JP3228780B2 - 水性放電加工液のイオン交換処理方法 - Google Patents

水性放電加工液のイオン交換処理方法

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JP3228780B2 JP11030692A JP11030692A JP3228780B2 JP 3228780 B2 JP3228780 B2 JP 3228780B2 JP 11030692 A JP11030692 A JP 11030692A JP 11030692 A JP11030692 A JP 11030692A JP 3228780 B2 JP3228780 B2 JP 3228780B2
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換樹脂の寿命
を長くすることができる、放電加工用水道水あるいは水
性放電加工液のイオン交換処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】被加工物(金属)を放電で加工する放電
加工では、放電が絶縁性媒体中で行われ、火災発生の危
険性がないということで、水性放電加工液(不燃性放電
加工液と呼ばれることがある)が絶縁性媒体に用いられ
ている。
【0003】水性放電加工液(以下必要に応じて加工液
と略称することがある)は、ワイヤカット放電加工には
水が、形彫りなどの放電加工では水溶液(放電加工効率
を向上する水溶性物質を溶解した水溶液)がそれぞれ用
いられている。
【0004】ワイヤカット放電加工は、被加工物にワイ
ヤを通し、放電点付近に加工液をかけて絶縁しながワイ
ヤと被加工物との間で放電させ、ワイヤで被加工物を所
定形状に加工する方法である。
【0005】ワイヤカット放電加工に用いる水性放電加
工液には、純水(イオン交換処理して全てのイオンを完
全に近い状態にまで除去した水)を使用するのが理想で
あるが、一般的には、費用の低減および操作の簡便化な
どの観点から水道水を純水に混ぜたものが使用されてい
る。
【0006】しかし、放電加工装置および被加工物が塩
素イオンに常時さらされるとピッチング・コロージョン
(針穴状電気腐蝕)が生じる傾向がある。また、ピッチ
ング・コロージョンを受けた被加工物は、欠陥品となっ
て著しい損害を受ける。
【0007】そのために、水道水をそのまま純水と混合
して加工液を調製する場合にも、混合水に存在する塩素
イオンは、著しく微量の場合にのみ許容されると考えら
れていた。したがって、水道水を用いて加工液を調製す
る場合には、水道水をイオン交換処理して塩素イオンを
除去してから、純水と混合するという方法が原則的に行
われていた。
【0008】そして、水道水と純水との混合水をワイヤ
カット放電加工に一度使用すると、そのまま廃棄するこ
とが考えられるが、それではランニングコストが上昇し
て工業的実施では不利益である。
【0009】そのために、ワイヤカット放電加工に一度
使用した加工液(以下使用済加工液ということがある)
は、貯溜槽に溜め、それをポンプで濾過装置に送って濾
過した後でイオン交換処理している。イオン交換処理
は、貯溜槽の加工液の大部分をイオン交換処理して貯溜
槽に戻すという方式によるのが一般的である。しかも、
貯溜槽に水道水を補給して、貯溜槽の加工液全体の電気
伝導度を数〜十数μS/cm程度にして、それを放電加
工に再使用している。
【0010】なお、電気伝導度を数〜十数μS/cm程
度にする理由については、何も技術的な意義からではな
く、経験的に放電加工でトラブルが起きる確率が比較的
少ないということにすぎなかった。
【0011】そこでのイオン交換処理操作は、加工液を
イオン交換樹脂充填カラム(容器)のイオン交換樹脂層
上部に溜まった加工液の水頭で加工液を流下させるもの
殆どである。また、カラムに充填のイオン交換樹脂層
は、高さ/断面積の比率が大きい、すなわち縦長のもの
が用いられている。
【0012】しかも、加工液の流下速度は、空間速度
(以下必要に応じてSVということがある)が数h−1
程度であるというのが普通であった。
【0013】従来のイオン交換処理法では、加工液の流
下速度が大きいと、すなわち、SVが大きいと、加工液
がイオン交換樹脂層を流下する際にチャネリングが生
じ、加工液中のイオンがイオン交換されずに、処理液に
漏出すると考えられていたからである。
【0014】なお、本明細書で使用する「チャネリン
グ」という用語は、加工液がイオン交換樹脂層を短絡し
て通過してしまうという現象を表す意味で用いている。
【0015】なお、イオン交換処理に用いるイオン交換
樹脂は、放電加工で加工液に混入した物質(構造が特定
されていない物質が殆どである)を捕捉するのに適して
いるということで、半導体製造用の水処理あるいは原子
力発電用の水処理に用いる高品質グレード(著しく高価
なグレードでもある)のものが一般に使用されている。
