JPH05264617A - 自動列車停止装置の地上子の測定装置 - Google Patents

自動列車停止装置の地上子の測定装置

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JPH05264617A
JPH05264617A JP9174192A JP9174192A JPH05264617A JP H05264617 A JPH05264617 A JP H05264617A JP 9174192 A JP9174192 A JP 9174192A JP 9174192 A JP9174192 A JP 9174192A JP H05264617 A JPH05264617 A JP H05264617A
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Kazuo Ichikawa
和男 市川
Atsushi Tsurumi
篤 鶴見
Kenichi Shiraishi
憲一 白石
Shoichi Suzuki
章一 鈴木
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Kenwood KK
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Kenwood KK
Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短い測定時間で高精度に地上子の共振周波数と
Qを求め、通常の営業車を利用して保全することを可能
とする。 【構成】多重周波数発生器1の出力信号はローパスフイ
ルタ2を通して増幅器3で増幅され、車上子4の1次コ
イルに印加される。車上子4の2次コイルに発生する信
号は増幅器6で増幅され、ADコンバータ8でアナログ
デジタル変換され、デジタルの離散データが得られる。
レベル検出器9はしきい値以上の信号が入力されると書
込みパルス信号をバッファメモリ10に送る。すると、
バッファメモリ10は入力されるデータを2n 個記憶す
る。そのデータはRS232Cインターフェース回路1
1を介してパーソナルコンピュータ12に送られる。パ
ーソナルコンピュータ12は送られたデータについてF
FT等の演算を行い共振周波数とQを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は点制御式の自動列車停
止装置(ATS)に係わり、特に、地上子の共振周波数
とQを測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転手が信号を見落とし、危険な状態に
なるのを防ぐため、赤信号や制限速度超過の場合に車上
に警報を与え、無視されたときは非常ブレーキをかける
自動列車停止装置(ATS)が多くの線区に設備されて
いる。
【0003】ATSにおいて、車上に情報を与える方法
としては、レール間に設置した地上子と称する共振回路
の共振周波数を車上の発振器で検出する点制御式の方法
がある。図5は点制御式ATSの原理図である。信号条
件により地上子5のコンデンサを切換え、車上子がその
上を通過したときだけ車上の帰還発振器13の発振周波
数が共振周波数に引込まれる。
【0004】帰還発振器13の発振周波数は選択増幅器
14,14…により選択検知し、選択増幅器14,14
…の出力信号によりブレーキ制御装置15にトリガを与
える。ブレーキ制御装置15は選択増幅器14,14…
からの信号および車両速度信号からブレーキ指令や警報
等を発する。
【0005】このような地上子の保全のために、従来図
6に示すような測定装置により地上子の共振周波数とQ
が測定されていた。帰還発振器13は車上子4のコイル
に信号を与えるとともに車上子4のコイルから帰還信号
を受ける。
【0006】車上子4と地上子5とが結合すると帰還発
振器13は地上子5の共振周波数で発振する。帰還発振
器13の出力信号の周波数は周波数カウンタ16で測定
され、また、そのレベルがQ検出器17で検出され、レ
ベルをQに換算することによりQが測定される。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】上記した従来の地上
子測定装置は、Qの測定においてレベル換算をして算出
しているが、これは地上子と車上子との間隔により大幅
に変動する。従って列車走行に伴う車上子の動揺は誤差
の要因になる。また大形と小形など異なった形状の地上
子を測定する場合は、両者に最も誤差の少なくなるよう
に校正した換算値を用いる等の方法によっているが、Q
の測定精度を高めることは困難であった。
【0008】そのため、車上子を動揺の少ない台車に取
り付けるなど設備上の制約および測定誤差の改善にも限
界があり、また、今後形状の異なる地上子を保全管理す
