JPH05275259A - 導体コイルパターンの製造方法及び製造装置 - Google Patents

導体コイルパターンの製造方法及び製造装置

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JPH05275259A JP3983592A JP3983592A JPH05275259A JP H05275259 A JPH05275259 A JP H05275259A JP 3983592 A JP3983592 A JP 3983592A JP 3983592 A JP3983592 A JP 3983592A JP H05275259 A JPH05275259 A JP H05275259A
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conductor coil
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細幅の導体で構成された導体コイルパター
ンを、試料上に直接形成し工程数を削減するための製造
方法と製造装置を提供する。 【構成】 チャンバー1内で、光2の照射が無い場合に
は有機金属ガス9が分解しない温度に、試料4を保持す
る。光2をチャンバー1内に導入し、マスク7を通して
絶縁物を有する試料4表面にコイルパターン状に照射す
る。同時に、試料4とマスク7の間にガス導入機構8か
ら有機金属ガス9を導入する。光2によって基板表面状
態に変化が起こり、試料4上に金属が導体コイルパター
ンとして析出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスクやVTRに
用いられる薄膜磁気ヘッド,あるいは平板型インダクタ
ー,磁気センサー等において、磁界発生用あるいは誘導
電流発生用として用いられる導体コイルパターンの製造
方法、及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導体コイルパターンを用いた薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法としては、ジャーナル・オブ・アプライ
ド・フィジクス誌,第55巻,6号,1984年,22
35ページに開示されているものがある。それによると
薄膜磁気ヘッドは、基板上に下部磁性体パターン,絶縁
膜,導体コイルパターン,絶縁膜,上部磁性体パター
ン,保護膜を順に積み上げた形態をしている。ここで、
基板としては非磁性の酸化物セラミック材料、上下の磁
性体パターンとしてはNi−Fe合金、絶縁膜及び保護
膜としては酸化アルミニウム,酸化シリコン,焼き締め
たフォトレジスト等が広く用いられている。また特に、
導体コイルパターンの製造方法は、例えば、昭和58年
電子通信学会総合全国大会講演予稿集,1−186ペー
ジに開示されている。
【0003】ここで薄膜磁気ヘッドの製造方法のうち、
特に導体コイルパターンの製造方法を、図4をもとに説
明する。図4(a)に示すように、基板13上の下部磁
性体パターン14上に形成した絶縁膜15上に、導体め
っき時に電極とするための導電体17を形成する。この
形成方法としては、真空蒸着法,スパッタ法,無電界め
っき法等が用いられている。
【0004】次に図4(b)に示すように、導電体17
上にフォトレジスト18を塗布し、これをコイルの反転
レジストパターン19にする。導体コイルパターン16
の製造方法に関する開示文書中では、反転レジストパタ
ーン19の形成のために、フォトレジスト18上でコイ
ルの反転パターン状に加工したTiをマスクとして、O
2 のイオンビームエッチング技術を用い、反転レジスト
パターン19を形成している。
【0005】次に図4(c)に示すように、コイル用の
導体として用いるCuをめっきする。Cuめっきは硫酸
銅水溶液等のCuイオンとして含む液中で、導電体17
を陰極,銅板等を陽極として電気分解することにより、
基板13状の導電体17上にCuを析出させる技術であ
る。ここで導電体17上には反転レジストパターン19
が存在するため、反転レジストパターン19の無い部
分、つまりコイルパターン状にCu20が析出すること
になる。
【0006】この後、図4(d)に示すように、フォト
レジストを剥離すると、コイルの形状をCu20で形成
することができるが、このままではコイルパターン間が
導電体17によって接続されているためコイルとしての
役割は果たさない。そのため、この後まず基板13をよ
