JPH05279799A - 耐熱性と加工性に優れたアルミニウムめっき鋼板 - Google Patents

耐熱性と加工性に優れたアルミニウムめっき鋼板

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JPH05279799A
JPH05279799A JP7799392A JP7799392A JPH05279799A JP H05279799 A JPH05279799 A JP H05279799A JP 7799392 A JP7799392 A JP 7799392A JP 7799392 A JP7799392 A JP 7799392A JP H05279799 A JPH05279799 A JP H05279799A
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JP
Japan
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steel sheet
workability
heat resistance
less
aluminum
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JP7799392A
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Yoshikuni Furuno
嘉邦 古野
Kenichi Asakawa
健一 麻川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱性と加工性に優れたアルミニ
ウムめっき複層鋼板を提供する。 【構成】 鋼板の表層部をAl≦0.005%、N:
0.0020〜0.0080%の極低炭素鋼、内層部を
Al,Ti,Nb,Bの中から1種以上を含む極低炭素
鋼とし、表層部の板厚構成比率が片側で2〜25%とな
るように複層化してアルミニウムをめっきすることによ
って耐熱性と加工性がともに優れたアルミニウムめっき
鋼板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車排気管、家庭用熱
器具などで使用される耐熱性、耐食性および加工性に優
れたアルミニウムめっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題、特に排気ガスによ
る大気汚染問題が大きくクローズアップされ、自動車産
業界においてはその対策の一つとしてエンジンから排出
される排ガスの処理方法が改善されてきた。それに伴
い、これまで以上の高温度の過酷な条件に耐えられる排
気系材料が要求され、今日まで耐熱用材料として用いら
れてきたアルミニウムめっき鋼板も、最近では、例えば
特開昭60−13058号公報に開示の「Crを0.1
〜5%、さらに少量のCu,Ni,Tiなどを選択的に
添加した高温耐食性アルミニウムめっき鋼板」、特開昭
60−262950号公報に開示の「Crの3〜18%
と少量のTiを含有させた鋼板に、Niめっき層さらに
アルミニウムめっき層を施した耐熱性と耐食性の優れた
溶融アルミニウムめっき鋼板」などのようなアルミニウ
ムめっきCr含有硬質鋼板、あるいは特開昭61−52
356号公報に記載のように、「鋼中にSoL窒素を
0.0003〜0.0020%含有させた鋼板をアルミ
ニウムめっき後低温加熱処理して地鉄とめっき層の界面
にAlNの析出層を形成させて、Alめっき層のFe−
Al合金化を抑制した耐熱性アルミニウムめっき鋼板」
も開発されている。
【0003】しかしながら、これらのアルミニウムめっ
き鋼板は耐熱性や耐食性が優れているものの、高度な加
工性が要求される、例えば屈折加工が施されるような家
庭用熱器具材料には、加工部に微小クラックを発生する
問題があった。また鋼中に多量のN成分を含有させるた
め、加工性を劣化させ、時効による材質の劣化も大きく
排気系部品材料に使用できない問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした加
工性の問題を解消すると共に、アルミニウムめっき後低
温加熱処理を施さなくても耐熱性と耐酸化性を確保し、
時効劣化しない材質のアルミニウムめっき鋼板を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、鋼板の外層部は耐熱性と耐酸化性をまたそ
の内層部は加工性と非時効性を確保した複層構造の鋼成
分組成に構成したもので、その要旨とするところは、外
層部がC:0.010%以下、Si:0.2%以下、M
n:0.05〜0.8%、P:0.040%以下、N:
0.0020〜0.0080%、Al:0.005%以
下を含有し、また内層部がC:0.005%以下、S
i:1.0%以下、Mn:0.05〜1.50%、P:
