JPH05279061A - ガラス品の製造方法 - Google Patents

ガラス品の製造方法

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JPH05279061A
JPH05279061A JP8185992A JP8185992A JPH05279061A JP H05279061 A JPH05279061 A JP H05279061A JP 8185992 A JP8185992 A JP 8185992A JP 8185992 A JP8185992 A JP 8185992A JP H05279061 A JPH05279061 A JP H05279061A
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glass
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temperature
soluble
laminate
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Jr William H Dumbaugh
ヘンリー ダンボー ジュニア ウィリアム
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス品の製造方法において、実質的に欠陥
がなく、研磨されたガラス表面と同等の平滑性を有する
表面を提供できる。 【構成】 酸溶液中で比較的不溶性のガラスのボディ
と、より可溶性のガラスのボディとを互いに接触させ、
前記接触は、少なくとも上述したより可溶性のガラスが
流動性を有する温度において行われて、前記両ガラスの
ボディ間に実質的に欠陥のない界面を有する積層物を与
え、該積層物を冷却して、流動性のある状態で各ガラス
を凝固させ、その後、積層物を酸溶液に接触させてより
可溶性のガラスを溶解除去することよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は欠陥のない表面を有する
ガラス品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,102,664号は、研
削および研磨を行ったものと同等の平滑さを有する欠陥
のない表面を備えたガラス品の製造を最初に詳しく開示
した。この特許の方法は、高価な機械的研削および研磨
の必要性を排除し、以下のような5つの一般的工程を含
んでいる。
【0003】(a)異なる組成の2つのガラス形成バッ
チを溶融する。前記2つのガラス形成バッチのうちの一
方はある溶剤に大きく可溶性のガラス用であり、もう一
方はその同じ溶剤に比較的不溶性のガラス用である。 (b)(a)で得られた溶融ガラスを液体状態(すなわ
ち、粘度が約2.5×105 ポアズ以下の状態)のまま
一緒にして、不溶性ガラスが可溶性ガラス内に包み込ま
れた積層ガラスボディを形成する。 (c)欠陥のない界面を与えるのに十分な流動性を示す
温度でガラス層を互いに融着する。 (d)得られた積層品を冷却する。そして (e)可溶性ガラス層を適当な溶剤中で溶解除去する。
【0004】この方法の最も重要な特徴は、ある溶剤中
で大きく異なる溶解度を示すガラス組成を与えることに
あることは理解されよう。この特許では、外側ガラス層
が内側ガラスより10倍以上、好ましくは100倍を超
えて可溶性であることを要求している。
【0005】好ましい実施態様において、外側および内
側ガラス組成は、これら2つの層が互いに接触された際
および/または積層ボディが加熱処理された際にこれら
2つの層間でイオン交換が起こるように、選択されてい
る。このようなイオン交換は、外側ガラスの溶解度を向
上させたり、および/または内側ガラスの機械的強度を
増大させたりすると述べられている。
【0006】この特許は、比較的不溶性の内側ガラスに
用いるのに適した3つの一般的なガラス系統を開示して
いる。それらは、アルカリ金属アルミノシリケートガラ
ス、アルカリ金属亜鉛シリケートガラス、およびアルカ
リ金属アルカリ土類金属(主にSr)シリケートガラス
である。また、この特許は、可溶性ガラスとして使用可
