JPH05270140A - 情報記録媒体及び情報記録再生方法 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録再生方法

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JPH05270140A
JPH05270140A JP5001917A JP191793A JPH05270140A JP H05270140 A JPH05270140 A JP H05270140A JP 5001917 A JP5001917 A JP 5001917A JP 191793 A JP191793 A JP 191793A JP H05270140 A JPH05270140 A JP H05270140A
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正行 飯嶋
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裕一 中易
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の情報記録媒体は、図1に示すように、
電極層13上に液晶相12を分散固定したアクリル樹脂
またはメタクリル樹脂11からなる情報記録層が積層さ
れた情報記録媒体であって、該アクリル樹脂またはメタ
クリル樹脂の重量平均分子量が1万〜10万のものとす
ることにより、静電情報を可視情報として永続的に記
録、保存することができ、またその可視情報は任意の時
間後に再生することができ、また、その可視情報は加熱
により容易に消去でき、再利用を可能とするものであ
る。 【効果】本発明の情報記録媒体は、静電情報を可視情報
として永続的に記録、保存することができ、またその可
視情報は任意の時間後に再生することができ、また、そ
の可視情報は加熱により容易に消去でき、再利用を可能
とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電情報を可視情報と
して記録、保存しうる情報記録媒体及びその情報記録再
生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、ワープロやラップトッ
プコンピューター等のOA機器用ディスプレイに使われ
るようになっている。これらは、液晶相を透明電極膜を
設けたガラス或いはプラスチック基板等の透明基板に挟
持したものであり、単独マトリックス或いはアクティブ
マトリックスを用いて両電極間に電圧を印加することに
より画像等の情報を表示するものである。この方式とし
ては代表的なTN型、STN型の他電流効果により動作
する動的散乱型、コレステリック−ネマチックの相転移
を利用したもの、更に最近では高分子と液晶を複合した
方式がある。
【0003】高分子樹脂にネマチック液晶を分散固定し
た素子は、液晶物質の常光屈折率と高分子樹脂の屈折率
を一致させることで電圧を印加して液晶物質の配向を電
圧印加方向に揃え、透明な状態とし、電圧が印加されて
いない時には液晶物質の配向が不揃いとなり、液晶物質
と高分子樹脂界面或いは分散固定された液晶相内で光を
散乱することで不透明な状態とし、透明、不透明により
表示するものである。高分子樹脂にネマチック液晶を分
散固定した液晶表示素子は、面積が大きくできる、応答
時間、特に立ち下がり時間が短い、偏光板を必要とせず
光の利用効率が高い、視野角が広く均一である、或いは
柔軟性がある等の特徴があり、近年窓の調光シート或い
は投射型ディスプレイなどへの利用が報告されている。
【0004】また、投射型ディスプレイ或いはコンピュ
ーターディスプレイ等への展開が図られ、最も多く使用
されているTN型或いはSTN型ディスプレイよりその
立ち下がり時間が1〜30msと短くできる利点があ
る。このような液晶表示素子は電極間にサンドイッチし
た状態で交流電圧を印加し、電圧のON−OFFにより
表示及び消去するものである。この際に電圧対光透過率
において、若干のヒステリシスが生じ、印加する交流電
圧の上昇時と下降時で透過率に差がでるとの報告もある
が、交流電圧を切った時点、無電圧印加では初期の透過
率すなわち不透明な状態に戻ってしまうものである。
【0005】また、画像等の情報を表示する方法として
は、マトリックス電極に挟持して画素毎にON−OFF
して表示する方法が一般的で、この他、画像状パターン
電極も用いられている。また、高分子と液晶の複合膜を
形成する際に、例えば紫外線硬化型の高分子材料を用い
て画像状の紫外線を照射するものがあるが、いずれも固
定された情報を点滅させるものである。一方、メモリー
性を有するものとしては、コレステリック−ネマチック
相転移を用いたものもあるが、この方式においては透明
電極間に液晶を挟持したサンドイッチ構造とするもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電極層上に
情報記録層を積層した構造を有し、静電情報を可視状態
で記録する情報記録媒体であって、その可視状態での記
録に永続性のある情報記録媒体及び情報記録再生方法の
提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録媒体
は、電極層上に液晶相を分散固定したアクリル樹脂また
はメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層されてな
り、該樹脂の重量平均分子量が1万〜10万のものであ
ることを特徴とする。
【0008】また、本発明の情報記録媒体は、電極層上
に液晶相を分散固定したアクリル樹脂またはメタクリル
樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂の重
