JPH05279938A - 涼感性繊維布帛 - Google Patents
涼感性繊維布帛Info
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- JPH05279938A JPH05279938A JP4101946A JP10194692A JPH05279938A JP H05279938 A JPH05279938 A JP H05279938A JP 4101946 A JP4101946 A JP 4101946A JP 10194692 A JP10194692 A JP 10194692A JP H05279938 A JPH05279938 A JP H05279938A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 盛夏に着用しても優れた涼感性を有する繊維
布帛を提供する。 【構成】 チタン酸アルカリ金属やチタン酸アルカリ土
金属を含有する繊維布帛の裏面に太陽光反射層を形成し
てなる布帛。 【効果】 太陽光を遮り,衣服が昇温するのを抑える性
能を有する涼感性の優れた繊維布帛が得られる。
布帛を提供する。 【構成】 チタン酸アルカリ金属やチタン酸アルカリ土
金属を含有する繊維布帛の裏面に太陽光反射層を形成し
てなる布帛。 【効果】 太陽光を遮り,衣服が昇温するのを抑える性
能を有する涼感性の優れた繊維布帛が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,盛夏に着用しても太陽
光を遮り,優れた涼感性を有する繊維布帛に関するもの
である。
光を遮り,優れた涼感性を有する繊維布帛に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より,涼感性を有する繊維布帛の製
法が種々提案されている。例えば,レーヨンや綿等の高
吸水率繊維を肌側に用いて人体から発生する汗を衣服外
へ放出する方法や,強撚糸を肌側に用いて人体との接触
面積を小さくする方法,あるいは高熱伝導率を有する繊
維を肌側に用いたり,高熱伝導率を有する物質を含有す
る樹脂を繊維布帛の裏面にプリントしたりして体熱を奪
い取り,体外へ逃がす方法等が挙げられる。しかしなが
ら,盛夏に暑さを感じるのは,衣服や人体が太陽光を吸
収して昇温する昇温作用による因子が大きく,上記方法
では優れた涼感性を得ることができない。
法が種々提案されている。例えば,レーヨンや綿等の高
吸水率繊維を肌側に用いて人体から発生する汗を衣服外
へ放出する方法や,強撚糸を肌側に用いて人体との接触
面積を小さくする方法,あるいは高熱伝導率を有する繊
維を肌側に用いたり,高熱伝導率を有する物質を含有す
る樹脂を繊維布帛の裏面にプリントしたりして体熱を奪
い取り,体外へ逃がす方法等が挙げられる。しかしなが
ら,盛夏に暑さを感じるのは,衣服や人体が太陽光を吸
収して昇温する昇温作用による因子が大きく,上記方法
では優れた涼感性を得ることができない。
【0003】上記問題を解決するために,従来より繊維
布帛の表面にアルミニウムを蒸着して太陽光を反射する
方法や,繊維中に酸化チタンを練り込んで太陽光中の可
視光線を反射する方法等が提案されている。しかしなが
ら,前者の方法では,繊維表面が凹凸状をしているた
め,アルミニウムを蒸着しても太陽光を乱反射し,衣服
温度および衣服内温度が上昇するという問題があった。
また,後者の方法では,酸化チタンの隠蔽力が強いた
め,太陽光に対する繊維布帛の透過率が低下し,衣服内
温度の上昇が抑えられるとはいうものの,酸化チタン自
身が太陽光を吸収してこれを熱エネルギーに変換するた
め,衣服の温度が上昇するという問題があった。
布帛の表面にアルミニウムを蒸着して太陽光を反射する
方法や,繊維中に酸化チタンを練り込んで太陽光中の可
視光線を反射する方法等が提案されている。しかしなが
ら,前者の方法では,繊維表面が凹凸状をしているた
め,アルミニウムを蒸着しても太陽光を乱反射し,衣服
温度および衣服内温度が上昇するという問題があった。
また,後者の方法では,酸化チタンの隠蔽力が強いた
