JPH0526809U - 硬化紙容器 - Google Patents
硬化紙容器Info
- Publication number
- JPH0526809U JPH0526809U JP4794791U JP4794791U JPH0526809U JP H0526809 U JPH0526809 U JP H0526809U JP 4794791 U JP4794791 U JP 4794791U JP 4794791 U JP4794791 U JP 4794791U JP H0526809 U JPH0526809 U JP H0526809U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper container
- paper
- water glass
- container
- base material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Cartons (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 生活廃棄物である古紙等のパルプ化再生原料
と産業余剰物である水ガラスを有効に利用し、硬質化さ
せた紙容器を提供する。 【構成】 パルプを主成分とする懸濁液原料の抄造成形
体を乾燥させた紙容器基材に対して、水ガラスの含浸層
4と防水性の合成樹脂皮膜5を構成した紙容器1に係
る。 【効果】 廃棄物と余剰物の有効利用を促進すると共
に、軽量で一定の強度を有し、且つ耐衝撃性、耐水性、
耐熱性、保温性、意匠の多様性等に優れ、従来のP.S.P
容器に代わる紙容器を提供する。
と産業余剰物である水ガラスを有効に利用し、硬質化さ
せた紙容器を提供する。 【構成】 パルプを主成分とする懸濁液原料の抄造成形
体を乾燥させた紙容器基材に対して、水ガラスの含浸層
4と防水性の合成樹脂皮膜5を構成した紙容器1に係
る。 【効果】 廃棄物と余剰物の有効利用を促進すると共
に、軽量で一定の強度を有し、且つ耐衝撃性、耐水性、
耐熱性、保温性、意匠の多様性等に優れ、従来のP.S.P
容器に代わる紙容器を提供する。
Description
【0001】
本考案は硬化紙容器に係り、古紙等の再生により、又は通常の板紙で形成され た紙容器基材に、硬質性と防水性を確保させ、多岐にわたる実用的用途に活用で きる紙容器を提供することを目的とする。
【0002】
従来から、新聞紙等の古紙を再生活用した成形品は、鶏卵や果実等の食料品や 陶器、更には電子機器等の所謂“こわれもの”を保持する緩衝用梱包部材として 用いられており、現にスーパーマーケット等の店頭で目にすることが多い。また 一般の運送分野においても、より安価で機能的な梱包部材の一種として広く用い られている。 そして、それらの緩衝用梱包部材はモールド法によって成形されている。即ち 、古紙等に機械的ないし化学的処理を施すことにより繊維を離解せしめてパルプ 化し、その懸濁液原料を予め所定形状に成型されている抄造機のスクリーン部へ 流し、スクリーン部に堆積したスラッジ状抄造体を乾燥させて用途に応じた成型 品を得る。
【0003】 従って、前記の緩衝用梱包部材は、その肉厚方向についても、全体的構成体と しても柔軟な性質を有し、微小な変形に対してはある程度の弾性を保つが、一定 以上の変形に対しては塑性変形するような機械的性質を具有しており、緩衝機能 部材として使用するには最適のものとなる。
【0004】 一方、現在、各種の飲食品の容器には所謂「紙カップ」といわれるものが用い られているが、その紙カップはマンドレル法によって製造されている。この方法 は、素材となる原紙をマンドレルに巻き付け、その周方向の重合部分を貼合わせ 、更にその筒状体に底を取付けて容器の形態とする。 従って、このマンドレル法ではカップ状の形態のものしか製造できないことに なる。
【0005】
ところで、前記のモールド法から得られる成型品は、古紙から得られたパルプ 繊維等を単に抄造成形しただけのものであるために防湿・防水性がなく、また上 記のように柔軟すぎることや機械的強度が弱すぎることから、緩衝用梱包部材以 外の用途には殆ど用いられていない。
【0006】 また、マンドレル法による紙カップに使用される原紙は、耐水性をもたせるた めにその原料を針葉樹の長繊維パルプに選定すると共に、抄造段階で撥水剤を添 加したものを用いており、更に樹脂フィルムをラミネートしたり成型品にワック スを蒸着させたりしているのが現状であり、原料が高価になることや製造工程が 極めて面倒になる等の問題がある。