【0016】しかも、使用済のイオン交換樹脂には、放
電加工によって生じた金属粉が混入するために酸および
(または)アルカリで処理することができず、再生する
ことなく廃棄されていた。水道水のイオン交換処理に用
いたイオン交換樹脂も同様に再生することなく廃棄され
ていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】使用済の加工液の従来
のイオン交換処理法では、加工液の全んどのイオンをイ
オン交換樹脂により捕捉するので、イオン交換樹脂単位
量当たりの加工液の処理量が少ない、すなわち、イオン
交換樹脂の寿命が短かい、という問題点があった。ま
た、イオン交換樹脂の寿命が短かいので、イオン交換層
を短時間で交換するという繁雑な操作が必要となり、放
電加工に要するランニングコストが上昇する(著しく高
価なグレードのイオン交換樹脂の寿命が短いということ
で)などの問題点があった。
【0018】さらに、長時間の連続運転による放電加工
を無人工場で行う場合、イオン交換層の切り替えが途中
で必要となり、しかもそれを人為的に行わなければなら
ないことも多いので、そのような放電加工が工業的に制
約を受けるという問題点もあった。
【0019】また、ワイヤカット放電加工用の加工液を
調製する際の水道水のイオン交換処理、あるいは使用済
加工液を供給する水道水をイオン交換処理する場合に
も、同様の問題点が生じていた。
【0020】ここにおいて、本発明は、かかる問題点を
解決し、放電加工用水道水またはそれを含有する水、あ
るいは水性放電加工液についての新しいイオン交換処理
法であって、しかも、イオン交換樹脂単位量当たりの加
工液あるいは水道水の処理量を大きくしてイオン交換樹
脂の寿命を長くすることができるイオン交換処理法を提
供すること、を目的とする。
【0021】また、本発明は、イオン交換処理に要する
操作を容易にし、しかも、無人工場での長時間の連続運
転による放電加工を容易に行えるようにするイオン交換
処理法を提供すること、を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による放電加工に
おける水性放電加工液のイオン交換処理方法は、水性放
電加工液を放電加工に必要な所定の電気伝導度にするイ
オン交換処理方法であって、前記水性放電加工液を20
−1 を越える空間速度で容器内のイオン交換樹脂層を
通過させる工程と、イオン交換処理された水性放電加工
液の電気伝導度を検出する工程と、前記電気伝導度が5
0μS/cm以下の前記所定の電気伝導度になったとき
にイオン交換処理を終了する工程と、を含んでなるこ
と、を特徴とする。
【0023】また、本発明による放電加工における水性
放電加工液のイオン交換処理方法は、水性放電加工液を
放電加工に必要な所定の電気伝導度にするイオン交換処
理方法であって、貯留槽内の放電加工に使用した前記水
性放電加工液を前記水性放電加工液を20h −1 を越え
る空間速度で容器内のイオン交換樹脂層を通過させる工
程と、イオン交換処理された前記水性放電加工液を前記
貯留槽に戻す工程と、前記貯留槽内の前記水性放電加工
液の電気伝導度を検出する工程と、前記電気伝導度が5
0μS/cm以下の前記所定の電気伝導度になったとき
にイオン交換処理を終了する工程と、を含んでなるこ
と、を特徴とする。
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】〔発明の具体的説明〕 加工液用水道水あるいは使用済加工液のイオン交換処理
において従来知られていなかった事柄が、本発明者によ
り実験的に解明され、その解明された事実を基礎として
本発明が見出された。
【0026】放電加工に用いる水道水の従来のイオン交
換処理は、前述のように、イオン交換樹脂充填カラムに
溜まった加工液を位置水頭により流下させていたので、
流下速度としては、非常に小さいSVしかとれなかっ
た。SVとしては、大きくても20h未満であって、
20h−1を越えるSVによりイオン交換処理が行われ
るということはなかった。
【0027】それは、SVを大きして、SV20h−1
を越えると、イオン交換層(イオン交換樹脂層のうちの
イオン交換が行われている微少高さの層)が広がり、ま
たチャネリングが生じるなどして、直ちに塩素イオンが
処理水に漏出して、少量の水道水の処理で破過点(塩素
イオンについての破過点)に達する、と一般に考えられ
ているからである。
【0028】したがって、20h−1をはるかに越える
SVで放電加工に用いる水道水をイオン交換処理するな
どということは、考えられていなかった。
【0029】なお、放電加工に用いる水道水のイオン交
換処理については、実質的に殆どといっていい程に研究
が行われていなかった。
【0030】しかし、本発明者は、従来のイオン交換処
理(放電加工に用いる水道水についての従来のイオン交
換処理)では行われることがなかった空間速度で加工液
