JPH05274622A - 磁気漏れを補償した巻線システムを有する磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル・ビデオ・レコーダ用の書き込み及
び（または）読み取り用の磁気ヘッドの磁気漏れを補償
する。 【構成】 デジタル信号用の磁気ヘッドは、二重巻線シ
ステムによって構成され、各巻線（３８、４０）は、Ｕ
字形のコア（３０）の第１分岐部（３２）に巻いた半分
の部分と第２分岐部（３４）に巻いた半分の部分を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、デジタル型のビデオ・
レコーダ装置用の読み取り及び（または）書き込み用磁
気ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】この磁気ヘッドは、特に相互に接近して
配設された複数の磁気ヘッドを有する種類の装置に磁気
信号を記録し及び（または）これから磁気信号を読み取
り、従って磁気漏れによるクロス・トークの危険を有す
る。デジタル・データに対応する磁気信号を書き込み及
び（または）読み取るための種々の磁気ヘッドが、知ら
れている。

【０００３】最も簡単な実施例では、磁気ヘッドは磁気
回路または、例えば、フェライトとのような磁気材料の
コアによって構成される。このコアはＵ字形であり、そ
の２つの分岐部即ちアームの両端は非磁気材料のセパレ
ータを設けたギャップを介して対向している。巻線が、
２つの分岐部（ギャップから最も離れた部分）を相互に
接続するコアの部分の周囲または一方の分岐部の周囲に
巻かれる。この巻線は、また両方の分岐部に渡って分布
してもよい。

【０００４】この巻線の一方の端子は電子的読み取り及
び（または）書き込み回路に接続され、この巻線の他方
の端子はアース電位に接続されるかまたはこの電子回路
の他の部分に接続される。例えば、書き込みを行う場
合、電子的書き込み回路によって発生された電気信号
は、この巻線を通り、従って対応する縦方向の磁界を発
生する。

【０００５】この磁界はコアの中を伝達される。このギ
ャップの周囲に発生する漏れ磁界によって、データがこ
のギャップに接近する磁気媒体に記録される。読み取り
の場合、この媒体からの磁束が磁気回路にそれ、巻線内
に電気信号を発生させる。この電気信号は増幅されて電
子的読み取り回路によって処理される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この種の実施例では、
電気上の問題点が発生する。これが、図１に模式的に示
すような他の種類の磁気ヘッドを使用する理由である。
このような周知の磁気ヘッドは、Ｕ字形のコアの分岐部
１２の一方に巻いた第１巻線１０、と第１巻線と同じ方
法で他方の分岐部１６の周囲に巻いた第２巻線１４を有
する。これらの２つの巻線は中間点１８で電気的に相互
に接続され、中間点に向かって第１巻線を流れる電流
は、同様に中間点に向かって第２巻線を流れる同じ電流
の発生する磁界と強度は等しいが方向が逆の磁界を発生
するように、これらの巻線の方向を定める。

【０００７】所望の結果を得るため、即ち、上述した電
気上の問題点を解決するため、第１巻線１０を第２巻き
線１４に接続する中間点即ち接続部１８はアース電位に
接続する。各巻線はそれぞれの」電子的読み取り及び
（または）書き込み回路（図示せず）に接続して相互に
独立して使用する。例えば、複数個の０と複数個の１に
よって構成されるデジタル信号を書き込む場合、第１巻
線１０を使用して複数個の０を書き込み、一方、第２巻
線１４を使用して複数個の１を書き込み、その結果、こ
れらの巻線１０と１４の発生する方向逆の磁界は複数個
の０と複数個の１に対応する。これらの巻線１０と１４
の結合は、アース電位に接続した共通の中間点１８によ
って減結合される。

【０００８】上記の種類の装置は電気的な観点からは満
足できるものであるが、これには磁気的な観点からする
と、欠陥がある。この種類の装置では電流がこれらの巻
線の一方または他方を流れると、発生した磁界はコア内
を完全に流れず、磁気漏れが生じ、これは当該巻線から
外部に放射される。

【０００９】この漏れた放射線の強度は、磁気回路によ
って流される磁界の強度の１／１００００乃至１／１０
００である。これは微弱であるが、それにも拘らず、そ
の周囲に載置した他の磁気ヘッドによって十分検出する
ことが可能である。例えば、図２は、ターンテーブルの
周囲に配設した磁気ヘッド用の支持部２２を有するこの
ターンテーブル２０の図である。この種の装置は、「回
転ヘッド」型の書き込み／読み取り機構に使用する。書
き込み専用の磁気ヘッド２４が読み取り専用の磁気ヘッ
ド２６と交互に配設され、従って、前者は後者の直ぐ隣
りに設けられる。