く乾燥させ、別に用意した真空装置中でアルゴンイオン
ビーム21を基板13上方から照射することにより、導
電体17のうち反転レジストパターン19が最初に存在
した部分をエッチング除去する。この際に、めっきされ
たCu20の一部もやはりエッチングされる。このよう
にして導体コイルパターン16を形成する。
【0007】このようにして形成する導体コイルパター
ン16上に、絶縁膜を形成してコイルに伴う凹凸を平坦
化し、その上面に下部磁性体パターン14と一部接続し
た形の、上部磁性体パターンを形成する。この後、全体
を保護膜で被覆し基板13上に薄膜磁気ヘッドを形成さ
れることになる。実際に薄膜磁気ヘッドとして用いる場
合には、この後基板13をスライダー状に加工するわけ
であるが、その詳細については本発明と関連が無いので
ここでは省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た導体コイルパターンの製造方法は、以下に示すような
多くの問題を有していた。 反転レジストパターン19の形成上の問題 導体コイルパターン16の断面積を充分大きくとり、電
流を流す際の抵抗を小さくしつつ、単位面積当りのコイ
ルの巻数を上げることにより発生する磁界、発生する誘
導電流を大きくするために、微細で、且つパターン断面
幅に比較して断面高さの高い(アスペクト比の高い)反
転レジストパターン19を形成する必要がある。しか
し、このような形状のレジストパターンは形成が困難で
あった。また、アスペクト比の高い反転レジストパター
ン19を形成できたとしても、その後にCuめっき用の
溶液中に浸漬するために、剥離等の問題を発生しやすか
った。
【0009】また、めっき後のレジストの剥離を容易に
するために、逆台形の断面を有する反転レジストパター
ン19が望ましいが、このような断面形状は光学的な露
光によって形成するのが非常に困難であった。これを解
決するために、由比藤勇他,電子情報通信学会論文誌C
−II,第J74−C−II巻,3号,1991年,1
70ページに開示されているようなイメージリバースレ
ジストを用いる方法もあるが、工程数が増大しスループ
ットが低下するという問題を有していた。しかも製造条
件の管理を厳しくする必要があり、歩留りが低下する。 Cuめっきを用いる工程を用いていることにより問題 前記製造方法では、まず最初に導電体17を形成し、導
体コイルパターン形成後にこれを除去する必要がある。
このように、本来導体コイルパターンの構成要素として
全く必要の無い、導電体17を用いる工程を含むことか
ら、製造時のスループットが上がらないという問題を有
していた。
【0010】また全工程を溶液処理を含まない、ドライ
プロセスで構成した場合には、各工程を実施する装置に
順に接続していくことがたやすく実施できるため、工程
の連続性を保った大量生産の可能な製造装置の作製が可
能となる。そして、製造装置単価の低減,スループット
の向上に大きく貢献できる。しかし、従来技術は液中処
理が含まれるため処理及び装置の連続化が原理的に不可
能であり、製品の生産性向上に限界があるということ、
さらに気温,湿度等の影響を受け易く、常に同一の品質
を実現するのに周辺環境(湿度,温度など)を整備する
設備が必要であるというような問題点も有していた。
【0011】本発明の目的は、従来の導体コイルパター
ンの製造工程の大幅な簡便化を可能とし、さらに工程の
連続性を保ちつつ、従来の製造工程数よりも総工程数を
減少して装置費用を削減しつつ迅速に製造を行うことの
可能な導体コイルパターンの製造方法と、そのための製
造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁物上の渦
巻状の導体パターンで、外部から導体に電流を印加する
ことにより中心近傍に磁界を発生し、あるいは中心近傍
の磁界を変化させることによって導体に誘電電流を発生
することが可能な導体パターンの製造方法において、前
記導体パターンが、導体をその構成元素として含むガス
を絶縁物上に導入しつつ、前記絶縁物上の任意の部分へ
光を照射し、絶縁物の表面状態を変化させ、前記任意の
部分へ選択的に導体材料を堆積することによって形成す
ることを特徴とする。
【0013】本発明の導体コイルパターン製造装置は、
光源と、チャンバーと、前記光源からの光を前記チャン
バーに導く光学系と、前記光を任意のパターン部だけ遮
蔽して前記チャンバー内の基板上に導入するためのマス
クと、前記チャンバー内にガスを導入するガス導入機構
