JPH05279120A - 炭素・金属複合材 - Google Patents
炭素・金属複合材Info
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- JPH05279120A JPH05279120A JP4106072A JP10607292A JPH05279120A JP H05279120 A JPH05279120 A JP H05279120A JP 4106072 A JP4106072 A JP 4106072A JP 10607292 A JP10607292 A JP 10607292A JP H05279120 A JPH05279120 A JP H05279120A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高靭性で耐衝撃性に優れ、しかもアーク放電
下の耐摩耗性に優れた炭素・金属複合材を提供する。 【構成】 金属繊維を含有しない摺動部1と、金属繊維
を含有する非摺動部2からなる炭素・金属複合材。 【効果】 パンタグラフのすり板として使用時、すり板
やトロリの消耗が少なく、また、安全性にも優れてい
る。
下の耐摩耗性に優れた炭素・金属複合材を提供する。 【構成】 金属繊維を含有しない摺動部1と、金属繊維
を含有する非摺動部2からなる炭素・金属複合材。 【効果】 パンタグラフのすり板として使用時、すり板
やトロリの消耗が少なく、また、安全性にも優れてい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気鉄道のパンタグ
ラフ用集電板(以下パンタグラフ用すり板という)とし
ての使用に適した炭素・金属複合材に関する。
ラフ用集電板(以下パンタグラフ用すり板という)とし
ての使用に適した炭素・金属複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】パンタグラフ用すり板には、導電性が高
く耐摩耗性に優れ、またトロリ線の消耗の少ないことが
要求される。パンタグラフ用すり板としては、従来炭素
焼結体や硬銅が使用されていたが、電気鉄道の高速化に
伴い、銅・鉄・炭素などの焼結合金や炭素・金属複合材
が多く使用されている。従来、パンタグラフ用すり板と
して用いられる炭素・金属複合材としては、大別すると
高温で多孔質な炭素材に溶融した金属を加圧含浸して得
られる金属含浸系材料と、金属粉や金属繊維を炭素材原
料と成型後炭化して得られる焼結系材料がある。
く耐摩耗性に優れ、またトロリ線の消耗の少ないことが
要求される。パンタグラフ用すり板としては、従来炭素
焼結体や硬銅が使用されていたが、電気鉄道の高速化に
伴い、銅・鉄・炭素などの焼結合金や炭素・金属複合材
が多く使用されている。従来、パンタグラフ用すり板と
して用いられる炭素・金属複合材としては、大別すると
高温で多孔質な炭素材に溶融した金属を加圧含浸して得
られる金属含浸系材料と、金属粉や金属繊維を炭素材原
料と成型後炭化して得られる焼結系材料がある。
【0003】焼結系材料には、炭素材原料に金属粉を添
加し、成型後炭化して得た焼結系材料、炭素材原料に金
属繊維を添加し、成型後炭化して得た焼結系材料(特開
昭62−72564号公報、特開昭62−197352
号公報)、炭素材原料全体に金属粉と金属繊維を混合
し、成型後炭化して得た焼結系材料および炭素材原料に
金属繊維の添加率を位置によって変えて添加し、成型後
炭化して得た焼結系材料がある。
加し、成型後炭化して得た焼結系材料、炭素材原料に金
属繊維を添加し、成型後炭化して得た焼結系材料(特開
昭62−72564号公報、特開昭62−197352
号公報)、炭素材原料全体に金属粉と金属繊維を混合
し、成型後炭化して得た焼結系材料および炭素材原料に
金属繊維の添加率を位置によって変えて添加し、成型後
炭化して得た焼結系材料がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記金属含浸系材料