用水道水をイオン交換処理すること試みて、下記(イ)
〜(ハ)のような従来知られていなかった現象が生じる
ことを見出だした。 (イ)平均的な塩素イオン濃度の水道水を著しく大きい
SV(例えば、345 )によりイオン交換処理する
と、処理水道水の電気伝導度は大きくなる。しかし、処
理水道水の電気伝導度を所定の範囲(具体的には10μ
S/cm程度あるいはそれの上下の近傍の値)にするこ
とができ、しかも、その所定の範囲の電気伝導度であれ
ば、その電気伝導度が塩素イオンに由来するものではな
く、存在していても放電加工に支障がないイオンに由来
するものであることが見出だされた。 (ロ)水道水を著しく大きなSV(例えば、345h
−1)で連続的にイオン交換処理して、処理水道水の電
気伝導度を経時的に追跡しても、その電気伝導度が不連
続的に変化することがないことが見出だされた。 (ハ)電気伝導度(主として塩素イオン由来の電気伝導
度)が著しく異なる(例えば、約10倍程度異なる)水
道水を同じ大きなSV(例えば、63h−1)でイオン
交換処理しても、処理水道水中の電気伝導度は、ほぼ同
じになるということが見出だされた。
【0031】そして、固定床法によるイオン交換は、下
式〔1〕で表すことができるので、上記(イ)〜(ハ)
の現象は下式〔1〕にれば、以下のように説明できる。
【0032】なお、固定床によるイオン交換は、イオン
交換樹脂層に上から連続的に液(水道水または加工液)
を供給して、樹脂層を通して流出させる処理法である。
その場合、最初に供給された液中の複数のイオンは、樹
脂層の最上部層とイオン交換し、その最上部層は交換容
量が飽和になる。次に供給された加工液は、最上部層の
次の樹脂層とイオン交換してその層の交換容量が飽和に
なる。その結果、固定床のイオン交換樹脂層を逐次交換
容量が飽和になった層が下降していき、ついには破過点
に達する。
【0033】したがって、イオン交換が行われた層につ
いて、各イオンの物質収支をとれば、各イオンについて
下式〔1〕が成立する。
【0034】 −udc=Kfa(C−C)dz… 〔1〕 ここで、uは空塔速度(m3 /h・m2 )、dcはイオ
ン交換される液中の各イオンの濃度変化を表しものであ
る。したがって、udcは、dzの高さの樹脂層でイオ
ン交換により減少する加工液の各イオンの濃度変化とい
うことになり、イオン交換速度を表している。
【0035】Cはイオン交換が行われている樹脂層(d
z)での液の各イオンの濃度、Cは各イオンの平衡濃
度、dzはイオン交換が行われている樹脂層の微少高さ
である。
【0036】なお、Cの濃度は、特定の濃度を表したも
のではなく、樹脂層の微少高さ(dz)で液の各イオン
の濃度が減少していく過程での任意の濃度を表してい
る。
【0037】Kfaは、総括物質移動容量係数(1/
h)である。総括物質移動容量係数は総括物質移動係数
(Kf)と微少高さ(dz)の樹脂層のイオン交換樹脂
粒子面積(粒子内の細孔面積を含む)(A)との積を一
つの係数と考えたものである。
【0038】総括物質移動容量係数を用いるのは、イオ
ン交換が行われている微少高さ(dz)の樹脂層でのイ
オン交換樹脂粒子面積が不明だからである。
【0039】そして、総括物質移動係数(Kf)は、イ
オンの移動の難易を表す係数である。いいかえれば、そ
れぞれ推進力(C−C)を有する各イオンが、液から
イオン交換樹脂へ拡散する際の抵抗の程度を表している
ものであるということもできる。なお、総括物質移動容
量係数(Kfa)は、イオン移動での律速過程、すなわ
ち、イオン交換樹脂の粒子表面の境膜中でのイオンの拡
散およびイオン交換樹脂の粒子内におけるイオンの拡散
による影響が大きいと考えられるが、放電加工に用いる
水道水のイオン交換処理あるいは加工液(特に使用済加
工液)のイオン交換において、それらがどの程度の数値
になるのか全く知られていない。
【0040】そして、本発明において、上記(イ)の現
象が上式〔1〕に基ずいて次のように説明できることが
見出された。
【0041】すなわち、著しく大きいSV(例えば、3
45h−1 )、でも、水道水の塩素イオンがイオン交換
樹脂に捕捉されている。したがって、著しく大きい空塔
速度(u)にしても、塩素イオンのイオン交換速度(u
dc)が大きくなって上記(イ)の現象となる。
【0042】しかも、後述するように、著しく大きいS
Vでも、電気伝導度を10μS/cm程度あるいはそれ
以下になるようにイオン交換処理する場合の水道水の処
理量は大きいので、著しく大きいSVでの塩素イオンの
イオン交換に必要な樹脂層微少高さ(dz)は小さいと
いうことから、上記(イ)の現象となる。
【0043】また、塩素イオンについての総括物質移動
容量係数(Kfa)は、それらのことから著しく大きい
ことは明らかである。
【0044】また、SVを大きくすると、電気伝導度も
大きくなるので、増大した電気伝導度を与えるイオン
(存在していても放電加工に支障がないイオン)には、
