JPH05268993A - 脂質含有藻類の識別方法 - Google Patents

脂質含有藻類の識別方法

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JPH05268993A
JPH05268993A JP6175691A JP6175691A JPH05268993A JP H05268993 A JPH05268993 A JP H05268993A JP 6175691 A JP6175691 A JP 6175691A JP 6175691 A JP6175691 A JP 6175691A JP H05268993 A JPH05268993 A JP H05268993A
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JP
Japan
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algae
lipid
fluorescence
alga
strain
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6175691A
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English (en)
Inventor
Naoki Ogawa
尚樹 小川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然界に存在する藻類より、脂質を含有する
藻類を識別する方法に関する。 【構成】 藻類にナイルレッド、ナイルブルー、5−
(N−ヘキサデカノイル)アミノエオシン又は5−(N
−ヘキサデカノイル)−アミノフルオレセインを接触さ
せ、藻類に結合した蛍光色素を励起するのに必要な波長
の光を照射し、発する蛍光を測定する脂質含有藻類の識
別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂質を含有する藻株を識
別する方法において、特に目的とする脂質高含有株を多
数の藻株の中から迅速に識別する際に適用される。
【0002】
【従来の技術】藻類は炭酸ガスを原料とし光をエネルギ
ー源として各種有機物を合成するが、脂質もそのひとつ
であり燃料など代替エネルギーとして着目している。こ
のためには、目的とする脂質を高濃度に含有する藻株を
海洋、湖、河川等の自然界から探索、分離することが必
要である。従来、藻株の探索、分離を行うには、寒天培
地などで数週間〜数カ月培養して生成したコロニーをさ
らにジャーファーメンター(容積数リットル〜数十リッ
トル)などで1週間以上かけて培養し、大量の菌体を
得、この菌体を破砕し各種分離操作を経て目的物質を精
製したものを、脂質については重量法のような物理化学
的手法やガスクロマトグラフィーのような機器分析によ
り測定を行っている。このため、目的藻株の探索、分離
には多大の時間と労力を要していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来法では目的藻株の
探索には藻株の大量培養、分離、精製が必要不可欠であ
り、多大の時間と労力が必要であった。
【0004】本発明は上記技術水準に鑑み、この多大な
時間と労力を必要とする培養・抽出・精製操作を行うこ
となく、短時間で迅速に藻類を識別して脂質含有藻類を
自然界から獲得する方法を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は培養、抽
出、精製操作を行うことなく目的藻株を獲得することを
可能とするため脂質に選択的に結合する蛍光物質に着目
し、蛍光物質について実験、検討した結果、下図に示し
た骨格をもつ化合物が藻類に含有する脂質に対し選択的
に結合することを確認した。さらに、これらの化合物の
結合した藻株に、励起光を照射することにより、藻株が
蛍光を発し、この蛍光強度より脂質高含有株を短時間で
識別、分離できることを確認し、本発明を完成させるに
至った。
【化1】
【化2】
【0006】すなわち、本発明は (1)藻類に蛍光色素であるナイルレッドまたはナイル
ブルーを接触させ、藻類に結合した蛍光色素を励起する
のに必要な波長の光を照射し、発する蛍光を測定するこ
とを特徴とする脂質含有藻類の識別方法。
【0007】(2)藻類に蛍光色素である5−(N−ヘ
キサデカノイル)アミノエオシンまたは5−(N−ヘキ
サデカノイル)−アミノフルオレセインを接触させ、藻
類に結合した蛍光色素を励起するのに必要な波長の光を
照射し、発する蛍光を測定することを特徴とする脂質含
有藻類の識別方法。である。
【0008】
【作用】上記骨格をもつ化合物を藻類に作用させ、その
化合物を励起するのに必要な波長の光を照射すると、脂
質高含有株は強い蛍光を発し、脂質を含まない藻株はほ
とんど蛍光を発しないことを下記化合物 ナイルレッド(NILE RED) (以
下、NIRと略す) ナイルブレー(NILE BLUE) (以
下、NIBと略す) 5−(N−ヘキサデカノイル)−アミノエオシン
〔5−(N−HEXADECANOYL)−AMINO
EOSIN〕 (以下、HAEと略す) 5−(N−ヘキサデカノイル)−アミノフルオレセ
イン〔5−(N−HEXADECANOYL)−AMI
NOFLUORESCEIN〕 (以下、HAFと略
す) を用いて実験を行い、上記化合物およびは脂質と結
合したときのみ蛍光を発すること、上記化合物および
は脂質と結合すると蛍光が増強することが確認でき、
目的達成のために望ましい物質であることを確認した。
【0009】上記蛍光物質と脂質は上記化合物の構造中
の大部分を占める疎水性部分のために、水には溶けず、
脂質に溶解するという形で取り込まれ結合するため、上
記化合物が藻体中に含有する脂質と選択的に結合し、励
起光を照射したときに蛍光を発する。したがって、蛍光
顕微鏡等により蛍光量の強い藻株を識別し、これをマニ
ュピレーターやマイクロピペットで吸引することにより
目的藻類を迅速に行うことができる。
【0010】
【実施例】
(例1)初めに、蛍光を発する藻株を観察するために使
用した装置構成を図1に示す。図1において、1は細胞
に光を照射するための光源で出力100Wの水銀灯を用
いている。2は水銀灯から出た光を集光するためのコレ
クターレンズ、3は励起フィルターであり、藻株を発光
させるのに必要な波長を選定するためのものである。N
