JPH05268957A - ラット多機能プロテアーゼ構成因子およびそのdna - Google Patents
ラット多機能プロテアーゼ構成因子およびそのdnaInfo
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- JPH05268957A JPH05268957A JP4100304A JP10030492A JPH05268957A JP H05268957 A JPH05268957 A JP H05268957A JP 4100304 A JP4100304 A JP 4100304A JP 10030492 A JP10030492 A JP 10030492A JP H05268957 A JPH05268957 A JP H05268957A
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- rat
- dna
- multifunctional protease
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 癌その他の病気の診断および治療法を解明す
るのに有用なラット多機能プロテアーゼの構成成分であ
るコンポーネントC1を提供する。 【構成】 ラットの多機能プロテアーゼ産生細胞から分
離したmRNAから、2重鎖DNAを合成し、当該DN
Aを組み込んだ組み換え体を用いて宿主を形質転換し、
得られた形質転換体からコンポーネントC1のポリペプ
チドを分泌させ、特定の208個のアミノ酸配列を含有
する目的のコンポーネントC1を得る。また、当該形質
転換体から目的のコンポーネントC1をコードする遺伝
子を単離し、特定の624個の塩基配列を含有するコン
ポーネントC1の遺伝子を得る。
るのに有用なラット多機能プロテアーゼの構成成分であ
るコンポーネントC1を提供する。 【構成】 ラットの多機能プロテアーゼ産生細胞から分
離したmRNAから、2重鎖DNAを合成し、当該DN
Aを組み込んだ組み換え体を用いて宿主を形質転換し、
得られた形質転換体からコンポーネントC1のポリペプ
チドを分泌させ、特定の208個のアミノ酸配列を含有
する目的のコンポーネントC1を得る。また、当該形質
転換体から目的のコンポーネントC1をコードする遺伝
子を単離し、特定の624個の塩基配列を含有するコン
ポーネントC1の遺伝子を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多機能プロテアーゼ、
より詳しくは新規な細胞内プロテアーゼのコンポーネン
トに関する。
より詳しくは新規な細胞内プロテアーゼのコンポーネン
トに関する。
【0002】
【従来の技術】多機能プロテアーゼは、別名プロテアソ
ームと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネルギー
依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。本酵素
は、酵母からヒトに至る真核生物に広く存在しており、
またすべての組織に存在し、なかでも肝臓では、全可溶
性蛋白質の1%も占める。
ームと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネルギー
依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。本酵素
は、酵母からヒトに至る真核生物に広く存在しており、
またすべての組織に存在し、なかでも肝臓では、全可溶
性蛋白質の1%も占める。
【0003】該酵素は同一分子内に複数の触媒活性部位
を持ち、トリプシン型酵素の基質である塩基性アミノ
酸、キモトリプシン型酵素の基質である中性アミノ酸、
そしてプロテアーゼとしては稀な酸性アミノ酸を含む合
成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド結合を切断する
活性がある。しかしながら、種々の阻害剤の中で特異的
で有効に作用するものはないことから、該酵素は、既知
のプロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つと推定さ
れている。
を持ち、トリプシン型酵素の基質である塩基性アミノ
酸、キモトリプシン型酵素の基質である中性アミノ酸、
そしてプロテアーゼとしては稀な酸性アミノ酸を含む合
成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド結合を切断する
活性がある。しかしながら、種々の阻害剤の中で特異的
で有効に作用するものはないことから、該酵素は、既知
のプロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つと推定さ
れている。
【0004】構造的には、15−20種類の異なるコン
ポーネントからなる総数30−40個の多成分複合体で
あり、沈降係数20S、分子量は約75万と推定され、
プロテアーゼとしては例外的に大きい。また、該酵素を
電子顕微鏡で観察すると環状型あるいは、円筒型の特異
的な分子形状を有していることが認められた。
ポーネントからなる総数30−40個の多成分複合体で
あり、沈降係数20S、分子量は約75万と推定され、
プロテアーゼとしては例外的に大きい。また、該酵素を
電子顕微鏡で観察すると環状型あるいは、円筒型の特異
的な分子形状を有していることが認められた。
【0005】さらに、ラット多機能プロテアーゼは高速
液体クロマトグラムの分離パターンより、少なくとも1
5種類のコンポーネントより、構成されていることがわ
かり、このうちコンポーネントC2 (Biochemistry, 28,
7332-7340, 1989), C3 (Bio-chemistry, 29, 3777-378
5, 1990), C5 (FEBS Lett., 264, 91-94, 1990), C8 (B
iochem. Biophys. Res. Commun., 171, 676-683, 199
0),および C9 (FEBS Let-t., 264, 279-282, 1990) の
1次構造が明かになった。
液体クロマトグラムの分離パターンより、少なくとも1
5種類のコンポーネントより、構成されていることがわ
かり、このうちコンポーネントC2 (Biochemistry, 28,
7332-7340, 1989), C3 (Bio-chemistry, 29, 3777-378
5, 1990), C5 (FEBS Lett., 264, 91-94, 1990), C8 (B
iochem. Biophys. Res. Commun., 171, 676-683, 199
0),および C9 (FEBS Let-t., 264, 279-282, 1990) の
1次構造が明かになった。
【0006】かかる多機能プロテアーゼは、非リソゾー
ム系蛋白質分解経路における主要酵素であり、蛋白質の
修飾による機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩
な生理作用を有していると推定される。しかしながら、
ラット多機能プロテアーゼを構成する個々のコンポーネ
ントの詳細については上記コンポーネント以外、明かに
なっていない。
ム系蛋白質分解経路における主要酵素であり、蛋白質の
修飾による機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩
な生理作用を有していると推定される。しかしながら、
ラット多機能プロテアーゼを構成する個々のコンポーネ
ントの詳細については上記コンポーネント以外、明かに
なっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、これまで構造が解明されていないコンポーネントの
詳細を明らかにすることを目標とし、ラット多機能プロ
テアーゼについて、鋭意研究を重ねてきた結果、ラット
多機能プロテアーゼのコンポーネントの内、C1のポリ
ペプチドをコードする遺伝子を単離し、そのアミノ酸配
列を解明することに成功して、本発明を完成するに至っ
た。
は、これまで構造が解明されていないコンポーネントの
詳細を明らかにすることを目標とし、ラット多機能プロ
テアーゼについて、鋭意研究を重ねてきた結果、ラット
多機能プロテアーゼのコンポーネントの内、C1のポリ
ペプチドをコードする遺伝子を単離し、そのアミノ酸配
列を解明することに成功して、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】本発明は、新規な多機能プロテアーゼ、す
なわち、ラットの多機能プロテアーゼの構成成分である
C1を提供することを目的とするものである。
なわち、ラットの多機能プロテアーゼの構成成分である
C1を提供することを目的とするものである。
【0009】また、本発明は、当該ラットの多機能プロ
テアーゼの構成成分であるC1のポリペプチドを構成す
るアミノ酸配列、およびC1のポリペプチドをコードす
る遺伝子の塩基配列を提供することを目的とするもので
ある。
テアーゼの構成成分であるC1のポリペプチドを構成す
るアミノ酸配列、およびC1のポリペプチドをコードす
る遺伝子の塩基配列を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】さらに、本発明は、これらのコンポーネン
トを明かにすることにより、該酵素の機能の解明に役立
つのみならず、各種病態の診断、および治療法として役
立つ新しい技術を提供することを目的とするものであ
る。
トを明かにすることにより、該酵素の機能の解明に役立
つのみならず、各種病態の診断、および治療法として役
立つ新しい技術を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の構成は、以下の(1)〜(3)からな
る。 (1)分子中に以下の式(1)のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とするラット多機能プロテアーゼのコンポ
ーネントC1。 (2)分子中に以下の式(2)の塩基配列を含有する前
記(1)記載のラット多機能プロテアーゼのコンポーネ
ントC1の遺伝子。 (3)前記(2)記載の遺伝子を含有するベクターで形
質転換された形質転換体を培養して、前記(1)記載の
ポリペプチドを生成することを特徴とする当該ポリペプ
チドの製造方法。
るための本発明の構成は、以下の(1)〜(3)からな
る。 (1)分子中に以下の式(1)のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とするラット多機能プロテアーゼのコンポ
ーネントC1。 (2)分子中に以下の式(2)の塩基配列を含有する前
記(1)記載のラット多機能プロテアーゼのコンポーネ
ントC1の遺伝子。 (3)前記(2)記載の遺伝子を含有するベクターで形
質転換された形質転換体を培養して、前記(1)記載の
ポリペプチドを生成することを特徴とする当該ポリペプ
チドの製造方法。
【0012】本発明によれば、次式(1)で表されるア
ミノ酸配列を有するラット多機能プロテアーゼのコンポ
ーネントC1が提供される。 式(1) MetAlaHisGlyThrThrThrLeuAlaPhe LysPheGlnHisGlyValIleValAlaVal AspSerArgAlaSerAlaGlySerTyrIle AlaThrIleArgValAsnLysValIleGlu IleAsnProTyrLeuLeuGlyThrMetSer GlyCysAlaAlaAspCysGlnTyrTrpGlu ArgLeuLeuAlaLysGluCysArgLeuTyr TyrLeuArgAsnGlyGluArgIleSerVal SerAlaAlaSerLysLeuLeuSerAsnMet MetLeuGlnTyrArgGlyMetGlyLeuSer MetGlySerMetIleCysGlyTrpAspLys LysGlyProGlyLeuTyrTyrValAspAsp AsnGlyThrArgLeuSerGlyGlnMetPhe SerThrGlySerGlyAsnThrTyrAlaTyr GlyValMetAspSerGlyTyrArgGlnAsp LeuSerProGluGluAlaTyrAspLeuAla ArgArgAlaIleValTyrAlaThrHisArg AspSerTyrSerGlyGlyValValAsnMet TyrHisMetLysLysAspGlyTrpValLys ValGluSerThrAspValSerAspLeuLeu HisLysTyrArgGluAlaThrLeu
ミノ酸配列を有するラット多機能プロテアーゼのコンポ