【００１０】２つの磁気ヘッド２４と２６の間の距離
は、数ミリ乃至数センチのオーダである。従って、書き
込み中に巻線によって放射される漏れ放射線は近傍の読
み取りヘッドによって読み取られ、これによってクロス
トーク現象が増加する。周知の装置では、このような混
乱をもたらす漏れ放射線を防止するため、磁気読み取り
／書き込み機構の各磁気ヘッドをスクリーンの機能を果
たす金属箱（図２には図示せず）の中に位置させる。

【００１１】この従来技術による解決法には、これ自身
の欠陥が含まれていることが理解できる。このスクリー
ン箱は、取り付け中に余分な取扱いを必要とする追加部
品である。各ヘッドの物理的な寸法はかなり増加し、こ
のことは、最大限に小型化する必要のある装置の場合に
は、非常に不利である。最後に、この金属スクリーン箱
によって、磁気ヘッドのコストが増加する。

【００１２】本発明の目的は、これらの欠陥を少なくす
ることである。本発明による磁気ヘッドは、一定の距離
で観察される磁気漏れを補償してゼロの合力をもたらす
ような巻線のシステムを有する（この距離は、数ミリに
相当し、いかなる場合にも読み取り／書き込み機構内に
隣合って配設した２つの磁気ヘッドの間の距離未満であ
る）。

【００１３】

【課題を解決するための手段】更に正確に説明すると、
本発明によって、端部が相互に対向してギャップを形成
する２つの分岐部を有する磁気材料の実質的にＵ字形の
コアと上記のギャップ内に位置する非磁気材料のセパレ
ータによって構成されるデジタル信号用の磁気ヘッドが
提供され、上記の磁気ヘッドは、二重巻線システムによ
って更に構成され、各巻線は上記のコアの分岐部の一方
の周囲に巻いた半分の部分と他方の分岐部の周囲に巻い
た他の半分の部分を有し、適当な電流が上記の巻線を介
して流れると、これによって上記の巻線の半分の部分に
第１方向の磁界が発生し、上記の巻線の他の半分の部分
に強度は同じであるが方向が逆の磁界が発生する。

【００１４】有利なことは、上記のコアの分岐部の一方
の周囲に巻いた上記の巻線の一方の半分の部分の一端は
上記のコアの他方の分岐部の周囲に巻いた他方の巻線の
半分の部分の一端に接続され、アース電位に接続される
中間点を形成することである。上記の二重巻線システム
の巻線は、同一であるのが好ましい。

【００１５】

【実施例】本発明は、添付酢を参照し、本願を限定する
ことを意図するものではない説明によって与えられる以
下の明細書を読むことによって、よりよく理解すること
ができる。本発明による磁気読み取り及び（または）書
き込みヘッドを図３と図４を、参照して説明する。

【００１６】図３は、ターンテーブル上に取り付けるの
に適した支持台２２の端部に固定した磁気ヘッド２８を
示す。この種の取り付け方法は純粋に例によって説明し
たものであり、本発明による磁気ヘッド２８は他のいず
れの種類の支持台に取り付けることも可能であり、また
ターンテーブルに直接取り付けることもできる。図４
は、本発明の磁気ヘッドを模式的に示す。このヘッド
は、例えば、フェライトのような磁気材料のコアによっ
て構成される。コア３０は、２つの分岐部３２と３４を
有する実質的にＵ字形であり、これらの分岐部の端部
は、相互に対向するように位置し、非磁気材料のセパレ
ータ、例えば、ガラスによって形成したセパレータを受
け入れるギャップによって分離されている。

【００１７】このようなヘッドは、形状が実質的に正方
形であり、２ｍｍの辺と約１５０ミクロンの厚さを有し
ている。このギャップは、例えば、０．８ミクロンの間
隙に相当し、セパレータ３６は約４０ミクロンの奥行き
を有している。本発明に従って使用する巻線のシステム
は、「二重巻き線」型である。これは同じものであるの
が好ましい２つの巻線によって構成され、これらの巻線
の線はそれぞれ３８と４０で示す。各巻線は、第１分岐
部３２の周囲に半回巻かれ、もう半回は第２分岐部３４
の周囲に巻かれる。この方法で、当該巻線は適当な電流
を搬送すると磁界が第１分岐部３２内で第１の方向に発
生され、強度は同じであるが方向が逆の磁界が第２分岐
部内に発生される。

【００１８】図４の例では、分岐部３２の周囲に半回巻
いた第１巻線３８の一端３８ａは他方の分岐部３４の周
囲に半回巻いた第２巻線４０の一端４０ａに接続され、
これによってアース電位に接続される中間点Ｐを形成す
る。例えば巻き数のようなこれらの巻線の特定の特性
は、意図した用途によって決まる。例えば、各巻線の各
半回（即ち、一方の分岐部に巻いた）の巻き数は５回で
ある。導線３８と４０は、例えば、銅によって形成さ
れ、直径は４０ミクロンである。