IRを使用した場合には510〜560nmの波長領域を
透過する励起フィルターを予備実験結果より選定した。
光源として水銀灯を用いたが、細胞内に蓄積する蛍光物
質を励起させることができればレーザを光源として用い
ることもでき、この場合は励起フィルター3は不要であ
る。4はミラー、5は対物レンズで、この実験では20
倍のものを使用した。6は顕微鏡の試料台で、この上に
試料を載せたスライドガラスを置き、直接、計測する。
スライドガラスに載せた試料に510〜560nmの光を
照射すると藻株中の脂質に結合したNIRが発光し、6
08nmを主波長とする蛍光を発する。吸収フィルター7
により、この近辺の波長を通過させ、レンズ8を介して
カメラ9により発光藻株を撮像する。10は任意に設定
可能な輝度レベル内に存在する発光藻株の画像を出力す
ることができる画像処理装置で、処理された画像はモニ
ター12に写し出される。画像処理された信号をパーテ
ィクルカウンター11と連結すれば、任意の輝度範囲に
ある藻株数を計測することができる。8は接眼レンズに
すれば、藻株の蛍光画像を直接、観察することもでき
る。
【0011】次に、上記装置を用いて、上記化合物NI
Rを使用した具体例について述べる。NIRを作用させ
る藻株として、脂質高生産藻類であるEU株、脂質
低生産藻類であるCH株の2株を使用した。それぞれの
培養細胞を遠心分離により集菌し、リン酸バッファー(
pH:7.0,1/15mol/l)中に懸濁する。細胞懸濁
液1mlに対し、10mgのNIRを1mlメタノールに溶か
した液を30μl加え、軽く攪拌した後、2分間室温で
反応させる。反応完成後の液をスライドガラスにとり、
上記観察装置の試料台6に載せ、励起光を照射し画像処
理装置あるいは肉眼によって藻株の蛍光を測定した。そ
の結果、表1に示したように脂質高生産株EU株は強い
蛍光を発したが、脂質低生産株CH株は非常に弱い蛍光
しか発しなかった。
【0012】このことから、蛍光物質NIRは脂質生産
藻株に選択的に結合し、励起光を当てることによって同
生産株から蛍光を発し、他の株と識別ができることが確
認でき本発明の効果が確認された。また、他の蛍光物質
NIBについても同様の結果が得られた。
【表1】 注)+++:非常に強い蛍光を発した(+の約10倍の
強さ) + :若干の蛍光が認められた ± :蛍光をほとんど発しなかった
【0013】(例2)例1で述べた装置を用いて、蛍光
物質HAEを使用した具体例について述べる。HAEを
作用させる藻株として例1と同様、脂質高生産藻類で
あるEU株、脂質低生産藻類であるCH株の2株を使
用した。それぞれの培養細胞を遠心分離により集菌し、
リン酸バッファー( pH:7.0,1/15mol/l)中に
懸濁する。細胞懸濁液1mlに対し、1mgのHAEを1ml
メタノールに溶かした液を30μl加え、軽く攪拌した
後、2分間室温で反応させる。反応完成後の液をスライ
ドガラスにとり、上記観察装置の試料台6に載せて励起
光を照射し、画像処理装置あるいは肉眼によって藻株の
蛍光を測定した。その結果、表2に示したように脂質高
生産株EU株は強い蛍光を発したが、脂質低生産株CH
株は非常に弱い蛍光しか発しなかった。
【0014】このことから、蛍光物質HAEは脂質生産
藻株に選択的に結合し、励起光を当てることによって同
生産株から蛍光を発し、他の株と識別ができることが確
認でき本発明の効果が確認された。また、他の蛍光物質
HAFについても同様の結果が得られた。
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明により従来1カ月以上かかってい
た細胞中の脂質の検出が数時間で行えるようになった。
そのため、藻類の探索・識別に関する効率を大幅に向上
させることができ、非常に高い効果を発揮するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における蛍光細胞を検知、計測
する際に使用した装置の概略図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藻類に蛍光色素であるナイルレッドまた
    はナイルブルーを接触させ、藻類に結合した蛍光色素を
    励起するのに必要な波長の光を照射し、発する蛍光を測
    定することを特徴とする脂質含有藻類の識別方法。
  2. 【請求項2】 藻類に蛍光色素である5−(N−ヘキサ
    デカノイル)アミノエオシンまたは5−(N−ヘキサデ
    カノイル)−アミノフルオレセインを接触させ、藻類に
    結合した蛍光色素を励起するのに必要な波長の光を照射
    し、発する蛍光を測定することを特徴とする脂質含有藻
    類の識別方法。
JP6175691A 1991-03-26 1991-03-26 脂質含有藻類の識別方法 Withdrawn JPH05268993A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014141811A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 栗田工業株式会社 微細藻類の脂溶性成分含量の判断方法および微細藻類の培養方法
WO2017098815A1 (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 アズビル株式会社 微細藻類のモニタリング装置及び微細藻類のモニタリング方法
WO2017098816A1 (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 アズビル株式会社 微細藻類に含まれる脂質の検出装置及び微細藻類に含まれる脂質の検出方法

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JP2014174034A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Kurita Water Ind Ltd 微細藻類の脂溶性成分含量の判断方法および微細藻類の培養方法
WO2017098815A1 (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 アズビル株式会社 微細藻類のモニタリング装置及び微細藻類のモニタリング方法
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