JPH05263856A - 複筒式減衰器 - Google Patents

複筒式減衰器

Info

Publication number
JPH05263856A
JPH05263856A JP2345993A JP2345993A JPH05263856A JP H05263856 A JPH05263856 A JP H05263856A JP 2345993 A JP2345993 A JP 2345993A JP 2345993 A JP2345993 A JP 2345993A JP H05263856 A JPH05263856 A JP H05263856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
oil chamber
piston
oil
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2345993A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Fukuda
博美 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Publication of JPH05263856A publication Critical patent/JPH05263856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内筒内に上・下油室を画成するピストンと、
内筒との間にリザーバ室を形成する外筒とを備え、上油
室を貫通するピストンロッドの進入・退出に対応して上
・下油室とリザーバ室との間で作動油を流動させる複筒
式減衰器において、ガス圧を高くすることなくキャビテ
ーションが発生しにくくし、減衰力の制御幅を広げ、動
作を安定させることができ、またシール部分の耐圧性の
点でも有利な複筒式減衰器を提供する。 【構成】 ピストンに設けられ伸・圧方向でそれぞれ減
衰力を発生する絞りと、伸び行程で前記リザーバ室から
下油室に作動油を流す一方向弁と、圧縮行程で開弁し上
油室からリザーバ室へ作動油を流す切換弁とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内外筒間にリザーバ室
を有する複筒式減衰器に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の複筒式減衰器は図12に示す構造を
持ち、伸び行程で減衰力を発生させるようにピストン1
に設けた絞り2と、圧縮行程で減衰力を発生させる絞り
3とを備えている。
【0003】図12において符号4は内筒、5は外筒で
あり、これら内・外筒4、5間にリザーバ室6が形成さ
れる。ピストン1に下端が固定されたピストンロッド7
は、上油室8を貫通して上方へ突出する。ピストン1に
は、絞り2と直列に一方向弁9が設けられ、また逆向き
の一方向弁10がこれら絞り2および一方向弁9に並列
に設けられている。下油室11の底部は前記絞り3と一
方向弁12からなるベ−スバルブ14とを介してリザー
バ室6に接続されている。
【0004】ここに一方向弁10は、図12に実線の矢
印で示すように、圧縮行程に作動油を下油室11から上
油室8に流す方向に取付けられる。また一方向弁9、1
2は、図12に破線の矢印で示すように、伸び行程で作
動油を上油室8およびリザーバ室6から下油室11に導
く方向に取付けられる。なおリザーバ室6内の上部は気
体が加圧充填されたガス室13となっている。
【0005】この従来装置において、圧縮行程ではピス
トン1の下降に伴い、下油室11の作動油が一方向弁1
0を通って上油室8に流れる。一方、ピストンロッド7
が上油室8に進入することにより、内筒4内の作動油の
一部は絞り3を通ってリザーバ室6に流出する。この時
絞り3を作動油が通ることにより減衰力を発生する。
【0006】また伸び行程では、ピストン1の上昇に伴
い上油室8の作動油が一方向弁9、絞り2を通って下油
室11に流れる。この時絞り2で減衰力が発生する。な
おピストンロッド7が上油室8から退出するのに伴い、
リザーバ室6の作動油が一方向弁12を通って下油室1
1に流れる。
【0007】なお圧縮行程で作動油が流れる一方向弁1
0は、絞りとして作用することが避けられないからベー
スバルブ14の絞り3で発生する減衰力を大きくした
り、ガス室13の圧力を高めないと、圧縮行程で上油室
8が減圧してしまい、キャビテーションが発生し動作が
不安定になる。
【0008】
【従来技術の問題点】しかしこの従来装置でガス圧を高
くすると、このガス圧による反力が増え、減衰器は常に
伸び方向に力を発生する。このため、減衰器の組付け・
整備がしにくくなるという問題が生じる。またガス圧が
高くなると、上油室8に進入・退出するピストンロッド
7のシール部分の設計上不利になるという問題も生じ
