JPH05268115A - 切替回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ホットスタンバイ方式の無線装置に使用され
るダイオードスイッチおよびラッチング型フェライトス
イッチの欠点を克服し、両者の長所を活かした切替回路
を提供する。 【構成】 第１および第２の送信機のいずれか一方から
の出力を選択して送信アンテナ側へ出力するスイッチ１
０と、第１の送信機からの出力を１０へ供給するかバイ
パスして送信アンテナ側へ供給するか選択するスイッチ
１２と、第１および第２の送信機の出力およびスイッチ
１０における異常を検出する異常検出手段１４と、異常
検出手段１４が第１および第２の送信機の出力のいずれ
か一方において異常を検出したとき、スイッチ１０に正
常側の送信機の出力を選択せしめ、スイッチ１０におい
て異常を検出したとき、スイッチ１２にスイッチ１０を
バイパスする選択を行なわしめるスイッチ制御手段１６
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、同一の情報を搬送した
同一周波数の信号を出力する２系統の送信設備を用意し
一方の設備に異常があれば他方に切替えるホットスタン
バイ方式の無線装置に使用される切替回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】このホットスタンバイ方式を採用したマ
イクロ波帯の無線装置のための切替回路には、スイッチ
ング用素子として、能動素子のダイオードによるダイオ
ードスイッチを用いたものと、受動素子のフェライトに
よるラッチング型フェライトスイッチを用いたものとが
ある。

【０００３】前者は、両系統からの入力に並列に２つの
ダイオードをそれぞれ設け、選択する側の入力に設けら
れたダイオードに逆バイアスを与えてダイオードを非導
通にし、非選択側の入力に設けられたダイオードには順
バイアスを与えてダイオードを導通させて電流を流すと
全反射になる。また、後者は、フェライトを用いたサー
キュレータに外部からパルス電流を与えてサーキュレー
タの回転方向を切換えることによってスイッチングを行
なうものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前者のダイオードスイ
ッチは動作速度がマイクロ秒オーダと高速であるという
利点を有するが、能動素子（半導体素子）を使用してい
るため、落雷時のサージによる故障及び定常動作時の故
障が絶無であるという保障がないという欠点がある。

【０００５】一方、後者のラッチング型フェライトスイ
ッチは、落雷に強いという利点があるが、動作速度がミ
リ秒オーダと低速であるという欠点を有している。した
がって本発明の目的は、ダイオードスイッチおよびラッ
チング型フェライトスイッチの欠点を克服し両者の長所
を活かした切替回路を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図１および図２は本発明
の原理構成図である。図１において、本発明の第１の切
換回路は、第１の送信機および第２の送信機のいずれか
一方からの出力を選択して送信アンテナ側へ出力するス
イッチであって選択切換のための能動素子を含む第１の
スイッチ１０と、第１の送信機からの出力を該第１のス
イッチ１０へ供給するか該第１のスイッチ１０をバイパ
スして送信アンテナ側へ供給するかの選択を行なうスイ
ッチであって選択切換のための受動素子を含む第２のス
イッチ１２と、第１および第２の送信機の出力および前
記第１のスイッチ１０における異常を検出する異常検出
手段１４と、該異常検出手段１４が第１および第２の送
信機の出力のいずれか一方において異常を検出したと
き、前記第１のスイッチ１０に正常側の送信機の出力を
選択せしめ、前記第１のスイッチ１０において異常を検
出したとき、前記第２のスイッチ１２に該第１のスイッ
チ１０をバイパスする選択を行なわしめるスイッチ制御
手段１６とを具備することを特徴とするものである。

【０００７】図２において、本発明の第２の切換回路
は、この構成に加えて、第２の送信機からの出力を前記
第１のスイッチ１０へ供給するか該第１のスイッチ１０
をバイパスして送信アンテナ側へ供給するかの選択を行
なうスイッチであって選択切換のための受動素子を含む
第３のスイッチ１８をさらに具備し、前記スイッチ制御
手段１６は、前記異常検出手段１４が第１および第２の
送信機の出力のいずれか一方と前記第１のスイッチ１０
とにおいて異常を検出したとき、正常側の送信機の出力
を第１のスイッチ１０をバイパスして送信アンテナ側へ
供給するように第２および第３のスイッチ１２，１８を
制御するものである。

