JP2002515245A - プロテインz依存性プロテアーゼインヒビター - Google Patents

プロテインz依存性プロテアーゼインヒビター

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JP2002515245A
JP2002515245A JP2000549733A JP2000549733A JP2002515245A JP 2002515245 A JP2002515245 A JP 2002515245A JP 2000549733 A JP2000549733 A JP 2000549733A JP 2000549733 A JP2000549733 A JP 2000549733A JP 2002515245 A JP2002515245 A JP 2002515245A
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protein
factor
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plasma
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JP2000549733A
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ブローズ,ジョージ・ジェイ,ジュニア
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Washington University in St Louis WUSTL
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Abstract

(57)【要約】 本開示は約72kDaの分子量を持ち、LAPSPQSPETPAのN末端アミノ酸配列を持つ単鎖タンパク質であり、およびヒトプロテインZ(PZ)、カルシウムイオンおよびセファリン存在下で第Xa因子の迅速な阻害を引き起こすとして特徴付けられる、血漿からの新規ヒトプロテインZ依存性プロテアーゼインヒビター(ZPI)の精製および単離を記載している。本開示はさらに、ヒトcDNAライブラリーからのZPI cDNAの単離およびクローニングを記載している。ZPI cDNAは2.44kbの長さであり、423残基成熟ZPIタンパク質および21残基シグナルペプチドをコード化している読み取り枠を持っている。PZ、ZPIおよびPZおよびZPIの組み合わせが血液凝固を阻害するために使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は1998年5月19日に出願された出願番号第60/086,571
号の一部継続出願である。
【0002】 本発明は米国国立保健研究所により与えられた基金番号HL34462および
HL60782の政府援助により一部が行われた。政府は本発明に対してある種
の権利を持っている。
【0003】 技術分野 本発明は四つの古典的凝固因子(第II、第VII、第IXおよび第X因子)
、プロテインC、プロテインSのようなビタミンK依存性血漿タンパク質の分野
、およびより特別にはヒトプロテインZ(PZ)に関している。
【0004】 背景技術 [注:以下の背景技術情報および当業者にはよく知られている通常の試験法お
よび実験法に関する、および本明細書に使用されているようなその他の最先端の
技術に関する参考文献は括弧内の数字により示されており、本明細書の最後に付
記されている。] ビタミンKは凝固に関係する多くの血漿タンパク質:プロトロンビン、第VI
I、第IX、第X因子、プロテインCおよびプロテインS、に存在するガンマカ
ルボキシグルタミン酸(Gla)の翻訳後形成に必要である(1、2)。これら
のタンパク質におけるGla仲介カルシウムイオン結合はそれらとリン脂質表面
との会合に必須であり、それらの止血機能に決定的である(3)。1977年に
、ProwseおよびEsnoufはウシ血漿中を循環している追加のビタミン
K依存性タンパク質を同定し、プロテインZ(PZ)と名付けた(4)。最初は
ウシ第X因子の単鎖形と考えられていたが、後になってウシPZは別のGla含
有タンパク質であると同定された(5、6)。ウシPZのヒト相対物が1984
年に単離された(7)。
【0005】 ヒトPZは〜2.5日の血漿半減期を持つ分子量62,000の糖タンパク質
である(8)。血液供給者の血漿PZレベルは、EDTA抗凝固試料で2.9±
1.0μg/mLの平均濃度(クエン酸血漿では〜2.6μg/mLに相当する
)ではある広範囲に広がっていた(8)。PZのアミノ末端の半分は第VII、
第IXおよび第X因子と非常に相同的であり(40−50%)、Glaドメイン
、二つのEGF様ドメインおよびセリンプロテアーゼ酵素前駆体に存在する触媒
ドメインの同族体へ連結する領域を含んでいる。しかしながら、PZのカルボキ
シ末端においては、典型的な”活性化”部位の周りの領域がなく、触媒三連構造
のHisおよびSer残基が欠けている(Asp残基は保存されている)(9、
10)。
【0006】 MacDonaldら(11)は最近、ホスファチジルコリン/ホスファチジ
ルセリン(PC/PS=75%/25%)小胞へのヒトおよびウシPZの結合動
力学は他のビタミンK依存性凝固因子と異なっていることを報告している。kas sn (10-5-1-1)およびkdssn(S-1)速度定数は、ウシPZで1.95お
よび0.0063、およびヒトPZで3.36および0.057である。これら
の定数の値を比較すると、ウシプロトロンビンでは各々176.0および1.9
である。従って、ウシおよびヒトPZの会合および解離速度定数はプロトロンビ
ンよりも劇的に遅く、リン脂質からのウシPZの解離はヒトPZよりも著しく遅
い。
【0007】 発明の簡単な説明 本発明はヒトプロテインZ(PZ)および新規ヒトプロテインZ依存性インヒ
ビター(ZPI)に関している。
【0008】 本発明の一つの態様に従うと、新規ヒトプロテインZ依存性プロテアーゼイン
ヒビター(ZPI)が血漿から精製および単離され、構造的におよび生物学的に
特徴付けられる。ZPIは分子量72,000、初めはLAPSPQSPEXX
A(X=確定されていない基)と決定されたN末端アミノ酸を持つ単鎖タンパク
質である。37CFR §1.821−1.825による慣用3文字アミノ酸記
号を用いると、N末端配列は次のとおりである: Leu Ala Pro Ser Pro Gln Ser Pro Glu
1 5
Xaa Xaa Ala[配列番号:1] 10 この配列は公的に利用できるタンパク質またはDNAデータベースで入手可能な
配列とは一致せずまた有意な相同性を示さなかった。従って、ZPIは新規タン
パク質であると思われる。
【0009】 ZPIは約1.0から1.6μg/mLのクエン酸血漿濃度であると見積もら
れた。精製された成分を用いた系において、ZPIにより引き起こされるXa因
子阻害は迅速であり(バイオアッセイによると1分以内で>95%)、ヒトプロ
テインZ、カルシウムイオンおよびセファリンの存在を必要とした。阻害過程に
はリン脂質表面でのXa因子−PZ−ZPI複合体形成が含まれているようであ
る。
【0010】 本発明の別の態様ではZPIをさらに特徴付けるため、ヒト肝臓cDNAライ
ブラリーからそのcDNAが単離され、クローン化された。ZPI cDNAは
2.44kbの長さであり、6つの可能なATG翻訳開始コドンを含む比較的長
い5’領域(466nt)を持っている。ATGの1から4には短い読み取り枠
が続いており、一方、ATG5およびATG6はコード化されたZPIタンパク質
を含む中断されない1335bpの読み取り枠内に存在する。推定される444
アミノ酸のZPIタンパク質は典型的な21残基シグナルペプチドを持ち、それ
に精製されたタンパク質のN末端配列が続いている(その中で、配列番号:1で
最初は確定されなかった残基10および11は配列番号:8のように、各々スレ
オニンおよびプロリンである)。
【0011】 インビトロ実験は、ATG6は培養チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細
胞でのrZPIの発現に十分であることを示している。ノーザン分析は肝臓がZ
PI合成の主たる部位であることを示唆している。
【0012】 成熟ZPIタンパク質の予想される423残基アミノ酸配列はプロテアーゼイ
ンヒビターのセルピンスーパーファミリー構成物と25−35%相同であり、以
前に報告されているラット肝臓から単離されたcDNAにより予想されるアミノ
酸配列、再生関連セルピンタンパク質−1(rasp−1)と78%同一である
【0013】 ZPIのアミノ酸配列と他のセルピンの配列を並べると、Tyr387(Y3
87)はZPI分子の反応中心のP1残基であることが予想される。この考えと
一致して、チロシン387がアラニンに変更されているZPIの変異型、rZP
I(Y387A)はPZ依存性第Xa因子阻害活性を欠いている。
【0014】 本発明のさらに別の態様において、PZ、ZPIおよびPZおよびZPIの組
み合わせが血液凝固の阻害剤として使用される。上に示したように、これはPZ
およびZPIが凝固の阻害を引き起こすことを示している最初の研究である。本
研究はまたPZがZPI非存在下でも凝固を阻止できることも示している(図5
)。
【0015】 発明の詳細な説明 本明細書は本発明を形成すると考えられる主題を特に指摘しおよび明白に特許
請求している特許請求の範囲で締めくくられているが、付随する図と関連させた
以下の本発明の好適な実施態様から本発明がよりよく理解されるであろうと思わ
れる。
【0016】 本発明をより詳細に例示するため、以下の具体的な実験室実験が実施された。
具体的な実施例がここに例示されているが、本発明はこれらの具体的な例示的実
施例またはそこに記載されている細部には制限されないことを理解されたい。
【0017】
【実施例】
実施例I ヒト血漿からのZPIの精製および単離 材料および方法 材料: ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、HEPES、MES、Tri
zma Base、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFP)、トリトン X−
100、トゥイーン20、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリエチレン
グリコール(8,000 MW)、S Fast Flow、ウシ血清アルブミ
ンおよびウサギ脳セファリンはSigma Chemical Co.(St.
