JPH05269624A - 放電加工用水性液の処理法 - Google Patents
放電加工用水性液の処理法Info
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- JPH05269624A JPH05269624A JP6735692A JP6735692A JPH05269624A JP H05269624 A JPH05269624 A JP H05269624A JP 6735692 A JP6735692 A JP 6735692A JP 6735692 A JP6735692 A JP 6735692A JP H05269624 A JPH05269624 A JP H05269624A
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Abstract
欠なイオン交換処理におけるイオン交換樹脂の寿命を長
くする。 【構成】 放電加工用水性液を当初からイオン交換樹脂
全体とイオン交換反応させて、放電加工用水性液をその
電気伝導度が0.2〜100μS/cmになるまでイオ
ン交換する。 【効果】 イオン交換樹脂の寿命が従来の方法に比較し
て約10倍、場合によってはそれ以上に、長くなる。
Description
換処理に用いるイオン交換樹脂などの寿命を著しく長く
することができる放電加工用水性液の処理法に関する。
のみイオン交換処理で除去し、放電加工に無害なイオン
にに由来する電気伝導度を0.2〜100μS/cmに
する放電加工用水性液の処理法に関する。
加工では、放電が絶縁性媒体中で行われ、火災発生の危
険性が無人工場での連続運転でもないということで、水
性放電加工液(不燃性放電加工液と呼ばれることがあ
る)が絶縁性媒体に用いられている。
称することがある)は、ワイヤカット放電加工には水
が、形彫りなどの放電加工では水溶液(放電加工効率を
向上する水溶性物質を溶解した水溶液)がそれぞれ用い
られている。
ヤを通し、放電点付近に加工液をかけて絶縁しながワイ
ヤと被加工物との間で放電させ、ワイヤで被加工物を所
定形状に加工する方法である。
語には、上述のように放電加工に用いる水または水溶液
が含まれる。
には、純水(イオン交換樹脂で処理した水)を使用する
のが理想であるが、工業的な観点、労力の低減および操
作の簡便化などの観点から水道水を純水に混ぜたものを
使用するのが一般的である。
した水性加工液は、電気伝導度が大きくなってそのまま
では再使用できないので、一部の水性加工液をイオン交
換樹脂層を通して流下させる処理(以下固定床法による
処理という)をして電気伝導度を著しく低下させてから
それを全体の液に混入させて再使用している。
液をそのまま捨てることも考えられるが、それではラン
ニングコストが上昇するからである。また、水道水と純
水との混合水を使用する場合には、放電加工装置および
被加工物が塩素イオンに常時さらされてそれらにピッチ
ング・コロージョン(針穴状電気腐蝕)が生じやすい。
ピッチング・コロージョンを受けた被加工物は、欠陥品
となって著しい損害を受けることになる。
は、放電加工に一度使用した水性加工液をイオン交換樹
脂による処理をしてから再使用している。イオン交換樹
脂による処理は加工液中の大きな固体状物質を濾過で除
去してから行うのが一般的である。
体製造用の水処理、あるいは原子力発電用の水処理に用
いる高品質グレード(著しく高価なグレードでもある)
の樹脂が通常用いられ、イオン交換樹脂層を所定の空間
速度で加工液を流下させる方法(いわゆる固定床法)が
採用されており、それ以外の方法は用いられていない。
ードの樹脂が水性加工液のイオン交換処理で一般的なグ
レードの樹脂よりも大きなイオン交換容量を有している
こと、ワイヤカット放電加工で加工液に混入する物質
(構造が特定されていない物質が殆ど)を捕捉するのに
適しているこおよび一度加工液の処理に使用したイオン
交換樹脂を再生使用すると、イオン交換樹脂から放電加
工に有害な物質が漏出することが放電加工の業界で一般
的に認識されているからである。
換樹脂の使用の態様は、イオン交換樹脂を再生使用でき
ないという点で、イオン交換樹脂の使用の態様としては
特殊なものである。
の処理は、イオン交換器に入ったほとんどのイオンをイ
オン交換樹脂により捕捉するので、少量の加工液の処理
で破過点に達してしまい、イオン交換樹脂の寿命(加工
液の処理に使用することができる時間)が短かった。
ての加工液の処理量が少ないということで、工業的実施
段階でのワイヤカット放電加工が経済的および技術的に
不利になるという問題点があった。
加工液は、純水に放電加工効率を向上させる水溶性物質
(例えば、加工液の電極消耗率を低下させるために添加
する水溶性高分子など)を溶解した水溶液が一般的に使
用されている。
査、精製工程で除去しきれなかった重合工程で使用した
電離性物質(例えば、酸、アリカリあるいは塩など)が
微量ではあるが残存しているので、水溶性高分子などを
溶解した水溶液の電気伝導度は一般に大きいということ
で、放電加工に使用する前には、その水溶液を固定床法
によるイオン交換処理をして電離性物質由来のイオンを
全て除去していた。
性加工液(水溶液)は電気伝導度が大きくなって、イオ
ン交換処理をしないと再使用できないということはワイ
ヤカット放電加工の場合と同様であるので、その場合も
固定床法によるイオン交換処理をしていた。