量平均分子量が1万〜10万で、かつ酸価が2以上のも
のであることを特徴とする。
【0009】上記液晶相が、その使用環境温度でネマテ
ィック相あるいはコレステリック相であることを特徴と
する。
【0010】上記情報記録層が、情報記録前に、室温以
上で、かつ液晶の等方相転移温度以下の温度に加熱処理
されたものであることを特徴とする。
【0011】上記樹脂が、使用環境温度以上のガラス転
移温度を有するものであることを特徴とする。
【0012】上記情報記録層が電荷注入防止層を介して
電極層上に積層されたものであることを特徴とする。
【0013】また、本発明の情報記録再生方法は、電極
層上に液晶相を分散固定したアクリル樹脂またはメタク
リル樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂
の重量平均分子量が1万〜10万のものである情報記録
媒体と、電極層上に光導電層を設けた感光体とを対向配
置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光体或いは情報記
録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情報を
可視情報として記録保存し、任意の時間に再生すること
を特徴とする。
【0014】更に、本発明の情報記録再生方法は、電極
層上に液晶相を分散固定したアクリル樹脂またはメタク
リル樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂
の重量平均分子量が1万〜10万で、かつ酸価が2以上
のものである情報記録媒体と、電極層上に光導電層を設
けた感光体とを対向配置し、両電極間に電圧を印加しつ
つ感光体或いは情報記録媒体側から露光して静電情報記
録を行い、静電情報を可視情報として記録保存し、任意
の時間に再生することを特徴とする。
【0015】上記可視情報を透過光または反射光により
再生することを特徴とする。
【0016】図1は、本発明の情報記録媒体の断面を模
式的に説明するための図で、(a)は情報記録前の模式
図、(b)は情報記録後の情報記録媒体の情報記録再生
の状態を説明するための図、(c)は本発明の情報記録
媒体の他の例を示す図である。
【0017】図中3は情報記録媒体、11は樹脂、12
は液晶相、13は電極層、14は電荷保持層、15は支
持体、16は電荷注入防止層である。
【0018】まず、図1(a)に示すように、本発明の
情報記録媒体は、電極13上に液晶相12と樹脂11と
からなる情報記録層を積層した構造を有する。情報記録
層は、低分子の液晶材料12を樹脂11中に分散固定さ
せたものであり、液晶材料としては使用環境温度でネマ
ティック相、コレステリック相を示すネマチック液晶、
コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用する
ことができる。例えばネマチック材料としては、下記の
ようなものを使用できる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】尚、液晶材料を選ぶ際には、屈折率の異方
性の大きい材料の方がコントラストがとれるので好まし
い。
【0024】樹脂11は、アクリル系樹脂またはメタク
リル系樹脂であり、液晶材料と共通の溶媒に相溶性を有
する溶媒可溶型の樹脂、例えばアクリル酸メチル樹脂、
メタクリル酸メチル樹脂、またはこれらのエチルエステ
ル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル等のホモ
ポリマーが挙げられ、またアクリルニトリル樹脂等及び
これらの樹脂を主体とした共重合体が挙げられる。アク
リル系樹脂またはメタクリル系樹脂の重量平均分子量
は、1万〜10万のものが好ましい。樹脂の重量平均分
子量が10万以上であると溶媒への溶解性が悪化し、塗
布性が低下し、更にメモリー性の消失等の問題がある。
このようなアクリル樹脂としては、例えば三菱レイヨン
社製のBR−80、BR−83、BR−87、BR−5
2、BR−107、BR−106、BR−88、BR−
85、BR−100、BR−101、LR−1065、
LR−186、LR−143、LR−158、LR−1
77、LR−162、LR−167、LR−472、L
R−637、LR−574、LR−016、LR−15
5、LR−237、LR−254、LR−257、LR
−286、LR−1503、LR−1573、LR−1
589等が挙げられる。
【0025】また、アクリル系樹脂の酸価としては2以
上であるとよく、酸価が2未満であるとメモリー性が低
下する。また、そのガラス転移温度が情報記録媒体の使
用環境温度以上であるものを使用するとよく、使用環境
温度以下のものを使用すると、静電情報を記録しても情
報記録媒体がただちに白濁化し、メモリー性を有しな
い。
【0026】また、本発明の情報記録層においては、樹
脂の光屈折率と配向した液晶の光屈折率がほぼ等しくな
るように選択する必要があり、両者の屈折率が大きく異
なる場合には、液晶と樹脂との界面で反射及び散乱が起
こり、記録時の透明状態が得られない。
【0027】樹脂と液晶材料の合計量に対する液晶の使
用割合は30重量%〜60重量%とするとよい。液晶材
料の使用量が少ないと未記録時の透過性が高く、情報記
録して液晶相が配向してもコントラストが低く、またそ
の使用量が多過ぎても液晶の滲み出し等の現象が生じ、
またメモリー性の消去が生じるので好ましくない。
【0028】情報記録層の形成方法は、樹脂と液晶材料
とを溶媒に溶解し、その溶液を電極層上にブレードコー
ター、ロールコーター、或いはスピンコーター等の一般
的なコーターによりコーティングすることにより形成さ
