JPH05264955A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH05264955A
JPH05264955A JP5991792A JP5991792A JPH05264955A JP H05264955 A JPH05264955 A JP H05264955A JP 5991792 A JP5991792 A JP 5991792A JP 5991792 A JP5991792 A JP 5991792A JP H05264955 A JPH05264955 A JP H05264955A
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JP5991792A
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Osamu Ito
理 伊東
Katsumi Kondo
克己 近藤
Junichi Hirakata
純一 平方
Naoki Kikuchi
直樹 菊地
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コントラスト比が大きく、視認性に優れた白黒
及びカラー液晶表示装置の提供。 【構成】画素に2値以上の電圧を印加する駆動手段を有
する液晶表示装置において、駆動電圧値の最低値で明状
態を、最高値で暗状態を表示し、かつ両方の対向基板に
XY電極と平行なストライプ状のブラックマトリクスを
備えている液晶表示装置。 【効果】画素部分のコントラスト比の向上と非電極部分
からの光漏れを防ぐことにより白黒表示の視認性とカラ
ー表示の色純度が改善され、鮮明な白黒及びカラー液晶
表示装置の提供が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスーパーツイステットネ
マチック型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スーパーツイステットネマチック型液晶
表示装置(以後STN−LCDとする)は、従来のツイス
テットネマチック型液晶表示装置(以後TN−LCDと
する)において90度に設定されていたツイスト角を1
80度以上にしたものである。これとある特定の光学設
定条件を組み合わせることにより急峻なしきい値特性が
実現され、単純マトリクス駆動による高密度高精細表示
が可能になった。現在、このSTN−LCDは、ワープ
ロ,パソコン,ワークステーション等の表示装置として
広く用いられている。初期のSTN−LCDは、偏光板
の透過軸を近接する基板の配向処理方向と約45度を成
す様な光学設定条件(複屈折モード)を採用しており、
その結果一画素に印加される実効電圧値の内の低電圧値
において青表示を、高電圧値において白表示を行なうブ
ルーモード,低電圧値において黄表示を、高電圧値にお
いて黒表示を行なうイエローモードが開発された。この
うちブルーモードが暗状態を明状態の低電圧側で表示す
るノーマリークローズに、イエローモードが暗状態を明
状態の高電圧側で表示するノーマリーオープンに対応す
る。しかし、これら初期のSTN−LCDではコントラ
スト比が7程度と低く、また表示が着色するという問題
があり、コントラスト比が少なくとも50以上で無着色
のTN−LCD、及びこれを用いたTFT方式液晶表示
装置に比較して明らかに見劣りのするものであった。S
TN−LCDの低コントラスト比と表示の着色は、複屈
折モードを採用して、液晶層を透過する光の偏光状態に
分散が生じたことに起因する。これらの問題に対して、
例えば、特開昭63−151924号公報では偏光板間に光学異
方体を備えて透過光の位相差を補償することにより解決
を図っている。その結果着色はほぼ解消されて白黒表示
が可能になったが、一方のコントラスト比は充分な改善
にならなかった。従来のSTN−LCDの大部分は、ノ
ーマリークローズである。この場合説明図7に示した様
に、電圧無印加時の透過光を位相補償して電圧無印加時
の輝度透過率B0 をゼロにした場合、暗表示における輝
度透過率Bd は充分低下しない。これは暗表示時の画素
に非選択電圧が印加されて液晶分子が僅かに立上り、位
相補償が不完全になるためである。また説明図8に示し
た様に暗表示における透過光を位相補償するとBd は低
下し、表示画素部のコントラスト比は向上する。しかし
0 は逆に増加して非電極部分からの光漏れが起こるた
め、表示部全体で見た時のコントラスト比はそれ程向上
しない。また、特開昭62−121422号公報では偏光板の配
置に応じてノーマリーオープンを選択している。ノーマ
リーオープンの場合、液晶分子の立ち上がった状態を位
相補償するため、ノーマリークローズの場合に比べて暗
表示はより暗く沈む。これにより表示画素部のコントラ
スト比は著しく向上するものの、表示部全体で見たコン
トラスト比は先程と同様非電極部分からの光漏れのため
低下する。特に、説明図9に示した様に、ノーマリーオ
ープンの場合には非電極部分が常時明状態となるため、
表示部全体で見た時のコントラスト比は著しく低下す
る。
【0003】ここで輝度透過率とは、透過率を視感度補
正したものである。これを用いると、透過率を用いた場