め,太陽光に対する繊維布帛の透過率が低下し,衣服内
温度の上昇が抑えられるとはいうものの,酸化チタン自
身が太陽光を吸収してこれを熱エネルギーに変換するた
め,衣服の温度が上昇するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたものであり,太陽光による衣服温
度および衣服内温度の上昇の少ない,優れた涼感性を有
する繊維布帛を得ることを目的とするものである。
現状に鑑みて行われたものであり,太陽光による衣服温
度および衣服内温度の上昇の少ない,優れた涼感性を有
する繊維布帛を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アル
カリ土金属のうちの少なくとも一種のセラミツク微粒子
を含有する繊維から構成された繊維布帛の裏面に太陽光
反射層を有することを特徴とする涼感性を有する布帛」
を要旨とするものである。以下,本発明を詳細に説明す
る。
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アル
カリ土金属のうちの少なくとも一種のセラミツク微粒子
を含有する繊維から構成された繊維布帛の裏面に太陽光
反射層を有することを特徴とする涼感性を有する布帛」
を要旨とするものである。以下,本発明を詳細に説明す
る。
【0006】本発明で用いるチタン酸アルカリ金属やチ
タン酸アルカリ土金属は,酸化チタンとアルカリ金属炭
酸塩もしくはアルカリ土金属炭酸塩等とを1000℃前
後で焼成することにより得られる繊維状もしくは板状の
形態を有する複合セラミツクであり,チタン酸アルカリ
金属としては,Li2Ti6O13 ,Na2Ti4O9,Na2Ti6O13 ,K2
Ti2O5 ,K2Ti8O17,Rb2Ti6O13 ,Cs2Ti4O9,Fr2Ti6O13
等が挙げられ,チタン酸アルカリ土金属としては,CaTi
O3,SrTiO3,BaTiO3,BeTiO3,MgTiO3等が挙げられる。
本発明では,これらのセラミツクを単独で,または二種
以上を併用して使用する。
タン酸アルカリ土金属は,酸化チタンとアルカリ金属炭
酸塩もしくはアルカリ土金属炭酸塩等とを1000℃前
後で焼成することにより得られる繊維状もしくは板状の
形態を有する複合セラミツクであり,チタン酸アルカリ
金属としては,Li2Ti6O13 ,Na2Ti4O9,Na2Ti6O13 ,K2
Ti2O5 ,K2Ti8O17,Rb2Ti6O13 ,Cs2Ti4O9,Fr2Ti6O13
等が挙げられ,チタン酸アルカリ土金属としては,CaTi
O3,SrTiO3,BaTiO3,BeTiO3,MgTiO3等が挙げられる。
本発明では,これらのセラミツクを単独で,または二種
以上を併用して使用する。
【0007】本発明で用いる繊維状または板状のセラミ
ツク微粒子の粒度は,長さ方向で好ましくは50μm以
下,さらに好ましくは20μm以下,厚み方向で好まし
くは5μm以下,さらに好ましくは1μm以下である。
一般に球状または無定形状の微粒子を繊維に含有させる
場合の粒度は,好ましくは10μm以下,さらに好まし
くは1μm以下であるが,本セラミツク微粒子は,繊維
に含有させる際にセラミツクの長さ方向が糸方向に配列
しやすいため,球状または無定形状の微粒子に比べ比較
的粒度が大きくても差し支えないが,本セラミツク微粒
子の粒度が上記範囲を超えると,製糸工程の濾材におけ
る目塞りや糸切れ等による可紡性の低下等の問題が生
じ,たとえ紡糸を行うことができても,延伸工程での糸
切れ発生の問題が生じるので好ましくない。
ツク微粒子の粒度は,長さ方向で好ましくは50μm以
下,さらに好ましくは20μm以下,厚み方向で好まし
くは5μm以下,さらに好ましくは1μm以下である。
一般に球状または無定形状の微粒子を繊維に含有させる
場合の粒度は,好ましくは10μm以下,さらに好まし
くは1μm以下であるが,本セラミツク微粒子は,繊維
に含有させる際にセラミツクの長さ方向が糸方向に配列
しやすいため,球状または無定形状の微粒子に比べ比較
的粒度が大きくても差し支えないが,本セラミツク微粒
子の粒度が上記範囲を超えると,製糸工程の濾材におけ