能な4つの一般的なガラス系統を開示している。それら
は、アルカリ金属シリケートガラス、種々のメタホスフ
ェート型ガラス、バリウムボロシリケートガラス、およ
び種々のボレートベースのガラスである。
【0007】積層先駆体ボディを形成するためのパラメ
ータに関し、前記特許は以下の3つの要件を指定してい
る。
【0008】(1)室温から硬化点(set poin
t)までの範囲で可溶性ガラスの熱膨張率が内側ガラス
のそれを超えず、好ましくはそれよりいくらか小さいこ
と。 (2)可溶性ガラスの粘度が内側ガラスのそれと同じか
若干小さいこと。そして、 (3)失透化の開始をさけるために、最も好ましくは相
方のガラスの液相線温度が積層温度より低いこと。
【0009】米国特許第4,880,453号は、前記
特許第4,102,664号に開示された基本プロセス
の変形を記載しており、ソーダ石灰ガラス品の表面を保
護し、従来の研削されかつ研磨されたガラス器具のよう
な平滑性を有する表面を与えることに関する。すなわ
ち、ソーダ石灰ガラスを所望の形状の物品に成形する
間、ある溶剤中でソーダ石灰ガラスより可溶性のあるよ
うに設計された組成のガラスで被覆(クラッド)する。
この特許は、そのクラッドガラスが適合しなければなら
ない5つの重要な特性を記載している。すなわち、 (a)ソーダ石灰ガラスの熱膨張率と相溶性のある熱膨
張率を有すること(好ましくは、25〜300℃の範囲
に亘って75〜95×10-7/℃)。 (b)ある溶剤中での溶解度が、ソーダ石灰ガラスより
少なくとも100倍、好ましくは1000倍以上大きい
こと。 (c)成形工程中に失透化しないよう、十分な熱安定性
を有すること。 (d)かなりの程度でソーダ石灰ガラスと反応する成分
を最も好ましくは含んでいない組成を有すること。
【0010】この特許は、クラッドガラスとソーダ石灰
ガラスの間に起こるあらゆる反応が、ソーダ石灰ガラス
に悪影響を与えたり、クラッドガラスが溶解除去された
際のソーダ石灰ガラス表面の平滑性に悪影響を与えては
ならないことを明示している。
【0011】(e)積層ガラス品が形成される際の温度
において粘度が104 −108 ポアズ、好ましくは約1
7 ポアズであること。最も好ましくは、この形成温度
においてクラッドガラスの粘度はソーダ石灰ガラスのそ
れより少なくとも10倍小さい。これらに鑑みて、クラ
ッドガラスの軟化点を有用な基準点とすることが決定さ
れた。この決定により、クラッドガラスの軟化点は約5
75〜650℃とすべきであることが確かめられた(フ
ロートプロセス(float process)によっ
て作られたソーダ石灰ガラスの軟化点は通常約727℃
である)。
【0012】前記特許第4,102,664号で報告さ
れたガラス組成は、ソーダ石灰ガラスのクラッドガラス
として有用となる溶融特性および成形特性の必要な組合
せを示さなかったので、特許第4,880,453号
は、そのために設定されたガラス組成を開示した。それ
らのガラスは、酸化物基準の重量%で表わして、実質的
に以下のものから成る。
【0013】 Li2 O 0.7〜7.5 K2 O 0〜5 PbO 18〜27 Na2 +K2 O 0〜7 Li2 O+PbO ≦32 Al2 3 0〜5 BaO 35〜50 B2 3 30〜50 Na2 O 0〜5 SiO2 5〜10 特許第4,102,664号に開示されるような欠陥の
ない表面を有するガラス品を製造する元々の発想におい
て、内側の耐久性ガラスを全てのサイドにおいて被覆す
ることが考えられた。このような状況では、2つのガラ
スの熱膨張を厳密にマッチングすることはそれ程重大な
問題ではない。ただ、クラッドガラスの熱膨張を内側ガ
ラスのそれとほぼ同じか若干小さくするだけでよい。し
かしながら、多くの用途において、耐久性ガラスは1つ
のサイドのみが保護される形態をとっている。その場
合、熱膨張は厳密にマッチングされなければならず、す
なわち、軟らかいガラスの硬化点(setting p
oint)から室温までの範囲で熱膨張の差は約5×1
-7/℃以内でなければならない(ここで軟らかいガラ
スとは、低い軟化点を有するガラスのことである)。さ
らに、2つのガラスの歪点は極めて近くなければならな
