JPH05278622A - 車両旋回状態推定装置 - Google Patents

車両旋回状態推定装置

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JPH05278622A
JPH05278622A JP10852092A JP10852092A JPH05278622A JP H05278622 A JPH05278622 A JP H05278622A JP 10852092 A JP10852092 A JP 10852092A JP 10852092 A JP10852092 A JP 10852092A JP H05278622 A JPH05278622 A JP H05278622A
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Shinsuke Sato
伸介 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両がアンダステア状態にあるか否かを1個の
横加速度センサで推定する。 【構成】車速および前輪舵角から車両重心点における横
加速度G* を推定し(S1)、車両の前端部に設けられ
た横加速度センサにより実横加速度Gを検出し(S
2)、実横加速度Gが推定横加速度G* より一定値A0
以上小さいときには(S3)、車両がアンダステア状態
にあると推定し(S4)、そうでないときにはアンダス
テア状態にはないと推定する(S5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の旋回状態を推定す
る装置に関するものであり、特にその推定を安価に行う
ことを可能にする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両の旋回状態を正確に把握
することが強く要望されており、この要望を満たすべく
次のような装置が既に提案されている。これは、特開昭
61−244669号公報に記載された車両運動状態検
出装置であって、車両の、重心点から前方に外れた位置
と後方に外れた位置とにそれぞれ横加速度センサを設
け、それら2個の横加速度センサの検出結果に基づいて
車両が定常旋回運動状態にあるか否かを検出するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来装置
を実施する場合には、2個の横加速度センサが不可欠で
あるため、装置コストの増加を避け得ないという問題が
ある。
【0004】請求項1の発明は1個の横加速度センサで
旋回状態を推定することを可能にすることにより、その
問題を解決することを課題として為されたものである。
請求項2の発明は請求項1の発明の一利用態様であっ
て、車両がアンダステア状態にあるか否かを推定するこ
とが可能なものを提供することを課題として為されたも
のである。請求項3の発明は請求項1の発明の別の利用
態様であって、車両がオーバステア状態にあるか否かを
推定することが可能なものを提供することを課題として
為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の要旨
は、図1に示すように、(a) 車速,舵角,ヨーレート等
の車両運動状態量に基づき、車両の重心点における横加
速度を推定する横加速度推定手段1と、(b) 車両の、前
記重心点から車両前後方向に外れた位置に設けられて横
加速度を検出する横加速度センサ2と、(c) 横加速度推
定手段1により推定された推定横加速度と横加速度セン
サ2により検出された実横加速度とに基づき、車両の旋
回状態を推定する旋回状態推定手段3とを含む車両旋回
状態推定装置を提供することにある。
【0006】なお、旋回状態推定手段3は例えば、車両
がアンダステア状態にあるか否かを推定する形式とした
り、オーバステア状態にあるか否かを推定する形式とし
たり、定常円旋回状態にあるか否かを推定する形式とす
ることができる。
【0007】請求項2の発明の要旨は、請求項1の発明
に係る車両旋回状態推定装置において、横加速度センサ
2を重心点から前方に外れた位置に設けられたものと
し、旋回状態推定手段3を、横加速度センサ2により検
出された実横加速度が横加速度推定手段1により推定さ
