JPH05267353A - トンネリング電界効果トランジスタ - Google Patents
トンネリング電界効果トランジスタInfo
- Publication number
- JPH05267353A JPH05267353A JP4646092A JP4646092A JPH05267353A JP H05267353 A JPH05267353 A JP H05267353A JP 4646092 A JP4646092 A JP 4646092A JP 4646092 A JP4646092 A JP 4646092A JP H05267353 A JPH05267353 A JP H05267353A
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- Japan
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- semiconductor
- tunneling
- inas
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 トンネル効果による微分負性抵抗を利用した
機能トランジスタのリーク電流を減少させトンネル電流
を増加させる。 【構成】 第一の半導体p−GaSb1と、第一の半導
体の第一イオン化エネルギーより大きな電子親和力を持
つ第三の半導体i−InAs3が障壁層となる薄い第二
の半導体i−AlSb2をはさんでヘテロ接合している
トランジスタである。AlSb2とInAs3の界面の
InAs側に2次元電子ガスが形成されている。InA
s3中の量子準位は、ゲート電圧をマイナスからプラス
方向へ加えていくとある電圧のときにp−GaSb1の
価電子帯のエネルギーと同じになる。するとi−AlS
b2を通してバンド間トンネリングが生じ、ドレイン電
流が増加する。この電圧の前後ではドレイン電流は少な
いので、ドレイン電流はゲート電圧に対して微分負性抵
抗をもつ。しかもバンド間トンネリングを使うのでリー
クを制御でき、トンネル電流も大きい。
機能トランジスタのリーク電流を減少させトンネル電流
を増加させる。 【構成】 第一の半導体p−GaSb1と、第一の半導
体の第一イオン化エネルギーより大きな電子親和力を持
つ第三の半導体i−InAs3が障壁層となる薄い第二
の半導体i−AlSb2をはさんでヘテロ接合している
トランジスタである。AlSb2とInAs3の界面の
InAs側に2次元電子ガスが形成されている。InA
s3中の量子準位は、ゲート電圧をマイナスからプラス
方向へ加えていくとある電圧のときにp−GaSb1の
価電子帯のエネルギーと同じになる。するとi−AlS
b2を通してバンド間トンネリングが生じ、ドレイン電
流が増加する。この電圧の前後ではドレイン電流は少な
いので、ドレイン電流はゲート電圧に対して微分負性抵
抗をもつ。しかもバンド間トンネリングを使うのでリー
クを制御でき、トンネル電流も大きい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微分負性抵抗特性を持つ
電界効果トランジスタに関する。
電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】トンネリングを用いた負性抵抗素子とし
ては、共鳴トンネリング構造を、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタや電界効果トランジスタと組み合わせた、
共鳴トンネリングバイポーラトランジスタ(Reson
ant tunnelingBipolar Tran
sistor)等が知られており、排他的論理和や多値
状態保持ゲートをはじめ、ラッチ回路やNOR回路など
が単体トランジスタで構成できるなど機能素子として優
位性が期待されている。これらの素子については例え
ば、カパソ(Cappasso)らによりエレクトロン
・デバイスィズ(Electron Device
s)、vol.36、pp2065、1989に述べら
れている。
ては、共鳴トンネリング構造を、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタや電界効果トランジスタと組み合わせた、
共鳴トンネリングバイポーラトランジスタ(Reson
ant tunnelingBipolar Tran
sistor)等が知られており、排他的論理和や多値
状態保持ゲートをはじめ、ラッチ回路やNOR回路など
が単体トランジスタで構成できるなど機能素子として優
位性が期待されている。これらの素子については例え
ば、カパソ(Cappasso)らによりエレクトロン
・デバイスィズ(Electron Device
s)、vol.36、pp2065、1989に述べら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の共鳴トンネル効
果は、半導体ヘテロ接合における伝導帯(もしくは価電
子帯)エネルギー不連続、すなわち構成半導体間の電子
親和力(もしくは第一イオン化エネルキー)の差を利用
してトンネル障壁を構成する。この場合、トンネル電流
の密度を上げようとすると障壁高さを低くするか、もし