は、金属が微細に分散し、アーク放電下の耐摩耗性が良
好であるが、靭性が低く走行時発生する衝撃力で欠損や
折損等が発生し易いという欠点がある。また、金属粉を
添加した焼結系材料は、金属含浸系材料とほぼ同様の特
性を有し、アーク放電下の耐摩耗性は良好であるが、靭
性が低く走行時発生する衝撃力で欠損や折損等が発生し
易いという欠点がある。金属繊維を添加した焼結系材料
は、靭性が向上すると共に塑性変形能が増すため、走行
時の衝撃による欠損や折損が著しく減少するが、金属繊
維は通常50μm角程度以上の断面で、長さが数mm以
上と、含浸金属や金属粉に比較して著しく粗大で、アー
ク放電発生時の熱によって金属繊維が溶出し、跡に繊維
形状の空孔が生じるため、アーク放電が発生する条件で
の耐摩耗性が劣るという問題がある。全体に金属粉と金
属繊維を混合した焼結系材料は、金属繊維の添加量を金
属繊維を添加する方法より低減できるが、アーク放電発
生時の耐摩耗性は金属繊維のみを添加する方法と大差が
ない。これは金属繊維の添加量が多少減少しても、摺動
部に金属繊維が存在するため、金属繊維が溶出して生じ
る個々の欠陥の大きさ自体には差がないためと推定され
る。さらに、金属繊維の添加率を位置によって変えた焼
結系材料は、摺動面側の金属繊維含有率を少なくし、非
摺動面側の金属繊維含有率を大きくすれば、摺動面側の
金属繊維含有率を少なくできるが、全体に金属粉と金属
繊維を混合する方法と同じ理由により、アーク放電発生
時の耐摩耗性は金属繊維を添加する方法と大差がない。
は、金属が微細に分散し、アーク放電下の耐摩耗性が良
好であるが、靭性が低く走行時発生する衝撃力で欠損や
折損等が発生し易いという欠点がある。また、金属粉を
添加した焼結系材料は、金属含浸系材料とほぼ同様の特
性を有し、アーク放電下の耐摩耗性は良好であるが、靭
性が低く走行時発生する衝撃力で欠損や折損等が発生し
易いという欠点がある。金属繊維を添加した焼結系材料
は、靭性が向上すると共に塑性変形能が増すため、走行
時の衝撃による欠損や折損が著しく減少するが、金属繊
維は通常50μm角程度以上の断面で、長さが数mm以
上と、含浸金属や金属粉に比較して著しく粗大で、アー
ク放電発生時の熱によって金属繊維が溶出し、跡に繊維
形状の空孔が生じるため、アーク放電が発生する条件で
の耐摩耗性が劣るという問題がある。全体に金属粉と金
属繊維を混合した焼結系材料は、金属繊維の添加量を金
属繊維を添加する方法より低減できるが、アーク放電発
生時の耐摩耗性は金属繊維のみを添加する方法と大差が
ない。これは金属繊維の添加量が多少減少しても、摺動
部に金属繊維が存在するため、金属繊維が溶出して生じ
る個々の欠陥の大きさ自体には差がないためと推定され
る。さらに、金属繊維の添加率を位置によって変えた焼
結系材料は、摺動面側の金属繊維含有率を少なくし、非
摺動面側の金属繊維含有率を大きくすれば、摺動面側の
金属繊維含有率を少なくできるが、全体に金属粉と金属
繊維を混合する方法と同じ理由により、アーク放電発生
時の耐摩耗性は金属繊維を添加する方法と大差がない。
【0005】この発明の目的は、炭素材料に金属繊維を
添加して成型し、炭化して得られる焼結系材料の有する
高靭性で耐衝撃性に優れた特性と、金属含浸系材料や、
炭素材料に金属粉を添加して成型し、炭化して得られる
焼結系材料の有するアーク放電下の耐摩耗性に優れる特
性の両方を兼ね備えた炭素・金属複合材を提供すること
にある。
添加して成型し、炭化して得られる焼結系材料の有する
高靭性で耐衝撃性に優れた特性と、金属含浸系材料や、
炭素材料に金属粉を添加して成型し、炭化して得られる
焼結系材料の有するアーク放電下の耐摩耗性に優れる特
性の両方を兼ね備えた炭素・金属複合材を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を行なった。その結果、炭素
・金属複合材におけるアーク発生条件下での耐摩耗性
と、耐衝撃性は、摺動面側を金属繊維を全く含有させず
にアーク発生条件下での耐摩耗性に優れた組成とし、一
