JPH05273042A - 空間反射光の状態測定装置 - Google Patents

空間反射光の状態測定装置

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JPH05273042A
JPH05273042A JP10047692A JP10047692A JPH05273042A JP H05273042 A JPH05273042 A JP H05273042A JP 10047692 A JP10047692 A JP 10047692A JP 10047692 A JP10047692 A JP 10047692A JP H05273042 A JPH05273042 A JP H05273042A
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JP
Japan
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light
center point
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incident
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Withdrawn
Application number
JP10047692A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tabata
洋 田畑
Shingo Tanaka
信吾 田中
Kinya Kumazawa
金也 熊沢
Hideo Namiki
秀男 並木
Makio Akimoto
眞喜雄 秋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05273042A publication Critical patent/JPH05273042A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異方性反射機能を有する物体材料の空間反射
光の状態を効率的に精度良く測定することができるもの
とする。 【構成】 椀型のケーシング22内壁に複数のフォトダ
イオードブロック30が設けられ、ケーシングはその開
口側を試料当接面Sとされ、フォトダイオードブロック
は試料当接面に中心点Pを有する半球面上に位置して、
中心点に向けてある。ケーシング端縁のリング23から
延びるカバー24の中央部には前記の中心点と同心の試
料窓25が設けてある。ケーシングには中心点を通る試
料当接面法線Hから所定の角度α位置に中心点Pに指向
する光ファイバが接続された出光部40が設けられてい
る。出光部から試料に照射された光の反射光が複数位置
のフォトダイオードブロックで受光され、3次元空間方
向の色データが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は照射光に対する物体から
の反射光が3次元空間に展開される空間反射光の状態測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の色を特定、表示するために、従来
各波長の光の反射率を用いて表現され、例えば「0°入
射/45°受光」などの反射率測定方式がJISその他
に定められている。図12はこれに用いられる従来の入
射受光プローブ1を示し、ケース2の試料窓3に向けて
垂直に設けられた出光部4と受光素子6を試料窓の入射
点に向けて傾斜された受光部5を有し、出光部4には光
ファイバ7により選択された波長の光が供給され、受光
部5からは受光信号ケーブル8が引き出されている。こ
れによりどの波長の光を強く反射する材料であるかがわ
かり、試料物体の色情報が得られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】色彩学上、色は色相、
明度および彩度の3属性が用いられ、マンセル表示など
が一般的である。また人の視感覚との相関性を表現する
ために三刺激値が定義され、均等色空間という概念が用
いられる。ところで、多くの商品において、単に材料が
何色であるかだけでなく材質感と言われる異方性反射機
能が重要になってきている。例えば光沢感もそれを構成
する一つの要素であるが、これらは照明の角度や観察の
方向によって、明るく輝いて見えたり、暗く見えたりす
る。また、ある照明ー観察条件で色が一致して見えて
も、他の条件下で一致して見えるとは限らないという特
殊性があり、角度によって色度も変化する。このような
特性はメタリック塗装や布地、あるいは道路の反射板な
どに見られる。
