JPH05270250A - 車両用暖房装置 - Google Patents

車両用暖房装置

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JPH05270250A
JPH05270250A JP7091492A JP7091492A JPH05270250A JP H05270250 A JPH05270250 A JP H05270250A JP 7091492 A JP7091492 A JP 7091492A JP 7091492 A JP7091492 A JP 7091492A JP H05270250 A JPH05270250 A JP H05270250A
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JP
Japan
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gear
driven gear
vehicle heating
drive gear
viscous fluid
Prior art date
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Application number
JP7091492A
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English (en)
Inventor
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Nobuaki Hoshino
伸明 星野
Osamu Hiramatsu
修 平松
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンの始動により比較的迅速に車室内の暖
房を実現可能とし、かつ優れた搭載性と、製造コストの
低廉化とを同時に実現するとともに、電磁クラッチの早
期摩耗防止と、運転フィーリングの悪化防止とを可能と
する。 【構成・作用】駆動歯車8及び従動歯車9がFe系合金
製であり、密閉空間10がFe系合金より大きな熱膨張
率のAl系合金製で形成されている。このため、時間の
経過により密閉空間10を形成するシリンダブロック1
等の温度がある程度高くなれば、シリンダブロック1等
と駆動歯車8及び従動歯車9とに膨張による差を生じ、
摩擦及び内部エネルギーが低下して発熱量が小さく抑制
される。このため、不必要な発熱が抑制されることか
ら、電磁クラッチの解離・接続の頻度が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用暖房装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な車両用暖房装置は、エン
ジンの冷却に供された高温の循環水をラジエータへ供給
して冷却するとともに、その一部をヒータにも供給し、
ヒータにおいて高温の循環水から空気への熱交換を図
り、車室内に温風を供給する構成のものである。ヒータ
を経た循環水は、ラジエータからの帰還循環水とともに
再びエンジンの冷却に供される。
【0003】しかし、この一般的な車両用暖房装置で
は、エンジンを冷却する循環水が高温にならなければ車
室内に温風を供給することができず、特に寒冷地等の比
較的低温環境下では、エンジンの始動から車室内の暖房
の実現までに長時間を要してしまう。そこで、エンジン
の始動により比較的迅速に車室内の暖房を実現可能とす
べく、粘性流体継手をエンジンの冷却回路に接続した車
両用暖房装置も開発されている(特開平2−24682
3号公報、特開平2−254010号公報、特開平3−
57877号公報)。この車両用暖房装置における粘性
流体継手は、ハウジングと、このハウジング内に支承さ
れエンジンの駆動力が電磁クラッチを介して伝達される
入力軸と、ハウジング内で入力軸に固定され多数かつ大
面積の壁からなるラビリンス溝が形成されたロータと、
ハウジングに固着されロータのラビリンス溝と所定間隙
を有して嵌合するラビリンス溝が形成されたカバーとを
有し、ロータとカバーとの間にはシリコンオイル等の粘
性流体が封入されたものである。カバーとハウジングと
の間にはエンジンの冷却水が循環されている。この粘性
流体継手では、入力軸の回転によりロータが回転すれ
ば、ハウジングに固定されたカバーとの間に封入された
粘性流体がロータとカバーとの相対回転の攪拌及びせん
断により発熱するため、この熱がカバーとハウジングと
の間の循環水に伝達され、加熱された循環水がヒータに