れた推定横加速度より小さいときに、車両がアンダステ
ア状態にあると推定するものとしたことにある。
【0008】請求項3の発明の要旨は、請求項1の発明
に係る車両旋回状態推定装置において、横加速度センサ
2を重心点から後方に外れた位置に設けられたものと
し、旋回状態推定手段3を、横加速度センサ2により検
出された実横加速度が横加速度推定手段1により推定さ
れた推定横加速度より小さいときに、車両がオーバステ
ア状態にあると推定するものとしたことにある。
【0009】
【作用】車両が定常円旋回状態にある状態、すなわち、
車両がアンダステア状態にもオーバステア状態にもない
状態では、車両の、重心点から前方または後方の位置に
おける実横加速度は、車両の重心点における推定横加速
度とほぼ一致するが、アンダステア状態またはオーバス
テア状態に陥ると、実横加速度は推定加速度と一致しな
くなり、このとき、車両の旋回状態の種類と、実横加速
度と推定加速度との大小関係との間には一定の関係が成
立する。
【0010】そのような事実に基づき、請求項1〜3の
発明に係る車両旋回状態推定装置においてはいずれも、
横加速度推定手段1により、車両運動状態量に基づき、
車両の重心点における横加速度が推定され、横加速度セ
ンサ2により、車両の、重心点から車両前後方向に外れ
た位置における横加速度が検出され、旋回状態推定手段
3により、横加速度推定手段1により推定された推定横
加速度と横加速度センサ2により検出された実横加速度
とに基づき、車両の旋回状態が推定される。
【0011】特に、請求項2の発明に係る車両旋回状態
推定装置においては、横加速度センサ2により、重心点
から前方に外れた位置における実横加速度が検出され、
旋回状態推定手段3により、その実横加速度が横加速度
推定手段1による推定横加速度より小さいときに、車両
がアンダステア状態にあると推定される。
【0012】また、特に、請求項3の発明に係る車両旋
回状態推定装置においては、横加速度センサ2により、
重心点から後方に外れた位置における実横加速度が検出
され、旋回状態推定手段3により、その実横加速度が横
加速度推定手段1による推定横加速度より小さいとき
に、車両がオーバステア状態にあると推定される。
【0013】なお、本発明に係る車両旋回状態推定装置
による推定結果には種々の用途が考えられ、例えば、そ
の推定結果に基づいて車両の運動状態を制御する車両運
動制御装置において使用することが考えられる。このよ
うな車両運動制御装置には例えば、車両の後輪舵角を
前輪舵角,ヨーレート等との関係において適正に制御す
る後輪舵角制御装置や、エンジンの駆動トルクを前・
後輪にそれぞれ配分する比率を制御する駆動トルク配分
制御装置や、路面の傾斜,車両の加減速・旋回等とは
無関係に車体の姿勢を水平に維持するサスペンション制
御装置や、ドライバにより車両のステアリングホイー
ルに加えられる操舵トルクがアシストされる量を車速,
エンジン回転数等との関係において適正に制御する操舵
トルクアシスト量制御装置などがある。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1〜3の発明によれば、車両の旋回状態を推定するのに
1個の横加速度センサだけで足りることとなるから、車
両旋回状態推定装置の装置コストの節減を容易に図り得
るという効果が得られる。
【0015】特に、請求項2の発明に従えば、車両がア
ンダステア状態にあるか否かの推定が可能となるという
効果も得られる。
【0016】また、特に、請求項3の発明に従えば、車
両がオーバステア状態にあるかの否かの推定が可能とな
るという効果も得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0018】まず、請求項1および2の発明に共通の一
実施例である後輪舵角制御装置を説明する。本後輪舵角
制御装置は、前輪駆動(FF)式の4輪自動車におい
て、それの左右の後輪の舵角δR を舵角比例式かつヨー
レートフィードバック式で制御するものである。この後
輪舵角制御装置は図2に示すように、後輪舵角制御コン
ピュータ10を備えている。この後輪舵角制御コンピュ
ータ10には、その入力部において、車両の左右の前輪
の舵角δF を検出する前輪舵角センサ14,車体のヨー
レートγを検出するヨーレートセンサ16,車体の走行