る目塞りや糸切れ等による可紡性の低下等の問題が生
じ,たとえ紡糸を行うことができても,延伸工程での糸
切れ発生の問題が生じるので好ましくない。
【0008】本発明における繊維としては,ナイロン,
ポリエステル,アクリル,ビニロン等の合成繊維,レー
ヨン等の再生繊維,アセテート等の半合成繊維等を挙げ
ることができる。
ポリエステル,アクリル,ビニロン等の合成繊維,レー
ヨン等の再生繊維,アセテート等の半合成繊維等を挙げ
ることができる。
【0009】上記セラミツク微粒子の含有量は,繊維重
量に対して0.1重量%以上,20重量%以下,好ましく
は1重量%以上,10重量%以下が適当である。セラミ
ツク微粒子の含有量が0.1重量%より少ない場合には,
目的とする涼感性が得られず,20重量%を超える場合
には,涼感性の効果が飽和に達するばかりか,繊維の生
産性が悪くなり,しかも糸質的に十分な強伸度が得られ
ない。
量に対して0.1重量%以上,20重量%以下,好ましく
は1重量%以上,10重量%以下が適当である。セラミ
ツク微粒子の含有量が0.1重量%より少ない場合には,
目的とする涼感性が得られず,20重量%を超える場合
には,涼感性の効果が飽和に達するばかりか,繊維の生
産性が悪くなり,しかも糸質的に十分な強伸度が得られ
ない。
【0010】セラミツク微粒子を繊維に含有せしめる方
法としては,原料ポリマーに直接混合して紡糸する方
法,予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有せし
めたマスターバツチを製造し,これを紡糸時に所定の濃
度に希釈調整してから紡糸する方法等がある。
法としては,原料ポリマーに直接混合して紡糸する方
法,予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有せし
めたマスターバツチを製造し,これを紡糸時に所定の濃
度に希釈調整してから紡糸する方法等がある。
【0011】本発明で用いるセラミック微粒子を含有す
る繊維は,公知の溶融紡糸法,乾式紡糸法,または湿式
紡糸法により製造することができ,該セラミック微粒子
を含有する繊維を単独で,あるいは目的に応じて他の繊
維と混合して使用し,織物,編物,不織布などの繊維布
帛に加工する。
る繊維は,公知の溶融紡糸法,乾式紡糸法,または湿式
紡糸法により製造することができ,該セラミック微粒子
を含有する繊維を単独で,あるいは目的に応じて他の繊
維と混合して使用し,織物,編物,不織布などの繊維布
帛に加工する。
【0012】本発明の涼感繊維布帛は,上述の繊維布帛
の裏面に太陽光反射層を有せしめたものであるが,ここ
でいう太陽光反射層とは,太陽光に含まれる波長の中
で,少なくとも波長0.78〜3μmの範囲の近赤外線を反
射する特性を有する物質で形成せしめた層である。近赤
外線を反射する特性を有する物質としては,アルミニウ
ム,ステンレス,金,銀,銅,SnO2,In2O3 等を
挙げることができる。
の裏面に太陽光反射層を有せしめたものであるが,ここ
でいう太陽光反射層とは,太陽光に含まれる波長の中
で,少なくとも波長0.78〜3μmの範囲の近赤外線を反
射する特性を有する物質で形成せしめた層である。近赤
外線を反射する特性を有する物質としては,アルミニウ
ム,ステンレス,金,銀,銅,SnO2,In2O3 等を
挙げることができる。
【0013】太陽光反射層を繊維布帛の裏面に形成する
には,例えば,上記近赤外線反射物質を繊維布帛の裏面
にプリント法,蒸着法,スパツタリング法等の公知の方
法で付着させればよい。太陽光反射層を繊維布帛の裏面
に形成する際の太陽光反射層の付着量や厚みは,形成方
法により異なるため,特に限定しない。
には,例えば,上記近赤外線反射物質を繊維布帛の裏面
にプリント法,蒸着法,スパツタリング法等の公知の方
法で付着させればよい。太陽光反射層を繊維布帛の裏面
に形成する際の太陽光反射層の付着量や厚みは,形成方
法により異なるため,特に限定しない。
【0014】また,太陽光反射層の近赤外線波長領域に
おける反射率をより一層高めるためには,太陽光反射層
を形成する前の繊維布帛に予めカレンダー加工を施し
