JPH05279595A - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

カーボンブラックの製造方法

Info

Publication number
JPH05279595A
JPH05279595A JP10582692A JP10582692A JPH05279595A JP H05279595 A JPH05279595 A JP H05279595A JP 10582692 A JP10582692 A JP 10582692A JP 10582692 A JP10582692 A JP 10582692A JP H05279595 A JPH05279595 A JP H05279595A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
rubber
plastic
polyolefin
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10582692A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Suzuki
宏明 鈴木
Nobuo Takeuchi
暢夫 竹内
Kenji Uesugi
賢司 植杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP10582692A priority Critical patent/JPH05279595A/ja
Publication of JPH05279595A publication Critical patent/JPH05279595A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐熱性セラミックにて形成され、1000℃
以上の高温に維持された円筒炉内にて、石油系原料油1
00重量部に対して、平均粒子径が20μm以下の架橋
および/または無架橋のポリオレフィンを主体とするゴ
ム・プラスチック廃材粉末5〜50重量部を混合した懸
濁液を不完全燃焼させることを特徴とするカーボンブラ
ックの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、通常の燃焼炉では発
熱量の大きさから焼却処分が不可能とされてきたゴム・
プラスチック廃材を20μm以下の平均粒子径にまで微
粉化することにより、カーボンブラックの原材料の一部
として再利用することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンを主体
とするゴム・プラスチックの廃材の再利用を目的とした
カーボンブラックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック廃棄物の増加による
環境汚染が大きな問題となっており、環境保護の観点か
ら、プラスチックを再利用し、出来得る限り廃棄物を出
さないことが社会的要請となっている。
【0003】特に電気ケーブル分野、なかんずく電力ケ
ーブルではプラスチック絶縁電力ケーブルの割合が増大
しており、撤去が増えるにしたがって、絶縁層に用いた
架橋ポリエチレンをはじめとするプラスチックの廃材処
理の必要性が増大している。また、プラスチック絶縁電
力ケーブルのゴム・プラスチック押出成形時に押出機か
らオーバーフローする、特にポリオレフィン系のゴム・
プラスチック廃棄物の処理も必要となっている。
【0004】一方、ゴム・プラスチック廃棄物の再生利
用方法としては、例えば、特開平2−295720号
に、粒径4mm以下、好ましくは平均粒度0.3mm以
下に粉砕した廃プラスチック材を他の樹脂に複合して再
利用する方法が開示されているが、この方法では、廃プ
ラスチックが架橋されている場合、特にその架橋度が高
い場合、得られる複合材料の成形加工性が極めて悪くな
るという欠点を有している。
【0005】また、特開昭62−260844号には、
セラミック超微粒子を添加することにより構造の異なる
2種以上のポリオレフィン系熱可塑性樹脂混合物を融解
利用する方法が開示されているが、この場合も架橋型高
分子は熱混合が不可能であることから適用範囲外とさ
れ、プラスチック廃材全般の再利用に大幅な進歩をもた
らすにはいたっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、特に電力ケーブ
ルの絶縁層等電線被覆用途に使用されたポリオレフィン
を主体とするゴム・プラスチックの回収物は、そのほと
んどが焼却や埋め立てによって再利用されることなく廃
棄処分されていた。しかし、焼却処分については、燃焼
エネルギーが高く炉をいためることから敬遠されてい
た。
【0007】本発明は、ポリオレフィンを主体とするゴ
ム・プラスチックの廃棄物を再利用してこれを原料の一
部に用いることにより、従来品並のカーボンブラックを
得ることができる製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段・作用】上記目的を達成す
るために、本発明においては、耐熱性セラミックにて形
成され、1000℃以上の高温に維持された円筒炉内に
て、石油系原料油100重量部に対して、平均粒子径が
20μm以下の架橋および/または無架橋のポリオレフ
ィンを主体とする廃棄ゴム・プラスチック粉末5〜50
重量部を混合した懸濁液を不完全燃焼させることを特徴
とするカーボンブラックの製造方法が提供される。
【0009】本発明におけるポリオレフィンとしては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−
1、ポリ4−メチル−ペンテン−1などのオレフィン単
独重合体、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メ
チル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1など
の相互共重合体、エチレンと酢酸ビニルエステル、不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルなどとの共重
合体、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロプレン−ジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴムなどの合成
ゴムの中のいずれか1種または2種以上の混和物があげ
られる。
【0010】上記のポリオレフィンを主体とするゴム・
プラスチック廃材は、最終製品の特性を損なわない範囲
で少量のその他の合成樹脂や添加剤を含んでいても良
い。
【0011】また、本発明におけるゴム・プラスチック
廃材は、架橋されたものであっても、架橋されていない
ものであってもどちらでもよい。
【0012】本発明におけるポリオレフィンを主体とす
るゴム・プラスチック廃材は、平均粒子径が20μm以
下であるように予め粉末化されたものを使用することが
必須である。特定粒子径以下に粉末化して使用すること
により、この粉末が配合される石油系原料油に均等に分
散させることが可能となり、円筒炉内にて効率的に均質
に燃焼させることが可能となる。