ーネントC1が提供される。 式(1) MetAlaHisGlyThrThrThrLeuAlaPhe LysPheGlnHisGlyValIleValAlaVal AspSerArgAlaSerAlaGlySerTyrIle AlaThrIleArgValAsnLysValIleGlu IleAsnProTyrLeuLeuGlyThrMetSer GlyCysAlaAlaAspCysGlnTyrTrpGlu ArgLeuLeuAlaLysGluCysArgLeuTyr TyrLeuArgAsnGlyGluArgIleSerVal SerAlaAlaSerLysLeuLeuSerAsnMet MetLeuGlnTyrArgGlyMetGlyLeuSer MetGlySerMetIleCysGlyTrpAspLys LysGlyProGlyLeuTyrTyrValAspAsp AsnGlyThrArgLeuSerGlyGlnMetPhe SerThrGlySerGlyAsnThrTyrAlaTyr GlyValMetAspSerGlyTyrArgGlnAsp LeuSerProGluGluAlaTyrAspLeuAla ArgArgAlaIleValTyrAlaThrHisArg AspSerTyrSerGlyGlyValValAsnMet TyrHisMetLysLysAspGlyTrpValLys ValGluSerThrAspValSerAspLeuLeu HisLysTyrArgGluAlaThrLeu
【0013】本発明のラット多機能プロテアーゼのコン
ポーネントC1は、また上記のアミノ酸配列のN末端に
メチオニンが結合していないポリペプチド、および上記
アミノ酸配列のN末端にラット多機能プロテアーゼのコ
ンポーネントC1のためのシグナルペプチドの部分もし
くは全部が結合または、欠損した中間体も含包する。自
然の変異により、または人工の変異によりポリペプチド
の主たる活性に変化を与えることなく、ポリペプチドを
コードするDNAの構造の一部を変化させることが可能
である。本発明のラット多機能プロテアーゼのコンポー
ネントC1のポリペプチドは、前記アミノ酸配列を有す
る相同変異体に相当する構造を有するポリペプチドも含
包する。
ポーネントC1は、また上記のアミノ酸配列のN末端に
メチオニンが結合していないポリペプチド、および上記
アミノ酸配列のN末端にラット多機能プロテアーゼのコ
ンポーネントC1のためのシグナルペプチドの部分もし
くは全部が結合または、欠損した中間体も含包する。自
然の変異により、または人工の変異によりポリペプチド
の主たる活性に変化を与えることなく、ポリペプチドを
コードするDNAの構造の一部を変化させることが可能
である。本発明のラット多機能プロテアーゼのコンポー
ネントC1のポリペプチドは、前記アミノ酸配列を有す
る相同変異体に相当する構造を有するポリペプチドも含
包する。
【0014】本発明のもう一つの態様によれば、式
(1)で表されるアミノ酸配列を有するラット多機能プ
ロテアーゼのコンポーネントC1をコードする次式
(2)で表される塩基配列を有するデオキシリボ核酸が
提供される。
(1)で表されるアミノ酸配列を有するラット多機能プ
ロテアーゼのコンポーネントC1をコードする次式
(2)で表される塩基配列を有するデオキシリボ核酸が
提供される。
【0015】式(2) ATGGCGCATGGCACAACCACGCTGGCCTTC AAATTCCAGCATGGAGTCATCGTGGCTGTA GACTCCAGGGCCTCTGCAGGGAGTTACATT GCTACCATAAGGGTGAACAAGGTGATCGAG ATTAACCCTTACCTGCTTGGAACTATGTCT GGTTGTGCAGCCGACTGTCAGTACTGGGAG AGGCTGTTGGCCAAGGAATGCAGGCTATAC TATCTGCGGAATGGGGAACGCATCTCCGTG TCTGCAGCCTCCAAGCTACTTTCCAACATG ATGCTGCAGTACCGGGGTATGGGCCTCTCC ATGGGCAGCATGATCTGCGGCTGGGACAAG AAGGGACCGGGACTTTATTACGTAGATGAC AATGGGACTCGGCTCTCGGGACAGATGTTC TCCACAGGCAGCGGGAACACCTATGCCTAC GGGGTGATGGACAGTGGGTACCGGCAGGAT CTCAGTCCTGAGGAGGCCTACGACCTTGCC CGAAGAGCTATTGTTTATGCTACCCACAGA GACAGCTATTCTGGAGGAGTTGTCAACATG TACCACATGAAGAAAGACGGTTGGGTGAAA GTGGAGAGCACTGACGTCAGTGACCTGTTG CACAAGTACCGAGAGGCCACTCTG
【0016】本発明のラット多機能プロテアーゼのコン
ポーネントは、これを用いることにより、該酵素の機能
の解明に役立つのみならず、各種病態の診断および治療
法として役立つ新しい技術が提供される。
ポーネントは、これを用いることにより、該酵素の機能
の解明に役立つのみならず、各種病態の診断および治療
法として役立つ新しい技術が提供される。
【0017】本発明者らの研究によれば、多機能プロテ
アーゼの遺伝子は、肝癌細胞、腎癌細胞(Cancer Res. ,
51, 6677-6685, 1991)、白血病細胞などの悪性腫瘍細
胞 (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 88, 139-143, 19
90) において正常細胞に比較して異常に高く発現し、さ
らに、これらの腫瘍細胞の核に多機能プロテアーゼが、
異常蓄積することが観察されている。従って本発明の多
機能プロテアーゼのコンポーネントを用いることによ
り、癌化のメカニズムの解明や癌の診断および治療に有
用である。
アーゼの遺伝子は、肝癌細胞、腎癌細胞(Cancer Res. ,
51, 6677-6685, 1991)、白血病細胞などの悪性腫瘍細
胞 (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 88, 139-143, 19
90) において正常細胞に比較して異常に高く発現し、さ
らに、これらの腫瘍細胞の核に多機能プロテアーゼが、
異常蓄積することが観察されている。従って本発明の多
機能プロテアーゼのコンポーネントを用いることによ
り、癌化のメカニズムの解明や癌の診断および治療に有
用である。
【0018】また、アルツハイマー病患者の脳内にはユ
ビキチンが異常蓄積し、少なくともこの疾患の原因の一
つに細胞内における蛋白質分解系の異常のあることが示
唆された。また、この疾患の発現にかかわる遺伝子の機
能ドメインにはプロテアーゼ阻害剤がコードされている
ことも判明し(Nature, 331, 530-532, 1988)、非リソソ
ーム系の蛋白分解に関与すると考えられる多機能プロテ
アーゼがアルツハイマー病に本質的に関係していること
が考えられる。従って、本発明のラット多機能プロテア
ーゼのコンポーネントは、その機能および阻害メカニズ
ムの解明により、アルツハイマー病と本酵素との関係や
異常の生じるメカニズムのラットにおける研究に有用で
ある。
ビキチンが異常蓄積し、少なくともこの疾患の原因の一
つに細胞内における蛋白質分解系の異常のあることが示
唆された。また、この疾患の発現にかかわる遺伝子の機
能ドメインにはプロテアーゼ阻害剤がコードされている
ことも判明し(Nature, 331, 530-532, 1988)、非リソソ
ーム系の蛋白分解に関与すると考えられる多機能プロテ
アーゼがアルツハイマー病に本質的に関係していること
が考えられる。従って、本発明のラット多機能プロテア
ーゼのコンポーネントは、その機能および阻害メカニズ
ムの解明により、アルツハイマー病と本酵素との関係や
異常の生じるメカニズムのラットにおける研究に有用で
ある。
【0019】さらに、本発明者等は、コンポーネントC
1の発現が、各種細胞においてインターフェロンーγ等
のサイトカインによって誘導されることより、細胞内で
の抗原提示に深くかかわる可能性を示唆する知見を得て
いる。従って、本発明のラット多機能プロテアーゼのコ
ンポーネントは免疫系の抗原提示のメカニズムの解明や
免疫抑制剤の開発にも有効である。
1の発現が、各種細胞においてインターフェロンーγ等
のサイトカインによって誘導されることより、細胞内で
の抗原提示に深くかかわる可能性を示唆する知見を得て
いる。従って、本発明のラット多機能プロテアーゼのコ
ンポーネントは免疫系の抗原提示のメカニズムの解明や
免疫抑制剤の開発にも有効である。
【0020】このように、本発明のラット多機能プロテ
アーゼのコンポーネントの使用あるいはその測定法の開
発は、これらの病態と本酵素とのかかわりのラットに於
ける診断および/または治療法の開発に有用である。か
かる測定には、例えば通常の免疫測定法が使用でき、本
発明のコンポーネントは該測定に使用する抗体の抗原と
して用いることができる。
アーゼのコンポーネントの使用あるいはその測定法の開
発は、これらの病態と本酵素とのかかわりのラットに於
ける診断および/または治療法の開発に有用である。か
かる測定には、例えば通常の免疫測定法が使用でき、本
発明のコンポーネントは該測定に使用する抗体の抗原と
して用いることができる。
【0021】なお、本発明のラット多機能プロテアーゼ
のコンポーネントC1は、既に本発明者等が報告したコ
ンポーネントC2、C3、C5、C8、C9とはホモロ
ジーが、それぞれ 0 %, 20.6 %, 23.1 %, 0 %, 18.8
% と低く新しいタイプのコンポーネントである。
のコンポーネントC1は、既に本発明者等が報告したコ
ンポーネントC2、C3、C5、C8、C9とはホモロ
ジーが、それぞれ 0 %, 20.6 %, 23.1 %, 0 %, 18.8
% と低く新しいタイプのコンポーネントである。
【0022】本発明のDNAは、ラット肝臓細胞や株化
培養細胞によって成熟ラット多機能プロテアーゼのコン
ポーネントC1を生産するために、前記式(2)の5’
末端にATGが結合していない塩基配列からなるDNA
を含包する。本発明のDNAはまた、ラット多機能プロ
テアーゼのコンポーネントC1のシグナルペプチドの部
分または全部をコードする5’フランキングDNAを含
むDNAも含包する。
培養細胞によって成熟ラット多機能プロテアーゼのコン
ポーネントC1を生産するために、前記式(2)の5’
末端にATGが結合していない塩基配列からなるDNA
を含包する。本発明のDNAはまた、ラット多機能プロ
テアーゼのコンポーネントC1のシグナルペプチドの部
分または全部をコードする5’フランキングDNAを含
むDNAも含包する。
【0023】自然の変異により、または人工的変異によ
り、主たる活性に変化を与えることなく、DNAの構造
およびそれから演繹されるポリペプチドの構造の一部を
変異せしめることが可能である。従って、本発明のDN
Aは、前述のすべてのポリペプチドの相同異性体に相当
する構造を有するポリペプチドをコードする塩基配列を
含有することも可能である。
り、主たる活性に変化を与えることなく、DNAの構造
およびそれから演繹されるポリペプチドの構造の一部を
変異せしめることが可能である。従って、本発明のDN
Aは、前述のすべてのポリペプチドの相同異性体に相当
する構造を有するポリペプチドをコードする塩基配列を
含有することも可能である。
【0024】遺伝暗号の縮重に従い、遺伝子から生産さ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなくその
遺伝子の塩基配列の少なくとも一つの塩基を他の種類の
塩基に置換することができる。従って、本発明のDNA
は、また、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって変換さ
れた塩基配列を含有することも可能である。この場合、
上記置換により得られた塩基配列より、演繹されるアミ
ノ酸配列は前記に定義した式(1)のアミノ酸配列と一
致する。
れるポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなくその
遺伝子の塩基配列の少なくとも一つの塩基を他の種類の
塩基に置換することができる。従って、本発明のDNA
は、また、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって変換さ
れた塩基配列を含有することも可能である。この場合、
上記置換により得られた塩基配列より、演繹されるアミ
ノ酸配列は前記に定義した式(1)のアミノ酸配列と一
致する。
【0025】本発明のラット多機能プロテアーゼのコン