Louis,MO)から入手した。Mono−Q、Monol−Sおよびヘパリ
ン−セファロースはPharmacia Biotech(Piscatawa
y,NJ)から購入された。ポリアクリルアミドゲル電気泳動のための低分子量
標準品はBio−Rad Laboratories(Richmond,CA
)から、およびプロテインA−アガロースはRepligen(Cambrid
ge,MA)から入手した。Spectrazyme Xa(MeO−CO−D
−CHG−Gly−Arg−pNA.AcOH)はAmerican Diag
nostica,Inc.(Greenwich,CT)からのものであった。
【0018】 血漿/血清: 第X因子欠損血漿はGeorge King Biomed
ical(Overland Park,KS)から購入された。血清を製造す
るため、新鮮血を37℃で1時間放置して凝血させ、凝血塊を縁につけ、血清を
遠心分離後(10,000g、20分)に集めた。バリウム吸着血清はシュウ酸
ナトリウム(10mM最終濃度)を加え、硫酸バリウムによる2回の連続吸着(
100mg/mL、4℃、30分)により製造した。モノクローナル抗体サンド
イッチ免疫アッセイ(8)によると、バリウム吸着血清は0.10μg/mLの
PZを含んでいた。
【0019】 タンパク質: アルファ−1−抗トリプシンはSigmaから、アルファ−
2−抗プラスミンおよびトロンビンはAmerican Diagnostic
a,Inc.から、プロテインCインヒビター(PCI)はEnzyme Re
search Laboratories(South Bend,IN)から
、および抗トロンビンIIIはChromogenix AB(Molndal
,Sweden)から購入された。アルファ−2−マクログロブリンはA.Sc
hwartz(Washington University,St.Loui
s)から贈与されたものであり、ヘパリン補因子IIはD.Tollefsen
(Washington University)から贈与されたものであった
。インター−アルファ−トリプシンインヒビターは以前に記載されているように
精製された(12)。プロトロンビンおよび第X因子は精製され、第Xa因子は
以前に記載されているように(13)ラッセルクサリヘビ蛇毒からの不溶化X−
凝固タンパク質を用いて精製第X因子から生成された。追加の第Xa因子はEn
zyme Research Laboratoriesから購入された。
【0020】 PZはクエン酸添加新鮮凍結血漿(Missouri−Illinois地域
赤十字)から、クエン酸バリウム吸着−溶出、硫酸アンモニウム分画化、モノク
ローナル抗体抗PZイムノアフィニティークロマトグラフィーおよびMono−
Qアニオン交換クロマトグラフィーを含む4工程精製法を用いて単離された。ト
ロンビン切断PZ(PZT)は0.1M NaCl、0.05Mトリス−HCl
、pH8.0中、1mg/mLのPZを300U/mLのトロンビンと37℃で
3時間インキュベートすることにより生成させた。この溶液をDFP(5mM
最終濃度)で処理した後、同一の緩衝液を用いてCG−50の小さなカラムを通
過させてトロンビンを除去した(7)。SDS−PAGE後、PVDF−Plu
s膜(Micron Separations,Inc.,Westborou
gh,MA)へ移し、Protein Chemistry Laborato
ry(Washington University)により気相シークエンシ
ング(Applied Biosystems,Foster City,CA
)すると、PZT(〜56,000 MW)のN末端アミノ酸配列はRYKGG
SPXISQPXL(X=確定されていない基)である。37CFR §1.8
21−1.825による慣用3文字アミノ酸記号を用いると、この配列は次のと
おりである: Arg Tyr Lys Gly Gly Ser Pro Xaa Ile
1 5 Ser Gln Pro Xaa Leu[配列番号:2] 10 このアミノ酸配列は成熟タンパク質の残基44で始まっているPZの配列と同じ
である。従って、トロンビンはArg43の後でPZを切断し、それにより、G
laドメインを分子の残りの部分から分離するようである。
【0021】 一段階、第Xa因子誘導凝固アッセイ: セファリン(75μM)50μL
、50μLのCaCl2(25mM)、50μLのPZまたはPZT(160nM
)および50μLの第Xa因子(0.5nM)をフィブロメーター(BBL,C
ockeysville,MD)の試料カップ中、37℃でインキュベートする
。2分後、50μLの第X因子欠損血漿を加え、凝固時間を測定する。ある種の
試験ではPZまたは第Xa因子が前インキュベーション期間の色々な時点で加え
られ、セファリンまたはPZ試薬が第X因子欠損血漿とともに(1:1混合物を
100μL)反応液へ加えられた。見かけの第Xa因子活性は、PZ不在下で種
々の濃度の第Xa因子を用いて作製された標準曲線と凝固時間を比較することに
より決定された。
【0022】 第Xa因子バイオアッセイ: セファリン(75μM)50μL、50μL
のCaCl2(25mM)および0.1M NaCl、0.05M HEPES
を含んでいる50μLの緩衝液(pH7.4)、およびウシ血清アルブミン(1
mg/mL)(HSA)を37℃でインキュベートする。30秒後、1mM E
DTAを含むHSAに希釈した50μLの試料を加え、続いてすぐに50μLの
第Xa因子欠損血漿を加える。見かけの第Xa因子活性は、凝固時間を第Xa因
子標準曲線と比較することにより決定される。
【0023】 第Xa因子アミド分解性アッセイ: HSA緩衝液に種々の濃度のセファリ
ン、PZ、ZPI、第Xa因子およびCa++イオンを含んでいる混合物(100
μL)をマイクロタイタープレートのウェル中、22℃でインキュベートする。
特定の時間後、50μLのSpectrazyme Xa(0.5mM)を加え
、基質切断の初速度(A405/分)をVmaxマイクロタイタープレートレーダ
ー(Molecular Devices,Menlo Park,CA)で決
定した。PZ/ZPIによる第Xa因子阻害の時間経過を研究する試験において
、Spectrazyme Xa(0.5mM)を含んでいる溶液は15mM
EDTAおよび0.3Mトリス−HCl、pH8.3、も含んだ。第Xa因子活
性は、基質切断の初速度を同一の緩衝液条件下、種々の濃度の第Xa因子により
得られる標準曲線と比較することにより決定される。
【0024】 二段階、第Xa因子阻害アッセイ: ZPI機能活性を測定するため、10
μLのセファリン(75μM)、10μLのCaCl2(25mM)、10μL
のPZ(200nM)、10μLのHSAに希釈された試験されるべき試料およ
び10μLの第Xa因子(2.5nM)をファイブロメーターの試料カップ中、
37℃でインキュベートする。60秒後、50μLのHSA、50μLのセファ
リン(75μM)、50μLのCaCl2(25mM)および50μLの第X因
子欠損血漿を連続して加え、凝固時間を測定する。ZPI活性は、凝固時間を精
製ZPIの種々の濃度を用いて作製した標準曲線と比較することにより決定する
。1μgの精製ZPIの活性を任意に1単位の値であると割り当てた。
【0025】 ZPIの精製: Missouri−Illinois地域赤十字)からの
ヒトクエン酸添加新鮮凍結血清(2.3リットル)を37℃で融解し、低温室に
移した。以下のように6工程精製が実施された: 1.クエン酸バリウム吸着および硫酸アンモニウム分画化(4℃)。 230