れる。溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等を使用でき、固形分濃度30重量%〜60重
量%の塗布液に調整して、塗液とするとよい。情報記録
層の膜厚は乾燥後膜厚1μm〜40μm、好ましくは4
μm〜20μmとするとよい。
【0029】塗布層を加熱して溶媒を乾燥させる際に、
樹脂の固形化と共に液晶材料が相分離し、粒径サブμm
程度の液晶相として樹脂体中に分散固定化するものと思
われる。また、塗布液を乾燥させるにあたっては、液晶
材料がランダム状態、所謂等方相に転移する温度以下に
保持して溶媒を除去する必要がある。等方相に転移した
状態で樹脂が乾燥、固形化されると、液晶性が得られ
ず、電気光学効果が発現しなくなる。これは、乾燥時点
で温度が高いと液晶と樹脂体との充分な相分離状態が得
られず、樹脂と液晶が相溶した状態で乾燥されてしまう
ためと考えられる。
【0030】また、樹脂として未硬化の状態の放射線硬
化樹脂であって、モノマー、オリゴマーの状態で液晶材
料と相溶性を有する放射線硬化型樹脂、例えばアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル等を使用し、塗液を
乾燥後、放射線照射して硬化させ情報記録層としてもよ
い。
【0031】電極層13の材質は、比抵抗値が106 Ω
・cm以下であれば限定されなく、金属導電膜、酸化イン
ジウム錫(ITO)等の無機金属酸化物導電膜、四級ア
ンモニウム塩等の有機導電膜等である。このような電極
は支持体上、または情報記録層上に蒸着、スパッタリン
グ、CVD、コーティング、メッキ、ディッピング、電
解重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極
を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加
電圧により変化させる必要があるが、例えばITO膜で
は100〜3000Å程度であり、情報記録層との間の
全面、或いは情報記録層の形成パターンに合わせて形成
される。
【0032】このようにして形成される本発明の情報記
録媒体への情報記録は、後述する図2に示す情報記録方
法により、情報記録層表面に付与される情報電荷と情報
記録媒体における電極層との間に形成される電界によ
り、情報の記録部位に存在する液晶相を配向させて行わ
れるもので、情報記録後、図1(b)に示すように、例
えば透過光により情報を再生すると、情報記録部では樹
脂と液晶の光屈折率が同じであるために光Aは透過する
のに対して、情報を記録していない部位においては光B
は散乱し、情報記録部とのコントラストがとれるもので
ある。
【0033】支持体15は、情報記録媒体を強度的に支
持するものであり、情報記録層が支持性を有する場合に
は設ける必要がないが、情報記録層を支持することがで
きるある程度の強度を有していれば、その材質、厚みは
特に制限がなく、例えば可撓性のあるプラスチックフィ
ルム、或いは硝子、プラスチックシート等の剛体が使用
される。具体的には、情報記録媒体がフレキシブルなフ
ィルム、テープ、ディスク、カード形状をとる場合に
は、フレキシブル性のあるプラスチックフィルムが使用
され、強度が要求される場合には剛性のあるシート、ガ
ラス等の無機材料等が使用される。
【0034】尚、記録された情報を透過光により再生す
る場合には、支持体の他方の面には、必要に応じて反射
防止効果を有する層を積層するか、また反射防止効果を
発現しうる膜厚に支持体等を調整するか、更に両者を組
み合わせることにより反射防止性を付与してもよい。
【0035】従来の液晶表示素子は、電極間に液晶をサ
ンドイッチしたTN型、STN型の液晶セル或いは高分
子樹脂中に液晶相を分散固定したものであるが、このよ
うな素子においては両電極間での電圧を除去すると元の
状態に戻り、メモリー性がない。
【0036】しかしながら、本発明の情報記録媒体は、
情報記録層上の静電情報を液晶の配向により可視化した
状態で記録、保存するものであり、情報記録層表面に情
報を静電荷の形で記録することにより、情報を階調性を
持って記録し、保存できるものであり、また、一旦記録
された可視情報は静電荷を除去しても、加熱しない限り
消去されず、メモリー性を有する。
【0037】その詳細な理由は不明であるが、一般に液
晶相を樹脂中に分散させた情報記録層を2つの電極間に
サンドイッチした状態で直流電圧を印加すると、メモリ
ー性を示さず、電圧印加した瞬間に動作するが、誘電緩
和により短時間に透過率はほぼ初期状態に戻り、また、
電圧を除去した瞬間にも再び応答し、再度初期状態に戻
る。しかしながら、情報記録層の一方のみに電極層を有
する構造とし、情報記録層表面に静電情報を付与する
と、情報記録層表面樹脂中に静電情報が蓄積され、この
静電情報と情報記録媒体電極との間に形成される電界に
より、液晶相の配向を永続的に保持しうるものと考えら
れる。
【0038】本発明の情報記録媒体への情報記録方法と
しては、情報記録層表面に静電的に情報を記録しうるコ
ロナ帯電、または本発明の情報記録媒体をエアーギャッ
プを介して電極と対向させ、パターン状に両電極間に電
圧を印加することによりパッシェンの法則に基づく空気
放電あるいは電界形成を行わせ、静電情報を情報記録層
に記録することにより行われる。
【0039】また、本発明の情報記録媒体を光導電層を
有する感光体とエアーギャップを介して対向配置し、両
電極間に電圧印加しつつ、パターン露光を行い、情報露
光の強弱により階調性を持った静電情報を情報記録層に
記録することができる。
【0040】また、本発明者等は、本発明における情報
記録層におけるメモリー性は、情報記録に先立って、情
報記録層を室温以上で、かつ液晶物質が等方相に転移す
る温度以下に加熱することにより、更に向上することを
