JPH05261076A - 使い捨て電極を備えたｅｅｇ頭部用具およびそれと共に用いるための装置、システム、および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 患者の頭部の大きさにかかわらず、電極が患
者の頭部上の所定の解剖学上の位置に位置するように、
頭部用具上に固定される電極を備える。 【構成】 人間の形状の患者の頭部においてＥＥＧ測定
を行うための頭部用用具であって、頭上の所定の解剖学
上の位置において複数の電極の使用を要する電極位置決
めシステムを利用し、弾性部材からなる複数の長手方向
に延びるストリップ２３および横手方向に延びるストリ
ップを含む。複数の電極器具３１がストリップ上に離間
した位置に設けられる。電極器具は人間の頭の大きさに
かかわらず、頭上の所要の解剖学上の位置にするよう
に、ストリップを引き延ばすことにより、ストラップが
ストリップおよびその上に設けられた電極器具を患者の
頭に固定するためのストリップにストラップが取りつけ
られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は使い捨て電極を備えた頭
部用具およびそれと共に使用される装置、システム、お
よび方法に関し特に、ＥＥＧ測定を行うための頭部用
具、装置、システム、および方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＥＥＧ測定は例えば一般に用いられてい
るインターナショナル１０−２０システムのような様々
な電極位置決めシステムを用いて人間の患者の頭部上で
行なわれてきた。過去に、これらの電極位置決めシステ
ムはナジオン、イニオンおよび前心耳の点に対し適宜な
方法により位置をしるしすることにより、患者の頭部上
に位置決めされてきた。１０−２０システムを用いて頭
部上の電極の位置にグリース・ペンシルによりしるしが
つけられるがこれは熟練家が電極の位置を測るために巻
尺を用いているためにおよそ１５〜２０分の時間を必要
とする。そして、患者の頭部上の電極の位置は金または
銀メッキされたカップ電極内の導電性の充填物に対し良
好な電気的接触をもたらすために脱脂綿、研摩石、若し
くは何か他の研摩材によりきれいにされる。このカップ
電極はテープにより張りつけられるかまたは、それがか
わいた時凝固して頭部上の所望の位置に電極を保持する
コロディオンがぬられる。このような作業は３０〜４５
分程必要とする。電極の各々には通常６インチから１０
インチの長さのワイヤーがつけられており、ＥＥＧ測定
を行うためのシステムのコンソールにプラグ接続され
る。よって、患者はコンソールにつながる２１本のワイ
ヤーをもつこととなるだろう。しばしば、これらの電極
は患者から離れるかまたは良好な接触を損なうかするで
あろう。このようなシステムは必要とする電極およびワ
イヤー若しくは導電体の数の多さのために扱いにくいも
のであった。また、それらは患者側の準備を必要とした
ために非常に時間のかかるものであった。従ってこれら
の欠点を克服する、新規で改善されたＥＥＧ測定装置、
システムおよび方法を求める必要性がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】主に、本発明の目的は
頭部用具が患者の頭部に位置する時に、患者の頭部の大
きさにかかわらず、電極が患者の頭部上の所定の解剖学
上の位置に位置するように、頭部用具上に固定される電
極を備えた頭部用具を提供することにある。本発明の他
の目的は頭部用具上につけられた前心耳のナジオンおよ
びイニオンのしるしのために巻尺による測定が頭部用具
の位置決めのために必要とされない上述の特徴の頭部用
具を提供することにある。

【０００４】本発明の他の目的は使い捨ての電極を用い
る上述の特徴の頭部用具を提供することにある。本発明
の他の目的はストリップが電極をとりつけるための弾性
部材から形成されている頭部用具を提供することにあ
る。本発明の他の目的は縫う必要のないスナップ・ファ
スナーを用いることにより弾性ストリップが相互に固定
される上述の特徴の頭部用具を提供することにある。

