JPH05266373A - トンネル火災検知システム - Google Patents

トンネル火災検知システム

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JPH05266373A
JPH05266373A JP6607591A JP6607591A JPH05266373A JP H05266373 A JPH05266373 A JP H05266373A JP 6607591 A JP6607591 A JP 6607591A JP 6607591 A JP6607591 A JP 6607591A JP H05266373 A JPH05266373 A JP H05266373A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 火災の発生を早期に検出することができる、
しかも、火点の状況をより正確に検出することができる
トンネル火災検知システムを提供する。 【構成】 火災検知に炎センサ18に加えて、光ファイ
バ温度センサ38をも利用することとした。トンネル内
の場合、風が温度に影響を与える。そこで、風向風速計
19からの情報を利用して、温度異常を判定するための
閾値を更新したり、温度異常と検出された位置の補正を
行なうこととした。なお、光ファイバ温度センサ38の
検出位置分解能は狭いので、温度センサ単独の区画表示
をも行なうこととしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネルの火災発生を
検知して報知するトンネル火災検知システムに関し、特
に、自動車用のトンネルに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用トンネルの場合、自動車が通過
する毎にほこりが舞い上がり、このほこりが火災発生の
際の煙と区別し難く、そのため、従来のトンネル火災検
知システムは、煙センサを用いずに炎センサを用いたも
のであった。
【0003】図2は、このような従来のトンネル火災検
知システム(トンネル防災システムの一部)の構成を示
すものである。
【0004】図2において、このトンネル火災検知シス
テム10は、防災センタシステム11、防災サブセンタ
システム12、複数の炎センサ用テレメータ装置13、
防災表示盤14、風向風速表示器15、風向風速計用テ
レメータ装置16、案内表示板制御装置17、複数の炎
センサ18、複数の風向風速計19及び複数の案内表示
板20を備えるものである。この他に、換気制御装置や
ITV(産業用テレビジョン)カメラ制御装置や信号機
制御装置や照明制御装置等を備えている。
【0005】なお、複数の炎センサ18、複数の風向風
速計19及び複数の案内表示板20は、トンネル内に設
けられている。
【0006】防災センタシステム11は、防災サブセン
タシステム12等から与えられる情報等に基づいてトン
ネル内の各種防災設備を管理するものである。防災サブ
センタシステム12は、トンネル内の火災面の設備を中
心に管理するものである。防災サブセンタシステム12
には、炎センサ用テレメータ装置13から火災発生の情
報が与えられるようになっている。
【0007】各テレメータ装置13からトンネル内に引
き出されている回線には、複数の炎センサ18が等間隔
(例えば25m)に設けられている。各テレメータ装置
13は、トンネル内の所定区域(例えば800m単位)
内の複数の炎センサ18を担当するものである。図示は
省略するが、実際上は、水噴霧設備も担当している。各
テレメータ装置13は、区域内の炎センサ18から与え
られた火災発生情報を取込んで防災サブセンタシステム
12に与えるものである。
【0008】炎センサ18は、トンネルの壁面(例えば
高さ1.5m)に設けられるものであり、例えば燃焼に
よって発生する2酸化炭素のちらつきに基づいて炎を検
出するものである。各炎センサ18は、上下方向及び左
右方向にかなり広い指向性を有し、隣接する炎センサ1
8の検出範囲が一部重複するようになされている。
【0009】防災表示盤14は、区画を明確にしてトン
ネル内設備の状況を表示するものである。例えば、火災
発生区画(自動通報区画)も表示される。なお、ある炎
センサ18からの検出情報に基づいて火災発生を表示し
た区画は、その後、その炎センサ18から検出情報がな
くなっても継続して火災発生状態として表示されるよう
になされている。
【0010】風向風速計用テレメータ装置16は、風向
風速計19からの風向風速情報を取込んで表示器15に
与えて表示させるものである。この表示は、例えば監視
員に目視されて避難誘導場所の決定等に利用される。
【0011】案内表示板制御装置17は、防災センタシ
ステム11からの情報に基づいて案内表示板20の表示
制御を行なうものであり、例えば、火災発生やトンネル
内への進入禁止等を表示させるものである。
【0012】以上の構成を有する従来システムにおい
て、火災発生時には、以下のような処理が行なわれる。
【0013】火災の発生を検知した炎センサ18はテレ
メータ装置13に通知する。テレメータ装置13は、検
知した炎センサ18の設置位置情報を防災サブセンタシ
ステム12に送信する。
【0014】この情報を受けると、防災サブセンタシス
テム12はそれが第1報か否かを判断する。第1報であ
れば、防災センタシステム11に予告情報を送信すると
共に、予告情報が必要な各種装置に、火災発生の区画番
号と火災発生の予告情報を送信する。防災サブセンタシ
ステム12は、火災通知(炎センサの設置位置情報)を
受信したときに既に第1報を受信していると、火災と判
定し、炎センサ18が設置されている区画番号を、火災
通知を受ける毎に、防災センタシステム11、防災表示
盤14、その他の各種装置に送信する。
【0015】防災センタシステム11は、この情報を基
に、かつ監視員の指示により、案内表示板制御装置17
に、ドライバーへの警報(火災発生、進入禁止)等の表
示指示を送信する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
システムは、以下の欠点を有するものであった。
【0017】(1) 従来の市販されている炎センサ18