見出した。情報記録層を液晶物質が等方相に転移する温
度以上に加熱すると情報記録層は透明となり、液晶物質
が液晶性を示さなく、好ましくない。
【0041】この詳細な理由は不明であるが、情報記録
層における液晶相と樹脂体との界面の相互作用によりメ
モリー性が向上するのではないかと考えられ、界面の相
互作用がなくなる温度、すなわち界面の相互作用が大き
く変化する臨界温度まで一旦情報記録層を加熱した後、
これより若干低い温度、即ち界面の相互作用が大きい状
態として情報記録に供するのが良い。その加熱の程度
は、液晶と樹脂の種類、また組成比等により適宜設定さ
れる。この界面の相互作用は構造変化、或いは界面相互
作用の著しい変化に起因するものと思われ、冷却または
放置しても持続する。
【0042】本発明の情報記録媒体とパターン状に導電
層を形成した電極とをエアーギャップを介して対向さ
せ、情報記録層にパターン状に電圧を印加して静電情報
を情報記録層に付与すると、6μmの導電層のラインと
6μmのスペースのラインが交互に配列された部分で解
像していることが確認された。
【0043】また、解像度は情報記録媒体の膜厚と密接
に関係するが、本発明の情報記録媒体においては膜厚の
精度は情報記録層のコーティングの際に精度良く制御さ
れているため、電極間にサンドイッチするようなラミネ
ート方式あるいは封入方式のようにギャップ制御のため
のスペーサーを必要とせず、高解像度の情報を記録する
ことができ、欠陥は発生しない。
【0044】また、一度記録された可視化情報は、高分
子樹脂と分散固定された液晶相の界面の相互作用が大き
く変化する臨界温度以上に加熱することで消去され、情
報記録媒体を再使用することができる。また、液晶相の
等方相転移温度以上に加熱することでも可視化情報は消
去されるが、この場合には一度透明状態となるが、冷却
すると白濁して不透明な元の状態に戻る。
【0045】また、本発明の情報記録媒体においては、
図1(c)に示すように情報記録層11上に電荷保持層
14を設けることにより、記録時の情報電荷の減衰を抑
えて電界効果による液晶の配向性をより保持させること
ができる。この場合には、電荷保持層に蓄積される静電
情報を電気的にも再生することを可能とする。
【0046】このような電荷保持層は、静電荷の移動を
抑えるため高絶縁性樹脂からなるものであり、比抵抗で
1014Ω・cm以上の絶縁性、透明性が要求される。この
ような樹脂としては、弗素樹脂、例えばポリテトラフル
オロエチレン、弗素化エチレンプロピレン、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、またポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン樹脂、ポリパラキシリレン等を使用することもで
き、情報記録層上に蒸着、スパッタ法等により、または
溶剤に溶解させてコーティング、ディッピングすること
により層形成することができる。また上記ポリマーのフ
ィルムを接着剤等を介して貼着することにより層形成さ
せてもよい。膜厚は1μm〜40μmとするとよい。
【0047】また、図1(a)、(c)に示す情報記録
媒体において、電極層13と情報記録層11との間に電
荷注入防止層16を設けてもよい。電荷注入防止層は、
電極層からの電荷の注入を防止するもので、これにより
電極側の逆電荷の注入を抑えて電界を保持する効果があ
る。この電荷注入防止層は、上記電荷保持層形成材料と
同様なものを使用することができ、その膜厚は電荷のト
ンネリング現象を生じない膜厚、少なく共1000Å以
上の膜厚に積層するとよい。
【0048】又、電荷保持層及び/又は電荷注入防止層
中に光導電性微粒子又は導電性微粒子を含有させて用い
ることもできる。
【0049】次に、本発明の情報記録媒体への情報記録
再生方法について説明する。
【0050】図2は情報記録方法を説明するための図
で、図中1は感光体、5は光導電層支持体、7は感光体
電極、9は光導電層、17は電源である。
【0051】まず、1mm厚のガラスからなる光導電層支
持体5上に1000Å厚の酸化インジューム錫(IT
O)からなる透明な電極7を形成し、この上に10μm
程度の光導電層9を形成して感光体1を構成している。
【0052】同図(a)に示すようにこの感光体1に対
して、10μm程度の空隙を介して情報記録媒体3が配
置される。
【0053】次いで同図(b)に示すように電源17に
より電極7、13間に電圧を印加する。暗所であれば光
導電層9は高抵抗体である。
【0054】この状態で、感光体1側より光18が入射
すると、光が入射した部分の光導電層9は導電性を示し
低抵抗体となり、情報記録層に情報電荷が蓄積されると
共に、情報記録層における電荷蓄積部位において液晶の
配向が生じる。また予め均一なカブリ電荷がある場合で
も、光が入射した部分では更に電荷が蓄積されるので、
未露光部とのコントラストにより情報を記録することが
できる。
【0055】また、上記のように情報電荷の形成に際し
ては、液晶によっては低電圧で作動するものもあるの
で、印加電圧を設定するにあたっては感光体、空気ギャ
ップ、情報記録媒体間における電圧配分を適宜設定する
ことにより、情報記録層にかかる電圧配分をその作動電
圧領域に設定するとよい。尚、この情報記録媒体への記
録に際して、情報記録媒体を例えば電極層に電流を流し
て通電加熱により加熱し、よりメモリー性を向上させる
ことができる。
【0056】この情報記録方法は、面状アナログ記録が
可能であり、液晶粒子レベルでの配向が得られるので銀
塩写真法と同様に高解像度が得られ、また露光パターン
は液晶相の配向により可視像化されて保持される。この
情報入力方法としては高解像度静電カメラによる方法、
またレーザーによる記録方法がある。