る上で問題がある。
【0009】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、自動列車停止装
置の地上子の共振周波数とQを短い観測時間で、地上子
と車上子の間隔および地上子の寸法形状に影響なく高精
度に測定することが可能な測定装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の自動列車停止
装置の地上子の測定装置は、車上子のコイルに所定周波
数まで平坦なスペクトルの信号電圧を印加し、車上子の
コイルと地上子のコイルが電磁誘導結合したときの車上
子コイルに発生する信号を増幅しバンドパスフイルタを
通過させた後にアナログデジタル変換してメモリに記憶
し、このようにメモリに記憶されたデータを離散フーリ
エ変換して得られた離散的スペクトルから地上子の共振
周波数とQを算出するように構成したものである。
【0011】
【作用】この発明の自動列車停止装置の地上子の測定装
置によれば、車上子のコイルに印加された平坦なスペク
トルの信号電圧は車上子のコイルと地上子のコイルが電
磁誘導結合したときに、地上子の共振特性に応じたスペ
クトルを有する信号を車上子のコイルに発生させる。
【0012】この信号は車上子のコイルと地上子のコイ
ルが電磁誘導結合した初期にレベル変化を生じ、そのレ
ベルがしきい値を越えることを検出してから一定期間車
上子コイルの信号をアナログデジタル変換してメモリに
記憶することにより信号の時系列離散値が得られる。な
お、サンプリング定理によりアナログデジタル変換のク
ロック周波数を信号の最大周波数の2倍とすることで、
アナログ信号は離散値として完全に標本化される。
【0013】このように標本化された信号を離散フーリ
エ変換することにより離散的スペクトルが得られる。求
められた離散値と、共振周波数f0 とQをパラメータと
する共振特性の計算値とのずれ、すなわち残差の2乗の
和が最小となるf0 とQが算出される。
【0014】このように、アナログデジタル変換された
多くのデータから共振周波数やQが算出されるので短時
間のサンプリングにより正確な測定が可能となる。
【0015】
【実施例】この発明の実施例である地上子の測定装置を
図面に基づいて説明する。図1は実施例の地上子の測定
装置を示すブロック図である。図において、1は多重周
波数発生器である。図2に多重周波数発生器の構成を示
し、N個の発振器1aと合成器1bとから成る。
【0016】多重周波数発生器1の出力信号はローパス
フイルタ2を通して増幅器3で増幅し、図3(a)に示
すように所望の帯域で離散的に平坦な信号が出力され
る。
【0017】増幅器3の出力信号は車上子4の1次コイ
ルに印加される。車上子4の2次コイルに発生する信号
は増幅器6で増幅され、ADコンバータ8でアナログデ
ジタル変換され、デジタルの離散データが得られる。
【0018】レベル検出器9は車上子4と地上子5とが
結合したときのレベルを検出するものであり、しきい値
以上の信号が入力されると書込みパルス信号をバッファ
メモリ10に送る。
【0019】バッファメモリ10は書込みパルス信号が
入力されてからADコンバータ8が出力するデータを2
n 個記憶する。バッファメモリ10に2n 個のデータが
記憶されると、RS232Cインターフェース回路11
を介してパーソナルコンピュータ12にそのデータが送
られる。パーソナルコンピュータ12は送られたデータ
についてFFT(高速フーリエ変換)等の演算を行う。
【0020】図4はパーソナルコンピュータ12の演算
の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS
1において、AD変換されたデータがメモリに書込まれ
る。次に、ステップS2において、時間領域が限定され
たことによるフーリエ変換の誤差を修正するために窓関
数を用いてサンプリング初期および終期のデータを補正
する。
【0021】次に、ステップS3において、FFT演算
を行い、離散的なスペクトル値を算出する。次に、ステ
ップS4において、求められた離散的なスペクトル値か
ら共振特性を示す式のパラメータを最小二乗法により決
定し、ステップS5で共振周波数とQが算出される。
【0022】上記構成において、多重周波数発生器1
は、周波数間隔が測定時間に依存するFFTの分解能に
等しいN個の発振器1a(F2 −F1 =F3 −F2 =…
=FN−FN-1 =分解能)と、合成器1bから成り、所
望の帯域で平坦な離散的スペクトルを発生することがで
きる。
【0023】車上子4が地上子5と結合すると、車上子
4の2次コイルに信号が現れ、それは共振フイルタを通
った信号と同様であり地上子の共振スペクトルを持つよ
うになる。その信号はバンドパスフイルタ7を通ること