【0004】このような変化する色の見え具合を客観的
に表すには、いわゆるソリッドカラーを前提とした色
相、明度、および彩度の三属性だけでなく、光の反射強
度の空間分布およびそれに伴なう三属性の変化を知る必
要がある。したがってこれを特定、表示する際には、光
の物体表面からの正反射光より拡散反射光の方向性と強
度が重要となる。しかし従来JISなどに定められた測
定方式では、反射光の方向が大幅にずれるアニソトロピ
ックな特性を有する物体材料について正確にその空間分
布としての反射特性を得ることが難しい。また上記入射
/受光プローブも照射と同一面内の反射光受光に限定さ
れるとともに、その受光部は反射光を全面一素子で受光
するようになっているため、これも反射光の平均的強度
しか得られず拡散する反射光の分布状態を知ることはで
きない。
【0005】この目的のため、入射角や反射受光角を変
化させることができるゴニオフォトメータを用いること
ができるが、この場合にはこれらの入射角、受光角を変
えながら計測し、また試料を置く角度を変えてその計測
を繰り返す必要があり、作業が大変煩雑となり、測定に
時間を要するという問題がある。測定に時間がかかる
と、フイルム状の試料の場合には光の照射によって加熱
され、形状変化を起こす恐れがあり、また、色素を含む
材料の場合には、それが光反応を起こしたりして、測定
条件が変わってしまうことになる。
【0006】したがって、本発明は異方性反射機能を有
する物体材料の空間反射光の状態を効率的に精度良く測
定することができる空間反射光の状態測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に記載
の発明は、光源と、該光源の光を所定の波長に分光する
分光器と、分光器からの光を試料に照射する出光部およ
び複数の空間位置に配置された受光部とを備える入射/
受光ヘッドと、受光部からの受光信号を処理して試料か
らの複数の空間方向の色データを演算する演算器と、前
記の色データを出力する出力装置と有することを特徴と
する空間反射光の状態測定装置とした。
【0008】また請求項3に記載の発明は、上記分光器
を備える代わりに、入射/受光ヘッドが所定の波長別の
受光信号を演算器へ送出することを特徴とするものとし
た。
【0009】さらに請求項5に記載の発明は、上記測定
装置に用いられる入射/受光ヘッドで、半球状の椀型ケ
ーシングを備え、該ケーシングの開口部に設けられ中央
に試料窓を有する軟質カバーと、それぞれ複数の素子で
構成され前記試料窓の中心点を中心とする半球面上に位
置し前記中心点に向けてケーシングの内壁に支持された
複数のフォトダイオードブロックと、前記試料窓の中心
点を通る法線から所定の角度位置で前記中心点に向けて
前記ケーシングに設けられた出光部とを有し、前記フォ
トダイオードブロックは前記法線から所定間隔の観測角
および前記法線を中心とする所定間隔の方位角をもって
配置されていることを特徴とするものとした。
【0010】
【作用】請求項1の発明では、試料に照射した光の反射
光を試料を囲む半球状の複数のフォトダイオードブロッ
クで受光するようにし、この受光信号を演算器で処理す
るから、複数の3次元空間方向における反射光の状態が
一気に測定される。ここで照射される光はすでに分光さ
れたものであるため、個々のフォトダイオードブロック
は小さく構成でき、高い空間方向の分解能が得られる。
【0011】請求項3の発明では、フォトダイオードブ
ロックにおいて分割された小単位別に分光フィルタを設
けたから、照射光として分光されていない大きい光量が
得られる。
【0012】請求項5の入射/受光ヘッドでは、試料に
照射した光の反射光を複数の所定角度位置に設けた複数
のフォトダイオードブロックで受光するようにし、この
受光信号を演算器で処理するから、複雑な作業を要する
ことなく複数の3次元空間方向における反射光の状態が
一気に測定される。また試料当接面を軟質カバーとした
から試料に傷をつける恐れがなく、また外部からの不用
な光が侵入しないから測定に対する外乱が阻止される。
【0013】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す。熱発生の少な
いパルスキセノンランプをもつ光源10が設けられ、こ
れからの光が分光器11によって特定の測定波長に絞ぼ
られる。ここではたとえば人の受容スペクトル範囲をカ
バーする380nm〜780nmの波長について分解精
度10nm間隔で分光される。分光された光は集光器1
2を通して光ファイバ13により入射/受光ヘッド20
に送られる。また分光情報が分光器11から演算器15
へ送られる。入射/受光ヘッド20において、光は後述
