものとし、60sec 以上の場合には同図の
各値に1.2を掛けたものとしている。 このように、時間TDの決定に当つて自動変速機の油温
を考慮するようにしたのは、油温が高い場合と低い場合
とではオイルの洩れ量、あるいはオイルの粘性抵抗が異
なるために摩擦係合装置への油圧の供給又はドレンの時
間が異なつてくるためであり、且つ、その影響の大小が
第1変速機側と第2変速機側とで異なるためである。 この場合、スロツトル開度が異なる場合、流れている油
圧(ライン圧等)が異つてくるため、この実施例ではス
ロツトル開度も同様に考慮されている。又、変速の種類
によつては、例えば第1変速機がブレーキB2の「係
合」によつて変速を行い、第2変速機がブレーキB0の
「開放」によつて変速を行うときには、各変速のタイミ
ングが油温に関してそれぞれ逆の方向にずれるようにな
るため、それだけ大きな補正が必要である。従つて、こ
の実施例では変速の種類も考慮されている。 一方、以前の変速で例えばB2油圧がドレンされてから
すぐにB2油圧の供給指令があつた場合、このB2油圧
が供給される回路中にはまだオイルが残つているため、
供給される時間が通常よりも極めて短くて済む。このよ
うな観点から時間TDの決定に当つては、前回の変速か
らの時間、即ち変速インターバルが考慮されるべきであ
る。従つてこの実施例では前記第6図の線図の各値に対
して変速インターバルの長短に応じた係数を乗じるよう
にしたものである。 ステツプ912においてB0ドレン指令が出された後
は、ステツプ914に進み、B0ドレン指令から時間T
4が掛つたかどうかが判断される。ここで、時間T4は
スロツトル開度と変速の種類によつて決められる定数で
ある。この結果が正であればステツプ916に進んでB
0クイツクドレン指令を出し、第1変速機60の変速完
了後B2油圧が残らないようにする。このように、時間
T4後においてB0クイツクドレン指令を出すのは、第
2変速機40の変速完了が第1変速機60の変速完了よ
りも遅れたときに第2変速機40の変速完了を速やかに
行うためであり、又、第1変速機と第2変速機の変速終
了が同期したときでも、同期後にB0油圧が残存すると
ブレーキB0のひきずりによつて出力トルクが落ち込む
ためである。 なお、ステツプ950〜953は、ステツプ910及び
914において時間TD、T4が経過しないうちはこの
フローを実質的に停止させておくためのフラグ設定等に
関するステツプである。 次に、この第5図のステツプに応じた油圧制御回路(第
3図)の作用について補足説明しておく。 ステップ906においてブレーキB2の供給指令が出さ
れたときの作用については、従来と同様であるため詳細
な説明は省略する。 ステツプ912においてB0油圧がドレンされる際は、
チエツク弁付きオリフイス502の作用により、アキユ
ムレータ500の戻りのスピードが抑れられるため、前
記レリーズコントロールバルブ800においては、ブレ
ーキB0のドレン油圧がポート810にかかるスロツト
ル圧及びスプリング812の力で定まる所定の圧力以上
のときには図の左側の状態となつてポート806と80
8とを短絡させてブレーキB0の油圧を急速にドレンさ
せる。又、ブレーキB0の油圧が前記所定の圧力以下と
なつたときには、図の右側の状態となつてポート808
を閉じ、その後はオリフイス814を介してゆつくりと
ドレンされる。その結果、B2油圧のドレン特性を前記
所定の圧力までは急速に低下し、その後はスロツトル開
度に応じた一定圧力を維持するような特性とすることが
できる。このような特性となるようにしたのは、一般
に、第2変速機側の作用力解除が急速に行われると、一
連のトルク伝達系の途中に瞬間的にニユートラルな部分
が生じるため、出力軸トルクが急変して変速シヨツクが
増大するようになるためである。 なお、ステツプ916においてB0クイツクドレン指令
がでたときには、電磁ソレノイドバルブS4がONとな
つて強制的にポート806と808とを短絡させるた
め、B0油圧がクイツクドレンされる。 第7図は、本実施例、特に本第1発明に係る部分の効果
を定性的に説明するための変速特性線図である。 図の実線は油温の低い場合の変速特性を示している。こ
のとき、TDは第1変速機と第2変速機の変速完了が同
期する値とされている。この場合に、油温が上昇する
と、第1変速機を変速させるためのB2油圧は供給され
るのに時間が掛り点線のようになる。又、第2変速機を
変速させるためのB0の油圧のドレンはそのスピードが