いことがわかった。積層品を形成温度から冷却する際、
どちらかのガラスがその転移温度を通過しその時もう一
方のガラスがかなり流動性を有している場合、硬い方の
ガラスのしわが発生する(ガラスの転移温度とは、一般
的に、溶融塊がアモルファス状態になる温度をいい、通
常、ガラスのアニール点の付近にあると考えられる)。
最後に、前記特許第4,880,453号の開示によれ
ば、クラッドガラスの形成温度(forming Te
mperature)における粘度は、耐久性ガラスの
それより少なくとも1桁小さくなければならない。本質
的に、欠陥のない表面を有するように製造されるべき各
耐久性ガラスは、それ用に特に設定された可溶性ガラス
を必要とする。
【0014】米国特許第4,102,664および第
4,880,453号は、本発明の方法に関連した内容
を開示しており、それらは本明細書に引用されている。
その他の特許は本発明とあまり関連性がないが、BaO
−B2 3 系統の組成を有するガラスを開示する特許を
以下に概略説明する。
【0015】米国特許第2,090,098号は、加熱
金属蒸気(特にナトリウム蒸気)に対して優れた耐性が
あり、10〜40wt%のB2 3 、25〜80wt%の2
価金属酸化物(MgO,CaO,BaO)および5wt%
以下のPbOおよび/またはR2 Oから実質的に成るガ
ラスを記載している。しかしながら、欠陥のない表面を
有する物品を製造することについて全く示すところがな
い。
【0016】米国特許第2,899,584号は、ナト
リウム蒸気ランプのエンベロープとして使用するのに適
したガラスを記載している。このガラスは、10〜30
wt%のB2 3 、20〜30wt%のAl2 3 および3
0〜60wt%のCaO+BaOから実質的に成る。9wt
%までのSiO2 および6wt%までのK2 Oを所望によ
り含んでもよい。ここにも、欠陥のない表面を有する物
品を製造する方法について全く示すところがない。
【0017】米国特許第4,717,690号はガラス
含有オーバーグレーズインク(overglaze i
nk)を記載している。そのガラス部分は15〜43wt
%のBaO、34〜45wt%のB2 3 、7〜20wt%
のAl2 3 、そして0〜2%のLi2 O、0〜2%の
Na2 O、0〜21%のK2 Oおよび0〜3%のPbO
から選択される1〜7wt%のドーパントから実質的に成
る。ここでも、欠陥のない表面を有する物品の製造方法
について全く示すところがない。また、オーバーグレー
ズインクの機能は機械的および環境的保護を与えること
であるため、容易に可溶なガラスはその用途に適さな
い。
【0018】米国特許第4,102,664および第
4,880,453が最も関連性のある先行技術を構成
すると考えられる。本発明は、これら2つの特許の開示
内容の改良を構成するものである。
【0019】
【発明の目的】上記に鑑みて、本発明の一般的な目的
は、成分の割合におけるバリエーションを比較的小さく
しながら、広範囲の耐久性ガラスのためのクラッドガラ
スとして作用するガラスの組成のベース系統を提供する
ことである。
【0020】本発明の特定的な目的は、耐久性ガラスと
共に使用するのに適した約65〜95×10-7/℃の範
囲の熱膨張率を有する可溶性ガラス組成のベース系統を
提供することである。
【0021】
【発明の構成】上記目的は、PbOおよび/またはアル
カリ金属酸化物を含むバリウムボレートベースのガラス
において達成され得る。前述したように、耐久性ガラス
を被覆する可溶性ガラスを選択する際に、以下のような
重大なパラメータを考慮しなければならない。
【0022】(a)2つのガラスの線熱膨張率は実質的
にマッチングしていなければならない。すなわち、それ
らの差は、軟らかいガラスの硬化点から室温の範囲に亘
って約5×10-7/℃以内、より好ましくは約2×10
-7/℃以内とする。 (b)2つのガラスの歪点はかなり近接していなければ
ならない。すなわち、それらの差は約10℃以内、より
好ましくは5℃以内とする。 (c)クラッドガラスは、ある溶剤中で、耐久性ガラス
より少なくとも100倍可溶であること。 (d)クラッドガラスの粘度は、形成温度において、耐