合よりも、より人間の視覚に忠実に液晶表示装置の表示
特性を評価することができる。
【0004】特開昭62−227120号公報では、非電極部分
からの透過光を遮るためブラックマトリクス基板を用い
ている。しかし、ブラックマトリクス基板の電極と遮光
層の分布については特定されていない。TFT方式液晶
表示装置で用いられているブラックマトリクス基板の遮
光層は、片側の基板に格子状に分布している。製造上の
精度の限界を考えると、この様な構造のブラックマトリ
クス基板は、両側の基板にストライプ状のXY電極を有
するSTN−LCDには適していない。特開平2−10351
6 号公報では、2層方式STN−LCDにブラックマト
リクス基板を組み合わせている。この場合、逆ツイスト
の補償用液晶セルを用いているため、ノーマリークロー
ズ型の高コントラスト比の表示が得られる。しかし2層
方式STN−LCDは液晶セルを2枚用いているためコス
トが高く,重く,輝度透過率が低いため表示が暗いとい
う問題がある。薄型,軽量,低コスト化が進むパソコ
ン,ワープロ等のOA機器には適しておらず、広い実用
化には至っていない。特開昭63−180933号公報では、ネ
ガ表示のSTN−LCDにブラックマトリクス基板を組
み合わせている。しかし現在ワープロ,パソコン等の表
示装置に用いられているSTN−LCDは、その大部分
がポジ表示であり、非電極部分からの光漏れはネガ表示
のみならずポジ表示でもコントラスト比低下の原因にな
る。ポジ表示では明状態を背景として暗状態で表示を行
うため、暗状態が充分暗くならないことが表示全体に与
える影響はネガ表示に比べて遥かに大きい。特開昭63−
155024号,特開平2−110431 号公報では、同じくネガ表
示で、ノーマリーオープン型のSTN−LCDにブラッ
クマトリクス基板を組み合わせている。ノーマリーオー
プン型は高コントラスト比化が可能であるものの、液晶
セルに偏光板を組み合わせただけでは実現されない。何
らかの光異方性媒体を用いて、透過光の位相差とその分
散を補償しなければならない。
【0005】以上の様なことから、STN−LCDのコ
ントラスト比はこれまで改善されてきたものの15程度
にとどまっていた。この程度のコントラスト比では黒表
示が充分に黒く沈んで見えず、表示装置として用いた場
合には視認性が悪いという問題が有り、ユーザー側から
も長時間使用した際に目が疲れるといった苦情が出され
ていた。また、現在パソコン、ワープロ等のソフトウエ
アはカラー表示を前提としたものが主流になりつつあ
り、STN−LCDに対してもそのカラー化が強く要望
されている。ところがコントラスト比の低い従来のST
N−LCDに三色のカラーフィルターを組み合わせてカ
ラー表示を行なっても、色純度の低い不鮮明な表示しか
得られない。そのためカラーSTN−LCDは、広い実
用化には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の様に従来のSTN−LCDにおいて問題となっている
コントラスト比の低さを解消し、視認性が良好で、長時
間使用した際にも目の疲れ等が感じられず、かつ薄型軽
量な液晶表示装置を供給することにある。更には、色純
度の高い鮮明なカラー表示が可能な液晶表示装置を供給
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にあたり、発明者
はまず始めにSTN−LCDが低コントラスト比である
原因の要因分離を行なった。コントラスト比は明状態と
暗状態の輝度透過率の比で定義されるが、STN−LC
Dではストライプ状のXY電極を用いているため、常
時、電圧が印加されない非電極部分が存在する。従って
非電極部分の光透過まで考慮に入れると、STN−LC
Dのコントラスト比CRは次式で表される。
【0008】
【数2】CR=(aTb+bTn)/(aTd+bTn) 但しここで電極部分の暗状態における輝度透過率を
d ,電極部分の明状態における輝度透過率をTb ,非
電極部分の輝度透過率をTn ,電極部分の面積をa,非
電極部分の面積をbとした。数2式によると、低コント
ラスト比である要因は次の四つに分類される。
【0009】(1) Td の低下が不充分である。
【0010】(2) Tn の低下が不充分である。
【0011】(3) Tb の増大が不充分である。
【0012】(4) a/bの増大が不充分である。
【0013】(1)〜(4)のそれぞれについて発生機構を
解析し、その改良方法を検討する。まず、(1)について
であるが、これは暗状態における透過光の偏光分散補償
の精度に起因する。偏光分散補償が完全であれば、駆動
用液晶セルを透過した全波長の光は同一の直線偏光にな
り、輝度透過率ゼロの状態を作ることができる。
【0014】STN−LCDにおいて用いられているツ
イステッドネマチック液晶層は、層構造がツイストして
いるため、ネマチック液晶層固有の複屈折性の他に旋光
性もある。従って、透過光の偏光分散には複屈折性と旋
光性の両方が関与し、分散特性は非常に複雑なものにな
る。位相板方式で用いられている光学位方性フィルムは
複屈折性しか持っておらず、旋光性に起因する波長分散
を補償することはできない。以上のことを説明図13,
14を用いて解説する。全ての偏光状態はポアンカレ球