若干速くなる傾向となる。その結果、第2変速機の変速
完了の方が早くなり、第2変速機の変速完了と共に出力
軸トルクが急上昇するようになる。従つて、このような
場合には、TDの値を増加してやることにより、第1変
速機と第2変速機の変速完了を同期させることができ、
主力軸トルクの急上昇を抑えることができる。 なお、上記実施例においては、TDの補正程度を油温、
変速インターバルのほかにエンジン負荷(スロツトル開
度)及び変速の種類にも応じて決定するようにしていた
が、本発明においては、他の依存の要素を限定するもの
ではなく、これらの代わりに、あるいはこれらに加えて
例えば車速要素まで考慮するようにしてもよい。 又、自動変速機の油温については、これを必ずしも直接
検出する必要はなく、コスト、検出器の配置スペース等
の関係で、例えば、エンジン冷却水温、エンジン油温、
エンジン本体温、自動変速機の本体温等の検出によつて
間接的に行うようにしてもよい。
ことによつて新たな変速段が達成される場合、特に両変
速機40、60が互いに逆方向にシフトされることによ
つて新たな変速段が達成される場合としては、第2図か
ら明らかなように、第2速段及び第3速段間の変速、あ
るいは第4速段及び第5速段間の変速等があるが、趣旨
は同様であるため、ここでは第1変速機がハイギヤシフ
トすると共に、第2変速機がローギヤシフトし、自動変
速機全体としてアツプシフトがなされる第2速段から第
3速段への変速を例にとつて説明してゆく。 まず、第1図にこの実施例が適用される車両用自動変速
機の全体概要を示す。 この自動変速機は、そのトランスミツシヨン部としてト
ルクコンバータ20と、第2変速機40と、前進3段、
後進1段の第1変速機60とを備える。 前記トルクコンバータ20は、ポンプ21、タービン2
2、ステータ23、及びロツクアツプクラツチ 4を備
える。ポンプ21は、エンジン1のクランク軸10と連
結され、タービン22は第2変速機40における遊星歯
車装置のキカリア41に連結されている。 前記第2変速機40においては、このキヤリア41によ
つて回転可能に支持されたプラネタリピニオン42がサ
ンギヤ43及びリングギヤ44と歯合している。又、サ
ンギヤ43とキヤリア41との間には、クラツチC0及
び一方向クラツチF0が設けられており、サンギヤ43
とハウジングHuとの間には、ブレーキB0が設けられ
ている。 前記第1変速機60には、遊星歯車装置としてフロント
側及びリヤ側の2列が備えられている。この遊星歯車装
置は、それぞれ共通のサンギヤ61、リングギヤ62、
63、プラネタリピニオン64、65、及びキヤリア6
6、67からなる。 第2変速機40のリングギヤ44は、クラツチC1を介
して前記リングギヤ62に連結されている。又、前記リ
ングギヤ44とサンギヤ61との間にはクラツチC2が
設けられている。更に、前記キヤリア66は、前記リン
グギヤ63と連結されており、これらキヤリア66及び
リングギヤ63は出力軸70と連結されている。一方、
前記キヤリア67とハウジングHuとの間にはブレーキ
B3及び一方向クラツチF2が設けられており、更に、
サンギヤ61とハウジングHuとの間には、一方向クラ
ツチF1を介してブレーキB2が設けられ、又、サンギ
ヤ61とハウジングHuとの間には、ブレーキB1が設
けられている。 この自動変速機は、上述のごときトランスミツシヨン部
を備え、エンジン1の負荷状態を反映しているスロツト
ル開度を検出するスロツトルセンサ100、及び車速を
検出する車速センサ102等の信号を入力された中央処
理装置(ECU)104によつて、予め設定された変速
パターンに従つて油圧制御回路106内の電磁ソレノイ
ドバルブS1〜S4、及びSLが駆動・制御され、第2
図B部分に示されるような、各クラツチ、ブレーキ等の
継合の組合せが行われて変速制御がなされる。 又、第2図において○印は係合状態を示し、又、×印は
エンジンブレーキ使用時にのみ係合状態となることを示
している。 前記電磁ソレノイドバルブS1、S2は、第4図に示さ
れるように、第1変速機60の第1、第2シフトバルブ
の制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS3は、第2
変速機40の高速側及び低速側を切換える第3シフトバ
ルブの制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS4はレ