総括物質移動容量係数(Kfa)が小さいものがあるこ
とが本発明で見出だされている。ここにおいて、著しく
大きいSVでのイオン交換処理ということ自体が本発明
で提案されたことであるが、その著しく大きいSVでの
固定床法によるイオン交換処理での塩素イオンの総括物
質移動容量係数(Kfa)が著しく大きいこと、および
塩素イオンと他のイオン(存在していても放電加工に支
障がないイオン)の総括物質移動容量係数(Kfa)の
相違が著しいこと、が本発明により見出だされた。
【0045】(ロ)の現象は、式〔1〕に基ずいて次の
ように説明できることが見出だされた。
【0046】すなわち、大きいSVでイオン交換処理し
ても、チャネリングにより塩素イオンが突発的に処理水
道水に漏出していないので、チャネリングが生じるうる
状況下にあっても、塩素イオンのイオン交換速度(ud
c)が大きいので、上記(ロ)の現象になる。
【0047】また、電気伝導度が不連続に変化しないと
いうことは、塩素イオンのイオン交換に必要な樹脂層微
少高さ(dz)がある均一性を保持して下降していくと
いうことが、が本発明により見出された。
【0048】さらに、(ハ)の現象は、式〔1〕に基ず
くと様々な態様を考えることができるが、例えば、次の
ように考えることができる。
【0049】塩素イオンのイオン交換速度は、著しく大
きいので、塩素イオン濃度が小さい場合および大きい場
合のいずれの場合でも、完全にイオン交換されるので、
塩素イオンについての破過点に到達しない前には、処理
水道水に漏出するイオンは、処理する水道水の塩素イオ
ンの濃度の大小に関係がない。
【0050】なお、(ハ)の現象は、本発明で見出ださ
れた。
【0051】そして、処理水道水の電気伝導度が約10
μS/cmに達するまでの処理量とSVとの関係を求め
た。それが、図1である。
【0052】図1は、横軸にSVをとり、縦軸に処理量
をとったものであるが、SV345h−1で、処理量が
従来の数倍になっている。SV20は、水道水の従来の
イオン交換処理法において最大限にとりうると考えられ
ているものである。
【0053】図1から放電加工用水道水を大きくすると
倍増的に処理量が増大するのが明らかである。すなわ
ち、使用するイオン交換樹脂の寿命が倍増的に増大す
る。
【0054】したがって、イオン交換樹脂の寿命の倍増
的な増大により、イオン交換処理ににおけるイオン交換
樹脂の交換などに要していた操作がそれたけ減少し、そ
れにともなって、無人工場での放電加工の長時間の連続
運転の場合でも、イオン交換処理操作を無人で行うこと
ができる。
【0055】ここにおいて、本発明による放電加工用水
道水またはそれを含有する水のイオン交換処理法は、放
電加工用水道水またはそれを含有する水を20hを越
える空間速度でイオン交換樹脂に接触させるようにして
いる。
【0056】20h−1を越える空間速度としたのは、
20h−1を僅かに越える空間速度から、図1の曲線が
示すように、処理量が急速に立ち上がっているからであ
る。
【0057】なお、上限の空間速度は、主としてイオン
交換樹脂の機械的強度あるいはカラムの機械的強度など
に由来から定まるものであって、例えば、SV500h
−1にすることができる。
【0058】本発明での空間速度は、20h−1を越え
るものであればよいが、SVに対して処理水量が急激に
立ち上がるSV(図1の曲線から)をとるのが好まし
い。
【0059】好ましいSVとしては、例えば、30h
−1〜75h−1の任意のSV、あるいは100h−1
〜350h−1の任意のSVがある。
【0060】また、ワイヤカット放電加工に使用した加
工液についても同様のイオン交換処理を試みた。
【0061】その結果、第一に使用済加工液には放電加
工に由来する様々な種類のイオンが混入して、使用済加
工液の電気伝導度が大きくなっているが、イオンには放
電加工に無害および有害な種類のものがあり、無害なイ
オンに由来する電気伝導度がある程度大きくても、放電
加工に実質的に支障がないことが明らかとなった。
【0062】無害なイオンとしては、例えば、鉄イオ
ン、亜鉛イオン、銅イオンなどの金属イオン、炭酸イオ
ンおよびケイ酸イオンなどの無機イオンがある。有害な
イオンとしては、例えば、モリブデン、クロム、タング
ステン、コバルトなどの金属に由来するイオン、塩素イ
オンなどである。
【0063】ここで、有害なイオンのモリブデンあるい
はタングステンなどは、ワイヤカット放電加工に用いる
ワイヤの材質を構成する金属元素である。
【0064】なお、放電加工に無害なイオンとは、その
イオンが加工液中に存在していても、放電加工を支障な
く行うことができるイオンである。放電加工に有害なイ
オンとは、その逆に、そのイオンが加工液中に存在して
いると、放電加工を行ううえで支障を生じるイオンであ
る。
【0065】第二に、使用済加工液を20h−1を越え
るSVで、10μS/cm程度までイオン交換処理する