て,繊維布帛の裏面をフラツトにしておくことが好まし
い。本発明は,以上の構成よりなるものであり,本発明
によれば,優れた涼感性を有する繊維布帛を得ることが
できる。
おける反射率をより一層高めるためには,太陽光反射層
を形成する前の繊維布帛に予めカレンダー加工を施し
て,繊維布帛の裏面をフラツトにしておくことが好まし
い。本発明は,以上の構成よりなるものであり,本発明
によれば,優れた涼感性を有する繊維布帛を得ることが
できる。
【0015】
【作 用】何故に本発明の繊維布帛が高度の涼感性を有
するのか,本発明者らはその理由について次のように考
えている。本発明の涼感性を有する繊維布帛は,繊維内
部にチタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土金
属よりなるセラミツク微粒子を含有せしめた繊維から構
成されたものを使用しており,本セラミツクは,隠蔽力
が強く,かつ太陽光中の可視光線や近赤外線を反射する
性質を有している。
するのか,本発明者らはその理由について次のように考
えている。本発明の涼感性を有する繊維布帛は,繊維内
部にチタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土金
属よりなるセラミツク微粒子を含有せしめた繊維から構
成されたものを使用しており,本セラミツクは,隠蔽力
が強く,かつ太陽光中の可視光線や近赤外線を反射する
性質を有している。
【0016】上記性質を有する物質として,従来から酸
化チタンや硫化亜鉛等が用いられてきたが,酸化チタン
や硫化亜鉛は無定形粒子であり,これらを繊維内部に含
有せしめると,太陽光中の可視光線や近赤外線を乱反射
し,繊維自身が昇温する結果,優れた涼感性は得られな
いが,本発明で用いるチタン酸アルカリ金属またはチタ
ン酸アルカリ土金属よりなるセラミツク微粒子は,繊維
状または板状粒子であり,これを繊維内部に含有せしめ
ると,本セラミツク微粒子の長さ方向が繊維の糸方向に
一致して配列するため,太陽光の乱反射が少なく,セラ
ミツク自身が有する反射性能を損なわない結果,高度な
涼感性を発揮するようになる。
化チタンや硫化亜鉛等が用いられてきたが,酸化チタン
や硫化亜鉛は無定形粒子であり,これらを繊維内部に含
有せしめると,太陽光中の可視光線や近赤外線を乱反射
し,繊維自身が昇温する結果,優れた涼感性は得られな
いが,本発明で用いるチタン酸アルカリ金属またはチタ
ン酸アルカリ土金属よりなるセラミツク微粒子は,繊維
状または板状粒子であり,これを繊維内部に含有せしめ
ると,本セラミツク微粒子の長さ方向が繊維の糸方向に
一致して配列するため,太陽光の乱反射が少なく,セラ
ミツク自身が有する反射性能を損なわない結果,高度な
涼感性を発揮するようになる。
【0017】このような繊維よりなる繊維布帛の裏面に
太陽光反射層を形成しておくと,近赤外線反射物質を繊
維布帛の表面に形成せしめた布帛の近赤外線反射物質面
に照射される太陽光の強度を1としたとき,本発明の涼
感繊維布帛の太陽光反射層に照射される太陽光の強度は
繊維布帛表面で太陽光が吸収されてしまうため, 0.05〜
0.4 と小さくなる。従って,同じ反射率を有する物質が
繊維布帛の表面に形成されている場合と繊維布帛の裏面
に形成されている場合とを比較すると,反射すべき太陽
光エネルギー量は繊維布帛の裏面に形成されている場合
の方がはるかに小さく,たとえ太陽光の一部が吸収され
たとしても,熱エネルギーに変換される量は繊維布帛の
裏面に形成されている場合の方がはるかに小さくなるた
め,太陽光反射層を裏面に有する布帛は涼感性に優れて
いると考えられる。
太陽光反射層を形成しておくと,近赤外線反射物質を繊
維布帛の表面に形成せしめた布帛の近赤外線反射物質面
に照射される太陽光の強度を1としたとき,本発明の涼
感繊維布帛の太陽光反射層に照射される太陽光の強度は
繊維布帛表面で太陽光が吸収されてしまうため, 0.05〜
0.4 と小さくなる。従って,同じ反射率を有する物質が
繊維布帛の表面に形成されている場合と繊維布帛の裏面
に形成されている場合とを比較すると,反射すべき太陽