とを有することを特徴とする。
【0014】また本発明の導体コイルパターンの製造装
置は、前記チャンバーに接続部分を介して隣接して、あ
るいは前記チャンバー内に、導体コイルパターン形成用
とは別の成膜装置を設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】トリメチルアルミニウム等の有機金属分子は、
常温で気体状のものが多い。しかしそれらの多くは不安
定であり、加熱や光照射等により分子に対してエネルギ
ーを加えると分解して金属を遊離する。
【0016】この現象を利用して導体材料の成膜が行わ
れており、これら励起CVD法に関しては、例えば、明
石和夫,服部秀三,松本修編「光・プラズマプロセシン
グ」第140頁(日刊工業新聞社,1986年)に詳し
く開示されている。
【0017】そこで本発明者は、有機金属ガスを分解し
て生成した金属を、基板全面ではなく基板上の特定の部
分に付着堆積させ、これをもって導体コイルパターンと
することを試みた。このような基板上での局所的な成膜
の可能性については、レーザー光を集光してその光,及
び熱エネルギーにより有機金属を分解し、基板上のレー
ザー光照射位置に金属膜を形成する方法が知られてい
る。この技術については、例えば、岸田俊二他著,高橋
清,小長内誠監修「光励起プロセスハンドブック」第2
47頁(サイエンスフォーラム,1987年)、あるい
は梶川敏和「レーザーによるマイクロ加工」(表面技術
誌,40巻,第8号,874頁,1989年)に開示さ
れている。またレーザー光ではなく、電子ビーム等の粒
子ビームによる局所的な成膜方法についても、マツイシ
ンジ他,アプライド・フィジクス・レター誌,9月号,
第53巻,第10号,1988年,842ページに開示
されているように、近年実用化されている。
【0018】しかし上で述べたようなビームを用いた従
来手法では、基板上の特定部位にのみ成膜可能であると
いう点は満足されるものの、基板上に配置した一つ一つ
のデバイス全てに対して、個別に励起光あるいは励起ビ
ームを照射、走引する必要がある。従って、基板を大型
化して量産性を向上させようとした場合に、大型化に応
じて工程所要時間が延びるため、スループットの向上が
困難という根本的な問題がある。また、ビーム照射部位
の温度が500℃以上に昇温されることから、適用可能
なデバイスに制限があることや、形成した導体パターン
の断面が蒲鉾状になり、矩形で高アスペクトの断面形状
を要求される導体コイルパターンとしては不適当という
問題も含んでいる。
【0019】ここで本発明者は、次のような実験を行っ
た。実験装置の断面を図3に示して説明する。まず、排
気機構を有するチャンバー1は、荷電を環状に加速した
際に、接線方向に発生するシンクロトロン放射光22
(紫外域からX線域の波長で特に強度の高い光)を、光
学系6を経てゲートバルブ3を通して、試料4上に導入
する構造を有している。シンクロトロン放射光22に関
しては、富増多喜夫著,「シンクロトロン放射技術」,
工業調査会,東京,1990年等に詳細に開示されてい
る。試料4上には、発生装置2からのシンクロトロン放
射光22を一部遮ることの可能なマスク7が置かれてい
る。また、同時にガス導入機構8が設置されており、マ
スク7と試料4の間の空間に有機金属ガス9を導入する
ことが可能である。試料4の下部にはヒーター5が設置
され、試料4の温度を調節可能である。先に述べた、従
来の光あるいは電子ビームを収束してCVDを行う手法
との根本的な違いは、放射光の照射が試料4上のあらゆ
る部分に一括して可能な点で、これが製造時の量産性の
向上に大きく寄与する。
【0020】このような構成の装置を用いて、シンクロ
トロン放射光22を導入した実験を実際に行った。試料
4には酸化シリコン基板、有機金属ガス9としてはジメ
チル・アルミニウム・ハイドライドを用い、試料4の一
部にのみ放射光22が照射可能な状態にマスク7を設置
した。実験結果を次表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】一般には酸化シリコンのような絶縁物上で
は、有機金属の熱分解による金属の均一な成膜は難しい
といわれている。この結果からも、200℃程度の低温
では単なる熱分解による試料全面均一の金属(この場合
アルミニウム)の成膜は起こらないことがわかる。しか
し、放射光の照射と同時に有機金属ガスを供給すること
によって成膜可能なことがわかる。また、成膜初期に放