【０００５】本発明の他の目的は電極の下から毛髪が容
易に動くことができるようにするために弾性ストリップ
の間に開放スペースを設けた上述の特徴の頭部用具を提
供することにある。本発明の他の目的は頭部用具に接続
された電子装置の一部分が頭部用具から離れたモジュー
ル内に設けられる上述の特徴の頭部用具を提供すること
にある。

【０００６】本発明の他の目的は伸張可能な導電体が電
極を電子モジュールに接続するために所定の弾性ストリ
ップに接続される上述の特徴の頭部用具を提供すること
にある。本発明の他の目的は保護被覆が伸張可能な導電
体およびそれに接続される弾性ストリップにもたらされ
る上述の特徴の頭部用具を提供することにある。

【０００７】本発明の他の目的は電子モジュールから信
号を取り出すために一本のケーブルが用いられる頭部用
具、装置、システム、および方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は無線周波数若しくは光学的な遠
隔測定を利用した頭部用具、装置、システム、および方
法を提供することにある。本発明の他の目的は比較的軽
量でコンパクトで患者が自由に動き回れることができる
ような頭部用具、装置、システム、および方法を提供す
ることにある。

【０００８】より好ましい実施例が添付の図面に関連し
て詳細に説明される以下の記述から本発明のさらなる目
的および特徴が明らかとなろう。

【０００９】

【問題点を解決するための手段】概説すると、人間の患
者の頭の上でＥＥＧ測定を行うための頭部用具は人間の
患者の頭上の所定の解剖学上の位置において複数の電極
を使用することを要する電極位置決めシステムを利用す
る。この頭部用具は１つのパターンを形成する複数の弾
性部材からなるストリップを含む。複数の電極はこれら
の弾性部材のストリップ上の離間した位置に設けられ
る。ある手段はこのストリップに接続され、電極が患者
の頭の大きさにかかわらず、所要の解剖学上の位置に位
置するようにストリップの伸張により患者の頭にストリ
ップのパターンを取付けるようになっている。

【００１０】さらに特に、ＥＥＧの頭部用具２１は十文
字のパターン２４（図６参照）を形成するために弾性部
材からなる複数のストリップ２２および２３を含む。ス
トリップ２２は長手方向に、すなわち、頭の前から後ろ
に延び、他方、ストリップ２３はパターン２４を形成す
るためにストリップ２２に交叉する方向に横手方向に延
びる。弾性部材からなるストリップ２２および２３のこ
のパターン２４は例えば、より好ましくは約0.０１０″
の厚さで、0.００６″から0.０２５″の厚さの範囲の１
枚の平らなラテックスのシートから形成され得る。

【００１１】

【実施例】図６に示されるとおり、本頭部用具のパター
ン２４はＶ字型部分２５を含み、ストリップ２２および
２３がストリップ２２および２３の間にほぼ矩形の空間
若しくは開口を形成するように裁断された、一枚の平坦
でほぼ矩形のラテックスのシートから形成されうる。図
６に示されたパターン２４においては、５つの長手方向
に延びるストリップ２２と５つの横手方向に延びるスト
リップ２３がある。穴２８のあいた複数の連結点が以下
に説明する電極器具を受け入れるために設けられてい
る。これらの連結点はほぼ円形の形状であり、ストリッ
プ２２および２３の重なる部分の所で、パターン２４の
所定の位置に設けられている。

【００１２】連結点２７はそこに設けられた電極器具３
１が例えば、よく使用されているインターナショナル１
０−２０システムのように、所望の電極位置に従って位
置するように位置決めされる。連結点２７はアルファベ
ッドａ−ｘの文字により識別されたところに位置する。
追加の電極器具３１が位置ｅおよびｈの隣の位置ｙおよ
びｚの所に位置する。位置ｙのところの２つの電極器具
は余裕をもって１つの地気点として用いられうる。位置
ｚの所の電極器具３１は入力若しくは所要の選択的な参
照電位として用いられうる。