リーズコントロールバルブ(後述)の制御を行い、又、
前記電磁ソレノイドバルブSLはトルクコンバータ20
のロツクアツプクラツチ24の制御をそれぞれ行うよう
になつている。 なお、第1図において符号110はシフトポジシヨンセ
ンサで、運転者によつて操作されるN、D、R等の位置
を検出するもの、112はパターンセレクトスイツチ
で、E(経済走行)、P(パワー走行)等を選択するも
のであり、又、114はエンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサを示し、116はフツトブレーキ、118
はサイドブレーキの作動を検出するブレーキスイツチを
それぞれ示している。 ここにおいて、この実施例では、第1図及び第4図に示
されるように、前記中央処理装置104にこれらの入力
信号の他に、自動変速機の油温を検出するための油温セ
ンサ120の信号が併せて入力されている。 第3図に前記油圧制御回路106の要部を示す。 図において、符号200は第1変速機60の第1速状態
と第2速状態との間を切換えるための第1シフトバル
ブ、S1は該第1シフトバルブの切換えを制御するため
の電磁ソレノイドバルブ、300は第2変速機40の高
速側、低速側を切換えるための第3シフトバルブ、S3
は該第3シフトバルブ300の切換えを制御するための
電磁ソレノイドバルブ、400、500、600は、そ
れぞれ前記ブレーキB2、B0、及びクラツチC0への
油路における油圧の過度特性を制御するためのアキユム
レータ、700は運転者によつて操作されるシフトレバ
ーに連動したマニユアルバルブをそれぞれ示している。
これらの各機器自体の構成及び作用については、基本的
な従来と同様であるため、個々の機器の詳細な説明は省
略する。 又、符号800は、第3シフトバルブ300のドレン油
圧を制御することによつて、ブレーキB0の作用が解除
されるときの時間及び作用圧を制御するためのレリーズ
コントロールバルブである。 このレリーズコントロールバルブ800は、異なるフエ
イス面積A1、A2(A1<A2)の2つのランド80
2、804を備え、該2つのランド802、804の中
間位置に設けられたポート806にブレーキB0のドレ
ン油圧が入力されるようになつている。又、ポート81
0には図示せぬスロツトルバルブからのスロツトル油圧
が入力されるようになつている。このレリーズコントロ
ールバルブ800はECU104によつて制御される電
磁ソレノイドバルブS4によつて制御が可能である。 次に、この実施例の作用を第5図の流れ図を参照しなが
ら説明する。 始めにフラグTは零にしておく。ステツプ900におい
て車速とスロツトル開度によつて定められる変速点によ
り、変速判断がなされると、ステツプ902において再
びスロツトル開度がモニタされ、又、ステツプ904に
おいて自動変速機の油温がモニタされる。その後、多重
変速の場合に対処するためにスロツトル開度に応じて予
め定められた時間の猶予が置かれた後、ステツプ906
において第1変速機60の変速指令(第1シフトバルブ
200を切換えるための電磁ソレノイドバルブS1のO
N指令)が出され、B2油圧が供給される。 この制御フローにおいては、第2変速機40のローギヤ
シフトが第1変速機60のイナーシヤ相中で開始するよ
うに、又、両変速機40、60の変速終了が同期するよ
うに、ステツプ910において、第1変速機60の変速
指令からTDの時間の猶予が置かれた後、ステツプ91
2において第2変速機40の変速開始指令(第3シフト
バルブ300を切換えるための電磁ソレノイドバルブS
3のON指令)が出され、B0油圧のドレンが開始され
るようになつている。 ステツプ908においては、この制御に先立つてこの時
間TDが補正・決定される。この時間TDは、スロツト
ル開度、変速の種類、自動変速機の油温、及び、以前の
変速でB2油圧がドレンされてから経過している時間
(変速インターバル)に応じ、例えば第6図のようなマ
ツプによつて求められる。第6図において、変速のイン
ターバルについては、例えば該変速インターバルが30
sec 未満の場合には第6図の各値に0.8を乗じたもの
とし、30sec 以上60sec 未満の場合には同図の各値
に1を乗じたものとし、60sec 以上の場合には同図の
各値に1.2を掛けたものとしている。 このように、時間TDの決定に当つて自動変速機の油温
を考慮するようにしたのは、油温が高い場合と低い場合
とではオイルの洩れ量、あるいはオイルの粘性抵抗が異
