JPH05277767A - レーザによる溶接方法 - Google Patents

レーザによる溶接方法

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JPH05277767A
JPH05277767A JP4105605A JP10560592A JPH05277767A JP H05277767 A JPH05277767 A JP H05277767A JP 4105605 A JP4105605 A JP 4105605A JP 10560592 A JP10560592 A JP 10560592A JP H05277767 A JPH05277767 A JP H05277767A
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芳野文人
Hiroyuki Shimizu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単パルスのレーザ光を用いて溶接中にスパッ
タ発生がなく、凝固後ブローホール、割れ等の溶接欠陥
のない健全な溶接部を得る。 【構成】 パルスレーザによる溶接において、パルス幅
(T)をT≧5msの関係を満たすように長くし、かつ、パ
ルスの先端部の傾き(t1/T)と後端部の傾き(t2/T)
の少なくとも一方が(1/20)T<t1≦T又は(1/2
0)T<t2≦Tの関係を満たす緩やかな傾きを有するパ
ルス波のレーザを用いることを特徴としている。シール
ドガスを用いるのが好ましく、CO2、O2、又はCO2
と他のガスとの混合ガス或いはO2と他のガスとの混合
ガスを用いるのが望ましい。また被溶接材料を主金属の
融点の2/3以下の温度に予熱するのが好ましい。特に
鋼、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金等の薄板の
溶接に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパルスレーザによる溶接
方法に係り、特に鋼、アルミニウム合金、銅合金、チタ
ン合金等の薄板の溶接に適するパルスレーザ溶接方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】レーザ
による溶接方法の場合、レーザの発振形態により、連続
波を用いる方法とパルス波を用いる方法とがある。
【0003】パルスレーザを用いる溶接方法は、従来よ
り、薄板の溶接に適用されている程度である。この場
合、パルス幅は5ms又はそれ以下に設定され、パルス波
形は矩形波で行われていた。しかし、このようなパルス
波を用いる溶接方法では、レーザが照射された溶融部か
らスパッタが発生し、凝固後ブローホール、割れ等の溶
接欠陥が生じ、健全な溶接を行うことができなかった。
【0004】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、単パルスのレーザ光を用いて溶接欠陥のない健全な
溶接部を得ることができるレーザ溶接方法を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者は、従来のパルスレーザ溶接による薄板溶
接の各種条件と溶接欠陥の発生との関連性について検討
を加えた。その結果、パルス波の形状が主因であること
を究明するに至り、その対策について鋭意研究を重ねた
結果、ここに本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、パルスレーザによる
溶接において、パルス幅(T)をT≧5msの関係を満たす
ように長くし、かつ、パルスの先端部の傾き(t1/T)
と後端部の傾き(t2/T)の少なくとも一方が(1/2
0)T<t1≦T又は(1/20)T<t2≦Tの関係を満
たす緩やかな傾きを有するパルス波のレーザを用いるこ
とを特徴とするものである。
【0007】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0008】
【作用】
【0009】パルスレーザを用いる溶接においては、パ
ルス幅(T)やパルスの先端部及び後端部の傾き(t1
T、t2/T)(図1参照)は、レーザが照射される溶融部
の挙動に大きな影響を与える。すなわち、従来のように
パルス幅(T)が3.7msで先端部や後端部の傾きが急峻
な形状(矩形波)であると(図1参照)、スパッタが発生
し、凝固後ブローホールや割れ等が発生する。その原因
は、連続波の場合と異なり、極く短時間の間に溶融部の
加熱・冷却の繰返しが激しく起こるためであり、特にパ
ルスの先端部と後端部の傾きが急峻であるとその影響が
大きい。
【0010】そこで、本発明では、パルスの幅を長く
し、しかもパルスの先端部及び/又は後端部の傾きを緩
やかにした形状のパルス波、例えば、台形波などを用い
るものである。
【0011】具体的には、まず、パルス幅(T)をT≧5
msの関係を満たすように長くする。パルス幅が短いと、
上述のように溶融部の加熱・冷却の繰返しが激しくな
り、また溶融部への熱量の照射が少なくなるので好まし
くない。
【0012】更には、パルスの先端部の傾き(t1/T)
と後端部の傾き(t2/T)の少なくとも一方が(1/2
0)T<t1≦T又は(1/20)T<t2≦Tの関係を満
たす緩やかな傾きとすることが必要である。従来は図2
に示すように矩形波でt1、t2≒0であるのに対し、本
発明では、例えば図3〜図5に示すような台形波とし、
或いは図6に示すような三角波も可能である。勿論、t
1=t2とすることもt1≠t2とすることも可能である。
【0013】パルスの幅、パルスの先端部又は後端部の
傾きなどはパルス励起回路構成に用いるLC回路のLC
の個数等によって制御することができる。なお、単パル
スの間隔(パルス繰返し数)、出力パワー等々の他のレー
ザ溶接条件は特に限定されない。
【0014】なお、上述のように制御されたパルス波形
を用いることによってスパッタ発生の防止、凝固後ブロ
ーホール、割れ等の防止ができるが、特にブローホール
発生を防止するうえでは、更にシールドガスを用いるの
が好ましい。シールドガスにより溶接部を外気からシー
ルする効果を得るには、Arなどの非酸化性ガスが望ま