久性ガラスのそれより少なくとも10倍小さいこと。 (e)クラッドガラスの液相線は、耐久性ガラスのそれ
より小さいこと。
【0023】二成分バリウムボレートガラスは稀酸中で
大きな溶解度を示すが、適切な範囲の耐久性ガラスを被
覆するのに適した熱膨張率および粘度特性を有さない。
本発明は、バリウムボレートベースの組成に酸化鉛およ
び/またはアルカリ金属酸化物を加えることにより、上
記基準を満足するガラスが得られるという発見に基づく
ものである。
【0024】カチオン百分率で表わして、約70〜85
%の酸化ホウ素含量が使用できることがわかった。約8
5%を超えるレベルでは、熱膨張が多くの耐久性ガラス
にとって小さ過ぎるものとなってしまい、70%未満の
レベルでは、ガラスは流動性が大きくなり過ぎる。約6
〜20%の酸化バリウム含量が使用できることがわかっ
た。これが20%を超えるレベルでは、ガラスの粘度が
転移温度範囲で大きくなり過ぎてしまい、7%未満のレ
ベルでは熱膨張が小さくなり過ぎてしまう。約10%ま
での割合で酸化鉛を加えることは、転移温度範囲でのバ
リウムボレートガラスの粘度を低下させ、液相線温度を
下げるのに極めて有効であることがわかった。10%を
大きく超える酸化鉛を加えると、転移温度範囲でのガラ
スの粘度が小さくなり過ぎてしまうことがある。約12
%までの量のアルカリ金属酸化物を加えると、転移温度
範囲でのバリウムボレートガラスの粘度が低下するのみ
ならず、その熱膨張も大きくなる。約12%の最大量設
定は適当であると思われる。と言うのは、多量の添加は
熱膨張を大きくし過ぎるからである。
【0025】一般に、PbOまたはアルカリ金属酸化物
の最少使用可能量は、それらを単独で存在させる場合、
約3%であり、両方の成分の合計は約15%を超えない
ようにする。好ましいガラス組成は、最小約5%、最大
約13%のPbO+アルカリ金属酸化物の組合せを含
む。本明細書において、R2 Oはアルカリ金属酸化物を
表わし、Li2 O、Na2 OおよびK2 Oを含む。Al
2 3 は、ガラスの特性を調整するために所望に応じて
添加してもよい。液相線温度を下げるのに5%までの量
で加えると特に有用であると思われる。約6%未満のC
aOおよび約7%未満のSiO2 を、ガラスの特性を調
整するために加えることもできる。SiO2 は、ガラス
の線熱膨張率を下げながら、ガラスの軟化点、アニール
点および歪点を上げる。CaOは、ガラスの軟化点、ア
ニール点および歪点を上げると共に熱膨張率を急激に増
加させる。過剰な量のSiO2 はガラスの酸溶解度に悪
影響を与える。最後に、アルカリ金属酸化物を含む鉛不
含有ガラス組成において、10%を超える量のNa2
は、B2 3 含量が約75%を超える場合に良好なガラ
スを与えず、一方10%を超える量のK2 Oは、B2
3 含量が約75%を超える場合に良好なガラスを与え
る。B2 3 レベルが約75%未満の場合には逆の状況
が生じる。すなわち、10%を超える量のNa2 Oを加
えたものからは良好なガラスが得られ、10%を超える
量のK2 Oを加えたものからは良好なガラスが得られな
い。BaO,B2 3 ,PbO,および/またはR2
以外の全成分の合計は約12%を超えない。本発明のガ
ラスの線熱膨張率は約65〜95×10-7/℃であり、
その軟化点は約640℃未満である。
【0026】耐久性ガラスを、上記した許容される範囲
の差を逸脱した線熱膨張率および/または歪点を有する
可溶性ガラスの薄い層で被覆し、得られた積層物を冷却
して凝固させると、可溶性ガラスを除去した後に耐久性
ガラスの表面が所望の研磨されたような表面を有さな
い。すなわち、表面は、上記した許容される範囲の差か
らの逸脱程度により、粗い点蝕ぎみの外観から若干曇っ
た外観となる。
【0027】例えば、耐久性ガラスと可溶性ガラスの線
熱膨張率が略同じであるが、これら2つのガラスの歪点
の差が20℃を超えると、可溶性ガラスを溶解除去した
後の耐久性ガラスの表面にかなりの大きさの点蝕が見ら
れた。また、耐久性ガラスと可溶性ガラスの歪点が約1
0℃異なっており、それら2つのガラスの線熱膨張率の
差が約20×10-7/℃の場合、可溶性ガラスを溶解除
