JPH0527251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は金属の鋳造装置に係り、特に石こう鋳
型を利用しての石こう鋳造に於いて鋳造後に鋳造
品表面から鋳型を除去するための石こう鋳型破砕
機に関するものである。

（従来技術） 試作或は多品質少量生産のための金属の精密鋳
造法の１つとして石こう鋳造法がある。

石こう鋳造法は製品形状のキヤビテイを形成し
た石こう鋳型に金属を注入して造形する鋳造法で
あるが、鋳造後の製品を得るための鋳型の破砕
は、従来はハンマー等の工具を利用して手作業に
よつて行つていた。

（考案が解決しようとする問題点） 石こう鋳型の破砕を手作業によつて行うと多く
の工数を要することは勿論のこと、製品に変形や
損傷を与え、更に製品形状が複雑な場合には表面
から鋳型を完全に除去することはなかなか困難で
あつた。

本考案は前記した如き現状に鑑み、石こう鋳型
の破砕を能率的にしかも製品に変形や何らの損傷
を与えることなく完全に行い得る装置を開発する
ため鋭意検討を重ねた結果創案されたものであ
る。

（問題点を解決するための手段） すなわち本考案は、被破砕物を配備する位置及
び方向を外部から調節可能に収容するため側板の
一面を作業用手袋の装着された作業穴を設けた透
明板とした密閉筐体と、高圧水を前記筐体内に噴
射するため天板を介して水平方向への移動と回転
とを可能に垂直に挿し込まれ、下端に複数の噴射
ノズルを有する高圧水噴射ヘツドを固着し、上端
を高圧水供給ホースにロータリージヨイントを介
して回転自在に接続した高圧水流通管と、該高圧
水噴射ヘツドを所定の高さ位置に調節した後自動
的に自転させつつ水平往復運動させるための前記
筐体の天板上に装着された水平移動機構と、該水
平移動機構に装着された高圧水流通管に対する上
下位置決め機構を有する支持機構並びに回転機構
とが配設されたことを特徴とする石こう鋳造に於
ける鋳型破砕機である。

（作用） 本考案は前記した如く構成されるもので、その
作用は先ず高圧水噴射ヘツドを被破砕物の所定の
上方位置に設定し、次いで高圧水噴射ヘツドを回
転させつつ水平に移行させて被破砕物に全体的に
高圧水を噴射すると共に形状によつては、作業穴
を介して被破砕物を手に保持して高圧水を当てる
ことにより、少ない噴射ヘツド数でいかに複雑な
形状の被破砕物であつても効果的に破砕作業を進
めることが出来ることである。

（実施例） 第１図及び第２図を基に本考案の実施例を説明
すると、１は被破砕物を収容するための筐体であ
り、該筐体１は噴射された高圧水の外部への飛散
を防ぐために密閉されていることが必要であり、
１つの側面は筐体内の状態を良く観察出来るよう
に透明板４にて覆い、該透明板４には筐体内に収
容された被破砕物を外部から取り扱うためゴム製
等の作業手袋３９が装着された作業穴４０が設け
られている。

更に筐体１の他の１つの側面は被破砕物の出し
入れを円滑に行わせるためゴム或はビニールの如
きフレキシブルシート３５で覆うが、この場合縁
部はシート３６とで２枚重ねとして密閉の完全化
を計る。

３３は操作盤であり、３８は筐体１内に噴射さ
れた高圧水及び該高圧水の噴射によつて破砕され
た石こう鋳型を外部に排出するための排出口であ
る。

水平移動機構について説明すると、筐体１にの
天板上に平行に立設された垂直支持板２の上端に
水平支持板３が固着され、該水平支持板３の下面
にはラツク１２が固着されている。

６は水平送り台５を該台５の下面に固着した軸
受を内蔵したハウジング部材８を介して嵌装した
水平送り軸であり、該水平送り軸６は両端部に嵌
着した歯車１３を前記ラツク１２とかみ合せると
共にコロ７を筐体１の上板上に平行に配設したガ
イドレール４１と係合させて装着されている。

また水平送り軸６に嵌着した歯車１０が水平送
りモータ１１の出力軸に固着した歯車９とかみ合
わされている。

高圧水流通管が支持される上下位置決め機構を
有する支持機構並びに回転機構について説明する
と、１４は上下調節組体であり、上板１６及び下
板１５に固着した案内ブツシユ１９を介して水平
送り台５上に立設された上下案内軸１７に嵌装さ
れると共に該案内軸１７の上端に固着した受板３
１に嵌合したハンドル３７が先端に固着した上下
調節ねじ１８が上板１６に配設された雌ねじに螺
合して装着されている。