【００１３】更なる連結低２７を有する、もう１つのＶ
字型ストリップ３６が設けられている。電極３１の構造
は図１０および１１に示されている。ここに示されるよ
うに、各電極３１は１９９０年９月１４日に出願された
出願係属中の出願番号07／582,749 の出願および１９９
１年８月１６日に出願された出願番号07／745,863 の部
分継続出願中に記載されたタイプの部材から形成される
円筒形の電極４１からなる。円筒形の電極４１は円錐形
の先端４１ａを有している。電極４１の底部分４１ｂは
平坦な上部癖４３およびそれに対し直角に延びる円筒形
状の側壁４４を有する、底の深いカップ形状のコンテナ
４２の中に入れられる。円筒形の側壁４４は電極４１の
長さのおよそ２分の１のところまで延びる。側壁４４の
ちょうど真中の深さのあたりに円周方向のくぼみ若しく
は溝４６が形成されている。このくぼみは下向きに傾斜
した側壁部分４４ａおよびそれに対しおよそ５５°の角
度で外側に延びる部分４４ｂにより形成される。

【００１４】また、電極器具３１は電極ホルダ４８を含
んでいる。電極ホルダ４８はプラスチック製の部分５
１、５２、および５３と金属製のスプリング部品５４と
からなっている。部品５１は中央に穴５６があけられ、
フランジが付けられた円筒の形状のものである。それに
は円周方向に盛り上がった突出部分５８を有する直径方
向に延びるリム５７が設けられている。円筒形状の部分
５１の上部部分には面取り部分６１を有したショルダ部
分５９が設けられている。また、円筒形状の部分５１に
は以下に説明する目的のために１２０°づつ離間した３
つのくぼみ６２が設けられている。部品５２はリング形
状の構造であり、以下に説明する目的のために円周方向
の突出５８を覆うように、その先端を低くした円周方向
のくぼみ６６を有している。また、それには円筒部分５
１の反対側に、円筒部分に正接して延びるＵ字型のくぼ
み６７が設けられている。このくぼみ６７は例えば、各
くぼみ６８中に２つの導電体６８のように複数の絶縁さ
れた導電体６８を受け入れるようになっている。環状の
金属性スプリング部品５４は部品５２中のくぼみ６７お
よびその中に設けられた導電体６８を覆う円環により形
成される。円環７１は垂直に下がる部分７２ｂに対して
所定の角度で内側に延びる部分７２ａを備えた下方に折
り曲げられたタブ７２が設けられている。このタブ７２
はくぼみ６２の中に延び込み、部品５４と電極４１との
間で電気的接触を確立するためにそれが穴５６内に位置
するときに電極４１のコンテナ４２のくぼみ４６を係止
するようにするためのものである。よって、電極４１が
入ったコンテナ４２が穴５２の中に位置するとき、電極
４１の入ったコンテナ４２は穴５２内に位置してタブ７
２かカチッとはまり込み、環状のくぼみ４６に収まるま
で中に押し込められる。これにより、頭部用具２１が以
下に説明されるように人間の頭部上に置かれたときに、
電極器具３１が電極ホルダ４８から押し出されることは
ないであろう。

【００１５】部品５３は中央に設けられた穴７６を有し
たスナップ・リングの形状をしており、ショルダー部５
９の上からリング５３に伸縮可能にひきしめさせるよう
に、面とり部６１を係止することによりショルダー部５
９の上からはめ込まれる。リング５３上に形成されたリ
ップ部分７７がショルダー部５９の下にはまり込むと、
スナップ・リング５３は円筒形部品５１に係止される。
同時に、スナップ・リング５３は部品５２と部品５１の
フランジまたはリム５７との間の、ストリップ２２およ
び２３内の穴２８を形成するストリップを内側に余裕が
なくなるよう締め付けるためのものであり、その結果、
電極ホルダ４８は所要の場所に堅持される。ラテックス
のストリップ２２および２３が電極ホルダ４８から引き
出されないことを確実ならしめるために、研磨紙からな
るワッシャ７８がストリップ２２および２３のおよびそ
の周囲の穴２８の間の余裕を堅く締めるために、ストリ
ップ２２および２３および部品５１および５２の間に位
置する。

