JPH052797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は岸壁に設けられるタラツプの昇降を便
利にするための改良と、人命救助を目的とした浮
袋兼用のタラツプ昇降補助装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 港湾等の岸壁には、小舟に岸壁から乗降する人
が岸壁を昇降するため、また水中に転落した人が
昇るために、タラツプがところどころに設けられ
ている。これには防舷材を兼ねたゴム製のものが
多く用いられている。

（考案が解決しようとする問題点） 現在用いられている岸壁用タラツプ特にゴム製
のものは、防舷材を兼ねていることからも、岸壁
の壁面に密着して取付けられている。よつてタラ
ツプを昇つて来る人は岸壁のすぐ下まで来たら、
岸壁に手をかけ四つ這いのようになつて、岸壁に
上らねばならないので不便である。また岸壁は風
波に曝されるためその付近には固定的に取付けら
れたものか、重量物しか置かれていない場合が多
く、人が岸壁から転落したようなときも、浮袋に
なるようなものが付近には見当らないのが普通で
ある。よつて本考案はタラツプの昇降を楽にし同
時に浮袋になるようなものを岸壁に常備しておく
ためになされたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の問題点を解決するための手段と
して、中空または発泡体を充填し、外面及び側面
に反射体を取付けたゴム製Ｕ字状筒体において、
該筒体の一端に凹状又は凸状の弾性取付部を設
け、該取付部を、タラツプ上部両側に設けた被取
付部に、着脱自在に嵌合し得るようにしたもので
ある。

（作用） これによつてタラツプを昇降する人は、逆Ｕ字
形に湾曲したＵ字状筒体を手すりとして使い、容
易にタラツプを昇降することができる。また水中
に転落した人を発見したときは、逆Ｕ字状のＵ字
状筒体を引抜いてタラツプから取外し、岸壁から
転落した人の近くに投下すれば、Ｕ字状筒体は浮
袋となつて、人が岸まで泳ぎつくか救助を待つ際
の助けとなる。

（実施例） 以下本考案の実施例を図によつて説明する。第
１図〜第３図において岸壁１にアンカーボルト２
で固定されているゴム製タラツプ３があつて、そ
の両側の支持柱４の上方が段部４ａとなつてお
り、そこから角形突起５が突出している。６はＵ
字状筒体であつて、中空または発泡体を充填し、
外面及び側面に反射体を取付けＵ字形に湾曲した
ゴム製筒体であり、一端に角穴部６ａが、他端に
は先端部７が形成されている。

その一端の角穴部６ａを、前記角形突起５の上
に挿嵌して装着する。角形突起５および角穴部６
ａは断面が共に正方形を形成し、角形突起５の一
辺の長さが角穴部６ａの一辺の長さより、やゝ大
きいものとする。この両者をゴムの弾性を利用し
て嵌入させ、タラツプ３とＵ字形のゴム製筒体６
とを一体化する。すなわち、Ｕ字状筒体の一端に
設けた凹状又は凸状の弾性取付部が、タラツプ３
の上部両側に設けた被取付部に着脱自在に嵌合し
得るようにする。Ｕ字状筒体６は逆Ｕ字状に湾曲
しているから、角穴部６ａの他端である先端部７
が、岸壁１の上面１ａ上に載置された形となり、
従つてＵ字状筒体６は角穴部６ａと先端部７の両
方で支持されて、岸壁１とそれに取付けられてい
るゴム製タラツプ３の上に固定される。Ｕ字状に
湾曲したＵ字状筒体６の湾曲内面８は指掛け用に
多数の凹部９が設けられている。また筒体６の側
面および外面には、数個の反射体１０をちりばめ
ておくものとする。

タラツプ３を昇降する人は、タラツプ３の頂上
付近に到達したときは逆Ｕ字形に湾曲した筒体６
を手すりとして使い、容易にタラツプを昇降する
ことができる。このときＵ字状筒体６には、主と
して下方に向う力がかゝるのでＵ字状筒体６の角
穴部６ａと、タラツプ３の支持柱４上にある突起
５がぬけることはなく、またＵ字状筒体６の先端
部７は岸壁１の上に載置された状態を保持する。
また岸壁から転落した人があれば、Ｕ字状筒体６
の角穴部６ａを、タラツプ３の支持柱４に設けら
れた突起５から少し強い力で引張ることによつて
引抜く。これを岸壁から水上に投下すれば、ゴム
製筒体６は、浮袋となつて、人が岸まで泳ぎつく
か救助を待つ場合の助けとなる。またＵ字状筒体
６の側面にちりばめられた強反射体１０は、夜間
にそこに浮袋になる物があることがはつきりわか
るので、人が転落したとき浮袋になる物を早く発
見するのに役立ち、また水中に投下された場合、
よく目立つので、浮袋として作用するＵ字状筒体
６を容易に発見することができる。また、Ｕ字状
筒体は、半月形の浮袋として簡単に首に掛けられ
るので救助活動が行い易い。また、両側の支持柱
に２個設けられているので、転落者用と救助者用
の２人分が常備されることになり、救助者も安全
に救助活動を行うことができる。

以上実施例の一態様について説明したが本考案
はこれに限らず次のように構成することも包含さ
れる。

(1) タラツプ支持柱の上端部に角形穴を設け、Ｕ
字状筒体の下部にそれに嵌合する角形突起を設
けてもよい。また角形穴、角形突起は四角形に
限らず、円筒形でもよい。

(2) タラツプ支持柱とＵ字状筒体を結合する穴に
はパイプ材を内装し、突起をFRPで構成して
結合強度を高めてもよい。

(3) Ｕ字状筒体の内側に第４図に示すような凹所
１１を設けたものとしてもよい。

（考案の効果） 本考案は以上のような構成と作用を有するもの
であるから、凹状又は凸状の弾性取付部をＵ字状
筒体の一端に設けて、これをタラツプ上部の両側
に形成した被取付部に着脱自在としたので手すり
となるＵ字状筒体によつてタラツプの昇降が楽に
できるようになるばかりでなく、岸壁の水際に
は、風や波に曝されてもそれに耐え、しかも取外
しが容易な形で常に浮袋が用意されていることに
なるから、人命救助に大きな効果が期待される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の正面図、第２図はそ
の側面図、第３図はＵ字状筒体取付部詳細の斜視
図、第４図はＵ字状筒体の変形例を示す側面図、
第５図はその断面図である。 １……岸壁、３……タラツプ、５……支持柱上
突起、６……Ｕ字状筒体、６ａ……Ｕ字状角穴
部、１０……反射体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空または発砲体を充填し、外面及び側面に反
   射体を取付けたゴム製Ｕ字状筒体において、該筒
   体の一端に凹状又は凸状の弾性取付部を設け、該
   取付部を、タラツプ上部両側に設けた被取付部に
   着脱自在に嵌合し得るようにしたことを特徴とす
   るタラツプ昇降補助装置。