光エネルギー量は繊維布帛の裏面に形成されている場合
の方がはるかに小さく,たとえ太陽光の一部が吸収され
たとしても,熱エネルギーに変換される量は繊維布帛の
裏面に形成されている場合の方がはるかに小さくなるた
め,太陽光反射層を裏面に有する布帛は涼感性に優れて
いると考えられる。
【0018】
【実施例】以下,実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが,実施例における繊維布帛の性能の測定評
価は,次の方法で行った。
に説明するが,実施例における繊維布帛の性能の測定評
価は,次の方法で行った。
【0019】(1)衣服温度 温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内に,エネルギ
ー源として中心波長1μmの写真用100W白色光源を
用い,繊維布帛の表面に白色光源を照射して,30分照
射後の繊維布帛の裏面温度をサーモビユア(赤外線セン
サー,日本電子株式会社製品)にて測定した。
ー源として中心波長1μmの写真用100W白色光源を
用い,繊維布帛の表面に白色光源を照射して,30分照
射後の繊維布帛の裏面温度をサーモビユア(赤外線セン
サー,日本電子株式会社製品)にて測定した。
【0020】(2)衣服内温度 温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内に図1に側断
面図で示すごとき温度測定装置を設置し,エネルギー源
として中心波長1μmの写真用100W白色光源1を用
いて,光源1から60cmの位置にある被測定繊維布帛2
の表面に白色光を10分間照射した時点で,布帛2の裏
面から5mm離れた位置にあり,黒色ポリエステル織物4
の手前にある温度センサー3によって温度を測定し,繊
維布帛2の光遮蔽性を評価した。
面図で示すごとき温度測定装置を設置し,エネルギー源
として中心波長1μmの写真用100W白色光源1を用
いて,光源1から60cmの位置にある被測定繊維布帛2
の表面に白色光を10分間照射した時点で,布帛2の裏
面から5mm離れた位置にあり,黒色ポリエステル織物4
の手前にある温度センサー3によって温度を測定し,繊
維布帛2の光遮蔽性を評価した。
【0021】実施例1 m−クレゾール溶媒中で,濃度0.5g/デシリツトル,
温度20℃にて測定した相対粘度2.6の6ナイロン95
重量部と,長さ方向の最大粒子径が20μm,厚み方向
の最大粒子径が0.3μmのNa2Ti6O13 微粒子5重量部と
を溶融混合したものを芯成分とし,Na2Ti6O13 微粒子を
添加しない同じ6ナイロンを鞘成分として,芯/鞘重量
比が70/30の同心円型芯鞘複合繊維を溶融紡糸し
た。この際,紡糸温度を250℃とし,1500m/分
の速度で引き取り,続いて,延伸温度85℃,延伸倍率
2.6倍,熱処理温度165℃にて延伸,熱処理し,本発
明のマルチフイラメント糸70d/24fを得た。
温度20℃にて測定した相対粘度2.6の6ナイロン95
重量部と,長さ方向の最大粒子径が20μm,厚み方向
の最大粒子径が0.3μmのNa2Ti6O13 微粒子5重量部と
を溶融混合したものを芯成分とし,Na2Ti6O13 微粒子を
添加しない同じ6ナイロンを鞘成分として,芯/鞘重量
比が70/30の同心円型芯鞘複合繊維を溶融紡糸し
た。この際,紡糸温度を250℃とし,1500m/分
の速度で引き取り,続いて,延伸温度85℃,延伸倍率
2.6倍,熱処理温度165℃にて延伸,熱処理し,本発
明のマルチフイラメント糸70d/24fを得た。
【0022】得られたフイラメント糸を経糸,緯糸に用
いて,経糸密度115本/吋,緯糸密度90本/吋の平
織物を製織した。この生機を常法により精練,プレセツ
ト後,Suminol Fast Yellow 2GP ( 住友化学株式会社
製,酸性染料)1%owf にて黄色に染色した。
いて,経糸密度115本/吋,緯糸密度90本/吋の平
織物を製織した。この生機を常法により精練,プレセツ
ト後,Suminol Fast Yellow 2GP ( 住友化学株式会社
製,酸性染料)1%owf にて黄色に染色した。