【００１６】リード若しくは導電線６８のうちの１つが
例えば、導電線６８からスナップ・リング５４の円環７
１への導電路を形成するはんだ７９の使用により、金属
性のスナップ・リング５４に接続される。（図１０参
照）。電極ホルダ−４８は頭部用具２１を構成するため
に合成樹脂製のストリップ２２および２３を相互接続す
るためのスナップ締結具として供し、これにより、縫い
合わせ若しくは他のタイプの取り付けを不要とすること
ができる。

【００１７】図６に示されるように、導電線若しくはリ
ード６８は頭部用具２１の前から後へと延び、連結点２
７のところに設けられた電極ホルダー４８の各々に接続
される。例えば、連結点ｂの所の電極ホルダー４８から
連結点ｎの所の電極ホルダー４８へと延びる１つの導電
線６８があり、連結点ｑへと延びる２本の導電線があ
り、連結点ｑの所の電極ホルダー４８から連結点ｔへと
延びる３本の導電線６８があり、連結点ｔから連結点ｆ
へと延びる４本の導電線６８、そして、連結点ｆから連
結点ｋへと延びる５本の導電線６８がある。同様に、連
結点ｍの所の電極ホルダ４８から連結点ｐへと延びる１
本の導電線６８、連結点ｐから連結点ｓへの２本の導電
線６８、連結点ｓから連結点ｋへと延びる３本の導電線
６８がある。電極器具３１の全ての出力を連結点ｋにも
ってくるように、他の導電線も図６に示されるように必
要な所に配線される。

【００１８】５本の異なる長さの導電線により、連結点
２７に位置する電極器具３１の電極ホルダー４８の全て
に接続することが可能である。頭部用具２１が患者の頭
に載せられるときに連結点の間のストリップに生じる伸
張に対応するために、導電線若しくはワイヤ６８は連結
点の間の弾性ストリップの長さよりも実質的に長い長さ
を有する。本発明に用いられるラテックスのシート部材
は８００％にまで引き伸ばすことができるが、人間の頭
の大きさの大小に対応するに必要とされる伸張度は２２
〜２５％の範囲内である。ワイヤ若しくは導電線６８が
そのような伸張に対応するに充分な長さであることを確
実ならしめるには、ワイヤ６８はその導電線６８が結線
される弾性ストリップの長さより２５〜３０％長い長さ
に作られうる。

【００１９】保護スリーブ８１は連結点２７の間に延び
るラテックス・ストリップ２２および２３のうちの特定
のものに取り付けられる。これらのスリーブ８１は２つ
の目的のために取り付けられる。１つは電極器具３１か
ら延びるワイヤ若しくは導電線６８を覆うため、２つ目
は頭部用具２１が患者の頭の上に載せられるか、また
は、患者の頭から外されるときに、患者の毛髪をラテッ
クスのストリップにからむのを防ぐためである。これら
のスリーブ８１はナイロン若しくはポリエステルの繊維
などの適宜な部材により形成されうる。この巻物がスト
リップ２２および２３の長さに対応する長さに裁断され
る。電気ホルダー４８の部位には切り抜き８２が設けら
れる。この巻物は巻き込まれ、ストリップ２２および導
電線６８を包むように図８および９に示されるように粘
着物などの適宜な手段により閉じ合わされる。これらの
スリーブ８１は柔軟性のあるものであり、頭部用具２１
が人間の頭部上に位置したときにストリップ２２および
２３が伸張できるようにリード６８より長い長さを有す
る。スリーブ８１はその端部を電極ホルダー４８の各々
の部品５３と部品５２との間で係止せしめる。弾性スト
リップが伸ばされず、緩められるときに、スリーブはス
トリップ２２および２３の短かくなった長さ分に対応す
るために、ひだを作って短かくなる。