は、検出感度の最も高いものであっても、0.5平方メ
ーロルの火皿に2リットル以上のガソリンを入れて燃や
した場合の基準炎を検出するものであった。火災で炎が
このような基準炎程度になるのは、かなり燃え出してか
らであり、すなわち、火災がかなり大規模になってから
であり、火災発生の検出が遅れてしまうという問題があ
る。
【0018】最近の多くの火災の場合、炎が生じる前に
煙が生じている。従って、炎センサ18の感度を向上さ
せたとしても発見が遅れる。しかし、上述したように、
ほこりが多いトンネル内には煙センサを適用することが
できない。
【0019】(2) 炎センサ18は、いずれのものであっ
ても結局は光学的に検知するものである。そのため、火
災が発生した自動車と炎センサ18との間に例えば大型
の自動車があるような場合には、火災を検知することが
できない。実際上、渋滞状態においては、このようなこ
とが生じる可能性は大きい。仮に、両壁面に炎センサ1
8を設けたとしても、炎センサ18の設置間に複数の自
動車が存在し得るのでこのようなことを避けることがで
きない。炎センサ18の設置間隔を狭めた場合には、炎
センサ18の保守が大変となる。上述のように、光学的
に検知するものであるため、炎センサ18の受光窓をき
れいにしておくことを要するが、排気ガス等によって不
動作の要因となる汚れが付着することを避け得ず、保守
を頻繁に行なうことが必要である。
【0020】(3) 実際上、炎センサ18が検知した場合
には、そのセンサに近い位置のITVカメラ(図示せ
ず)による撮像画像によって火災発生点(以下、火点と
呼ぶ)の状況を把握しようとする。しかし、多くの場
合、上述したように煙が先に立ち込めるので、その状況
をとらえることができない。大規模トンネルの場合、貯
蔵されている水を有効に用いるため、水を噴霧する区画
を設定しており、そのため、火点が移動しているのか拡
大しているのかを区別して検出することが求められる。
また、避難誘導の面からも火点状況を正確に検出するこ
とが求められる。そのため、ITVカメラが有効に機能
しないことは問題である。炎センサ18の設置間隔は上
述のように狭め難いものであり、火点状況の検出には炎
センサ18は有効に機能しにくいものである。
【0021】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、火災の発生を早期に検出することができる、
しかも、火点の状況をより正確に検出することができる
トンネル火災検知システムを提供しようとするものであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、トンネル内の火災を検知して報知する本発明のトン
ネル火災検知システムにおいては、以下の手段を設け
た。
【0023】すなわち、トンネルの長手方向に敷設され
たトンネル幅方向に少なくとも1本以上の光ファイバ温
度センサと、この光ファイバ温度センサに光線を入力
し、その通過光又は後方散乱光に基づいて火災発生及び
火災発生位置を検知する光ファイバ温度計測手段と、ト
ンネル内の風向風速を計測する風向風速計測手段と、光
ファイバ温度計測手段が検知した火災発生位置を、風向
風速計測手段による風向風速情報に基づいて補正する火
災発生位置補正手段と、火災発生を発生位置と共に報知
する温度検知火災報知手段とを設けた。
【0024】ここで、温度検知火災報知手段が、火災発
生を検知しなくなった位置情報をも、非火災発生位置と
区別して報知することが好ましい。
【0025】また、光ファイバ温度センサとして後方散
乱光に基づくものを適用すると共に、後方散乱光の戻り
時間に基づいて光ファイバ温度センサの切断を検出する
光ファイバ切断検出手段と、検出された切断を報知する
切断報知手段とを設けることが好ましい。
【0026】さらに、光ファイバ温度計測手段による検
出温度情報に基づいて、トンネル内の温度分布を表示す
る温度分布表示手段を設けたことが好ましい。
【0027】さらにまた、光ファイバ温度計測手段が、
外部からの指示によりトンネル内の特定位置の温度だけ
を検出し得るようにすると共に、その特定位置の温度を
表示する特定位置温度表示手段を設けることが好まし
い。
【0028】また、避難場所に誘導する避難誘導案内表
示板と、この避難誘導案内表示板を表示制御する避難誘
導案内表示板表示制御手段とを備えることが好ましい。
【0029】
【作用】本発明は、温度面から火災を発見できるように
して、早期発見、狭い位置分解能を可能としたものであ
る。すなわち、トンネルの長手方向に沿うトンネル幅方
向に少なくとも1本以上の光ファイバ温度センサと、こ
の光ファイバ温度センサに光線を入力し、その通過光又
は後方散乱光に基づいて火災発生及び火災発生位置を検
知する光ファイバ温度計測手段とを設けたものである。
また、トンネル内の風によって高温となる位置が火災位
置からずれるのでそれを補正すべく、トンネル内の風向
風速を計測する風向風速計測手段と、光ファイバ温度計
測手段が検知した火災発生位置を、風向風速計測手段に
よる風向風速情報に基づいて補正する火災発生位置補正
手段とを設けたものである。このようにして検知した火
災発生を発生位置と共に、温度検知火災報知手段が報知
する。
【0030】温度検知の場合、温度低下によって鎮火を
検出し得、火点回りの状況を監視員に認識させるべく、
温度検知火災報知手段が、火災発生を検知しなくなった
位置情報をも、非火災発生位置と区別して報知すること
が好ましい。これにより、火点の移動や火点の拡大等を
認識することができる。
【0031】また、温度面の監視を常にできるようにし
ておくためには光ファイバ温度センサの状況を捕らえて
おく必要があり、そこで、光ファイバ温度センサとして
後方散乱光に基づくものを適用すると共に、後方散乱光
の戻り時間に基づいて光ファイバ温度センサの切断を検
出する光ファイバ切断検出手段と、検出された切断を報
知する切断報知手段とを設けることが好ましい。
【0032】さらに、避難場所をトンネル内の中から見
つけることを考慮すると、光ファイバ温度計測手段によ
る検出温度情報に基づいて、トンネル内の温度分布を表
示する温度分布表示手段を設けることが好ましい。