0.080%以下、N:0.0040%以下でさらにA
l:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜
0.150%、Nb:0.005〜0.100%、B:
0.0005〜0.0050%の1種または2種以上を
含有して残部が鉄および不可避的不純物からなる複層組
成で、かつ外層部の厚みが片側当たり全厚の2〜25%
となる鋼板の両面に、アルミニウムめっき層を施した耐
熱性と加工性に優れたアルミニウムめっき鋼板である。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は、めっき密着性に優れかつ軟質で加工性に優れた
高純化質の外層部と、高純化で低下する高温強度や非時
効性などをAl,TiおよびNbを選択的に含有して向
上した内層部をもつ複層構造の鋼板に形成することによ
って、要求される諸性質をもつアルミニウムめっき鋼板
に改善したものである。
【0007】鋼板の外層部に含有されるC成分が多量に
含まれる場合は、高温度域での使用中においてめっき層
に空孔やボイドを生成して鋼板のめっき密着性を劣化
し、また鋼中にアルミニウムめっき金属の拡散を促進し
て表面層のアルミニウムめっき濃度を低下し、耐酸化性
を劣化する有害な成分となる。従って、C成分は、アル
ミニウムめっき金属の鋼中拡散を抑制するために0.0
10%以下、好ましくは0.0040%以下にする必要
がある。Siは不可避的成分で、0.2%を超える過剰
な含有は耐熱性を向上するのに必要な量で添加したN成
分と結合して窒化物を形成し、めっき性を劣化せしめる
有害な成分である。従って、Si成分は0.2%以下、
好ましくは0.10%以下がよい。Mnの0.05%以
上は耐熱性を向上成分として添加したN成分の固溶量を
増大せしめる成分である。しかし、0.80%を超える
含有量のMnは、鋼板外層部の加工性を劣化する傾向に
ある。Pは、高温度でアルミニウムめっき層を剥離して
耐熱性を劣化する有害な成分として、0.040%以下
に低下せしめる必要がある。Nの0.0020%以上の
含有は耐熱性を向上する有効な成分として添加する。し
かし、過剰な含有量は、SiやMnなどの金属間窒化物
を形成してめっき性を劣化せしめる。従って、その上限
を0.0080%に抑制した。Alは不可避的成分で、
0.005%以下の含有は耐熱性を向上するに必要な量
で添加されたN成分と結合し、N成分の作用効果を減少
させる問題がある。
【0008】また、本発明において、鋼板内層部の各鋼
成分は、主として加工性から限定したものである。Cは
鋼板の高温強度を向上する有効な成分であるが、過剰な
含有は各種の成品に成形加工する場合に必要な加工性を
劣化するため、0.005%以下とした。Siは、C成
分と同様に高温強度を向上する有効な成分である。しか
し、過剰な含有は加工性を劣化するため、その上限を
1.0%とした。鋼板内層部のMnは、固溶Nとの関係
はなく、高強度化のために多量に含有させることが可能
であるが、加工性を劣化する傾向にある。従って、Mn
の含有は強度と加工性を考慮して、含有量を0.05〜
1.5%とした。Pもめっき層に無関係であるが、多過
ぎると加工性を劣化するので、その含有量の上限を0.
080%とした。Nは鋼板内層部においては、AlTi
などの窒化物形成元素と結合して生成した金属間窒化物
が加工性を劣化するため、その含有量を0.0040%
以下とした。さらにAl,Ti,Nb,Bは1種または
2種以上で選択的に添加されるが、AlはN成分を固定
し加工性の時効劣化を防止する効果から0.005〜
0.100%とした。Tiは、CやNなどの時効性成分
を固定し高温強度を向上する有効な成分として0.05
%以上を添加する。しかし、0.15%を超えると過飽
和域に達する。従って、Tiは0.05〜0.15%で
添加する。NbもAl成分等と同様に時効劣化の防止効
果から0.05%以上を添加する必要があるが、0.1
00%を超える過剰な含有量は冷間圧延後の焼鈍温度
(再結晶温度)を著しく高める問題がある。またBはN
成分を固定すると共に、固溶状態の高温度域から冷却過
程において粒界に偏析して粒界を強化し、低温から高温
までの広範囲で高い強度を付与する。その効果を得るに
は0.0002%以上が必要で、あまり多過ぎると加工
性に悪影響を及ぼすのでその上限を0.005%とし
た。
【0009】さらに本発明においては時効後特性から鋼
板の表層部と内層部との板厚構成比率で表層部(片側)
が全板厚の2〜25%となるように規定する必要があ
る。図1に表層と内層の板厚構成率と時効後材質、特に
伸びとの関係を示す。表層部がC:0.0020%、M
n:0.21%、P:0.008%、Al:0.002
%、N:0.0060%で、内層部がC:0.0017
%、Mn:0.15%、P:0.010%、Al:0.