【００２０】第１および第２の若しくは一対の前心耳の
印８６が後述されるように耳の近傍の前心耳の点（図１
および２参照）に並んで患者の頭部上の適宜な位置に頭
部用具２１を位置せしめるために、図１、２および６に
示されるように頭部用具２１上に付されている。ヴェル
クロ（Velcro) などの適宜な部材からなるストラップ９
１および９２が頭部用具２１の両端に付けられており、
図６に示されるように弾性ストラップ２３に取り付けら
れたリング９３を通って延びている。別のヴェルクロ・
ストラップ９４は連結点ｋの所で電極ホルダー４８に取
り付けられている。ヴェルクロの首バンド９６は頭部用
具２１を固定するためのストラップ９１、９２および９
４の固定手段として供するために、図１、２および３に
示されるように、患者の首の上部をとり巻き、あごの上
にくるように巻き付けられる。首バンド９６は様々な大
きさの首に対応するよう調整されうる。

【００２１】連結点ｋの所にくる導電線６８は一本のフ
ラット・ケーブル１０１となり、下分のコネクタ１０２
に接続され、このコネクタは別のコネクタ１０３に接続
される。コネクタ１０３はフラット・ケーブル１０４に
より別のコネクタ１０５に接続され、このコネクタはヴ
ェルクロなどの適宜な手段により首バンド９６の外部に
設けられた、ヒンジ部分１０７ａおよび１０７ｂに造り
込まれた電子モジュール１０７に設けられたコネクタ１
０６と接続される。このモジュール１０７にはケーブル
１０９に接続された出力コネクタ１０８が設けられてお
り、ケーブル１０９は後述するように頭部用具と関連し
て使用されるインターフェース・ボックス１１０にプラ
グにより接続されるようになっている。電子モジュール
１０７に電源供給するために、電子モジュールの一部と
してバッテリ・パックが備わっており、１１１は電子モ
ジュール１０７の近傍にヴェルクロにより首バンド９６
上に設けられている。

【００２２】１０−２０システムは１９個の電極器具３
１を備えている。２つの追加の電極器具３１が位置ｙお
よびｚの所に設けられており、頭部用具が患者の頭に取
り付けられると、それらは患者の頭の両側の耳たぶの後
にくる。慣用のシステムでは、そのような電極は通常、
患者の耳の上に置かれ、参照電極として供していた。本
発明の本実施例においては、位置ｙおよびｚの所のこれ
らの追加の電極器具は２つの追加のＥＥＧ電極として扱
われ、その結果、計２１個の出力が電極器具３１から電
子モジュール１０７にもたらされる。

【００２３】頭部用具２１が成人の人間の頭に付けられ
ることが望ましいとしよう。頭部用具２１がオペレータ
若しくは介添人の両手により取り上げられ、少し伸ばさ
れて頭部用具２１上の前心耳の印８６が患者の耳の前心
耳の点８７上に位置するように患者の頭の上に位置決め
され、その結果、他の電極器具３１は患者の鼻すじの所
のナジオン１２１（図３参照）および患者の首の後の始
まる所のイニオン１２２（図５参照）に対して適宜に位
置決めされる。ナジオンに対する頭部用具２１の位置決
めはＶ字型の部分２５がそのＶをナジオンの所に位置せ
しめるようにすることによりなされる。頭部用具２１の
連結点ｋはイニオン１２２の上若しくは近傍に位置する
ように位置決めされる。ナジオン１２１およびイニオン
１２２および前心耳の点８７は１０−２０システムにお
ける慣用の参照点として供し、電極の位置ではない。

【００２４】頭部用具２１のストリップに用いられてい
る部材の弾性により、電極器具２１は頭の形および頭の
大きさにかかわらず、これらの参照点に対し適宜な位置
に位置することがわかっている。頭部用具に弾性がある
ので、１０−２０システムに必要な所要の位置に電極用
具３１を維持した状態で、異なる頭の形および大きさに
対して容易に対応可能となる。頭部用具２１は１０−２
０システムについてと同様な方法により他の比率配置に
よる電極位置決めシステムに対しても対応可能となるよ
うに設計しうる。