より車室内の暖房に供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の車両用暖房装置では、粘性流体継手におけるロ
ータ及びカバーがそれぞれ多数かつ大面積の壁からなる
ラビリンス溝をもつため、肥大化してしまい、限られた
広さのエンジンルーム内での取り付けスペースが広くな
り、搭載性に不具合がある。また、この暖房装置では、
ロータ及びカバーの製造に複雑な加工を要し、製造コス
トも高騰してしまう。
【0005】そこで、本出願人は、エンジンの始動によ
り比較的迅速に車室内の暖房を実現可能であるととも
に、優れた搭載性と、製造コストの低廉化とを同時に実
現することのできる車両用暖房装置を提案した(特願平
3−286359号)。この車両用暖房装置は、エンジ
ンに連結された入力軸と、該入力軸に固着された駆動歯
車と、該駆動歯車と噛合する従動歯車とを有し、密閉空
間内において、該駆動歯車と該従動歯車との回転により
粘性流体を強制移送し、かつ吐出側から内部漏れによる
該粘性流体の逆流を許容し、該粘性流体を発熱させる歯
車ポンプ機構と、該歯車ポンプ機構を囲繞する外域に形
成され、該粘性流体の発生熱を循環水の温度上昇に変換
するウォータジャケットと、を具備するものである。
【0006】ところが、この車両用暖房装置では、時間
の経過により入水される循環水の温度が上昇し、必要以
上の水温上昇が乗員にとって不要であるとともにヒータ
コア等の破損にも通じることから、水温に上限と下限と
を設定し、電磁クラッチにより、設定上限水温で入力軸
の解離を行い、設定下限水温で入力軸の接続を行なう必
要がある。この場合、上記提案の車両用暖房装置では、
常に迅速かつ好適に熱交換が行われることから、電磁ク
ラッチの頻繁な解離・接続を要し、電磁クラッチの早期
摩耗、運転フィーリングの悪化等の原因になる。
【0007】本発明は、エンジンの始動により比較的迅
速に車室内の暖房を実現可能とし、かつ優れた搭載性
と、製造コストの低廉化とを同時に実現するとともに、
電磁クラッチの早期摩耗防止と、運転フィーリングの悪
化防止とを可能とすることを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用暖房装置
は、上記課題を解決するため、エンジンに連結された入
力軸と、該入力軸に固着された駆動歯車と、該駆動歯車
と噛合する従動歯車とを有し、密閉空間内において、該
駆動歯車と該従動歯車との回転により粘性流体を強制移
送し、かつ吐出側から内部漏れによる粘性流体の逆流を
促して、該粘性流体を発熱させる歯車ポンプ機構と、該
歯車ポンプ機構外域に形成され、該粘性流体の発熱を循
環水の温度上昇に変換するウォータジャケットと、を具
備し、前記密閉空間は、前記駆動歯車及び前記従動歯車
を形成する材料より大きな熱膨張率の材料により形成さ
れているという新規な構成を採用している。
【0009】密閉空間を形成する材料としてAl系合金
を採用し、駆動歯車及び従動歯車を形成する材料として
Fe系合金を採用することができる。
【0010】
【作用】本発明の車両用暖房装置では、エンジンにより
電磁クラッチを介して歯車ポンプ機構の入力軸が回転さ
れれば、密閉空間内において駆動歯車と従動歯車とが回
転する。このとき、駆動歯車と従動歯車とは粘性流体を
強制移送し、密閉空間内に粘性流体の吐出側と吸入側と
を生じさせる。また、内部漏れは、吐出側から吸入側へ
の粘性流体の逆流を生じさせる。このため、粘性流体
は、駆動歯車と従動歯車との間で攪拌かつせん断されて
摩擦を生じ、また生じる圧力差により内部エネルギーが
上昇され、発熱する。そして、この粘性流体の発熱は、
歯車ポンプ機構を囲繞する外域に形成されたウォータジ
ャケットによって循環水の温度上昇に変換される。加熱
された循環水はヒータにより車室内の暖房に供される。
【0011】このとき、この車両用暖房装置において
も、時間の経過により入水される循環水の温度が上昇
し、電磁クラッチにより、設定上限水温で入力軸の解離
が行われ、設定下限水温で入力軸の接続が行われる。し
かし、この車両用暖房装置では、密閉空間が駆動歯車及
び従動歯車を形成する材料より大きな熱膨張率の材料に
より形成されている。このため、密閉空間を形成する部
材の温度がさほど高くない始動直後では、その部材と駆
動歯車及び従動歯車とに膨張による差を生じず、常温時
での間隙が維持されて大きな摩擦及び内部エネルギーに
より大きな発熱量が確保され、時間の経過によりその部
材の温度がある程度高くなれば、その部材と駆動歯車及
び従動歯車とに膨張による差により軸方向及び周方向に