方非摺動面側である底面部は、金属繊維を多量に含有さ
せて耐摩耗性に優れた組成とすることによって、アーク
発生条件下での耐摩耗性と耐衝撃性を備えた炭素・金属
複合材が得られることを究明し、この発明に到達した。
を達成すべく鋭意試験研究を行なった。その結果、炭素
・金属複合材におけるアーク発生条件下での耐摩耗性
と、耐衝撃性は、摺動面側を金属繊維を全く含有させず
にアーク発生条件下での耐摩耗性に優れた組成とし、一
方非摺動面側である底面部は、金属繊維を多量に含有さ
せて耐摩耗性に優れた組成とすることによって、アーク
発生条件下での耐摩耗性と耐衝撃性を備えた炭素・金属
複合材が得られることを究明し、この発明に到達した。
【0007】すなわちこの発明は、炭素・金属複合材に
おいて、金属繊維を含有しない摺動部と、金属繊維を含
有する非摺動部からなる炭素・金属複合材である。
おいて、金属繊維を含有しない摺動部と、金属繊維を含
有する非摺動部からなる炭素・金属複合材である。
【0008】
【作用】この発明における炭素・金属複合材は、摺動部
に金属繊維を含有しないから、摺動面にアーク放電が発
生しても、粗大な金属繊維の溶融流出による大きな空孔
の発生がなく、耐摩耗性の大きな劣化が防止される。ま
た、摺動部に金属繊維を含有しない場合は、摺動面の電
気比抵抗が高くなり、ジュール熱によるトロリの温度上
昇が大きくなる。これに対しては、平均粒径が20μm
以下の微細な金属粉を添加することによって、アーク発
生条件下での耐摩耗性を損なうことなく、電気比抵抗を
低減でき、好ましい。この場合添加する金属粉として
は、電気比抵抗が低いことから銅が最も好ましい。ま
た、銅の中では電解銅は、樹枝状の形状を有するため、
マトリックス炭素から脱落し難く、耐摩耗性や強度が良
好で、しかも粒子間の接触やからみが発生し易く、電気
比抵抗が低減するので最も好ましい。摺動部に含有させ
る金属粉の含有率は、特に限定されないが、金属粉が少
な過ぎると電気比抵抗が高くなるので10体積%以上が
好ましい。しかし摺動部の金属粉が多くなり過ぎると、
トロリとの凝着性が増し、トロリに対する攻撃性が高く
なり、かつ耐アーク性が悪化するので30体積%以下が
好ましい。
に金属繊維を含有しないから、摺動面にアーク放電が発
生しても、粗大な金属繊維の溶融流出による大きな空孔
の発生がなく、耐摩耗性の大きな劣化が防止される。ま
た、摺動部に金属繊維を含有しない場合は、摺動面の電
気比抵抗が高くなり、ジュール熱によるトロリの温度上
昇が大きくなる。これに対しては、平均粒径が20μm
以下の微細な金属粉を添加することによって、アーク発
生条件下での耐摩耗性を損なうことなく、電気比抵抗を
低減でき、好ましい。この場合添加する金属粉として
は、電気比抵抗が低いことから銅が最も好ましい。ま
た、銅の中では電解銅は、樹枝状の形状を有するため、
マトリックス炭素から脱落し難く、耐摩耗性や強度が良
好で、しかも粒子間の接触やからみが発生し易く、電気
比抵抗が低減するので最も好ましい。摺動部に含有させ
る金属粉の含有率は、特に限定されないが、金属粉が少
な過ぎると電気比抵抗が高くなるので10体積%以上が
好ましい。しかし摺動部の金属粉が多くなり過ぎると、
トロリとの凝着性が増し、トロリに対する攻撃性が高く
なり、かつ耐アーク性が悪化するので30体積%以下が
好ましい。
【0009】この発明における炭素・金属複合材は、非
摺動部に金属繊維を添加したから、靭性や耐衝撃性が著
しく向上する。添加する金属繊維の材質、形状等は特に
限定されないが、低炭素鋼、銅、表面を銅でめっきした
低炭素鋼等の金属繊維で、断面積900〜40000μ
m2(30〜200μm角)、長さ2〜10mmのもの
が良好な性能を示す。非摺動部の金属繊維含有率は、靭
性や衝撃強度の面から少なくとも20体積%以上が好ま
しい。一方、非摺動部の金属繊維含有率の上限は、特に
なく場合によっては金属繊維のみとすることもできる。
また、非摺動部の組成は、全体が均質である必要がな
く、非摺動部内で金属繊維含有率を変化させることも可
能である。さらに、非摺動部は、金属繊維ばかりでな