【0033】さらにまた、決定した避難予定場所が最適
か否かの確認をできるように、光ファイバ温度計測手段
が、外部からの指示によりトンネル内の特定位置の温度
だけを検出し得るようにすると共に、その特定位置の温
度を表示する特定位置温度表示手段を設けることが好ま
しい。
【0034】このように確認しつつ避難場所を決定する
ことができるので、その避難場所に誘導する避難誘導案
内表示板と、この避難誘導案内表示板を表示制御する避
難誘導案内表示板表示制御手段とを設けることが好まし
い。
【0035】
【実施例】以下、本発明によるトンネル火災検知システ
ムの一実施例をを図面を参照しながら説明する。
【0036】全体構成 まず、全体構成を図1を参照しながら説明する。なお、
図1において、図2との同一、対応部分には同一符号を
付して示している。
【0037】この実施例において、トンネル内部につい
て新たに設けられた構成は、光ファイバ温度センサ38
及び複数の避難誘導案内表示板39である。また、トン
ネル外部について新たに設けられた構成は、光ファイバ
温度計測器33、温度分布表示装置35、避難誘導案内
表示板制御装置37であり、内部構成や機能が従来から
変更された構成は、防災センタシステム31、防災サブ
センタシステム32、防災表示盤34、風向風速計用テ
レメータ装置36である。
【0038】このような従来との相違は、光ファイバ温
度センサ38を設けたことによるものである。
【0039】光ファイバ温度センサ38は後方散乱光を
利用したものであり、トンネルの全長をカバーするよう
にトンネルの頂部に設けられている。なお、光ファイバ
温度センサ38の検出可能な長さ(大体2〜3km程
度)よりトンネルの長さが長い場合には、光ファイバ温
度計測器33及び光ファイバ温度センサ38の組を複数
組設けることを要する。光ファイバ温度計測器33がパ
ルスを発生した場合光ファイバ温度センサ38の各部か
ら後方散乱光が生じるがその後方散乱光の強度はその位
置での温度に応じたものとなっており、位置は戻り光の
時間に応じたものとなっており、このような特性を有す
る後方散乱光が光ファイバ温度計測器33に到達する。
このようにして得た温度情報を光ファイバ温度計測器3
3は、防災サブセンタシステム32に与えると共に、こ
の温度情報に基づいて火災発生の検知を行なう。この検
知動作は、正確性を期して、絶対的な温度上昇及び温度
上昇率の双方によって行なっている。なお、この検知に
用いる閾値は防災サブセンタシステム32から与えられ
る。実際上、50cm程度の分解能で火災発生を検出す
ることができる。光ファイバ温度計測器33の詳細構成
を図4に示しており、これについては後述する。
【0040】炎センサ18の検出感度基準を満たすとき
には、実際上100〜200度位になっていることが多
いが、光ファイバ温度計測器33では40〜50度程度
で火災を検知できる。すなわち、早期に火災を検知する
ことができる。
【0041】光ファイバ温度センサ38及び光ファイバ
温度計測器33によれば、このように位置的にも時間的
にも炎センサ18より検知特性が良いにも拘らず、炎セ
ンサ18を残すようにしたのは、光ファイバ温度計測器
33の故障や、大型自動車等による光ファイバ温度セン
サ38の切断を考慮したためである。
【0042】風向風速計19からの情報を取込むテレメ
ータ装置36は、この実施例の場合、風向風速情報を防
災サブセンタシステム32に与えるようになされてい
る。
【0043】この実施例の防災サブセンタシステム32
は、図3に示す詳細構成を有するものであり、炎センサ
用テレメータ装置13からの情報や、光ファイバ温度計
測器33からの情報や風向風速計用テレメータ装置36
からの情報に基づいて、火災判定や火災判定区画の検知
等を行なうものである。また、火災情報を防災センタシ
ステム31に報告したり、温度分布表示装置(例えばC
RTディスプレイ)35に各位置での温度を表示させた
り、防災表示盤34に火災状況を表示させたりする。さ
らに、換気制御装置やITV(産業用テレビジョン)カ
メラ制御装置や信号機制御装置や照明制御装置や避難誘
導案内表示板制御装置37に対する制御を行なうもので
ある。
【0044】防災センタシステム31は、全体のシステ
ムを管理するものであり、火災情報を各種装置に供給す
るものであり、この実施例の場合、避難誘導案内表示板
制御装置37にも火災情報を与えるものである。
【0045】避難誘導案内表示板制御装置37は、防災
サブセンタシステム32や防災センタシステム31から
の情報に基づいて、避難場所への誘導表示を行なう避難
誘導案内表示板39を制御するものである。光ファイバ
温度センサ38を用いたので位置検出の分解能が高く、
また、火災状況を正確に認識でき、そこで、この実施例
の場合、避難誘導案内表示板27を設けることとした。
【0046】防災サブセンタシステム32の詳細構成 次に、防災サブセンタシステム32の詳細構成を図3を
用いて説明する。
【0047】防災サブセンタシステム32は、中央処理
部40と、記録部41と、中央処理部40との間で各種
情報を授受する各種の入出力処理部とから構成されてい
る。中央処理部40は、記憶部41に格納されている図
5〜図9に詳細を示す処理プログラムに従い、当該防災
サブセンタシステム32としての処理を実行するもので
ある。記憶部40は、上述した処理プログラムや各種入
出力処理部から与えられた情報や各種のデータテーブル
等を記憶するものである。この実施例の場合、データテ
ーブルに格納されるデータとしては、風向風速に応じて
光ファイバ温度センサ38の情報から検知した火点位置
を補正するためのデータや、光ファイバ温度計測器33
に与える季節別かつトンネル位置別の火災判断用基準温
度(この温度と検出温度との差が問題となる)閾値のデ
ータや、光ファイバ温度計測器33が利用する風向風速
に応じた火災判断用の閾値のデータ等である。
【0048】各種の入出力処理部として、光ファイバ温
度計測器33とで情報を授受する送受信部42と、風向
風速計用テレメータ装置36からの情報を受信する受信
部43と、防災表示盤34に情報を送信する送信部44
と、監視員が操作した操作情報を取込む防災操作卓処理
部(防災操作卓及びプリンタを含む)45と、炎センサ