間隙が増大し、粘性流体の逆流時の抵抗が減少すること
により、摩擦及び内部エネルギーが低下して発熱量が小
さく抑制される。このため、不必要な発熱が抑制される
ことから、電磁クラッチの解離・接続の頻度が減少す
る。
【0012】したがって、この車両用暖房装置では、エ
ンジンの始動により比較的迅速に車室内の暖房を実現
し、かつ電磁クラッチの早期摩耗と運転フィーリングの
悪化とが防止される。また、この車両用暖房装置は、ラ
ビリンス溝と比較して小型でかつ加工が容易な駆動歯車
及び従動歯車をもつ歯車ポンプ機構を採用しているた
め、肥大化の抑制により優れた搭載性を発揮し、かつ製
造コストの低廉化が可能となる。
【0013】なお、この車両用暖房装置では、時間の経
過により密閉空間を形成する部材の温度がある程度高く
なれば、その部材と駆動歯車及び従動歯車とに膨張によ
る差を生じるため、駆動歯車及び従動歯車はその部材と
接触しにくく、駆動歯車、従動歯車及びその部材の摩
耗、焼付きも防止される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面を参
照しつつ説明する。この車両用暖房装置では、図1及び
図2に示すように、Al系合金製シリンダブロック1、
同フロントハウジング2及び同リアカバー3内に外接歯
車ポンプ機構Gが形成されている。すなわち、シリンダ
ブロック1内には繭状の密閉空間10が形成されてお
り、このシリンダブロック1の前端面はガスケット11
を介してフロントハウジング2によって閉塞され、シリ
ンダブロック1の後端面もガスケット12を介してリア
カバー3によって閉塞されている。フロントハウジング
2、シリンダブロック1、リアカバー3及びガスケット
11、12には計4個のボルト穴が貫設され、各ボルト
穴に螺合される計4本のボルト4によりこれらは締結さ
れている。
【0015】シリンダブロック1、ガスケット11及び
フロントハウジング2には、図1に示すように、密閉空
間10と連通する主軸孔が前後に貫設されており、この
主軸孔には前方に軸封装置5a、スリーブ13に保持さ
れた軸受5bを介し、後方に軸受5cを介してFe系合
金製入力軸5が支承されている。フロントハウジング2
から延設された入力軸5は図示しないエンジンに電磁ク
ラッチを介して連結されている。また、同シリンダブロ
ック1、ガスケット11及びフロントハウジング2には
密閉空間10と連通する副軸孔が主軸孔と平行に刻設さ
れており、この副軸孔には前方にスリーブ14に保持さ
れた軸受6aを介し、後方に軸受6bを介してFe系合
金製従動軸6が支承されている。
【0016】密閉空間10内では入力軸5に駆動歯車8
が一体的に形成され、同密閉空間10内では従動軸6に
駆動歯車8と噛合する従動歯車9が一体的に形成されて
いる。密閉空間10は、図2に示すように、駆動歯車8
と従動歯車9との噛合部位近傍において、各歯の集合す
る側が吐出室Dとされ、各歯の離散する側が吸入室Sと
されている。吸入室Sにはボルト15により閉塞される
注入孔15aが貫設されている。これら駆動歯車8と従
動歯車9との噛合部分及び駆動歯車8と従動歯車9と密
閉空間10の周壁との間には常温時で所定の間隙C0
維持され、この間隙C0 、吸入室S及び吐出室Dには注
入孔15aより注入した粘性流体としてのシリコンオイ
ルが充填されている。
【0017】また、上記外接歯車ポンプ機構Gの外域の
シリンダブロック1及びフロントハウジング2内には、
周方向で互いに連通する軸方向に4本のウォータジャケ
ットWが形成されている。なお、注入孔15aはリブ内
に貫設され、ウォータジャケットWとは連通しない。か
かるウォータジャケットWは、軸方向前方に入水ポート
16をもち、軸方向後方で入水ポート16と軸方向投影
面内の同一位相に出水ポート17をもつ。これら入水ポ
ート16及び出水ポート17は図示しないホースにより
ヒータとウォータポンプを介して接続され、循環水の循
環をなすように構成されている。入水ポート16に入水
される循環水の温度は図示しない温度センサにより検出
され、図示しないマイクロコンピュータに入力される。
マイクロコンピュータは電磁クラッチに接続されてい
る。
【0018】このように構成された車両用暖房装置で
は、電磁クラッチのONによりエンジンの回転が外接歯
車ポンプ機構Gの入力軸5に伝達されれば、密閉空間1
0内において駆動歯車8と従動歯車9とが一方向に回転
する。このとき、駆動歯車8と従動歯車9とはシリコン
オイルを強制移送し、シリコンオイルで密閉空間10内
の吐出室Dを高圧とし、吸入室Sを低圧とする。また、