の種類および量が、ワイヤカット放電加工の場合よりも
著しく多いので、放電加工中に水溶液に混入した物質が
有機酸および(または)エステルを生成しやすく、一度
使用した水溶液をイオン交換処理する場合のイオン交換
樹脂単位量当たり水溶液処理量は、ワイヤカット放電加
工の場合よりも少なかった。
加工液の処理では、イオン交換樹脂の寿命がより短く、
放電加工のランニングコストがより上昇して経済的に不
利であり、放電加工の長時間の連続運転では何本ものイ
オン交換樹脂を用意して切り替えて使用する必要がある
ので、使用済のイオン交換樹脂を新しい樹脂と頻繁に交
換しなければならないという繁雑な操作を必要とすると
いう問題点もあった。
および技術的不利が生じるという問題点は、ワイヤカッ
ト放電加工の場合よりも大きかった。
オン交換処理法、すなわち固定床法によるイオン交換処
理法、では、そのイオン交換処理の操作条件を変えなけ
れば、上述の問題点が解決できないということが本発明
者により見出だされた。
加工液の処理量を大きくして、上述の経済上および技術
上の問題点を解決することが、従来の固定床法によるイ
オン交換処理法とは、全く異なるイオン交換処理操法に
より実現しうることが、本発明者により見出だされた。
単位量当たり水性加工液の処理量を大きくして、すなわ
ちイオン交換樹脂の寿命を長くして、上述の工業的実施
段階において生ずる様々の経済上および技術上の問題点
を解決すること、を目的とする。
法は、放電加工用水性液を当初からイオン交換樹脂全体
とイオン交換反応させて、放電加工用水性液をその電気
伝導度が0.2〜100μS/cmになるまでイオン交
換すること、を特徴とする。
樹脂を分散した水溶性物質40〜95重量%(水と該水
溶性物質との合計重量基準)を含む水溶液からなる放電
加工用水性液を攪拌し、該放電加工用水性液が電気伝導
度が0.2〜10μS/cmになるまで回分式にイオン
交換処理すること、を特徴とする。
40〜80重量%(水と該水溶性物質との合計重量基
準)を含む水溶液からなる放電加工用水性液中にイオン
交換樹脂を静止状態で保持して、該放電加工用水性液を
攪拌し、該放電加工用水性液が電気伝導度が0.2〜1
0μS/cmになるまで回分式にイオン交換処理するこ
と、を特徴とする。
使用した放電加工用水性液の液流によりイオン交換樹脂
を浮游あるい運動させ、その浮游あるい運動するイオン
交換樹脂と放電加工用水性液の液流との接触により、そ
の液流を電気伝導度が0.2〜100μS/cmになる
までイオン交換処理することすること、を特徴とする。
液のイオン交換処理においてそこで用いるイオン交換樹
脂の寿命を長くすることができる方法であって、下記
(イ)および(ロ)に記載された事象および水性加工液
のイオン交換で生ずるイオン移動の特異な事象が本発明
者により見出だされ、それらを基礎としてなされたもの
である。 (イ)水性加工液中のイオンは、放電加工に無害な種類
のものがあり、かつ、無害なイオンに由来するものであ
れば、加工液が0.2〜100μS/cm程度の電気伝
導度にイオン交換処理しても、放電加工に行うのに実質
的に支障がなく、その程度にイオン交換処理することで
イオン交換樹脂の寿命が著しく延びることが本発明者に
より実験的事実から見出だされた。
ば、鉄イオン、クロムイオン、亜鉛イオン、銅イオンな
どの金属イオン、炭酸イオンおよびケイ酸イオンなどの
無機イオンがあることが見出だされた。
ば、モリブデン、クロム、タングステン、コバルトなど
の金属に由来するイオン、塩素イオン、有機酸イオンな
どの無機イオンおよび有機イオンがあることが見出ださ
れた。
は、それらイオンが存在する水性加工液を使用して放電
加工を行って、実際に生じた現象から見出だされた。
イヤカット放電加工に使用するワイヤの材質を構成する
金属元素で、しばしば放電加工中に水性加工液に混入す
る。
水を混合使用する場合が多いが、その場合には水道水由
来の塩素イオンの混入が避けられない。
溶性有機化合物(特に水溶性高分子)由来のエステル類
が含まれていることがある。エステル類それ自体はイオ
ンになっていなくても、従来の固定床法によるイオン交
換処理すると、エステルが分解してイオンになり、その
イオンをイオン交換樹脂で補捉していることが、本発明
者により見出だされた。
去しきれなかった酸、アリカリあるいは塩などのしはし
ば混入しておりいる電離性物質が加工液中でイオンとな
るが、その多くのものは放電加工に有害であることも本
発明者により見出だされた。
には放電加工用水性液中に微量存在していても、その水
性液の電気伝導度を大巾に上昇させるイオンであるとい
える。
きい物質は、有害なイオンを生じさせる有害物質である
といえる。
加工に一度用いた加工液、に多種存在するイオンは、相
互に影響しあった状態で放電加工に影響を与えると考え
られるので、有害なイオンであるか否かを物質の電離度
のみから決めることができない。 (ロ)従来の固定床法による水性加工液のイオン交換処
理では、イオン交換樹脂が無害なイオンを多量に補促し
て、イオン交換樹脂の交換容量を多量(具体的には約5
0〜60%)に消費していることが実験的事実から本発
明者によって明らかとなった。
%を消費する無害なイオンは、例えば、ワイヤカット放
電加工では二酸化炭素由来のもの、例えば、炭酸イオ
ン、である場合が多いことが見出だされた。ワイヤカッ
ト放電加工では、加工液を空気流に巻き込んでいること
に由来すると考えられる。