【0013】ゴム・プラスチック廃材粉末の平均粒径が
20μm以下である場合、原料油に上記微粉末を混合分
散した懸濁液の液滴が小さい状態で高温円筒炉内に供給
することが可能となることから、均一かつ効率的な分解
・生成により得られるカーボンブラックの構造がより均
一になる。
【0014】上記架橋および/または無架橋のゴム・プ
ラスチック廃材粉末について所望の粒径を得るために
は、粉砕時にゴム・プラスチック廃材が溶融しないよう
にしながら高いセン断をゴム・プラスチック廃材に加え
る必要がある。そのため、例えばビーズミル等を用い、
容器内に水もしくは該ゴム・プラスチックを溶解せしめ
ることのない有機溶剤等を充填し、容器外部を冷却した
状態にて粒径の小さいビーズの存在下で粉砕する方法等
が好ましい。
【0015】石油系原料油としては、炭化水素系原料
油、エチレンボトムなど、従来からカーボンブラックの
原料として使用されているものが使用できる。
【0016】ゴム・プラスチック廃材粉末の配合量は、
石油系原料油100重量部に対して5〜50重量部、好
ましくは10〜20重量部の範囲で選択される。上記配
合量が5重量部未満では原料となる懸濁液におけるゴム
・プラスチック廃材の利用率が低く、大量に発生する廃
棄物の再利用効率がきわめて悪く、また、50重量部を
超えると、燃焼時に、懸濁液を効果的に燃焼させるのに
必要な微小液滴化が困難となり、得られるカーボンブラ
ックの特性の均一性が失われるという欠点を有する。
【0017】本発明の方法においては、原料が1000
℃以上の高温にて不完全燃焼されるため、原料全体の燃
焼速度が添加される廃材微粉末の自己燃焼(燃焼開始温
度約700℃付近とされる)による支配を受けないた
め、均一且つ迅速な燃焼工程が実現される。添加される
微粉末の平均粒子径が20μm以下であると、原料とし
て炉内に供給される液滴を燃焼効率を損なわない範囲に
とどめることが可能になる。その結果、原料の燃焼によ
り生ずる炭素ラジカルが高濃度、均一に炉内に存在する
こととなり、高いグラファイト化度を有する、特性の優
れたカーボンブラックが得られる。
【0018】このようにして得られたカーボンブラック
は、グラファイト化度が高く高導電性を示すため、ゴム
・プラスチック補強としての用途はもちろんのこと、導
電性付与材としても好適なものとなる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例および比較例を以下に示す。
【0020】実施例1〜5、比較例1〜4 外壁側からSiCヒーターにて加熱したSi3 4 で形
成された円筒炉に、炉軸に対し直角方向よりN2 ガス
を、炉軸方向より表1の特性を有する原料油とプラスチ
ック廃材を、表2に示す配合割合にて供給して高温部す
なわち燃焼帯にて燃焼させた後、急冷用クエンチを備え
た後部広径反応室にて冷却し、カーボンブラックを製造
した。燃焼帯の開始位置および長さはいずれの場合も同
じになるようにした。
【0021】なお、使用した廃材は、低圧用電力ケーブ
ルの絶縁層押出時に押出機からオーバーフローしたもの
で密度0.918 g/cm3 のポリエチレン廃材(表2でL
DPE廃材と表示)、高圧用電力ケーブルの撤去品から
回収したゲル分率84%の架橋ポリエチレン廃材(表2
で架橋LDPE廃材と表示)、および同じく撤去品から
回収したVA含量25%のエチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)の架橋EVA廃材(表2で架橋EVA廃材と
表示)である。
【0022】得られたそれぞれのカーボンブラックにつ
き、よう素吸着量およびDBP吸油量を測定し、表2に
示した。ここで、よう素吸着量はカーボンブラックの比
表面積、DBP吸油量はカーボンブラック1次粒子が形
成するストラクチャーを反映するものであり、生成した
カーボンブラックの特性が従来のファーネスブラックの
80%を越える場合に良品と判断した。なお、市販の導
電性カーボンブラックであるファーネスブラックのよう
素吸着量は50〜60(mg/g)、DBP吸油量は12
0〜150(ml/100g)である。
【0023】また、それぞれのカーボンブラックを、低
密度ポリエチレン100重量部に対して40重量部ずつ
配合してシート状に成形し、体積固有抵抗を測定し導電
性を評価した。その値が106 Ω・cm以下であるものを
○とした。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例6 Si3 4 で形成された円筒炉内にて、同軸方向より表
1の特性を有する原料油を表2に示す配合割合にて供給
して、炉軸に対し直角方向より天然ガスを、同じく直角
方向の反対側より空気を供給し燃焼させることにより高
温に保持された燃焼帯領域にて燃焼させた後、急冷用ク
エンチを備えた後部広径反応室にて冷却し、カーボンブ
ラックを製造した。燃焼帯の開始位置および長さはいず
れの場合も同じになるようにした。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、通常の燃焼炉で
は発熱量の大きさから焼却処分が不可能とされてきたゴ
ム・プラスチック廃材を20μm以下の平均粒子径にま
で微粉化することにより、カーボンブラックの原材料の
一部として再利用することが可能となり、グラファイト
化度が高く高導電性を有するカーボンブラックを製造す
ることができる。
【0028】したがって、本発明は、たとえば架橋ゴム
・プラスチック絶縁電力ケーブルから出るポリオレフィ
ンを主体とするゴム・プラスチック廃材のように、架橋
され、また、場合によりカーボンブラックその他の添加
物が含まれているものについても適用が可能であること
から、昨今問題とされているプラスチック廃材の再生処
理・利用に対し大きく貢献するものとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性セラミックにて形成され、100
    0℃以上の高温に維持された円筒炉内にて、石油系原料
    油100重量部に対して、平均粒子径が20μm以下の
    架橋および/または無架橋のポリオレフィンを主体とす
    るゴム・プラスチック廃材粉末5〜50重量部を混合し
    た懸濁液を不完全燃焼させることを特徴とするカーボン
    ブラックの製造方法。
JP10582692A 1992-03-31 1992-03-31 カーボンブラックの製造方法 Pending JPH05279595A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10582692A JPH05279595A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 カーボンブラックの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10582692A JPH05279595A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 カーボンブラックの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05279595A true JPH05279595A (ja) 1993-10-26