間隙C0 は、内部漏れにより、吐出室Dから吸入室Sへ
のシリコンオイルの逆流を生じさせる。このため、シリ
コンオイルは、駆動歯車8と従動歯車9との間で攪拌か
つせん断されて摩擦を生じるとともに、間隙C0 を逆流
する際に生じる圧力差により内部エネルギーが上昇さ
れ、発熱する。そして、このシリコンオイルの発熱は、
シリンダブロック1を介してウォータジャケットW内の
循環水の水温上昇に変換される。加熱された循環水はヒ
ータにより車室内の暖房に供される。
【0019】時間の経過により必要以上の暖房が乗員に
とって不要等であるため、循環水の温度が設定上限水温
を超えれば、マイクロコンピュータの信号により電磁ク
ラッチがOFFされる。これにより、入力軸5の解離が
行われ、シリコンオイルの攪拌、せん断、内部エネルギ
ーの上昇が停止され、発熱が中止される。この後、発熱
の中止により循環水の温度が設定下限水温を下回れば、
マイクロコンピュータの信号により電磁クラッチがON
される。これにより、入力軸5の接続が行われ、シリコ
ンオイルの攪拌、せん断、内部エネルギーの上昇が再開
され、発熱する。
【0020】ここで、この車両用暖房装置では、シリン
ダブロック1、フロントハウジング2及びリアカバー3
がAl系合金製であり、駆動歯車8及び従動歯車9がそ
れぞれ入力軸5及び従動軸6とともにFe系合金製であ
り、Al系合金の熱膨張率がFe系合金の熱膨張率より
も大きいため、シリンダブロック1等の温度と駆動歯車
8及び従動歯車9の温度とにより、両者に熱膨張差を生
じる。すなわち、シリンダブロック1等の温度がさほど
高くない始動直後では、図3に示すように、シリンダブ
ロック1等と駆動歯車8及び従動歯車9とに膨張による
差を生じず、常温時での間隙C0 が維持されて大きな発
熱量が確保される。しかし、時間の経過により、シリン
ダブロック1等の温度がある程度高くなれば、図4に示
すように、シリンダブロック1等と駆動歯車8及び従動
歯車9とに膨張による差を生じ、常温時での間隙C0
り大きな間隙C1 が維持されて摩擦及び内部エネルギー
が低下し、発熱量が小さく抑制される。また、駆動歯車
8及び従動歯車9の両端面においても、熱膨張差によ
り、間隙は増大する。このため、不必要な発熱が抑制さ
れることから、電磁クラッチの解離・接続の頻度が減少
する。
【0021】かかる効果を確認するため、上記実施例と
しての車両用暖房装置と、シリンダブロック1、フロン
トハウジング2及びリアカバー3を入力軸5及び従動軸
6と同一のFe系合金製とした比較例の車両用暖房装置
を用意し、これらをエンジン冷却装置とは独立した冷却
回路に組み込み、入水ポート16に入水する循環水の水
温(℃)と発熱量(kW)との関係を求めた。なお、実
施例と比較例との暖房装置は上記材料の相違点を除い
て、他の構成は同一である。結果を図5に示す。図5よ
り、実施例の車両用暖房装置では、比較例の車両用暖房
装置と比較して、水温の上昇に応じて発熱量が抑制さ
れ、不必要な発熱が抑制されていることがわかる。
【0022】また、上記実施例の車両用暖房装置と、上
記比較例の車両用暖房装置とを同様にエンジン冷却装置
とは独立した冷却回路に組み込み、時間(分)と入水ポ
ート16に入水する循環水の水温(℃)との関係を求め
た。結果を図6に示す。図6より、実施例の車両用暖房
装置では、比較例の車両用暖房装置と比較して、電磁ク
ラッチの解離・接続の頻度を減少できることがわかる。
【0023】したがって、実施例の車両用暖房装置で
は、エンジンの始動により比較的迅速に車室内の暖房を
実現し、かつ電磁クラッチの早期摩耗と運転フィーリン
グの悪化とを防止できることがわかる。また、実施例の
車両用暖房装置では、不必要な発熱を抑制できるため、
シリコンオイルの早期劣化を防止できることもわかる。
さらに、実施例の車両用暖房装置では、ウォータジャケ
ットWを大きな比熱のAl系合金で形成しているため、
シリコンオイルの発熱を早期に循環水に変換することが
でき、運転初期の早期暖房により貢献することができ
る。
【0024】また、この車両用暖房装置は、上記従来公
報記載の車両用暖房装置におけるラビリンス溝と比較し
て、小型でかつ加工が容易な駆動歯車8及び従動歯車9
をもつ外接歯車ポンプ機構Gを採用しているため、肥大
化の抑制により優れた搭載性を発揮し、かつ製造コスト
の低廉化が可能となる。さらに、この車両用暖房装置で
は、時間の経過によりシリンダブロック1等の温度があ
る程度高くなれば、シリンダブロック1等と駆動歯車8
及び従動歯車9とに膨張による差を生じるため、駆動歯
車8及び従動歯車9はシリンダブロック1等と衝突しに