【0057】情報光は感光体側から入射されてもよい
し、また情報記録媒体側から入射されてもよいものであ
る。まず高解像度静電カメラは通常のカメラに使用され
ている写真フィルムの代わりに、感光体1と、情報記録
媒体3とにより記録部材を形成するもので、機械的なシ
ャッタも使用しうるし、また電気的なシャッタも使用し
うるものである。
【0058】また、プリズム及びカラーフィルターによ
り光情報を、R、G、B光成分に分離し、平行光として
取り出しR、G、B分解した情報記録媒体3セットで1
コマを形成するか、または1平面上にR、G、B像を並
べて1セットで1コマとすることにより、カラー撮影す
ることもできる。
【0059】またレーザーによる記録方法としては、光
源としてはアルゴンレーザー(514.488nm)、
ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、半導体レー
ザー(780nm、810nm等)が使用でき、感光体
と情報記録媒体を面状で表面同士を密着させるか、一定
の間隔をおいて対向させ、電圧印加する。この状態で画
像信号、文字信号、コード信号、線画信号に対応したレ
ーザー露光をスキャニングにより行うものである。画像
のようなアナログ的な記録は、レーザーの光強度を変調
して行い、文字、コード、線画のようなデジタル的な記
録は、レーザー光のON−OFF制御により行う。また
画像において網点形成されるものには、レーザー光にド
ットジェネレーターON−OFF制御をかけて形成する
ものである。尚、感光体における光導電層の分光特性
は、パンクロマティックである必要はなく、レーザー光
源の波長に感度を有していればよい。
【0060】本発明の情報記録媒体への情報記録は、上
記のように感光体を使用しての情報記録の他に、コロナ
帯電、ピン電極、イオン流ヘッド、電子ビーム、或いは
イオン打ち込み等による書込みで、直接情報電荷を情報
記録層表面に付与してもよい。
【0061】また、本発明の情報記録媒体を、コロナ帯
電等により媒体全面を均一に帯電させ、液晶を配向さ
せ、媒体全体を透明状態とした後、サ−マルプリンター
等により、入力情報に応じて情報記録層における液晶相
の配向をランダム状態に戻し、散乱により不透明化させ
て情報を記録することもできる。更に、全面不透明な情
報記録媒体を数ブロックに分割し、例えばあるブロック
の情報記録層部を情報に応じた電界の作用により情報記
録可能なエリアとし、他のブロックを上記のごとく、透
明状態とした後、サ−マルヘッド等の加熱手段による情
報記録が可能なブロックとしてもよい。
【0062】液晶の配向により記録された情報は、目視
による読み取りが可能な可視情報であり、又、反射型の
投影機により拡大して読み取ることができ、更にはレー
ザースキャニング、或いはCCDを用いて反射光、或い
は透過光により読み取りをすることにより高精度で情報
を読み取ることができる。
【0063】
【作用及び発明の効果】本発明の情報記録媒体は、電極
層上に液晶相をアクリル系樹脂またはメタクリ系樹脂中
に分散固定した情報記録層を設けたものであり、情報電
荷に応じた液晶相の配向性が永続的に保持され、記録情
報がメモリー性を有するものである。また、このメモリ
ー性は、情報記録層上に電荷保持層を設けるか、また
は、電極層と情報記録層との間に電荷注入防止層を設け
ることにより、情報記録層における液晶相の配向性、即
ち、可視情報の保存性を高め、情報記録の永続性を高め
ることができる。更に、電荷保持層を設けることによ
り、電荷保持層に記録された静電情報を電気的にも再生
することができ、情報を電気的にも再生しうるものであ
る。
【0064】本発明の情報記録媒体は、液晶を高分子中
に分散して情報記録層とするものであるが、簡便に電気
光学効果が得られるものであり、アナログ情報を記録、
メモリーできるものである。情報記録層における液晶相
は、情報電荷による電界のかからない状態では光散乱に
より不透明であり、情報電荷が付与された部位では電界
の作用により液晶相が配向し、その光屈折率と樹脂の光
屈折率とをほぼ同じものとしておくことにより情報記録
部を透明状態とし、偏光板を用いなくても散乱光と透過
光のコントラストにより記録情報を再生することがで
き、読み取りに際しての光学系が単純化しうるものであ
る。
【0065】更に、本発明の情報記録媒体は、情報記録
層をコーティング技術により均一に薄膜化しうるので、
情報記録層表面における情報電荷と導電層とのギャップ
を均一に小さく取ることができ、大面積の情報記録媒体
の作製が可能であり、高解像度の像を記録、再生するこ
とができる。
【0066】以下、実施例を説明する。
【0067】
【実施例1】シアノビフェニル系液晶(メルク社製 E4
4 、Δn=0.262、N−I転移100℃)0.3g
と、アクリル系樹脂PMMA(三菱レイヨン(株)製、
BR−83、Tg=105℃、重量平均分子量4万、酸
価2)0.2g とをクロロホルム中に溶解して15重量
%溶液を調整し、この溶液を1mm厚のガラス基板上にス
パッタ法により酸化インジュウム錫(ITO)電極を1
000Åの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上
に、ブレードコーターで塗布し、80℃に保持したオー
ブンで1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製し
た。情報記録層の膜厚は6μmであった。
【0068】
【実施例2】シアノビフェニル系液晶(メルク社製 E4
4 、Δn=0.262、N−I転移100℃)0.3g
と、アクリル系樹脂PMMA(三菱レイヨン(株)製、
BR−87、Tg=105℃、重量平均分子量2万5
千、酸価10.5)0.2g とをクロロホルム中に溶解
して15重量%溶液を調整し、この溶液を1mm厚のガラ
