JPH05279824A - スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金条材 - Google Patents

スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金条材

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JPH05279824A
JPH05279824A JP10360592A JP10360592A JPH05279824A JP H05279824 A JPH05279824 A JP H05279824A JP 10360592 A JP10360592 A JP 10360592A JP 10360592 A JP10360592 A JP 10360592A JP H05279824 A JPH05279824 A JP H05279824A
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JP
Japan
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copper alloy
alloy strip
stamping die
alloy bar
wear
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JP10360592A
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English (en)
Inventor
Rensei Futatsuka
錬成 二塚
Seiji Kumagai
誠司 熊谷
Junichi Kumagai
淳一 熊谷
Takeshi Suzuki
竹四 鈴木
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工用金型を摩耗させることの少ない銅合金
条材を提供する。 【構成】 Sn:0.8〜10%,P:0.01〜0.
4%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる
組成を有する銅合金条材において、この条材の表面組織
の結晶粒は圧延方向に延ばされた延伸形状を示し、この
延伸形状結晶粒の平均短径をa、平均長径をbとする
と、 a:5〜25μm、 b:7〜170μm、 1.4≦b/a≦6.7 なる寸法を有するスタンピング金型を摩耗することの少
ない銅合金条材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工用金型を摩耗さ
せることの少ない銅合金条材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、重量%でSn:0.8〜10
%,P:0.01〜0.03%,Zn:0.05〜5%
を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる銅合
金条材(以下、銅合金条材という)は、Snを含有する
ためにバネ性に優れるところからバネ用部品材として多
く使用されている。
【0003】この銅合金条材は、鋳塊を横型連続鋳造機
で鋳造し、得られた銅合金厚板表面を面削してスケール
を除去し、さらに冷延圧延と焼鈍を繰り返し行ない、最
終冷間圧延することにより製造される。この場合、銅合
金条材のバネ性を向上させるために、最終焼鈍により生
じる再結晶粒の大きさを平均粒径:5μm未満に調整
し、この焼鈍材を最終冷間圧延することにより得られた
結晶粒の大きさは圧延直角方向平均粒径幅:5μm未満
で圧延率に応じ圧延方向に結晶粒が延ばされた形状(以
下、この形状を延伸形状という)を有している。
【0004】上記銅合金条材は、はんだ耐熱剥離性にも
優れているところから、近年、家庭電気機器用電気およ
び電子部品材としても使用されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の延
伸形状を有する結晶粒からなる銅合金条材をスタンピン
グして電気および電子部品を製造しようとすると、スタ
ンピング金型の摩耗が激しく、金型が摩耗すると製品の
形状および精度に悪影響を及ぼすことろから、金型の修
正または交換を頻繁に行なわなければならなず、電気お
よび電子部品のコスト上昇の原因となっていた。
【0006】そのため、最終冷間圧延せずに焼鈍したま
まの硬さの少ない焼鈍組織を有する銅合金条材の使用も
考えられるが、かかる焼鈍組織を有する銅合金条材は強
度が劣り、伸びが大きいため、かえってスタンピング金
型摩耗は大きくなるとともに、得られた電気および電子
部品の強度および靭性が不足するという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
スタンピング時の金型の摩耗が少なくかつスタンピング
加工製品の強度および靱性が電気および電子部品として
十分満足しうる銅合金条材を開発すべく研究を行った結
果、通常の成分組成を有する銅合金鋳塊を横型連続鋳造