ポーネントC1の特性を有するポリペプチドを得る方
法、および該ポリペプチドをコードする遺伝子を得る方
法の概要について説明すると以下の通りである。
ポーネントC1の特性を有するポリペプチドを得る方
法、および該ポリペプチドをコードする遺伝子を得る方
法の概要について説明すると以下の通りである。
【0026】本発明のポリペプチドをコードするDNA
は、(i)ラット多機能プロテアーゼ産生細胞からメッ
センジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該m
RNAから、単鎖の相補鎖DNA(cDNA)を、次い
で 2重鎖DNAを合成し、(iii)2重鎖DNAを
プラスミドまたはファージに組み込み、(iV)得られ
た組み換えプラスミドまたはファージで宿主を形質転換
し、(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体か
ら、適当な方法、例えば、コロニーハイブリダイゼーシ
ョンまたはプラークハイブリダイゼーションにより、目
的とするDNAを含有するプラスミドまたはファージを
単離し、(Vi)そのプラスミドまたはファージから目
的とするDNAを切り出し、(vii)該クローン化D
NAを適当なプラスミドにサブクローニングすることに
より取得できる。ただし、(iii)で組み込んだプラ
スミが、(vii)でサブクローニングするプラスミド
と同じ場合は、(vi)、(vii)の操作は省略でき
る。
は、(i)ラット多機能プロテアーゼ産生細胞からメッ
センジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該m
RNAから、単鎖の相補鎖DNA(cDNA)を、次い
で 2重鎖DNAを合成し、(iii)2重鎖DNAを
プラスミドまたはファージに組み込み、(iV)得られ
た組み換えプラスミドまたはファージで宿主を形質転換
し、(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体か
ら、適当な方法、例えば、コロニーハイブリダイゼーシ
ョンまたはプラークハイブリダイゼーションにより、目
的とするDNAを含有するプラスミドまたはファージを
単離し、(Vi)そのプラスミドまたはファージから目
的とするDNAを切り出し、(vii)該クローン化D
NAを適当なプラスミドにサブクローニングすることに
より取得できる。ただし、(iii)で組み込んだプラ
スミが、(vii)でサブクローニングするプラスミド
と同じ場合は、(vi)、(vii)の操作は省略でき
る。
【0027】ラット多機能プロテアーゼのコンポーネン
トC1のポリペプチドをコードするmRNAは、種々の
動物の組織、器官、産生細胞から、より具体的には、ラ
ット肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、胸腺、ラット肝癌細胞
株、ラット腎臓癌細胞株などから得ることができる。
トC1のポリペプチドをコードするmRNAは、種々の
動物の組織、器官、産生細胞から、より具体的には、ラ
ット肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、胸腺、ラット肝癌細胞
株、ラット腎臓癌細胞株などから得ることができる。
【0028】該酵素産生細胞から全RNAを調製する方
法としては、グアニジウム/セシウムクロライド法(Gua
nidiumu/Cesiumu Chroroide method, Maniatis, T.,
Fri-tsch E. F., and Sambrook, J., Molecular Clonin
g, Cold Spring Harbor Lab-oratory Press, 194-196,
1982) やグアニジウムチオシアネート法 (Chomczyns-k
i,P. et al., Analytical Biochemistry, 162, 156-15
9, 1987)等が一般に用いられる。
法としては、グアニジウム/セシウムクロライド法(Gua
nidiumu/Cesiumu Chroroide method, Maniatis, T.,
Fri-tsch E. F., and Sambrook, J., Molecular Clonin
g, Cold Spring Harbor Lab-oratory Press, 194-196,
1982) やグアニジウムチオシアネート法 (Chomczyns-k
i,P. et al., Analytical Biochemistry, 162, 156-15
9, 1987)等が一般に用いられる。
【0029】上記操作により得られる全RNAからのm
RNAの分離、精製は例えば、オリゴdTーセルロース
(コラボレイティブ リサーチ社(Collabora
t-ive Research社))やオリゴテックス
ーdT30(日本合成ゴム社、日本ロッシュ社)等を用
いて吸着カラム法またはバッチ法により実施できる。こ
のようにして得られたmRNAを鋳型として逆転写酵素
を用いて、例えばオカヤマーバーグ法 (Okayama, H. an
d Berg, P., Molecular and Cellular Bolo-gy, 3, 28
0, 1983) やグブラーとホフマンの方法 (Gubler ,V. an
d Hoffman, B.J., G-ene, 25, 263-269, 1983) 等に従
いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミドや
ファージに組み込み、cDNAのライブラリーを調製す
る。
RNAの分離、精製は例えば、オリゴdTーセルロース
(コラボレイティブ リサーチ社(Collabora
t-ive Research社))やオリゴテックス
ーdT30(日本合成ゴム社、日本ロッシュ社)等を用
いて吸着カラム法またはバッチ法により実施できる。こ
のようにして得られたmRNAを鋳型として逆転写酵素
を用いて、例えばオカヤマーバーグ法 (Okayama, H. an
d Berg, P., Molecular and Cellular Bolo-gy, 3, 28
0, 1983) やグブラーとホフマンの方法 (Gubler ,V. an
d Hoffman, B.J., G-ene, 25, 263-269, 1983) 等に従
いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミドや
ファージに組み込み、cDNAのライブラリーを調製す
る。
【0030】cDNAを組み込むプラスミドとしては、
例えば、PBR322 (Gene, 2, 95,1977), PBR325 (Gene,
4, 121, 1978), PUC12 (Gene, 19, 259, 1982), PUC13
(Gene,19, 259,1982), PUC18 (Gene, 33, 103, 1985),
PUC19 (Gene, 33,103,1985),PUC118 (Methods in Enzym
ology, 153, 3, 1987), PUC119 (Methods in Enzym-ol
ogy, 153, 3, 1987), Bluescript II(ストラタジーン
(Stratagene )社) などが挙げられるが、その他のもの
であっても、宿主内で複製保持されるものであれば、い
ずれも用いることができる。また、cDNAを組み込む
ファージベクターとしては、例えば、λgt10(Huyn
h,T.V., Young, R.A. and Davis, R.W., DNA cloning,
A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1, 49, 19
85). やλgt11(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 8
0, 1194, 1983) などが、挙げられるが、その他のもの
であっても、宿主内で増殖できるものであれば良い。
例えば、PBR322 (Gene, 2, 95,1977), PBR325 (Gene,
4, 121, 1978), PUC12 (Gene, 19, 259, 1982), PUC13
(Gene,19, 259,1982), PUC18 (Gene, 33, 103, 1985),
PUC19 (Gene, 33,103,1985),PUC118 (Methods in Enzym
ology, 153, 3, 1987), PUC119 (Methods in Enzym-ol
ogy, 153, 3, 1987), Bluescript II(ストラタジーン
(Stratagene )社) などが挙げられるが、その他のもの
であっても、宿主内で複製保持されるものであれば、い
ずれも用いることができる。また、cDNAを組み込む
ファージベクターとしては、例えば、λgt10(Huyn
h,T.V., Young, R.A. and Davis, R.W., DNA cloning,
A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1, 49, 19
85). やλgt11(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 8
0, 1194, 1983) などが、挙げられるが、その他のもの
であっても、宿主内で増殖できるものであれば良い。
【0031】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えば、サンブルーク(Samb-rook, J.) らの方法
(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spri
ngHarbor Laboratory Press, 1.53-1.73, 1989) などが
挙げられる。また、ファージベクターにcDNAを組み
込む方法としては、例えば、Hyunh, T.V. 等の方法( D
NA cloning, A Practical Approach, IRL Press, Oxfor
d, 1, 49, 1985) などが挙げられる。
ては、例えば、サンブルーク(Samb-rook, J.) らの方法
(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spri
ngHarbor Laboratory Press, 1.53-1.73, 1989) などが
挙げられる。また、ファージベクターにcDNAを組み
込む方法としては、例えば、Hyunh, T.V. 等の方法( D
NA cloning, A Practical Approach, IRL Press, Oxfor
d, 1, 49, 1985) などが挙げられる。
【0032】上記のごとくして得られたプラスミドやフ
ァージベクターは、これを適当な宿主たとえば、エシェ
リヒア コリ(Escherichia coli)、バチルススブチリス
(Ba-cillus subtilis)、サッカロミセス セレビシアエ
(Saccharomyces cerevisia-e)等に導入して、これを形
質転換できる。
ァージベクターは、これを適当な宿主たとえば、エシェ
リヒア コリ(Escherichia coli)、バチルススブチリス
(Ba-cillus subtilis)、サッカロミセス セレビシアエ
(Saccharomyces cerevisia-e)等に導入して、これを形
質転換できる。
【0033】プラスミドベクターで宿主を形質転換する
方法としては、例えば、モレキュラー.クローニング (M
olecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1.74-1.84, 1989)記載のエレクトロポーレーション
法あるいはカルシウムクロライド法などが挙げられる。
また、ファージ.ベクターにはたとえば、増殖させた大
腸菌にイン ビトロパッケージング法を用いて導入する
ことができる。上記により、得られるcDNAから目的
のラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1のc
DNAを選出するには、例えばラベル化したプローブを
用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プラ
ークハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, Co
ld Spring Harbor Laboratory Press, 1.85-1.104 or2.