mLの1.0M BaCl2を45分以上かけて滴加し、さらに15分間撹拌し
た。クエン酸バリウム沈殿は3,000gで20分間遠心分離することにより除
去し、上清血漿を回収した。硫酸アンモニウムを45%飽和になるまで加え、混
合物を30分間撹拌した後、沈殿を10,000gで20分間遠心分離すること
により除去した。上清が75%飽和になるように十分な硫酸アンモニウムを加え
、混合物を30分間撹拌した後、沈殿を10,000gで20分間遠心分離する
ことにより除去した。沈殿したタンパク質は0.1M NaCl、0.05Mト
リス−HCl、pH7.5、に溶解させ、同一の緩衝液に対して一夜透析した。
【0026】 2.ポリエチレングリコール(PEG)分画化(22℃)。 7.5%のPE
G濃度になるように、試料に十分量の50%w/vPEG(8,000MW)を
滴加し、混合物を30分間撹拌した後、沈殿を10,000gで20分間遠心分
離することにより除去した。上清液に18.5%のPEG濃度になるようにPE
G(50%w/v)を滴加し、混合物を30分間撹拌した後、沈殿を10,00
0gで20分間遠心分離することにより除去した。沈殿したタンパク質は0.1
M NaCl、0.020M MES、pH6.15、に溶解させ、DFP(1
mM)で処理した。
【0027】 3.S Fast Flowカチオン交換クロマトグラフィー(4℃)。 試
料を0.1M NaCl、0.02M MES、pH6.15、で平衡化したS
Fast Flowの5x47cmカラムに加え,150mL/時間の流速で
精製した。カラムは1.5Lの同一の緩衝液で洗浄し、8Lで0.5M NaC
l、0.02M MES、pH6.15となる直線濃度勾配で溶出させた。〜0
.25M NaClで溶出するZPI活性を含んでいる分画を合併し、25mL
まで濃縮し(YM10,Amicon,Danvers,MA)、DFP(5m
M)で処理した。
【0028】 4.Mono−Qアニオン交換クロマトグラフィー(22℃)。 濃縮試料を
0.02M MES、pH6.15、で2倍に希釈し、0.1%(v/v)トゥ
イーン20を含んでいる0.1M NaCl、0.02M MES、pH6.1
5、で平衡化した10mLのMono−Qカラムに加え,1.5mL/分の流速
で精製した。カラムは15mLの同一の緩衝液で洗浄し、100mLで0.5M
NaCl(同一の緩衝液)となる直線濃度勾配で溶出させた。〜0.18M
NaClで溶出するZPI活性を含んでいる分画を合併し、DFP(5mM)で
処理した。
【0029】 5.ヘパリン−セルロースアフィニティークロマトグラフィー(22℃)
試料を0.02M MES、pH6.15、で2倍に希釈し、0.1%(v/v
)トゥイーン20を含んでいる0.1M NaCl、0.02M MES、pH
6.15、で平衡化した5mLのヘパリン−セルロースカラムに加え,1mL/
分の流速で精製した。カラムは10mLの同一の緩衝液で洗浄し、50mLで0
.6M NaCl(同一の緩衝液)となる直線濃度勾配で溶出させた。〜0.2
5M NaClで溶出するZPI活性を含んでいる分画を集め、DFP(5mM
)で処理した。
【0030】 6.Mono−Sカチオン交換クロマトグラフィー(22℃)。 試料を0.
02M MES、pH6.15、で3倍に希釈し、0.01%(v/v)トゥイ
ーン20を含んでいる0.1M NaCl、0.02M MES、pH6.15
、で平衡化した1mLのMono−Sカラムに加え,0.5mL/分の流速で精
製した。カラムは2mLの同一の緩衝液で洗浄し、20mLで0.5M NaC
l(同一の緩衝液)となる直線濃度勾配で溶出させた。〜0.25M NaCl
で溶出するZPI活性を含んでいる分画を集め、精製ZPIは少量ずつ(in
small aliquates)−70℃で保存した。1.0mg/mLのZ
PI濃度が280nm(A280)で1.0の吸光度を示し、分子量が72,0
00であると仮定してZPIのモル濃度が見積もられた。
【0031】 以上のZPIの6工程精製は下記表IIに要約されている。 その他の方法。 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)がLaemmli(14)の方法を用いて実施された。ウサギポリクローナ
ル抗ZPI抗体は以前に記載されているように精製ZPIを免疫原として用いて
開発された(15)。前免疫および免疫IgGはプロテインA−アガロースを用
いて単離された。精製ZPIのN末端アミノ酸配列分析は気相シークエンシング
(Applied Biosystems)を用いてProtein Chem
istry Laboratory(Washington Universi
ty)により実施された。2回の別々の分析が0.3ナノモルのZPIで実施さ
れ、同一の結果を与えた。ウサギ脳セファリンのリン脂質含量は無機リン酸とし
て決定された(16)。
【0032】 結果 PZ、Ca++イオンおよびリン脂質存在下での第Xa因子前血液凝固活性の 減少
【0033】 ヒトPZの潜在的機能を調べている最初の研究は、もし第Xa因子が最初にP
Zとインキュベートされたならば一段階血漿凝固アッセイにおける第Xa因子の
見かけの前凝固活性が減少したことを示している(表I)。阻害効果は時間依存
性であり、カルシウムイオンおよび前凝固リン脂質(ウサギ脳セファリン)の存
在を必要とし、主としてPZとリン脂質の前インキュベーション時間に相関する
ようである(表I)。PZをArg43で切断して分子の残りの部分からGla
ドメインを分離するPZのトロンビン処理は(方法を参照されたい)、阻害効果
を消滅させる。これらの結果は第Xa因子およびPZ間の相互作用がリン脂質表
面で起こっていることを示している。この確信と一致して、抗トロンビンIII
による第Xa因子の阻害速度はセファリンおよびCa++イオンの存在下、PZに
より遅延される(t1/2 35分対15分)(図1)。
【0034】 第Xa因子不活性化に対するPZの影響をさらに評価するため、セファリンお
よびCaCl2存在下、PZ添加および添加無しでのPZ欠損血清における第X
a因子活性消失の時間経過がバイオアッセイにより決定された(図2)。第Xa
因子活性の付加的な初期消失はPZ存在下で明らかであり、血清がPZ依存性第
Xa因子阻害剤を含んでいることを示している。しかしながら、PZ存在下およ
び不在下で血清中の第Xa因子活性の消失を示している曲線は交差しており、最
終的にPZが存在する血清中の第Xa因子活性は、PZ不在の血清よりも多く残
っている。精製タンパク質を含んでいる系において、PZはアルファ−1−抗ト
リプシン、プロテインCインヒビター、アルファ−2−抗プラスミン、ヘパリン
補因子II、インター−アルファ−トリプシンインヒビターまたはアルファ−2
−マクログロブリンによる第Xa因子の阻害を促進しなかった。
【0035】 ZPIの単離。 PZ依存性第Xa因子阻害を測定するために設計された二段階バイオアッセイ
を使用して、血漿からPZ依存性プロテアーゼインヒビター(ZPI)が単離さ
れた(方法、表II)。出発血漿のZPI活性は、二段階第Xa因子阻害アッセ
イの第一段階でのトロンビン発生およびフィブリン形成のため測定できなかった
。それでも、血漿の硫酸アンモニウム分画化後のZPIの回収を50%−75%
と仮定すると(表II)、ZPIの血漿濃度は1.0−1.6μg/mL(14
−22nM)と推定される。
【0036】 SDS−PAGE分析によると、ZPIは72kDaの分子量を持つ単鎖タン
パク質として移動する(図3)。精製タンパク質の予備的特徴付けは、SDS(