て電気伝導度が大きくなった水性加工液を固定床法によ
るイオン交換処理をしても、放電加工に有害なイオンの
みを補捉して、0.2〜100μS/cm程度の電気伝
導度にしうることが本発明者により見出だされたが、そ
れを以下説明し、それとの対比で本発明を説明する。
樹脂層に上から連続的に水性加工液を供給して、樹脂層
を通して流出させる処理方法である。その場合、最初に
供給された水性加工液中の複数のイオンは、樹脂層の最
上部層とイオン交換し、その最上部層は交換容量が飽和
になる。次に供給された加工液は、最上部層の次の樹脂
層とイオン交換してその層の交換容量が飽和になる。そ
の結果、固定床のイオン交換樹脂層を逐次交換容量が飽
和になった層が下降していき、ついには破過点に達す
る。
させる操作は、しばしば微分操作といわれるので、本明
細書でも以下微分操作ということがある。
脂層は、下記の式〔1〕で表されることが一般に知られ
ている。
ン交換される水性加工液中の各イオンの濃度変化を表し
ものである。したがって、udcは、dzの高さの樹脂
層でイオン交換により減少する加工液の各イオンの濃度
変化ということになり、イオン交換速度を表している。
z)での加工液の各イオンの濃度、Ciは各イオンの平
衡濃度、dzはイオン交換が行われている樹脂層の微少
高さである。
のではなく、樹脂層の微少高さ(dz)で加工液の各イ
オンの濃度が減少していく過程での任意の濃度を表して
いる。
h)である。総括物質移動容量係数は総括物質移動係数
(Kf)と微少高さ(dz)の樹脂層のイオン交換樹脂
粒子面積(粒子内の細孔面積を含む)(A)との積を一
つの係数と考えたものである。
微少高さ(dz)の樹脂層でのイオン交換樹脂粒子面積
が不明だからである。
オンの移動の難易を表す係数である。いいかえれば、そ
れぞれ推進力(C−Ci)を有する各イオンが、加工液
からイオン交換樹脂へ拡散する際の抵抗の程度を表して
いるものであるということもできる。
a)は、イオン移動での律速過程、すなわち、イオン交
換樹脂の粒子表面の境膜中でのイオンの拡散およびイオ
ン交換樹脂の粒子内におけるイオンの拡散、よる影響が
大きいと考えられるが、水性加工液のイオン交換ではど
の程度の数値になるのか全く公表されていない。
も、総括物質移動容量係数(Kfa)およびその実験式
は限られた液について公表されているだけである(例え
ば、化学工学便覧)。
るイオン交換樹脂層は、一般に長さ/直径の比率が大き
い、すなわち、流下液の圧力損失が大きい、ので、加工
液の空塔速度を大きくすることができず、イオン交換処
理での空塔速度はいずれの場合も低い値である。
理は、交換容量が飽和になった層(dz)がゆっくりと
逐次的に下降していく微分操作で行わざるを得なかっ
た。
オンの平衡曲線を測定することが必要ではあるが、複数
のイオンが相互に干渉しあう加工液では、その測定が困
難である。
オン交換樹脂に補捉されたイオンの種類および量を測定
して、交換層(dz)が逐次的にゆっくりと下降してい
く微分操作でのイオン交換処理を実験的に観察した。次
に水性加工液の従来のイオン交換処理では、殆ど使用さ
れない操作により水性加工液をイオン交換処理して、そ
れを実験的に観察した。
的なものを以下に四つ(第一の実験〜第四の実験)挙げ
て説明する。第一の実験 第一の実験は次のようにして行った。
と混ぜた水であってワイヤカット放電加工に一度使用し
たものを用いた。水には、鉄、クロムおよび炭酸イオン
などの無害なイオン、およびモリブデン、タングステン
および塩素イオンなどの有害なイオンが含まれており、
電気伝導度が約100μS/cm程度と大きいものであ
った。
脂と酸性イオン交換樹脂とを混ぜたものを使用した。
の低い空塔速度でイオン交換処理した。その結果、無害
および有害の全てのイオンがイオン交換樹脂に捕捉さ
れ、水は1μS/cmよりはるかに低い電気伝導度にな
って、イオン交換樹脂自体は前述の(ロ)の状態になっ
ていた。
換処理した水の電気伝導度が高くなるが、その電気伝導
度は無害および有害の両方のイオンに由来するものであ
った。
すなわち、イオン交換樹脂層の式〔1〕の微少高さ(d
z)を大きくしても、有害および無害なイオンについて
の総括物質移動容量係数(Kfa)が同じような傾向で
変化するということが見出だされた。
イオンに由来する電気伝導度を1〜50μS/cm程度
にした加工液を得ることができないことが、本発明者に
より見出だされた。
脂の種類を特定した場合)に拡散する際の優先順位につ
いては、いくつかの種類のイオンについて発表されてい
るが、いずれもイオンが単独で水中に存在しいる場合の
測定値である。
と、イオンが相互に干渉して単独イオンの拡散について
のデータが意味をもたなくなるとされているので、多数
の複数のイオンが一般に存在する水性加工液では、イオ
ン拡散の優先順位のデータをイオン交換処理に用いるこ
とができず、水性加工液中に存在する複数のイオン相互
間の影響についても全く未知である。
多くの種類のイオン(原子状イオンのみならず分子状イ
オンも種々存在するとされている)相互の干渉によっ
て、イオンの拡散が変化すると考えられるが、具体的な
ことは全く未知である。第二の実験 第二の実験として、前記第一の実験で使用したとのと同
じ水を使用し、それを微分操作以外のイオン交換処理操
作によって破過点が5〜50μS/cm程度の電気伝導
度になるまで処理することを試みた。イオン交換樹脂は