去した後の耐久性ガラスの表面は曇った外観を有し、機
械的研磨を必要とするものであった。化学分析のための
電子分光分析法では、耐久性ガラスの表面の化学性には
大きな変化が認められず、従って曇りは化学的攻撃によ
るものではないことが示された。顕微鏡検査および走査
電子顕微鏡(SEM)検査は、曇りが表面に生じた大変
小さいスケールの波きずによるものであることを示し
た。
【0028】カチオン%における数値を重量%における
数値に正確に変換することは数学的に困難であるが、以
下の数値は重量%で表示したベースガラス組成の近似値
を表わしている。
【0029】 B2 3 40〜70 R2 O 0〜10 BaO 20〜50 Al2 2 0〜6 PbO 0〜35 SiO2 0〜7 前記米国特許第4,102,664号および第4,88
0,453号に開示された内容と同じように、実質的に
欠陥がなく、従来のように研削および研磨したガラス表
面と同等の平滑性を有する少なくとも1つの表面を備え
たガラス品が以下の工程に従って製造できる。
【0030】(1)酸溶液中で比較的不溶性のガラスの
ボディと、次のようなガラスのボディとを互いに接触さ
せ、すなわちそのガラスとは、酸化物基準のカチオン%
で表わして、70〜85%のB2 3 、7〜20%のB
aO、0〜10%のPbO、0〜12%のR2 O(ここ
でR2 OはLi2 O+Na2 O+K2 O)、3〜15%
のPbO+R2 O、0〜5%のAl2 3 、0〜6%の
CaO、および0〜7%のSiO2 から実質的になり、
硬化点から室温までの範囲で前記比較的不溶性のガラス
の線熱膨張率から約5×10-7/℃以内の線熱膨張率
と、前記比較的不溶性のガラスの歪点から約10℃以内
の歪点と、前記比較的不溶性のガラスより低い液相線温
度と、形成温度において前記比較的不溶性のガラスより
少なくとも10倍小さい粘度とを有し、酸溶液中で前記
比較的不溶性のガラスより少なくとも100倍可溶性を
示すガラスであり、前記接触は、少なくとも上述したよ
り可溶性のガラスが流動性を有する温度において行われ
て、前記両ガラスのボディ間に実質的に欠陥のない界面
を有する積層物を与え、(2)該積層物を冷却して、流
動性のある状態にある各ガラスを凝固させ、その後、
(3)積層物を酸溶液に接触させてより可溶性のガラス
を溶解除去し、それによって、より可溶性のガラスが除
去された前記比較的不溶性のガラスの表面を実質的に欠
陥のないものとし、従来のように研削および研磨された
ガラス表面と少なくとも同等の平滑性を有するものとす
る。
【0031】上述した積層物は、2つのガラスのボディ
を互いに接触させて、一体的積層物へと互いに接合され
た合せ面を形成するようにして調製される。積層物は以
下に示す3つの一般的プロセスに従って調製できる。
【0032】(a)接触に際して、両ガラスのボディが
流動性のある形態にあるか、あるいは、(b)接触に際
して、比較的不溶性のガラスが固体の形態にあって、よ
り可溶性のガラスのみが流動性のある形態にあるか、あ
るいは、(c)接触に際して、両ガラスのボディが固体
の形態にあり、それらの少なくとも接触(合せ)面を、
少なくともより可溶性のガラスが流動性のある形態とな
る温度にさらす。便宜上、積層物全体を少なくともより
可溶性のガラスが流動性のある形態となるのに十分な温
度まで加熱することが行われるが、必ずしもそのプラク
ティスに従う必要はない。例えばレーザー加熱などによ
る合せ面の局部加熱も利用できる。
【0033】経済的観点から、HCl,HNO3 および
2 SO4 などの鉱酸の水溶液が好ましい溶剤を構成す
る。しかしながら、有機酸などの他の溶剤も使用でき
る。
【0034】
【実施例】表1〜6は、本発明の方法に使用できるガラ
スの組成パラメータを示すガラス群を表わしている。そ
れらの組成は酸化物基準のカチオン%で表示してある。
実際のバッチ成分は、互いに溶融した際に適切な割合で
所望の酸化物に転化する酸化物あるいはその他の化合物
など、どのような材料からでも構成できる。例えば、表
中の組成においてH3 BO3 がB2 3 のソースとな
り、BaCO3 がBaOのソースとなった。ベース組成
に加えて、最も好ましい組成のうちの2つにおいて0.