【０００８】

【作用】図１の第１の切換回路において、能動素子を含
む第１のスイッチ１０が正常である限り第１のスイッチ
１０により切換えが行なわれるので、高速に切替えを行
なうことができる。また、万一第１のスイッチ１０に異
常があれば、故障に強い受動素子を含む第２のスイッチ
１２で第１のスイッチ１０がバイパスされる。

【０００９】第２の切換回路においては、一方の送信機
の出力と第１のスイッチ１０とにおいて２重故障が発生
しても、受動素子を含む第２および第３のスイッチ１
２，１８により切替えが達成される。

【００１０】

【実施例】図３は本発明の第１の実施例を表わすブロッ
ク図である。伝送信号でマイクロ波を変調し所定の電力
に増幅して出力する送信部は２０および２２で２重化さ
れている。送信部２０の出力はラッチング型フェライト
スイッチ２４に入力され、ラッチング型フェライトスイ
ッチ２４の一方の出力はアイソレータ２６を経てダイオ
ードスイッチ２８の一方の入力ＩＮ１へ入力される。送
信部２２の出力はラッチング型フェライトスイッチ３０
へ入力され、ラッチング型フェライトスイッチ３０の一
方の出力はアイソレータ３２を経てダイオードスイッチ
２８の他方の入力ＩＮ２へ入力される。ラッチング型フ
ェライトスイッチ２４の他方の出力はハイブリッド３４
においてダイオードスイッチ２８の出力と合流し、アイ
ソレータ３６を経てアンテナ側へ出力される。ラッチン
グ型フェライトスイッチ３０の他方の出力は終端されて
いる。

【００１１】駆動信号発生回路３８には、送信部２０，
２２の動作およびダイオードスイッチ２８の動作が正常
であるか否かを示す信号が入力され、それに応じてラッ
チング型フェライトスイッチ２４，３０およびダイオー
ドスイッチ２８を切り換える信号を出力する。ダイオー
ドスイッチ２８の動作が正常か否かの検出は、例えば、
特開平１−３０５６２７号に記載の如く、ダイオードＤ
１，Ｄ２の両端の電圧、それらに流れる電流および出力
側の信号のレベルを検出することにより、行なわれる。

【００１２】図３の回路において、送信部２０，２２が
いずれも正常で、ダイオードスイッチ２８が正常な場
合、ラッチング型フェライトスイッチ２４，３０では実
線で示した回転方向が選択され、ダイオード２８ではＩ
Ｎ１およびＩＮ２のいずれか一方の入力が選択される。
このときラッチング型フェライトスイッチ２４および３
０にそれぞれ入力された送信部２０および２２の出力信
号は、アイソレータ２６および３２の側へ出力され、ダ
イオードスイッチ２８の入力ＩＮ１およびＩＮ２へそれ
ぞれ入力される。ダイオードスイッチ２８において選択
された側の送信信号はハイブリッド３４、アイソレータ
３６を経てアンテナ側へ出力される。この状態で送信部
２０に障害の発生が検知されたら、ダイオードスイッチ
２８において入力ＩＮ２が選択され、送信部２２に障害
の発生が検知されたら、入力ＩＮ１が選択されるよう
に、ダイオードスイッチ２８を制御する信号が駆動信号
発生回路３８から出力される。

【００１３】ダイオードスイッチ２８において障害の発
生が検知されたら、駆動信号発生回路３８はラッチング
型フェライトスイッチ２４および３０に切り換えを指令
する。そうすると破線で示した回転方向が選択され、送
信部２０の出力はダイオードスイッチ２８をバイパスし
てハイブリッド３４へ直接供給され、送信部２２の出力
はスイッチ３０に設けられた負荷終端器で終端される。

【００１４】なお、ハイブリッド３４の替わりに、入力
の一方のみを切換選択するスイッチを用いても良い。ま
たハイブリッド３４へはラッチング型フェライトスイッ
チ２４から信号が供給されているが、その出力を終端
し、ラッチング型フェライトスイッチ３０の図では終端
されている出力から供給するようにしても良い。図３の
切替回路では、送信部２０，２２のいずれか一方と、ダ
イオードスイッチ２８において同時に障害が発生したと
き、それを救済することはできないが、本発明の第２の
実施例である図４に示した切替回路では、それが可能で
ある。