【００１９】図３から分かるように、ヘッド２８を支持
台２２上に固定すると、線３８の自由端３８ｂは接続部
４２に接続され、線４０の自由端４０ｂは接続部４６に
接続され、中間点Ｐは接続部４４に接続される。接続部
４２と４６によって、電子的読み取り及び（または）書
き込み回路（図３には図示せず）との電気的接続が容易
になり、接続部４４によってアースが容易になる。

【００２０】本発明による磁気ヘッドは、これを接続す
る電子回路の種類によって、読み取りまたは書き込みに
使用することができる。従来技術の装置では、非常に強
度の大きい書き込み信号が無視することのできない磁気
漏れを引き起こし、これは近くの読み取りヘッドによっ
て何か別の磁気信号であるかのように読み取られ、これ
によって、クロストークの危険が発生する。

【００２１】再び図４を参照して、書き込み目的のため
に本発明の磁気ヘッドを使用し、全てのクロストークの
危険を回避する方法を説明する。デジタル信号を書き込
む場合、この二重巻線システムの一方の巻線は複数個の
０を書き込むのに使用し、他方の巻線は複数個の位置を
書き込むのに使用する。適当な電流を電子書き込み回路
（図４には図示せず）を加えるとこの電流は巻線３８ま
たは４０の一方または他方を流れ、磁界が当該巻線を半
回巻いた内側に発生する。当該巻線を半回巻いた各部分
に存在する磁界は、強度は等しいが方向が逆である。各
磁界の主要な部分は、当該巻線の各半分の部分によって
発生された磁界がコアの周囲を同じ方向に流れ、これら
の磁界の成分が加えられるこのコアの分岐部３２と３４
の内側で流れる。

【００２２】巻線の各半分の部分はまた干渉漏れ磁界を
放射するが、これはコア３０によって流されることはな
い。しかし、ヘッド２８から数ミリの距離から分かるよ
うに当該巻線の２つの部分の各々から得られる磁界の成
分の合力はゼロである。これらの成分は同じ強度を有し
並列であるが、逆の方向に延びているが、これによって
磁気漏れが打ち消され、従って、クロストークの防止が
可能になる。

【００２３】磁気ヘッド２８を通る媒体から磁気信号を
読み取る場合、この磁気信号に対応する電流が各巻線を
流れ、この電流は次に通常の処理を行う増幅用読み取り
回路（図４に図示せず）に供給される。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術によるヘッドの図である。

【図２】「回転ヘッド」読み取り／書き込み機構内の回
転装置によって支持された１組の磁気ヘッドの図であ
る。

【図３】支持台上に取り付けた本発明による磁気ヘッド
の図である。

【図４】本発明による磁気ヘッドの図である。

【符号の説明】

３０ コア ３２、３４ 分岐部 ３６ セパレータ ３８、４０ 巻線 ３８ａ、４０ａ 巻線の端部 Ｐ 中間部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 端部が相互に対向してギャップを形成す
   る２つの分岐部（３２、３４）を有する磁気材料の実質
   的にＵ字形のコア（３０）と上記のギャップ内に位置す
   る非磁気材料のセパレータ（３６）によって構成される
   デジタル信号用の磁気ヘッドに於いて、上記の磁気ヘッ
   ドは、二重巻線システムによって更に構成され、各巻線
   （３８、４０）は上記のコア（３０）の分岐部の一方
   （３２）の周囲に巻いた半分の部分と他方の分岐部（３
   ４）の周囲に巻いた他の半分の部分を有し、適当な電流
   が上記の巻線を介して流れると、これによって上記の巻
   線の半分の部分に第１方向の磁界が発生し、上記の巻線
   の他の半分の部分に強度は同じであるが方向が逆の磁界
   が発生することを特徴とする磁気ヘッド。
2. 【請求項２】 上記のコア（３０）の分岐部の一方（３
   ２）の周囲に巻いた上記の巻線の一方（３８）の半分の
   部分の一端（３８ａ）は上記のコア（３０）の他方の分
   岐部（３４）の周囲に巻いた他方の巻線（４０）の半分
   の部分の一端（４０ａ）に接続され、アース電位に接続
   される中間点（Ｐ）を形成することを特徴とする請求項
   １記載の磁気ヘッド。
3. 【請求項３】 上記の二重巻線システムの巻線（３８、
   ４０）は同一であることを特徴とする請求項１または２
   記載の磁気ヘッド。