る。さらに圧縮側の絞り3での減衰力の調整幅に制約を
受けるという問題もある。
【0009】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、減衰力の調整幅を大きくとれると共に、ガ
ス圧を高めることなくキャビテーション発生を防止し、
動作を安定させることができ、またシ−ル部分の耐圧性
の点でも有利な複筒式減衰器を提供することを目的とす
る。
【0010】
【発明の構成】本発明によればこの目的は、内筒内に上
・下油室を画成するピストンと、前記内筒との間にリザ
ーバ室を形成する外筒とを備え、前記上油室を貫通する
ピストンロッドの進入・退出に対応して前記上・下油室
と前記リザーバ室との間で作動油を流動させる複筒式減
衰器において、前記ピストンに設けられ伸・圧方向でそ
れぞれ減衰力を発生する絞りと、伸び行程で前記リザー
バ室から下油室に作動油を流す一方向弁と、圧縮行程で
開弁し前記上油室から前記リザーバ室へ作動油を流す切
換弁とを備えることを特徴とする複筒式減衰器により達
成される。
【0011】
【作用】圧縮行程では、切換弁は上油室をリザーバ室に
連通させる。また下油室とリザーバ室とは遮断される。
この状態でピストンが下降すると、ピストンの下降量に
比例する量の作動油がピストンの絞りに流れ、この絞り
で減衰力が発生する。このためキャビテーションが発生
しない。従って圧減衰力を自由に設定できる。この間、
シリンダ内に進入するピストンロッドの容積分の作動油
は、上油室からリザーバ室に導かれる。
【0012】伸び行程では切換弁は上油室とリザーバ室
とを遮断する。このためピストン上昇に伴い上油室の圧
力が上昇し、ピストンの絞りを通って下油室に流れる作
動油により、減衰力が発生する。シリンダから退出する
ピストンロッドの容積分の作動油は、リザーバ室から下
油室に流入する。
【0013】
【実施例】図1は本発明の圧縮行程を示す原理図、図2
は同じく伸び行程を示す原理図である。これらの図で1
Aはピストンであり、このピストン1Aには、一方向弁
9および絞り2と逆並列に、一方向弁20および絞り2
1が設けられている。
【0014】また上油室8の上部は油路22および切換
弁23を介してリザーブ室6に接続されている。切換弁
23は下油室11の圧力により作動し、圧縮行程で下油
室11の圧力が上昇すると開き、伸び行程で下油室11
の圧力が下がると閉じる。なお図1、2では図4と同一
部分に同一符号を付したのでその説明は繰り返さない。
【0015】図1の圧縮行程では、ピストン1Aの下降
によって下油室11が昇圧し切換弁23が開くと、上油
室8はリザーブ室6に連通する。従って上油室8をリザ
ーブ室6と同圧に保ちながら作動油は絞り21を流れ、
この時この絞り21で減衰力を発生する。
【0016】この絞り21には下油室11がリザーバ室
6と遮断されることからピストン1Aの移動に比例した
十分な量の作動油が流れる一方、シリンダ4内へピスト
ンロッド7が進入する。このため上油室8が減圧するこ
ともないから、キャビテーションが発生せず圧側の減衰
力の設定幅を広くできる。またシリンダ4内に進入する
ピストンロッド7の容積分の作動油は、上油室8から切
換弁23を通りリザーブ室6に流れ、上油室8の圧力が
過度に上からないので、シ−ル部の耐圧性能を下げるこ
とができ、設計が楽になる。
【0017】図2の伸び行程では、切換弁23は閉じ上
油室8はピストン1Aの上昇により加圧され、上油室8
の作動油はピストン1Aの一方向弁9および絞り2を通
って下油室11に流れる。絞り2を通る時に減衰力を発
生する。シリンダ4から退出するピストンロッド7の容
積分の作動油は一方向弁12を介しリザーブ室6から下
油室11に流入する。
【0018】図3は一実施例を示す断面図であり、Aは
圧縮行程を、Bは伸び行程を示す。これらの図では図
1、2に対応する部分に同一符号を付したのでその説明
は繰り返さない。
【0019】この実施例では一方向弁12および切換弁
23は内・外筒4、5の底部に固定される栓部材24に
設けられている。すなわちこの栓部材24には下油室1
1の圧力によって上下動するスプール25が下面から装
填され、スプール25の上面に下油室11の圧力を導く
一方、スプール25はリザーブ室6に通じる放射状油路
26と、上油室8に通じる油路27との間を断続する。
【0020】この油路27は、栓部材24の底周縁に設
けた環状油路28および前記油路22を介して上油室8
に連通する。また29はスプール25を下方へ押圧して
スプール25の遊びを防ぐコイルばねである。スプール
25の下部は下方に開いたカップ状に形成され、このカ
ップ状部分の下縁には上油室8の圧力をスプール25の
底面に導くための切欠き25Aが放射状に形成されてい
る。
【0021】一方向弁12は放射状油路26と下油室1
1との間に介在し、栓部材24に固定された板30と、
この板30に下油室11側から重ねられ下油室11側へ