により、不要な低域信号(商用周波数50/60Hz
等)と高域信号(折返し雑音、インパルス雑音等)が除
去され図3(b)に示すようなスペクトルを持つように
なる。
【0024】このようなスペクトルの信号はサンプリン
グ定理に従うクロック(2×140kHz)でAD変換
される。AD変換されたデータは受信レベルがしきい値
を越えたときから2n 個だけバッファメモリ10に書込
まれる。
【0025】クロックが300KHzで512(29
ポイントをFFT演算する場合は、1/(300×10
3 )×512×1000=1.7msで必要なデータを
取込むことができる。なお、車上子と地上子が結合して
いる時間に余裕があれば、数回データを取込み各々をF
FT演算して平均値をとることで信頼性を向上させるこ
とができる。
【0026】FFTの分解能は測定時間により限られ、
測定時間を1.7msとすると、588Hzの分解能と
なる。精度を上げるためには、データを補完する必要が
ある。そこで最小二乗法が利用される。
【0027】求められた離散値と下式に示す共振特性の
計算値とのずれ、すなわち残差の2乗の和を最小にする
パラメータf0 ,Qを算出する。
【0028】I=E[1/R+Q2 (f/f0 −f0
f)2 ]但し、I,E,Rは夫々地上子5の電流、起電
圧、抵抗である。
【0029】実施例は以上のように構成されているが発
明はこれに限られず、例えば、FFT演算等をパーソナ
ルコンピュータで行う代わりに専用のDSP(デジタル
シグナルプロセッサー)で行うようにしてもよい。
【0030】また、OK、NGの判定だけでよければ、
高い精度が必要でなく、その場合はリアルタイムで判定
することが可能となり、通常のATSの検出器と共用す
ることも可能となる。
【0031】
【発明の効果】この発明の自動列車停止装置の地上子の
測定装置によれば、短い測定時間で高精度に地上子の共
振周波数とQが求められるので、通常の営業車を利用す
ることができ、保全コストが低減されるまた、ATSの
検出器と共用するようにすれば、通常の自動列車停止装
置にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である地上子の測定装置を示
すブロック図である。
【図2】本実施例の多重周波数発生器のブロック図であ
る。
【図3】同装置における信号のスペクトルを示す図であ
る。
【図4】同装置における作用を示すフローチャートであ
る。
【図5】点制御式ATSの構成を示すブロック図である
【図6】従来の地上子測定装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 多重周波数発生器 1a 発振器 1b 合成器 2 ローパスフイルタ 3 増幅器 4 車上子 5 地上子 6 増幅器 7 バンドパスフイルタ 8 ADコンバータ 9 レベル検出器 10 バッファメモリ 11 RS232Cインターフェース回路 12 パーソナルコンピュータ 13 帰還発振器 14 選択増幅器 15 ブレーキ制御装置 16 周波数カウンタ 17 Q検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 憲一 東京都渋谷区渋谷2丁目17番5号株式会社 ケンウッド内 (72)発明者 鈴木 章一 東京都渋谷区渋谷2丁目17番5号株式会社 ケンウッド内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車上子のコイルに所定周波数まで平坦な
    スペクトルの信号電圧を印加し、車上子のコイルと地上
    子のコイルが電磁誘導結合したときの車上子コイルに発
    生する信号を増幅しバンドパスフイルタを通過させた後
    にアナログデジタル変換してメモリに記憶し、このよう
    にメモリに記憶されたデータを離散フーリエ変換して得
    られた離散的スペクトルから地上子の共振周波数とQを
    算出するように構成した自動列車停止装置の地上子の測
    定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007028877A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Nippon Signal Co Ltd:The 列車制御用受信装置
JP2007185045A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Univ Nihon Ats地上子q値計測装置及び方法
JP2019129582A (ja) * 2018-01-23 2019-08-01 日本信号株式会社 地上子検測装置及び車上子適性判定装置

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