しい。しかし、このような効果のほか、溶融部を撹拌す
ることによって発生ガスを浮上し易くする効果を期待す
る場合には、シールドガスとして、CO2ガスやO2
ス、或いはCO2と他のガスとの混合ガスやO2と他のガ
スとの混合ガスが好ましい。混合ガスの場合におけるC
2又はO2の混合比は適宜選定でき、他のガスとしては
Arなどの非酸化性ガスが挙げられる。
【0015】また、パルスレーザの照射は他の溶接法に
比べて急激な加熱を受け、被溶接材料が持つ本来の性質
を変化させ易いので、これを防止するためには、溶接に
先立って被溶接材料を予熱するのが好ましい。予熱によ
って急激な加熱・冷却による悪影響を緩和できるので、
スパッタ発生防止、凝固後ブローホール、割れ等の防止
にも効果がある。予熱温度は母材の主金属の融点の2/
3以下の温度が推奨される。母材の主金属とは、例え
ば、鋼の場合はFe、アルミニウム合金の場合はAl、チ
タン合金の場合はTiの如くである。
【0016】本発明の溶接方法は種々の材質、板厚の被
溶接材料に適用でき、特に鋼、アルミニウム合金、銅合
金、チタン合金等の薄板の溶接に適している。
【0017】次に本発明の実施例を示す。
【実施例】
【0018】
【比較例1】厚さ3mmのステンレス鋼板(SUS316)
を、シールドガスとしてArを用い、図7に示すパルス
波形(通常の矩形波)のレーザを用いてレーザ溶接した。
その結果、パルス幅は長いものの、パルス波形が矩形波
であるため、レーザが照射された溶融部からスパッタが
発生し、凝固後ブローホールが発生した(図8参照)。
【0019】
【実施例1】図9に示すようにパルスの先端部及び後端
部の傾きを共に緩やかにしたパルス波形(台形波)を用
い、他の条件は比較例1と同じ条件にてレーザ溶接を行
った。その結果、溶接中スパッタ等の発生もなく、健全
な溶接部が得られた(図10参照)。
【0020】
【実施例2】厚さ3mmのアルミニウム合金板(A508
3)を、シールドガスとしてArを用い、図11に示すよ
うにパルスの先端部及び後端部の傾きを共に図9の場合
よりもやや急にしたパルス波形(台形波)のレーザを用い
てレーザ溶接した。その結果、ブローホール、割れ等の
ない健全な溶接部が得られた。但し、台形波の傾きがや
や急なためか若干スパッタの発生が見られた。
【0021】
【実施例3】シールドガスとしてCO2を用い、他の条
件は実施例2と同じ条件でレーザ溶接を行った。シール
ドガスとしてCO2を用いたため、溶接中のスパッタも
実施例2と比較してかなり少なく、健全な溶接部が得ら
れた(図12参照)。
【0022】
【比較例2】シールドガスとしてArを用い、図13に
示すパルス波形(台形波、但し、t1/T、t2/Tが本
発明範囲外)のレーザを用いて、厚さ3mmのアルミニウ
ム合金板(5083)をレーザ溶接した。パルスの先端
部、後端部の傾きが本発明範囲外であり、またシールド
ガスもArであるため、レーザが照射された溶融部から
スパッタが発生し、大きな凝固後ブローホールが発生し
た(図14参照)。
【0023】
【実施例4】厚さ3mmのアルミニウム合金板(5083)
を700Kに予熱した後、シールドガスとしてArを用
い、図15に示すパルス波形(台形波)のレーザを用いて
レーザ溶接した。パルスの傾きt1、t2が(1/18.7
5)Tと本発明範囲の下限値近傍であり、且つシールド
ガスとしてO2やCO2を含まないArを用いているにも
拘らず、予熱しているため、溶接中にスパッタも発生せ
ず、凝固後ブローホール、割れ等の溶接欠陥のない健全
な溶接部が得られた(図16参照)。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
溶接中にスパッタ発生がなく、凝固後ブローホール、割
れ等の溶接欠陥のない健全な溶接部が得られる。特に
鋼、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金等の薄板の
溶接に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザのパルス波形を説明する図である。
【図2】従来のパルス波形(矩形波)を示す図である。
【図3】本発明に用いるパルス波形の一例を示す図であ
る。
【図4】本発明に用いるパルス波形の一例を示す図であ
る。
【図5】本発明に用いるパルス波形の一例を示す図であ
る。
【図6】本発明に用いるパルス波形の一例を示す図であ
る。
【図7】比較例1に用いたパルス波形(矩形波)を示す図
である。
【図8】比較例1で得られた溶接部の断面のマクロ写真
(金属組織)である。
【図9】実施例1に用いたパルス波形(矩形波)を示す図
である。
【図10】実施例1で得られた溶接部の断面のマクロ写
真(金属組織)である。
【図11】実施例2に用いたパルス波形(矩形波)を示す
図である。
【図12】実施例3で得られた溶接部の断面のマクロ写
真(金属組織)である。
【図13】比較例2に用いたパルス波形(矩形波)を示す
図である。
【図14】比較例2で得られた溶接部の断面のマクロ写
真(金属組織)である。
【図15】実施例4に用いたパルス波形(矩形波)を示す
図である。
【図16】実施例4で得られた溶接部の断面のマクロ写
真(金属組織)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザによる溶接において、パル
    ス幅(T)をT≧5msの関係を満たすように長くし、か
    つ、パルスの先端部の傾き(t1/T)と後端部の傾き(t
    2/T)の少なくとも一方が(1/20)T<t1≦T又は
    (1/20)T<t2≦Tの関係を満たす緩やかな傾きを
    有するパルス波のレーザを用いることを特徴とするレー
    ザによる溶接方法。
  2. 【請求項2】 シールドガスとして、CO2、O2、又は
    CO2と他のガスとの混合ガス或いはO2と他のガスとの
    混合ガスを用いる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 被溶接材料を主金属の融点の2/3以下
    の温度に予熱する請求項1又は2に記載の方法。
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