速度である車速Vを検出する車速センサ18,後述する
横加速度センサ20等に接続され、一方、出力部におい
て、後輪舵角δR を変化させる後輪舵角アクチュエータ
24に接続されている。
【0019】横加速度センサ20は図3に示すように、
車両の前端部に設けられてそこにおける実横加速度GF
を検出するものである。すなわち、この横加速度センサ
20が請求項1および2の発明における「横加速度セン
サ2」の一態様であり、その車両の前端部が「重心点か
ら前方に外れた位置」の一態様なのである。
【0020】後輪舵角制御コンピュータ10はそれのR
OMにおいて、図4にフローチャートで表されるプログ
ラムを予め記憶させられており、それのCPUがそのプ
ログラムを実行することにより後輪舵角制御を行うもの
である。
【0021】同図のプログラムにおいては、まず、ステ
ップS101(以下、単にS101で表す。他のステッ
プについても同じ)において、予定された初期設定が行
われ、その後、S102において、各センサ14,1
6,18により前輪舵角δF ,ヨーレートγおよび車速
Vが検出され、続いて、S103において、車両が現
在、アンダステア状態にあるか否かが推定される。
【0022】本ステップの詳細を図5にフローチャート
で表す。すなわち、まず、S1において、前記検出され
た前輪舵角δF と車速Vとに基づき、車両が定常円旋回
状態にあると仮定した場合にそれの重心点に発生してい
ると推定される横加速度(以下、推定横加速度という)
* が決定される。定常円旋回状態では、前輪舵角δF
と車速Vと推定横加速度G* との間に図6にグラフで表
されるような一定の関係が成立する。後輪舵角制御コン
ピュータ10はその関係もROMにおいて予め記憶させ
られており、本ステップにおいては、その関係に従っ
て、前輪舵角δF と車速Vとに対応する推定横加速度G
* が決定されるのである。なお、推定横加速度G* は例
えば、車速Vとヨーレートγとの積として演算すること
もできる。
【0023】その後、図5のS2において、横加速度セ
ンサ20により実横加速度GF が検出され、続いて、S
3において、実横加速度GF の絶対値が推定横加速度G
* の絶対値より正の一定値であるしきい値A0 以上小さ
いか否か、すなわち、推定横加速度G* の絶対値から実
横加速度GF の絶対値を差し引いた値がしきい値A0
上であるか否かが判定される。今回はそうであると仮定
すれば、判定がYESとなり、S4において、車両がア
ンダステア状態にあると推定され、一方、そうでないと
仮定すれば、判定がNOとなり、S5において、車両が
アンダステア状態にはないと推定される。以上で本ルー
チンの一回の実行が終了する。
【0024】例えば、図7にグラフで表されるように、
車両が定常円旋回状態にあれば、推定横加速度G* と実
横加速度GF とが一致し、この状態から車両が加速させ
られれば、その当初においては、推定横加速度G* と実
横加速度GF とが互いに等しく保たれつつほぼ比例的に
上昇する。しかし、前輪駆動車は一般的に、その駆動輪
である左右前輪の駆動トルクが大きくなると車両がアン
ダステア傾向を示すようになる。そのため、加速させら
れつつ旋回させられると、推定横加速度G* は依然とし
てほぼ比例的に上昇し続けるのに対し、車両の前部が旋
回外側に流れ出してしまい、実横加速度GF が推定横加
速度G* (すなわち、車両重心点における横加速度)に
追従して上昇することができない。このような事実に基
づき、本実施例においては、実横加速度GF が推定横加
速度G* よりしきい値A0 以上小さくなったときに、車
両がアンダステア状態に陥ったと推定するようになって
いるのである。
【0025】したがって、本実施例においては、横加速
度センサ20を1個設けるだけで旋回状態の推定、すな
わち具体的には、車両がアンダステア状態にあるか否か
の推定が可能となり、旋回状態推定のためのコストアッ
プを小さく抑えることができるという効果が得られる。
【0026】以上のようにして一回の旋回状態推定が終
了すると、その後、図4のS104において、後輪舵角
δR の目標値決定のための制御係数KF ,KB が決定さ
れ、S105において、後輪舵角δR の目標値が決定さ
れる。