射光が照射されて膜成長が始まっていれば、その後は放
射光を照射しなくても、200℃という低温で照射部の
みに膜成長が継続することもわかった。シンクロトロン
放射光22の照射によって、膜成長が可能になる理由は
はっきりしないものの、本発明者の表面分析では膜成長
の起こる初期界面付近で、酸化シリコンが金属シリコン
状態に近くなっていることがわかっており、これが何等
かの原因である可能性もある。以上の検討から本発明を
用いて、導体パターンを形成可能なことがわかる。
【0023】さらに、光を製造工程に利用する利点とし
てその直進性を利用できるという点がある。従来の反転
レジストパターン19の形成においては、Cuめっき後
のイオンビームエッチングによる若干のCu20の目減
りも考慮して、かなり厚膜の反転レジストパターン19
を形成する必要があり、そのため導体コイルパターン1
6のパターン幅及び間隔を狭くするのに限界があった。
しかし、本発明の導体コイルパターンの製造方法では、
最初に光が照射された領域にのみ成膜が行われるため、
マスク7を微細にすることにより微細で密なパターンを
形成可能である。マスク7の厚みは、従来技術の導体コ
イルパターン形成用の反転レジストパターン19よりは
るかに薄くできるので、微細化は容易である。そして、
パターン幅及び間隔を狭くし、単位面積当りの導体コイ
ルパターンの巻数を増大させることによって、導体コイ
ルパターンに流す電流を変化させた際の発生磁界、及び
磁界を変化させた際の誘導電流値は大きくなり、本発明
の導体コイルパターンを例えば薄膜磁気ヘッドに用いた
場合、飛躍的な性能向上が期待できる。
【0024】また、従来技術では絶縁膜の上に導体コイ
ルパターンを形成するのに、導電体膜成膜装置、フ
ォトレジスト塗布装置、露光装置、フォトレジスト
現像装置、Cuめっき装置、洗浄及び乾燥装置、
イオンビームエッチング装置、と6台もの装置で導体コ
イルパターンを形成していた。しかし本発明では、導
体コイルパターン形成用選択成長装置、1台だけで導体
コイルパターンが形成可能となり、装置作製維持費用,
設置面積,製造工程数,製造時間,所要人数の大幅な削
減が可能となる。
【0025】ところで、導体コイルパターンを絶縁膜で
被覆し、薄膜磁気ヘッド等に用いる場合には、導体コイ
ルパターン形成用選択成長装置に隣接して接続するか、
あるいは内包する形で、絶縁膜を形成するための成膜装
置を設けることにより、製造のための装置設置面積,製
造工程数,所要人員,製造時間のさらなる削減が可能で
ある。これは、導体コイルパターンの製造方法が、溶液
処理を含まないドライプロセスであることから初めて実
現できるもので、従来の導体コイルパターン形成技術で
は考えられなかった装置構成である。但しこの場合には
装置を隣接するため、絶縁膜の品質(例えば耐環境性,
絶縁性)が導体コイルパターン形成用の有機金属ガスの
微量の混入により、若干劣化する危険性がある。本発明
者の検討でも、導体コイルパターン製造装置に隣接して
いない成膜装置によって形成された絶縁膜と比較して、
膜の屈折率に若干の差があることが確認されており、膜
質に何等かの差があることが予想される。従って導体コ
イルパターンを用いる薄膜磁気ヘッド等における、絶縁
膜の要求品質や精度に応じて、絶縁膜形成装置の有無を
選択する必要がある。
【0026】
【実施例】次に本発明の導体コイルパターンの製造方
法、及び導体コイルパターンの製造装置について図面を
参照して説明する。 (実施例1)実施例1で用いた導体コイルパターンの製
造装置は、図1に示すごときものである。図1は導体コ
イルパターンの製造装置の断面模式図である。装置は大
きく分けて、チャンバー1,シンクロトロン放射光発生
装置2,ゲートバルブ3,試料4,ヒーター5から成っ
ている。シンクロトロン放射光2は、ゲートバルブ3を
介して接続されている光学系6によって、試料4上に導
かれる。ここでシンクロトロン放射光22の光路にはX
線を導体コイルパターン状に透過させるためのマスク7
がセットされている。さらに導体形成用ガスを任意の量
チャンバー1内に導入するために、ガス導入機構8が設
けられており、マスク7と試料4の間の空間に有機金属
ガス9を導入可能である。
【0027】このような概略の装置を用いて、導体コイ
ルパターンの製造を行った。用いた装置,材料を次に示
す。
【0028】シンクロットロン放射光22…エネルギー
300eV以下の白色光 試料4…酸化シリコンを表面に形成したAl3 3 −T
