JPH05269512A - 作業ロールのチョック、カップリング及びストリッパー着脱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大単重カップリング、ストリッパーの着脱用
として、油圧を駆動源とした自動化した装置を提供す
る。 【構成】 作業ロール本体にチョック、カップリング及
びストリッパーを組み込んだ作業ロールの支持装置と、
作業ロール支持装置のロール軸と直角方向に摺動自在に
設けた基礎台に、一対の支柱を立設し、支柱にストリッ
パー懸架爪を突設し、懸架爪と同一方向に垂直度出し調
整ロッドを突設したストリッパー着脱装置と、チョック
着脱装置及びカップリング着脱装置を載置したＤＳ側台
車を、ロール支持装置のロール軸方向に摺動自在に設
け、チョック着脱装置を載置したＷＳ側台車を、ロール
支持装置のロール軸方向に摺動自在に設けたことを特徴
とする作業ロールのチョック、カップリング及びストリ
ッパー着脱装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は作業ロールのチョック、
カップリング及びストリッパーの着脱装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ロール組替方式には作業ロール用の台車
抽出方式があり、ロール組替時間の短縮と組替作業の機
械化が図られている。一方、ロール整備作業は、ロール
分解組立作業とロール研削作業がある。ロール分解組立
作業については、クレーンによるワイヤー吊り作業にて
それぞれ単品毎の分解・組立作業をワイヤーの振れを防
止しながら行うので危険な作業を余儀なくされていた。
各種の吊り治具の開発検討が実施されているが、玉掛け
作業を省くことができなかった。

【０００３】特に厚板工場のロール重量は６０数ｔに達
し、カップリングを含む総重量は１２０ｔを超える大単
重である。従ってチョック、カップリング、ストリッパ
ーの玉掛け作業ではクレーン運転と玉掛け及び玉掛け補
助と必ず３名作業になる。

【０００４】ロールチョックの分解組立てについては、
例えば特公昭４１−１８２１１号公報で、上下１対のロ
ールチョックに対し同時に作業が行え、作業は油圧力を
利用し機械的に行わせることにより、作業員が対象物に
直接触れる必要度合いを少くし、少数の未熟者でも比較
的短時間に作業を完了し得る装置が提供されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は全て油圧を動
力源とすることで、操作側（ＷＳ）、駆動側（ＤＳ）同
時に着脱できる装置とし、ロール分解・組立作業中には
まったくクレーンを用いない作業により、玉掛け作業を
無くし安全、能率性の向上を図り、省力化を達成した作
業ロールのチョック、カップリング、ストリッパー着脱
装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は作業ロール本体
にチョック、カップリング及びストリッパーを組み込ん
だ作業ロールの支持装置と、作業ロール支持装置のロー
ル軸と直角方向に摺動自在に設けた基礎台に、一対の支
柱を立設し、支柱にストリッパー懸架爪を突設し、懸架
爪と同一方向に垂直度出し調整ロッドを突設したストリ
ッパー着脱装置と、チョック着脱装置及びカップリング
着脱装置を載置したＤＳ側台車を、ロール支持装置のロ
ール軸方向に摺動自在に設け、チョック着脱装置を載置
したＷＳ側台車を、ロール支持装置のロール軸方向に摺
動自在に設けたことを特徴とする作業ロールのチョッ
ク、カップリング及びストリッパー着脱装置である。

【０００７】以下本発明を図面について説明する。図１
において圧延機のロールスタンド（図示せず）から上下
一体で取外された作業用ロール本体１はチョック２−
１，２−２、カップリング３、ストリッパー４が組込ま
れて、本発明のロール支持装置１０に載置される。ロー
ル支持装置１０のロール軸と直角方向に摺動する基礎台
２１に一対の支柱２２−１，２２−２をロール軸と平行
に立設し、支柱２２−１，２２−２にストリッパー４の
懸架爪２３−１，２３−２を突設する。更に懸架爪２３
−１，２３−２と同一方向に垂直度出し調整ロッド２４
−１，２４−２を突設して、ストリッパー着脱装置２０
を構成する。