【0007】 一方、古紙のような生活廃棄物と同様に、珪酸ナトリウム又はその高濃度水溶 液である水ガラスが産業余剰物として多量に排出されており、一部は土木工事に おける土壌の凝固剤や建材の接着剤等に利用されてはいるが、その廃棄処理に窮 しているのが現状である。
【0008】 そこで、本考案は、生活廃棄物である古紙の再生用途として、産業余剰物であ る水ガラスを利用することにより、日常生活の中で多種多様に活用できる強固で 防水性を有した紙容器が製造できることを提案し、廃棄物・余剰物の再利用に貢 献することを目的として創作された。また、本考案は、一般のパルプ原料から製 造される紙容器を硬質化させ、その用途を拡張させることをも目的とする。
【0009】
本考案は、紙容器基材に対して、その表面から内部にかけて水ガラスの含浸層 を構成すると共に、表面に防水性の合成樹脂皮膜を施した硬化紙容器に係る。
【0010】 また、本考案では、紙容器基材として、紙容器基材が、古紙の再生処理により 得られるパルプの懸濁液原料を抄造成型し、その成型品を乾燥させたものを用い ることができ、古紙等の再生を有効に促進すると共に、むしろ一般のパルプ原料 から製造される紙容器より優れた機能を有した紙容器を実現する。
【0011】
主成分がパルプ繊維からなる紙容器基材は、それだけでは機械的強度が弱く、 また撥水処理などを施さない限り防湿・防水性を有していない。また、素材が紙 であることから耐熱性に劣る。 本考案の硬化紙容器では、水ガラスの含浸層が容器に一定の弾性的強度を具有 させると共に、耐熱性を付与する。また、防水性の合成樹脂皮膜は防湿・防水性 をその紙容器に具備させる。 尚、水ガラスの含浸層を紙容器に構成させるには、紙容器基材に水ガラスを塗 布し、それを乾燥させる工程だけで足り、合成樹脂皮膜を構成させるには、水ガ ラスを乾燥させた後に液状合成樹脂を塗布して乾燥させるだけでよい。
【0012】 そして、前記の紙容器基材として、古紙の再生処理から得られる成型品を用い ると、その抄造成型工程で任意の形態を選択することができ、水ガラスの含浸性 に富んでいると共に、厚手の容器状成形体となるために水ガラスによる硬質化の 程度を制御することが容易であり、更に断熱性及び保温性に優れた容器を構成す ることが可能になる。
【0013】
以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は本実施例に係る硬化紙容器の断面図であり、その硬化紙容器1の開口縁 部2は外周方向へ折り返されており、中央部3が陥凹状に形成されて収容部とな っている。 この紙容器1の特徴は、パルプを主成分とする懸濁液原料にモールド抄造成形 工程と乾燥工程を施して得られた紙容器基材に対して、水ガラスを塗布すること により水ガラスの含浸層4を構成させ、更にその水ガラスが乾燥固化した後、防 水性の液状合成樹脂を塗布して乾燥させることにより合成樹脂皮膜5を構成せし めている点にある。
【0014】 従って、この硬化紙容器1は、図2の部分拡大断面図に示すように、中実部に 基材のままの柔軟な非含浸層6が存在し、その周囲に水ガラスの含浸層4が構成 されており、更に防水性の合成樹脂皮膜5が構成されていることになる。 紙容器基材にこのような層4と皮膜5を構成させると、水ガラスの含浸層4は 乾燥固化することにより、紙容器基材を一定の弾性を有して硬質化させ、また合 成樹脂皮膜5が防湿・防水性を確保させる。 即ち、水ガラス自体は水溶性物質であるために防湿・防水性を有しないが、防 水性の合成樹脂皮膜5がこれを補填する。 一方、逆に液状合成樹脂を紙容器基材に直接塗布した場合には、一応含浸して ゆくが硬化せず、液状合成樹脂を硬化剤として用いることはできない。これに比 較して、水ガラスは塗布するだけで容易に紙容器基材の表面から内部へ浸透して 含浸層5を構成し、更に水ガラスは乾燥固化すると液状合成樹脂に対して塗着性 の優れた面を構成し、合成樹脂の皮膜5を強固に構成させるのに極めて都合が良 い。
【0015】 この硬化紙容器1を製造するには、モールド成形後の紙容器基材に対して水ガ ラスを塗布(刷毛塗り、噴霧、又はドブ漬け)し、それを乾燥させた後、合成樹 脂塗料を前記と同様に塗布するだけで足り、量産を行う場合にも[塗布工程]→ [乾燥工程]→[塗布工程]→[乾燥工程]という簡単なライン構成で実現でき る。 尚、水ガラスを塗布した後の含浸層4の乾燥工程では、その乾燥速度が速いほ ど水ガラスの硬度が大きくなる特性がある。従って、乾燥温度を適宜選択するこ とにより、用途に応じて適当な弾性と硬質性を有した硬化紙容器1を製造するこ とができる。