離隔可能な可動弁体32とを有する。これら板30と可
動弁体32とには互いに重ならない位置に油孔が形成さ
れている。従って圧縮行程では図3(A)のように、板
30と弁体32が密着し油孔が互いに塞がれる一方、伸
び行程では図3(B)のように、弁体32が板30から
離れ、各油孔に作動油が流動可能になる。
【0022】従って図3(A)に示す圧縮行程では、下
油室11の圧力がスプール25を下降させ、切換弁23
を開く。すなわち油路26が油路27に連通し、リザー
バ室6が上油室8に連通する。またこの時には一方向弁
12は閉じている。この状態でピストン1Aが下降すれ
ば絞り21で減衰力が発生する。
【0023】図3(B)に示す伸び行程では、切換弁2
3は閉じ一方向弁12が開いてリザーバ室6から下油室
11に作動油が流れる。また上油室8から作動油は絞り
2を通って下油室11に流れ、この時に減衰力が発生す
る。
【0024】この図3の実施例ではリザーバ室6と上油
室8とをつなぐ油路22を、リザーバ室6内に通してい
るが、これは外筒5の外側に通してもよい。また切換弁
23や一方向弁12は内・外筒4、5の下部すなわちベ
ースに設けているが、これらは外筒5の外に設けてもよ
いのは勿論である。
【0025】
【他の実施例】図4は他の実施例の圧縮行程を示す断面
図、図5は同じく伸び行程の断面図、図6はその切換弁
付近の拡大図である。この実施例は前記図3に示した実
施例における絞り2、21による減衰力を制御する装置
(減衰力制御装置)をピストン1Bに備える。また切換
弁23Aの構造が図3に示したものと異なる。
【0026】まず切換弁23Aの構造を説明する。外筒
5Aの底部に固定された栓部材24Aには、内筒4Aお
よび中間筒22Aの下端が固定される。これら内筒4A
と中間筒22Aの間が上油室8Aとリザーバ室6Aとを
つなぐ油路22Bとなっている。
【0027】栓部材24Aにはスプール25Bが上下動
自在に装填されている。このスプール25Bの下部は下
方に開いたカップ状に形成され、上部は縮径して垂直に
起立している。スプール25Bのカップ部25Cの内側
は、図6に示すように、その下縁に放射状に形成した切
欠き25D、栓部材24Aに形成した油路28Aおよび
前記した油路22Bを介して上油室8に連通している。
【0028】スプール25Bの縮径部25Eの周囲に
は、リザーバ室6Aに連通した小油室25Fが形成され
ている。スプール25Bの上端には円盤状の弁板25G
が固定されている。この弁板25Gには図6に示すよう
に多数の小孔が環状に並べて設けられ、これら小孔はこ
の弁板25Gに上方から重ねた可動板25Hにより塞が
れている。この可動板25Hはスプール25Bの上端に
上端が係止された円錐コイルばね25Iにより弁板25
G側に押圧され、弁板25Gの小孔を閉じている。
【0029】スプール25Bには、カップ部25C内に
装填されたコイルばね29Aにより上方への復帰習性が
付与され、スプール25Bの上方復帰状態ではカップ部
25Cの外周肩部25Jが小油室25F下縁に当接して
小油室25Fと油路28Aとの連通を遮断する(図5の
状態)。
【0030】また圧縮行程で下油室11Aの圧力が上が
ると、弁板25Gの上面に作用する下油室11の圧力に
よりスプール25Bは押し下げられる。そしてスプール
25Bの下端すなわちカップ部25Cの下縁が外筒5A
の底に当たる。この時弁板25Gは小油室25Fと下油
室11Aとの間の連通を遮断する。従って圧縮行程では
スプール25Bは下降して、図4に示すように上油室8
Aは油路22B、28A、小油室25Fを介してリザー
バ室6Aに連通する。
【0031】また伸び行程ではスプール25Bは上昇し
て図5に示すように上油室8Aとリザーバ室6Aとの間
を遮断する。この結果前記した図1、2、3で説明した
切換弁23と同じ機能を有する切換弁23Aが形成され
ることになる。この時リザーバ室6Aの作動油は小油室
25Fから弁板25Gの周囲およびこの弁板25Gの小
孔から可動板25Hを上方へ押し開きつつ下油室11A
に流入する。
【0032】
【減衰力制御装置】次にこの実施例のピストン1Bに組
込まれている減衰力制御装置を図7〜11を用いて説明
する。
【0033】図7はこの減衰力制御装置の一実施例の要
部断面図、図8はポペット弁の各部断面積を示す IIX−
IIX 線断面図、図9は圧縮時の作動油の流れを示す図、
図10は伸長時の作動油の流れを示す図、図11は各コ
ンポーネントの分解図である。
【0034】図7において符号10aはシリンダ、12
aはこのシリンダ10a内に2つの主油室14a、16
aを画成するピストンである。ピストン12aは一端が
開いた筒型のピストンハウジング18aを備え、このピ
ストンハウジング18aの閉じた端面はピストンロッド
20aに溶接されている。22aはこの溶接に伴い発生
するビードである。シリンダハウジング18aの開口側