iC基板 有機金属ガス9…ジメチルアルミニウムハイドライド 次にこれらの装置,材料を用いた導体コイルパターンの
製造手順を示す。まず、試料4をセットしたチャンバー
1を排気機構10を用いて1×10-9Torrに減圧す
る。次に、試料4をヒーター5で200℃に加熱し、ガ
ス導入機構8を介して有機金属ガス9をマスク7と試料
4の間の空間に導入し、ガス圧を10-7Torrに保
つ。シンクロトロン放射光22は、光学系6,マスク7
を通って試料4上に照射される。この時の試料4上での
照射光子数は、およそ1018個/cm2 である。このシ
ンクロトロン放射光22の照射を受けた試料4の表面は
励起され、表面状態に変化が起こる。そしてその変化し
た部分で有機金属ガス9が分解し、金属(本実施例にお
いては金属アルミニウム)を析出する。
【0029】このような工程を経た試料4をチャンバー
1から取り出し、その表面を走査型電子顕微鏡で観察し
た結果、アルミニウム導体コイルパターンが、厚さ約3
00nm,幅約500nmで形成されていることが確認
された。さらに、試料4上に析出したアルミニウムをマ
イクロオージェ分光分析器で深さ方向に分析した結果、
不純物として予想される炭素等は非常に少なく、例えば
薄膜磁気ヘッドの製造等に本発明を用いた場合にも、製
品の長期信頼性に問題はないことが明らかとなった。
【0030】また、全体の導体コイルパターン製造工程
が大幅に単純化されたため、従来技術で約20時間を要
していた導体コイルパターンの製造時間が大幅に短縮さ
れ、約2時間で作製が可能になった。さらに工程の単純
化にともない、作業に必要な人の数、必要装置数も従来
と比べて大幅に少なくて済むようになり、全体としてコ
ストを抑さえることができた。 (実施例2)実施例2で用いた導体コイルパターンの製
造装置は、図2に示すごときものである。図2は導体コ
イルパターンの製造装置の断面模式図である。装置は大
きく分けて、チャンバー1,シンクロトロン放射光発生
装置2,ゲートバルブ3,試料4,ヒーター5,搬送路
11,絶縁膜形成装置12から成っている。これは、搬
送路11と絶縁膜形成装置12がある以外は、実施例1
の装置と同じものである。
【0031】このような概略の装置を用いて、導体コイ
ルパターンの製造を行った。用いた装置、材料を次に示
す。
【0032】シンクロトロン放射光22…エネルギー3
00eV以下の白色光 試料4…石英基板 有機金属ガス9…トリメチル・アルミニウム 絶縁膜形成装置12…アルゴンスパッタリング装置(タ
ーゲットは酸化シリコン) 次にこれらの装置,材料を用いた導体コイルパターンの
製造手順を示す。まず、試料4をセットしたチャンバー
1を排気機構10を用いて1×10-9Torrに減圧す
る。次に、試料4をヒーター5で200℃に加熱し、ガ
ス導入機構8を介して有機金属ガス9をマスク7と試料
4の間の空間に導入し、ガス圧を10-7Torrに保
つ。シンクロトロン放射光22は、光学系6,マスク7
を通って試料4上に照射される。この時の試料4上での
照射光子数は、およそ1016個/cm2 である。このシ
ンクロトロン放射光22の照射を受けた試料4表面は励
起され、表面状態に変化が起こる。そしてその変化した
部分で有機金属ガス9が分解し、金属(本実施例におい
ては金属アルミニウム)を析出する。
【0033】以上の工程を経てアルミニウムの導体コイ
ルパターンを形成した試料4を、搬送路11を通して絶
縁膜形成装置12に搬送し、絶縁膜を形成した。絶縁膜
の形成条件を次に示す。
【0034】到達真空度…5×10-6Torr アルゴンガス圧…2×10-2Torr 投入電力…600W 形成膜厚…500nm このような工程を経た試料4をチャンバー1から取り出
し、その表面をレーザー走査顕微鏡で絶縁膜内部の導体
コイルパターンを観察した結果、アルミニウム導体コイ
ルパターンが、厚さ約300nm、幅約500nmで形
成されていることが確認された。
【0035】また、絶縁膜形成までの全体の導体コイル
パターン製造工程が大幅に単純化されたため、従来技術
で約24時間を要していた導体コイルパターンの製造時
間が大幅に短縮され、約3時間で作製が可能になった。
さらに工程の単純化にともない、作業に必要な人の数、
必要装置数も従来と比べて大幅に少なくて済むようにな
り、全体としてコストを抑さえることができた。
【0036】以上本発明の実施例として2例を挙げた
が、この2例には記載しなかったものの、以下に示すよ
うな別の構成の装置あるいは方法、材料を用いても、本