【００２５】頭部用具２１が頭上に適宜に位置決めされ
るとヴェルクロのストラップ９１および９２は固定する
ために患者に取り付けられた首バンド９６に固定され
得、また、同様にヴェルクロのストリップ９４も首バン
ド９６に固定され得る。頭部用具２１が適宜に位置決め
されると、電極ホルダ４８内に設けられた穴５６を介し
て患者の頭皮または毛髪を見ることができる。電極ホル
ダが人間の毛髪の上に位置するならば、オペレータは片
手により電極ホルダをもち上げることができ、電極が放
されたときに電極が患者の頭皮に直に当たるように、電
極ホルダのすぐ下の毛髪を離すために、弾性ストリップ
２２および２３の間の開口２６に他方の手の指を挿入す
ることができる。脱脂綿若しくは類似のものを穴５６を
介して挿入し、表面の油分をふきとることができる。こ
れが終了すると、コンテナ５２内に入れられた電極４４
は導電性のポリマが患者の頭皮および電極コンテナ４２
の円周のくぼみ内のスプリング金属タブ７２に係止する
ように穴５６内に位置し得、この結果、コンテナ４２の
平坦な表面４３は樹脂製のスナップ・リング５３の上部
表面と並ぶようになる。３つのタブ若しくは金属性のク
リップ７２はコンテナ４２が電極ホルダ４８内に適宜に
位置することを確実ならしめるために供し、導電性のポ
リマ電極４１が患者の頭皮と良好に接触することを確実
ならしめる。電極ホルダ４８を伴なった電極４１の位置
決めを行う際、オペレータはタブ７２がつぼみ４６に入
ったときにカチッという音を聞き、その感触を感じるこ
とができる。頭部用具２１の一部分を形成する弾性のス
トリップ２２および２３は伸縮自在にして導電性のポリ
マ電極４１を患者の頭皮に接触状態に保持するのに供す
る。保持具が所定の位置に一旦、はまり込むと、それが
電極ホルダ４８に入り込んだ方向以外に抜け出ることは
できない。以下に説明されるＥＥＧ測定の後に電極をと
り除くべきときは単に前に押し出すだけでよい。

【００２６】患者の頭に頭部用具２１が取り付けられ、
電極４１の位置決めがなされた後、光ファイバ・ケーブ
ル１０９がインターフェース・ボックス１１０に接続さ
れうる。電子モジュール１０７は図１５に示される送信
回路１２８を備えており、インターフェース・ボックス
１１０は図１６に示される受信回路を備えている。送信
ユニットはケーブル１０９を介して電極によりもたらさ
れるＥＥＧ入力１３２を受ける３２−チャンネルのマル
チプレクサを含む。入力１３２は増幅器１３３を介して
チャネル１−２８に接触される。この２８チャネルは２
１チャネルのみが必要とされる現行の１０−２０システ
ムにも供給される。選択された参照電極からの出力は図
示された回路地気に接続された入力１３６に供給され
る。同様に、チャネル２９も回路地気に接続される。追
加のチャネル３０、３１および３２はマルチプレクサ１
３１に供給される。チャネル３０および３１は一端がＶ
＋に接続され、他端がＶ−に接続された抵抗Ｒ１、Ｒ
２、Ｒ３およびＲ４からなる抵抗回路１３７に接続され
る。Ｖ＋およびＶ−により表わされるバッテリの電圧は
マルチプレクサの出力を受けるＡ−Ｄ変換器の動作範囲
内となるように分割されて降圧される。抵抗Ｒ２とＲ３
との連結点は図示のとおり回路地気に接続されている。
チャネル３０は抵抗Ｒ１、Ｒ２との間に接続され、チャ
ネル３１は抵抗Ｒ３とＲ４との間の連結点に接続されて
いる。Ｖ＋およびＶ−端子に印加される電圧は各々、お
よそ＋１〜1.２ボルトおよび−１〜1.２ボルトであろ
う。チャネル３０および３１はバッテリの状態およびそ
れらが交換されるべきか否かを確認するために、以下に
説明されるデマルチプレクサ内で用いられうる、分割降
圧されたバッテリ電圧をもたちすのに供する。この情報
Ａ−Ｄ変換器１３８に送信することにより、受信ユニッ
ト１２９内に設けられた、以下に説明されるバッテリ回
路はバッテリの低電圧状態を検出するために用いられ
得、電子モジュール１０７内に位置する送信ユニット内
にそのような回路を設けることが不要となる。