112-2.120, 1989)などが挙げられる。
方法としては、例えば、モレキュラー.クローニング (M
olecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1.74-1.84, 1989)記載のエレクトロポーレーション
法あるいはカルシウムクロライド法などが挙げられる。
また、ファージ.ベクターにはたとえば、増殖させた大
腸菌にイン ビトロパッケージング法を用いて導入する
ことができる。上記により、得られるcDNAから目的
のラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1のc
DNAを選出するには、例えばラベル化したプローブを
用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プラ
ークハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, Co
ld Spring Harbor Laboratory Press, 1.85-1.104 or2.
112-2.120, 1989)などが挙げられる。
【0034】上記のハイブリダイゼーションにおけるプ
ローブとして用いるDNAとしては、コンポーネントC
1とハイブリダイズするDNAであれば、何でもよく、
例えばコンポーネントC1のアミノ酸配列に基づいて化
学合成したオリゴヌクレオチドあるいは多機能プロテア
ーゼの他のコンポーネントをコードするcDNA、ゲノ
ムDNA、化学合成DNA、およびこれらの部分DNA
等が挙げられる。
ローブとして用いるDNAとしては、コンポーネントC
1とハイブリダイズするDNAであれば、何でもよく、
例えばコンポーネントC1のアミノ酸配列に基づいて化
学合成したオリゴヌクレオチドあるいは多機能プロテア
ーゼの他のコンポーネントをコードするcDNA、ゲノ
ムDNA、化学合成DNA、およびこれらの部分DNA
等が挙げられる。
【0035】上記プローブとして用いるためのラット多
機能プロテアーゼのアミノ酸配列の決定法は以下のごと
く行なうことができる。ラット多機能プロテアーゼは田
中等の方法(Tanaka, T., et al., J. Biol. Chem., 26
1, 15197-15230, 1986; Tana-ka K., et al., J. Biol.
Chem., 263, 16209-16217)に従って、ラット肝臓か
ら、バイオゲルーA、Qーセファロス、ハイドロキシア
パタイト、ヘパリンセファロースを吸着体としたクロマ
トグラフィー等の操作で単一に精製することができる。
次いで、上記方法によって精製したラット多機能プロテ
アーゼの構成コンポーネントは逆相高速液体クロマトグ
ラフィーを用いた方法や2次元電気泳動により分離でき
る。
機能プロテアーゼのアミノ酸配列の決定法は以下のごと
く行なうことができる。ラット多機能プロテアーゼは田
中等の方法(Tanaka, T., et al., J. Biol. Chem., 26
1, 15197-15230, 1986; Tana-ka K., et al., J. Biol.
Chem., 263, 16209-16217)に従って、ラット肝臓か
ら、バイオゲルーA、Qーセファロス、ハイドロキシア
パタイト、ヘパリンセファロースを吸着体としたクロマ
トグラフィー等の操作で単一に精製することができる。
次いで、上記方法によって精製したラット多機能プロテ
アーゼの構成コンポーネントは逆相高速液体クロマトグ
ラフィーを用いた方法や2次元電気泳動により分離でき
る。
【0036】逆相高速クロマトグラフィーより得られた
コンポーネントは、AKETAGAWA等の方法 (Aket
agawa, J., et al., J. Biol. Chem., 261, 7357-736
5, 1986) に従って、Sーピリジルエチル化を行ない、
リジル エンドペプトダーゼ処理後フェニルチオカルバ
ミル法によって、アミノ酸組成の解析を行ない、ペプチ
ドのアミノ酸配列の決定法はガスシークエンス法で測定
することができる。2次元電気泳動より分離されたコン
ポーネントはポリビニリデン ジフルオロダイド(PV
DF)等にトランスファー後、自動エドマン分解装置等
を用いてアミノ酸配列を決定することができる。
コンポーネントは、AKETAGAWA等の方法 (Aket
agawa, J., et al., J. Biol. Chem., 261, 7357-736
5, 1986) に従って、Sーピリジルエチル化を行ない、
リジル エンドペプトダーゼ処理後フェニルチオカルバ
ミル法によって、アミノ酸組成の解析を行ない、ペプチ
ドのアミノ酸配列の決定法はガスシークエンス法で測定
することができる。2次元電気泳動より分離されたコン
ポーネントはポリビニリデン ジフルオロダイド(PV
DF)等にトランスファー後、自動エドマン分解装置等
を用いてアミノ酸配列を決定することができる。
【0037】上記の解析によって得られたアミノ酸配列
の情報をもとに遺伝子の検索に必要なプローブは、得ら
れたペプチドのうち縮重頻度の低いものから2ー5個を
選択し、これに対応する相補的ポリヌクレオチドとして
合成することができる。また上記に従い得られるコンポ
ーネントC1のDNAの塩基配列の決定は、例えば、マ
キサムーギルバート(Maxiam-Gilbert) 法 (Methods in
Enzymology, 65, 499-560, 1980) あるいはジデオキシ
法 (Messing, J. et al., Nucleic Ac-ids Research,
9, 309, 1981) 等により、行なうことができる。
の情報をもとに遺伝子の検索に必要なプローブは、得ら
れたペプチドのうち縮重頻度の低いものから2ー5個を
選択し、これに対応する相補的ポリヌクレオチドとして
合成することができる。また上記に従い得られるコンポ
ーネントC1のDNAの塩基配列の決定は、例えば、マ
キサムーギルバート(Maxiam-Gilbert) 法 (Methods in
Enzymology, 65, 499-560, 1980) あるいはジデオキシ
法 (Messing, J. et al., Nucleic Ac-ids Research,
9, 309, 1981) 等により、行なうことができる。
【0038】以上のようにして、ラット多機能プロテア
ーゼのコンポーネントC1をコードするDNAが得られ
る。本発明のコンポーネントC1のポリペプチドをコー
ドするcDNAを含むDNAは、上記の方法の他に、ヒ
ト、ラット、マウスなどのゲノムDNAのライブラリー
からのクローニングによっても得ることができる。ま
た、コンポーネントC1をコードするDNAは、目的に
より、そのままあるいは制限酵素で切断して使用するこ
とができる。
ーゼのコンポーネントC1をコードするDNAが得られ
る。本発明のコンポーネントC1のポリペプチドをコー
ドするcDNAを含むDNAは、上記の方法の他に、ヒ
ト、ラット、マウスなどのゲノムDNAのライブラリー
からのクローニングによっても得ることができる。ま
た、コンポーネントC1をコードするDNAは、目的に
より、そのままあるいは制限酵素で切断して使用するこ
とができる。
【0039】本発明のポリペプチドを取得する方法とし
ては、(i)ラットを含む各種動物の臓器および細胞株
から単離する方法(ii)ペプチド合成によって調製す
る方法(iii)遺伝子組換え技術を用いて生産する方
法などが挙げられるが、工業的には(iii)が望まし
い。
ては、(i)ラットを含む各種動物の臓器および細胞株
から単離する方法(ii)ペプチド合成によって調製す
る方法(iii)遺伝子組換え技術を用いて生産する方
法などが挙げられるが、工業的には(iii)が望まし
い。
【0040】この遺伝子組換え技術を用いた該ポリペプ
チドの製造方法としては、上記本発明遺伝子の利用を必
須として、基本的には、公知の各種遺伝子組換え技術を
使うことができる(Sambrook, J., et al., Molecular
Cloaning,Cold Spring Harb-or Laboratoy Press, 1989
等)。より詳細には、本発明遺伝子が宿主細胞中で発
現できるような組換えDNAを作製し、これを宿主細胞
に導入して形質転換し、該形質転換体を培養すればよ
い。
チドの製造方法としては、上記本発明遺伝子の利用を必
須として、基本的には、公知の各種遺伝子組換え技術を
使うことができる(Sambrook, J., et al., Molecular
Cloaning,Cold Spring Harb-or Laboratoy Press, 1989
等)。より詳細には、本発明遺伝子が宿主細胞中で発
現できるような組換えDNAを作製し、これを宿主細胞
に導入して形質転換し、該形質転換体を培養すればよ
い。
【0041】ポリペプチドの発現に用いるベクターとし
ては、各種の宿主で機能するものであれば、いかなるも
のでもよく例えば、大腸菌ではpBR322、pBR3
25、pUC12、pUC19、pUC118、および
これらの誘導体が、酵母では、pSH19、pSH1
5、およびこれらの誘導体が、動物細胞ではレトロウィ
ルスベクター、ワクシニアウィルスベクター、ウシパピ
ローマウィルスベクター、SV40系ベクター(例えば
pSV2-dhfr, pKSV-10, pTB-399)などが挙げられる。
ては、各種の宿主で機能するものであれば、いかなるも
のでもよく例えば、大腸菌ではpBR322、pBR3
25、pUC12、pUC19、pUC118、および
これらの誘導体が、酵母では、pSH19、pSH1
5、およびこれらの誘導体が、動物細胞ではレトロウィ
ルスベクター、ワクシニアウィルスベクター、ウシパピ
ローマウィルスベクター、SV40系ベクター(例えば
pSV2-dhfr, pKSV-10, pTB-399)などが挙げられる。
【0042】プロモーターとしては、各種の宿主で機能
するものであればいかなるものでもよく、例えば、大腸
菌ではトリプトファンプロモーター、lacプロモータ
ー、tacプロモーター、λPLプロモーター、rec
Aプロモーター、T7プロモーターなどが、酵母では、
GLDプロモーター、PHO5プロモーター、GAL1
プロモーター、GAL10プロモーター、PGKプロモ
ーター、α−ファクタープロモーターなどが、動物細胞
では、SV40プロモーター、LTRプロモーター、メ
タロチオネインプロモーターなどが、それぞれ挙げられ
る。
するものであればいかなるものでもよく、例えば、大腸
菌ではトリプトファンプロモーター、lacプロモータ
ー、tacプロモーター、λPLプロモーター、rec
Aプロモーター、T7プロモーターなどが、酵母では、
GLDプロモーター、PHO5プロモーター、GAL1
プロモーター、GAL10プロモーター、PGKプロモ
ーター、α−ファクタープロモーターなどが、動物細胞
では、SV40プロモーター、LTRプロモーター、メ
タロチオネインプロモーターなどが、それぞれ挙げられ
る。
【0043】発現の効率を高めるために、酵母では、目
的のポリペプチドをコードするDNAの下流にターミネ
ーターを用いたり、動物細胞では、エンハンサー、RN
Aスプライシングのシグナル、ポリA付加のシグナル、
選択マーカーなどを用いることが望ましい。
的のポリペプチドをコードするDNAの下流にターミネ
ーターを用いたり、動物細胞では、エンハンサー、RN
Aスプライシングのシグナル、ポリA付加のシグナル、