1%)、尿素(8M)および2−メルカプトエタノール(5%v/v)による処
理によりZPI活性が消失するが、トゥイーン−20(2%)およびトリトンX
−100(2%)中では安定であることを示している。ZPIはまたアルファ−
2−マクログロブリンを完全に不活性化するメチルアミン処理条件にも影響され
なかった。ZPIのN末端アミノ酸配列はLAPSPQSPEXXA(X=確定
されていない基)、配列番号:1、である。この配列は公的に利用できるタンパ
ク質またはDNAデータベースで入手可能な配列とは一致せずまた有意な相同性
を示さなかった。従って、ZPIはこれまで同定されていない遺伝子産物であろ
う。
【0037】 ZPIによる第Xa因子のPZ依存性阻害。 第Xa因子−ZPI相互作用をさらに調べるため、第Xa因子、CaCl2
セファリンおよびPZを含んでいる混合物をZPIの濃度を増加させて15分間
インキュベートした(22℃)(図4A)。続いて残存する第Xa因子活性を、
Spectrazyme Xa添加後のアミド分解アッセイ(方法)で決定した
。結果は、1.2:1(ZPI:第Xa因子)の化学量論でのZPIおよび第X
a因子間の高い親和性相互作用を示唆している。しかしながら、ZPIの相対的
高濃度でも有意な量の(〜20%)第Xa因子アミド分解活性が生き残っている
【0038】 ZPI仲介第Xa因子阻害のPZ用量/応答が類似の反応で評価された(図4
B)。再び、PZおよび第Xa因子間の見かけの化学量論的関係は1.4:1(
PZ:第Xa因子)のモル比であることが示された。ZPIによる第Xa因子の
至適PZ依存性阻害は≧15μMの混合ウサギ脳リン脂質(セファリン)濃度で
起こった(図4C)。ZPIにより生み出される第Xa因子の阻害は、第Xa因
子とPZ、Ca++イオンおよびセファリンとのインキュベーション後に迅速に起
こる(図4D)。アミド分解アッセイ(70%)およびバイオアッセイ(97%
)により評価すると、最大第Xa因子阻害に1分以内で達する。アミド分解アッ
セイ(図3D)またはバイオアッセイを用いると、PZ、リン脂質またはCa++ イオン(1mM EDTA)が反応系から除かれた場合には第Xa因子阻害は起
こらない。
【0039】 PZ存在下に引き出される第Xa因子の、初期の頃の促進された阻害に対する
血清ZPIの寄与、並びに一段階バイオアッセイに先立ったPZ、リン脂質およ
びCa++イオンとのインキュベーションにより引き出される第Xa因子活性の見
かけの減少に対する血漿ZPIの寄与を決定するため、血清および血漿がウサギ
ポリクローナル抗ZPI抗体で処理された。抗ZPI抗体による処理は血清にお
けるPZ依存性第Xa因子阻害を完全に消失させたが(図2)、血漿一段階バイ
オアッセイにおけるPZ仲介阻害効果は〜50%だけ減少した(図5)。
【0040】 PZは数年前に単離されたにもかかわらず、その後PZの生理学的機能は不確
かなまま残されてきた。実施例Iの結果は、リン脂質およびCa++イオンの存在
下、抗トロンビンIIIによる第Xa因子の阻害をPZが遅くし、また、本明細
書でタンパク質PZ依存性プロテアーゼインヒビター、ZPIと名付けられた新
規血漿タンパク質による第Xa因子の阻害に重要な役割を果たしていることを示
している。しかしながら、PZおよび/またはその第Xa因子との明らかな相互
作用は他の機能の役に立っているであろう。この点に関して、一段階凝固アッセ
イの基質血漿中のZPIの阻害は、PZとリン脂質、Ca++イオンおよび第Xa
因子との前インキュベーションの見かけの阻害効果を〜50%だけしか減少させ
ないことに注目するのが重要である。
【0041】 残存するPZ仲介阻害効果は、リン脂質への他のタンパク質(例えば、プロト
ロンビン)の結合への干渉、推定される第Xa因子−PZ−リン脂質−Ca++
合体からの第Xa因子の遅い解離、または血漿における付加的PZ依存性凝固阻
害剤の存在にも関係しているであろう。PZとリン脂質の比較的遅い会合(11
)は、一段階アッセイにおけるリン脂質およびCa++イオンとのインキュベーシ
ョン間のPZの時間依存性阻害効果と一致しており、さらに、おそらく反応系へ
基質血漿の代わりにPZが加えられた場合の凝固時間延長がないことを説明する
ものである。
【0042】 推測のZPI生理学的濃度による第Xa因子の阻害はリン脂質、Ca++イオン
およびPZの存在を必要とし、リン脂質表面での第Xa因子、PZおよびZPI
の化学量論的複合体が関係しているようである。しかしながら、ZPIにより引
き出される第Xa因子の見かけの阻害は、残存する第Xa因子活性がバイオアッ
セイにより測定された場合よりも、残存する第Xa因子活性が小分子量色素産生
基質(Spectrazyme Xa)を用いて測定した場合の方がかなり少な
かった。この相違の理由は明らかではない。
【0043】 この相違の一つの説明は、色素産生基質に対する活性は維持しているがリン脂
質を結合しない第Xa因子の分解型が第Xa因子調製物に存在するためであり、
従って、それはZPIにより阻害されず、凝固活性を欠いている。しかしながら
、アミド分解アッセイおよびバイオアッセイにより測定された阻害効果間の相違
はいくつかの第Xa因子調製試料でほとんどないことが観察され、そのアミド分
解活性は硫酸バリウムにより結合され(>97%)、SDS−PAGEによると
、第Xa因子のαおよびβ形比のスペクトル(α:β=1:1から1:4)およ
び<5%の付加的分解第Xa因子を含んでいた。さらに、第Xa因子調製試料の
色素発生活性は組織因子経路インヒビター(TFPI)により>99%阻害され
、第Xa因子とZPIの相互作用後に残存する残余色素発生活性は夾雑している
プロテアーゼによるものではないことを示唆している。
【0044】 実施例II ZPI cDNAの単離およびクローニング 材料および方法 材料: 新鮮凍結ヒト血漿は赤十字地域組織(St.Louis,MO)か
ら購入された。多ヒト組織RNAブロットおよびヒト成人肝臓cDNAライブラ
リーはClontech(Palo Alto,CA)から;ヒト胎児肝臓cD
NAライブラリーはStrategene(La Jolla,CA)から;ニ
トロセルロース膜はSchleicher & Schuell,Inc.(K
eene,NH)から;PVDF膜はMicron Separations,
Inc.(Westborough,MA)から;32P−α dATPはNEN
Life Scientific,Inc.(Boston,MA)から;お
よびdNTPはPharmacia Biotech,Inc.(Piscat
away,NJ)から入手した。Taq DNAポリメラーゼ、DMEM培養培
地、ウシ胎児血清およびLipofectAMINEはGibco BRL,L
ife Technologies(Gaithersburg,MD)から入
手した。抗生物質G418(Geneticin)はMediatech,In
c.(Herndon,VA)から購入した。チャイニーズハムスター卵巣(C
HO)細胞はATCC(Manassas,VA)から入手した。ITS+3培
地補給物、プロテアーゼインヒビターカクテル、大豆トリプシンインヒビター、
アプロチニンおよびウサギ脳セファリンはSigma Chemical(St
.Louis,MO)から入手した。第X因子欠損血漿はGeorge Kin
g Biomedical,Inc.(Overland Park,KS)か
ら入手した。ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SD
S−PAGE)のための前染色分子量標準品はBio−Rad(Hercule