ス基板上にスパッタ法により酸化インジュウム錫(IT
O)電極を1000Åの膜厚で積層して形成したガラス
基板の電極上に、ブレードコーターで塗布し、80℃に
保持したオーブンで1時間乾燥し、本発明の情報記録媒
体を作製した。情報記録層の膜厚は6μmであった。
【0069】
【実施例3】シアノビフェニル系液晶(メルク社製 E4
4 、Δn=0.262、N−I転移100℃)0.3g
と、アクリル系樹脂PMMA(三菱レイヨン(株)製、
BR−80、Tg=105℃、重量平均分子量9万5
千、酸価0)0.2g とをクロロホルム中に溶解して1
5重量%溶液を調整し、この溶液を1mm厚のガラス基板
上にスパッタ法により酸化インジュウム錫(ITO)電
極を1000Åの膜厚で積層して形成したガラス基板の
電極上に、ブレードコーターで塗布し、80℃に保持し
たオーブンで1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作
製した。情報記録層の膜厚は6μmであった。
【0070】
【実施例4】シアノビフェニル系液晶(メルク社製 E4
4 、Δn=0.262、N−I転移100℃)0.3g
と、三菱レイヨン(株)製のLR−343(固形分30
%トルエン溶液)(アクリル系樹脂PMMA、Tg=1
05℃、重量重量平均分子量10万、酸価2)0.67
g とをクロロホルム中に溶解して15重量%溶液を調整
し、この溶液を1mm厚のガラス基板上にスパッタ法によ
り酸化インジュウム錫(ITO)電極を1000Åの膜
厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレード
コーターで塗布し、80℃に保持したオーブンで1時間
乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層
の膜厚は6μmであったが、塗りムラが発生した。
【0071】
【実施例5(比較例)】シアノビフェニル系液晶(メル
ク社製 E44 、Δn=0.262、N−I転移100
℃)0.3g と、アクリル系樹脂PMMA(三菱レイヨ
ン(株)製、BR−100、Tg=105℃、重量平均
分子量12万、酸価0)0.2g とをクロロホルム中に
溶解して15重量%溶液を調整し、この溶液を1mm厚の
ガラス基板上にスパッタ法により酸化インジュウム錫
(ITO)電極を1000Åの膜厚で積層して形成した
ガラス基板の電極上に、ブレードコーターで塗布し、8
0℃に保持したオーブンで1時間乾燥し、本発明の情報
記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は6μmであっ
たが、塗りムラが発生した。
【0072】
【実施例6】シアノビフェニル系液晶(メルク社製 E4
4 、Δn=0.262、N−I転移100℃)0.3g
と、アクリル系樹脂PMMA(三菱レイヨン(株)製、
BR−52、Tg=105℃、重量平均分子量8万5
千、酸価0)0.2g とをクロロホルム中に溶解して1
5重量%溶液を調整し、この溶液を1mm厚のガラス基板
上にスパッタ法により酸化インジュウム錫(ITO)電
極を1000Åの膜厚で積層して形成したガラス基板の
電極上に、ブレードコーターで塗布し、80℃に保持し
たオーブンで1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作
製した。情報記録層の膜厚は6μmであった。
【0073】
【実施例7】上記実施例1〜6で得られた情報記録媒体
の情報記録層表面を、コロナ帯電によりパターン状に正
又は負帯電させ、室温条件下で5日間放置した後、可視
紫外分光器(島津製作所製UV−240)を用いて、帯
電部分と未帯電部分における900nmでの光透過率
(%)を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】この表からわかるように、本発明の情報記
録媒体は、正又は負帯電共に透過率の保持性能が良好で
あることがわかる。
【0076】次に、上記実施例1〜6で得られた情報記
録媒体の情報記録層面を、コロナ帯電によりパターン状
に正又は負帯電させた後、加熱ステージ付偏向顕微鏡
(オリンパス(株)製)を使用し、5K/minの昇温
速度で加熱し、透過状態から散乱状態に戻る温度を測定
することにより、記録情報の消去温度(℃)を測定し
た。その結果を下記表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】このように、本発明の情報記録媒体は、表
面電荷により記録層中の液晶相が配向し、その記録は永
続性を有することが確認され、またその記録は加熱する
ことにより消去しうることがわかる。
【0079】
【実施例8】実施例2において、樹脂/液晶(重量比)
が2/1、3/2、1/1、2/3、1/2の割合の情
報記録層とした以外は、具体例2同様にして情報記録媒
体を作成した。
【0080】各媒体の情報記録層面を、コロナ帯電によ
りパターン状に正又は負帯電させた後、加熱ステージ付
偏向顕微鏡(オリンパス(株)製)を使用し、5K/m
inの昇温速度で加熱し、透過状態から散乱状態に戻る
温度を測定することにより、記録情報の消去温度(℃)
を測定した。その結果を下記表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】このように、本発明の情報記録媒体は、表
面電荷により記録層中の液晶相が配向し、その記録は永
続性を有することが確認され、またその記録は加熱する
ことにより消去しうることがわかる。
【0083】
【実施例9】実施例1の記録媒体を作製したそのままの
状態のものと、記録媒体をオーブンにより約80℃に加
熱したものの2種類について、それぞれコロナ帯電によ
り負帯電させた。
