JPH05269195A - 生体適合性に優れたチタニウムアルミナイド材 - Google Patents

生体適合性に優れたチタニウムアルミナイド材

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JPH05269195A
JPH05269195A JP3072249A JP7224991A JPH05269195A JP H05269195 A JPH05269195 A JP H05269195A JP 3072249 A JP3072249 A JP 3072249A JP 7224991 A JP7224991 A JP 7224991A JP H05269195 A JPH05269195 A JP H05269195A
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JP
Japan
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pores
powder
titanium aluminide
diameter
titanium
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Pending
Application number
JP3072249A
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English (en)
Inventor
Masaki Kumagai
正樹 熊谷
Takeshi Kawabata
武 川畑
Shuji Hanada
修治 花田
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チタニウムアルミナイドの多孔質体からなる
生体適合材料を提供することを目的とする。 【構成】 Al25〜75at%を含み、残部Tiと不可
避的不純物からなる組成を有する材料で、材料の表面か
ら表面下0.05〜10mmまでの表層部に、径0.01
〜1mmの気孔を有し、前記表層部における気孔の体積率
が50%以下であることを特徴とする。気孔の体積率を
表面から内部に向って連続的又は非連続的に小さくすれ
ば、生体適合性はさらに向上する。材料中に性能改善の
ためCr、Mn、B、V、Y、Mo、NbまたはSiを
添加することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で高度の機械的強
度ならびに化学安定性を有する生体適合性に優れたチタ
ニウムアルミナイド材に関する。
【0002】
【従来の技術】生体適合材料は、材質的に軽量かつ強力
であるとともに生体適合性に優れていることが要求され
る。この観点から、従来、純チタンおよびチタン合金が
生体適合材料として注目され、骨折した骨や関節の固定
具、人工骨や関節、人工歯根などとして使われ始めてい
る。
【0003】最近、多孔質のチタン生体適合材料の研究
も進められており、骨を良く成長侵入させることにより
骨と直接結合できるようにした生体適合材料として期待
されているが、チタン粉末により成形した多孔質材料で
は機械的強度を要する用途には適さないという問題点が
ある。この問題点を補うために、チタンの多孔質体と圧
延加工したソリッドメタルからなるチタンの支持体とを
溶接もしくは圧接によって突き合せ一体として強度をも
たせたもの(特開平1−195854号公報)なども開
発されている。しかし、この材料では、骨内埋入用の多
孔質体とソリッドメタルよりなる支持体とをそれぞれ別
個に調製し、これらを突き合せ一体としなければなら
ず、しかも、溶接ビード除去のために接合部外周面を機
械加工によって面仕上げしなければならないという製作
上の煩わしさがある。
【0004】一方、チタン基面をブラスト法やエッチン
グ法により粗面化することも知られているが、この方法
では浅い表面層において粗面が得られるのみで、十分な
アンカー効果が期待できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のチタ
ン生体適合材料における問題点を解消し、強度メンバー
として支持体を接合しない単一の多孔質体でも十分な強
度を有する生体適合材料の提供を目的とするもので、チ
タニウムアルミナイド材の研究過程において、チタニウ
ムアルミナイドが生体に対して無毒無害で生体親和性が
よく、多孔質にしても強度、耐食性等が損われないとい
う性質を備えていることを発見したことに基づくもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による生体適合材料は、Al25〜75at%を
含み、残部Tiと不可避的不純物からなるチタニウムア
ルミナイド粉末成形材料であって、該材料の表面から表
面下0.05〜10mmまでの表層部に、径0.01〜1
mmの気孔を有し、前記表層部における気孔の体積率が5
0%以下であることを基本的構成とする。また、該体積
率を表面から内部に向って連続的または非連続的に小さ
くすれば生体適合性の面で一層好ましい構成となる。さ
らに前記材料中には、選択的合金成分としてCr0.0
5〜10at%、Mn0.05〜10at%、B0.01〜