と、処理した使用済加工液の電気伝導度は、実質的に放
電加工に無害なイオンに由来するもので、使用するイオ
ン交換樹脂の寿命が著しく長くなることが見出だされ
た。
【0066】そして、処理量とSVとの関係は、20h
−1を越えるSVから使用済加工液の処理量が立ち上が
る傾向となり、図1と略近似した傾向にあることがわか
った。
【0067】また、形彫り放電加工に使用した加工液に
も、放電加工によって有害および無害なイオンが混入し
て電気伝導度が大きくなるので、イオン交換処理によっ
て電気伝導度を小さくする必要がある。
【0068】その場合も、20h−1を越える空間速度
でイオン交換樹脂に接触させて、加工液の電気伝導度が
10μS/cm以下になるまでイオン交換処理すれば、
放電加工に再使用することができることが見出された。
【0069】20h−1を越える空間速度でSVの増大
に対して処理水量が増大する傾向を示すのは、ワイヤカ
ット放電加工に使用した加工液の場合と同様である。
【0070】ここにおいて、本発明による水性放電加工
液のイオン交換処理法は、水性放電加工液(特に使用済
水性放電加工液)を20h−1を越える空間速度でイオ
ン交換樹脂に接触させるようにしている。
【0071】なお、上限の空間速度は、主としてイオン
交換樹脂の機械的強度あるいはカラムの機械的強度など
に由来から定まるので、放電加工用水道水またはそれを
含有する水をイオン交換処理する場合の上限の空間速度
と同様である。 <処理法>本発明によるイオン交換処理法での液(ここ
では、放電加工用水道水、放電加工用水道水を含有する
水、あるいは水性放電加工液のいずれでもよいという意
味で液という用語を使用している)とイオン交換樹脂と
の接触方法は、液をイオン交換樹脂からなる固定床に上
から流して、固定床の下から処理液を取りだすという方
式によるのが代表的である。
【0072】ただし、その他の方式によるものでもよ
い。イオン交換樹脂の固定床は、縦長のカラムにイオン
交換樹脂を充填することにより形成するのが、代表的で
ある。固定床は、従来のイオン交換処理で用いられてい
るイオン交換樹脂層をそのまま使用することができる。
固定床の縦長/直径の比率は、1/1でもよいが、2/
1〜4/1であるのが好ましい。
【0073】本発明では、放電加工用水道水あるいはそ
れの含有水を20hを越える空間速度でイオン交換樹
脂層に通すには、一般的にはカラム内のイオン交換樹脂
層の上に溜まった液の水頭により流すのは困難である。
したがって、液をポンプによりイオン交換樹脂充填カラ
ムに圧入するのが便宜である。
【0074】このポンプによりイオン交換樹脂充填カラ
ムに圧入してイオン交換処理を行う方法は、従来のイオ
ン交換処理法からみれば、異例ともいえる方法である。
【0075】すなわち、従来の固定床によるイオン交換
処理法は、固定床(イオン交換樹脂層)をピストンフロ
ー(プラグフロー)に近い状態の流体を通過させるの
が、原則的であると考えらているからである。
【0076】この点から、本発明は、加圧流体を高速
(すなわち高いSV)で固定床(イオン交換樹脂層)を
通過させるという、従来にはない流体のイオン交換処理
法を提供するものでもある。
【0077】本発明による水道水またはそれを含有する
水のイオン交換処理法では、処理水を50以下の電気伝
導度にイオン交換処理する。50μS/cm以下という
限定は、それを越える電気伝導度にすると塩素イオン由
来の電気伝導度が含まれるからである。下限の電気伝導
度は、本発明のイオン交換処理により、イオン交換樹脂
単位量当たりの処理水が増大する範囲であれば任意であ
るが、例えば1μS/cm以上にすることで、処理水の
増大、イオン交換樹脂の寿命の延長という効果は十分に
実現できる。
【0078】なお、1μS/cmよりも相当に小さい電
気伝導度まで水道水またはそれを含有する水のイオン交
換処理すると、イオン交換樹脂の交換容量を不必要に消
費する傾向がある。
【0079】なお、処理水が、50μS/cmあるいは
それに近い電気伝導度になるようにしてイオン交換処理
すれば、理論的にはイオン交換樹脂の寿命が最も長くな
る。
【0080】また、水性放電加工液を処理する場合の上
限の電気伝導度を10μS/cm以下にしたのは、それ
以上では、前述した放電加工に有害なイオンが漏出する
からである。
【0081】なお、下限の電気伝導度は、イオン交換樹
脂単位量当たりの処理水が増大する範囲であれば任意で
ある。例えば、0.2μS/cm以上であると処理水増
大の効果を保持しうる。
【0082】なお、本発明で用いている電気伝導度の限
定値は、本発明で見出だされた。放電加工用水道水など 放電加工用水道水というのは、放電加工に用いる水道水
という意味である。水道水に放電加工用という限定を設
けたのは、本発明の方法により処理された水道水が放電
加工に用いられる場合に技術上の意義(すなわち、本発
明による効果)が得られるからである。
【0083】また、放電加工用水道水を含有する水とい