く、金属粉等を添加することもできる。
摺動部に金属繊維を添加したから、靭性や耐衝撃性が著
しく向上する。添加する金属繊維の材質、形状等は特に
限定されないが、低炭素鋼、銅、表面を銅でめっきした
低炭素鋼等の金属繊維で、断面積900〜40000μ
m2(30〜200μm角)、長さ2〜10mmのもの
が良好な性能を示す。非摺動部の金属繊維含有率は、靭
性や衝撃強度の面から少なくとも20体積%以上が好ま
しい。一方、非摺動部の金属繊維含有率の上限は、特に
なく場合によっては金属繊維のみとすることもできる。
また、非摺動部の組成は、全体が均質である必要がな
く、非摺動部内で金属繊維含有率を変化させることも可
能である。さらに、非摺動部は、金属繊維ばかりでな
く、金属粉等を添加することもできる。
【0010】このような位置によって組成の異なる炭素
・金属複合材は、成型原料を型に詰める時に、組成に応
じた原料を逐次詰め込み、これを成型して焼成すること
により製造することができる。成型の方法としては、冷
間型込め成型、CIP成型、ホットプレス成型等種々の
方法が可能である。これらの成型によって得られた成型
体は、通常の炭化方法によって炭化すれば、炭素・金属
複合材とすることができる。
・金属複合材は、成型原料を型に詰める時に、組成に応
じた原料を逐次詰め込み、これを成型して焼成すること
により製造することができる。成型の方法としては、冷
間型込め成型、CIP成型、ホットプレス成型等種々の
方法が可能である。これらの成型によって得られた成型
体は、通常の炭化方法によって炭化すれば、炭素・金属
複合材とすることができる。
【0011】上記炭素・金属複合材をパンタグラフに取
付ける方法としては、金属サヤ方式、ロウ付け方式、ね
じ止め方式が適用できる。金属サヤ方式は、図1に示す
とおり、一体物の摺動部側1と非摺動部側2からなるす
り板3の底部を台形状とし、金属サヤ4ですり板3を抱
き込むように固定し、金属サヤ4を貫通するボルト5に
よってパンタグラフ舟体6に取付けする。ロウ付け方式
は、図2に示すとおり、一体物の摺動部側11と非摺動
部側12からなるすり板13の底面を金属板14にロウ
15付けし、図示しないボルトを金属板14に溶接し、
該ボルトでパンタグラフの舟体に取付けるか、あるいは
パンタグラフの舟体に直接すり板13をロウ付けする。
さらに、ねじ止め方式は、図3に示すとおり、金属すり
板の固定法と類似した方式で、一体物の摺動部側21と
非摺動部側22からなるすり板23の金属繊維を含有す
る非摺動部22に雌ねじを切り、これにボルト24を埋
込み、このボルト24でパンタグラフ舟体25に固定す
る。この場合、通常のねじ以外に、図3に示すとおり、
埋込み部のねじ径が非埋込み部のねじ径より大きい2段
ねじを採用すれば、埋込みねじの破断強度を大きくする
ことができ好ましい。
付ける方法としては、金属サヤ方式、ロウ付け方式、ね
じ止め方式が適用できる。金属サヤ方式は、図1に示す
とおり、一体物の摺動部側1と非摺動部側2からなるす
り板3の底部を台形状とし、金属サヤ4ですり板3を抱
き込むように固定し、金属サヤ4を貫通するボルト5に
よってパンタグラフ舟体6に取付けする。ロウ付け方式
は、図2に示すとおり、一体物の摺動部側11と非摺動
部側12からなるすり板13の底面を金属板14にロウ
15付けし、図示しないボルトを金属板14に溶接し、
該ボルトでパンタグラフの舟体に取付けるか、あるいは
パンタグラフの舟体に直接すり板13をロウ付けする。
さらに、ねじ止め方式は、図3に示すとおり、金属すり
板の固定法と類似した方式で、一体物の摺動部側21と
非摺動部側22からなるすり板23の金属繊維を含有す
る非摺動部22に雌ねじを切り、これにボルト24を埋
込み、このボルト24でパンタグラフ舟体25に固定す
る。この場合、通常のねじ以外に、図3に示すとおり、
埋込み部のねじ径が非埋込み部のねじ径より大きい2段
ねじを採用すれば、埋込みねじの破断強度を大きくする
ことができ好ましい。
【0012】前記炭素・金属複合材のパンタグラフへの