上の点として表されるが、説明図13,14はそのポア
ンカレ球をS3 軸方向から見たものである。複屈折性媒
体による偏光状態の変換は、ポアンカレ球上ではその赤
道面に含まれ球の中心を通る直線を軸とした回転で表さ
れる。これをS3 軸方向から見た場合、直線的な移動に
なる。従って複屈折分散による偏光分散は、図13中に
BRで示した様に直線状に分布することになる。これに
対して旋光性媒体による偏光状態の変換は、ポアンカレ
球上ではS3 軸を中心とした回転で表される。これをS
3 軸方向から見た場合、S3 軸を中心とした円上の移動
になる。従って、旋光分散による偏光分散は、図13中
にORで示した様に円状に分布する。ツイステッドネマ
チック液晶層の様に複屈折性と旋光性の両方を有する場
合、これを透過した偏光の分散は図14中にVth<で示
した様に不規則に分布することになる。分散補償は、ポ
アンカレ球上に分布した各波長の偏光を赤道上の1点に
集める事に相当する。複屈折性しか持たない光学位方性
フィルムは直線状の移動しかできないため、その設定角
度やリタデーション,複屈折波長分散を如何様に設定し
ても図14中のVth<の様に非直線的に分布した偏光を
赤道上の1点に集める事はできない。位相板を複数枚用
いることによりある程度の旋光分散補償が可能になるも
のの、その精度には限界がある。この様な制約のもとで
分散補償を行なうには、偏光分散の絶対量が小さい方が
有利である。偏光分散の絶対量は、電圧無印加状態で最
も大きく、印加電圧がしきい値電圧を越えて液晶分子が
立上るのに伴い減少するので、黒表示を得るにはしきい
値電圧の高電圧側が好ましい。また、しきい値電圧の高
電圧側ではツイストが解消し、偏光分散に対する旋光性
の寄与は小さくなる。駆動用液晶セルの中央部において
液晶分子は電場方向に配列し、配向膜の近傍では配向膜
による規制力が支配的であるため配向処理方向に配向し
ている。この状態の駆動用液晶セルは、光学的には進相
軸が配向処理方向を向いた二枚の複屈折性媒体を重ね合
わせたものにほぼ等しくなる。従って、しきい値電圧以
上の電圧を印加した駆動用液晶セルは、旋光性を持たな
い位相板を用いて偏光分散補償を行なうのに特に有利で
ある。以上のことを、再び、ポアンカレ球表示を用いて
説明する。しきい値電圧の低電圧側では、ツイステッド
ネマチック液晶層を透過した各波長の偏光は、図14中
のVth<の様にポアンカレ球上に不規則な曲線を描いて
分布している。これに対してしきい値電圧の高電圧側で
は、図14中のVth>の様に直線的な分布になる。この
ため、光学位方性フィルムを用いて各波長の偏光を赤道
上の1点に集めることが可能になる。実際に各波長の偏
光を赤道上の1点に集めるためには透過光の偏光分散と
光学位方性フィルムの位相差分散を一致させなければな
らないが、この時、図14中のVth>の様に各波長の偏
光の分布領域も小さくなる。そのため、透過光の偏光分
散と光学位方性フィルムの位相差分散の一致の精度があ
る程度悪くても、各波長の偏光を同一の直線偏光に変換
しやすい。このように、Td を低下させるには、しきい
値電圧の高電圧側で暗表示を行ない、その低電圧側で明
表示を行なうノーマリーオープンが有利であると結論さ
れる。これに対して、従来のSTN−LCDはそのほとん
どがノーマリークローズであった。
【0015】次に(2)についてであるが、STN−LC
Dはしきい値電圧近傍を暗状態としているため、電圧無
印加の状態は完全な暗状態とならない。従って、Tn
増大し、コントラスト比の低下が生じる。本発明の様に
暗状態をしきい値電圧の高電圧側に設定してノーマリー
オープンとした場合には、Tn はTb とほぼ同程度にな
り、コントラスト比は更に減少する。この様に、Td
減少しても同時にTnの増加が起ればコントラスト比向
上の効果は相殺されることになる。暗状態の設定電圧に
よらずTn を低く保つためには遮光層を備えた対向基
板、即ち、ブラックマトリクス基板の使用が最も効果的
である。これを用いた場合非電極部分の輝度透過率はゼ
ロになり、コントラスト比は明状態,暗状態の電極部分
の輝度透過率によってのみ決まる。
【0016】次に(3)では、Tb は明状態における透過
光の偏光状態に依存する。既に述べた様に暗状態の透過
光は直線偏光にする必要があるので、明状態の偏光状態
は暗状態との間の透過偏光の位相差シフト量によって決
まることになる。位相差シフト量がゼロであれば、暗状
態,明状態の偏光状態はともに直線偏光となり、Tb
ゼロになる。位相差シフト量がゼロでなければ、明状態
の偏光状態は一般に楕円偏光となり、Tb はゼロでなく
なる。また位相差シフト量がπであれば、明状態は暗状
態の直線偏光と振動面が直交する直線偏光となり、Tb
は最大になる。従来のSTN−LCDでは、位相差シフ
ト量はおよそ0.6π であり、Tb は最大値に達してい
なかった。位相差シフト量を増大させる方法は、セルギ
ャップの増大,液晶材料の複屈折の増大が挙げられる
が、前者はセル内電界強度の低下による応答特性の低下
を招くので好ましくない。よって、後者の方法を用いる
とよい。従来のSTN−LCDでは、複屈折が0.13
の液晶材料が用いられていた。これを0.18 以上に増
大させることにより、Tb を最大にするのに充分な位相