s,CA)から購入された。
【0045】 タンパク質: PZおよびZPIはヒト血漿から以前に記載されているよう
に精製された(17)。マウスモノクローナル抗ZPI抗体(MC4249.2
)は確立されたおよび以前に報告されている技術を用いて産生された(18)。
【0046】 ZPIおよびトリプシン処理ZPIのN末端アミノ酸配列決定: 20μg
のZPIおよびトリプシン(1:200w/w)を用いて22℃で30分間切断
されている20μgのZPIを2−メルカプトエタノール(5%)で還元し、1
2%SDS−PAGEで分離してPVDF膜へ電気的に移した。10%メタノー
ル/7%酢酸中、膜を10分間0.025%クーマシーブリリアントブルーR−
250で染色し、蒸留水で洗浄して風乾した。ZPIについて72,000およ
びトリプシン処理ZPIについての43,000および41,000の見かけの
分子量の識別可能なタンパク質バンドを膜から切り出し、Protein Ch
emistry Laboratory(Washington Univer
sity,St.Louis,MO)により配列決定した。
【0047】 ZPI cDNAクローニング: ZPI由来の二つのトリプシン処理ペプ
チドのN末端アミノ酸配列はラット再生関連セルピン(rasp−1,Gene
Bank寄託番号第2143953号、結果を参照されたい)(19)の以前に
報告されているcDNAにより予測されるアミノ酸配列と高度に相同的である。
rasp−l cDNAから誘導されるヌクレオチド配列; 496−518(ACCCAGGGTA GCTTTGCCTT CAT)、配
列ID番:3、および 805−825(GTACATCATG GGCACCTTAA C)、配列番
号:4 はヒト胎児肝臓cDNAライブラリー(Strategene)からDNA断片
を増幅するためのPCR反応における各々5’−および3’−プライマーのため
の基礎として使用された。PCR生成物、〜330bp、はpGEM−T Ea
sy(Promega,Madison,WI)内へクローン化され、配列分析
によりrasp−1 cDNAと80%相同的であることが観察された。32P−
α dATPによる標識およびランダムプライミング後、PCR生成物はヒト肝
臓cDNAライブラリー(Clontech)からの約2x106プラーク形成
単位をスクリーニングするプローブとして使用された。ハイブリダイゼーション
は、5xSSPE、5xデンハルト溶液、1%SDS、50%ホルムアミドおよ
び100μg/mL変性サケ精子中、42℃で実施された。フィルターを1xS
SCおよび0.1%SDS溶液を用いて室温で15分洗浄し、次に同一溶液を用
いて65℃で30分、3回洗浄した。プラーク精製後に残った21の陽性クロー
ンは4つの異なった長さのcDNAを含んでいた。最も長い代表を完全に、両方
の方向で配列決定した。
【0048】 ノーザンブロット分析32P−標識完全長ZPI cDNAが、試料当た
り2μgポリA+RNAを含んでいるClontech(Palo Alto,
CA)からのヒト多組織ノーザンブロット膜分析のためのプローブとして使用さ
れた。ハイブリダイゼーションは使用説明書により示されているストリンジェン
ト条件下で実施され;オートラジオグラフィーは一夜行われた。
【0049】 野生型および改変形組換え体ZPI(rZPI)のインビトロ発現: ZP
I cDNAの2.2断片がSacIおよびHindIIIで処理され、pBl
uescript KS IIの多クローニング部位に挿入された。この断片は
ZPI cDNAの5’非翻訳領域の一部、全読み取り枠、および3’非翻訳領
域を含んでいる。pBluescript−ZPIの2.3kb断片をPvuI
I処理により放出させ、発現ベクターpCMV(20)のEcoR V部位内へ
平滑端結合により挿入し、pCMV−ZPI(WT)を作成した。この2.3k
b DNA断片は:1)ATG6の120bp上流で始まり、ATG1−ATG6
を含む5’非翻訳ZPI cDNAの残りを欠いたZPI cDNA;2)ZP
I cDNAのコードおよび3’非翻訳領域;および3)〜200bpのpBl
uescript KS II DNAを含んでいる。pCMVにおいて、発現
はサイトメガロウイルス初期プロモーター/エンハンサーにより駆動される。
【0050】 鋳型としてpCMV−ZPI(WT)を用いるPCRに基づいた部位特異的突
然変異発生が、ZPI中のY387(TAT)のコドンをアラニン(GCT)ま
たはアルギニン(CGT)のためのコドンに変更するために使用された。突然変
異は、突然変異部位の上流および下流であるNsiI(nt1544)およびS
peI(nt1944)制限部位間のZPI cDNAを配列決定することによ
り確認された。これらの断片は次いでpCMV−ZPI(WT)のNsiI−S
peIに挿入され、pCMV−ZPI(Y387A)およびpCMV−ZPI(
Y387R)が生成された。pCMV−ZPI(WT)、pCMV−ZPI(Y
387A)およびpCMV−ZPI(Y387R)はLipofectAMIN
E(GIBCO BRL)を用い、使用説明書に従ってCHO細胞内へpSV2
neoと同時にトランスフェクトされた。3週間目にG418に耐性のある細胞
クローンを採り、増殖させた。トランスフェクトされてないCHOおよびrZP
I(WT)rZPI(Y387A)およびrZPI(Y387R)を発現してい
る安定なCHOクローンを、6ウェル培養プレート(Costar,Corni
ng,Inc.,Corning,NY)中、DMEMおよび10%ウシ胎児血
清を用いて5%CO2下で培養した。細胞がコンフルエントに達したら、培地を
除き、細胞を5mLのDMEMで3回洗浄した後、各々のウェルにITS+3培
地補給物(インシュリン、トランスフェリン、セレン、Sigma)を加えたD
MEMからなる1mlの無血清培地を加えた。さらに48時間培養後、馴化培地
を回収し、遠心分離して(14,000xgx30秒)細胞破片を除去し、ウェ
スタンブロッティングおよびZPI機能アッセイにより分析した。いくつかの実
験においては、アプロチニン(1μg/mL)および大豆トリプシンインヒビタ
ー(2.5μg/mL)が無血清培地に含まれており、4−(2−アミノエチル
)ベンゼンスルホニルフルオリド(AEBSF)(100mM)、ペプスタチン
A(1.5mM)、トランス−エポキシスクシニイル−L−ロイシル−アミド(
4−グアニジノ)ブタン(E−64)(1.4mM)、ベスタチン(4mM)、
ロイペプチン(2.2mM)およびアプロチニン(80μM)を含んでいるプロ
テアーゼインヒビターカクテル(Sigma)の1:10希釈液が馴化培地の採
取時点で培地へ加えられた。
【0051】 ZPI機能アッセイ: 二段階第Xa因子阻害アッセイが以前に記載されて
いるように(17)ZPI機能活性の測定に使用された。20μLのウサギ脳セ
ファリン(75μM)、20μLのCaCl2(25mM)、20μLのPZ(
200nM)または20μLのHSA(1mg/mLのウシ血清アルブミンを含
む0.1M NaCl、0.05Mヘペス、pH7.4)、20μLの試験され
るべき試料、および20μLの第Xa因子(1nM)をファイブロメーターの試
料カップ中、37℃でインキュベートした。60秒後、50μLのセファリン(
75μM)、50μLのCaCl2(25mM)および50μLの第X因子欠損
血漿を連続して加え、凝固時間を測定する。ZPI活性は、凝固時間を血漿から
の精製ZPIの種々の濃度を用いて作製した標準曲線と比較することにより決定
した。1μgの精製血漿ZPIが1000ミリ単位(mU)の活性を持つと定義