の外周にはシールリング24aが装着されている。この
ようにピストンハウジング18aをピストンロッド20
aに溶接することにより、両者の軸心のずれを小さくし
精度を向上することができる。
【0035】ピストンロッド20aの中心軸上には、絶
縁材26aを介して電極棒28aが挿入され、ピストン
ハウジング18aの内側からはコイルばね30aを介し
て電極32aが装填されている。
【0036】40はパイロット弁ハウジングである。こ
のパイロット弁ハウジング40には、パイロット弁4
2、パイロット通路44、リニヤソレノイド46が一体
に組込まれている。このハウジング40の上面すなわち
ピストンハウジング18aの内底面に対向する面には、
ソレノイド装填室48が開口し、ここにプランジャ50
およびコイル組立体52が順に装填される。ここにコイ
ル組立体52は、プランジャ50を囲むステンレス鋼な
どの非磁性材で作られたプランジャケース54と、その
周囲に取付けられたコイル56とを樹脂58で固めたも
のであり、その上面には電極60、62が現れている。
【0037】パイロット弁42は、ハウジング40の下
面に開口する弁孔64と、この弁孔64を開閉する弁体
66とを備える。弁体66は前記プランジャ50に一体
に形成されている。
【0038】パイロット通路44はハウジング40の下
部にあり、パイロット弁42から半径方向に延びてハウ
ジング40の外周面に開口する。なおこの開口部分には
作動油の外周方向への流れのみを許容するボール・チェ
ック弁68、68が装着されている。またこのパイロッ
ト通路44はチェック弁68の内径側で下へ分岐してハ
ウジング40の下面に開口し、後記する主油路ハウジン
グ部80側のパイロット通路120に連通する。
【0039】このように1つのコンポーネントとして構
成されたパイロット弁ハウジング40は、ピストンハウ
ジング18aの開口から図11に示すように挿入され
る。この時ソレノイド46の中央の電極60がピストン
ハウジング18aの内底面に突出する電極32aを押圧
する。また他の電極62はピストンハウジング18aの
内底面に接触する。すなわちこのソレノイド46の励磁
電流は、電極棒26aとピストンロッド20aとを介し
て流れる。またピストンハウジング18aには、このパ
イロット弁ハウジング40を装填した状態でチェック弁
68、68が上の主油室14aに連通する開口70、7
0が形成されている。
【0040】80は主油路ハウジング部であり、ポペッ
ト弁82および主油路84を含む。主油路84は、ピス
トンハウジング18の側面に設けた開口86、86と主
油路ハウジング部80の下面に形成した開口88とを連
通する。この開口88は主油路ハウジング80の上面に
開いたポペット弁装填室90に連する。この装填室90
の内径は開口88の内径より大きく設定され、開口88
の装填室90側の縁には水平な段部92が形成される。
【0041】ポペット弁82はポペット弁装填室90に
上方から装填され、開口88から下方へ突出する整流傘
部94と、開口88の段部92に係合する弁板部96
と、主油路84内に臨む環状溝98と、装填室90内を
摺動するスリーブ部100とを有する。弁板部96の半
径r1 は図7、8に示すように、開口88とほぼ同一径
であり、4ケ所に外径方向に突出する爪102を有す
る。これらの爪102が段部92に当接してこの開口8
8を閉じる。
【0042】ここにスリーブ部100の半径r2 は開口
88の半径r1 よりも大きくする。また弁板部96に上
向きに作用する受圧面積S1 =πr1 2と、スリーブ部1
00の環状溝98に臨む下面103に作用する上向きの
受圧面積S2 =π(r2 2−r 1 2)とを、例えばS1 =2
2 に設定する。
【0043】スリーブ部100には装填室90側へ開く
凹部が形成され、この凹部はパイロット弁42に臨む副
油室104を形成する。またこの凹部にはコイルばね1
06が装填され、このばね106はポペット弁82が開
口88を閉じる方向に付勢する。
【0044】このポペット弁82には、圧縮行程時に整
流傘部94に設けたオリフィス108およびチェック弁
110を介して、下の主油室16aから副油室104へ
作動油を流すパイロット通路112が形成されている。
また環状溝98には、伸び行程時に上の主油室14aか
ら主油路84を介して副油室104に油を導くオリフィ
ス114およびチェック弁116が設けられている。
【0045】一方この主油路ハウジング80には、前記
パイロット通路44に環状のチェック弁118を介して
連通するパイロット通路120が形成され、パイロット
通路44から作動油を下の主油室16aに導くものであ
る。
【0046】このピストン12を組立てるためには、予
めパイロット弁ハウジング40と主油路ハウジング部8
0とに、それぞれの部品を組付けて予備組立てしてお
き、これをピストンハウジング18aに図11に示すよ