する出光部から試料面に照射され、その反射光がヘッド
内複数部位に設けられたフォトダイオードブロックで受
光される。フォトダイオードブロックからの受光信号は
演算器15に入力され、分光された波長別に反射光の強
度が測定されるとともに、色の三刺激値が求められて、
これらを基に分光反射スペクトル、輝度率、色度座標あ
るいは均等色空間などの諸データが出力装置としての表
示器16に表示される。
【0014】図2、図3に入射/受光ヘッド20の構造
が示される。図2は入射/受光ヘッド20の断面図であ
り、図3は入射/受光ヘッド20を斜め下から見た図で
ある。椀型のケーシング22内壁に受光部としての複数
のフォトダイオードブロック30が設けられ、各フォト
ダイオードブロック30は複数の素子が並べられたダイ
オードアレイからなっている。ケーシング22はその開
口側を試料当接面Sとされ、フォトダイオードブロック
30の各素子の受光面は試料当接面に中心点Pを有する
半球面を形成するように、中心点Pに向けてある。ケー
シング22の端縁にはラバー材からなるリング23が設
けられている。さらにリング23からは、軟質材からな
るカバー24が延びてケーシング開口部を覆っており、
カバー中央部には前記の中心点Pと同心の試料窓25が
設けてある。ケーシング22には中心点Pを通る試料当
接面法線Hから所定の角度α位置に中心点Pに指向する
光ファイバ13が接続された出光部40が設けられてい
る。なお、図3においてはカバー24を図示省略してあ
る。
【0015】出光部40は、図4に示されるように、ケ
ーシング22に外側からねじ込まれた筒体42にカプラ
44を介して光ファイバ13が結合され、筒体42内に
は集光レンズ48が設置されて光ファイバ端から発した
光を略平行光線として試料窓中心点に向けて送出する。
【0016】ケーシング内壁において、フォトダイオー
ドブロック30の1つは前記の中心点を通る試料当接面
法線H上に配置され、他のフォトダイオードブロックが
前記の法線から30°および60°の線上に、出光部4
0を通る経線を0°位置としてそれぞれ45°間隔で破
断リング状に並べられて配置されている。上記フォトダ
イオードブロック30の法線Hからの角度を観測角φと
し、経線からの角度を方位角δとする。これらのフォト
ダイオードブロック30の各ダイオード素子からは受光
信号としての光電流を演算器15に導く信号コード14
が引き出される。
【0017】本実施例では、半球の半径が5cm程度と
され、試料窓25はフォトダイオードブロックが受ける
反射光量を勘案して直径10mm以上が好ましい。そし
て、出光部40の設置角度αを例えば0°、15°、4
5°あるいは75°として複数の入射/受光ヘッドが用
意される。これらの入射/受光ヘッドを取り替え使用す
ることにより、後述する照射角θを変化させることにな
る。
【0018】なお、自動車の表面塗装を測定対象とする
とき、対象部位には平坦な部位のほか、フェンダのよう
に曲面になっている部位もある。ここで表面が曲面とな
っている試料に図2の入射/受光ヘッド20をそのまま
用いると、図5に示されるように、カバー24が曲面
S’にそって弾性変形し、試料面が半球内に侵入するの
を許すことになる。そうすると試料窓25とフォトダイ
オードブロック30との距離がr1 、r2 のように変化
し、フォトダイオードブロック相互間の比較ができなく
なる。このため、測定部位に合わせて、出光部40と試
料窓25間の距離や、試料窓とフォトダイオードブロッ
ク30間の距離rなど、入射/受光ヘッドの特性ができ
るだけ同じになるように、例えば図6のように、試料当
接面の形状が異なるリング23’をもつ複数種類の入射
/受光ヘッド20’等が準備される。
【0019】上記構成の実施例における空間反射光の状
態測定を、図7のフローにそって次に説明する。先ずス
テップ100において、参照試料として表面の平滑な酸
化マグネシウム(MgO)の標準白色板について測定が
行なわれる。測定は入射/受光ヘッド20をそのリング
部を標準白色板上に当接させた状態とし、光ファイバ1
3で送られた光をカバー24の試料窓25に臨んだ標準
白色板に照射して行なう。出光部40の設置角度が異な
る入射/受光ヘッドを取り替えて照射角θを変化させな
がら、各照射角、反射角(=観測角φ)および方位角δ
における反射光強度が求められる。この反射光強度はフ
ォトダイオードブロック30に生じる光電流値として得
られ、各ブロックにおいて該ブロックを構成する複数の
素子の電流値の平均値が用いられる。
【0020】この標準白色板について(φ,δ)で表さ
れる各フォトダイオードブロック30毎のデータは、照
射角θ、測定波長λ毎に演算器15内のメモリに保存さ