用テレメータ装置13(なお、このテレメータ装置は実
際上水噴霧設備との通信にも介在するものである)とで
情報を授受する送受信部46と、防災センタシステム3
1との間で情報を授受する送受信部47と、温度分布表
示装置35に情報を送信する送信部48と、図示は省略
するが換気制御装置やITV(産業用テレビジョン)カ
メラ制御装置や信号機制御装置や照明制御装置等に情報
を送信する送信部とが設けられている。
【0049】なお、光ファイバ温度計測器送受信部42
が受信する情報は、温度計測位置と温度情報、第1報情
報区分、ファイバ切断情報等である。光ファイバ温度計
測器送受信部42が送信する情報は、火災判断用閾値、
季節別かつトンネル位置別の火災判断用基準温度、指定
区域温度送信要求、定期全データ送信要求等である。風
向風速計用テレメータ装置受信部44が受信する情報
は、風速監視位置と風速情報、風向監視位置と風向情報
である。炎センサ用テレメータ装置受信部46が受信す
る情報は、従来の技術の項で説明したように検知した炎
センサ18の設置位置情報である。各種装置への送信情
報は、温度情報及び位置情報、火災区画情報等である。
【0050】中央処理部40は、このような情報を授受
しながら防災処理を行なう。
【0051】光ファイバ温度計測器33の詳細構成 次に、光ファイバ温度計測器33の詳細構成を図4に基
づいて説明する。光ファイバ温度計測器33は、詳細に
は、中央処理部(プログラムメモリ等を含む概念)5
0、管理情報記憶部51、計測情報記憶部52、温度計
測用パルス発生部53、後方散乱光受信部54、防災サ
ブセンタ受信処理部55及び防災サブセンタ送信処理部
56とからなっている。
【0052】中央処理部50は、後述する図10に示す
処理を実行するものであり、その際、必要に応じて、管
理情報記憶部51及び計測情報記憶部52の記憶内容を
利用する。
【0053】管理情報記憶部51は、大きくいえば、温
度判定情報と情報送信要求とを格納するものである。温
度判定情報は、詳細には、絶対的な温度上昇の異常判定
閾値と、温度上昇率からの異常判定閾値と、季節別位置
別基準温度情報と、火点区画情報とである。絶対的な温
度の異常判定閾値及び温度上昇率からの異常判定閾値
は、上述したように、防災サブセンタシステム32から
随時与えられるものである。季節別位置別基準温度情報
は、防災サブセンタシステム32からそのイニシャル処
理のときに与えられるものである。絶対的な温度上昇の
異常判定は、検出温度とこの季節別位置別基準温度との
差が絶対的な温度状の異常判定閾値より大きいか否かで
行なう。火点区画情報は、火災と判定された区画であ
る。情報送信要求は、防災サブセンタシステム32から
与えられるものであり、上述したように定期送信要求と
指定区域送信要求とがある。この指示があるときに中央
処理部50は温度異常検出処理を実行して、必要に応じ
て防災サブセンタ送信処理部56に送信を実行させる。
【0054】計測情報記憶部52は、後方散乱光受信部
54が受信した情報、それから計算した位置情報と対応
付けられた温度情報、第1報火災発生情報、及びファイ
バ切断情報を格納するものである。
【0055】温度計測用パルス発生器53は、中央処理
部50によってサンプリングが指示されたときにパルス
を光ファイバ温度センサ38に入射するものであり、後
方散乱光受信部54はそのとき受信した後方散乱光をデ
ジタルデータに変換して中央処理部50の制御下で計測
情報記憶部52に格納させるものである。
【0056】防災サブセンタ受信処理部55は、防災サ
ブセンタシステム32からの情報を受信して管理情報記
憶部51に格納させるものである。中央処理部50はイ
ニシャライズの一つの処理としてこの防災サブセンタ受
信処理部55に起動指示を与える。これにより、防災サ
ブセンタ受信処理部55は、処理を開始し、受信情報が
あるか否かを判断し、ある場合には、その情報を管理情
報記憶部51に登録して判断処理に戻り、ない場合には
判断処理を繰り返す。なお、この防災サブセンタ受信処
理部55と中央処理部50との処理は非同期である。
【0057】防災サブセンタ送信処理部56は、中央処
理部50によって指示された情報を送信するものであ
る。送信情報としては、火点位置情報、温度情報、第1
報火災発生情報及びファイバ切断情報とがある。中央処
理部50はイニシャライズの一つの処理としてこの防災
サブセンタ送信処理部56に起動指示を与える。これに
より、防災サブセンタ送信処理部56は、処理を開始
し、送信すべき情報があるか否かを判断し、ある場合に
は、その情報を防災サブセンタシステム32に送信して
判断処理に戻り、ない場合には判断処理を繰り返す。な
お、この防災サブセンタ送信処理部56と中央処理部5
0との処理は非同期である。
【0058】防災サブセンタシステム32の防災処理 次に、中央処理部40が実行する処理を、図5〜図9の
フローチャートを用いて説明する。
【0059】図5は、大概念の処理フローチャートを示
すものである。中央処理部40は、処理を開始するとま
ずイニシャライズを行なった後、イベントを受付け、そ
のイベントの処理を実行することを指示する(ステップ
100、101)。なお、処理イベントは、通常は所定
順番又は内蔵するタイマからの割込みに従うものである
が、その直前のイベントの処理結果や防災操作卓処理部
45からの割込み等によっても定まるものである。
【0060】処理イベントが、火災判断用温度閾値の更
新処理イベントであると図6に示す処理を行ない(10
2)、処理後にステップ101に戻る。処理イベント
が、光ファイバ温度計測器33からの受信処理イベント
であると図7に示す処理を行ない(103)、処理後に
ステップ101に戻る。処理イベントが、防災操作卓処
理部45からの区域を指定された温度情報送信要求の指
示受付けイベントであると図8に示す処理を行ない(1
02)、処理後にステップ101に戻る。処理イベント
が、炎センサ用テレメータ装置13からの受信処理イベ
ントであると図9に示す処理を行ない(102)、処理
後にステップ101に戻る。
【0061】次に、火災判断用温度閾値の更新処理イベ
ントを図6を用いて説明する。
【0062】このイベントは、所定周期で繰り返される