【０００８】本発明におけるＤＳ側台車３１はチョック
２−１の着脱装置３０とカップリング３の着脱装置４０
を載置している。カップリング着脱装置４０は後述する
ようにＤＳ側台車３１上に例えばオイルレスライナーを
設けた台車に設ける。又本発明におけるＷＳ側台車５１
はチョック２−２の着脱装置５０をロール軸方向に摺動
自在である。

【０００９】本発明におけるストリッパーの着脱機能は
ストリッパーのワイヤー吊り方式から爪掛けによる吊り
方式を採用（背面吊り）し、上下ストリッパーを同一昇
降シリンダーで操作できるように設備の簡素を図り、ク
レーンによる完全分解搬送作業から、浮かし着脱無搬送
方式とするため、ストリッパー垂直保持装置を設置して
いる。

【００１０】又、ロールがクレーンの置き方で常に一定
場所に保持できないためクレーンの振れ、バラツキ分の
ストリッパー横行シフト機能をもたせている。更にロー
ルにストリッパーが抱きついた状態でセットされてお
り、解体した裸ロールを交換するにはストリッパーを或
る一定量離す必要から、油圧シリンダーによる前進後退
装置を設ける。

【００１１】ストリッパーの分解組立及びロールとの間
隙調整は玉掛けワイヤーによって作業していたが、本発
明では懸架爪２３−１，２３−２（図１）、図４（ｂ）
のように懸架爪を採用し上ストリッパーは上部吊手、下
のストリッパーは背面吊りで形状の違った上下ストリッ
パーを図１のストリッパー着脱装置２０の同一の昇降シ
リンダーで操作できるように簡素化し、能率向上を図
る。

【００１２】クリーンによって、ストリッパー４をチョ
ック２より完全に解体し、仮置き場に格納していた作業
を図１のストリッパー着脱装置２０で昇降し浮かせ、解
体運搬を無くし、ストリッパー垂直保持機能を持たせる
ことによって、そのまま組込作業ができるような機能と
している。

【００１３】ロールにストリッパーが抱きついた状態で
セットされており、解体した裸ロールを交換するには、
図４（ａ）下ストリッパーを一定量後退させる必要があ
ることから、図４（ｂ）の油圧シリンダーによる前後進
装置を設ける。

【００１４】ロールはクレーンによって搬送されること
から、クレーンの振れや個人差によって、置く位置に狂
いが生じ微調整に時間を有することから、ロールの位置
を微調整するのではなく、上下ストリッパーを図８
（ｂ）に示すように油圧シリンダーを操作することで図
の左右に調整する機能を持たせ、作業の能率向上を図
る。図４（ａ），（ｂ）において、２４は垂直度出し調
整ロッド、２７−１はストリッパー垂直度出し下用ハン
ドル（嵌合用）、２７−２はストリッパー垂直度出し上
用ハンドル（嵌合用）、２６は左右動作用シリンダー、
２５−１，２５−２は左右動作用溝型ライナー（オイル
レス）でロール位置合せを行う。５５は前進、後進シリ
ンダーとしてストリッパーの位置合せを行う。５６は上
昇、下降シリンダーで、上下ストリッパー用として、鋼
板厚み合せストリッパーギャップを調整し、分解、組立
時の吊り保持用である。２８は上昇、下降用油圧配管、
２９はハンドリング用吊環、５２は上ストリッパーのハ
ンドリング用吊環、５３は吊環、５４は孔明き状吊環、
５７は地下ピットを示す。

【００１５】本発明における大単重カップリング着脱装
置の機能は１台の走行台車でチョック着脱とカップリン
グ着脱を可能にするため、走行台車にはチョック昇降シ
リンダーを溶接固定し、カップリングは別個の操作がで
きるよう走行台車に溝型オイルレスライナーを固定しス
ライド走行・昇降が可能である。

【００１６】即ち１台の走行台車でチョック着脱とカッ
プリング着脱を可能にするため、図３のチョック着脱油
圧台車３１−１とカップリング着脱油圧台車４１は同一
昇降台車として連結し、その台車の後面上に更にカップ
リング着脱専用の昇降台車を設置し、３１−１と４１双
方が各々別個に動作できる機能を有する。