1重量%の量でCo3 4 を加えた。
【0035】バッチ成分を互いにタンブルミックスし、
プラチナるつぼに充填し、るつぼにふたをし、そのるつ
ぼを約1200℃で運転される炉に入れた。約1時間
後、得られた溶融物をスチールモールドに注ぎ、約6″
×6″×0.5″(約15.25cm×15.25cm×
1.25cm)の寸法を有するガラススラブを作り、得ら
れたスラブを直ちにアニーラーに移した。
【0036】表1〜6はまた、軟化点(S.P.)、ア
ニール点(A.P.)および歪点(St.P.)を℃
で、25〜300℃の範囲の線熱膨張率(Exp.)を
×10-7/℃で、そして内部液相線温度(Liq.)を
℃で示している。これらはガラス業界で周知の技術に従
って測定したものである。さらにまた、表1〜6は、ガ
ラスを撹拌しながら水性1NHClに浸漬し、95℃で
4時間後にガラスが示した減量(Loss)(%)を表
わしている。
【0037】表1A〜6Aは、同じ群のガラス組成を酸
化物基準の重量部で表わしたものである。個々の成分の
合計は100に等しいかあるいは極めて近いので、便宜
上、これら表中に示された値は重量%と考えてもさしつ
かえないであろう。
【0038】
【表1】
【0039】表1は、転移温度範囲でガラスの粘度を低
下させると共に液相線温度を下げるのに際してのPbO
の有効性を示している。Al2 3 とCaOが反対の効
果を生じさせていることも表1によってわかる。CaO
を加えたことによる大きなインパクトがサンプル7およ
び9に示されている。しかしながら、それらの成分を少
量含んでいても、ガラスの特性を耐久性ガラスにマッチ
ングする所望の値に調整できることが見てとれる。
【0040】
【表2】
【0041】表2には、アルカリ金属酸化物が、軟化
点、アニール点および歪点を下げると共に熱膨張を大き
く増加させるという激的な効果が示されている。また表
2には、10%を超えるNa2 Oレベルは、B2 3
量が約75%を超える場合には不安定なガラスを与え、
一方、10%を超えるK2 Oのレベルは、B2 3 の量
が約75%を超える場合には安定なガラスを与えること
が示されている。B2 3 のレベルが約75%未満のガ
ラスでは対照的な状況となっている。
【0042】
【表3】
【0043】表3には、アルカリ金属酸化物添加が転移
温度範囲におけるガラスの粘度低下に効果があると共に
熱膨張率を上げることが示されている。
【0044】
【表4】
【0045】表4には、Al2 3 添加が転移温度範囲
におけるガラスの粘度を低下されると共に、その液相線
温度を下げるのに有効であることが示されている。
【0046】
【表5】
【0047】表5は、PbOの量を多くすると転移温度
範囲におけるガラスの粘度が大きく低下することを示し
ている。表5はまた、Al2 3 とかなりの量のアルカ
リ金属酸化物の組合せがガラスの耐久性を大きく上げて
しまい、クラッドカラスとしての適性が下がることを示
している。
【0048】
【表6】
【0049】表6は、典型的なソーダ石灰ガラスの線熱
膨張率(すなわち25〜300℃の範囲でおよそ86×
10-7/℃)に近い線熱膨張率を有するのでソーダ石灰
耐久性ガラスと共に使用するのに特に有用であることが
わかった2つのガラス組成を示している。Co3 4
約0.1wt%のレベルでガラスに加えて青色を付与し
た。
【0050】表1〜6により、クラッドガラスとして使
用するのに特に適したガラスとするのに必要な広範囲の
物性を有すると共に酸溶液中で大きな溶解度を示すガラ
スが、ベースBaO−PbOおよび/またはR2 O−B
2 3 系の組成から調製できることがわかる。
【0051】表7は、本発明に使用できることがわかっ
た5つの耐久性ガラスの組成を酸化物基準のカチオン%
で表示している。サンプル47および48は、PPGイ
ンダストリー社販売の組成から成り、サンプル021
1,0079および0281はコーニング社販売のガラ
スを表わしている。
【0052】サンプル47および48をサンプル1〜4
6と同じようにして調製した。すなわち、適切なバッチ
成分を互いにタンブルミックスし、プラチナるつぼに充
填し、そのるつぼにふたをし、該るつぼを約1550℃
で運転される炉に入れ、約4時間後に炉から前記るつぼ
を取り出し、得られた溶融物をスチールモールドに注い
で約6″×6″×0.5″(およそ15.25cm×1
5.25cm×1.25cm)の寸法を有するガラススラブ
を形成し、そのスラブを直ちにアニーラーに移した。
【0053】表7Aは、表7と同じ群のガラス組成を酸
化物基準の重量部で表わしたものである。個々の成分の
合計が100に極めて近いので、便宜上、表7Aの数値
は重量%と考えてもさしつかえない。
【0054】
【表7】
【0055】表7の耐久性ガラスのボディに欠陥のない
表面を与える能力をテストするため、4″(約10.2