くは障壁の厚さを薄くする必要がある。これは同時に熱
励起により障壁を乗り越える電子の密度を増加させるこ
とにつながり、リーク電流を増加させる。このため室温
で大きな微分負性抵抗を実現することはむずかしかっ
た。
果は、半導体ヘテロ接合における伝導帯(もしくは価電
子帯)エネルギー不連続、すなわち構成半導体間の電子
親和力(もしくは第一イオン化エネルキー)の差を利用
してトンネル障壁を構成する。この場合、トンネル電流
の密度を上げようとすると障壁高さを低くするか、もし
くは障壁の厚さを薄くする必要がある。これは同時に熱
励起により障壁を乗り越える電子の密度を増加させるこ
とにつながり、リーク電流を増加させる。このため室温
で大きな微分負性抵抗を実現することはむずかしかっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のトンネリング電
界効果トランジスタによれば、従来のバンド内(伝導帯
内もしくは価電子帯内)トンネリングに比べ、伝導帯と
価電子帯とのバンド間トンネリングを用いるためリーク
電流が抑制でき、かつ大きなトンネル電流を得ることが
出来る。
界効果トランジスタによれば、従来のバンド内(伝導帯
内もしくは価電子帯内)トンネリングに比べ、伝導帯と
価電子帯とのバンド間トンネリングを用いるためリーク
電流が抑制でき、かつ大きなトンネル電流を得ることが
出来る。
【0005】
【作用】伝導帯と価電子帯とのバンド間トンネリング
は、通常のヘテロ構造作製に使われる半導体(ひ化ガリ
ウム、ひ化アルミニウムガリウム、ひ化インジウムガリ
ウム、燐化インジウム等)において、正孔に比べ有効質
量の小さい電子が、状態密度の小さい伝導帯から、状態
密度の大きい価電子帯に移動する現象である。このた
め、バンド内トンネリングに比べトンネル確率が大き
い。従ってトンネル電流は大きく、リーク電流は小さく
することが容易に実現できる。
は、通常のヘテロ構造作製に使われる半導体(ひ化ガリ
ウム、ひ化アルミニウムガリウム、ひ化インジウムガリ
ウム、燐化インジウム等)において、正孔に比べ有効質
量の小さい電子が、状態密度の小さい伝導帯から、状態
密度の大きい価電子帯に移動する現象である。このた
め、バンド内トンネリングに比べトンネル確率が大き
い。従ってトンネル電流は大きく、リーク電流は小さく
することが容易に実現できる。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のトンネリング
電界効果トランジスタの動作を説明する。図1は請求項
1に記載した素子の断面図である。第一の半導体として
p型アンチモン化ガリウム(GaSb)層1、第二の半
導体として真性アンチモン化アルミニウム(AlSb)
層2、第三の半導体として真性ひ化インジウム(InA
s)層3を用いており、AlSb層2とInAs層3の
界面のInAs側に2次元電子ガス9が形成されてい
る。図に於いてソース電極8、ドレイン電極5は電極材
料の熱拡散を用いて2次元電子ガス9とオーミック接触
をとっている。図2は第一の構造におけるエネルギーバ
ンド図である。ゲート電極6のp−GaSb層1に対す
る電位をマイナスからプラス方向へ変化させたときの様
子を(a)、(b)、(c)として示す。InAs層3
中に形成された量子準位はゲート電圧の印加により図中
に示すように変化し、図2(b)で示した状態でP型G
aSb層1の価電子帯のエネルギーと同じになり、この
ときにAlSb層2を通してバンド間トンネリングが起
こる。バンド間トンネリングが起こると量子準位中の電
子数が増加し、このときにドレイン電流が増加する。従
ってゲート電極を図2で示した(a)、(b)、(c)
の様に変化させるとドレイン電流は図3に示すように最
初増加しその後減少する。従ってドレイン電流はゲート
電圧の印加に対し微分負性抵抗を持って変化する。
電界効果トランジスタの動作を説明する。図1は請求項
1に記載した素子の断面図である。第一の半導体として
p型アンチモン化ガリウム(GaSb)層1、第二の半
導体として真性アンチモン化アルミニウム(AlSb)
層2、第三の半導体として真性ひ化インジウム(InA
s)層3を用いており、AlSb層2とInAs層3の
界面のInAs側に2次元電子ガス9が形成されてい
る。図に於いてソース電極8、ドレイン電極5は電極材
料の熱拡散を用いて2次元電子ガス9とオーミック接触
をとっている。図2は第一の構造におけるエネルギーバ
ンド図である。ゲート電極6のp−GaSb層1に対す
る電位をマイナスからプラス方向へ変化させたときの様
子を(a)、(b)、(c)として示す。InAs層3
中に形成された量子準位はゲート電圧の印加により図中
に示すように変化し、図2(b)で示した状態でP型G
aSb層1の価電子帯のエネルギーと同じになり、この
ときにAlSb層2を通してバンド間トンネリングが起
こる。バンド間トンネリングが起こると量子準位中の電
子数が増加し、このときにドレイン電流が増加する。従
ってゲート電極を図2で示した(a)、(b)、(c)
の様に変化させるとドレイン電流は図3に示すように最
初増加しその後減少する。従ってドレイン電流はゲート
電圧の印加に対し微分負性抵抗を持って変化する。