第一の実験と同じものを使用した。イオン交換処理操作
は、回分式操作(バッチ式操作と同義)によった。回分
式物質移動操作は、吸着剤を用いて液を脱色する操作が
工業的に用いられているだけで、イオン交換処理では用
いられることはない。
例がほとんどないということがあって、回分式イオン交
換処理の操作条件には通常の回分式吸着で行われている
条件を採用した。その操作条件は、槽内でワイヤカット
放電加工に用いた水とイオン交換樹脂(イオン交換樹脂
は前述の微分操作の実験で使用したのと同じ)とを槽内
で乱流になるように激しく攪拌するというものである。
伝導度にイオン交換処理した水には、前記の微分操作の
場合と同様に有害なイオンが含まれていた。
散は、以下の式〔2〕で表される。
平均イオン交換量を表す。なお、イオン交換量(dx/
dt)は、イオン交換反応自体は速いと考えられるの
で、交換反応以外の影響が多いと考えられる。Kfは総
括物質移動係数(m/h)であって、その意味するとこ
ろは前述した。Aはイオン交換樹脂単位量当たりの粒子
表面積(m2 /kg)を表す。
る水とイオン交換樹脂を回分式に接触させても、有害お
よび無害なイオンの総括物質移動係数(Kf)の傾向
は、微分操作の場合とほぼ同様で、無害なイオンの総括
物質移動係数(Kf)が小さくなると、有害なイオンの
総括物質移動係数(Kf)も小さくなって、イオン交換
処理後のイオン交換樹脂は、前述の(ロ)のような状態
になっていることが見出だされた。第三の実験 第三の実験として、回分式吸着操作でも殆ど採用される
ことがない条件、すなわち層流領域あるいは静止状態で
水とイオン交換樹脂とを接触させるという条件、で加工
液が5〜50μS/cm程度の電気伝導度になるまでイ
オン交換処理した。
および第二の実験と同じものを使用した。
50μS/cmという電気伝導度であるにかかわらず、
全んど無害なイオンに由来するものであることが見出だ
された。
操作でゆるやかな流動状態または静止状態で接触させた
場合、有害なイオンについてのdx/dtの減少の程度
が、無害なイオンについてのdx/dtの減少の程度よ
りも小さいということが見出だされた。
って、有害なイオンの総括物質移動係数(Kf)が減少
する傾向が、無害なイオンの総括物質移動係数(Kf)
が減少する傾向よりも小さいことが見出だされた。
触では、微分操作および乱流領域での回分式操作でのイ
オン交換処理の場合とは異なって、有害なイオンの総括
物質移動係数(Kf)が比較的大きいということが見出
だされた。第四の実験 第四の実験として、限られた空間(例えば、容器あるい
は塔など)内で、浮游あるいは運動するイオン交換樹脂
と水(水性加工液)との間でイオン交換するというもの
であった。
反応を行う化学工学上の単位操作として、触媒の流動床
あるいは沸騰床による気体を反応させる操作が、工業的
に行われている程度どある。
では全くといっていい程に行われていなかった。
第一〜第三の実験と同じものを使用した。
た容器中にそのイオン交換樹脂が不規則に激しく運動す
る程度に連続的に水を供給して、供給量する水に見合う
量の容器中の水はオーバーフローさせた。
脂全体と当初からイオン交換することになるが、オーバ
ーフローする水の電気伝導度が5〜50μS/cmにな
るように水の容器中での滞留時間、すなわち、水とイオ
ン交換樹脂との接触時間をコントロールした。
伝導度は、殆ど無害なイオンに由来することが見出され
た。
で、実際のイオン交換現象の結果と一致する総括物質移
動係数(Kf)を求める式が明確でないので、前記微分
操作および回分式のイオン交換処理の場合のように、無
害および有害なイオンの総括物質移動係数(Kf)の傾
向は、簡単には説明できないが、少なくとも、次のこと
が本発明者により見出だされた。
水(ワイヤカット放電加工に使用した水)との間でイオ
ン交換させ、かつ、オーバーフローする水(イオン交換
した水)が5〜50μS/cmになるようにコントロー
ルしたイオン交換に要した時間で生じるイオン交換で
は、有害なイオンの総括物質移動係数(Kf)が大きく
なり、しかも無害なイオンの総括物質移動係数(Kf)
が小さくなるという傾向があることが本発明者により見
出だされた。
た前記(イ)および(ロ)の事象、および前記第一〜第
四の実験から見出だされたイオン交換処理条件の違いで
生ずる無害および有害なイオンの総括物質移動係数(K
f)の特異な挙動から、本発明の処理法が得られた。 <放電加工用水性液の処理法>前記本発明による第一の
処理法は、放電加工用水性液を当初からイオン交換樹脂
全体とイオン交換反応させて、液の電気伝導度を0.2
〜100μS/cmにすること、を特徴とする。
された基礎的事象を利用したものである。すなわち、放
電加工用水性液をイオン交換樹脂全体と当初からイオン
交換反応させ、かつ、0.2〜100μS/cmの範囲
の電気伝導度にイオン交換処理することにより、有害な
イオンを優先的に捕捉して、無害なイオンに由来する電
気伝導度のイオン交換処理水性液にする。
用水性液のイオン交換処理に適用できる。
の電気伝導度にイオン交換処理するようにしたのは、そ
れを越えると、放電加工に有害なイオンが多くなる傾向
があるからである。
それ未満では、イオン交換樹脂の交換容量を大きく消費
し、イオン交換樹脂の寿命を著しく長くすることが困難
になる傾向があるからである。
交換樹脂を分散した水溶性物質40〜95重量%含有水
溶液(放電加工用水性液)を攪拌し、電気伝導度が0.