実施例と同様の効果が得られる。 有機金属ガスとしてトリメチル・アルミニウム及びジ
メチル・アルミニウム・ハイドライドを用いた例を示し
たが、他のガス(例えばトリイソブチル・アルミニウ
ム)や、他の高導電率金属を遊離する金属含有ガス(例
えばヨウ化金化合物)あるいは高導電率化合物を遊離す
るガス系(例えばチタンクロライド−水素−窒素系)を
用いても同様の効果が得られる可能性がある。本発明の
主旨は、本来導体の成膜の困難な基板上でも、表面状態
を光照射部分で変化させることにより選択的に導体が析
出できるという点にある。 実施例では、シンクロトロン放射光22を用いる本発
明の導体コイルパターン製造方法及び製造装置を示した
が、他の紫外からX線域の波長を発生する光源を用いて
も同様の効果が得られるのは明らかである。例えば、自
由電子レーザーや高出力エキシマ光を用いても同様の効
果が得られる。 実施例2では、絶縁膜形成装置12としてアルゴンス
パッタリング装置に酸化シリコン製ターゲットを装着し
た装置の例を述べたが、もちろんターゲット材料種(つ
まり絶縁膜の種類)は導体コイルパターンの特性を損な
わない材料であれば何でもよい。例えば、酸化シリコン
と窒化シリコンの混合膜のような膜でも構わない。さら
に絶縁膜としてスパッタリング法による膜を用いる必然
性はなく、CVD,蒸着,樹脂塗布等の他の手法を用い
て保護膜を形成しても、本発明の効果が損なわれること
がないのは明らかである。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の導体コイルパター
ンの製造方法及び製造装置を用いることにより、従来の
導体コイルパターン作製工程の大幅な簡便化を可能と
し、さらに工程の連続性を保ちつつ、従来の製造工程数
よりも総工程数を減少して装置費用,所要人員を削減し
つつ迅速に導体コイルパターンの製造を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導体コイルパターンの製造方法、及び
製造装置を説明するための、導体コイルパターン製造装
置の断面模式図である。
【図2】本発明の他の導体コイルパターンの製造装置を
説明するための断面模式図である。
【図3】本発明の導体コイルパターンの製造方法を説明
するための、導体コイルパターン製造装置の断面模式図
である。
【図4】従来の導体コイルパターンの製造方法を説明す
るための、工程順に示した導体コイルパターンの半径方
向の断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 シンクロトロン放射光発生装置 3 ゲートバルブ 4 試料 5 ヒーター 6 光学系 7 マスク 8 ガス導入機構 9 有機金属ガス 10 排気機構 11 搬送路 12 絶縁膜形成装置 13 基板 14 下部磁性体パターン 15 絶縁膜 16 導体コイルパターン 17 導電体 18 フォトレジスト 19 反転レジストパターン 20 Cu 21 アルゴンイオンビーム 22 シンクロトロン放射光

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁物上の渦巻状の導体パターンで、外部
    から導体に電流を印加することにより中心近傍に磁界を
    発生し、あるいは中心近傍の磁界を変化させることによ
    って導体に誘電電流を発生することが可能な導体パター
    ンの製造方法において、前記導体パターンが、導体をそ
    の構成元素として含むガスを絶縁物上に導入しつつ、前
    記絶縁物上の任意の部分へ光を照射し、絶縁物の表面状
    態を変化させ、前記任意の部分へ選択的に導体材料を堆
    積することによって形成することを特徴とする導体コイ
    ルパターンの製造方法。
  2. 【請求項2】光源と、チャンバーと、前記光源からの光
    を前記チャンバーに導く光学系と、前記光を任意のパタ
    ーン部だけ遮蔽して前記チャンバー内の基板上に導入す
    るためのマスクと、前記チャンバー内にガスを導入する
    ガス導入機構とを有することを特徴とする導体コイルパ
    ターンの製造装置。
  3. 【請求項3】前記チャンバーに接続部分を介して隣接し
    て、あるいは前記チャンバー内に、導体コイルパターン
    形成用とは別の成膜装置を設けたことを特徴とする導体
    コイルパターンの製造装置。
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