うのは、水道水とそれ以外の水(例えば、純水、工業用
水など)との混合水の意味である。混合水中の放電加工
用水道水の含有比率については、特に制約がない。ただ
し、水道水以外の水としては、純水を用いるのが代表的
である。
【0084】なお、水道水の塩素含量は、通常数ppm
〜数十ppmの範囲で地域によって変動するが、本発明
により処理するには、何らの支障がない。
【0085】水性放電加工液というのは、放電加工に用
いられるあるいは用いた水性加工液のことである。ここ
で、「放電加工に用いられるあるいは用いた」の「放電
加工」は、ワイヤカット放電加工あるいは形彫り放電加
工などを含む広義の放電加工を意味している。
【0086】なお、形彫り放電加工に用いる水性放電加
工液は、加工効率を向上させる水溶性物質を溶解した水
溶液であるのが一般的である。イオン交換樹脂 イオン交換樹脂は、一般にイオン交換基を有する三次元
網目構造の高分子を意味するが、本発明の「イオン交換
樹脂」の用語はそれにとどまらず、担体(例えば球状の
担体)表面をイオン交換樹脂の膜で覆ったものを含む意
味で用いている。イオン交換樹脂は、単一の種類あるい
は複数の種類からなるものであってもよい。
【0087】なお、イオン交換樹脂は、イオン交換基の
機能から類別すると、陽イオン交換樹脂および陰イオン
交換樹脂に大別され、さらに陽イオン交換樹脂は強酸性
および弱酸性の陽イオン交換樹脂に類別され、陰イオン
交換樹脂は強塩基性および弱塩基性の陰イオン交換樹脂
に類別される。
【0088】本発明で用いるイオン交換樹脂は、少なく
とも陰イオン交換樹脂を含んでいればよい。すなわち陰
イオン交換樹脂のみあるいは陰イオン交換樹脂と陽イオ
ン交換樹脂との併用であってもよい。
【0089】ただし、強塩基性陰イオン交換樹脂と陽イ
オン交換樹脂との併用が適している。また、水溶性高分
子を溶解した水溶液をイオン交換処理して形彫り放電加
工用の水性加工液にする場合は、強塩基性陰イオン交換
樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂との併用が好適である。
【0090】ワイヤカット放電加工に使用した水性加工
液の処理でも、強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イ
オン交換樹脂との併用が好適である。
【0091】なお、半導体製造用の水処理あるいは原子
力発電用の水処理に用いるイオン交換樹脂を本発明で使
用すれば、それら高品質および高価なイオン交換樹脂の
能力をより有効に活用することができる。
【0092】強塩基性陰イオン交換基としては、第四級
アンモニウム基などを用いるのが代表的である。
【0093】また、強酸性陽イオン交換基としては、ス
ルホン酸を用いるのが代表的であり、弱酸性陽イオン交
換基としては、カルボン酸を用いるのが代表的である。
【0094】さらに、イオン交換樹脂を構造についてみ
れば、ゲル型、多孔性型あるいは担体担持型などのもの
があるが、いずれの構造のものでも使用することができ
る。
【0095】ただし、ゲル型のうちの無亀裂型のもの
が、放電加工用水性液の処理にはイオン交換容量が大き
いということで適している。
【0096】イオン交換樹脂の共重合体については、そ
の単量体の種類、重合方法および架橋方法に特に制約が
ない。
【0097】なお、本発明の処理法で特に強塩基性陰イ
オン交換樹脂を用いると、有害なイオンをより優先的に
樹脂に捕捉することできる点で好ましいということは、
本発明で見出だされたことである。
【0098】なお、本発明におけるイオン交換処理にお
いては、空間速度および処理液の電気伝導度以外の条件
は任意である。本発明による処理法の具体的態様 本発明による放電加工用水道水またはそれを含有する水
のイオン交換処理法の具体的態様を例示すれば下記のも
のを挙げることができる。 (a)本発明の処理法により水道水を50μS/cm以
下、好ましくは50〜5μS/cm、更に好ましくは2
0〜10μS/cm、の電気伝導度になるまでイオン交
換処理して、それと純水とを混合してワイヤカット放電
加工用の加工液を調製する。
【0099】その場合、水道水をイオン交換処理するに
要するイオン交換樹脂の寿命を飛躍的に長くすることが
てきる。 (b)本発明の処理法により水道水と純水との混合水を
50μS/cm以下、好ましくは50〜5μS/cm、
更に好ましくは20〜10μS/cm、の電気伝導度に
なるまでイオン交換処理して、ワイヤカット放電加工用
の加工液を調製する。
【0100】その場合も、イオン交換樹脂の寿命を飛躍
的に長くすることがてきる。
【0101】また、本発明の水性放電加工液のイオン交
換処理法の具体的態様を例示すれば、下記のものを挙げ
ることができる。 (a)ワイヤカット放電加工に使用し、そのために電気
伝導度が大きくなった加工液を本発明の処理法により5