2〜10μS/cmになるまで回分式にイオン交換処理
すること、を特徴とする。
具体的レベルで把握した処理法といえるもので、水溶性
物質40〜95重量%含有水溶液の放電加工用水性液を
用いて、回分式にイオン交換処理するという具体的条件
下で、当初から放電加工用水性液とイオン交換樹脂全体
とでイオン交換反応するようにしたものである。
の電気伝導度にイオン交換処理するようにしたのは、水
溶性物質由来のイオンが多量に混入した場合であって
も、回分式にイオン交換処理して無害なイオンに由来す
る電気伝導度にすることができるからである。
のは、前記第一の処理法の同様の理由による。第二の処
理法での攪拌は、一般に層流領域で行われる。
質を溶解した水溶液からなる形彫り用水性加工液の製造
がある。
溶性高分子を水に溶解すると、水溶性高分子に残存する
物質が溶けてイオンが生じるので、水溶性高分子を溶解
した水溶液は、必ず生じたイオンをイオン交換処理によ
り除去しなければならなかった。
理では、分子量が大きい水溶性高分子を95重量%も含
有して高粘性になった水溶液を処理するのは、実際上困
難であった。
た水溶液でも、水溶液とイオン交換樹脂とを回分式に接
触させることができるので、容易に水溶性物質を溶解し
た形彫り用水性加工液を製造することができる。
り用水性加工液の製造の際に使用するイオン交換樹脂の
寿命を長くするという効果が生じるが、それ以前の問題
として、分子量が大きい水溶性高分子を高濃度(95重
量%)に含有する水性加工液を容易に製造しうる方法を
見出だした意義がある。
運搬し使用現場で希釈して使用できるという工業的利点
があるので、第二の処理法は工業的利点の大きい形彫り
用水性加工液を与えるものであるともいえる。
物質40〜80重量%(水と水溶性物質との合計重量基
準)含有水溶液中にイオン交換樹脂を静止状態で保持し
て、水溶液を攪拌し、水溶液が電気伝導度が0.2〜1
0μS/cmになるまで回分式にイオン交換処理するこ
と、を特徴とするものである。
具体的レベルで把握した処理法といえるもので、放電加
工用水性液として水溶性物質40〜80重量%(水と水
溶性物質との合計重量基準)含有水溶液を用い、イオン
交換樹脂を静止状態に保持し、かつ、水溶液を攪拌する
という特定条件下で回分式にイオン交換させることによ
り、当初から放電加工用水性液とイオン交換樹脂全体と
でイオン交換反応するようにしたものである。
加工液をイオン交換処理する場合に、使用済水性加工液
の貯溜タンクにイオン交換樹脂を入れて、イオン交換処
理するのに適している。
工に使用した放電加工用水性液の液流によりイオン交換
樹脂を浮游あるい運動させ、その浮游あるい運動するイ
オン交換樹脂と放電加工用水性液の液流との接触によ
り、その液流を電気伝導度が0.2〜100μS/cm
になるまでイオン交換処理すること、を特徴とするもの
である。
具体的レベルで把握した処理法といえるもので、放電加
工用水性液(放電加工に使用したもの)の液流によりイ
オン交換樹脂を浮游あるい運動させること、およびその
液流とイオン交換樹脂(浮游あるい運動している状態の
もの)との間でイオン交換させるという特定の条件で、
当初から放電加工用水性液とイオン交換樹脂全体とでイ
オン交換反応するようにしたものである。
発展させたものである。なお、前記第四の実験では水を
1〜50μS/cmになるまでイオン交換処理して、第
四の処理法で0.2〜100μS/cmになるまでイオ
ン交換処理することにしているのは、工業的には処理す
る水に含まれる有害物質の量が変化するからである。
を越えると、放電加工に有害なイオンが多くなる傾向が
あるからである。
量%(水と水溶性物質との合計重量基準)含有水溶液か
らなる形彫り用の水性加工液、あるいは水からなるワイ
ヤカット放電加工用の水性加工液のいずれにも適用でき
る。特にワイヤカット放電加工用の水性加工液のイオン
交換処理に適している。放電加工用水性液 本発明の処理方法の対象となるのは、「放電加工用水性
液」である。放電加工用水性液には、水性加工液は勿論
のこと、イオン交換処理すれば水性加工液になる水性液
も含まれる。また、本発明で処理する水性加工液は、放
電加工に使用したものが代表的であるが、放電加工に使
用していないものであってもよい。
使用される水、あるいは形彫り放電加工に一般に使用さ
れる水溶性物質を溶解した水溶液が含まれる。
みのならず水溶液も含まれる。
が多い水道水と純水との混合水には、水道水由来の塩素
が含まれており、水道水の塩素は地域によって異なり、
通常数ppm〜数十ppmの微量の範囲で変動してい
る。
この程度の溶解量のバラツキがあっても、塩素を完全に
イオン交換処理によって除去することができる。
性物質を40〜95重量%(水と水溶性物質との合計重
量基準)水に溶解したものがある。
は、形彫り放電加工に使用する水溶液(水性加工液)の
濃度が一般に40重量%以上だからである。また、形彫
り放電加工では約80重量%程度までの濃度が一般に使
用される。前記第二の処理法(請求項2の発明に対応)
で水溶性物質の濃度を最大95重量%としたのは、95
重量%の濃度の水溶液に調製して、その後で水で薄めて
使用濃度にすることがあるからである。
て一般に用いられているものであれば、いずれも用いる
ことができる。
オリゴマーあるいは水溶性高分子がある。
ンジオールなどがある。水溶性高分子としては、例え
ば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリ
コールなどのがあるが、それらの種々の誘導体を用いる
ことができる。ポリエチレングリコールおよびポリプロ
ピレングリコールの誘導体としは、例えば、分岐ポリエ
チレングリコール、分子の一方の末端あるいは両末端に
アルコールまたはフェノールが結合したポリエチレング
リコールあるいはポリプロピレングリコール、分子の末
端が不飽和であるポリエチレングリコールあるいはポリ
プロピレングリコールなどがある。イオン交換樹脂 イオン交換樹脂は、一般にイオン交換基を有する三次元
網目構造の高分子を意味するが、本発明の「イオン交換
樹脂」の用語はそれにとどまらず、担体(例えば球状の
担体)表面をイオン交換樹脂の膜で覆ったものを含む意
味で用いている。
数の種類からなるものであってもよい。
機能から類別すると、陽イオン交換樹脂および陰イオン