ものである。まず、記憶部41からトンネルの所定位置
の風向風速情報を取込み、今までの風向風速情報と同じ
であるか否かを判断する(ステップ200、201)。
なお、風速を数段階の範囲に分けており、上述の判断は
同一範囲にあるか否かで行なっている。また、トンネル
を入口、中間部、出口の区分(防災範囲よりかなり大雑
把に区分している)して各区分ごとで判断している。風
向風速情報の受信格納処理イベントについては図示を省
略するが、所定周期で繰り返されている。
【0063】上述の判断によって同じであるという結果
を得ると、次のイベントの受付け処理に戻る。他方、異
なるという結果を得ると、新しい範囲の風向風速になっ
てから所定時間経過したか否かを判断する(ステップ2
02)。この判断は、突発的な風向風速の変化の影響を
除去するためのものである。所定時間経過していない場
合には、次のイベントの受付け処理に戻る。新しい範囲
の風向風速になってから所定時間経過すると、火災判断
用温度閾値の情報を更新し、更新した火災判断用温度閾
値の情報を光ファイバ温度計測器33に送信して次のイ
ベントの受付け処理に戻る(203、204)。
【0064】記憶部41には、光ファイバ温度計測器3
3が火災と判断するために用いる基準温度が、トンネル
の区分(入口、中間、出口)別かつ季節別に格納されて
いるが、風速が大きい場合には、トンネル内の温度が低
くなるので早期発見を期した場合、その基準温度とから
の差を表す閾値も下げる必要があり、風速が小さい場合
には、トンネル内の温度が高くなるので誤検出を防止す
るために上げる必要があり、このような更新処理を設け
ている。温度上昇率に対する閾値も同様な理由から更新
している。
【0065】次に、光ファイバ温度計測器33からの受
信処理イベントを、図7を用いて説明する。なお、全温
度情報の送信要求を光ファイバ温度計測器33に送信す
る処理イベントが定期的に実行されており、また、トン
ネル区域を特定しての送信要求を光ファイバ温度計測器
33に送信する処理イベント(図7参照)が監視員の指
示によって実行されている。また、光ファイバ温度計測
器33は、火災が発生したとき及び火災発生後は自動的
に所定周期で送信を行なっている。
【0066】まず、光ファイバ温度計測器33からの受
信情報を取込む(ステップ300)。そして、この情報
に基づいて、光ファイバ温度センサ38に切断が生じて
いるか否かを判断する(ステップ301)。切断されて
いても切断点に至る前の場所からは後方散乱光が光ファ
イバ温度計測器33に戻ってきており、光ファイバ温度
計測器33は最終戻り点とトンネル長とを比較して切断
の有無を判断しており、検知したときに送信を行なって
いる。切断されている場合には、切断情報をプリンタに
印字させ、警報表示を防災表示盤34に表示させた後次
のイベント受付け処理に戻る(ステップ302)。
【0067】切断されていない場合には火災情報(火点
位置情報を含む)が与えられたか否かを判断する(ステ
ップ303)。火災情報が与えられていないと、過去に
予告報としての意味を有する光ファイバ温度計測器33
からの第1報の火災情報が与えられているか否かを判断
する(ステップ304)。第1報の火災情報が与えられ
ていると、現時点では火災情報が与えられていないが、
まだ火災発生の可能性があるので、火災発生か否かを見
極めることができる所定時間(数分)が経過したか否か
を判断する(ステップ305)。第1報の火災情報が与
えられたがその後所定時間の間火災情報が与えられない
場合には、誤報であったとして第1報を取消す(ステッ
プ306)。
【0068】現時点でも過去においても火災情報が与え
られていない場合(ステップ304で否定)、第1報の
火災情報が与えられた以降所定時間が経過していない場
合には(ステップ305で否定)、監視員が図8の処理
イベントを指示したか否かを判断する(ステップ30
7)。すなわち、区域を指定した温度情報の取込みを指
示したか否かを判断する。定期的な温度情報の取込み処
理の時間間隔は一刻を争う場合には長い間隔であり、第
1報が与えられた場合、監視員は火災情報が与えられて
いない避難予定場所の区域の温度情報の確認を指示する
ようになっている。このような指示がなされていない場
合には、次のイベントの受付け処理に戻る。指示してい
た場合には、その区域の温度情報を表示することを防災
監視盤34に指示し、防災監視盤33の避難予定場所の
温度表示部に温度を表示させた後、次のイベントの受付
け処理に戻る(ステップ308、309)。
【0069】光ファイバ温度計測器33からの受信情報
に火災情報が含まれていると(ステップ303で肯
定)、風向風速情報に基づいて、与えられた区域情報の
補正処理を行なう(ステップ310)。風がある場合に
は、火災発生位置と光ファイバ温度計測器33が検知し
た位置とは異なるものとなり、このずれを補正する。そ
の後、第1報か否かを判断する(ステップ311)。
【0070】光ファイバ温度計測器33からの第1報で
あると、炎センタ用テレメータ装置13からの第1報が
既にあったか否かを判断する(ステップ312)。
【0071】温度面からの第1報があるが炎面からの第
1報がない場合には、温度面からの第1報があったこと
をセットした後、上述した送信情報を防災センタシステ
ム31や防災表示盤34やITVカメラ制御装置やその
他の関連装置に送信した後、次のイベントの処理に進む
(ステップ313〜317)。このとき、ITVカメラ
制御装置は撮像を開始し、又は、撮像位置をその第1報
の位置に向ける。また、防災表示盤34は温度面での第
1報があったことを区画(なお、後述するように温度に
ついての表示区画は炎についての火災発生区画(自動通
報区画)と別個に設けられており、これより狭くなされ
ている)と共に表示する。
【0072】他方、温度面からの第1報及び炎面からの
第1報が共にあると(ステップ312で肯定)、これら
が指示している区画が同一であるか否かを判断する(ス
テップ318)。同一でない場合には、上述したステッ
プ313に進む。これに対して各第1報が指示する区画
が同一であると、続報を待つことなく火災発生を認知し
て火災発生区画をセットして(ステップ319)、この
こと及び温度情報を防災センタシステム31や防災表示