れる。ここでは測定波長λは380nm〜780nmの
範囲を10nm間隔で設定される。参照データが一度採
取されて保存されれば、このステップは第2の測定対象
試料以降複数の試料について測定を行なう際にも不要と
なる。
【0021】なお、データは上記のパラメータによりそ
れぞれ(θ,φ,δ,λ)で表される番地を有するもの
として以下説明する。反射光強度(光電流)の標準白色
板についての参照データは、is (θ,φ,δ,λ)と
なる。なお、標準白色板は均等拡散反射特性を有するた
め、is (θ,φ,δ,λ)の値はδによって変化しな
い。
【0022】つぎにステップ110で、測定対象の試料
について、上と同様に入射/受光ヘッド20を用いて各
照射角θ、観測角φおよび方位角δ、そして波長λにお
ける反射光強度ir (θ,φ,δ,λ)が求められる。
【0023】ステップ120では、反射光強度ir
(θ,φ,δ,λ)と先に求められている参照データi
s (θ,φ,δ,λ)とから、次式により輝度率β
(θ,φ,δ,λ)が求められる。
【数1】 併せて、ステップ130では、JISの標準測定法にあ
たる照射角45°、観測角0°時の標準白色板の参照デ
ータis (45°,0°,δ,λ)で測定対象試料の各
反射光強度ir (θ,φ,δ,λ)を除して、この参照
データを1としたときの波長に対する反射率を方位角毎
に表した分光反射スペクトルが求められる。
【0024】次いでステップ140で測定対象試料の三
刺激値が求められる。すなわち、ある照射角に対するあ
るフォトダイオードブロックについての三刺激値は、前
のステップで得られた輝度率β(θ,φ,δ,λ)を波
長λの関数として
【数2】 と表現すると、
【数3】 となる。
【0025】ここで、Φは入射/受光ヘッド間に相違が
あるときの標準化係数であり、下記の式による。すなわ
ち、図6に示したように、試料の表面形状によっても出
光部と試料窓間の距離、試料窓とフォトダイオードブロ
ック間の距離などが変わらないように試料当接面の形状
が異なるものが用意されているが、Φは各入射/受光ヘ
ッド間の相互比較ができるように、各入射/受光ヘッド
の試料窓とフォトダイオードブロック間の距離に応じて
反射光強度を補正する項である。
【数4】 ただし、 Ri:使用する入射/受光ヘッドによるエネルギー反射
率(反射光強度) ri:使用する入射/受光ヘッドの内半径 R0 :標準入射/受光ヘッドによるエネルギー反射率
(反射光強度) r0 :標準入射/受光ヘッドの内半径 である。これらのデータが入射/受光ヘッド20に並べ
られた多数のフォトダイオードブロック30のそれぞれ
(方位角δ)について、照射角θ毎に演算器15におい
て演算処理される。
【0026】そして次のステップ150において、上の
三刺激値を用いて、色度座標x、yが、
【数5】 で求められる。また、CIE(国際照明委員会)が定め
る均等色空間L* * * が次式により求められる。
【数6】 * は明度指数、a* 、b* はクロマテックネス指数で
ある。
【0027】また、X0 、Y0 、Z0 は、JIS Z8
722により、R(赤、700.0nm)、G(緑、5
46.3nm)、B(青、435.8nm)のRGB表
色系から次式のように変換されたXYZ表色系による原
刺激である。
【数7】
【0028】ステップ160において、上に求められた
色度座標、均等色空間、あるいはステップ120、13
0で求められた分光反射スペクトル、輝度率が選択的に
表示器16に表示される。
【0029】このように本実施例においては、ケーシン
グの内壁に全体が半球面を形成するように複数のフォト
ダイオードブロックを設けるとともに、光ファイバで導
かれた分光を照射する出光部を設けた入射/受光ヘッド
を用い、半球の中心部に臨ませた試料に照射した光の反
射光を各フォトダイオードブロックで受光するようにし
たから、観測角と方位角からなる複数の空間方向におけ
る反射光の状態を一気に測定することができる。しかも
出光部の位置が異なる複数のヘッドを備えるようにした
から、ヘッドを交換するだけで簡単に照射角を変化させ
たデータをとることができる。
【0030】さらに、入射/受光ヘッドには分光された
光を導くようにしてあるから各フォトダイオードブロッ
クは単に安定した光電流を生じ信頼性を確保すれば充分
であるから、各ブロックを構成する複数の素子数は比較
的少なくても十分であるという利点がある。したがって
空間方向の分解能も極めて高くなる。
【0031】なお、上記の実施例では入射/受光ヘッド
を照射角度別にそろえ、入射/受光ヘッドを取り替えな
がら測定するものとしたが、これに限定されず、1個の
入射/受光ヘッドに所定の角度間隔毎に出光部を配設