なるために摩擦係合装置への油圧の供給又はドレンの時
間が異なつてくるためであり、且つ、その影響の大小が
第1変速機側と第2変速機側とで異なるためである。 この場合、スロツトル開度が異なる場合、流れている油
圧(ライン圧等)が異つてくるため、この実施例ではス
ロツトル開度も同様に考慮されている。又、変速の種類
によつては、例えば第1変速機がブレーキB2の「係
合」によつて変速を行い、第2変速機がブレーキB0の
「開放」によつて変速を行うときには、各変速のタイミ
ングが油温に関してそれぞれ逆の方向にずれるようにな
るため、それだけ大きな補正が必要である。従つて、こ
の実施例では変速の種類も考慮されている。 一方、以前の変速で例えばB2油圧がドレンされてから
すぐにB2油圧の供給指令があつた場合、このB2油圧
が供給される回路中にはまだオイルが残つているため、
供給される時間が通常よりも極めて短くて済む。このよ
うな観点から時間TDの決定に当つては、前回の変速か
らの時間、即ち変速インターバルが考慮されるべきであ
る。従つてこの実施例では前記第6図の線図の各値に対
して変速インターバルの長短に応じた係数を乗じるよう
にしたものである。 ステツプ912においてB0ドレン指令が出された後
は、ステツプ914に進み、B0ドレン指令から時間T
4が掛つたかどうかが判断される。ここで、時間T4は
スロツトル開度と変速の種類によつて決められる定数で
ある。この結果が正であればステツプ916に進んでB
0クイツクドレン指令を出し、第1変速機60の変速完
了後B2油圧が残らないようにする。このように、時間
T4後においてB0クイツクドレン指令を出すのは、第
2変速機40の変速完了が第1変速機60の変速完了よ
りも遅れたときに第2変速機40の変速完了を速やかに
行うためであり、又、第1変速機と第2変速機の変速終
了が同期したときでも、同期後にB0油圧が残存すると
ブレーキB0のひきずりによつて出力トルクが落ち込む
ためである。 なお、ステツプ950〜953は、ステツプ910及び
914において時間TD、T4が経過しないうちはこの
フローを実質的に停止させておくためのフラグ設定等に
関するステツプである。 次に、この第5図のステツプに応じた油圧制御回路(第
3図)の作用について補足説明しておく。 ステップ906においてブレーキB2の供給指令が出さ
れたときの作用については、従来と同様であるため詳細
な説明は省略する。 ステツプ912においてB0油圧がドレンされる際は、
チエツク弁付きオリフイス502の作用により、アキユ
ムレータ500の戻りのスピードが抑れられるため、前
記レリーズコントロールバルブ800においては、ブレ
ーキB0のドレン油圧がポート810にかかるスロツト
ル圧及びスプリング812の力で定まる所定の圧力以上
のときには図の左側の状態となつてポート806と80
8とを短絡させてブレーキB0の油圧を急速にドレンさ
せる。又、ブレーキB0の油圧が前記所定の圧力以下と
なつたときには、図の右側の状態となつてポート808
を閉じ、その後はオリフイス814を介してゆつくりと
ドレンされる。その結果、B2油圧のドレン特性を前記
所定の圧力までは急速に低下し、その後はスロツトル開
度に応じた一定圧力を維持するような特性とすることが
できる。このような特性となるようにしたのは、一般
に、第2変速機側の作用力解除が急速に行われると、一
連のトルク伝達系の途中に瞬間的にニユートラルな部分
が生じるため、出力軸トルクが急変して変速シヨツクが
増大するようになるためである。 なお、ステツプ916においてB0クイツクドレン指令
がでたときには、電磁ソレノイドバルブS4がONとな
つて強制的にポート806と808とを短絡させるた
め、B0油圧がクイツクドレンされる。 第7図は、本実施例、特に本第1発明に係る部分の効果
を定性的に説明するための変速特性線図である。 図の実線は油温の低い場合の変速特性を示している。こ
のとき、TDは第1変速機と第2変速機の変速完了が同
期する値とされている。この場合に、油温が上昇する
と、第1変速機を変速させるためのB2油圧は供給され
るのに時間が掛り点線のようになる。又、第2変速機を
変速させるためのB0の油圧のドレンはそのスピードが
若干速くなる傾向となる。その結果、第2変速機の変速
完了の方が早くなり、第2変速機の変速完了と共に出力
軸トルクが急上昇するようになる。従つて、このような
場合には、TDの値を増加してやることにより、第1変