盤34やITVカメラ制御装置やその他の関連装置や温
度分布表示装置35に送信した後、次のイベントの処理
に進む(ステップ314〜318、320)。このと
き、ITVカメラ制御装置は撮像を開始し、又は、撮像
位置をその検知位置に向ける。また、防災表示盤34は
温度面での区画及び自動通報区画を火災発生状態で表示
する。温度分布表示装置35は、トンネル内の温度分布
をグラフ的に表示する。
【0073】火災情報が第1報より後のものであると
(ステップ311で否定)、その位置を直ちに火災区画
として設定する(ステップ321)。その後、温度情報
に基づいて、火点の拡大や火点の移動の判定を行なう
(ステップ322)。上述したように、光ファイバ温度
センサ38の分解能は狭いので、温度分布によって火点
の拡大(火災を発生した自動車が停車しており燃焼が他
の自動車に移っていくような場合)や火点の移動(火災
が発生した自動車が走行を続けているような場合)を区
別して判断することができる。すなわち、新たに検知し
た区画や検知をしなくなった区画等をこまめに検出する
ことができる。火点の移動の場合にはそれに応じた情報
をセットし、火点の拡大の場合はそれに応じた情報をセ
ットして(ステップ323、324)、防災センタシス
テム31や防災表示盤34やITVカメラ制御装置やそ
の他の関連装置や温度分布表示装置35に送信した後、
次のイベントの処理に進む(ステップ314〜318、
320)。防災表示盤34は温度面での区画及び自動通
報区画の火災発生状態(ある区画の終了を含む)を表示
する。
【0074】次に、防災操作卓処理部45からの区域を
指定しての温度情報送信要求の指示受付けイベントを、
図8を用いて説明する。上述したように、監視員は、必
要に応じて、区域を指定した温度情報の取込みを指示す
る。すなわち、定期的な温度情報の取込み処理の時間間
隔は一刻を争う場合には長い間隔であり、第1報が与え
られた場合、監視員は上述したように火災情報が与えら
れていない避難予定場所の区域の温度情報の確認を指示
するようになっている。
【0075】中央処理部40は、防災操作卓処理部45
から区画情報等を取込み、その後、要求区画情報セット
して光ファイバ温度計測器33に温度情報の要求を送受
信部42に指示し、その要求データを光ファイバ温度計
測器33に転送させる(ステップ(400〜402)。
そして、次のイベントの処理に進む。
【0076】次に、炎センサ用テレメータ装置13から
の受信処理イベントを、図9を用いて説明する。なお、
この処理イベントは、第1報時は割込みによって開始さ
れ、第1報があった後は定期的に実行される。
【0077】まず、炎センサ用テレメータ装置13から
の受信情報を取込む(ステップ500)。そして、第1
報か否かを判断する(ステップ501)。
【0078】第1報であると、炎センサ第1報をセット
し、火災発生区画を設定した後(ステップ502、50
3)、防災センタシステム31や防災表示盤34やIT
Vカメラ制御装置やその他の関連装置に送信し、次のイ
ベントの処理に進む(ステップ504〜507)。この
とき、ITVカメラ制御装置は撮像を開始し、又は、撮
像位置をその変更する。また、防災表示盤34は炎面で
の第1報があったことを火災発生区画(自動通報区画)
と共に表示する。
【0079】他方、第1報でないと、火災があるか否か
を判断する(ステップ508)。火災がない場合には、
第1報を取り消して次のイベントの処理に進む(ステッ
プ509)。これに対して、第2報以降であると、複数
火災の発生の確認と火災区画の設定処理を行なう(ステ
ップ510)。炎センサ用テレメータ装置13は、今ま
で未検知状態の炎センサ18が検知したとき続報を送信
するので、この処理によっては常に火災発生区画が増加
する。なお、火災発生を設定した区画がその後火災が終
了してもそのことを取り消すことは実行されない。上述
した設定処理を終わると、防災センタシステム31や防
災表示盤34やITVカメラ制御装置やその他の関連装
置に送信し、次のイベントの処理に進む(ステップ50
4〜507)。このとき、所定位置のITVカメラは撮
像を開始し、又は、撮像位置を変更する。また、防災表
示盤34は火災発生区画を追加表示する。
【0080】光ファイバ温度計測器33の温度異常検出
処理 次に、光ファイバ温度計測器33の温度異常検出処理を
図10を用いて説明する。中央処理部50は、イニシャ
ライズ(火点のクリア処理、送受信処理の起動等)を行
なった後は、図10に示す温度異常検出処理を繰り返し
行なう(ステップ600)。
【0081】そしてまず、ある区画内の温度データをサ
ンプリングする(ステップ601)。温度計測用パルス
発生器53からパルスを発生させ、後方散乱光を後方散
乱光受信部54で受信して一旦計測情報記憶部52に記
憶させたデータに基づいて、後方散乱光の戻り時間から
距離を計算して距離データL(X)をサンプリングし、
後方散乱光の強度から得た温度と季節別位置別基準温度
との差を温度データT(X)としてサンプリングする。
【0082】このようなサンプリングが終了すると、管
理情報記憶部51の情報送信要求についての記憶内容に
基づいて、サンプリングデータが送信要求データである
か否かを判断し、送信要求データであれば温度情報を正
常、異常を明らかにして(後述するステップ606と同
様な処理を実行している)送信バッファに格納して送信
指示を行なう(ステップ602、603)。
【0083】防災サブセンタシステム32への送信を指
示した場合、又は、送信要求が防災サブセンタシステム
32から与えられていない場合には、既に火災発生を検
知している(火災発生中)か否かを判断する(ステップ
604)。火災発生中であると、さらに、今対象となっ
ているサンプリングデータはその発生中の区画の情報で
あるか否かを判断する(ステップ605)。
【0084】火災発生中でない場合、又は、火災発生中
であるが対象のサンプリングデータが火災発生中の区画
外のデータであるときには、すなわち、今まで火災と判
定されていない区画のデータであると、温度上昇確認処
理を行なう(ステップ606)。この温度上昇確認処理
は、同一地点の直前の温度と今回の温度とに基づいた温