選択マーカーなどを用いることが望ましい。
【0044】発現方法としては、遺伝子産物を細胞内に
生成、蓄積する方法や遺伝子産物を細胞外に分泌させ、
培地中に分泌させる方法等がある。なお、形質転換体か
ら、本発明のポリペプチドを分泌させるためには、ポリ
ペプチドをコードするDNAの5’末端にシグナルペプ
チドをコードするDNAを結合することができる。ここ
でシグナルペプチドとしては、目的のポリペプチドを発
現できるものならいかなるものでもよく、例えば、大腸
菌のエンテロトキシンのシグナルペプチドおよびその変
異体、酵母のインベルターゼ、フォスファターゼ、α−
ファクターおよびキラー因子のシグナルペプチド、多機
能プロテアーゼのシグナルペプチド、卵白リゾチームや
インターロイキン2のシグナルペプチドなどが使用でき
る。
生成、蓄積する方法や遺伝子産物を細胞外に分泌させ、
培地中に分泌させる方法等がある。なお、形質転換体か
ら、本発明のポリペプチドを分泌させるためには、ポリ
ペプチドをコードするDNAの5’末端にシグナルペプ
チドをコードするDNAを結合することができる。ここ
でシグナルペプチドとしては、目的のポリペプチドを発
現できるものならいかなるものでもよく、例えば、大腸
菌のエンテロトキシンのシグナルペプチドおよびその変
異体、酵母のインベルターゼ、フォスファターゼ、α−
ファクターおよびキラー因子のシグナルペプチド、多機
能プロテアーゼのシグナルペプチド、卵白リゾチームや
インターロイキン2のシグナルペプチドなどが使用でき
る。
【0045】本発明遺伝子の発現は、上記のごとく直接
発現させる系に限らず、他の蛋白質、例えば、β−ガラ
クトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、およびマルトース結
合蛋白質等と結合させた融合蛋白質として生産させた後
に、適当なプロテアーゼで切断することによって得るこ
ともできる。
発現させる系に限らず、他の蛋白質、例えば、β−ガラ
クトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、およびマルトース結
合蛋白質等と結合させた融合蛋白質として生産させた後
に、適当なプロテアーゼで切断することによって得るこ
ともできる。
【0046】発現ベクター自体を構築する方法は公知で
あり、例えば、モレキュラー クローニング(Molecula
r Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press,198
9 )等に記載されている。このようにして、作製したポ
リペプチド発現ベクターを用いて宿主を形質転換する。
あり、例えば、モレキュラー クローニング(Molecula
r Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press,198
9 )等に記載されている。このようにして、作製したポ
リペプチド発現ベクターを用いて宿主を形質転換する。
【0047】ここで該ポリペプチドを生産するための宿
主細胞としては、真核生物および原核生物のいずれをも
用いることができる。当該真核生物の細胞には、動物細
胞、昆虫細胞、酵母等が含まれ、該原核生物の細胞に
は、大腸菌やバチルス属菌等の細菌が含まれる。より詳
しくは、大腸菌では、E. coli HB101, E. coli JM109,
E.coli CJ236, E.coli DH1, E. coli JA221, E. coli
MV1184, およびこれらの変異株等が、バチルス属菌で
は、B. subtilis 114, B. subtilis 1A274, B. br-evis
47, B. brevis 47-5, B. brevis HDP31, およびこれ
らの変異株が、酵母では、S. cerevisiae AH22R-,S. ce
revisiae NA74-Ap-, S. cerevisiae TB39p- , S. pombe
ATCC38399, S. pombe TH168, およびこれらの変異株
等が、動物細胞では、サル腎細胞COS-7, チャイニーズ
ハムスター細胞CHO 、マウスL細胞などが、挙げられ
る。
主細胞としては、真核生物および原核生物のいずれをも
用いることができる。当該真核生物の細胞には、動物細
胞、昆虫細胞、酵母等が含まれ、該原核生物の細胞に
は、大腸菌やバチルス属菌等の細菌が含まれる。より詳
しくは、大腸菌では、E. coli HB101, E. coli JM109,
E.coli CJ236, E.coli DH1, E. coli JA221, E. coli
MV1184, およびこれらの変異株等が、バチルス属菌で
は、B. subtilis 114, B. subtilis 1A274, B. br-evis
47, B. brevis 47-5, B. brevis HDP31, およびこれ
らの変異株が、酵母では、S. cerevisiae AH22R-,S. ce
revisiae NA74-Ap-, S. cerevisiae TB39p- , S. pombe
ATCC38399, S. pombe TH168, およびこれらの変異株
等が、動物細胞では、サル腎細胞COS-7, チャイニーズ
ハムスター細胞CHO 、マウスL細胞などが、挙げられ
る。
【0048】上記、宿主および、発現プラスミドを用い
て形質転換する方法は公知であり、大腸菌では、例え
ば、コンピテント法(Hanahan,D., J. Mol. Biol., 16
6, 577,1983)、酵母では例えば、Hinnen等の方法 (Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A, 75, 1927, 1978) やリチ
ウム法 (J. Bacteriol.,153,163,1983)、動物細胞で
は、例えば、Grahamらの方法 (Virology, 52, 456,
1973)によって、それぞれ形質転換できる。
て形質転換する方法は公知であり、大腸菌では、例え
ば、コンピテント法(Hanahan,D., J. Mol. Biol., 16
6, 577,1983)、酵母では例えば、Hinnen等の方法 (Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A, 75, 1927, 1978) やリチ
ウム法 (J. Bacteriol.,153,163,1983)、動物細胞で
は、例えば、Grahamらの方法 (Virology, 52, 456,
1973)によって、それぞれ形質転換できる。
【0049】かくして得られる形質転換体は、常法に従
い培養でき、培養に使用される培地は液体培地が適当で
あり、その中には該形質転換体の成育に必要な炭素源、
窒素源、無機物、ビタミン類、その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリ
ン、ショ糖、可溶性澱粉など、窒素源としては、例えば
アンモニウム、塩類、硝酸塩類、アミノ酸、カゼイン、
ペプトン、肉エキスなど、無機物質としては、例えば、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。培地のp
Hとしては、約5〜8が望ましい。
い培養でき、培養に使用される培地は液体培地が適当で
あり、その中には該形質転換体の成育に必要な炭素源、
窒素源、無機物、ビタミン類、その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリ
ン、ショ糖、可溶性澱粉など、窒素源としては、例えば
アンモニウム、塩類、硝酸塩類、アミノ酸、カゼイン、
ペプトン、肉エキスなど、無機物質としては、例えば、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。培地のp
Hとしては、約5〜8が望ましい。
【0050】より詳細には、該培養に用いられる培地と
しては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のも
のを選択できる。例えば、宿主が、大腸菌等の場合、培
地として、LB培地、M9培地、E培地、M63培地等
を使用でき、これら培地にはさらに必要に応じて上記添
加物を加えることができる。また、宿主が、動物細胞で
ある場合、培地としては、イーグル最小必須培地 (Eagl
e's MEM)、ダルベッコの修正イーグル最小必須培地(Du
lbecco's modified Eagle's MEM, DME)、RPMI-1640培
地等の培地に必要に応じて、例えば、約5〜20%の牛
胎児血清等を添加したものを使用して培養できる。上記
形質転換体の培養条件としては、宿主細胞の培養に適し
た条件を採用でき、温度は、例えば大腸菌の場合は14
〜43℃、動物細胞の場合は、30〜40℃であるのが
好ましい。また、培地のpHとしては、それぞれ約5〜
8が望ましい。また、必要に応じて通気や攪拌操作を加
えることができる。
しては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のも
のを選択できる。例えば、宿主が、大腸菌等の場合、培
地として、LB培地、M9培地、E培地、M63培地等
を使用でき、これら培地にはさらに必要に応じて上記添
加物を加えることができる。また、宿主が、動物細胞で
ある場合、培地としては、イーグル最小必須培地 (Eagl
e's MEM)、ダルベッコの修正イーグル最小必須培地(Du
lbecco's modified Eagle's MEM, DME)、RPMI-1640培
地等の培地に必要に応じて、例えば、約5〜20%の牛
胎児血清等を添加したものを使用して培養できる。上記
形質転換体の培養条件としては、宿主細胞の培養に適し
た条件を採用でき、温度は、例えば大腸菌の場合は14
〜43℃、動物細胞の場合は、30〜40℃であるのが
好ましい。また、培地のpHとしては、それぞれ約5〜
8が望ましい。また、必要に応じて通気や攪拌操作を加
えることができる。
【0051】上記形質転換体より、細胞内あるいは細胞
外に本発明のポリペプチドが蓄積あるいは生成、分泌さ
れる。培養物から該ポリペプチドの分離、精製は公知の
分離操作を組み合わせて行なうことができる。該方法と
しては、具体的には、蛋白質変性剤や界面活性剤による
処理、超音波処理、リゾチームなどによる酵素処理、凍
結融解処理、塩析や溶媒沈殿法などの溶解度の差を利用
する法、透析法、遠心分離、限外濾過法、ゲル濾過法、
SDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動法、イオン交
換クロマトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフ
ィー法、逆相高速液体クロマトグラフィー法、等電点電
気泳動法などが挙げられる。かくして得られる遺伝子組
換えによるポリペプチドは、エンザイムイムノアッセ
イ、ラジオイムノアッセイで定量することができ、前述
した本発明のラット多機能プロテアーゼのコンポーネン
トC1と同様の各種用途に使用される。
外に本発明のポリペプチドが蓄積あるいは生成、分泌さ
れる。培養物から該ポリペプチドの分離、精製は公知の
分離操作を組み合わせて行なうことができる。該方法と
しては、具体的には、蛋白質変性剤や界面活性剤による
処理、超音波処理、リゾチームなどによる酵素処理、凍
結融解処理、塩析や溶媒沈殿法などの溶解度の差を利用