交換樹脂に大別され、さらに陽イオン交換樹脂は強酸性
および弱酸性の陽イオン交換樹脂に類別され、陰イオン
交換樹脂は強塩基性および弱塩基性の陰イオン交換樹脂
に類別される。
とも陰イオン交換樹脂を含んでいればよい。すなわち陰
イオン交換樹脂のみあるいは陰イオン交換樹脂と陽イオ
ン交換樹脂との併用であってもよい。
オン交換樹脂との併用が適している。
オン交換処理して形彫り放電加工用の水性加工液にする
場合は、強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交
換樹脂との併用が好適である。
液の処理でも、強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イ
オン交換樹脂との併用が好適である。
力発電用の水処理に用いるイオン交換樹脂を本発明で使
用すれば、それら高品質および高価なイオン交換樹脂の
能力をより有効に活用することができる。
アンモニウム基などを用いるのが代表的である。
ルホン酸を用いるのが代表的であり、弱酸性陽イオン交
換基としては、カルボン酸を用いるのが代表的である。
れば、ゲル型、多孔性型あるいは担体担持型などのもの
があるが、いずれの構造のものでも使用することができ
る。
が、放電加工用水性液の処理にはイオン交換容量が大き
いということで適している。
の単量体の種類、重合方法および架橋方法に特に制約が
ない。
オン交換樹脂を用いると、有害なイオンをより優先的に
樹脂に捕捉することできる点で好ましいということは、
本発明で見出だされたことである。イオン交換処理条件 本発明のイオン交換処理におけるイオン交換樹脂と放電
加工用水性液との量的比率は、処理する放電加工用水性
液の電気伝導度、処理後の電気伝導度、あるいは処理時
間などとの関係で適宜決めることができる。一般的に
は、イオン交換樹脂が存在する空間の体積の0.1〜2
0%(体積%)、好ましくは1〜10%、用いる。
場合(前記本発明による第2および第3の処理法)で
は、放電加工用水性液の0.1〜20%(体積%)、好
ましくは1〜10%、のイオン交換樹脂を用いるとよい
ことになる。
せて放電加工用水性液と接触させるには、所定の空間内
(通常は容器あるいは槽内の空間)でイオン交換樹脂を
液流により浮游あるい運動させることになるが(前記本
発明による第4の処理法)、その場合は、所定の空間の
体積の0.1〜20%(体積%)、好ましくは1〜10
%、のイオン交換樹脂を用いることになる。
は槽内のイオン交換樹脂を浮游させるには、液流を容器
あるいは槽に流入させてから流出させればよい。容器あ
るいは槽の液流の出入口は同一でも異なっていてもよ
い。
換樹脂が浮游あるい運動するような速度で行えばよい。
また、液流の容器あるいは槽での滞溜時間は、イオン交
換樹脂量、容器あるいは槽の容積あるいは放電加工用水
性液の電気伝導度、イオン交換処理後の液の電気伝導度
などによって変わってくるが、例えば、30〜200リ
ットル/分である。本発明による処理法の具体的態様 本発明による処理法の具体的態様を例示すれば下記のも
のを挙げることができる。 (a)ワイヤカット放電加工で使用した水性加工液を本
発明の方法で処理する。その場合、濾過装置で濾過した
後の水性加工液を処理するのが一般的である。
は10〜50μS/cmの範囲になるようにするのがよ
い。
の電気伝導度になるまでイオン交換処理すると、イオン
交換樹脂の寿命を飛躍的に長くすることがてきる。 (b)形彫り放電加工で使用した水性加工液を同様に本
発明の方法で処理する。一般的な形彫り放電加工では、
水性加工液の電気伝導度を1〜10μS/cmの範囲に
なるように処理するのが好ましい。その程度の電気伝導
度になるまでのイオン交換処理で放電加工に有害なイオ
ンが除去されることが本発明者により見出だされいる。
電気伝導度が10μS/cmを越えるとと、一般的に漏
洩電流が多くなり、放電が起こりにくくなりがちである
ことが見出だされている。
り放電加工のいずれの放電加工に用いる加工液でも、本
発明の方法により0.2μS/cm未満の電気伝導度に
することが可能であるが、0.2μS/cm未満すると
イオン交換樹脂の寿命を長くするという点で不満足であ
る。そのためには、0.2μS/cm以上、特に1μS
/cm以上の電気伝導度にイオン交換処理することが必
要である。特に、イオン交換樹脂の寿命を飛躍的に長く
するという点では1μS/cm以上にするのがが好まし
い。 (c)本発明の処理法に形彫り放電加工の水性加工液を
製造する。
脂と槽に入れて、回分式に所定時間接触させる方法がと
られる。
い。回分式に接触させている間は、攪拌してもよく、攪
拌しない放置状態でもよい。
交換樹脂と水溶液の両方を攪拌してもよく、水溶液のみ
を攪拌してもよい。
うにして行うのが好ましい。層流領域での攪拌で容易に
目的の電気伝導度にすることができるからである。
る攪拌翼によって攪拌する攪拌装置が代表的である。
る場合、すなわち静止状態でイオン交換処理する場合、
イオン交換樹脂粒子をそのまま放電加工用水性液に添加
すると、樹脂粒子が槽の底に沈降して滞積してしまっ
て、樹脂粒子と液との接触面積が小さくなってしまう。
ら分離するのに不便である。
の容器あるいは袋に入れて槽の液中に吊るなどすれば、
接触面積が大きくなり、イオン交換処理後に容器あるい
は袋を吊り上げることで、イオン交換樹脂を液から容易
に分離することができる。
は、イオン交換樹脂粒子が通過しないが、放電加工用水
性液が通過する構造および(または)材質のものからな
るものをいう。
あるが、槽の形状に併せて、加工液とイオン交換樹脂と
の接触効率を上げるように最大表面積になるような形状
にするとよい。
たはいずれか一方を層流領域で流動させて接触させる場
合は、層流領域の全領域、すなわちレイノズル数(以下
Re数と略称する)2,300〜2の層流領域での流動
状態で行うことが好ましい。
数が800以下、好ましくは600以下であるほうが好
ましい。水溶液とイオン交換樹脂との両方またはいずれ
か一方を層流領域で流動させる場合、それらRe数の領
域がイオン交換処理時間を比較的短くして、かつ有害な
イオンの総括物質移動係数(Kf)を比較的大きな状態
に維持するのに適しているからである。
慣性と粘性との比で、槽中の攪拌液についての、下記の