機で鋳造し、面削したのち冷間圧延と焼鈍を繰り返し、
最終冷間圧延前の焼鈍における平均結晶粒度および最終
冷間圧延の圧延率を調整することにより得られた銅合金
条材は、スタンピング金型を摩耗させることが少なくか
つ電気および電子部品の強度および靱性を十分確保する
ことができる、という知見を得たのである。
【0008】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、重量%で、Sn:0.8〜10%,
P:0.01〜0.03%、Zn:0.05〜5%を含
有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有
する銅合金条材において、この条材の表面組織の結晶粒
は延伸形状を示し、この延伸形状結晶粒の平均短径を
a、平均長径をbとすると、 a:5〜25μm、 b:7〜170μm、 1.4≦b/a≦6.7 なる寸法を有するスタンピング金型を摩耗させることの
少ない銅合金条材に特徴を有するものである。
【0009】この発明のスタンピング金型を摩耗させる
ことの少ない銅合金条材は、まず所定の成分組成を有す
る銅合金鋳塊を、横型連続鋳造機で鋳造し、面削したの
ち冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終冷間圧延前の焼鈍に
おいて平均結晶粒度を5〜25μmに調整し、最終冷間
圧延の圧延率を20〜85%の範囲内で圧延することに
より製造される。
【0010】従来の銅合金条材は最終冷間圧延前の焼鈍
において平均結晶粒度を5μm未満に調整するため、最
終圧延後に得られる表面組織は、この発明で得られる銅
合金条材の表面組織と比べて結晶粒の寸法が必然的に異
なるものである。
【0011】つぎに、この発明の銅合金条材の成分組成
および表面組織の結晶粒径を上記の如く限定した理由に
ついて説明する。
【0012】(1) Sn Snには強度を向上させる作用があるが、0.8%未満
ではさしたる効果はなく、10%を越えて含有させると
強度向上に飽和傾向が見られることからその含有量を
0.8〜10%に定めた。
【0013】(2) P Pには溶解鋳造時に脱酸の作用があるが、0.01%未
満ではさしたる効果はなく、0.03%を越えて含有さ
せると、はんだ耐熱剥離性に悪影響を及ぼすので、その
含有量を0.01〜0.03%と定めた。
【0014】(3) Zn Znには脱酸、脱ガスの作用とはんだ耐熱剥離性向上の
作用があるが、0.05%未満ではそれらの効果はな
く、5%を越えて含有させてもそれらの効果に飽和傾向
が見られることから、その含有量を0.05〜5%と定
めた。
【0015】(4) 結晶粒 最終冷間圧延により圧延面組織の結晶粒は引き伸ばされ
て延伸形状結晶粒となり、その延伸形状結晶粒の大きさ
は平均短径aが5μm未満ではスタンピング金型摩耗を
少なくすることができず、一方、平均短径aが25μm
を越えると部品の曲げ加工時に肌荒れが生じるようにな
るので好ましくなく、したがってa:5〜25μmに定
めた。また、延伸形状結晶粒の平均長径bが170μm
を越えると完全な縞状加工組織となり金型摩耗の改善効
果が得られなくなり、一方、平均長径bが7μm未満で
あると相対的に圧延率が低くなり所定の強度が得られな
くなるところから平均長径b:7〜170μmに定め
た。
【0016】さらに、上記延伸形状結晶粒の平均長径/
平均短径(b/a)の値が6.7を越えると金属組織が
完全な圧延加工組織の縞状組織となり、スタンピング金
型の摩耗を増加させるので好ましくなく、一方、b/a
の値が1.4より小さいと十分な強度および硬さが得ら
れないので好ましくない。
【0017】なお最終圧延後テンションレベラーによる
平坦度改善、またテンションアニーラーやバッチ式焼鈍
炉による応力歪除去またそれら二つの処理の組み合わせ
による品質、特性の改善を行なってもこの発明の主旨を
損なうものではない。
【0018】
【実施例】低周波溝型誘導炉を用い、表1に示される成
分組成の銅合金を溶解し、横型連続鋳造法により厚さ:
18mm、巾:450mmの寸法を有するコイル状鋳塊を得
た。上記鋳塊のうちSn:8%以上の銅合金コイル状鋳
塊は700℃で均質化焼鈍を行った。
【0019】得られた上記銅合金コイル状鋳塊の表面を
片面0.5mm面削の両面面削し、厚さ:17mmの面削コ
イルを得た。その後、このコイルに冷間圧延と焼鈍を繰
り返し施し、表1に示される条件で最終焼鈍することに
より表1に示される平均再結晶粒径を有する最終焼鈍条
材を作製した。
【0020】上記最終焼鈍条材をさらに表1に示される
圧延率で最終冷間圧延を行ない、最終的に厚さ:0.2
5mmの本発明条材1〜10、比較条材1〜5および従来
条材1〜2を作製した。
【0021】
【表1】
【0022】このようにして得られた本発明条材1〜1
0、比較条材1〜5および従来条材1〜2表面の延伸形
状結晶粒の平均短径a、平均長径bおよびb/aの値を
測定し、それらの測定結果を表2に示すとともに、上記
本発明条材1〜10、比較条材1〜5および従来条材1