し、各出光部へ光ファイバを配索して、これら複数の出
光部への送光をソフト的に順次切り替えながら照射する
ようにすれば、より一層測定作業が迅速で簡単になる。
また、半球中心からの法線上に必ずフォトダイオードブ
ロックが配置される必要はなく、法線上に出光部を配置
して0°照射とすることもできる。
【0032】図8は鱗粉を有する蝶の翅片を試料とし,
上述したフローにそって分光反射特性を測定したものか
ら、照射角0°、観測角45°のレベルでの結果を示
す。なお、このデータはフォトダイオードブロックを3
0°毎の方位角に配置した入射/受光ヘッドを使用した
場合の測定結果である。縦軸は反射率を示す。正反射で
なく直角の方位において1以上の反射率が示されるな
ど、観察方向(方位角δ)によって特性が変化している
ことがよく表される。また図9は、同じく蝶翅片につい
て、照射角45°における波長に対する観測角の輝度率
を方位角毎に3次元的に表したものである。
【0033】図10は、前分光に代えて後分光方式とし
た第2の実施例を示す。分光器を備えず光源10の光が
そのまま光ファイバ13で入射/受光ヘッド20”に導
かれる。演算器15’への波長情報は分光器からではな
く、入射/受光ヘッド20”からの信号に含まれる。そ
の他は第1の実施例と同様である。
【0034】入射/受光ヘッド20”の受光部において
は、図11に示されるように、その各フォトダイオード
ブロック30’において、例えば素子dが縦横40個×
10個に並べられたダイオードアレイを素子10個ずつ
に区分し、得られた40の素子単位D1 、D2 、…別に
10nm毎の波長を割り当て、素子単位毎のダイオード
素子前面に当該波長の分光フィルタF1 、F2 、…が設
けられる。これにより、各素子単位から波長別の受光信
号が得られ、演算器15’に入力される。演算処理にお
いては、各素子単位の10個のダイオード素子からの光
電流の平均値が対応する波長の受光信号として用いられ
る。これによれば分光器を設ける必要がないので装置が
小型になるという利点がある。
【0035】図示実施例では理解を容易にするため、フ
ォトダイオードが破断リングをなす島状のブロックとさ
れたものを示したが、より多数のフォトダイオードブロ
ックを設けて連続リング状とし、あるいはさらに法線か
らの角度方向にも密にフォトダイオードブロックを設け
ると、一層細分化された空間方向における状態測定情報
を得ることができる。なお、基本的には1空間方向を1
ダイオード素子で対応させることができるが、ブロック
として1方向に対して複数の素子を割り当てると精度が
向上し、とくに後分光方式とするときには素子数が多い
ほど波長分解能が高くなる。商品表面の色みなどについ
ての品質管理のツールとして生産現場で用いられるとき
には、その商品の形状や材料の特性に応じて、フォトダ
イオードブロックの配置密度やそれ自体の大きさが適宜
決定される。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は光を試料に照射
する出光部と複数の空間位置に配置された受光部とを備
える入射/受光ヘッドを用い、受光部からの受光信号を
演算器に入力して処理するようにしたから、試料からの
複数の空間方向における反射光の色データを一気に得る
ことができ、試料の熱変形や色素変化などの不具合を招
くことなく容易に異方性反射機能をもつ材料の反射光状
態を測定することができる。このため、自然生物だけで
なく、立毛製品などの服飾地、その他金属、樹脂を含む
工業製品などの開発、評価に用いて効果が大きい。
【0037】とくに第1の実施例によれば、受光部をフ
ォトダイオードブロックで構成し、入射/受光ヘッドに
は分光された光を導くようにしてあるから、前記各ブロ
ックを構成する複数の素子数は比較的少なくて済み、空
間方向の分解能が極めて高くできる利点がある。また第
2の実施例では、各フォトダイオードブロックを小単位
に分割して単位毎にその前面に所定波長の分光フィルタ
を設けたから、各単位からの受光信号は波長別の信号と
なり、入射/受光ヘッドの前に分光器を設ける必要がな
い。これにより装置全体が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】入射/受光ヘッドの構造を示す断面図である。
【図3】入射/受光ヘッドの斜視図である。
【図4】図2におけるA部詳細を示す断面図である。
【図5】図2の入射/受光ヘッドを曲面に適用した状態
を示す説明図である。
【図6】入射/受光ヘッドの変形例を示す断面図であ
る。
【図7】実施例における測定の流れを示すフローチャー
トである。
【図8】蝶翅片の分光反射特性を示す図である。
【図9】蝶翅片の分光反射特性を示す図である。