差シフト量が得られる。
【0017】最後に(4)については、ブラックマトリク
ス基板を用いない場合に非電極部分の面積が小さいほど
コントラスト比が増大することは数1より明らかであ
る。また、本発明の様にブラックマトリクス基板を用い
る場合でも、明状態の明るさ向上,視認性向上のために
は非電極部分の面積が小さい方が好ましい。電極幅が少
なくとも電極間幅の十倍、即ち電極部分の面積が非電極
部分の面積の約5倍以上あれば、明状態の明るさ低下は
許容しうる範囲となり、また充分な視認性が得られる。
【0018】以上の様に、本発明ではノーマリーオープ
ン表示とブラックマトリクス基板を組み合わせ、更には
液晶材料の複屈折を増大することにより、STN−LC
Dのコントラスト比を向上させるものである。次に、本
発明の要であるノーマリーオープン表示の実現と、ブラ
ックマトリクス基板の構成について具体的に考察する。
【0019】まず始めにノーマリーオープン表示につい
てであるが、初期のSTN−LCDは液晶セルの外側に
直接偏光板を配置していた。しかし偏光板の角度設定の
最適化だけではノーマリーオープンにおけるTd を充分
に低下させることは不可能であるので、ネマチック液晶
層とその上下に配置された偏光板の間の少なくとも一方
に、補償用液晶セルまたは光学異方性フィルム等の光学
異方性媒体層を備える必要がある。これらのうち補償用
液晶セルの使用は、表示装置全体の重量と厚さの増大、
コントラスト比の増大を招く。従って光学異方性媒体層
としては、これらの問題を招くこと無く位相補償が可能
な光学異方性フィルムが適している。またしきい値電圧
の高電圧側を暗状態とするには、配向膜のごく近くで配
向処理方向に配向している液晶分子層によって生じる複
屈折を補償しなければならない。尚、液晶セルのセル厚
方向中央部の液晶分子はその分子軸をセル厚方向に向け
ており、正面から見た時の液晶セルの光学異方性には関
与しない。この時、配向処理方向に配向している液晶分
子層の厚さは全層厚の0.75 倍以下であるため、光学
異方性フィルムの複屈折と厚さの積は、駆動用液晶セル
の複屈折と厚さの積の0.75 倍以下が適当である。し
きい値電圧以上の電圧を印加した状態の駆動用液晶セル
は、光学的には進相軸が液晶基板近傍でのネマチック液
晶層の配向方向を向いた二枚の複屈折性媒体を重ね合わ
せたものにほぼ等しくなる。従って、この状態で透過光
の分散補償を行なうには、光学異方性媒体層をその進相
軸が近接する液晶基板の近傍におけるネマチック液晶層
の配向方向に対して90±20度となる様に配置すれば
よい。
【0020】ブラックマトリクス基板の構成は、従来の
液晶表示装置のなかでは、TFT方式液晶表示装置がブ
ラックマトリクス基板を備えている。本発明で着目する
STN−LCDは、駆動方式,基板構成ともTFT方式と
は全く異なるため、TFT方式用に開発されたブラック
マトリクス基板の構成を、STN−LCDにそのまま用
いることはできない。TFT方式はSTN−LCDと同
様二枚の対向基板から構成されるが、その電極の構造は
STN−LCDとは全く異なる。STN−LCDは、二枚
の対向基板の両方にストライプ状の電極を備えている。
これに対してTFT方式は二枚の対向基板の一方にTF
Tを備えており、他方はベタ電極を備えている。そのた
めTFTを備えた一方の基板だけが、ブラックマトリク
ス基板になっている。遮光層の形状も格子状であり、開
口部を囲む様に形成されている。この様なTFT方式で
用いられている格子状のブラックマトリクスをSTN−
LCDに適用した場合、液晶素子製造の精度の限界から
いくつかの問題が生じることが予想される。これらの問
題を、まず始めに基板上に透明電極と遮光層、及び両者
を絶縁する絶縁層の3層を備え、各層を基板側から透明
電極,絶縁層,遮光層の順で積層した構成を持つブラッ
クマトリクス基板を例にして説明する。
【0021】まず、第一に挙げられるのが、図10に示
した電極の断線である。基板上に格子状に遮光層を形成
すれば、当然ながら基板上に凹凸が生じる。遮光層と電
極を絶縁するため、両者の間に絶縁層が設けられるが、
絶縁層表面は完全に平坦にはならず、図10の様に凹凸
が残る可能性がある。この上にストライプ状の電極を形
成すると、凹凸が大きい場合には図10中の19a,1
9b,19cの様に、凸になった部分で断線が生じる。
第二に挙げられるのは、遮光層の格子構造と、相対する
基板の電極との間の位置ずれである。同一の基板上で遮
光層と電極を形成する場合に位置合わせの精度を決定す
るのは、各種マスクの重ね合わせ精度である。これは同
一基板上で行なわれるため、位置ずれは比較的起こりに
くい。ところが相対する基板上の遮光層と電極との間で
は、液晶素子の組立て精度が問題になる。液晶素子の組
立て過程では、基板間のギャップを素子全面にわたって
均一にするために圧縮を行ない、また、組立て後もエー
ジング等の加熱処理を行なう。これら組立て時及び組立
て後の製造過程で、液晶素子には種々の力学的,熱的な
応力が加えられる。そのため同一基板上の位置ずれに比
べて、基板間の位置ずれははるかに起こり易い。
【0022】以上二つの問題の発生を防ぐため、本発明
者はSTN−LCDの基板構造を踏まえ、以下の様なS