Family

ID=14417867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10582692A Pending JPH05279595A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 カーボンブラックの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05279595A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011503248A (ja) * 2007-10-09 2011-01-27 シービーピー・カーボン・インダストリーズ・インコーポレーテッド 非常に微細な凝集体の混合物
US9920954B2 (en) 2012-01-31 2018-03-20 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Heating tool
US9945584B2 (en) 2012-08-01 2018-04-17 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Heating tool
US10448646B2 (en) 2013-07-30 2019-10-22 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Attracting tool

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011503248A (ja) * 2007-10-09 2011-01-27 シービーピー・カーボン・インダストリーズ・インコーポレーテッド 非常に微細な凝集体の混合物
US9920954B2 (en) 2012-01-31 2018-03-20 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Heating tool
US9945584B2 (en) 2012-08-01 2018-04-17 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Heating tool
US10448646B2 (en) 2013-07-30 2019-10-22 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. Attracting tool

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2389739C2 (ru) Полимерные композиции, содержащие нанотрубки
KR101496218B1 (ko) 난할로겐 난연성 발포폼 및 이의 제조방법
EP0862597B1 (en) Polymeric compositions
CA1197949A (en) Foamable polyolefin resin compositions
CN103360712A (zh) 耐高温耐磨高电性辐照交联再生聚烯烃/纳米氢氧化镁无卤阻燃环保电缆料及其生产方法
CN115216082A (zh) 剥离强度改善型半导电屏蔽料、制备方法、制品和电缆
KR102068035B1 (ko) 황토가 함유된 난연 마스터배치의 제조방법
CN115746443A (zh) 一种耐低温低烟无卤阻燃电缆料及其制备方法
JPH05279595A (ja) カーボンブラックの製造方法
KR102204331B1 (ko) 저온 플라즈마 처리 폐고무 분말을 포함하는 고무 발포체의 제조방법
CN105034186A (zh) 光伏线缆护套层材料的制备方法
JP2016513339A (ja) 電力ケーブル用非架橋ポリエチレン組成物
JP4667793B2 (ja) 電線・ケーブル
JP2009235161A (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂体の再生処理方法
CN109486065B (zh) 用于太阳电池背板的交联耐候聚烯烃胶片及其制法
CN111574766B (zh) 高散热性辐射交联聚乙烯泡棉及其制备方法和应用
JPH05279578A (ja) ゴム・プラスチック混和物
CN114605749A (zh) 一种阻燃耐热辐照交联氯化聚乙烯电缆料及其制备方法
CN211604814U (zh) 一种阻燃型高分子热缩高压绝缘套管
CN109370027B (zh) 一种石墨烯复合半导电屏蔽材料、制备方法及其应用
CN108034120A (zh) 新能源汽车用无卤阻燃高弹性聚烯烃电缆料的制备工艺
KR101978920B1 (ko) 폐플라스틱을 활용한 피치계 탄소소재의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 이차전지용 음극재
JP3902025B2 (ja) 架橋ポリオレフィンの再生処理方法
CN109664530B (zh) 一种改进的防静电导流网及其制备方法和应用
JPH05182517A (ja) マイクロ波吸収発熱材