【0023】次に,下記処方1の樹脂溶液をフラットス
クリーン(格子柄,開口率60%)により上述の繊維布
帛の裏面にプリントした後,80℃で2分間乾燥し,続
いて150℃で1分間熱処理を行い,本発明の涼感性繊
維布帛を得た。 処方 1 DEXCEL CLEAR 3301 100部 (大日本インキ化学工業株式会社製,アクリル系ハ゛インタ゛ー) DEXCEL CLEAR AGENT 2K 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,ハ゛インタ゛ー用架橋剤) DEXCEL CLEAR AGENT 15V 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,増粘剤) WB 1415 30部 (東洋アルミニウム株式会社製,近赤外線反射物質) 水 60部
クリーン(格子柄,開口率60%)により上述の繊維布
帛の裏面にプリントした後,80℃で2分間乾燥し,続
いて150℃で1分間熱処理を行い,本発明の涼感性繊
維布帛を得た。 処方 1 DEXCEL CLEAR 3301 100部 (大日本インキ化学工業株式会社製,アクリル系ハ゛インタ゛ー) DEXCEL CLEAR AGENT 2K 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,ハ゛インタ゛ー用架橋剤) DEXCEL CLEAR AGENT 15V 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,増粘剤) WB 1415 30部 (東洋アルミニウム株式会社製,近赤外線反射物質) 水 60部
【0024】本発明との比較のため,本実施例におい
て,繊維布帛の裏面に代えて表面に処方1の樹脂溶液を
プリントするほかは,本実施例と全く同一の方法によ
り,比較用の加工布帛(比較例1とする)を得た。
て,繊維布帛の裏面に代えて表面に処方1の樹脂溶液を
プリントするほかは,本実施例と全く同一の方法によ
り,比較用の加工布帛(比較例1とする)を得た。
【0025】また,本実施例において,処方1に代えて
下記処方2に示す樹脂溶液を使用するほかは,本実施例
と全く同一の方法により,比較用の加工布帛(比較例2
とする)を得た。 処方 2 DEXCEL CLEAR 3301 100部 (大日本インキ化学工業株式会社製,アクリル系ハ゛インタ゛ー) DEXCEL CLEAR AGENT 2K 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,ハ゛インタ゛ー用架橋剤) DEXCEL CLEAR AGENT 15V 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,増粘剤) 水 60部
下記処方2に示す樹脂溶液を使用するほかは,本実施例
と全く同一の方法により,比較用の加工布帛(比較例2
とする)を得た。 処方 2 DEXCEL CLEAR 3301 100部 (大日本インキ化学工業株式会社製,アクリル系ハ゛インタ゛ー) DEXCEL CLEAR AGENT 2K 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,ハ゛インタ゛ー用架橋剤) DEXCEL CLEAR AGENT 15V 1部 (大日本インキ化学工業株式会社製,増粘剤) 水 60部
【0026】さらに,本発明との比較のため,本実施例
において鞘成分として用いた6ナイロンを芯成分,鞘成
分の双方に用いるほかは,本実施例と全く同一の方法に
より比較用の加工布帛(比較例3とする。)を得た。
において鞘成分として用いた6ナイロンを芯成分,鞘成
分の双方に用いるほかは,本実施例と全く同一の方法に
より比較用の加工布帛(比較例3とする。)を得た。
【0027】また,本実施例において,鞘成分として用
いた6ナイロンを芯成分,鞘成分の双方に用いるととも
に,処方1に代えて処方2の樹脂溶液を用いるほかは,
本実施例と全く同一の方法により,比較用の加工布帛
(比較例4とする)を得た。
いた6ナイロンを芯成分,鞘成分の双方に用いるととも