くく、かつこれらの間に存在するシリコンオイルが潤滑
油としても作用するため、駆動歯車8、従動歯車9及び
シリンダブロック1等の摩耗、焼付きも防止される。し
たがって、この車両用暖房装置では、優れた耐久性を発
揮することができる。
【0025】なお、上記実施例では、熱膨張率の差をA
l系合金とFe系合金とにより実現し、車両用暖房装置
の軽量化も実現しているが、Fe系合金とCu系合金と
の組合せ等の他の材料でも熱膨張率の差を実現でき、ま
たAl系合金同士であってもそれらのSi含有量を異な
らせて熱膨張率に差をつけることができることはいうま
でもない。また、上記実施例では、歯車ポンプ機構とし
て外接歯車ポンプ機構を採用したが、仕切り板を用いた
内接歯車ポンプ機構、トロコイド歯形による内接歯車ポ
ンプ機構を採用することもできる。また、粘性流体もシ
リコンオイルに限られず、一般的な作動油を使用するこ
ともできる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用暖
房装置では、歯車ポンプ機構とウォータジャケットとを
具備し、密閉空間を形成する材料が駆動歯車及び従動歯
車を形成する材料より大きな熱膨張率であるため、エン
ジンの始動により比較的迅速に車室内の暖房を実現で
き、かつ優れた搭載性と、製造コストの低廉化とを同時
に実現し、かつ電磁クラッチの早期摩耗防止と、運転フ
ィーリングの悪化防止とが可能である。
【0027】また、この車両用暖房装置では、密閉空間
を形成する部材と駆動歯車及び従動歯車とに生じる熱膨
張差により、これらの接触を防止することができ、優れ
た耐久性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車両用暖房装置に係る縦断面図であ
る。
【図2】実施例の車両用暖房装置を示し、図1のA−A
矢視図である。
【図3】実施例の車両用暖房装置に係り、始動直後の要
部を示す断面図である。
【図4】実施例の車両用暖房装置に係り、所定時間経過
後の要部を示す断面図である。
【図5】実施例の車両用暖房装置と比較例の車両用暖房
装置とにおける水温と発熱量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】実施例の車両用暖房装置と比較例の車両用暖房
装置とにおける時間と水温との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…シリンダブロック 2…フロントハウジング 3
…リアカバー 5…入力軸 8…駆動歯車 9
…従動歯車 10…密閉空間 D…吐出室 S
…吸入室 C…間隙 G…歯車ポンプ機構 W
…ウォータジャケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに連結された入力軸と、該入力軸
    に固着された駆動歯車と、該駆動歯車と噛合する従動歯
    車とを有し、密閉空間内において、該駆動歯車と該従動
    歯車との回転により粘性流体を強制移送し、かつ吐出側
    から内部漏れによる粘性流体の逆流を促して、該粘性流
    体を発熱させる歯車ポンプ機構と、 該歯車ポンプ機構を囲繞する外域に形成され、該粘性流
    体の発生熱を循環水の温度上昇に変換するウォータジャ
    ケットと、を具備し、 前記密閉空間は、前記駆動歯車及び前記従動歯車を形成
    する材料より大きな熱膨張率の材料により形成されてい
    ることを特徴とする車両用暖房装置。
JP7091492A 1992-03-27 1992-03-27 車両用暖房装置 Pending JPH05270250A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19680915T1 (de) * 1995-09-11 1997-10-16 Toyoda Automatic Loom Works Viskoheizung der Art mit einer variablen Kapazität
DE19723437A1 (de) * 1996-06-07 1997-12-11 Toyoda Automatic Loom Works Viskoheizgerät
WO1999011478A1 (fr) * 1997-09-02 1999-03-11 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Generateur de chaleur

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