TN−LCDに適したブラックマトリクス基板を考案し
た。まず遮光層の構造はストライプ状とし、電極と平行
にした。この場合、絶縁層表面にはストライプ状の凹凸
が生じる可能性がある。しかし、遮光層のストライプ構
造は電極のストライプ構造と平行であるため、図12に
示した様に、電極が凹凸の上を横切ることはない。従っ
て、絶縁層表面の凹凸による電極の断線は起こらない。
この様なブラックマトリクス基板を上下二枚の基板に採
用すれば、より効果的に非電極部分からの光漏れを防ぐ
ことができる。非電極部分からの光漏れを完全に押さえ
ると同時に、遮光層による表示部の透過光吸収を防ぐに
は、遮光層のストライプ構造の幅と非電極部分の幅を等
しくすれば良い。しかし、先にも述べた様に、これらの
層形成の精度には限界があり、遮光層と非電極部分との
間に位置ずれが生じる可能性がある。遮光層のストライ
プ構造の幅と非電極部分の幅が等しい場合、位置ずれが
僅かでも起これば非電極部分からの光漏れが起こる。従
って層形成精度の問題まで考慮に入れると、遮光層のス
トライプ構造の幅は非電極部分の幅よりも広く設定した
方が有利である。また、現在市販されているSTN−L
CDは、ネマチック液晶層のしきい値特性の急峻度が不
十分であるため上下に2分割して駆動している。この様
に信号電圧を供給する駆動手段と接続された一方の基板
上のストライプ状電極が基板中央部でストライプ状電極
と直交方向に分断されている場合には、分断された部分
にも遮光層を備えるべきである。またこの時上下二枚の
基板のうちの一方にだけ、その分断部分に遮光層を備え
れば良い。両方の基板の分断部分に遮光層を備えた場
合、上下基板間の位置ずれが僅かでも起こると、遮光層
は表示部上にはみ出す。これにより、表示部の透過光吸
収が生じる可能性があるからである。更には表示を行な
わない表示部周辺の基板にも遮光層を設けて、この部分
を黒く沈めれば、視認上より好ましい液晶表示装置が得
られる。
【0023】以上の議論はこれ以外にも、例えば図15
に示した様な透明電極と遮光層が近接して並ぶ構成のブ
ラックマトリクス基板にも当てはまるものである。ブラ
ックマトリクス基板の構成材料には特に制限は無いもの
の、特に好適なものとしては、次の様なものが挙げられ
る。図3の様な構成のブラックマトリクス基板の構成材
料については、遮光層にはCr,Al,Ni,Mo,C
uが、絶縁層にはSiO2,Si34,SiO,Al2
3,Ta23 が、透明電極にはITOが好ましい。ま
た、図15の様な構成のブラックマトリクス基板の構成
材料は、遮光層には着色樹脂が、透明電極にはITOが
好ましい。
【0024】
【作用】本発明の液晶表示装置は、ストライプ状の透明
電極を備えた二枚の対向基板でネマチック液晶層を挾持
した液晶セル、液晶セルの両外側に配置された一対の偏
光板,一対の該偏光板の間に配置された少なくとも一枚
の光学異方性媒体、及び画素に2値以上の電圧を印加す
る駆動手段とで構成されている。ネマチック液晶層ツイ
スト角は、180度以上360度以下である。対向基板
は、所定のギャップを設け、基板平面法線方向から見て
ストライプ状の透明電極が直交する様に配置されてい
る。画素に印加する2値以上の電圧値の内、最高値にお
いて暗表示され、電圧無印加時の輝度透過率が暗表示よ
りも明るくなる様に偏光板及び光学異方性媒体を選定,
配置し、かつ二枚の基板の少なくともいずれか一方の対
向基板と電極の間に遮光層を備え、遮光層が透明電極の
ない部分からの光を遮光する位置に配置されている。二
枚の基板の両方に遮光層が備えられ、遮光層はストライ
プ状であり、かつ透明電極と平行になっている。光吸収
体の幅は、電極間幅よりも広い。ネマチック液晶層の液
晶材料の複屈折Δnlと層厚dlの積Δnllと、光学異
方性媒体の複屈折Δncと層厚dcの積Δnccは、Δn
cc/Δnll≦0.75 の関係にある。液晶材料の屈
折率異方性は、0.18 以上である。対向基板の電極幅
は、電極間幅の10倍以上である。対向基板の表示部周
辺にも、遮光層を備えている。遮光層,電気絶縁層,透
明電極は、具体的にはそれぞれCr,SiO2,ITO
からなる。更にカラー表示を行なうものには、一方の基
板上にカラーフィルタが備えられている。
【0025】このため、従来のSTN−LCDにおいて
問題となっているコントラスト比の低さが解消され、視
認性が良好で、長時間使用した際にも目の疲れ等が感じ
られず、かつ薄型軽量な液晶表示装置が得られる。更に
は、色純度の高い鮮明なカラー表示が可能な液晶表示装
置が得られる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の液晶表示装置について詳細
に説明する。
【0027】<実施例1>図1に、本発明の液晶表示装
置に用いられる液晶表示素子の素子構成を示す。図1中
の11aと11bはそれぞれ光源側対向基板,出射側対
向基板であり、おのおのXY電極3aと3bを備えてい
る。図1中の1はネマチック液晶層であり、上下基板間
でのツイスト角は240度、層厚は6.2μm である。
またネマチック液晶層に含まれる液晶の複屈折は0.2
2 である。図1中の50は駆動部であり、画素に2値
以上の電圧を印加することができる。また、図1中の1