する法、透析法、遠心分離、限外濾過法、ゲル濾過法、
SDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動法、イオン交
換クロマトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフ
ィー法、逆相高速液体クロマトグラフィー法、等電点電
気泳動法などが挙げられる。かくして得られる遺伝子組
換えによるポリペプチドは、エンザイムイムノアッセ
イ、ラジオイムノアッセイで定量することができ、前述
した本発明のラット多機能プロテアーゼのコンポーネン
トC1と同様の各種用途に使用される。
【0052】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0053】実施例 1 (1)ラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1
の精製 ラット多機能プロテアーゼは田中等により報告されてい
る方法 (Tanaka, T.,et al., J. Biol. Chem., 261, 15
197-15230, 1986; Tanaka K., et al., J. B-iol. Che
m., 263, 16209-16217) に従って、ラット肝臓から精製
した。次いで、上記方法によって精製したラット多機能
プロテアーゼのコンポーネントC1の分離は逆相高速液
体クロマトグラフィーを用いて分離した(図1)。即ち
上記の方法によって得られたラット多機能プロテアーゼ
を0.5%トリフルオロ酢酸で平衡化したコスモシル5C4
-300カラム(10x250mm、ナカライテスク社)に
付加した。
の精製 ラット多機能プロテアーゼは田中等により報告されてい
る方法 (Tanaka, T.,et al., J. Biol. Chem., 261, 15
197-15230, 1986; Tanaka K., et al., J. B-iol. Che
m., 263, 16209-16217) に従って、ラット肝臓から精製
した。次いで、上記方法によって精製したラット多機能
プロテアーゼのコンポーネントC1の分離は逆相高速液
体クロマトグラフィーを用いて分離した(図1)。即ち
上記の方法によって得られたラット多機能プロテアーゼ
を0.5%トリフルオロ酢酸で平衡化したコスモシル5C4
-300カラム(10x250mm、ナカライテスク社)に
付加した。
【0054】次いで、0.05%トリフルオロ酢酸を含
む45ー60%のアセトニトリルで直線濃度勾配によ
り、溶出した。溶出速度は、1ml/minで1mlづ
つ分取した。この方法によって、ラット多機能プロテア
ーゼのコンポーネントC1はアセトニトリル濃度が51
%の位置に溶出された。SDSーPAGEによりコンポ
ーネントC1の分子量を解析した結果、24、800±
800であった。
む45ー60%のアセトニトリルで直線濃度勾配によ
り、溶出した。溶出速度は、1ml/minで1mlづ
つ分取した。この方法によって、ラット多機能プロテア
ーゼのコンポーネントC1はアセトニトリル濃度が51
%の位置に溶出された。SDSーPAGEによりコンポ
ーネントC1の分子量を解析した結果、24、800±
800であった。
【0055】(2)蛋白質の解析 ラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1は還元
してシステインを保護するために、AKETAGAWA
等の方法 (Aketagawa, J., et al., J. Biol.Chem., 2
61, 7357-7365, 1986) に従って、Sーピリジルエチル
化を行なった。Sーピリジルエチル化した蛋白質は酵素
(リジル エンドペプトダーゼ)1に対して基質40の
割合で、2M尿素を含む50mMトリスー塩酸緩衝液
(pH8.0)中で37℃、12時間反応させた。
してシステインを保護するために、AKETAGAWA
等の方法 (Aketagawa, J., et al., J. Biol.Chem., 2
61, 7357-7365, 1986) に従って、Sーピリジルエチル
化を行なった。Sーピリジルエチル化した蛋白質は酵素
(リジル エンドペプトダーゼ)1に対して基質40の
割合で、2M尿素を含む50mMトリスー塩酸緩衝液
(pH8.0)中で37℃、12時間反応させた。
【0056】次いでこれをケムコソルブ7ーODSーH
カラムに付加し、切断されたC1のペプチド約20個を
0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度
勾配によって分離した。蛋白とペプチドは6N塩酸で減
圧下、110℃、20時間加水分解し、この加水分解物
をPICOーTAGシステムを用いてフェニルチオカル
バミル法によって、そのアミノ酸組成の解析を行なった
(図1)。ペプタイドのアミノ酸配列は、ガスシークエ
ンス法で測定し、フェニルチオヒダントイン誘導体はア
プライド バイオシステムズ 120Aフェニルチオヒ
ダントインアミノ酸分析装置により同定した。
カラムに付加し、切断されたC1のペプチド約20個を
0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度
勾配によって分離した。蛋白とペプチドは6N塩酸で減
圧下、110℃、20時間加水分解し、この加水分解物
をPICOーTAGシステムを用いてフェニルチオカル
バミル法によって、そのアミノ酸組成の解析を行なった
(図1)。ペプタイドのアミノ酸配列は、ガスシークエ
ンス法で測定し、フェニルチオヒダントイン誘導体はア
プライド バイオシステムズ 120Aフェニルチオヒ
ダントインアミノ酸分析装置により同定した。
【0057】(3)プローブの調製 C1の7個のフラグメントのうち、縮重頻度の最も少な
いアミノ酸配列を持つ2つを選択しプローブを調製し
た。選択した2つのアミノ酸配列はAsnーMetーM
etーLeuーGlnーTyr、LysーPheーGl
nーHisーGlyーValであり、これに対応する相
補的オリゴヌクレオチドとして、5’ーTAYTGNA
GCATCATRTTー3’、5’ーTAYTGYAA
CATCATRTTー3’、5’ーACRCCRTGY
TGRAAYTTー3’、5’ーACYCCRTGYT
GRAAYTTー3’(N=ACGT、R=AG、Y=
CT)をDNA合成機380B(アプライド バイオシ
ステムズ 社製)で合成した。合成したオリゴヌクレオ
チドの精製は、オリゴヌクレオチド カートリッジ(ア
プライド バイオシステムズ 社製)を使用した。
いアミノ酸配列を持つ2つを選択しプローブを調製し
た。選択した2つのアミノ酸配列はAsnーMetーM
etーLeuーGlnーTyr、LysーPheーGl
nーHisーGlyーValであり、これに対応する相
補的オリゴヌクレオチドとして、5’ーTAYTGNA
GCATCATRTTー3’、5’ーTAYTGYAA
CATCATRTTー3’、5’ーACRCCRTGY
TGRAAYTTー3’、5’ーACYCCRTGYT
GRAAYTTー3’(N=ACGT、R=AG、Y=
CT)をDNA合成機380B(アプライド バイオシ
ステムズ 社製)で合成した。合成したオリゴヌクレオ
チドの精製は、オリゴヌクレオチド カートリッジ(ア
プライド バイオシステムズ 社製)を使用した。
【0058】(4)cDNAライブラリーの調製 ラット多機能プロテアーゼのmRNAの発現量が、正常
ラット肝臓より10倍以上高いReuberH4TGヘ
パトーマ細胞を10%血清を添加したダルベッコ改変イ
ーグル(DME)培養液中で培養した。この細胞をリン
酸緩衝液で洗浄後、Chirgwin らの方法(Biochemistry,
18, 5294-5299, 1979) によって、全RNAを調製し
た。即ち、グアニジンチオシアネート緩衝液を加えてホ
モジナイズし、塩化セシウム密度勾配遠心法によって、
全RNAを得た。
ラット肝臓より10倍以上高いReuberH4TGヘ
パトーマ細胞を10%血清を添加したダルベッコ改変イ
ーグル(DME)培養液中で培養した。この細胞をリン
酸緩衝液で洗浄後、Chirgwin らの方法(Biochemistry,
18, 5294-5299, 1979) によって、全RNAを調製し
た。即ち、グアニジンチオシアネート緩衝液を加えてホ
モジナイズし、塩化セシウム密度勾配遠心法によって、
全RNAを得た。
【0059】この全RNAをオリゴdTセルロースカラ
ム(バイオ ラッド社製)に付加し結合させた後、オリ
ゴdT結合緩衝液(0.5M NaCl、10mM T
risーHCl pH7.5、0.1%)で洗浄した。オ
リゴdTセルロースに結合したポリ(A)+ RNAは
オリゴdT溶出液(10mM TrisーHclpH
7.5、0.05% SDS)により溶出した。溶出液に
1/10量の3MNaClおよび2.5倍量のエタノー
ルを加えて、エタノール沈殿させた後、70%エタノー
ルで洗浄し、ポリ(A)+ RNAを得た。
ム(バイオ ラッド社製)に付加し結合させた後、オリ
ゴdT結合緩衝液(0.5M NaCl、10mM T
risーHCl pH7.5、0.1%)で洗浄した。オ
リゴdTセルロースに結合したポリ(A)+ RNAは
オリゴdT溶出液(10mM TrisーHclpH
7.5、0.05% SDS)により溶出した。溶出液に
1/10量の3MNaClおよび2.5倍量のエタノー
ルを加えて、エタノール沈殿させた後、70%エタノー
ルで洗浄し、ポリ(A)+ RNAを得た。
【0060】上記の方法によって得られたポリ(A)+
RNAからグブラーとホフマンの方法(Gubler, U. an
d Hoffman, B., Gene, 25, 263-268, 1983) に従って、
cDNAを合成した。即ち、5’末端に制限酵素Not
1切断部位を持つオリゴdTプライマー(5'-TAGGTCGACG
CGGCCGCTTTTTTTTTTTTTTT) を上記mRNAのポリAにア
ニールさせ、ニワトリ骨髄芽球症ウイルス由来の逆転写
酵素(ライフ.サイエンス社製)により、1本鎖DNA
を合成し、DNAポリメラーゼ1により、2本鎖cDN
Aを合成した。
RNAからグブラーとホフマンの方法(Gubler, U. an
d Hoffman, B., Gene, 25, 263-268, 1983) に従って、
cDNAを合成した。即ち、5’末端に制限酵素Not
1切断部位を持つオリゴdTプライマー(5'-TAGGTCGACG
CGGCCGCTTTTTTTTTTTTTTT) を上記mRNAのポリAにア
ニールさせ、ニワトリ骨髄芽球症ウイルス由来の逆転写
酵素(ライフ.サイエンス社製)により、1本鎖DNA
を合成し、DNAポリメラーゼ1により、2本鎖cDN
Aを合成した。
【0061】このcDNAの両端を平滑化するため、ク
レノー酵素(DNAポリメラーゼのラージフラグメン
ト、ベーリンガー社製)処理を行なった後さらに、制限
酵素Not1で切断した。これにより、5’末端が平滑
末端で3’末端にNot1制限酵素切断部位をもつcD
NAを得ることができた。得られたcDNAは発現ベク
ターブルースクリプト II KS+(ストラタジーン社)の
マルチクローニング部位のNotIとEcoRV間にT
4DNAリガーゼ(ベーリンガー社製)を用いて挿入し
た。
レノー酵素(DNAポリメラーゼのラージフラグメン
ト、ベーリンガー社製)処理を行なった後さらに、制限
酵素Not1で切断した。これにより、5’末端が平滑
末端で3’末端にNot1制限酵素切断部位をもつcD