【0084】これらの各媒体について、帯電直後、及び
室温条件下で5日間放置した後の帯電部分の、900n
mでの光透過率(%)を可視紫外分光器(島津製作所
製、UV−240)により測定し、情報記録媒体を記録
前に加熱することによる効果について検討した。測定結
果を下表に示す。
【0085】
【表4】
【0086】表からわかるように、記録前に情報記録媒
体を加熱することによりメモリー性が良くなることがわ
かる。加熱温度は高い方が好ましいが、樹脂のガラス転
移温度以上に加熱すると、樹脂と液晶相とが相溶し十分
なコントラストが得られなくなる。
【0087】次に、情報を記録した記録媒体を70℃に
加熱したところ、情報記録部における透明性がなくなり
白色不透明になり、情報は消去された。
【0088】
【実施例10】 (感光体の作製)充分洗浄した厚さ1.1mmのガラス基
板上に、膜厚1000ÅのITO膜をスパッタ法により
成膜し、電極層を得た。
【0089】その電極上に、電荷発生剤として下記構造
【0090】
【化5】
【0091】を有するフルオレノンアゾ顔料(日本感光
色素社製)3重量部、ポリエステル樹脂(東洋紡社製、
バイロン200)1重量部、1,4−ジオキサン98重
量部、アノン98重量部とを混合し、ペイントシェーカ
ーにて6hr分散して塗工液とし、スピンナーにて14
00rpm、0.4secでコーティングした後、10
0℃、1hr乾燥して、膜厚3000Åの電荷発生層を
積層した。
【0092】この電荷発生層上に、電荷輸送剤として下
記構造
【0093】
【化6】
【0094】のパラジメチルスチルベンを25重量部、
ポリスチレン樹脂(デンカ社製、HRM−3)5重量
部、1,1,2−トリクロロエタン102重量部、ジク
ロロメタン68重量部とを混合した塗工液を、スピンナ
ーにて300rpm、0.3msecでコーティングし
た後、80℃、2hr乾燥して電荷輸送層を積層し、電
荷発生層と電荷輸送層とからなる膜厚20μmの光導電
層を形成して感光体を作製した。
【0095】この感光体と、実施例1で作製した情報記
録媒体とを図2に示すように、9μmの空隙を介して対
向配置し、感光体、情報記録媒体両電極間に感光体側を
正として750V印加し、0.1秒間、グレースケール
を投影露光し、露光部と未露光部の光透過率を実施例7
同様に測定したところ、露光情報に応じた記録がなしう
ることを確認した。
【0096】また、グレースケールに代えて、銀塩写真
のネガ画像を投影露光し、得られた情報記録媒体をフィ
ルムスキャナー(商品名:LS−3500、ニコン社
製)を使用して読み取りプリンターで打ち出したとこ
ろ、銀塩写真のネガ画像が対応した諧調性を有するポジ
画像を再現できた。
【0097】
【実施例11】実施例1と同様にして作製した記録媒体
を、ガラス上に6μmラインを6μmのスペースを介し
て配した、パターン状電極と対向配置し、記録媒体の電
極とバターン電極の両端に、750V,0.1secの
直流電圧を印加したところ、記録媒体上に、6μmのラ
インとスペースが解像していることが確認された。ま
た、この記録媒体を水に漬け、電荷を除去した後も解像
度を維持していることを確認した。
【0098】
【実施例12】実施例1と同様にして形成した情報記録
層上に、弗素樹脂(商品名:サイトップ、旭硝子(株)
製)の5%弗素系溶液をスピンコート(1500rp
m:30秒)により塗布した後、室温で1日放置した
後、80℃の真空オーブン中で乾燥することで膜厚約
0.5μmの電荷保持層を形成し、本発明の情報記録媒
体を作製した。この情報記録媒体に実施例10と同様に
して静電情報を記録したところ、同様に記録できること
が確認された。この情報記録媒体を室温中で20日間放
置した後も可視像が維持され、又情報電荷としても表面
電位計で読み取ることができた。
【0099】
【実施例13】実施例1同様にして形成した情報記録層
上にロジンエステル樹脂(理化ハーキュレス(株)製、
ステベライトエステル10)の20%ヘキサン溶液をス
ピンコート(2000rpm、30秒)により塗布した
後、60℃のオーブン中で2時間乾燥し、膜厚約0.7
μmの電荷保持層を形成した。次いで、この電荷保持層
面に真空蒸着機(真空機工(株)製VPC−410)を
用いて、a−Se微粒子を以下の条件で蒸着した。
【0100】まず、真空チャンバー内の加熱用基板ホル
ダーに上記媒体のガラス面が接触するように固定し、真
空度6torrにした状態で基板ホルダーを70℃に加熱
し、抵抗加熱法によりa−Seを微粒子の形状で電荷保
持層表面近傍に設け、本発明の情報記録媒体を作製し
た。次に、実施例10と同様にしてこの情報記録媒体に
静電情報を記録したところ、同様の記録を行うことがで
きた。
【0101】又、この情報記録媒体を室温中20日放置
した後も可視像が維持されていると共に表面電位も表面
電位計により再生でき、維持されていることがわかっ
た。
【0102】
【実施例14】1mm厚のガラス基板上にスパッタ法によ
り酸化インジュウム錫(ITO)電極を1000Åの膜厚で積
層して形成したガラス基板の電極上に、弗素樹脂(商品
名:サイトップ、旭硝子(株)製)の5%弗素系溶液を
スピンコート(1500rpm:30秒)により塗布し
た後、室温で1日放置した後、150℃のオーブン中で
3時間乾燥することで膜厚約0.5μmの層を形成し、
この表面をプラズマ処理し、次いで、この電荷注入防止
層上に、実施例1同様に膜厚6μmの情報記録媒層を形
成し、本発明の情報記録媒体を作製した。この情報記録
媒体に、実施例10と同様にして静電情報を記録したと
ころ、同様に記録しうることが確認できた。
【0103】また、この情報記録媒体における情報記録
層上に弗素樹脂(商品名:サイトップ、旭硝子(株)
製)の5%弗素系溶液をスピンコート(1500rp
m:30秒)により塗布した後、室温で1日放置した