5は遮光層である。
【0028】本発明に含まれる液晶表示素子は、正面か
ら見て上下に2分割して駆動される。上部分の最下端の
走査電極と下部分の最上端の走査電極は平行であり、両
者の間隔は0.02mm である。本発明に含まれる液晶表
示素子は、この連結部分にも遮光層を設けて、継ぎ合わ
せ部分からの光の漏れを防いだ。ただし、上下基板間の
位置ずれによる表示部の遮蔽を防ぐため、連結部分の遮
光層は光源側の基板のみに設けた。
【0029】図3は本発明に含まれる液晶表示素子の、
ネマチック液晶層近傍の断面図であり、XY電極,絶縁
層,遮光層の構成を示す。液晶基板上に遮光層15,絶
縁層14,XY電極13の順で積層されている。遮光層
とXY電極は共にストライプ状であり、かつお互いに平
行である。図3中に41で示したXY電極の電極幅は
0.25mm であり、42で示した電極間幅は0.03mm
である。遮光層はXY電極が存在しない非電極部分に存
在し、図3中に43で示した遮光層の幅は0.03mmとXY
電極の電極間幅と等しい。遮光層にはCrを用い、フォ
トリソグラフィ法により形成し、層厚は500Åとし
た。絶縁層にはSiO2 を用い、スパッタリング法によ
り形成し、層厚は2000Åとした。XY電極にはIT
Oを用い、層厚は1200Åとした。尚、ブラックマト
リクス基板の作成方法には、この他の方法も適用可能で
あり、例えば、特開平3−246516 号公報に記載されてい
る方法であってもよい。
【0030】XY電極の上には、配向処理を施したポリ
イミド配向膜を備えている。上下基板間には、基板間の
ギャップを均一にするため真球状プラスチックを分散さ
せた。光学異方性体層には日東電工社製ポリカーボネー
ト位相差板を用い、光源側のものは厚さdlが110μ
m,複屈折Δnlが0.0036,厚さと複屈折の積Δn
llが400nmである。出射側のものは厚さdlが1
00μm,複屈折Δnlが0.0034,厚さと複屈折の
積Δnllが340nmである。用いた光学異方性体の
Δnllの合計値は、740nmである。
【0031】液晶材料にはメルク社製MJ63650 を、カ
イラル剤にはメルク社製S811を用いた。液晶材料に
対するカイラル剤の混合比を1.1 重量%としたとこ
ろ、駆動時にドメインの発生が見られなかった。MJ63
928の複屈折は0.148であるので、Δnccは0.9
17μm である。
【0032】この時、Δnll/Δncc=0.81 で
ある。
【0033】図5に本発明に含まれる液晶表示素子の偏
光板,光学異方性媒体層,液晶基板の設定角度の定義を
示す。ただし、21aは出射側液晶基板の配向処理方
向、21bは光源側液晶基板の配向処理方向、22aは
出射側位相板の進相軸、22bは光源側位相板の進相軸、
23aは出射側偏光板の透過軸、23bは光源側偏光板
の透過軸である。上記の材料を用いて図2に示した様な
輝度透過率B%の駆動電圧依存性を実現するには、31
a=100度,32a=85度,31b=120度,32
b=225度に設定すれば良い。
【0034】図2に、本発明の液晶表示装置の輝度透過
率B%の駆動電圧依存性を示す。駆動には1000Hz
の矩形波を用い、測定範囲は直径約1cmとした。輝度透
過率は実効駆動電圧2.45Vで最少値0.6%をとる。
輝度透過率は2.45V の低電圧側で実効駆動電圧の増
大と共に単調に減少し、ノーマリーオープン型の実効駆
動電圧依存性を示している。1/200デューティで駆
動した際のコントラスト比のピークは2.46V で得ら
れ、その値は23:1である。
【0035】このように、ノーマリーオープン型の実効
駆動電圧依存性とし、基板に前記のような遮光層を備え
たことにより、23:1というコントラスト比を実現す
ることが出来た。尚、本発明の液晶表示装置をノートブ
ック型パーソナルコンピュータに適用した例を図12に
示す。
【0036】<比較例1>実施例1の液晶表示装置で、
液晶基板を非電極部分に遮光層を有しないものに変えた
ところ、輝度透過率の最少値は2.45Vにおいて得ら
れ、4.6%であった。1/200デューティで駆動し
た際のコントラスト比のピーク値は3.8:1となり、
実施例1に比べて大幅に低下した。
【0037】<比較例2>実施例1の液晶表示装置にお
いて、31a=115度,32a=75度,31b=80
度,32b=220度に設定した。輝度透過率は実効駆
動電圧2.31Vで最少値1.2% をとる。輝度透過率
は実効駆動電圧の増大と共に単調に増大し、ノーマリー
クローズ型の実効駆動電圧依存性を示している。1/2
00デューティで駆動した際のコントラスト比のピーク
は2.48V で得られ、その値は11:1である。
【0038】このようにノーマリークローズ型の実効駆
動電圧依存性としたため光透過率の最小値は充分に低下
せず、コントラスト比は実施例1に比べて大幅に低下し
た。 <実施例2>実施例1の液晶表示装置において、液晶材
料を複屈折0.22 のロディック社製DOP−7071
0−2に換え、Δncc=1.36μmとした。
【0039】光学異方性体層の位相差板は、光源側のも
のは厚さdl が100μm,複屈折Δnlが0.007
0,厚さと複屈折の積Δnllが700nmとした。出
射側のものは厚さdlが105μm,複屈折Δnlが0.