【0016】 ここに、製造された硬化紙容器1はその主素材がパルプであるために極めて軽 量で、水ガラスの含浸により硬化しているものの適当な弾性も有しており、耐衝 撃性にも優れた容器となる。また、前記の長所に併せて、パルプ組成物であるこ とによる断熱性と水ガラスの性質に基づく耐熱性をも兼備しており、合成樹脂皮 膜5としてアクリルや酢酸ビニル系の樹脂を用いることにより、現在使用されて いる即席麺等のP.S.P容器に代わる容器として適用することができる。更に、他 の有効性として、金属を全く含んでいないため、電子レンジによる収容物の加熱 も可能になり、一方、使用後のものは通常の紙製品と同様に無公害な焼却処理が できるという利点を有している。
【0017】 ところで、抄造成形されて乾燥された後の紙容器基材は、その表面が固化粘土 状の態様になっており、また注型側の表面を適当に粗すことによりその表面粗度 を多種多様な質感にすることができるため、水ガラスの含浸層4と合成樹脂皮膜 5の重層によって陶器状の艶を呈した表面を実現することも可能である。特に、 合成樹脂塗料で表面の色彩やデザインを自在に選択できることと併せて、意匠的 観点からも極めて幅の広い紙容器を製造することができる。
【0018】
本考案の硬化紙容器は以上のような構成を有していることにより、次のような 効果を奏する。 従来から、生活廃棄物である古紙等のパルプ化再生品としては、緩衝用梱包部 材程度の用途しかなかったが、産業余剰物である水ガラスを利用して一定の機械 的強度を具有せしめると共に、合成樹脂による防湿・防水性皮膜を構成させたこ とにより、パルプ化再生品の用途として容器類への適用を実現し、廃棄物・余剰 物の再利用の範囲を拡張する。 本考案の硬化紙容器は、基材がパルプ繊維であることから軽量で断熱性・保温 性に優れ、一方、水ガラスの含浸層を構成させたことにより、強度と耐熱性を具 備している。また、硬度は水ガラスの塗布・乾燥工程で任意に選択でき、用途に 応じた強度と耐衝撃性を確保させることができる。そして、アクリルや酢酸ビニ ル系の樹脂皮膜を構成させて防湿・防水性を具備させていることにより、液状食 品の収容とその電子レンジによる加熱が可能になり、現在使用されているP.S.P 容器に代わる、より安価で便利な容器を提供する。 基材がパルプ化再生品であるために、陶器に似た特有の表面を構成させること ができ、従来の紙容器や合成樹脂容器にない多様な意匠を実現できる。 使用後の処理においても、通常の紙製品と同様に無公害な焼却処理が可能であ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る硬化紙容器の断面図である。
【図2】前記の硬化紙容器の部分拡大断面図である。
1 硬化紙容器 4 水ガラスの含浸層 5 合成樹脂皮膜 6 水ガラスの非含浸層
Claims (2)
- 【請求項1】 紙容器基材に対して、その表面から内部
にかけて水ガラスの含浸層を構成すると共に、表面に防
水性の合成樹脂皮膜を施した硬化紙容器。 - 【請求項2】 紙容器基材が、古紙の再生処理により得
られるパルプの懸濁液原料を抄造成型し、その成型品を
乾燥させたものである請求項1の硬化紙容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4794791U JPH0526809U (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | 硬化紙容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4794791U JPH0526809U (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | 硬化紙容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0526809U true JPH0526809U (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=12789564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4794791U Pending JPH0526809U (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | 硬化紙容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0526809U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100532539B1 (ko) * | 2002-03-27 | 2005-12-02 | 최미국 | 폐지를 이용한 장식용품의 제조방법 및 그 장식용품 |