された。
【0052】 ウェスタンブロッティング: SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、
ニトロセルロースへのタンパク質の電気的移送、およびブロットとモノクローナ
ル抗ZPI抗体(MC4249.2)(10μg/mL)とのインキュベーショ
ンは以前に記載されている方法(21)を用いて実施された。ブロットへの抗体
の結合は西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体(Sigma
)およびSuper Signal基質(Pierce,Rockford,I
L)での増強化学発光(ECL)を用いて検出された。
【0053】 結果 ZPI cDNAの単離および配列 公的に利用可能なタンパク質およびDNAデータベースの探索で、ヒト血漿か
ら単離されたZPIのN末端アミノ酸配列、LAPSPQSPEXXA(X=確
定されていない基)(配列番号:1)は以前に報告されている遺伝子産物と有意
な配列相同性を示さなかった。しかしながら、ZPIのトリプシン処理により生
成された43kDaおよび41kDaペプチドのN末端配列は同一であり、NL
ELGLTQSFAFIHKDFDV(配列番号:5)、以前に報告されている
ラット再生関連セルピン−1(rasp−1)cDNA(19)から予測される
アミノ酸配列と75%の同一性(20残基の内の16)を示した。rasp−1
cDNA配列に基づいたオリゴヌクレオチドプライマーがPCRプライマーと
して使用され、ヒト胎児肝臓cDNAライブラリー(Stratagene)が
続いてのZPI cDNA単離のための〜330bpプローブを作製するための
鋳型として使用された(方法を参照されたい)。4つの異なった大きさの挿入物
を含んでいる21の陽性プラークがヒト肝臓cDNAライブラリー(Clont
ech)から単離された。最も長いZPI cDNA挿入物を持つヌクレオチド
配列、配列番号:7および予測されるアミノ酸配列、配列番号:8が図6に示さ
れている。3つのより短いZPI cDNA挿入物サイズを代表するクローンの
制限地図作製および制限配列分析は、それらが示されたcDNAの5’の端が切
断された形であることを示唆している。
【0054】 2.44kb ZPI cDNAの5’部分は6つの潜在的ATG翻訳開始部
位をヌクレオチド156、243、259、312、347および467に含ん
でいる。最初の4つのATGに続く読み取り枠は終結コドンに出会う前に各々1
1、22、3および52アミノ酸をコード化している。ATG5(図6において
ダッシュで下線が引かれている)はATG6と同一の読み取り枠であり、ATG5 での翻訳開始はコード化されているタンパク質に40のアミノ酸配列、MSRS
TQELLGYHCRLQDKLQEQEGSLAAEGRHSLASAADH
(配列番号:6)を加えるであろう。
【0055】 ATGコドン(ATG5およびATG6を含んで)に隣接するヌクレオチドは翻
訳の開始には最適ではない配列を生成する(22)。それでもATG6が図6に
おいて開始コドンとして描かれているのは、追加の試験(下記参照)でそれがZ
PI発現に十分であることを示したためである。ヒト多組織ブロットのノーザン
分析は、〜2.4kb ZPI mRNAが肝臓で強く検出されるが、心臓、肺
、脳、脾臓、精巣および腎臓では検出されず(図7)、肝臓がインビボにおける
ZPIの主たる供給源であることを示唆している。
【0056】 示されているように、ZPI cDNAは1335bpの読み取り枠を含んで
おり、444アミノ酸の演繹されるタンパク質をコード化している。予測される
アミノ酸配列は典型的な21残基のシグナルペプチドを持っており、精製ZPI
タンパク質のN末端配列が続いている。5つの潜在的N結合グリコシル化部位が
存在している。ヒトZPIのヌクレオチドおよび予測されるアミノ酸配列は各々
ラットrasp−1と75%および78%同一であり、ZPIはこのラットタン
パク質のヒト類似体であることを示唆している。
【0057】 ZPIアミノ酸配列はまた、α1−抗トリプシン、抗トロンビン、ヘパリン補
因子IIおよびプロテアーゼネキシン−1を含むプロテアーゼインヒビターのセ
ルピンスーパーファミリーの他のメンバーとも25−35%の相同性を持ってい
る。ZPIのC末端はセルピンスーパーファミリーの他のメンバーと非常に類似
しているが、一方、ZPIのN末端領域の配列(非常に酸性のドメインを含んで
いる、残基26−43、図6)はこれらの他のセルピンと有意な相同性を示さな
い。
【0058】 ZPI、rasp−1およびある種の他のセルピンのC末端アミノ酸配列は図
8に示されている。この配列配置に基づくと、ヒトZPIおよびラットrasp
−1の反応中心の推定P1残基はチロシンである。抗トリプシン関連配列(AI
AU)、抗トリプシンのものと高度に相同的な明らかに翻訳されないDNA配列
、および抗トリプシン遺伝子へ物理的に連結されているもまた芳香族残基(トリ
プトファン)をP1部位に含んでいる(23、24)。多くの他のセルピンに共
通して、ZPIのP1’残基はセリンであり、一方、rasp−1のP1’残基は
システインである。
【0059】 組換え体ZPIの発現 単離されたcDNAによりコード化されているタンパク質がZPI活性を持っ
ていることを確認するため、およびZPI機能におけるY387の重要性を決定
するため、rZPI(WT)およびZPIの2つの改変形、rZPI(Y387
A)およびrZPI(Y387R)、がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)
細胞で発現された。各々の無血清馴化培地のウェスタンブロット分析は、野生型
およびrZPIの改変形は同じ濃度で存在することを示した(図9)。しかしな
がら、rZPI(WT)およびrZPI(Y387A)は血漿由来のZPIと同
じ見かけの分子量(72,000Da)で移動したが、rZPI(Y387R)
は68,000Daの分子量で移動した。無血清培養培地へアプロチニンおよび
大豆トリプシンインヒビターを含ませることによる、および集めた馴化培地へプ
ロテアーゼインヒビターカクテルを加えることによる見かけのタンパク質分解性
分解を減少させる試みは成功しなかった(方法を参照されたい)。
【0060】 PZ依存性第Xa因子阻害の二段階アッセイにおいて、rZPI(WT)を含
んでいる無血清馴化培地は実質的なZPI活性(375mU/mL)を持ってい
たが、rZPI(Y387A)を含んでいる馴化培地は活性を欠いており(<1
0mU/mL)、rZPI(Y387R)を含んでいる馴化培地は活性が著しく
減少していた(21mU/mL)(図9)。
【0061】 オリゴヌクレオチドおよびアミノ酸配列の相同性に基づくと、ZPIはラット
rasp−1のヒト相当物であるようである。rasp−1は、ラットの部分的
肝臓切除後にその転写が3から4倍増加する遺伝子として最初は同定された(1
9)。しかしながら、rasp−1発現は疑似手術したラットでも同じように増
加されており、rasp−1は急性期応答に関与しているであろうことが示唆さ
れた。rasp−1遺伝子産物は〜50,000の報告された分子質量でラット
血漿中で循環するが、血漿ZPIの分子質量は〜72,000である(17、1
9)。ラットおよびヒト遺伝子産物間の分子サイズの明らかな相違はグリコシル
化の程度に関連しているであろう。rasp−1(19)およびZPI遺伝子両
方の構成的発現はノーザン分析によると肝臓で高く、脳、心臓、肺、腎臓、脾臓