NAを得ることができた。得られたcDNAは発現ベク
ターブルースクリプト II KS+(ストラタジーン社)の
マルチクローニング部位のNotIとEcoRV間にT
4DNAリガーゼ(ベーリンガー社製)を用いて挿入し
た。
【0062】(5)クローンの単離 上記のcDNAが組み込まれたブルースクリプトベクタ
ーをコンピテントセルHB101(宝酒造)と混合し、Messi
ng 等の方法 (Gene, 33, 103, 985) に従い形質転換し
た。形質転換したコンピテントセルは、アンピシリンを
100μg/mlを含むLBプレート上に1プレート当たり
約 8,000コロニー、計15プレート(約 120,000 コロ
ニー)にまいた。このプレート上にナイロンフィルター
(アマシャム社製、ハイボンドN+)をのせ、水酸化ナ
トリウムで固定後、ハイブリダイゼーションを行なっ
た。プローブは(3)で得られた相補的オリゴヌクレオ
チドを用い、その5’末端を32PーATPで標識化し
て使用した。最終的にコンポーネントC1にcDNAと
して120,000のトランスフォーマントから、2個のクロ
ーンを得た。
ーをコンピテントセルHB101(宝酒造)と混合し、Messi
ng 等の方法 (Gene, 33, 103, 985) に従い形質転換し
た。形質転換したコンピテントセルは、アンピシリンを
100μg/mlを含むLBプレート上に1プレート当たり
約 8,000コロニー、計15プレート(約 120,000 コロ
ニー)にまいた。このプレート上にナイロンフィルター
(アマシャム社製、ハイボンドN+)をのせ、水酸化ナ
トリウムで固定後、ハイブリダイゼーションを行なっ
た。プローブは(3)で得られた相補的オリゴヌクレオ
チドを用い、その5’末端を32PーATPで標識化し
て使用した。最終的にコンポーネントC1にcDNAと
して120,000のトランスフォーマントから、2個のクロ
ーンを得た。
【0063】(6)制限酵素地図、およびDNA塩基配
列の決定 (i)制限酵素地図 (5)で得られた2個のクローンはいずれも同様の制限
酵素地図を示した。これらのクローンのうち長いほうの
cDNAを含むものについて塩基配列を決定した。コン
ポーネントC1のcDNAの制限酵素地図を図2に示
す。即ち、図中黒いカラムはC1の翻訳領域を示し、白
いカラムは5’端の非翻訳領域、および3’端の非翻訳
領域を示す。実線はベクターであるブルースクリプトK
S部分を示す。カラムの下の数字は開始コドンATGの
1番目および終止コドンの一つ前のヌクレオチドの位置
を示しており、配列を決定した部分は実線の矢印で示し
た。
列の決定 (i)制限酵素地図 (5)で得られた2個のクローンはいずれも同様の制限
酵素地図を示した。これらのクローンのうち長いほうの
cDNAを含むものについて塩基配列を決定した。コン
ポーネントC1のcDNAの制限酵素地図を図2に示
す。即ち、図中黒いカラムはC1の翻訳領域を示し、白
いカラムは5’端の非翻訳領域、および3’端の非翻訳
領域を示す。実線はベクターであるブルースクリプトK
S部分を示す。カラムの下の数字は開始コドンATGの
1番目および終止コドンの一つ前のヌクレオチドの位置
を示しており、配列を決定した部分は実線の矢印で示し
た。
【0064】(ii)塩基配列の決定 cDNAの塩基配列の決定は、7ーDEAZAシークエ
ンシングキット(宝酒造社製)を用い、サンガー (Sang
er) 等のジデオキシターミネイション法 (Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A., 74, 5463-5467, 1977) に基づい
て行なった。この結果を図3に示す。コード領域は62
4ヌクレオチドであり、アミノ酸残基数208個に相当
した。この値から算出される分子量は 23,130 ダルトン
であった。該図に示した実線は、図2より得られた部分
アミノ酸シークエンスと一致する領域を示したもので、
点線はアミノ酸配列が決定されなかった部分を示す。
ンシングキット(宝酒造社製)を用い、サンガー (Sang
er) 等のジデオキシターミネイション法 (Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A., 74, 5463-5467, 1977) に基づい
て行なった。この結果を図3に示す。コード領域は62
4ヌクレオチドであり、アミノ酸残基数208個に相当
した。この値から算出される分子量は 23,130 ダルトン
であった。該図に示した実線は、図2より得られた部分
アミノ酸シークエンスと一致する領域を示したもので、
点線はアミノ酸配列が決定されなかった部分を示す。
【0065】なお、塩基配列決定用に調製したプローブ
用ポリペプチドLysーPheーGlnーHisーGl
yーValは11ー16番目のアミノ酸配列に一致して
おり、AsnーMetーMetーIleーGlnーTy
rは、89ー94番目のアミノ酸配列に一致していた。
このような事実より、本発明遺伝子は、精製によって得
られたラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1
の遺伝子であると確認された。
用ポリペプチドLysーPheーGlnーHisーGl
yーValは11ー16番目のアミノ酸配列に一致して
おり、AsnーMetーMetーIleーGlnーTy
rは、89ー94番目のアミノ酸配列に一致していた。
このような事実より、本発明遺伝子は、精製によって得
られたラット多機能プロテアーゼのコンポーネントC1
の遺伝子であると確認された。
【0066】実施例2 動物細胞用の発現ベクターの構築 実施例1で得られたBluescriptIIベクター
に挿入されているコンポーネントC1のcDNAには
5’非翻訳領域にはEcoRI部位が、3’非翻領域に
は、ApaI部位が存在する。そこで、このベクターよ
り、EcoRI−ApaI断片(約0.75kb)を単
離し、得られたDNAの両末端をT4DNAポリメラー
ゼを用いて、平滑化した。一方、プラスミド pcDL-SRa2
96 (Takebe, Y. et al., Mol. Cell. Biol., 8,466-47
2, 1988)をPstIで切断し、得られたプラスミド断
片の両末端をT4DNAポリメラーゼを用いて平滑化し
た。次いで、上記で得たコンポーネントC1断片をT4
DNAリガーゼを用いてプラスミドと連結して、目的と
する動物細胞用発現ベクターを構築した(図4)。
に挿入されているコンポーネントC1のcDNAには
5’非翻訳領域にはEcoRI部位が、3’非翻領域に
は、ApaI部位が存在する。そこで、このベクターよ
り、EcoRI−ApaI断片(約0.75kb)を単
離し、得られたDNAの両末端をT4DNAポリメラー
ゼを用いて、平滑化した。一方、プラスミド pcDL-SRa2
96 (Takebe, Y. et al., Mol. Cell. Biol., 8,466-47
2, 1988)をPstIで切断し、得られたプラスミド断
片の両末端をT4DNAポリメラーゼを用いて平滑化し
た。次いで、上記で得たコンポーネントC1断片をT4
DNAリガーゼを用いてプラスミドと連結して、目的と
する動物細胞用発現ベクターを構築した(図4)。
【0067】上記、発現ベクターとdhfr (dihydrofolat
e reductase) 遺伝子を含有するプラスミドベクター pA
dD26SVp(A)3 (Kaufman, R.J., et al., Mol. Cell. Bio
l.,5, 1750-1759, 1985)をCHO dhfr- 細胞へ、高効率
リン酸カルシウム法(Chen,C. and Okayama, H., Biote
ch., 6, 632-638,1988) により導入し、10%牛胎児
血清を含むDMEM培地で培養し、dhfr+ 形質転換細胞
をスクリーニングした。得られた細胞の培養後の培養液
を遠心分離して、培養上清を得、抗ラットコンポーネン
トC1抗体による、ELISA法やウェスタンブロッテ
ィング法により、ラットコンポーネントC1の発現を確
認した。
e reductase) 遺伝子を含有するプラスミドベクター pA
dD26SVp(A)3 (Kaufman, R.J., et al., Mol. Cell. Bio
l.,5, 1750-1759, 1985)をCHO dhfr- 細胞へ、高効率
リン酸カルシウム法(Chen,C. and Okayama, H., Biote
ch., 6, 632-638,1988) により導入し、10%牛胎児
血清を含むDMEM培地で培養し、dhfr+ 形質転換細胞
をスクリーニングした。得られた細胞の培養後の培養液
を遠心分離して、培養上清を得、抗ラットコンポーネン
トC1抗体による、ELISA法やウェスタンブロッテ
ィング法により、ラットコンポーネントC1の発現を確
認した。
【0068】なお、本明細書および図面において、塩基
やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-I
UB、による略号あるいは当該分野における慣用略号に
基づくものであり、その例を次に挙げる。また、アミノ
酸に関し光学異性体がありうる場合は、特に明示しなけ
れば、L-体を示すものとする。
やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-I
UB、による略号あるいは当該分野における慣用略号に
基づくものであり、その例を次に挙げる。また、アミノ
酸に関し光学異性体がありうる場合は、特に明示しなけ
れば、L-体を示すものとする。
【0069】DNA デオキシリボ核酸 A アデニン C シトシン G グアニン T チミン Ala(A) アラニン Arg(R) アルギニン Asn(N) アスパラギン Asp(D) アスパラギン酸 Cys(C) システイン Gln(Q) グルタミン Glu(E) グルタミン酸 Gly(G) グリシン His(H) ヒスチジン Ile(I) イシロイシン Leu(L) ロイシン Lys(K) リジン Met(M) メチオニン Phe(F) フェニルアラニン Pro(P) プロリン Ser(S) セリン Thr(T) スレオニン Trp(W) トリプトファン Tyr(Y) チロシン Val(V) バリン