JP2020200545A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | トヨタ車体株式会社 | 成形品及びその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS508141U (ja) * | 1973-05-23 | 1975-01-28 | ||
JPS556260B2 (ja) * | 1975-04-25 | 1980-02-14 | ||
JPH02109839A (ja) * | 1988-10-11 | 1990-04-23 | Yokogawa Medical Syst Ltd | 使い捨て容器 |
-
1991
- 1991-05-28 JP JP4794791U patent/JPH0526809U/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS508141U (ja) * | 1973-05-23 | 1975-01-28 | ||
JPS556260B2 (ja) * | 1975-04-25 | 1980-02-14 | ||
JPH02109839A (ja) * | 1988-10-11 | 1990-04-23 | Yokogawa Medical Syst Ltd | 使い捨て容器 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100532539B1 (ko) * | 2002-03-27 | 2005-12-02 | 최미국 | 폐지를 이용한 장식용품의 제조방법 및 그 장식용품 |
JP2020200545A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | トヨタ車体株式会社 | 成形品及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4261083A (en) | Composite burial vault | |
US4060581A (en) | Method of making a composite burial vault | |
US6797119B2 (en) | Pulp packing material and method for producing the same | |
US20240270467A1 (en) | Stable biodegradable receptacle | |
US3799837A (en) | Fluting and corrugated cardboard containing such fluting | |
JP2024533925A (ja) | 連結要素を有する成形品 | |
JPH0526809U (ja) | 硬化紙容器 | |
US3691002A (en) | Impregnated corrugated board | |
US4781321A (en) | Container and method for producing same | |
JP4599636B2 (ja) | パルプモールド容器の製造方法 | |
JP2000303399A (ja) | パルプモールド成形体 | |
RU93055731A (ru) | Способ формования пустотелых изделий из композиционных материалов | |
JP2002138400A (ja) | パルプモールド容器およびその製造方法 | |
JP2000344221A (ja) | パルプモールド容器 | |
US1313898A (en) | Consin | |
JPS5828966Y2 (ja) | ビシヨウダンネツヨウキ | |
JP2002138399A (ja) | 断熱性パルプモールドの製造方法 | |
JP2001200494A (ja) | 耐水紙 | |
KR200192346Y1 (ko) | 포장용 종이상자의 구조 | |
JP2002087420A (ja) | 多層成形容器 | |
JP2001122240A (ja) | パルプモールド二重容器およびその製造方法 | |
JP2000336575A (ja) | 含浸物の製造方法 | |
JP2002104364A (ja) | 多層成形容器 | |
JP2000302122A (ja) | ブランクおよびその製造方法 | |
JP2002105899A (ja) | 抄造容器 |