および精巣では検出できない。
【0062】 ZPI cDNAは2.44kbの長さであり、ノーザン分析上、肝臓で注目
された〜2.4kbの最も小さいハイブリダイズする化学種と一致している(図
7)。より大きなサイズのハイブリダイズするバンドはZPI mRNAの不完
全に処理された形を示しているようである。ZPI cDNAの5’領域は比較
的長く(466bp)、いくつかの潜在的ATG翻訳開始コドンを含んでいる。
これらの推定開始コドンの4つには終結コドンが続いているが、ヌクレオチド3
47の第5のATGは、基準開始コドンとして仮に示されたヌクレオチド467
のATGとインフレームである。これらの潜在的ATG開始出発部位すべてに、
あまり理想的でないヌクレオチド配列が隣接している(22)。長い5’非翻訳
領域、小さな読み取り枠をコード化している多数の上流AUGコドンの存在、お
よび至適開始配列の欠如すべてがZPI mRNA翻訳を抑制するのに働くこと
ができる(22、25、26)。このことが真実かどうか、およびZPIの改変
形が第5のAUG(nt347)での翻訳開始により産生されるかどうかは直接
的な試験が必要であろう。
【0063】 ZPIはセルピンスーパーファミリーの他のタンパク質と全体で25−35%
の相同性を持っており、その一次構造は、セルピン三次構造に必須であると以前
に示されている40の5’残基を含んでいる(27)。これらの保存された残基
はセルピン分子の無極コアおよび脊柱に存在する。ZPIおよびrasp−1と
他のセルピンとのアミノ酸配列アラインメントはそれらの反応性中心のP1残基
がチロシンであることを示唆しており、そのことはそれらを他のセルピンから離
れたものにしている。
【0064】 ZPIによる第Xa因子の阻害におけるY387の役割を確認するため、この
残基がアラニンまたはアルギニンへ変更されたZPIの改変形が評価された。r
ZPI(Y387A)は、その発現に必要とされる組織培養条件下で安定であり
、PZ依存性抗第Xa因子活性を欠いていた。rZPI(WT)と対照的に、r
ZPI(Y387R)は多プロテアーゼインヒビターの使用にも関わらず、馴化
培地の生成間に明らかにタンパク質分解的に分解された。このタンパク質分解は
ZPIの質量を〜4,000Da減少させ、R387の後で起こっている切断と
矛盾しないが、このタンパク質分解に関与する酵素は知られていない。
【0065】 まとめると、rZPI(Y387A)およびrZPI(Y387R)による試
験は、Y387はPZ依存性第Xa因子阻害に決定的であり、Y387はZPI
の反応中心でのP1残基であるという考えと矛盾しないことを示唆している。
【0066】 凝固阻害剤PZ、ZPIおよびPZおよびZPIの組み合わせは通常の手段、
好適には医薬的に受容可能な希釈剤および担体で処方して患者に投与できる。投
与される処方中の活性成分の量は有効量、即ち、凝固を阻害するのに十分である
量でなければならない。生理学的食塩水、緩衝化食塩水(例えば、リン酸緩衝化
食塩水(PBS)、ヘペス緩衝液などの緩衝液)中のような活性成分の非経口投
与が一例である。治療的剤形での、医薬的に受容可能な希釈剤および担体中の活
性成分の他の適した処方は、当業者にはよく知られている本分野での多数の一般
的原典を参照することにより処方できる、例えば、Remington’s P harmaceutical Sciences 、Arthur Osol編、
16版、1980年、Mack Publishing Co.、Easton
、PA.、および18版、1990年。
【0067】 本開示を読んだ後は、本発明の精神および範囲から離れることなく種々の他の
例が当業者には明らかになるであろう。すべてのそのような他の例は付随する特
許請求の範囲内に含まれていることが意図されている。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は抗トロンビンIIIによる第Xa因子の阻害に対するPZ
の効果を示しているグラフである。抗トロンビンIII(3.4μM)の添加前
に、第Xa因子(5nM)、CaCl2(4mM)、PZ(40nM)ありまた
はなし、およびセファリン(15μM)ありまたはなし、を含んでいる反応液を
22℃で5分間インキュベートした。その後、指定された時間に試料を除き、1
mM EDTAを含んだHSAで希釈し、バイオアッセイにより第Xa因子活性
をアッセイした。 (▲)、セファリンなし、PZなし; (○)、セファリンなし、PZあり; (黒四角)、セファリンあり、PZなし; (●)、セファリンあり、PZあり。
【図2】 図2は血清による第Xa因子阻害を示しているグラフである。ウ
サギ前免疫または免疫抗ZPI IgG(300μg/mL)で30分間前もっ
て処理されているバリウム吸着血清(25% v/v)の添加前に、第Xa因子
(5nM)、CaCl2(4mM)、セファリン(15μM)、PZ(40nM
)ありまたはなし、を22℃で5分間インキュベートした。その後、指定された
時間に反応液試料を1mM EDTAを含んだHSAで希釈し、バイオアッセイ
により第Xa因子活性をアッセイした。 (●)、PZありおよび前免疫IgG; (▼)、PZありおよび免疫IgG; (○)、PZなしおよび前免疫IgG; (▲)、PZなしおよび免疫IgG。
【図3】 図3は精製ZPIのSDS−PAGEを示している。ZPI(5
μg)が5% 2−メルカプトエタノール還元あり(レーン2、右)またはなし
で分析された。タンパク質はクーマシーブリリアントブルーで染色された。kD
aでの分子量標品の位置は左側に示されている。
【図4】 図4は4つの部分から成っており、図4A、4B、4Cおよび4
DはZPIによる第Xa因子のPZ依存性阻害を示しているグラフである。 図4AはZPI用量/応答を示している。第Xa因子(2.5または5.0
nM)、CaCl2(4mM)、セファリン(15μM)およびPZ(40nM
)を含んでいる反応液は、ZPI濃度を増加させながら22℃で15分間インキ
ュベートした後、残存する第Xa因子活性をアミド分解アッセイにより決定した
。ZPIのモル濃度は1.0mg/mLのZPIは1.0のA280を示すと仮定
して見積もられた。(□)、第Xa因子2.5nM;(○)、第Xa因子5.0
nM。 図4BはPZ用量/応答を示している。第Xa因子(2.5または5.0n
M)、CaCl2(4mM)、セファリン(15μM)およびZPI(10nM
)を含んでいる反応液は、PZ濃度を増加させながら22℃で15分間インキュ
ベートした後、残存する第Xa因子活性をアミド分解アッセイにより決定した。
(□)、第Xa因子2.5nM;(○)、第Xa因子5.0nM。 図4Cセファリン用量/応答を示している。第Xa因子(2.5nM)、C
aCl2(4mM)、PZ(40nM)およびZPI(10nM)を含んでいる
反応液は、セファリン濃度を増加させながら22℃で15分間インキュベートし
た後、残存する第Xa因子活性をアミド分解アッセイにより決定した。 図4DはPZ/ZPIによる第Xa因子阻害の時間経過を示している。第X
a因子(5.0nM)、CaCl2(4mM)ありまたはなし、セファリン(1
5μM)ありまたはなし、およびPZ(40nM)ありまたはなし、を含んでい
る反応液を22℃で5分間インキュベートした後にZPI(10nM)を加えた
。その後、指示された時間に残存する第Xa因子活性をバイオアッセイまたはア
ミド分解アッセイにより決定した。 バイオアッセイ:(●)、すべての反応体。アミド分解アッセイ:(黒四角)
、すべての反応体;(▼)、CaCl2なし;(▲)、セファリンなし;(黒ダ