0038 ,厚さと複屈折の積Δnllが400nmで
ある。用いた光学異方性体のΔnllの合計値は、1.1
μmである。
【0040】この時、Δnll/Δncc=0.81 で
ある。
【0041】輝度透過率の最少値は2.51Vにおいて
得られ、0.4%であり、最大値は2.31V において
得られ、22%であった。1/200デューティ、及び
1/400デューティで駆動した際のコントラスト比の
ピーク値はそれぞれ50:1,41:1であった。
【0042】このように液晶材料の複屈折を0.22 ま
で増大したことにより輝度透過率の最大値が増大し、コ
ントラスト比も増大した。
【0043】<実施例3>実施例2の液晶表示装置にお
いて、光源側の位相差板を厚さdl が110μm,複屈
折Δnlが0.0051,厚さと複屈折の積Δnllが5
60nmとした。用いた光学異方性体のΔnllの合計
値は、0.96μm である。
【0044】この時、Δnll/Δncc=0.70 で
ある。
【0045】輝度透過率の最少値は2.53Vにおいて
得られ、0.3%であり、最大値は2.33V において
得られ、22%であった。1/200デューティ、及び
1/400デューティで駆動した際のコントラスト比の
ピーク値はそれぞれ70:1,56:1であった。
【0046】このようにΔnll/Δncc=0.70
としたことにより輝度透過率の最小値が減少し、コント
ラスト比が更に増大した。
【0047】<実施例4>実施例1の液晶表示装置にお
いて、液晶基板の電極幅と電極間幅をそれぞれ0.26m
m,0.02mmにし、遮光層の幅も0.02mm としたとこ
ろ、輝度透過率の最大値は23%に向上した。1/20
0デューティ、及び1/400デューティで駆動した際
のコントラスト比のピーク値はそれぞれ23:1,1
8:1であり、実施例1と比較してわずかではあるが向
上した。
【0048】<実施例5>実施例1の液晶表示装置にお
いて、図3中に43で示した遮光層の幅を0.04mmにし
て、XY電極の電極間幅よりも広くした。その結果、輝
度透過率の最大値は21%になり、最小値は0.16%
になった。1/200デューティ、及び1/400デュ
ーティで駆動した際のコントラスト比のピーク値はそれ
ぞれ24:1,18:1であり、実施例1と比較してわ
ずかではあるが向上した。
【0049】<実施例6>実施例1の液晶表示装置にお
いて、上基板と下基板のXY電極が交差しない部分、即
ち表示を行なわない部分が表示部の周辺に存在するが、
この部分にも遮光層を設けた。その結果、表示部は外見
上黒枠に囲まれた形となり、視認性がさらに向上した。
【0050】<実施例7>実施例4の液晶表示装置の対
向基板にカラーフィルタを備え、カラー表示を行なっ
た。カラー表示を行なう基板の、ネマチック液晶層近傍
の断面図を図4に示す。基板側より、遮光層15,カラ
ーフィルタ17,絶縁層14,XY電極13の順で積層
されている。カラーフィルタには顔料を用い、オフセッ
ト印刷を3回繰り返して形成した。
【0051】オリンパス社製の顕微分光光度計を用い
て、この液晶表示装置の表示色の色純度を測定した。測
定範囲は直径約1cmの円とした。1/400デューティ
で駆動して、赤のカラーフィルタに対応する画素だけを
選択的に明状態とした。その時の透過光の色度を測定し
たところ、その色度座標はX=0.63,Y=0.31で
あった。次に緑のカラーフィルタに対応する画素だけを
選択的に明状態としたところ、X=0.28,Y=0.6
4であった。次に青のカラーフィルタに対応する画素だ
けを選択的に明状態としたところ、X=0.13,Y=
0.11であった。以上3色の色度を色度図上にプロッ
トすると、図6中に黒の円で示した様になった。3色と
も色純度が高く、鮮明なカラー表示が得られることがわ
かる。
【0052】尚、本実施例のカラーフィルタには顔料を
用いたが、耐熱性等に問題がなければ染料を用いてもか
まわない。
【0053】<比較例3>比較例1の液晶表示装置にお
いて、実施例7と同様に対向基板中にカラーフィルタを
形成した。1/400デューティで駆動して、赤のカラ
ーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態とし
た。その時の透過光の色度を測定したところ、その色度
座標はX=0.48,Y=0.30であった。次に緑のカ
ラーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態とし
たところ、X=0.29,Y=0.49であった。次に青
のカラーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態
としたところ、X=0.21,Y=0.22であった。以
上3色の色度を色度図上にプロットすると、図6中に白
の四角形で示した様になった。3色とも実施例3の3色
が色度図上につくる三角形の内側に位置し、実施例7の
場合に比べて3色とも色純度が大幅に減少する。
【0054】<比較例4>比較例2の液晶表示装置にお
いて、実施例7と同様に対向基板中にカラーフィルタを
形成した。1/400デューティで駆動して、赤のカラ
ーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態とし
た。その時の透過光の色度を測定したところ、その色度
座標はX=0.47,Y=0.30であった。次に緑のカ
ラーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態とし
たところ、X=0.30,Y=0.47であった。次に青
のカラーフィルタに対応する画素だけを選択的に明状態
としたところ、X=0.23,Y=0.22であった。以
上3色の色度を色度図上にプロットすると、図6中に白
の円で示した様になった。3色とも実施例3の3色が色
度図上につくる三角形の内側に位置する。実施例7の場
合に比べて3色とも色純度が大幅に減少する。
【0055】
【発明の効果】発明者は本発明の液晶表示装置を、スト
ライプ状の透明電極を備えた二枚の対向基板でネマチッ
ク液晶層を挾持した液晶セル,液晶セルの両外側に配置
された一対の偏光板,一対の偏光板の間に配置された少
なくとも一枚の光学異方性媒体層、及び画素に2値以上
の電圧を印加する駆動手段とで構成した。ネマチック液
晶層のツイスト角は180度以上360度以下とした。
対向基板は、所定のギャップを設け、基板平面法線上か
ら見てストライプ状の透明電極が互いに直交する様に配
置した。画素に印加する2値以上の電圧値の内、最高値
において暗表示を行ない、電圧無印加時の輝度透過率が
暗表示よりも明るくなる様に偏光板及び光学異方性媒体
を選定,配置し、かつ、二枚の基板の少なくともいずれ
か一方の該対向基板と電極の間に透明基板側から順に遮
光層と電気絶縁層を備え、遮光層が透明電極のない部分
からの光を遮光する位置に配置した。二枚の基板の両方
に遮光層が備えられ、遮光層はストライプ状であり、か
つ透明電極と平行にした。光吸収体の幅は、電極間幅よ
りも広い。ネマチック液晶層の液晶材料の複屈折Δnl
と層厚dlの積Δnllと、光学異方性媒体層の複屈折
Δncと層厚dcの積Δnccは、Δncc/Δnll