に,処方1に代えて処方2の樹脂溶液を用いるほかは,
本実施例と全く同一の方法により,比較用の加工布帛
(比較例4とする)を得た。
【0028】上述のごとくして得られた本発明および比
較用の布帛の性能を測定し,その結果を併せて表1に示
した。
較用の布帛の性能を測定し,その結果を併せて表1に示
した。
【表1】
【0029】表1より明らかなように,チタン酸アルカ
リ金属やチタン酸アルカリ土金属を含有する繊維布帛の
裏面に太陽光反射層を形成した本発明の繊維布帛は,比
較例4のような通常のプリント繊維布帛に比べると優れ
た涼感効果を有し,また,比較例1,2,3 のような公知
の涼感性繊維布帛と比べても涼感効果の向上が図られて
いることがわかる。
リ金属やチタン酸アルカリ土金属を含有する繊維布帛の
裏面に太陽光反射層を形成した本発明の繊維布帛は,比
較例4のような通常のプリント繊維布帛に比べると優れ
た涼感効果を有し,また,比較例1,2,3 のような公知
の涼感性繊維布帛と比べても涼感効果の向上が図られて
いることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば,太陽光直射下で衣服温
度,衣服内温度の昇温を抑える涼感性の良好な繊維布帛
を得ることができる。
度,衣服内温度の昇温を抑える涼感性の良好な繊維布帛
を得ることができる。
【図1】本発明の涼感性繊維布帛の衣服内温度を測定す
る装置の要部を示す側断面図である。
る装置の要部を示す側断面図である。
1 写真用100W白色光源 2 被測定繊維布帛 3 温度センサー 4 黒色ポリエステル織物(経糸,緯糸ともに75d/36
f,経糸密度 110本/吋,緯糸密度80本/吋) 5 厚さ20mmの発泡ポリスチレン断熱材
f,経糸密度 110本/吋,緯糸密度80本/吋) 5 厚さ20mmの発泡ポリスチレン断熱材
Claims (1)
- 【請求項1】 チタン酸アルカリ金属またはチタン酸ア
ルカリ土金属のうちの少なくとも一種のセラミツク微粒
子を含有する繊維から構成された繊維布帛の裏面に太陽
光反射層を有することを特徴とする涼感性を有する布
帛。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4101946A JP3071938B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 涼感性繊維布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4101946A JP3071938B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 涼感性繊維布帛 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279938A true JPH05279938A (ja) | 1993-10-26 |
JP3071938B2 JP3071938B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=14314069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4101946A Expired - Lifetime JP3071938B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 涼感性繊維布帛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071938B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP4101946A patent/JP3071938B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3071938B2 (ja) | 2000-07-31 |
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