２３は組立作業の便宜上Ａ，Ｂに２分割された
高圧水を通水するための高圧水流通管であり、高
圧水流通管Ａ２３ａが上下調節組体１４に上板１
６及び下板１５に固着した軸受３０を介して可動
自在に装着されており、該管２３ａに嵌着された
歯車２８が高圧水流通管回転用モータ２０の出力
歯車２９とかみ合わされている。

前記高圧水流通管Ａ２３ａは下端には先端に複
数の噴射ノズル２６を有する高圧水噴射ヘツド２
７が固着され筐体１内に挿入された高圧水流通管
Ｂ２３ｂが接手２５を介して固着され、上端には
高圧水供給用のホース２２に回転自在に接続する
ための、ロータリージヨイント２１が接手２４を
介して固着されている。

３４は高圧水発生装置（図示せず）からの高圧
水をホース２２、ロータリージヨイント２１を介
して高圧水流通管２３に供給するための上下調節
組体１４の上板１６に固着した接手である。

３２は水平送りの可動範囲を定めるためのリミ
ツトスイツチであり、水平送り台５が該リミツト
スイツチ３２に当接すると水平送り台５の移動は
停止し反転する。

前記した如く構成される破砕装置の操作は、先
ず筐体１に側部のフレキシブルシート３５をはが
して被破砕物を収容した後再びフレキシブルシー
ト３５にて該側部を密閉し、次いでハンドル３７
の操作により上下調節組体１４を上下させて高圧
水噴射ヘツド２７の位置を定める。

その後モータ２０の回転により高圧水流通管２
３を回転させると共にモータ１１の駆動によつて
水平送り台５を水平方向に往復運動させることに
より高圧水噴射ヘツド２７を回転させつつ水平運
動させて高圧水を被破砕物に噴射して鋳型の破砕
を行う。

高圧水噴射ヘツド２７を複数配備すると共に該
高圧水噴射ヘツドは複数の噴射ノズル２６を有
し、しかも回転しつつ水平運動するので被破砕物
に均一に高圧水を噴射することが可能であるが、
品物の形状によつてはこれでも高圧水を均一に噴
射することが困難な場合もある。

このような場合には筐体１の透明板部４から内
部を見ながら被破砕物を作業穴４０から手袋３９
を介して手持で自由に向きを変えたりすることに
より鋳型の破砕を効率良く進める。

（効果） 本考案は前記した如き構成及び作用を有するも
のであり、その効果は、高圧水噴射ヘツドは、被
破砕物との上下方向の距離をまず任意に調節した
後、自動的に回転しつつ往復運動するのでヘツド
の数が少なくても非常に広い範囲にわたつて高圧
水を噴霧でき、さらに、被破砕物を配備する位置
や方向の調節を作業中でも作業穴を通して任意に
できるので破砕作業を効果的に行えることであ
る。

この結果、比較的簡便で低コストの装置で、噴
射ヘツドの上下方向の位置決めと被破砕物の配備
方法の調節とを適宜手動で行いつつ自動的に鋳型
の破砕作業を進め、いかなる形状や大きさの被破
砕物であつても鋳型の破砕が効率良く行え、石こ
う鋳造の作業改善に大いに寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示す図で
ある。 １……筐体、４……透明板、５……水平送り
台、６……水平送り軸、１１……水平送りモー
タ、１４……上下調節組体、２０……回転モー
タ、２３……高圧水流通管、２６……噴射ノズ
ル、２７……噴射ヘツド、２８……回転歯車、２
９……出力歯車、３７……上下調節ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被破砕物を配備する位置及び方向を外部から調
   節可能に収容するため側板の一面を作業用手袋の
   装着された作業穴を設けた透明板とした密閉筐体
   と、高圧水を前記筐体内に噴射するため天板を介
   して水平方向への移動と回転とを可能に垂直に挿
   し込まれ下端に複数の噴射ノズルを有する高圧水
   噴射ヘツドを固着し上端を高圧水供給ホースにロ
   ータリージヨイントを介して回転自在に接続した
   高圧水流通管と、該高圧水噴射ヘツドを所定の高
   さ位置に調節した後自動的に自転させつつ水平往
   復運動させるための前記筐体の天板上に装着され
   た水平移動機構と、該水平移動機構に装着された
   高圧水流通管に対する上下位置決め機構を有する
   支持機構並びに回転機構とが配設されたことを特
   徴とする石こう鋳造における鋳型破砕機。