0.75 の関係にした。液晶材料の屈折率異方性は、
0.18 以上にした。対向基板の電極幅は、電極間幅の
10倍以上にした。対向基板の表示部周辺にも、遮光層
を備えた。遮光層,電気絶縁層,透明電極には、それぞ
れCr,SiO2,ITO を用いた。更にカラー表示を
行なう際には一方の基板上に、カラーフィルタを備え
た。以上の手段を用いることにより、コントラスト比が
高く視認性に優れた白黒表示と、色純度が高く鮮明なカ
ラー表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記載されている液晶表示装置中の液
晶表示素子の素子構成を示した斜視図。
【図2】実施例1に記載されている液晶表示装置の輝度
透過率の駆動電圧依存性を示した特性図。
【図3】実施例1に記載されている液晶表示装置の、ネ
マチック液晶層近傍の層構造を概略的に示す断面図。
【図4】実施例3に記載されている液晶表示装置の、ネ
マチック液晶層近傍の層構造を概略的に示す断面図。
【図5】実施例1,実施例2および実施例3に記載され
ている液晶表示装置中の液晶表示素子の正面図。
【図6】実施例3および比較例4,比較例5に記載され
ている液晶表示装置を1/400デューティで駆動して、
赤,緑,青のカラーフィルタに対応する画素だけをそれ
ぞれ選択的に明状態とした時の、透過光の色度を示す色
度図。
【図7】電圧無印加時の透過光を位相補償したノーマリ
ークローズ表示の液晶表示装置の、輝度透過率と印加電
圧値の関係を示す特性図。
【図8】暗表示時の透過光を位相補償したノーマリーク
ローズ表示の液晶表示装置の、輝度透過率と印加電圧値
の関係を示す特性図。
【図9】暗表示時の透過光を位相補償したノーマリーオ
ープン表示の液晶表示装置の、輝度透過率と印加電圧値
の関係を示す特性図。
【図10】従来の液晶表示装置において用いられている
格子状のブラックマトリクスをSTN−LCDに応用し
た際に起こることが予想される、絶縁層表面の凸凹によ
る透明電極の断線の様子を示す斜視図。
【図11】本発明の液晶表示装置においてストライプ状
のブラックマトリクスを用いた場合の、絶縁層表面の凸
凹と透明電極の関係を示す特性図。
【図12】本発明の液晶表示装置をノートブック型パー
ソナルコンピュータに適用した際の斜視図。
【図13】ポアンカレ球をS3 軸方向から見たもので、
複屈折性媒体による偏向状態の変換と、旋光性媒体によ
る偏向状態の変換を示す説明図。
【図14】ポアンカレ球をS3 軸方向から見たもので、
しきい値電圧以下の電圧を印加されたツイステットネマ
チック液晶層を透過した光の偏光分散と、しきい値電圧
以上の電圧を印加されたツイステットネマチック液晶層
を透過した光の偏光分散を示す説明図。
【図15】本発明の液晶表示装置の、ネマチック液晶層
近傍の層構造の断面図。
【符号の説明】
12a…出射側液晶基板配向膜、12b…光源側液晶基
板配向膜、13a…出射側液晶基板XY電極、13b…
光源側液晶基板XY電極、14a…出射側液晶基板絶縁
層、14b…光源側液晶基板絶縁層、15a…出射側液
晶基板遮光層、15b…光源側液晶基板遮光層、41…
XY電極幅、42…XY電極間幅、43…遮光層幅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 直樹 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストライプ状の透明電極を備えた2枚の対
    向基板でネマチック液晶層を挾持した液晶セル,前記液
    晶セルの両外側に配置された一対の偏光板、一対の前記
    偏光板の間に配置された少なくとも一枚の光学異方性媒
    体、及び画素に2値以上の電圧を印加する駆動手段とで
    構成されており、前記ネマチック液晶層のツイスト角が
    180度以上360度以下であり、前記対向基板が基板
    平面の法線方向から見て前記ストライプ状の透明電極が
    直交するように配置された液晶表示装置において、 前記画素に印加する2値以上の電圧値の内の最高値で暗
    表示され、電圧無印加時の輝度透過率が暗表示よりも明
    るくなる様に偏光板及び光学異方性媒体を選定,配置
    し、前記2枚の基板の少なくともいずれか一方の前記対
    向基板に遮光層を備え、前記遮光層が少なくとも前記透
    明電極のない部分からの光を遮光する位置に配置されて
    いることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記遮光層の幅が電極
    間幅よりも広い液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ネマチック液晶層
    の液晶材料の複屈折Δnlと層厚dlの積Δnllと、光
    学異方性媒体の複屈折Δncとその厚さdcの積Δncc
    が、数1の様な関係にある液晶表示装置。 【数1】Δncc/Δnll≦0.75
  4. 【請求項4】請求項1において、液晶材料の屈折率異方
    性が0.18 以上である液晶表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記電極幅が電極間幅
    の10倍以上である液晶表示装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記対向基板内の表示
    部周辺に遮光層を備えている液晶表示装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記遮光層がCr、前
    記透明電極がITOからなり、また両者を絶縁する絶縁
    層を備え、前記絶縁層はSiO2 からなる液晶表示装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1において、一方の基板上にカラー
    フィルタが備えられている液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100453177B1 (ko) * 1998-09-19 2005-04-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 블랙막을갖는액정표시장치및그제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100453177B1 (ko) * 1998-09-19 2005-04-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 블랙막을갖는액정표시장치및그제조방법
US6967701B1 (en) 1998-09-19 2005-11-22 Lg.Philips Lcd Co., Ltd. Liquid crystal display device with black film and method of fabricating the same

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