式〔3〕で表される。
μは粘性係数である。
よって、同じ回転数でも著しく流動状態が異なってくる
が、この式〔3〕での攪拌翼はごく一般的な形状のもの
である。
た係数を掛ける必要がある。
場合でも、固定床法による処理に比較してイオン交換樹
脂の寿命が約10倍程度長くなることが判明している。
また、ワイヤカット放電加工での加工液の処理を10〜
50μS/cmの電気伝導度にする場合は、さらに大巾
にイオン交換樹脂の寿命を長くすることができる。
に説明する。実施例は本発明を例示的に示したものであ
って本発明を制限するものではない。
0リットル、強塩基性イオン交換樹脂20リットルおよ
び強酸性イオン交換樹脂15リットルを攪拌機付きの槽
に入れて、3時間攪拌しながらイオン交換処理を行い、
水道水と水溶性有機化合物とからなる水溶液の電気伝導
度が0.5μS/cmになった時点で、イオン交換樹脂
(強塩基性および強酸性の両方)を分離して、電気伝導
度0,4μS/cmの形彫り用水性加工液を製造した。
/cmで、Cl−15ppm、CH3COO−900p
pm、Na−910ppmのイオンが含まれていたが、
イオン交換処理後の水溶液には、1ppm以下のイオン
しか含まれていなかった。
性および強酸性の両方)に交換容量が残ってる場合に
は、同じ操作を繰り返して行った。その結果、6回の回
分式処理を行うことができた。
で24,000リットルの水溶液をイオン交換処理する
ことができた。
チレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、
ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコ
ールの誘導体であった。 <比較例1>実施例1と同じ組成の水溶液を実施例1で
使用したのと同じ種類および量のイオン交換樹脂層を流
下してイオン交換処理(固定床法によるイオン交換処
理)したところ、流出液の電気伝導度は0.3μS/c
mであったが、6,000リットル処理すると破過点に
達した。
で6,000リットルしかイオン交換処理できず、イオ
ン交換樹脂の単位量当たりの処理液量は1/6であっ
た。 <実施例2>ワイヤカット放電加工における水性加工液
のイオン交換処理 ワイヤカット放電加工に使用した水性加工液を図1に示
す装置を用いてイオン交換処理した。
カット放電加工に使用した水性加工液(2)を貯溜す
る。汚水槽(1)の水性加工液(2)は、ポンプ(3)
で汲み上げられ、フイルター(4)に送られ、そこで濾
過されて、清水槽(5)と清水槽(5)内に設けた容器
(6)とに入る。
より区切られているだけで、清水槽(5)の水位が一定
以上高くなると、清水槽(5)の水性加工液(2a)は
オーバーフローして、汚水槽(1)に流れ込む。
で、その上端は清水槽(5)の最も高くなる水位よりも
高くなるようになっており、容器(6)からオーバーフ
ローした液は、清水槽(5)に入る。容器(6)内には
イオン交換樹脂(7)が入っているが、容器(6)は金
網で覆われているので、イオン交換樹脂(7)が容器
(6)外に流出することはない。
ター(4)から容器(6)と清水槽(5)との送液パイ
プに設けた自動開閉バルブであって、電気伝導度管理器
(9)の出力信号により開閉する。電気伝導度管理器
(9)は、センサー(10)により検知した清水槽
(5)の水性加工液(2a)の電気伝導度が設定値より
低くなると、V2 (8a)のバルブを開けてV1 (8)
のバルブを閉じてフイルター(4)から清水槽(5)に
直接に液が流れるようになっている。
設定値より高くなると、電気伝導度管理器(9)の出力
信号によりバルブV2 (8a)が閉じて、バルブV
1 (8)が開いて、フイルター(4)から容器(6)に
液が流れるようになっている。
示すものであった。
カチオン交換樹脂3リットル、 電気伝導度管理器(9)の設定電気伝導度=10μS/
cm フイルター(4)の通液量=50リットル/分 また、40リットルの容器(6)に50リットル/分の
液流を注ぐと、容器(6)内のイオン交換樹脂(7)は
浮游して激しく動きまわる状態になった。
な状態のイオン交換樹脂(7)と流動する水性加工液
(2)との間でイオン交換処理を行った。清水槽(5)
の電気伝導度10μS/cmの水性加工液(2a)に含
まれる銅、亜鉛および鉄を原子吸光法により分析した結
果、銅2.8mg、亜鉛1.3mgおよび鉄1.5mg
が含まれていた。
1,100時間であった。 <比較例2>実施例2に用いた装置において、イオン交
換樹脂(7)を入れた容器(6)の代わりに、水性加工
液(2)のイオン交換処理に一般に用いられているイオ
ン交換樹脂を充填した塔を清水槽(5)の上に設けて、
その液をイオン交換樹脂塔でゆっくりと微分操作でイオ
ン交換を行わせた。
の水性加工液(2a)に含まれる銅、亜鉛および鉄を原
子吸光法により分析した結果、全く検出されなかった。
0時間であった。 <実施例3>形彫り放電加工における水性加工液のイオ
ン交換処理 形彫り放電加工に使用した水性加工液を図2に示す装置
を用いてイオン交換処理した。
において、清水槽(5)内に設けた容器(6)の代え
て、清水槽(5)の上にイオン交換樹脂槽(20)を設
けただけである。
は、槽の容積に対して少量のイオン交換樹脂が入れられ
ており、液が上部からイオン交換樹脂槽(20)に注入
されると、イオン交換樹脂が液流により槽内を浮游して
激しく動きまわれるようになっている。
ものは、同一の符号を付してある。
示すものであった。
ン交換樹脂2リットル、 電気伝導度管理器(9)の設定電気伝導度=2μS/c
m フイルター(4)の通液量=100リットル/分 なお、通液量(分当たりの通液量)が、イオン交換樹脂
槽(20)の容積と同じであるので、液をイオン交換樹
脂槽(20)の上部から注入した場合でも、イオン交換
樹脂が槽内で浮游して激しく動きまわる状態になった。
ン交換樹脂と水性加工液(2)とを接触させてイオン交
換した。
水性加工液(2a)を赤外分光分析で1740cm−1
の吸収度(エステルの吸収度)を測定した結果、吸収度
は0.14で、放電加工に無害なエステルはイオン交換
により除去されていなかった。
間で750時間であった。 <比較例3>実施例3に用いた装置において、イオン交
換樹脂槽(20)の代わりに、水性加工液(2)のイオ