速機と第2変速機の変速完了を同期させることができ、
主力軸トルクの急上昇を抑えることができる。 なお、上記実施例においては、TDの補正程度を油温、
変速インターバルのほかにエンジン負荷(スロツトル開
度)及び変速の種類にも応じて決定するようにしていた
が、本発明においては、他の依存の要素を限定するもの
ではなく、これらの代わりに、あるいはこれらに加えて
例えば車速要素まで考慮するようにしてもよい。 又、自動変速機の油温については、これを必ずしも直接
検出する必要はなく、コスト、検出器の配置スペース等
の関係で、例えば、エンジン冷却水温、エンジン油温、
エンジン本体温、自動変速機の本体温等の検出によつて
間接的に行うようにしてもよい。
以上説明した通り、本発明によれば、第1変速機と第2
変速機を例えば互いに逆方向に変速した結果新たな変速
段が達成されるような場合であつても、アツプシフト、
ダウンシフトの感覚を良好に維持でき、アツプシフト後
のダウンシフト、あるいはダウンシフト後のアツプシフ
トというような奇妙な運転感覚が生じないようにするこ
とができ、又、変速シヨツクを極めて低く抑えることが
できるようになるという優れた効果が得られる。
変速機を例えば互いに逆方向に変速した結果新たな変速
段が達成されるような場合であつても、アツプシフト、
ダウンシフトの感覚を良好に維持でき、アツプシフト後
のダウンシフト、あるいはダウンシフト後のアツプシフ
トというような奇妙な運転感覚が生じないようにするこ
とができ、又、変速シヨツクを極めて低く抑えることが
できるようになるという優れた効果が得られる。
第1図は、本発明が適用された車両用自動変速機の全体
概略ブロツク図、 第2図は、上記自動変速機における各摩擦係合装置の作
動状態を示す線図、 第3図は、同じく油圧制御回路の一部を示す回路図、 第4図は、同じく油圧制御回路内の電磁ソレノイドバル
ブとシフトバルブの関係等を示すブロツク線図、 第5図は、上記実施例装置での制御フローを示す流れ
図、 第6図は、TDのマツプの例を示す線図、 第7図は、変速タイミングが同期したときと同期しない
ときとを比較して示す変速特性線図である。 B0、B2……ブレーキ、C0……クラツチ、 S1〜S4……電磁ソレノイドバルブ、 40……第2変速機、60……第1変速機、 120……油温センサ、 200……第1シフトバルブ、 300……第3シフトバルブ、 400、500、600……アキユムレータ、 502……チエツク弁付オリフイス、 800……レリーズコントロールバルブ、 814……オリフイス。
概略ブロツク図、 第2図は、上記自動変速機における各摩擦係合装置の作
動状態を示す線図、 第3図は、同じく油圧制御回路の一部を示す回路図、 第4図は、同じく油圧制御回路内の電磁ソレノイドバル
ブとシフトバルブの関係等を示すブロツク線図、 第5図は、上記実施例装置での制御フローを示す流れ
図、 第6図は、TDのマツプの例を示す線図、 第7図は、変速タイミングが同期したときと同期しない
ときとを比較して示す変速特性線図である。 B0、B2……ブレーキ、C0……クラツチ、 S1〜S4……電磁ソレノイドバルブ、 40……第2変速機、60……第1変速機、 120……油温センサ、 200……第1シフトバルブ、 300……第3シフトバルブ、 400、500、600……アキユムレータ、 502……チエツク弁付オリフイス、 800……レリーズコントロールバルブ、 814……オリフイス。
Claims (3)
- 【請求項1】複数の変速段を自動的に切換え得る第1変
速機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さ
なギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、 前記第1変速機と第2変速機とを同時に変速させること
により特定の変速を達成するようにした自動変速機の変
速制御装置において、 前記第1変速機の変速を開始させる手段と、 油温を検出する手段と、 第1変速機の変速が開始した後に、油温に依存したタイ
ミングで第2変速機の変速を開始させる手段と、 第1変速機及び第2変速機の変速を同期させて終了する
手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】前記第2変速機の変速開始のタイミング
を、自動変速機の油温のほか、エンジン負荷、及び変速