【0027】後輪舵角制御コンピュータ10は、 δR =KF δF +KB γ なる式を用いて後輪舵角δR の目標値を決定する。ここ
において「KF 」は、車速Vに応じて図8(a) にグラフ
で表されるように変化する制御係数であり、また、「K
B 」は、車速Vに応じて同図(b) にグラフで表されるよ
うに変化する制御係数である。それら制御係数KF ,K
B についてはそれぞれ、車両が通常状態にあるときに用
いられる通常状態用の値と、アンダステア状態にあると
きに用いられるアンダステア状態用の値とが予め用意さ
れている。制御係数KF ,KB はいずれも、アンダステ
ア状態用の方が通常状態用より小さくなるように(制御
係数KF については、それの絶対値が大きくなり、制御
係数KB については、それの絶対値が小さくなるよう
に)予め設定され、これにより、アンダステア状態にあ
るときには通常状態にあるときより車両の回頭性が向上
させられてアンダステア傾向が軽減される。なお、各制
御係数KF ,KBと車速Vと旋回状態(車両が通常状態
にあるかアンダステア状態にあるか)との関係は予めR
OMに記憶されている。
【0028】制御係数KF ,KB が通常状態用からアン
ダステア状態用に、またはアンダステア状態用から通常
状態用に急に変更されると、両者の差が大きい場合には
後輪舵角δR が急に変化するためドライバが違和感を抱
くおそれがある。そのため、後輪舵角制御コンピュータ
10は、通常状態からアンダステア状態に、またはアン
ダステア状態から通常状態に移行したと判定されたから
といって直ちに、制御係数KF ,KB を変更せず、図9
に示す一制御例のように、通常状態からアンダステア状
態に移行したならば、制御係数KF ,KB を緩やかに増
加させ、その後、アンダステア状態から通常状態に移行
して一定時間TRTが経過したときから、制御係数KF
B を緩やかに減少させる。
【0029】図4のS104においては、以上のように
して制御係数KF ,KB が決定され、その後、S105
において、それら制御係数KF ,KB と、車速Vと、ヨ
ーレートγとを前記式に代入することによって後輪舵角
δR の目標値が決定される。続いて、S106におい
て、その目標値が実現されるように前記後輪舵角アクチ
ュエータ24が制御される。その後、S102に戻る。
【0030】したがって、本実施例においては、例え
ば、車両旋回中にやや強い加速が行われたために車両が
アンダステア状態に陥ると、後輪舵角δR の制御特性が
アンダステア傾向を軽減するものに変更されるため、車
両が強いアンダステア傾向を示すことから回避され、車
両の操縦し易さが常に良好に維持されるという効果が得
られる。
【0031】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、後輪舵角制御コンピュータ10のうち図5
のS1を実行する部分が、前輪舵角センサ14および車
速センサ18と共同して請求項1および2の発明におけ
る「横加速度推定手段1」の一態様を構成し、後輪舵角
制御コンピュータ10のうち同図のS2〜S5を実行す
る部分が「旋回状態推定手段3」の一態様を構成してい
るのである。
【0032】次に、請求項1および3の発明に共通の一
実施例である後輪舵角制御装置を説明する。なお、本実
施例は先の実施例と共通する部分が多いため、異なる部
分についてのみ詳細に説明する。
【0033】本実施例は、先の実施例とは異なり、後輪
駆動式の4輪自動車に設けられている。また、本実施例
においては、前記横加速度センサ20に代えて、図10
に示すように、車両の後端部において横加速度GR を検
出する横加速度センサ50が設けられている。すなわ
ち、この横加速度センサ50が請求項1および3の発明
における「横加速度センサ2」の一態様であり、その車
両の後端部が「重心点から後方に外れた位置」の一態様
なのである。
【0034】さらに、本実施例においては、図4に相当
するプログラムが記憶されているが、同図のS103の
実行内容とS104の実行内容とが変更されている。
【0035】すなわち、S103については、図5のル
ーチンが、図11にフローチャートで表されるルーチン
であって、車両がオーバステア状態に陥ったか否かを推
定するものに変更されている。本実施例は後輪駆動車に
設けられており、この後輪駆動車は先の実施例における