取付け方法は、下部の非摺動部に多量の金属繊維を配合
した場合においてのみ可能となるもので、金属繊維を配
合しない金属含浸系材料や、金属粉を添加した炭素材を
成型炭化して得られる焼結系材料では、機械加工性やね
じ強度の面で、ねじ止めが困難であり、ロウ付け性が悪
く、ロウ付けが不可能である等の理由で適用できない。
取付け方法は、下部の非摺動部に多量の金属繊維を配合
した場合においてのみ可能となるもので、金属繊維を配
合しない金属含浸系材料や、金属粉を添加した炭素材を
成型炭化して得られる焼結系材料では、機械加工性やね
じ強度の面で、ねじ止めが困難であり、ロウ付け性が悪
く、ロウ付けが不可能である等の理由で適用できない。
【0013】
【実施例】表1に示す配合割合の成型原料A〜Hを調整
し、成型実験に供した。表1中の配合比の体積%は、各
原料の配合重量比を原料の比重で除して算出した体積比
より求めた。原料としては、100μm角、長さ3m
m、比重7.86の軟鋼性スチールファイバー、10μ
m×20μm、比重8.93の樹枝状電解銅粉、レギュ
ラーグレード石油コークスを1000℃で炭化したの
ち、直径10mmのステンレス鋼の球を詰めた振動ミル
で4時間粉砕して得た平均粒径12μm、比重2.0の
石油コークス粉およびフローテスター法による軟化点が
255℃、比重1.4のコールタールピッチを用いた。
し、成型実験に供した。表1中の配合比の体積%は、各
原料の配合重量比を原料の比重で除して算出した体積比
より求めた。原料としては、100μm角、長さ3m
m、比重7.86の軟鋼性スチールファイバー、10μ
m×20μm、比重8.93の樹枝状電解銅粉、レギュ
ラーグレード石油コークスを1000℃で炭化したの
ち、直径10mmのステンレス鋼の球を詰めた振動ミル
で4時間粉砕して得た平均粒径12μm、比重2.0の
石油コークス粉およびフローテスター法による軟化点が
255℃、比重1.4のコールタールピッチを用いた。
【0014】成型用金型としては、内径100mmの金
型を使用し、表2に示す成型原料の組合せで、先ずでき
上がり後の非摺動面側に相当する成型原料を、でき上が
り後の厚みが6mmになる重量だけ仕込み、均等な厚み
に均し、ついで摺動面側に相当する成型原料を、同じく
でき上がり後の厚みが6mmになる重量だけ装入し、成
型に供した。ついでこの金型を200kg/cm2でプ
レスしつつ、側面からヒーターで加熱して10℃/分で
550℃まで昇温し、1時間保持したのちプレスしなが
ら冷却した。その後成型体を金型から取出し、粉コーク
スに詰めて窒素雰囲気中で15℃/分で1020℃まで
昇温し、3時間保持して炭化したのち炉内で冷却し、炭
素・金属複合材を得た。シャルピー衝撃試験は、得られ
た炭素・金属複合材から、厚み10mm、幅10mm、
長さ60mmのシャルピー試験用試験片(ノッチなし)
を作成し、シャルピー試験片の側面(成型時のプレス方
向と垂直方向)より打撃を加えて行なった。試験片の整
形においては、上下を同じ厚みだけ研摩し、焼き上がり
後の中央部がシャルピー試験片の厚み方向中央部となる
ようにした。
型を使用し、表2に示す成型原料の組合せで、先ずでき
上がり後の非摺動面側に相当する成型原料を、でき上が
り後の厚みが6mmになる重量だけ仕込み、均等な厚み
に均し、ついで摺動面側に相当する成型原料を、同じく
でき上がり後の厚みが6mmになる重量だけ装入し、成
型に供した。ついでこの金型を200kg/cm2でプ
レスしつつ、側面からヒーターで加熱して10℃/分で
550℃まで昇温し、1時間保持したのちプレスしなが
ら冷却した。その後成型体を金型から取出し、粉コーク
スに詰めて窒素雰囲気中で15℃/分で1020℃まで
昇温し、3時間保持して炭化したのち炉内で冷却し、炭
素・金属複合材を得た。シャルピー衝撃試験は、得られ
た炭素・金属複合材から、厚み10mm、幅10mm、
長さ60mmのシャルピー試験用試験片(ノッチなし)
を作成し、シャルピー試験片の側面(成型時のプレス方
向と垂直方向)より打撃を加えて行なった。試験片の整