10at%、0.05〜10at%のV、Y、MoおよびN
b、およびSi0.001〜10at%のうちの1種以上
を含んでもよい。
【0007】本発明の気孔を有する生体適合材料は、T
i粉末、Al粉末を用いる要素粉末法により作製する。
気孔の径および気孔の体積率は、原料となるAl粉末の
粒径と粉末集合体の加工度を変えることにより調整する
ことができる。Al粉末の粒径を大きくすると、粉末集
合体の反応(Al+Ti→TiAl)時にAlがTi側
に急速に拡散する現象により大きな流出孔が形成され、
粉末集合体の加工度を大きくすると、Al部が細かく分
散するため気孔が小さく分散する。原料として粉末を用
いるため、粉末を入れる型を目的形状に合わせて作製し
ておけば、容易にニアネットシェイプの素材が得られ
る。このとき、例えば骨の表面に当る部分(腱が接合さ
れる部分)に粒径の粗いAl粉末を使用しておけば、生
体適合性がとくに必要な部分だけに所定の気孔が形成さ
れる。
【0008】本発明の要件は、まずチタニウムアルミナ
イドをAl25〜75at%、残部Tiと不可避的不純物
よりなる組成とすることである。Al成分が前記の範囲
を外れるとチタニウムアルミナイドの形成が困難とな
る。
【0009】つぎに、材料の表面から表面下0.05〜
10mmまでの表層部に、径0.01〜1mmの気孔を形成
し、表層部における気孔の体積率を50%、好ましくは
0.5〜50%とすることが重要な要件となる。さらに
該体積率を表面から内部に向って連続的または非連続的
に小さくすると一層生体適合性に優れたものとなる。気
孔の径が0.01mm未満では生体との適合性が十分でな
く、径が1mmを越えると生体材料としての強度が不十分
となる。気孔率が50%を越えると材料の強度が低下す
る。気孔の分布する表層部の厚さが、表面から0.05
mm未満では生体適合効果が小さく、表面から10mmを越
えて分布しても生体に対するアンカー効果が変らず、材
料の強度が低下するおそれもある。気孔の体積率を表面
から内部に向って連続的または非連続的に小さくするこ
とにより生体に対するアンカー効果を一層向上させるこ
とができる。
【0010】前記の材料組成に、Cr、Mn、Bを添加
すると材料の延性が向上する。好適な含有量はCr0.
05〜10at%、Mn0.05〜10at%、B0.01
〜10at%の範囲で、これらの含有量未満では延性の向
上効果が小さく、上限を越えて添加してもそれ以上の延
性の向上はみられない。
【0011】V、Y、Mo、Nbの添加は材料の強度を
向上させる効果がある。好適な含有量はそれぞれ0.0
5〜10at%の範囲で、0.05at%未満では強度の向
上効果が不十分であり、10at%を越えて添加してもそ
れ以上の強度の向上はみられない。
【0012】Siを添加すると材料の耐酸化性が向上す
る。好適な含有量は0.001〜10at%の範囲で、
0.001at%未満では耐酸化性向上効果が小さく、1
0at%を越えて添加してもそれ以上の耐酸化性向上効果
は期待できない。
【0013】
【作用】本発明によるチタニウムアルミナイド材は上記
の構成および機能を有するから、生体材料として軽量か
つ十分な強度を有するとともに、化学安定性かつ高く、
材料中の気孔径、気孔分布範囲、当該分布範囲内での気
孔の体積率を特定した組織により、生体に対する適合性
がきわめて優れたものとなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 A粉として、表1に示す組成No. 1〜9の組成になる
ようにTi粉末(粒径0.3〜0.5mm) と、Al−M
合金(M=Cr、Mn、B、V、Y、Mo、Nb、S
i)粉末(粒径0.4〜0.6mm)を混合した。。一
方、B粉として、表1に示す組成No.1〜9の組成に
なるようにTi粉末(粒径0.01〜0.15mm) とA
l−M合金(M=Cr、Mn、B、V、Y、Mo、N
b、Si)粉末(粒径0.01〜0.15mm) を混合し
た。
【0015】外径220mm、内径200mm、長さ380
mmのゴム型に外径180〜190mm、肉厚0.5mmのス
テンレス製管を入れ、ステンレス鋼製管の外側にA粉、
内側にB粉を充填した。充填後、ステンレス鋼製管を引
き抜き、ゴム型を密封した。これをCIP(冷間静水
圧)成形して192mm径×350mm長さの圧粉体とした
のち、外径205mm径のAl缶に封入し、623K×5
h、1.3×10-4Paの条件で脱気した。ついで、A
l缶ごと400℃で50〜70mm径に押出し、Al缶部
を切削除去したのち、Arガス雰囲気中、1573K×
10hの条件でHIP(熱間静水圧)処理(HIPの昇
温時にTi+Al→TiAlの反応が生じ、その際押出
材外周部においてAl部に流出孔が形成する)を行い、
表1に示す気孔分布層、気孔径、気孔体積率を有するチ
タニウムアルミナイド材を得た。
【0016】
【表1】
【0017】この素材でうさぎの大腿部の骨を作製し、
気孔を有する部分を骨の表面側にして装着したところ、
10〜24h経過後若干の抗体反応を生じたものもあっ
たが、その後2.16×103 h経過してもとくに問題
を生じなかった。
【0018】実施例2 A粉として、Ti−36at%Alの組成になるようにT
i粉末(粒径03.〜0.5mm) とAl粉末(粒径0.