の種類に関係して変更することを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項3】複数の変速段を自動的に切換え得る第1変
速機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さ
なギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、 前記第1変速機と第2変速機とを同時に変速させること
により特定の変速を達成するようにした自動変速機の変
速制御装置において、 前記第1変速機の変速を開始させる手段と、 前回の変速からの時間を検出する手段と、 第1変速機の変速が開始した後に、前回の変速からの時
間に依存したタイミングで第2変速機の変速を開始させ
る手段と、 第1変速機及び第2変速機の変速を同期させて終了する
手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60182485A JPH0613903B2 (ja) | 1985-08-20 | 1985-08-20 | 自動変速機の変速制御装置 |
US06/880,029 US4690017A (en) | 1985-07-01 | 1986-06-30 | Shift control system of automatic transmission |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60182485A JPH0613903B2 (ja) | 1985-08-20 | 1985-08-20 | 自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62118145A JPS62118145A (ja) | 1987-05-29 |
JPH0613903B2 true JPH0613903B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=16119100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60182485A Expired - Lifetime JPH0613903B2 (ja) | 1985-07-01 | 1985-08-20 | 自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0613903B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2829980B2 (ja) * | 1988-08-30 | 1998-12-02 | 日産自動車株式会社 | 自動変速機の変速用ライン圧学習制御装置 |
JP2708107B2 (ja) * | 1989-06-01 | 1998-02-04 | 日産自動車株式会社 | 車両用自動変速機の変速制御装置 |
JP2820434B2 (ja) * | 1989-06-01 | 1998-11-05 | マツダ株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
JP2962111B2 (ja) * | 1993-07-26 | 1999-10-12 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の油圧制御装置 |
JP3429588B2 (ja) * | 1995-01-10 | 2003-07-22 | 三菱電機株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
DE102011002742A1 (de) * | 2011-01-17 | 2012-07-19 | Zf Friedrichshafen Ag | Verfahren und Steuergerät zum Betreiben eines Antriebsstrang eines Hybridfahrzeugs |
-
1985
- 1985-08-20 JP JP60182485A patent/JPH0613903B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62118145A (ja) | 1987-05-29 |
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