配列番号:1 配列の長さ:208 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明〔unknown〕 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala His Gly Thr Thr Thr Leu Ala Phe Lys Phe Gln His Gly Val 1 5 10 15 Ile Val Ala Val Asp Ser Arg Ala Ser Ala Gly Ser Tyr Ile Ala Thr 20 25 30 Ile Arg Val Asn Lys Val Ile Glu Ile Asn Pro Tyr Leu Leu Gly Thr 35 40 45 Met Ser Gly Cys Ala Ala Asp Cys Gln Tyr Trp Glu Arg Leu Leu Ala 50 55 60 Lys Glu Cys Arg Leu Tyr Tyr Leu Arg Asn Gly Glu Arg Ile Ser Val 65 70 75 80 Ser Ala Ala Ser Lys Leu Leu Ser Asn Met Met Leu Gln Tyr Arg Gly 85 90 95 Met Gly Leu Ser Met Gly Ser Met Ile Cys Gly Trp Asp Lys Lys Gly 100 105 110 Pro Gly Leu Tyr Tyr Val Asp Asp Asn Gly Thr Arg Leu Ser Gly Gln 115 120 125 Met Phe Ser Thr Gly Ser Gly Asn Thr Tyr Ala Tyr Gly Val Met Asp 130 135 140 Ser Gly Tyr Arg Gln Asp Leu Ser Pro Glu Glu Ala Tyr Asp Leu Ala 145 150 155 160 Arg Arg Ala Ile Val Tyr Ala Thr His Arg Asp Ser Tyr Ser Gly Gly 165 170 175 Val Val Asn Met Tyr His Met Lys Lys Asp Gly Trp Val Lys Val Glu 180 185 190 Ser Thr Asp Val Ser Asp Leu Leu His Lys Tyr Arg Glu Ala Thr Leu 195 200 205 208 配列番号:2 配列の長さ:624 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATGGCGCATG GCACAACCAC GCTGGCCTTC AAATTCCAGC ATGGAGTCAT CGTGGCTGTA 60 GACTCCAGGG CCTCTGCAGG GAGTTACATT GCTACCATAA GGGTGAACAA GGTGATCGAG 120 ATTAACCCTT ACCTGCTTGG AACTATGTCT GGTTGTGCAG CCGACTGTCA GTACTGGGAG 180 AGGCTGTTGG CCAAGGAATG CAGGCTATAC TATCTGCGGA ATGGGGAACG CATCTCCGTG 240 TCTGCAGCCT CCAAGCTACT TTCCAACATG ATGCTGCAGT ACCGGGGTAT GGGCCTCTCC 300 ATGGGCAGCA TGATCTGCGG CTGGGACAAG AAGGGACCGG GACTTTATTA CGTAGATGAC 360 AATGGGACTC GGCTCTCGGG ACAGATGTTC TCCACAGGCA GCGGGAACAC CTATGCCTAC 420 GGGGTGATGG ACAGTGGGTA CCGGCAGGAT CTCAGTCCTG AGGAGGCCTA CGACCTTGCC 480 CGAAGAGCTA TTGTTTATGC TACCCACAGA GACAGCTATT CTGGAGGAGT TGTCAACATG 540 TACCACATGA AGAAAGACGG TTGGGTGAAA GTGGAGAGCA CTGACGTCAG TGACCTGTTG 600 CACAAGTACC GAGAGGCCAC TCTG 624
【図1】実施例1[(1),(2)]で得られたラット多機能プ
ロテアーゼのコンポーネントC1をリジルエンドペプチ
ダーゼで切断したフラグメントの逆相高速液体クロマト
グラフィーの分離パターンと決定したアミノ酸配列を示
す。
ロテアーゼのコンポーネントC1をリジルエンドペプチ
ダーゼで切断したフラグメントの逆相高速液体クロマト
グラフィーの分離パターンと決定したアミノ酸配列を示
す。
【図2】実施例1[(6)(i)]で得られたラット多機能プロ
テアーゼのコンポーネントC1の制限酵素地図を示す。
テアーゼのコンポーネントC1の制限酵素地図を示す。
【図3】実施例1[(6)(ii)]で得られたラット多機能プ
ロテアーゼのコンポーネントC1の決定された塩基配列
と塩基配列から推定したアミノ酸配列(C1の1次構
造)を示す。
ロテアーゼのコンポーネントC1の決定された塩基配列
と塩基配列から推定したアミノ酸配列(C1の1次構
造)を示す。
【図4】実施例3で得られたラット多機能プロテアーゼ
の蛋白質発現用ベクターの構造を示す。
の蛋白質発現用ベクターの構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 13/00 ZNA 8619−4H C12N 15/57 C12P 21/02 C 8214−4B G01N 33/53 D 8310−2J //(C12N 9/64 C12R 1:91)
Claims (3)
- 【請求項1】 分子中に以下の式(1)のアミノ酸配列
を含有することを特徴とするラット多機能プロテアーゼ
のコンポーネントC1。 式(1) MetAlaHisGlyThrThrThrLeuAlaPhe LysPheGlnHisGlyValIleValAlaVal AspSerArgAlaSerAlaGlySerTyrIle AlaThrIleArgValAsnLysValIleGlu IleAsnProTyrLeuLeuGlyThrMetSer GlyCysAlaAlaAspCysGlnTyrTrpGlu ArgLeuLeuAlaLysGluCysArgLeuTyr TyrLeuArgAsnGlyGluArgIleSerVal SerAlaAlaSerLysLeuLeuSerAsnMet MetLeuGlnTyrArgGlyMetGlyLeuSer MetGlySerMetIleCysGlyTrpAspLys LysGlyProGlyLeuTyrTyrValAspAsp AsnGlyThrArgLeuSerGlyGlnMetPhe SerThrGlySerGlyAsnThrTyrAlaTyr GlyValMetAspSerGlyTyrArgGlnAsp LeuSerProGluGluAlaTyrAspLeuAla ArgArgAlaIleValTyrAlaThrHisArg AspSerTyrSerGlyGlyValValAsnMet TyrHisMetLysLysAspGlyTrpValLys ValGluSerThrAspValSerAspLeuLeu HisLysTyrArgGluAlaThrLeu - 【請求項2】分子中に以下の式(2)の塩基配列を含有
する前記請求項1記載のラット多機能プロテアーゼのコ
ンポーネントC1の遺伝子。 式(2) ATGGCGCATGGCACAACCACGCTGGCCTTC AAATTCCAGCATGGAGTCATCGTGGCTGTA GACTCCAGGGCCTCTGCAGGGAGTTACATT GCTACCATAAGGGTGAACAAGGTGATCGAG ATTAACCCTTACCTGCTTGGAACTATGTCT GGTTGTGCAGCCGACTGTCAGTACTGGGAG AGGCTGTTGGCCAAGGAATGCAGGCTATAC TATCTGCGGAATGGGGAACGCATCTCCGTG TCTGCAGCCTCCAAGCTACTTTCCAACATG ATGCTGCAGTACCGGGGTATGGGCCTCTCC ATGGGCAGCATGATCTGCGGCTGGGACAAG AAGGGACCGGGACTTTATTACGTAGATGAC AATGGGACTCGGCTCTCGGGACAGATGTTC TCCACAGGCAGCGGGAACACCTATGCCTAC GGGGTGATGGACAGTGGGTACCGGCAGGAT CTCAGTCCTGAGGAGGCCTACGACCTTGCC CGAAGAGCTATTGTTTATGCTACCCACAGA GACAGCTATTCTGGAGGAGTTGTCAACATG TACCACATGAAGAAAGACGGTTGGGTGAAA GTGGAGAGCACTGACGTCAGTGACCTGTTG CACAAGTACCGAGAGGCCACTCTG - 【請求項3】 前記請求項2記載の遺伝子を含有するベ
クターで形質転換された形質転換体を培養して、前記請
求項1記載のポリペプチドを生成することを特徴とする
当該ポリペプチドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100304A JPH05268957A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ラット多機能プロテアーゼ構成因子およびそのdna |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100304A JPH05268957A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ラット多機能プロテアーゼ構成因子およびそのdna |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05268957A true JPH05268957A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=14270430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4100304A Pending JPH05268957A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ラット多機能プロテアーゼ構成因子およびそのdna |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05268957A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5846810A (en) * | 1994-10-28 | 1998-12-08 | Kyowa Hakko Kogyo Co. Ltd. | Human 26S proteasome subunit components |
EP2272960A1 (en) | 1996-03-19 | 2011-01-12 | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | Human protein NELL2 gene |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP4100304A patent/JPH05268957A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5846810A (en) * | 1994-10-28 | 1998-12-08 | Kyowa Hakko Kogyo Co. Ltd. | Human 26S proteasome subunit components |
EP2272960A1 (en) | 1996-03-19 | 2011-01-12 | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | Human protein NELL2 gene |
EP2361982A1 (en) | 1996-03-19 | 2011-08-31 | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | Human gene encoding ubiquitin conjugating enzyme |
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