度上昇率R(X)の計算処理(606a)と、絶対的な
温度上昇とその閾値との比較、及び、温度上昇率とその
閾値との比較処理(606b)でなる。
【0085】このような温度上昇確認処理を所定の間隔
(例えば50cm程度)で実行し終えると、又は、途中
で異常と判別すると、火災判定の処理に進む(ステップ
607)。
【0086】この結果、火災が発生していない場合に
は、最終計測地点の距離を認識して、この距離を光ファ
イバ温度センサ38の長さと比較する(ステップ60
8、609)。光ファイバ温度センサ38の長さと等し
い場合には、直ちに温度データのサンプリング処理に戻
る。他方、光ファイバ温度センサ38の長さより短い場
合には、光ファイバ温度センサの切断情報の送信を指示
して温度データのサンプリング処理に戻る(ステップ6
10)。
【0087】これに対して火災発生と判断すると、火点
位置を抽出して管理情報記憶部51に格納させると共
に、第1報情報を作成し、その後、温度、位置情報等の
送信を指示して温度データのサンプリング処理に戻る
(ステップ611、612)。なお、火災発生中であっ
てサンプリングデータがその発生区間内のデータである
と(ステップ605で肯定)、温度上昇等を確認するこ
となく、温度、位置情報の送信を指示して温度データの
サンプリング処理に戻る(ステップ612)。これは、
鎮火動作が開始された後は温度が低下するので、温度上
昇等の確認が無意味になるためである。
【0088】防災表示盤の区画表示 次に、防災表示盤34による火災発生時の各種の区画表
示を、図11を用いて説明する。
【0089】表示区画としては、水噴霧区画60と、自
動通報区画(火災発生区画)61と、温度センサ区画6
2と、手動通報区画63とがある。
【0090】水噴霧区画60は、例えば50m程度(炎
センサの設置間隔の倍)を1区画としている。この区画
表示は、図示しない水噴霧設備を起動して消火を行なっ
ている区画か否かを示すものである。すなわち、点消灯
の違いによって、2状態の表示を行なうものである。水
噴霧設備の起動開始の情報によって表示状態が変化する
ものである。
【0091】自動通報区画61も、例えば50m程度を
1区画としている。この区画表示は、区画に火災が発生
しているか否かを示すものであり、点消灯及び表示色の
違いによって、3状態の表示を行なうものである。非火
災状態、第1報状態及び火災状態の表示を行なうもので
ある。上述したように、炎センサ18又は光ファイバ温
度センサ28からの情報に基づいて、表示状態が変化す
る。すなわち、炎センサ18が検知したときには、第1
報であれば第1報状態を表示し、第2報以降であれば火
災状態を表示する。温度センサ38が検知したときに
は、第1報であれば炎センサ18の第1報がその区画に
あれば火災状態を表示し、炎センサ18の第1報がその
区画になければ第1報状態を表示し、第2報以降であれ
ば火災状態を表示する。
【0092】温度センサ区画62は、例えば10m程度
を1区画としている。この区画表示は、区画に火災が発
生しているか否かを温度面について示すものであり、点
消灯及び表示色の違いによって、4状態の表示を行なう
ものである。非火災状態、第1報状態、火災状態及び続
報終了状態の表示を行なうものである。この表示状態
は、温度センサ38からの情報に基づく。温度センサ3
8だけが第1報を検知しているときには第1報状態を表
示し、温度センサ38が第1報を検知していてその区画
について炎センサ18も検知しているとき及び温度セン
サ38が続報を検知しているときには火災状態を表示
し、温度センサ38が続報を検知しなくなったときに続
報終了状態を表示し、この以外の場合に非火災状態を表
示するものである。
【0093】ここで、第1報状態及び火災状態だけでな
く続報終了状態をも表示するようにしたので、火点の移
動や火点の拡大等をITVカメラによらずに判断できる
ようになる。因に、炎センサ38の情報は検知した後
は、検知状態を維持し続けるものであるので炎センサ3
8からの情報だけによってはこのような表示を行なうこ
とができない。
【0094】手動通報区画63は、点消灯によって手動
通報があったか否かを表示するものである。図示してい
ないが、トンネル内には、手動通報用のボタンが所定間
隔(自動通報区画の3倍程度)で設けられており、この
ボタンが操作されたときに表示を行なう。
【0095】この図11は、続報が与えられているとき
の表示例を示すものである。この例の場合、自動通報区
画「1」については火災は終了又は鎮火に向かってお
り、自動通報区画「2」については自動通報区画「3」
に向かって火点が大きくなっていることを示している。
【0096】実施例の効果 上述した実施例によれば、次の効果を得ることができ
る。
【0097】(1) 光ファイバ温度センサ38を設けてい
るので、炎センサ18の死角の位置の火災や炎センサ1
8が汚れ等で非作動にある位置の火災を検知することが
できる。しかも、位置を狭い範囲で特定することができ
る。なお、風向風速情報を利用して検知位置の補正を行
なっているので位置の正確性を確保することができる。
【0098】(2) 光ファイバ温度センサ38は、40度
〜50度程度になったときに検知するので、火災発生を
早期に発見することができる。この際、風向風速情報を
利用して閾値温度を変えるようにしているので、風によ
る温度低下があっても誤検出を防止することができる。
因に、炎センサ18が検知するときの温度は100〜2
00度程度である。
【0099】(3) 光ファイバ温度センサ38及び炎セン
サ18によって検知しているので、検知精度が非常に高
くなる。
【0100】(4) 風向風速情報を防災サブセンタシステ
ム32に与えると共に、光ファイバ温度センサ38によ
って狭い範囲での温度の確認ができるので、避難場所を
適切に決定することができる。また、温度センサ38を
用いているので、ITVカメラによっては煙でなんにも
見えない状況でも火点の拡大や移動を区別することもで
き、避難場所を適切に決定することができる。炎センサ
18だけによる場合、避難予定場所の温度上昇異常(火
災と検知してはいないが)等を検出することができず、
避難場所として適当な場所を選定し得ない恐れもある。
【0101】(5) 光ファイバ温度センサ38は、排気ガ