ン交換処理に一般に用いられているイオン交換樹脂を充
填した塔を清水槽(5)の上に設けて、その液をイオン
交換樹脂塔でゆっくりと微分操作でイオン交換を行わせ
た。
水性加工液(2a)の1740cm−1 の赤外分光の吸
収度は、0.02で、放電加工に無害なエステル類のほ
とんどが分解されて、かつ除去されていた。
0時間であった。
性液に存在するイオンのうち、放電加工に有害なイオン
がイオン交換樹脂により効率よく除去し、かつ、放電加
工に無害なイオンがあまり除去しないようにすることが
てきる。
オン交換樹脂の交換容量を放電加工に有害なイオンの補
促にのみ消費することになるので、イオン交換樹脂の寿
命が著しく長くなる。例えば、従来のイオン交換処理の
方法で使用するイオン交換樹脂の寿命に比較して約10
倍長くなる。
くなることに伴う様々な技術的および経済的効果が得ら
れる。
く、放電加工の放電加工用水性液の再使用することがで
きるので、設備および労力が軽減する。半導体製造用の
水処理あるいは原子力発電用の水処理に用いる高価なイ
オン交換樹脂を用いる場合は、従来の方法に比較して放
電加工用水性液の処理に要する費用が著しく減少する。
理するのに使用した装置を示す図。
理するのに使用した装置を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】放電加工用水性液を当初からイオン交換樹
脂全体とイオン交換反応させて、放電加工用水性液をそ
の電気伝導度が0.2〜100μS/cmになるまでイ
オン交換する、放電加工用水性液の処理法。 - 【請求項2】イオン交換樹脂を分散した水溶性物質40
〜95重量%(水と該水溶性物質との合計重量基準)を
含む水溶液からなる放電加工用水性液を攪拌し、該放電
加工用水性液が電気伝導度が0.2〜10μS/cmに
なるまで回分式にイオン交換処理する、放電加工用水性
液の処理法。 - 【請求項3】水溶性物質40〜80重量%(水と該水溶
性物質との合計重量基準)を含む水溶液からなる放電加
工用水性液中にイオン交換樹脂を静止状態で保持して、
該放電加工用水性液を攪拌し、該放電加工用水性液が電
気伝導度が0.2〜10μS/cmになるまで回分式に
イオン交換処理する、放電加工用水性液の処理法。 - 【請求項4】放電加工に使用した放電加工用水性液の液
流によりイオン交換樹脂を浮游あるい運動させ、その浮
游あるい運動するイオン交換樹脂と放電加工用水性液の
液流との接触により、その液流を電気伝導度が0.2〜
100μS/cmになるまでイオン交換処理する、放電
加工用水性液の処理法。 - 【請求項5】放電加工用水性液がワイヤカット放電加工
に使用した水からなるもの、あるいは形彫り放電加工に
使用した水溶性物質40〜80重量%(水と該水溶性物
質との合計重量基準)を含む水溶液からなることを特徴
とする、請求項4に記載の処理法。 - 【請求項6】放電加工用水性液をその電気伝導度が1〜
50μS/cmになるまでイオン交換処理することを特
徴とする、請求項4〜5に記載の処理法。 - 【請求項7】イオン交換樹脂が、強塩基性イオン交換樹
脂と陽イオン交換樹脂とからなることを特徴とする、請
求項1〜6のいずれか1項に記載の処理法。
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---|---|---|---|
JP06735692A JP3344735B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 放電加工用水性液の処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06735692A JP3344735B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 放電加工用水性液の処理法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05269624A true JPH05269624A (ja) | 1993-10-19 |
JP3344735B2 JP3344735B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=13342657
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06735692A Expired - Fee Related JP3344735B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 放電加工用水性液の処理法 |
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JP (1) | JP3344735B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007113906A1 (ja) * | 2006-04-05 | 2007-10-11 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | 放電加工装置及び放電加工方法 |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP06735692A patent/JP3344735B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2007113906A1 (ja) * | 2006-04-05 | 2009-08-13 | 三菱電機株式会社 | 放電加工装置及び放電加工方法 |
US7795558B2 (en) | 2006-04-05 | 2010-09-14 | Mitsubishi Electric Corporation | Electric discharge machine and electric discharge machining method |
JP4946441B2 (ja) * | 2006-04-05 | 2012-06-06 | 三菱電機株式会社 | 放電加工装置及び放電加工方法 |
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