cm)の正方形をサンプル4,8,17,22,25,3
6,45および46のスラブから切り取った。それらの
正方形を、積層前に、前記特許第4,880,453号
に概説された手順に従って、ガラスの軟化点より約25
℃高い温度で加熱処理することにより、球状の弧にサグ
(sag)した。その後、サグされた正方形の凸側を研
削し、研磨してあらゆる表面欠陥を除去した。
【0056】表7の耐久性ガラスの各々から約4.5″
(およそ11.4cm)の正方形を切り取り、前記特許第
4,880,453号に概説される手順に従って積層物
を調製した。積層物形成に用いられた最高温度は、前記
特許第4,880,453号に記載されているように、
より可溶性のガラスの軟化点より数度高い温度(すなわ
ち粘度が約107 ポアズとなる温度)であった。それら
の積層物は、特許第4,880,453号に記載された
モールド内へ、より可溶性のガラスが約105〜106
ポアズの粘度を示す温度を用いてプレスすることによっ
て、再加工された。
【0057】より可溶性のガラス層を、かくはんしなが
ら95℃の1NHCl水溶液に浸漬することによって除
去した。
【0058】サンプル22および25をクラッドガラス
として使用してサンプル47上に欠陥のない表面が形成
された。また、サンプル36,45および46をクラッ
ドガラスとして使用してサンプル48上に欠陥のない表
面が形成された。サンプル4および8を用いてガラス0
211上に欠陥のない表面が形成された。サンプル17
を用いてガラス0079上に欠陥のない表面が形成され
た。サンプル22および25を用いてガラス0281上
に欠陥のない表面が形成された。
【0059】上述したプロセスは、本発明によるガラス
のボディと耐久性ガラスの個々の一体的ボディを、少な
くとも前者が流動性のある状態にある温度において積層
することを含むが、特許第4,102,644号の記載
と同様にして、流れの形態にある2つのガラスのボディ
を流動性のある状態(すなわち約107 ポアズ以下の粘
度)で互いに一緒にし、積層品を形成できることは理解
されよう。
【0060】耐久性ガラスとより可溶性のガラスは、少
なくとも後者が流動性のある状態で一緒にされる必要が
あるのみである。上述したプロセスにおいて、耐久性ガ
ラスの一方の側のみを可溶性ガラスで被覆したが、所望
により、耐久性ガラスの他の側も接触させるか、耐久性
ガラスのボディを本発明の可溶性ガラス内に完全につつ
み込んでしまうこともできることは理解されよう。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に欠陥がなく、従来のように研削
    および研磨されたガラス表面と少なくとも同等の平滑性
    を有する少なくとも1つの表面を備えたガラス品を製造
    する方法であって、 (a)酸溶液中で比較的不溶性のガラスのボディと、次
    のようなガラスのボディとを互いに接触させ、 すなわち後者のガラスとは、酸化物基準のカチオン%で
    表わして、70〜85%のB2 3 、7〜20%のBa
    O、0〜10%のPbO、0〜12%のR2 O(ここで
    2 OはLi2 O+Na2 O+K2 Oから成る)、3〜
    15%のPbO+R2 Oから実質的になり、硬化点から
    室温までの範囲で前記比較的不溶性のガラスの線熱膨張
    率から約5×10-7/℃以内の線熱膨張率と、前記比較
    的不溶性のガラスの歪点から約10℃以内の歪点と、前
    記比較的不溶性のガラスより低い液相線温度と25〜3
    00℃の温度範囲において約65〜95×10-7/℃の
    線熱膨張率と、640℃未満の軟化点と、形成温度にお
    いて前記比較的不溶性のガラスより少なくとも10倍小
    さい粘度とを有し、酸溶液中で前記比較的不溶性のガラ
    スより少なくとも100倍可溶性を示すガラスであり、 前記接触は、少なくとも前記可溶性の大きいガラスが流
    動性を有する温度において行われて、前記両ガラスのボ
    ディ間に実質的に欠陥のない界面を有する積層物を与
    え、 (b)該積層物を冷却して、流動性のある状態で存在す
    る各ガラスを凝固させ、その後、 (c)積層物を酸溶液に接触させてより可溶性のガラス
    を溶解除去し、それによって、より可溶性のガラスが除
    去された前記比較的不溶性のガラスの表面が実質的に欠
    陥のないものとなり、従来のように研削および研磨され
    たガラス表面と少なくとも同等の平滑性を有するものと
    なることを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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