0μS/cm以下、好ましくは50〜5μS/cm、更
に好ましくは20〜10μS/cm、の電気伝導度にな
るまでイオン交換処理して放電加工に再使用する。 その場合のイオン交換処理の具体的態様としては、例え
ば更に次のものがある。 ワイヤカット放電加工に使用した加工液を濾過した後
で貯溜槽に溜める。貯溜槽に溜まった加工液の全量を本
発明の処理法によりそれらの電気伝導度になるまでイオ
ン交換処理する。 ワイヤカット放電加工に使用した加工液を濾過した後
で貯溜槽に溜める。貯溜槽に溜まった加工液の所定の割
合の量を本発明の処理法によりイオン交換処理して貯溜
槽に戻して、貯溜槽中の全量(イオン交換処理済のもの
と未処理のものとの合計量)をそれらの電気伝導度にす
る。
【0102】なお、貯溜槽中の加工液の電気伝導度を検
出しながら、加工液を抜き出してイオン交換処理して貯
溜槽に戻し、貯溜槽中の加工液がそれらの電気伝導度に
なれば、イオン交換処理を終了する。
【0103】この場合、貯溜槽中の加工液の電気伝導度
を検出しながら、イオン交換処理が行われるので、イオ
ン交換処理の終了は、その検出信号によって行えばよい
ので、工業的には便宜である。 前記の場合において、貯溜槽に溜めた使用済加工液
に水道水を補給する。そして、その全量を本発明の処理
法によりそれらの電気伝導度になるまでイオン交換処理
する。 前記の場合において、貯溜槽に溜めた使用済加工液
に水道水を補給する。全量(使用済加工液と水道水との
合計量)のうちから所定の割合の量を本発明の処理法に
よりイオン交換処理して貯溜槽に戻して、貯溜槽中の全
量(イオン交換処理済のものと未処理のものとの合計
量)をそれらの電気伝導度にする。
【0104】なお、前記と同様に、貯溜槽中の加工液
の電気伝導度を検出しながら、加工液を抜き出してイオ
ン交換処理するようにしてもよい。 形彫り放電加工に使用した加工液を濾過した後で貯溜
槽に溜める。貯溜槽に溜まった加工液の全量を本発明の
処理法により10μS/cm以下、好ましくは10〜5
μS/cm、の電気伝導度になるまでイオン交換処理し
て形彫り放電加工に再使用する。
【0105】なお、貯溜槽に溜まった加工液の所定の割
合の量を本発明の処理法によりイオン交換処理して貯溜
槽に戻して、貯溜槽中の全量(イオン交換処理済のもの
と未処理のものとの合計量)を10μS/cm以下、好
ましくは10〜5μS/cm、の電気伝導度にしてもよ
い。
【0106】また、貯溜槽中の加工液の電気伝導度を検
出しながら、加工液を抜き出してイオン交換処理して貯
溜槽に戻し、貯溜槽中の加工液が10μS/cm以下、
好ましくは10〜5μS/cm、の電気伝導度になれ
ば、イオン交換処理を終了するようにしてもよい。
【0107】以下に本発明の実施例を挙げ、それにより
具体的に本発明を説明する。実施例は本発明を例示的に
示したものであって本発明を制限するものではない。
【0108】
【実施例】
<実施例1>図2に示す実験装置で実験を行った。図2
において、貯溜槽(1)には、(2)が溜められてい
る。その水道水(2)は、ポンプ(3)によりカラム
(4)にその上部から供給され、カラム(4)に充填し
たイオン交換樹脂(5)とイオン交換した後で、元の貯
溜槽(1)に戻るようになっている。
【0109】実験の条件は、以下のものてあった。 貯溜槽(1)の水道水(2)量…………………270リ
ットル、 カラム(4)の容量………………………………10リッ
トル、 カラム(4)に充填したイオン交換樹脂………2リット
ル、 水道水(2)のカラム(4)への供給流量……2.5リ
ットル/分。
【0110】(この供給流量は、SV75h−1に相当
する) 水道水(2)の電気伝導度………………………100μ
S/cm(1×10オームcm) および10μS/cm(10×10オームcm)の電
気伝導度のものを2種類用意した。
【0111】実験は、以下の方法で行った。
【0112】先ず貯溜槽(1)に100μS/cm(1
×10オームcm)の水道水(2)270リットルを
入れ、それをポンプ(3)に抜き出してイオン交換処理
してから貯溜槽(1)に戻す操作をして、貯溜槽(1)
の水道水(2)が10μS/cm(10×10オーム
cm)になるまでの時間を1サイクルとした。
【0113】したがって、貯溜槽(1)の270リット
ルの水道水(2)が、10μS/cm(10×10
ームcm)になったら、その全量(270リットル)を
廃棄し、貯溜槽(1)の水道水(2)を全量270リッ
トルを入れ替えて、同じ操作をした。
【0114】そして、1サイクルに要する時間、および
1サイクルの開始時および終了時のカラム(4)出口の
電気伝導度を測定した。全量が10μS/cmになるま
での時間が、その前のサイクルの1.5倍以上になった
時点で実験を終了した。
【0115】そして、1サイクルに要する時間、サイク
ル数および供給流量から処理水量を計算し、その計算値
をカラム(4)中のイオン交換樹脂1リットル当りの値
に換算した。