前輪駆動車とは異なり、車両加速時にはオーバステア傾
向を示す傾向が強いため、本ルーチンは先の実施例とは
異なり、車両がオーバステア状態にあるか否かを推定す
るものに変更されているのである。
【0036】同図のルーチンにおいては、まず、S20
1において、前記S101と同様にして推定横加速度G
* が決定され、続いて、S202において、横加速度セ
ンサ50により実横加速度GR が検出される。その後、
S203において、前記S103と同様に、実横加速度
F の絶対値が推定横加速度G* の絶対値より正の一定
値であるしきい値A0 以上小さいか否か、すなわち、推
定横加速度G* の絶対値から実横加速度GF の絶対値を
差し引いた値がしきい値A0 以上であるか否かが判定さ
れる。今回はそうであると仮定すれば、判定がYESと
なり、S204において、車両がオーバステア状態にあ
ると推定され、一方、そうでないと仮定すれば、判定が
NOとなり、S205において、車両がオーバステア状
態にはないと推定される。以上で本ルーチンの一回の実
行が終了する。
【0037】したがって、本実施例においては、横加速
度センサ50を1個設けるだけで旋回状態の推定、すな
わち具体的には、車両がオーバステア状態にあるか否か
の推定が可能となり、旋回状態推定のためのコストアッ
プを小さく抑えることができるという効果が得られる。
【0038】一方、図4のS104の実行内容について
は次のように変更され、さらにそれに伴って図8の(a)
および(b) のグラフでそれぞれ表される制御係数KF
Bの特性も次のように変更されている。
【0039】すなわち、制御係数KF ,KB はそれぞ
れ、車速Vに応じて図12(a) ,(b)にグラフで表され
るように変化する制御係数とされ、それら制御係数
F ,KBについてはそれぞれ、車両が通常状態にある
ときに用いられる通常状態用の値と、オーバステア状態
にあるときに用いられるオーバステア状態用の値とが予
め用意されているのである。制御係数KF ,KB はいず
れも、オーバステア状態用の方が通常状態用より大きく
なるように(制御係数KF については、それの絶対値が
小さくなり、制御係数KB については、それの絶対値が
大きくなるように)予め設定され、これにより、オーバ
ステア状態にあるときには通常状態にあるときより車両
の安定性が向上させられてオーバステア傾向が軽減され
る。
【0040】それに伴い、図4のS104は次のように
変更されている。すなわち、制御係数KF ,KB をそれ
ぞれ、車両がオーバステア状態にあるか否かという情報
と車速Vとに基づき、かつ、後輪舵角δR が急変しない
ように決定するものに変更されているのである。
【0041】したがって、本実施例においては、例え
ば、車両旋回中にやや強い加速が行われたために車両が
オーバステア状態に陥ると、後輪舵角δR の制御特性が
オーバステア傾向を軽減するものに変更されるため、車
両が強いオーバステア傾向を示すことから回避され、車
両の操縦し易さが常に良好に維持されるという効果が得
られる。
【0042】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、後輪舵角制御コンピュータ10のうち図1
1のS201を実行する部分が、前輪舵角センサ14お
よび車速センサ18と共同して請求項1および3の発明
における「横加速度推定手段1」の一態様を構成し、後
輪舵角制御コンピュータ10のうち同図のS202〜S
205を実行する部分が「旋回状態推定手段3」の一態
様を構成しているのである。
【0043】以上、本発明の二つの実施例を図面に基づ
いて詳細に説明したが、本発明はその他の態様で実施す
ることが可能である。
【0044】例えば、上記実施例はいずれも、アンダス
テア状態およびオーバステア状態という種類の旋回状態
を推定するものとされていたが、例えば、その他の種類
の旋回状態、すなわち、例えば、ドリフトアウト状態お
よびスピン状態という種類の旋回状態を推定するものと
して本発明を実施することもできる。
【0045】また、前記実施例はいずれも、旋回状態の
推定結果に基づいて後輪舵角δR を制御する後輪舵角制
御装置に本発明を適用した場合の例とされていたが、そ
の他の車両運動制御装置、すなわち、例えば、前述の、
駆動トルク配分制御装置,サスペンション制御装置,操