【００１５】図４において、ラッチング型フェライトス
イッチ３０の出力のうち、図３では終端されていた出力
はハイブリッド４０でラッチング型フェライトスイッチ
２４の一方の出力と合流し、ラッチング型フェライトス
イッチ４２の一方の入力へ供給される。ラッチング型フ
ェライトスイッチ４２の他方の入力へはダイオードスイ
ッチ２８の出力が供給される。

【００１６】図４の切替回路において、送信部２０，２
２およびダイオードスイッチ２８が正常である間は、ラ
ッチング型フェライトスイッチ２４，３０は送信部２
０，２２の出力をダイオードスイッチ２８へ供給するよ
うに制御され、ダイオードスイッチ２８はいずれか一方
の入力を選択する。送信部２０，２２のいずれか一方に
異常が検知されたら、ダイオードスイッチ２８は正常側
の入力を選択するように制御される。

【００１７】ダイオードスイッチ２８で異常が検知され
たら、駆動信号発生回路３８はラッチング型フェライト
スイッチ２４および３０のいずれか一方の回転方向を破
線で示した方向に切り換え、ラッチング型フェライトス
イッチ４２の回転方向を破線で示した方向に切り換え
る。そうすると、いずれか一方の送信部からの出力はハ
イブリッド４０、ラッチング型フェライトスイッチ４２
を経てアンテナ側へ供給される。

【００１８】ここでさらに、いずれか一方の送信部で異
常が検出されたら、正常側に接続されたラッチング型フ
ェライトスイッチの回転方向を破線で示す方向に制御
し、異常側に接続されたラッチング型フェライトスイッ
チの回転方向を実線で示す方向に制御する。この様に、
図４に示した切替回路は、ダイオードスイッチと送信部
との２重障害に対しても対処が可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
高速の切換が可能で、かつ、落雷などのサージにも強い
という特徴を有する、信頼性および保守性の両面に優れ
た切替回路が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の切替回路の原理構成図である。

【図２】本発明の第２の切替回路の原理構成図である。

【図３】本発明の第１の実施例を表わすブロック図であ
る。

【図４】本発明の第２の実施例を表わすブロック図であ
る。

【符号の説明】

２４，３０，４２…ラッチング型フェライトスイッチ ２６，３２，３６…サーキュレータ ２８…ダイオードスイッチ ３４…ハイブリッド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の送信機および第２の送信機のいず
   れか一方からの出力を選択して送信アンテナ側へ出力す
   るスイッチであって選択切換のための能動素子を含む第
   １のスイッチ（１０）と、 第１の送信機からの出力を該第１のスイッチ（１０）へ
   供給するか該第１のスイッチ（１０）をバイパスして送
   信アンテナ側へ供給するかの選択を行なうスイッチであ
   って選択切換のための受動素子を含む第２のスイッチ
   （１２）と、 第１および第２の送信機の出力および前記第１のスイッ
   チ（１０）における異常を検出する異常検出手段（１
   ４）と、 該異常検出手段（１４）が第１および第２の送信機の出
   力のいずれか一方において異常を検出したとき、前記第
   １のスイッチ（１０）に正常側の送信機の出力を選択せ
   しめ、前記第１のスイッチ（１０）において異常を検出
   したとき、前記第２のスイッチ（１２）に該第１のスイ
   ッチ（１０）をバイパスする選択を行なわしめるスイッ
   チ制御手段（１６）とを具備することを特徴とする切替
   回路。
2. 【請求項２】 第２の送信機からの出力を前記第１のス
   イッチ（１０）へ供給するか該第１のスイッチ（１０）
   をバイパスして送信アンテナ側へ供給するかの選択を行
   なうスイッチであって選択切換のための受動素子を含む
   第３のスイッチ（１８）をさらに具備し、 前記スイッチ制御手段（１６）は、前記異常検出手段
   （１４）が第１および第２の送信機の出力のいずれか一
   方と前記第１のスイッチ（１０）とにおいて異常を検出
   したとき、正常側の送信機の出力を第１のスイッチ（１
   ０）をバイパスして送信アンテナ側へ供給するように第
   ２および第３のスイッチ（１２，１８）を制御する請求
   項１記載の切替回路。