【図10】第2の実施例を示すブロック図である。
【図11】第2の実施例における受光部詳細を示す図で
ある。
【図12】従来の入射受光プローブを示す図である。
【符号の説明】
10 光源 11 分光器 12 集光器 13 光ファイバ 14 信号コード 15、15’ 演算器 16 表示器 20、20’、20” 入射/受光ヘッド 22 ケーシング 23、23’ リング 24 カバー 25 試料窓 30、30’ フォトダイオードブロック 40 出光部 42 筒体 44 カプラ 48 集光レンズ D1 、D2 、… 素子単位 d ダイオード素子 F1 、F2 、… 分光フィルタ H 法線 P 中心点 S 試料当接面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 洋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田中 信吾 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 熊沢 金也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 並木 秀男 東京都中野区大和町2丁目8番地7号 (72)発明者 秋本 眞喜雄 東京都町田市山崎町2200番地 山崎団地4 −11−104

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源の光を所定の波長に分光
    する分光器と、該分光器からの光を試料に照射する出光
    部および複数の空間位置に配置された受光部とを備える
    入射/受光ヘッドと、前記受光部からの受光信号を処理
    して試料からの複数の空間方向の色データを演算する演
    算器と、前記色データを出力する出力装置と有すること
    を特徴とする空間反射光の状態測定装置。
  2. 【請求項2】 前記入射/受光ヘッドは開口部に試料窓
    を有するケーシングを備え、前記受光部はそれぞれ複数
    の素子で構成されるフォトダイオードブロックからな
    り、該フォトダイオードブロックは前記試料窓に中心点
    を有する半球面上に位置してそれぞれ該中心点に向けて
    前記ケーシング内壁に支持され、前記出光部は前記試料
    窓の中心点を通る法線から所定の角度位置で前記中心点
    に向けてケーシングに設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の空間反射光の状態測定装置。
  3. 【請求項3】 光源と、該光源からの光を試料に照射す
    る出光部および複数の空間位置に配置された受光部とを
    備える入射/受光ヘッドと、前記受光部からの受光信号
    を処理して試料からの複数の空間方向の色データを演算
    する演算器と、前記色データを出力する出力装置と有
    し、前記入射/受光ヘッドは所定の波長別の受光信号を
    送出することを特徴とする空間反射光の状態測定装置。
  4. 【請求項4】 前記入射/受光ヘッドは開口部に試料窓
    を有するケーシングを備え、前記受光部はそれぞれ複数
    の素子で構成されるフォトダイオードブロックからな
    り、該フォトダイオードブロックは前記試料窓に中心点
    を有する半球面上に位置してそれぞれ該中心点に向けて
    前記ケーシング内壁に支持され、前記出光部は前記試料
    窓の中心点を通る法線から所定の角度位置で前記中心点
    に向けてケーシングに設けられているとともに、前記フ
    ォトダイオードブロックのそれぞれは複数単位に区分さ
    れ、該単位毎にその前面に所定波長の分光フィルタが設
    けられていることを特徴とする請求項3記載の空間反射
    光の状態測定装置。
  5. 【請求項5】半球状の椀型ケーシングを備え、該ケーシ
    ングの開口部に設けられ中央に試料窓を有する軟質カバ
    ーと、それぞれ複数の素子で構成され前記試料窓の中心
    点を中心とする半球面上に位置し前記中心点に向けてケ
    ーシングの内壁に支持された複数のフォトダイオードブ
    ロックと、前記試料窓の中心点を通る法線から所定の角
    度位置で前記中心点に向けて前記ケーシングに設けられ
    た出光部とを有し、前記フォトダイオードブロックは前
    記法線から所定間隔の観測角および前記法線を中心とす
    る所定間隔の方位角をもって配置されていることを特徴
    とする空間反射光測定用入射/受光ヘッド。
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