形においては、上下を同じ厚みだけ研摩し、焼き上がり
後の中央部がシャルピー試験片の厚み方向中央部となる
ようにした。
【0015】また、摩耗試験は、摺動面側(成型時の上
側)が摩耗試験時の試験面となるように摩耗試験片を切
り出し、回転円板に摩耗試験片を押付けつつ通電する方
式の摩耗試験機を使用し、銅ディスクを相手材として実
施した。試験条件は、摩耗試験片摺動面サイズ10mm
×10mm、摺動速度100km/Hr、集電電流DC
160A、押付け力5kgf、摺動時間30分、銅板荒
さ、荒れ面Rmax約50μmであった。本摩耗試験で
用いた銅板は、荒れ面で試験時の離線率(摩耗試験片と
銅板間電圧が10V以上となる時間比率、アーク放電し
ている時間に相当)が約5%になるように設定した。比
摩耗量は、摩耗体積測定値より下記の式を用いて算出し
た。 比摩耗量=摩耗体積/押付け力/摺動距離
側)が摩耗試験時の試験面となるように摩耗試験片を切
り出し、回転円板に摩耗試験片を押付けつつ通電する方
式の摩耗試験機を使用し、銅ディスクを相手材として実
施した。試験条件は、摩耗試験片摺動面サイズ10mm
×10mm、摺動速度100km/Hr、集電電流DC
160A、押付け力5kgf、摺動時間30分、銅板荒
さ、荒れ面Rmax約50μmであった。本摩耗試験で
用いた銅板は、荒れ面で試験時の離線率(摩耗試験片と
銅板間電圧が10V以上となる時間比率、アーク放電し
ている時間に相当)が約5%になるように設定した。比
摩耗量は、摩耗体積測定値より下記の式を用いて算出し
た。 比摩耗量=摩耗体積/押付け力/摺動距離
【0016】せん断強度試験は、炭化後の炭素・金属複
合材の厚み方向中央部がせん断強度試験片中央となるよ
うに、10mm立方のせん断強度試験片を作成し、図4
に示すとおり、上側治具31と下側治具32からなる治
具33を用い、炭化後の炭素・金属複合材の厚み方向中
央部34がせん断面となるように試験片35をセット
し、矢印方向36、37に荷重をかけてせん断強度を測
定した。得られたシャルピー衝撃値、比摩耗量および中
央部せん断強度を表2に示す。
合材の厚み方向中央部がせん断強度試験片中央となるよ
うに、10mm立方のせん断強度試験片を作成し、図4
に示すとおり、上側治具31と下側治具32からなる治
具33を用い、炭化後の炭素・金属複合材の厚み方向中
央部34がせん断面となるように試験片35をセット
し、矢印方向36、37に荷重をかけてせん断強度を測
定した。得られたシャルピー衝撃値、比摩耗量および中
央部せん断強度を表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表2に示すとおり、比較例1〜8の上下均
一組成のものは、アーク発生下での比摩耗量とシャルピ
ー衝撃強度の両立が困難である。これに対し上下の組成
を変えて摺動面側の金属繊維含有率を0%とした本発明
例9〜13は、アーク発生下での比摩耗量とシャルピー
衝撃強度の両方が良好である。また、本発明例9〜13
の上下の組成の界面におけるせん断強度は、上下均一組
成の比較例1〜8に比べて遜色がなく、上下層の接合強
度に何ら問題がなかった。
一組成のものは、アーク発生下での比摩耗量とシャルピ
ー衝撃強度の両立が困難である。これに対し上下の組成
を変えて摺動面側の金属繊維含有率を0%とした本発明
例9〜13は、アーク発生下での比摩耗量とシャルピー
衝撃強度の両方が良好である。また、本発明例9〜13
の上下の組成の界面におけるせん断強度は、上下均一組
成の比較例1〜8に比べて遜色がなく、上下層の接合強
度に何ら問題がなかった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明の炭素・金
属複合材は、アーク放電発生下での耐摩耗性と衝撃強度
の双方が優れており、パンタグラフのすり板として実使
用時すり板やトロリの消耗が少なく、また、安全性にも
優れており、その効果は極めて大きい。
属複合材は、アーク放電発生下での耐摩耗性と衝撃強度
の双方が優れており、パンタグラフのすり板として実使