【００１７】更にカップリングとロールネック嵌合部の
微調整装置として、円周方向には、図２のロール回転装
置１１、ロール正逆回転が可能な油圧モーターを設置
し、走行台車、カップリング着脱油圧台車４１にはカッ
プリング嵌合時の間隙差によって無理な力が生じ設備の
破損がないよう、且つ作業能率を向上させるため台車に
高速，低速機能を持たせる。前述のチョック着脱用及び
カップリング着脱用の各油圧台車は昇降、走行が自在で
ある。例えば本例においてはチョック着脱油圧台車（Ｗ
Ｓ）は着脱走行ストローク２６８０mm、チョック着脱油
圧台車（ＤＳ）は同走行ストローク２９００mm、カップ
リング着脱油圧台車の走行ストロークは９９０mmを与え
られ、各３台車の昇降ストロークは１８０mmである。

【００１８】図９，１０，１１に走行台車シリンダ（Ｄ
Ｓ）の詳細図を示す。図において６６はシリンダ固定金
具、６７は台車シリンダ、６８はシリンダ固定ロック、
６９はカップリング台車シリンダ、７０はレール・台車
ロッドを示す。

【００１９】更に本発明におけるチョック着脱装置は高
速・低速・圧力保持機能を有し、ロールとＢＲＧの芯ズ
レによる組込不良を防止するため、走行台車のレール両
端にガイドローラーとサイドローラーを設置し、着脱装
置への組立ロール受入れ準備確認方法として、下降限・
後退限・シフトゼロ機能を設けている。

【００２０】即ちロールネックとチョック内ベアリング
の嵌合時にセンター狂いが生じ、組込み時間の延長やベ
アリング及びオイルシールの破損を生じることから、図
５，図６，図７に示すように走行台車のレール３６両端
にガイドローラーとサイドローラー３７を設置し、ロー
ルセンターとチョックセンターの走行及び嵌合時の狂い
を最小限に食い止めスムースなチョック着脱が可能とな
る機能とする。

【００２１】図５において３６は台車走行用レール、３
７は台車芯出しサイドローラー、３８は昇降用シリン
ダ、３９は昇降用シリンダロッドで１８０mmの昇降スト
ロークを与えられている。４５はチョック転倒防止金
具、４６は台車側の摺動面用ライナー（固定）である。

【００２２】図６において、４９はチョック付シフトコ
マで、チョック３０とボルト４８で固定一体化してい
る。５５は昇降チョック置台で、昇降ストロークは１８
０mmである。５６はチョック置台昇降時の案内箱で、摺
動面はライナー付である。チョックは大単重（２０ｔ）
のため左右横振れに対し、シリンダロッドが保持不可の
ため強固な案内箱５６を設ける。図７（ａ）はサイドロ
ーラー側面図、（ｂ）はサイドローラー正面図である。

【００２３】又チョック着脱装置内へのアッセンブリロ
ール及び裸ロールの受払いを安全に且つ、能率的にでき
るようにするため、各走行台車、図１のチョック着脱装
置３０，５０、カップリング着脱装置４０は下降限、後
退限リミット機能を有し、更に図１の上下ストリッパー
の後退限と図４（ｂ）のストリッパー左右シフトゼロ調
機能を設け、その全てが受払い準備ＯＫとなった時、パ
イロットランプが青点灯表示する（赤点灯は停止）機能
を設ける。

【００２４】本発明におけるロール，チョック分解手順
を図８（ａ）によって説明すると、調整リング（ＷＳ及
びＤＳ）３２−１，３２−２を弛るめて、スラストリン
グ（ＷＳ及びＤＳ）３３−１，３３−２のハンド取出し
を行う。ついでカップリングセットボルト４２を取外
し、入，出側ストリッパー吊り及びストリッパー垂直出
しをストリッパーハンドル２１で行う。調整ジム（ＤＳ
及びＷＳ）２２−１，２２−２を取外すとカップリング
３を矢印方向に摺動して抽出可能である。