舵トルクアシスト量制御装置等の車両運動制御装置に本
発明を適用することもできる。
【0046】これらの他にも、特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示す図である。
【図2】請求項1および2の発明に共通の一実施例であ
る後輪舵角制御装置を示すシステム図である。
【図3】図2における横加速度センサが車両に搭載され
る位置を説明するための平面図である。
【図4】図2における後輪舵角制御コンピュータが用い
るプログラムを示すフローチャートである。
【図5】図4におけるS103の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図6】上記後輪舵角制御コンピュータが用いる車速V
と前輪舵角δF と推定横加速度G* との関係を説明する
ためのグラフである。
【図7】車両旋回状態における推定横加速度G* と実横
加速度Gとの関係の一例を示すグラフである。
【図8】上記後輪舵角制御コンピュータが用いる車速V
と各制御係数KF ,KB と旋回状態との関係を説明する
ためのグラフである。
【図9】上記後輪舵角制御装置による一制御例を示すグ
ラフである。
【図10】請求項1および3の発明に共通の一実施例で
ある後輪舵角制御装置における横加速度センサが車両に
搭載される位置を説明するための平面図である。
【図11】上記後輪舵角制御装置における後輪舵角制御
コンピュータが用いる旋回状態推定ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図12】上記後輪舵角制御コンピュータが用いる車速
Vと各制御係数KF ,KB と旋回状態との関係を説明す
るためのグラフである。
【符号の説明】
10 後輪舵角制御コンピュータ 14 前輪舵角センサ 16 ヨーレートセンサ 18 車速センサ 20,50 横加速度センサ 24 後輪舵角アクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両運動状態量に基づき、車両の重心点
    における横加速度を推定する横加速度推定手段と、 前記車両の、前記重心点から車両前後方向に外れた位置
    に設けられて横加速度を検出する横加速度センサと、 前記横加速度推定手段により推定された推定横加速度と
    前記横加速度センサにより検出された実横加速度とに基
    づき、前記車両の旋回状態を推定する旋回状態推定手段
    とを含むことを特徴とする車両旋回状態推定装置。
  2. 【請求項2】 前記横加速度センサが前記重心点から前
    方に外れた位置に設けられたものとされ、前記旋回状態
    推定手段が、前記横加速度センサにより検出された実横
    加速度が前記横加速度推定手段により推定された推定横
    加速度より小さいときに、前記車両がアンダステア状態
    にあると推定するものとされている請求項1記載の車両
    旋回状態推定装置。
  3. 【請求項3】 前記横加速度センサが前記重心点から後
    方に外れた位置に設けられたものとされ、前記旋回状態
    推定手段が、前記横加速度センサにより検出された実横
    加速度が前記横加速度推定手段により推定された推定横
    加速度より小さいときに、前記車両がオーバステア状態
    にあると推定するものとされている請求項1記載の車両
    旋回状態推定装置。
JP10852092A 1992-03-31 1992-03-31 車両旋回状態推定装置および車両運動制御装置 Expired - Lifetime JP3087438B2 (ja)

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US6079955A (en) * 1997-09-18 2000-06-27 Jidosha Kiki Co., Ltd. Variable displacement pump
US6155797A (en) * 1998-09-10 2000-12-05 Jidosha Kiki Co., Ltd. Variable displacement pump
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