030%、N:0.0023%、Ti:0.056%か
らなる複層鋼板で板厚構成比率を変化させたアルミニウ
ムめっき鋼板を100℃×1時間の人工時効後に引張試
験したものであるが、あまり表層部の板厚比率が高くな
ると時効後の伸びの劣化が大きくなり加工に耐えられな
くなるので板厚構成率の上限を25%とする。好ましく
は10〜15%前後がよい。一方、下限は、地鉄とアル
ミの界面に緻密なAlN層を形成させるのに必要な高N
を含有した層を確保するため、および構成比率の管理技
術面の容易さから2%に決定した。
【0010】上記した組成からなる表層部と内層部を有
する鋼片は、例えば、2つの溶鋼を連続鋳造で分離注入
して得る方法、あるいは表層部と内層部の基本成分を同
一としてAl,Ti,Nb,Bなどをワイヤー添加で内
層部に含有させる方法、または成分の異なる2つの鋼片
を熱間で圧接する方法などいかなる方法でもよい。上記
方法のいずれかで製造された鋼片は、通常の熱間圧延、
冷間圧延を経て薄鋼板とされ、次に連続溶融めっきライ
ンで再結晶焼鈍ののちにアルミニウムめっきを施され
る。
【0011】
【実施例】表1に示す成分の複層および単層の鋳片を製
造し、通常の条件で熱間圧延して4mmとし、冷間圧延で
0.8mmに仕上げたコイルを準備し、次に連続溶融めっ
きラインを800℃で通板し650℃のアルミニウムめ
っき浴に浸漬して表裏とも40g/m2 目付けのアルミ
ニウムめっき鋼板を製造した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】めっき鋼板の評価試験は、通常の機械試験
値(100℃×1時間の人工時効による促進試験を含
む)と、曲げ加工後の塩水噴霧試験による耐食性試験、
および570℃で1000時間の大気加熱による耐熱性
試験を実施した。それらの結果を表2に示す。
【0015】同表から明らかなように、従来の高N含有
鋼である試料No.Hでは耐熱性、耐食性に優れるけれど
も時効後の機械的性質、特に伸びが著しく劣り通常の加
工性に必要な35%が確保できないのに対して、本発明
鋼の試料No.A〜Dは機械的性質に優れ、時効による材
質の劣化も少なく、また耐熱性に優れている。一方、本
発明範囲外の表層板厚構成比が大きい試料No.Eは、時
効後材質特性が劣る。また、表層部のN量が少ない試料
No.Fは耐熱性、耐食性が劣り、逆にN量が多すぎる試
料No.Gは材質特性が劣り加工性に問題がある。
【0016】
【発明の効果】以上のような実施例から明らかなよう
に、本発明によれば従来のようなめっき後の低温熱処理
を施さずに耐熱性、耐食性および加工性に優れたアルミ
ニウム表面処理鋼板が製造でき、製造工程の省略化効果
は大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】表層部と内層部の板厚構成比率と材質特性の関
係を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層部が重量で C :0.010%以下、 Si:0.2%以下、 Mn:0.05〜0.8%、 P :0.040%以下、 Al:0.005%以下、 N :0.0020〜0.0080%を含有し、 また内層部が C :0.005%以下、 Si:1.0%以下、 Mn:0.05〜1.50%、 P :0.080%以下、 N :0.0040%以下、 でさらに Al:0.005〜0.100%、 Ti:0.005〜0.150%、 Nb:0.005〜0.100%、 B :0.0005〜0.0050%の1種または2種
    以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる
    複層組成で、かつ外層部の厚みが片側当たり全厚の2〜
    25%となる鋼板の両面に、アルミニウムめっき層を施
    したことを特徴とする耐熱性と加工性に優れたアルミニ
    ウムめっき鋼板。
JP7799392A 1992-03-31 1992-03-31 耐熱性と加工性に優れたアルミニウムめっき鋼板 Withdrawn JPH05279799A (ja)

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