4〜0.5mm)を混合した。B粉として、Ti−36at
%Alの組成になるようにTi粉末(粒径0.3〜0.
5mm)とAl粉末(粒径0.5〜0.6mm) を混合し
た。さらに、C粉末として、Ti−36at%Alの組成
になるようにTi粉末(粒径0.01〜0.15mm) と
Al粉末(粒径0.01〜0.15mm) を混合した。外
径220mm、内径200mm、長さ380mmのゴム型に外
径190mm、および外径180mm、肉厚0.5mmのステ
ンレス鋼製管を入れ、ステンレス鋼製管とゴム型の間に
A粉、ステンレス鋼製管とステンレス鋼製管の間にB
粉、ステンレス鋼製管の内側にC粉を充填した。充填後
2本のステンレス鋼製管を引き抜きゴム型を密封して、
実施例1と同様の処理を行い、50mm径に押出した。押
出し後Al缶部を切削除去したのち、実施例1と同様の
条件でHIP処理したところ、表面からの気孔分布層厚
が3mm、気孔の分布層内での気孔径が表面部で0.3m
m、内部で0.1mm、気孔の分布層内での気孔体積率が
表面部で30%、内部で20%のチタニウムアルミナイ
ド材が得られた。この素材でうさぎの大腿部の骨を製作
し、気孔を有する部分を骨の表面側にして装着したとこ
ろ、2.16×103h経過してもとくに問題を生じな
かった。
【0019】比較例 表1の組成No.1の粉末を使用し、押出し寸法を35
mm径とした以外は実施例1と同様の条件で成形し、チタ
ニウムアルミナイド材を得た。素材の気孔分布層厚は1
mm、気孔径は0.01mm未満、気孔体積率は5%未満で
あった。この素材でうさぎの大腿部の骨を作製、装着し
たところ、2.16×103 h経過時点で大腿部端部で
の腱の剥離が認められた。また、Ti−Ni合金で同様
の試験を行ったところ、1.68×102 hで大腿部端
部で腱が剥離し、肉離れが生じた。
【0020】
【発明の効果】以上のとおり、本発明により提供される
チタニウムアルミナイド材は、軽量で強度が高く、優れ
た生体適合性を備えている。
フロントページの続き (72)発明者 花田 修治 宮城県仙台市太白区山田自由ケ丘43−20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al25〜75at%を含み、残部Tiと
    不可避的不純物からなるチタニウムアルミナイド粉末成
    形材料であって、該材料の表面から表面下0.05〜1
    0mmまでの表層部に、径0.01〜1mmの気孔を有し、
    前記表層部における気孔の体積率が50%以下であるこ
    とを特徴とする生体適合性に優れたチタニウムアルミナ
    イド材。
  2. 【請求項2】 材料中に、Cr0.05〜10at%、M
    n0.05〜10at%、およびB0.01〜10at%の
    うちの1種以上を含む請求項1記載の生体適合性に優れ
    たチタニウムアルミナイド材。
  3. 【請求項3】 材料中に、それぞれ0.05〜10at%
    のV、Y、MoおよびNbのうちの1種以上を含む請求
    項1又は2記載の生体適合性に優れたチタニウムアルミ
    ナイド材。
  4. 【請求項4】 材料中にSi0.001〜10at%を含
    む請求項1、2又は3記載の生体適合性に優れたチタニ
    ウムアルミナイド材。
  5. 【請求項5】 気孔の体積率が表面から内部に向かって
    連続的または非連続的に小さくなる請求項1、2、3又
    は4項記載の生体適合性に優れたチタニウムアルミナイ
    ド材。
JP3072249A 1991-03-11 1991-03-11 生体適合性に優れたチタニウムアルミナイド材 Pending JPH05269195A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109461A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Japan Science And Technology Agency 人工骨及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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