うに順に装填する。そしてこのピストンハウジング18
aの開口縁を例えばかしめることによってこれらを固定
すればよい。なお適宜の位置に0リングなどのシール1
22、124、126、128、130を装着してお
く。
【0047】
【減衰力制御装置の作用】圧縮時においては、ピストン
12aが図9に示すように下向きに押される。このため
下の主油室16aが昇圧し、作動油がオリフィス10
8、パイロット通路112、チェック弁110を通って
副油室104に入るから、副油室104が昇圧する。一
方パイロット弁42の弁体66はリニヤソレノイド46
の電流で設定された力で弁孔64を閉じているから副油
室104の内圧がこのパイロット弁42の設定圧を越え
るとパイロット弁42が開き、作動油はパイロット通路
44からチェック弁68を通って上の主油室14に逃げ
る。
【0048】このため副油室104が減圧するから、ポ
ペット弁82は下の主油室16aの圧力により押上げら
れ、弁板部96が開口88の段部92から離れる。すな
わち主油路84が開き、主油室16aから主油室14a
へ油が流れる。両主油室14a、16aの差圧が一定以
下になるとポペット弁42がコイルばね106により戻
されて主油路84を閉じる。以上の動作を繰り返すこと
によりピストン12aは下降してゆく。
【0049】伸長時においては、ピストン12は図10
に示すように上向きに引かれる。このため上の主油室1
4aが昇圧し、その圧力は主油路84を介してポペット
弁82の環状溝98に導かれる。そしてこの環状溝98
からオリフィス114、チェック弁116を介して副油
室104に油が入る。副油室104の内圧が、リニヤソ
レノイド46で設定された圧力を越えるとパイロット弁
42が開き、油はパイロット通路44、チェック弁11
8、パイロット通路120を経て下の主油室16aに逃
げる。このため副油室104が減圧しポペット弁82が
上昇して主油路84が開く。従って主油室14aから主
油室16aへ油が流れ、両主油室14a、16aの差圧
が一定以下になると主油路84が閉じ、以上の動作を繰
り返しながらピストン12aは上昇してゆく。
【0050】ポペット弁82の弁板部96は開口88と
ほぼ同一の半径r1 に設定され、弁板部96の爪102
を段部92に当接させてポペット弁82を閉じるから、
弁板部96と開口88との半径方向の重なりはほとんど
無くなり、ポペット弁82が振動せず動作が円滑にな
る。すなわち弁板部96と開口88とは半径方向の重な
りが殆どないから、両者の間隙を作動油が通る際の絞り
効果によりこの間隙が減圧しても、弁板部96を段部9
6に引きつける力は弱くなるからである。
【0051】なおこの実施例ではポペット弁82の弁板
部96に作用する上向きの受圧面積S1 と、環状溝98
に作用する上向きの受圧面積S2 は、前記したようにS
1 =2S2 に設定したから、この場合には伸・縮両方向
でリニヤソレノイド46の励磁電流が同じだとすれば、
伸び側でポペット弁82が開き始める圧力は圧縮側の2
倍になる。このため伸び側の減衰力を圧縮側の約2倍に
設定できる。この実施例によればリニヤソレノイド46
により伸び・圧縮両方向の減衰力の制御可能な範囲を十
分に広げることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上のように、ピストンに圧縮
行程および伸び行程でそれぞれ減衰力を発生する絞りを
設ける一方、上油室とリザーバ室との間に設けた切換弁
を圧縮時に開き伸び時に閉じるように構成したものであ
るから、キャビテーションが発生するおそれがなくな
る。このため特に圧側減衰力の設定範囲を広くすること
ができ、減衰力を安定化させることができる。
【0053】またキャビテーションが発生しにくいので
ガス圧を過大に設定する必要がなくなり、このためガス
圧の反力による伸び力が小さくなると共にシール部分の
耐圧性能を下げることができ、シール部分の耐圧設計上
の制約を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮時の原理説明図
【図2】同じく伸び時の原理説明図
【図3】本発明の一実施例の断面図
【図4】他の実施例の圧縮時を示す断面図
【図5】同じく伸び時を示す断面図
【図6】同じくベースバルブ付近の拡大図
【図7】減衰力制御装置の要部断面図
【図8】ポペット弁の各部断面積を示す IIX−IIX 線断
面図
【図9】圧縮時の油の流れを示す図
【図10】伸び時の油の流れを示す図
【図11】各コンポーネントの分解図
【図12】従来装置の原理説明図
【符号の説明】
1A ピストン 2 絞り 4、4A 内筒 5、5A 外筒 6、6A リザーバ室 7 ピストンロッド 8、8A 上油室 11、11A 下油室 12 一方向弁 23、23A 切換弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒内に上・下油室を画成するピストン