〜2をそれぞれWC−Co系超硬合金金型を用いて、
縦:1.0mm、横:1.0mmの長方形に毎分600スト
ロークのスピードで打抜き、ストローク数が100万回
に達した時の金型の摩耗量を測定し、それらの結果を表
2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】表1および表2に示される結果から、本
発明条材1〜10は、従来条材1〜2に比較し、スタン
ピングに際して金型を摩耗させることが極めて少ないこ
とがわかる。また、この発明の範囲から外れた比較条材
1〜5(この発明の範囲から外れている値に*印を付し
て表2に示した)は、金型の摩耗量が多いものあるいは
金型摩耗量が少なくても備考に示した電気または電子部
品として好ましくない性質を示すことがわかる。
【0025】上述のように、この発明の銅合金条材をス
タンピングして電気および電子部品を製造すると、金型
の交換回数を減らすことができるため、コストを大幅に
削減することができ、産業上すぐれた効果をもたらすも
のである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】また、この発明の銅合金条材を使用してリ
ードフレームを試作する場合、エッチングにより銅合金
条材から複数単位のリードフレームが連なったリードフ
レーム帯を作製し、この複数単位のリードフレームが連
なったリードフレーム帯を切断して1単位づつのリード
フレームを作製することも行なわれるが、この発明の銅
合金条材はかかる切断に際して使用する切刃を摩耗させ
ることの極めて少ない効果もある。上述のように、この
発明の銅合金条材をスタンピングまたは切断して電気お
よび電子部品を製造すると金型または切刃の交換回数を
減らすことができるため、コストを大幅に削減すること
ができ、産業上すぐれた効果をもたらすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 竹四 福島県会津若松市扇町128−7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Sn:0.8〜10%,P:
    0.01〜0.03%,Zn:0.05〜5%を含有
    し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有す
    る銅合金条材において、 この条材の表面組織の結晶粒は圧延方向に延ばされた形
    状(以下、この形状を延伸形状という)を有し、この延
    伸形状を有する結晶粒の平均短径をa、平均長径をbと
    すると、 a:5〜25μm、 b:7〜170μm、 1.4≦b/a≦6.7、 なる寸法を有することを特徴とするスタンピング金型を
    摩耗することの少ない銅合金条材。
JP10360592A 1992-03-30 1992-03-30 スタンピング金型を摩耗させることの少ない銅合金条材 Pending JPH05279824A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180165A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Dowa Mining Co Ltd プレス打ち抜き性に優れた銅基合金およびその製造方法
WO2002053790A1 (fr) * 2000-12-28 2002-07-11 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. Alliage de cuivre haute resistance ayant une excellente aptitude au pliage et son procede de fabrication, terminal et connecteur comportant cet alliage

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180165A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Dowa Mining Co Ltd プレス打ち抜き性に優れた銅基合金およびその製造方法
JP4729680B2 (ja) * 2000-12-18 2011-07-20 Dowaメタルテック株式会社 プレス打ち抜き性に優れた銅基合金
WO2002053790A1 (fr) * 2000-12-28 2002-07-11 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. Alliage de cuivre haute resistance ayant une excellente aptitude au pliage et son procede de fabrication, terminal et connecteur comportant cet alliage

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