【0007】図4に請求項2の素子を、また図5にその
エネルギーバンド図を示す。動作原理は図1の素子と同
じであるが、図1の素子の相補的な動作をする。
エネルギーバンド図を示す。動作原理は図1の素子と同
じであるが、図1の素子の相補的な動作をする。
【0008】
【発明の効果】本発明のトンネリング電界効果トランジ
スタによれば、従来のバンド内(伝導帯内もしくは価電
子帯内)トンネリングに比べ、伝導帯と価電子帯とのバ
ンド間トンネリングを用いるためリーク電流を抑制で
き、かつ大きなトンネル電流を得ることが出来る。従っ
て、動作する温度範囲や動作マージンが拡大できる。
スタによれば、従来のバンド内(伝導帯内もしくは価電
子帯内)トンネリングに比べ、伝導帯と価電子帯とのバ
ンド間トンネリングを用いるためリーク電流を抑制で
き、かつ大きなトンネル電流を得ることが出来る。従っ
て、動作する温度範囲や動作マージンが拡大できる。
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の動作を説明するためのバンド
図である。
図である。
【図3】本発明の実施例の素子の電流−電圧特性を示す
図である。
図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の別の実施例の動作を説明するためのバ
ンド図である。
ンド図である。
1 p型GaSb層 2 真性AlSb層 3 真性InAs層 4 ドレイン電極拡散領域 5 ドレイン電極 6 ゲート電極 7 ソース電極拡散領域 8 ソース電極 9 2次元電子ガス 10 2次元正孔ガス 11 n型InAs層 12 真性GaSb層
Claims (2)
- 【請求項1】 p型の伝導特性を持つ第一の半導体と、
第一の半導体より電子親和力が小さく第一イオン化エネ
ルギーが大きい第二の半導体、真性で第一の半導体の第
一イオン化エネルギーより大きな電子親和力を持つ第三
の半導体により構成され、第二の半導体は第一の半導体
から第三の半導体にトンネル電流が流れるのに十分なほ
ど薄く、第三の半導体上にソース電極、ゲート電極、ド
レイン電極を持つことを特徴とするトンネリング電界効
果トランジスタ。 - 【請求項2】 n型の伝導特性を持つ第一の半導体と、
第一の半導体より電子親和力が小さく第一イオン化エネ
ルギーが大きい第二の半導体、真性で第一の半導体の電
子親和力より小さな第一イオン化エネルギーを持つ第三
の半導体より構成され、第二の半導体は第一の半導体か
ら第三の半導体にトンネル電流が流れるのに十分なほど
薄く、第三の半導体上にソース電極、ゲート電極、ドレ
イン電極を持つことを特徴とするトンネリング電界効果
トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4646092A JP2936871B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | トンネリング電界効果トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4646092A JP2936871B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | トンネリング電界効果トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05267353A true JPH05267353A (ja) | 1993-10-15 |
JP2936871B2 JP2936871B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=12747778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4646092A Expired - Lifetime JP2936871B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | トンネリング電界効果トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2936871B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08186271A (ja) * | 1994-12-28 | 1996-07-16 | Nec Corp | トンネルトランジスタの製造方法 |
-
1992
- 1992-03-04 JP JP4646092A patent/JP2936871B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08186271A (ja) * | 1994-12-28 | 1996-07-16 | Nec Corp | トンネルトランジスタの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2936871B2 (ja) | 1999-08-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990511 |