    と、前記内筒との間にリザーバ室を形成する外筒とを備
    え、前記上油室を貫通するピストンロッドの進入・退出
    に対応して前記上・下油室と前記リザーバ室との間で作
    動油を流動させる複筒式減衰器において、前記ピストン
    に設けられ伸・圧方向でそれぞれ減衰力を発生する絞り
    と、伸び行程で前記リザーバ室から下油室に作動油を流
    す一方向弁と、圧縮行程で開弁し前記上油室から前記リ
    ザーバ室へ作動油を流す切換弁とを備えることを特徴と
    する複筒式減衰器。
JP2345993A 1992-01-20 1993-01-20 複筒式減衰器 Pending JPH05263856A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2752592 1992-01-20
JP4-27525 1992-01-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05263856A true JPH05263856A (ja) 1993-10-12

Family

ID=12223540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2345993A Pending JPH05263856A (ja) 1992-01-20 1993-01-20 複筒式減衰器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05263856A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083912A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Yamaha Motor Co Ltd 油圧式減衰力制御装置、油圧緩衝装置、車両用フロントフォークおよび油圧式ロータリダンパ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083912A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Yamaha Motor Co Ltd 油圧式減衰力制御装置、油圧緩衝装置、車両用フロントフォークおよび油圧式ロータリダンパ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100835488B1 (ko) 유압식 완충기
US9309948B2 (en) Shock absorber
US9796236B2 (en) Hydraulic shock absorber
EP2103835B1 (en) Damping valve
KR101326935B1 (ko) 감쇠력 조정식 유압 완충기
US20210054902A1 (en) Hydraulic damper
JP4431504B2 (ja) 一体型減衰調整弁
CN110998132B (zh) 阻尼力调节式缓冲器
CN111630295B (zh) 阻尼阀和缓冲器
KR102348272B1 (ko) 완충기
US5890568A (en) Continuously variable twin-tube shock damper
US20010035317A1 (en) Solenoid-operated driving apparatus and damping force control type hydraulic shock absorber using the same
JPH04312224A (ja) 減衰器
JPH05263856A (ja) 複筒式減衰器
US20230296156A1 (en) Damping valve and shock absorber
JPH04312226A (ja) 減衰器
US5560454A (en) Piston with bi directional passive disk valve and extension-openable regulating valve
JPH10325439A (ja) 減衰力可変式ショックアブソーバ
US20230235808A1 (en) Electronically controlled internal damper
KR20230108136A (ko) 전자 제어 댐퍼
US20220065321A1 (en) Shock absorber
JPH04312225A (ja) 減衰器
US20230079968A1 (en) Damping-force generation mechanism and pressure shock absorber
JP2009108984A (ja) 流体圧緩衝器
US20240191768A1 (en) Shock absorber