用時すり板やトロリの消耗が少なく、また、安全性にも
優れており、その効果は極めて大きい。
【図1】本発明の炭素・金属複合材を金属サヤ方式でパ
ンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
ンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
【図2】本発明の炭素・金属複合材をロウ付け方式でパ
ンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
ンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
【図3】本発明の炭素・金属複合材を埋め込みねじ方式
でパンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
でパンタグラフ舟体に取り付けた状態の断面図である。
【図4】せん断試験用治具と、試験片の概略図である。
1,11,21 摺動部側 2,12,22 非摺動部側 3,13,23 すり板 4 金属サヤ 5,24 ボルト 6,25 パンタグラフツ舟体 14 金属板 15 ロウ 31 上側治具 32 下側治具 33 測定治具 34 厚み方向中央部 35 試験片 36,37 矢印方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10M 111/02 7419−4H (C10M 111/02 103:04 7419−4H 101:02) C10N 10:02 10:16 20:06 B 8217−4H Z 8217−4H 30:06 40:02 50:08
Claims (4)
- 【請求項1】 炭素・金属複合材において、金属繊維を
含有しない摺動部と、金属繊維を含有する非摺動部から
なることを特徴とする炭素・金属複合材。 - 【請求項2】 摺動部に金属粉を含有させたことを特徴
とする請求項1記載の炭素・金属複合材。 - 【請求項3】 非摺動部の底面が金属板にロウ付けされ
ていることを特徴とする請求項1および2記載の炭素・
金属複合材。 - 【請求項4】 非摺動部側に雌ネジが切られボルトがネ
ジ込まれていることを特徴とする請求項1および2記載
の炭素・金属複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4106072A JPH05279120A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 炭素・金属複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4106072A JPH05279120A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 炭素・金属複合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279120A true JPH05279120A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=14424398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4106072A Pending JPH05279120A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 炭素・金属複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279120A (ja) |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP4106072A patent/JPH05279120A/ja active Pending
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