ス等によって汚れが付着しても正常に動作するものであ
り、通常の保守作業が必要でなく、仮に、大型自動車等
によって切断されても直ちに検出することができる。因
に、炎センサ18は汚れで非作動状態にあることはその
炎センサ18の位置にいかなければ認識できないもので
あった。
【0102】他の実施例 上記実施例では、光ファイバ温度センサ38をトンネル
内に1本設けるものを示したが、少なくとも1本以上設
ければ良い。複数本設けた場合には、幅広のトンネルに
も対応でき、一部の光ファイバ温度センサが切断されて
も検知することができる。なお、この場合、複数のセン
サからの情報をマッチングすることが好ましい。また、
2本以上設ける場合において、入口から出口に向かう光
ファイバ温度センサ(光ファイバ温度計測器に入口端部
が接続されている)と、出口から入口に向かう光ファイ
バ温度センサとを設けることにより検知精度は一段と向
上する。なお、ここでいう本数はトンネル幅方向に設け
られている本数であり、トンネルが長い場合には、長手
方向に複数本設けることは当然である。
【0103】また、本発明が対象とするトンネルは、車
両用トンネルに限定されるものではない。鉄道の場合、
鉄道車両自体が火災検知機能及び通報機能を有するの
で、本発明までの検知機能等を要求されないが本発明を
適用することができる。また、電気配線やガス管や水道
管等の共通孔(トンネルの概念に含める)にも適用する
ことができる。
【0104】適用する光ファイバ温度センサは、後方散
乱光を捕らえるものに限定されずに、一端部からの照射
光を他端部で受光する型の光ファイバ温度センサを適用
しても良い。
【0105】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トンネ
ル内の長手方向に光ファイバ温度センサを敷設し、温度
面から火災の検知を行なうようにしたので、火災の発生
を早期に検出することができる、しかも、火点の状況を
より正確に検出することができるトンネル火災検知シス
テムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトンネル火災検知システムを示すブロ
ック図である。
【図2】従来のトンネル火災検知システムを示すブロッ
ク図である。
【図3】実施例の防災サブセンタシステム32の詳細構
成を示すブロック図である。.
【図4】実施例の光ファイバ温度計測器33の詳細構成
を示すブロック図である。
【図5】実施例の防災サブセンタシステム32のメイン
処理フローチャートである。
【図6】その火災判断用温度閾値の更新処理イベントの
処理フローチャートである。
【図7】その光ファイバ温度計測器33からの受信処理
イベントの処理フローチャートである。
【図8】その区域を指定しての温度情報送信要求の指示
受付けイベントの処理フローチャートである。
【図9】その炎センサ用テレメータ装置13からの受信
処理イベントの処理フローチャートである。
【図10】光ファイバ温度計測器33の温度異常検出処
理フローチャートである。
【図11】火災発生時の発生区画の表示例の説明図であ
る。
【符号の説明】
19…風向風速計、32…防災サブセンタシステム、3
3…光ファイバ温度計測器、34…防災表示盤、35…
温度分布表示装置、36…風向風速計用テレメータ装
置、37…避難誘導案内表示板制御装置、38…光ファ
イバ温度センサ、39…避難誘導案内表示板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル内の火災を検知して報知するト
    ンネル火災検知システムにおいて、 トンネルの長手方向に敷設されたトンネル幅方向に少な
    くとも1本以上の光ファイバ温度センサと、 この光ファイバ温度センサに光線を入力し、その通過光
    又は後方散乱光に基づいて火災発生及び火災発生位置を
    検知する光ファイバ温度計測手段と、 トンネル内の風向風速を計測する風向風速計測手段と、 上記光ファイバ温度計測手段が検知した火災発生位置
    を、上記風向風速計測手段による風向風速情報に基づい
    て補正する火災発生位置補正手段と、 火災発生を発生位置と共に報知する温度検知火災報知手
    段とを備えたことを特徴とするトンネル火災検知システ
    ム。
  2. 【請求項2】 上記温度検知火災報知手段が、火災発生
    を検知しなくなった位置情報をも、非火災発生位置と区
    別して報知することを特徴とする請求項1に記載のトン
    ネル火災検知システム。
  3. 【請求項3】 上記光ファイバ温度センサとして後方散
    乱光に基づくものを適用すると共に、後方散乱光の戻り
    時間に基づいて上記光ファイバ温度センサの切断を検出
    する光ファイバ切断検出手段と、切断を報知する切断報
    知手段とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記
    載のトンネル火災検知システム。
  4. 【請求項4】 上記光ファイバ温度計測手段による検出
    温度情報に基づいて、トンネル内の温度分布を表示する
    温度分布表示手段を設けたことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のトンネル火災検知システム。
  5. 【請求項5】 上記光ファイバ温度計測手段が、外部か
    らの指示によりトンネル内の特定位置の温度だけを検出
    し得るようにすると共に、その特定位置の温度を表示す
    る特定位置温度表示手段を設けたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のトンネル火災検知システ
    ム。
  6. 【請求項6】 避難場所に誘導する避難誘導案内表示板
    と、この避難誘導案内表示板を表示制御する避難誘導案
    内表示板表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載のトンネル火災検知システ
    ム。
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