【００２５】カップリング３を抽出後、チョック２−
１，２−２を抽出する。ついでストリッパー４を開放
し、ロール１をリフターで取出す。チョックの抽出はチ
ョック着脱油圧台車３１−１，３１−２の上昇，水平移
動，下降動作を利用する。

【００２６】ロール、チョックの組立手順は図８（ｂ）
に示すが、分解手順の逆手順をとるとよい。即ち組立ロ
ール１を準備し、ストリッパー４をロールに組込み合せ
る。ストリッパーの端面合せを行い、チョック着脱油圧
台車３１−１を矢印に従い上昇，水平移動してチョック
２−１を装入し、同様にＷＳ側のチョック２−２を台車
３１−２の上昇，水平移動によりロールに装入する。

【００２７】ついでスラストリング３３−１，３３−２
を調整リングで締付け調整する。その後カップリング３
を油圧台車４１を用いて装入し、セットボルト４２を取
付ける。最後にストリッパー４の隙間調整をＤＳ，ＷＳ
それぞれ行い、カップリング台車４１の下降後退、及び
ストリッパーの吊り開放後退によって組立を完了する。

【００２８】

【発明の効果】本発明によればロール軸方向のチョッ
ク、カップリングを着脱する装置にプラスして、ロール
側面に付帯する上下ストリッパーガイドの着脱並びに間
隙調整をクレーンを使用せずできる。

【００２９】又、クレーンを使用せず、大単重カップリ
ングの着脱を可能とし、全て油圧を駆動源とし、操作側
／駆動側のチョックを連動で同時に着脱できる等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体説明図である。

【図２】本発明の平面図である。

【図３】図２の側面図である。

【図４】（ａ）は本発明のストリッパー着脱装置の側面
図であり、（ｂ）は（ａ）の正面図である。

【図５】本発明のロールチョック着脱装置（ロール側）
の正面図である。

【図６】本発明のロールチョック着脱装置（反ロール
側）の正面図である。

【図７】（ａ）はサイドローラー側面図、（ｂ）はその
正面図である。

【図８】（ａ）は本発明の作用（ロールチョック分解手
順）の説明図であり、（ｂ）は本発明の他の作用（ロー
ルチョック組立手順）の説明図である。

【図９】走行台車シリンダ取付の詳細図である。

【図１０】図９のＢ−Ｂ矢視図である。

【図１１】図９のＡ−Ａ矢視図である。

【符号の説明】

１ 作業ロール本体 ２−１，２−２ チョック ３ カップリング ４ ストリッパー ６−１，６−２ 操作盤 １０ ロール支持装置 １１ ロール回転装置 ２０ ストリッパー着脱装置 ２１ 基礎台 ２２−１，２２−２ 支柱 ２３−１，２３−２ 懸架爪 ２４−１，２４−２ 調整ロッド ３０，５０ チョック着脱装置 ３１ ＤＳ側台車 ３１−１ チョック着脱油圧台車（ＤＳ） ３１−２ チョック着脱油圧台車（ＷＳ） ３２−１，３２−２ 調整リング ３５ 台車走行車輪 ３６ レール ３８ 昇降用シリンダ ４０ カップリング着脱装置 ４１ カップリング着脱油圧台車 ４５ チョック転倒防止金具 ４６ 摺動面用ライナー ５１ ＷＳ側台車

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 仁 大分市大字西ノ洲１番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業ロール本体にチョック、カップリン
   グ及びストリッパーを組み込んだ作業ロールの支持装置
   と、作業ロール支持装置のロール軸と直角方向に摺動自
   在に設けた基礎台に、一対の支柱を立設し、支柱にスト
   リッパー懸架爪を突設し、懸架爪と同一方向に垂直度出
   し調整ロッドを突設したストリッパー着脱装置と、チョ
   ック着脱装置及びカップリング着脱装置を載置したＤＳ
   側台車を、ロール支持装置のロール軸方向に摺動自在に
   設け、チョック着脱装置を載置したＷＳ側台車を、ロー
   ル支持装置のロール軸方向に摺動自在に設けたことを特
   徴とする作業ロールのチョック、カップリング及びスト
   リッパー着脱装置。