イアモンド)、PZなし。
【図5】 図5は第Xa因子誘導血漿凝固に対する抗ZPI抗体の効果を示
しているグラフである。第Xa因子(0.125nM)、CaCl2(5mM)
、セファリン(18.75μM)およびPZ(50nM)ありまたはなし、を含
んでいる反応液(200μL)をファイブロメーターの試料カップ中でインキュ
ベートした。37℃で2分後、ウサギ前免疫IgG(600μg/mL)または
免疫抗ZPI IgG(濃度を増加させて)で30分間処理されている第X因子
欠損血漿を50μL加え、凝固時間を測定した。前インキュベーション時間の間
のPZ取り込みにより引き起こされた見かけの第Xa因子阻害(76%)および
前免疫IgGで処理された血漿の使用が最大PZ依存性阻害(縦座標の100%
)として記載されている。血漿を処理するために使用された抗ZPI IgGの
濃度が横座標に記載されている。
【図6】 図6はヒトZPI cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:7
)および演繹されるアミノ酸配列(配列番号:8)を示している。アミノ酸配列
はヌクレオチド配列の下に1文字コードで示されている。ヌクレオチド/アミノ
酸数はカラムの右に示されている。翻訳はATG6(nt467)から開始する
として描かれている。別の開始コドン、ATG5(nt347)はダッシュで下
線が付けられている(実施例II参照)。精製血漿ZPIから誘導されるアミノ
酸配列には下線が付けられている。N*はN結合グリコシル化の可能性のある部
位を示しており、ZPIの反応中心の推定P1部位のチロシン残基はボールド体
で示されている。アミノ酸配列は付随する配列リストには3文字コードで示され
ている。
【図7】 図7はZPI mRNAのための多組織のノーザン分析を示して
いる。種々のヒト組織からの各々のレーンに2μgポリA+ mRNAを含んで
いるノーザンブロット ニトロセルロース膜を32P標識完全長ZPI cDNA
プローブ(上)または32P標識β−アクチンcDNAプローブ(下)でハイブリ
ダイズされた。
【図8】 図8はZPIおよび他のセルピンのC末端アミノ酸配列のアライ
ンメントを示している。ラットrasp−1(RASP−1)およびヒトα1−
抗トリプシン(A1AT)、抗トリプシン関連配列(A1AU)、抗トロンビン
(AT−III)、ヘパリン補因子II(HC−II)およびプロテアーゼ ネ
キシン1(PN−1)はGenBankデータベースから取り込まれた(各々寄
託番号2143953、1703025、112891、113936、123
055および121110)。同一アミノ酸は暗く影が付けられている。矢印は
各々のセルピン反応中心のP1残基を含んでいるカラムを示している。
【図9】 図9は野生型および組換え体ZPIの改変形のウェスタンブロッ
ト分析を示している。トランスフェクトされていないCHO細胞(CHO)およ
びrZPI(WT)(Tyr)、rZPI(Y387A)(Ala)およびrZ
PI(Y387R)(Arg)を発現しているCHO細胞からの無血清馴化培地
(10μL)が12%SDS−PAGEおよびマウスモノクローナル抗ZPI抗
体を用いてウェスタンブロッティングで分析された。前染色分子量標品の移動は
kDaで左に示されている。ブロットの下に各々の馴化培地のZPI活性が掲げ
られている(2回の測定の平均)。〜54,000に同定されたタンパク質バン
ドはトランスフェクトされていないCHO細胞の馴化培地で検出され、rZPI
とは関係がないようである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ブローズ,ジョージ・ジェイ,ジュニア アメリカ合衆国ミズーリ州63110,セン ト・ルイス,サウス・キングスハイウェ イ・ブルヴァード 216,ワシントン・ユ ニバーシティ・スクール・オブ・メディス ン,バーンズ−ジューイッシュ・ホスピタ ル・オブ・セント・ルイス,デパートメン ト・オブ・インターナル・メディスン,デ ィヴィジョン・オブ・ヘマトロジー Fターム(参考) 4B024 AA01 BA19 CA04 DA02 GA11 HA12 4C084 AA02 BA01 BA08 BA18 BA22 CA18 CA36 CA53 NA14 ZA542 ZC412 4H045 AA10 AA20 AA30 BA16 CA42 DA56 EA24 FA74 HA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のように特徴付けられる精製および単離されたヒトプロ
    テインZ依存性プロテアーゼインヒビター: (a)約72kDaの分子量を持ち、 (b)Leu Ala Pro Ser Pro Gln Ser Pro 1 5 Glu Thr Pro Ala[配列番号:16] 10 のN末端アミノ酸配列を持つ単鎖タンパク質であり、そして (c)プロテインZ、カルシウムイオンおよびセファリン存在下で第Xa因子 の迅速な阻害を引き起こす。
  2. 【請求項2】 血清または血漿中の第Xa因子を阻害するための方法であっ
    て、該血清または血漿と有効阻害量の請求項1に記載のヒトプロテインZ依存性
    プロテアーゼインヒビターを接触させることを含む、前記方法。
  3. 【請求項3】 配列番号:8の423アミノ酸配列をコードするヌクレオチ
    ド配列を含む、精製および単離されたDNA分子。
  4. 【請求項4】 配列番号:7のヌクレオチド配列を有する、請求項3に記載
    の精製および単離されたDNA分子。
  5. 【請求項5】 配列番号:8の423アミノ酸配列を有する、精製および単
    離されたプロテインZ依存性プロテアーゼインヒビター。
  6. 【請求項6】 血清または血漿中の第Xa因子を阻害するための方法であっ
    て、該血清または血漿と有効阻害量の請求項5に記載のヒトプロテインZ依存性
    プロテアーゼインヒビターを接触させることを含む、前記方法。
  7. 【請求項7】 血液凝固阻害を必要としている患者において血液凝固を阻害
    する方法であって、該患者にプロテインZ、ZPIおよびプロテインZおよびZ
    PIの組み合わせから成る群から選択される凝固阻害剤を血液凝固を阻害するた
    めの十分量で投与することを含む、前記方法。
  8. 【請求項8】 凝固阻害剤がプロテインZである、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 凝固阻害剤がZPIである、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ZPIが配列番号:8の423アミノ酸配列を有する、請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 凝固阻害剤がプロテインZおよびZPIの組み合わせであ
    る、請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ZPIが配列番号:8の423アミノ酸配列を有する、請
    求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 医薬的に受容可能な担体または希釈剤中のプロテインZお
    よびZPIを含む医薬組成物。
  14. 【請求項14】 ZPIが配列番号:8の423アミノ酸配列を有する、請
    求項13に記載の組成物。
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