【0116】そして、実施例2および実施例3で得られ
て処理水量を同様にして1リットル当りの値に換算し
て、同様して得られた低いSVでのイオン交換樹脂1リ
ットル当りの処理水量の値と共にグラフ化したのが、前
述の図1である。 <実施例2>実施例1と同じ実験装置を用いて実験し
た。また、水道水(2)のカラム(4)への供給流量を
11.5リットル/分(SV345h−1に相当する)
にした以外は、全て実施例1と同じにして実験した。 <実施例3>実施例1と同じ実験装置を用いて実験し
た。また、カラム(4)に充填したイオン交換樹脂を1
0リットルにして、水道水(2)のカラム(4)への供
給流量を10.5リットル/分(SV63h−1に相当
する)にした以外は、全て実施例1と同じにして実験し
た。実施例3の実験において、1サイクル目と15サイ
クル目のそれぞれ最初のカラム出口の電気伝導度を比較
すると、1サイクル目が0.2μS/cm、15サイク
ル目が5.5μS/cmであるににもかかわらず、全量
が10μS/cmなるまでにカラムを通過した各サイク
ルでの液の量は、ほとんど同じで、630リットルであ
った。
【0117】このことから、水道水の全体量(各サイク
ルの合計量)を10μS/cm程度までイオン交換処理
する場合、早いサイクル(例えば、1サイクル目)で水
道水を10μS/cmよりも著しく低い電気伝導度(例
えば、0.2μS/cm)にするイオン交換処理は、過
剰なイオン交換処理(いわゆるオーバークオリティにな
るまでのイオン交換処理)を行っているということがわ
かる。
【0118】これを別の点からみれば、放電加工に用い
る水道水をイオン交換処理する場合、早いサイクルでの
イオン交換処理は、その目的とするイオン交換処理とい
う点からは、イオン交換樹脂の交換容量を無駄に消費し
ていることになる。
【0119】したがって、早いサイクル(例えば、1サ
イクル目)から、処理水道水の電気伝導度が10μS/
cm以下になる条件で、大きいSVにより、水道水をイ
オン交換樹脂層を通せば、イオン交換樹脂の交換容量の
無駄な消費がなくなる。
【0120】すなわち、イオン交換樹脂単位量当たりの
処理水量が大きくなり、イオン交換樹脂の寿命が長くな
る。
【0121】
【発明の効果】本発明により放電加工用水道水またはそ
れを含有する水をイオン交換処理すれば、それに要する
イオン交換樹脂の寿命を著しく長くすることができる。
また、それに伴って、放電加工に要する費用が軽減し、
かつ労力も軽減する。
【0122】また、本発明により水性放電加工液として
ワイヤカット放電加工に使用済の加工液をイオン交換処
理すれば、イオン交換樹脂の寿命を著しく長くして、そ
れに伴う様々な利益を得られるということ以外にも、様
々な利益が得られる。
【0123】すなわち、従来、使用済加工液をイオン交
換する際に処理加工液の目標とすべき電気伝導度および
処理条件などが明確ではなかったが、それを明確にした
ということができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理水量とSVとの関係を示すグラフ。
【図2】イオン交換処理の実験装置を示す図。
【符号の説明】
1 貯溜槽 2 水道水 3 ポンプ 4 カラム 5 イオン交換樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/10 B01J 39/18 C02F 1/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性放電加工液を放電加工に必要な所定の
    電気伝導度にするイオン交換処理方法であって、前記水
    性放電加工液を20h−1を越える空間速度で容器内の
    イオン交換樹脂層を通過させる工程と、イオン交換処理
    された水性放電加工液の電気伝導度を検出する工程と、
    前記電気伝導度が50μS/cm以下の前記所定の電気
    伝導度になったときにイオン交換処理を終了する工程
    と、を含んでなる放電加工における水性放電加工液のイ
    オン交換処理方法。
  2. 【請求項2】水性放電加工液を放電加工に必要な所定の
    電気伝導度にするイオン交換処理方法であって、貯留槽
    内の放電加工に使用した前記水性放電加工液を前記水性
    放電加工液を20h−1を越える空間速度で容器内のイ
    オン交換樹脂層を通過させる工程と、イオン交換処理さ
    れた前記水性放電加工液を前記貯留槽に戻す工程と、前
    記貯留槽内の前記水性放電加工液の電気伝導度を検出す
    る工程と、前記電気伝導度が50μS/cm以下の前記
    所定の電気伝導度になったときにイオン交換処理を終了
    する工程と、を含んでなる放電加工における水性放電加
    工液のイオン交換処理方法。
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