後、80℃の真空オーブン中で乾燥することで膜厚約
0.5μmの電荷保持層を形成し、本発明の情報記録媒
体を作製した。次いで実施例10同様に静電情報を記録
をしたところ、同様に記録できることを確認した。
【0104】又、この情報記録媒体を室温中20日放置
した後も可視像が維持されていると共に表面電位も表面
電位計により再生でき、維持されていることがわかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の情報記録媒体の模式断面図
で、(a)は情報記録前の模式図、(b)は情報記録後
の情報記録媒体の情報記録再生の状態を説明するための
図、(c)は本発明の情報記録媒体の他の例を示す図で
ある。
【図2】図2は、感光体を使用した情報記録方法を説明
するための図である。
【符号の説明】
1は感光体、5は支持体、7は電極層、9は光導電層、
3は情報記録媒体、11は樹脂、12は液晶相、13は
電極層、14は電荷保持層、15は支持体、16は電荷
注入防止層を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層上に液晶相を分散固定したアクリ
    ル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層
    された情報記録媒体であって、該アクリル樹脂またはメ
    タクリル樹脂の重量平均分子量が1万〜10万のもので
    あることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 電極層上に液晶相を分散固定したアクリ
    ル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層
    された情報記録媒体であって、該アクリル樹脂またはメ
    タクリル樹脂の重量平均分子量が1万〜10万で、かつ
    酸価が2以上のものであることを特徴とする情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 電極層上に液晶相を分散固定したアクリ
    ル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層及び電
    荷保持層が順次積層された情報記録媒体であって、該ア
    クリル樹脂またはメタクリル樹脂の重量平均分子量が1
    万〜10万のものであることを特徴とする情報記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 液晶相が、その使用環境温度でネマティ
    ック相あるいはコレステリック相である請求項1〜請求
    項3の何れか一つに記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 情報記録層が、情報記録前に、室温以上
    で、かつ液晶の等方相転移温度以下の温度に加熱処理さ
    れたものである請求項1〜請求項3の何れか一つに記載
    の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 樹脂が、使用環境温度以上のガラス転移
    温度を有するものである請求項1〜請求項3の何れか一
    つに記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 情報記録層が電荷注入防止層を介して電
    極層上に積層されたものである請求項1〜請求項3の何
    れか一つに記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 電極層上に液晶相を分散固定したアクリ
    ル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層
    された情報記録媒体であって、該樹脂の重量平均分子量
    が1万〜10万のものである情報記録媒体と、電極層上
    に光導電層を設けた感光体とを対向配置し、両電極間に
    電圧を印加しつつ感光体或いは情報記録媒体側から露光
    して静電情報記録を行い、静電情報を可視情報として記
    録保存し、任意の時間に再生することを特徴とする静電
    情報記録再生方法。
  9. 【請求項9】 電極層上に液晶相を分散固定したアクリ
    ル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層
    された情報記録媒体であって、該樹脂の重量平均分子量
    が1万〜10万で、かつ酸価が2以上のものである情報
    記録媒体と、電極層上に光導電層を設けた感光体とを対
    向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光体或いは情
    報記録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情
    報を可視情報として記録保存し、任意の時間に再生する
    ことを特徴とする静電情報記録再生方法。
  10. 【請求項10】 可視情報を透過光または反射光により
    再生することを特徴とする請求項9記載の静電情報記録
    再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007304187A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 光アドレス型表示媒体の書き込み方法およびそれに用いる外光遮断部材、並びに光アドレス型表示媒体の書き込み装置

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