【００２７】チャネル３２は抵抗Ｒ５およびＲ６からな
る抵抗回路１４１からの出力を受ける。Ｒ５の抵抗は固
定の参照電圧１４２に接続されるが、抵抗Ｒ６は回路地
気に接続される。チャネル３２上に供給されるこの参照
電位は受信回路１２９内に設けられた、以下に説明され
るＤ／Ａ変換器の利得を調整するのに用いられる。Ａ／
Ｄ変換器１３８は慣用されているタイプのものであり、
ロジック・ユニット１３９の制御の下にあり、その出力
をパラレル／シリアル変換器１４６に出力する。変換器
１４６の出力はパルス幅変調器１４７に供給される。パ
ルス幅変調器１４７はパルス幅変調器の出力を例えば、
無線周波数エネルギ、赤外線エネルギ、若しくは光エネ
ルギーなどの異なるエネルギーに変換するエネルギー変
換器にその出力を供給する。汗渉および雑音の問題を低
減するために光学エネルギ若しくは赤外線エネルギーを
利用することが望ましいことがわかっている。よって、
発行ダイオードＤ１が備わり、それは抵抗Ｒ７を介して
電圧Ｖ＋に接続される。パルス幅変調器１４７の出力は
電流制限回路Ｒ８を介してトランジスタＱ１に接続さ
れ、その結果、抵抗Ｒ７と組み合わさりトランジスタＱ
１はダイオードＤ１に流れる電流量を決定する。トラン
ジスタＱ１は図示のとおり、マイナスの電圧源に接続さ
れている。高速により切り替わるダイオードＤ１により
放出される光は光ファイバの束１５１により拾われ、以
下に説明されるコネクタ１０８に接続される。コネクタ
１０８は頭部用具２１内の送信回路１２８からインター
フェース・モジュール１１０内の受信回路１２９へと延
びる光ファイバー・ケーブル１０９の一端に接続され
る。光ファイバー・ケーブル１０９はレセプタクル１５
３内に設けられた他端に別のコネクタ１５２を有してい
る。レセプタクル１５３はエネルギー変換器１５４内に
設けられる。コネクタ１５３には光ファイバー１５６か
ら放出される光エネルギーに供給されるデータによりオ
ン／オフされる光感応トランジスタＱ２にその光出力を
供給する光ファイバーの束１５６が設けられている。ト
ランジスタＱ２は抵抗Ｒ９を介して地気と電圧Ｖ＋との
間に接続される。トランジスタＱ２の出力はパルス幅変
調されてインバータＤ２に供給され、インバータはパル
ス幅変調された信号をシリアル／パラレル変換器１５７
に供給する。シリアル／パラレル変換器１５７はそのパ
ラレル出力をＤ／Ａ変換器１５８に出力する。Ｄ／Ａ変
換器１５８の出力はデマルチプレクサ１５９に供給され
る。またシリアル／パラレル変換器１５７はチャネル選
択ラッチ情報を供給するもの１６１によりデマルチプレ
クサ１５９にチャネル情報を供給する。デマルチプレク
サ１５９の出力はＣ１〜ＣＮの符号が付されたキャパシ
タにより地気に接続されたキャパシタを含むチャネルの
各々に関し、サンプル・ホールド回路１６２に供給され
る。キャパシタの出力はＡ１〜Ａ１１の符号が付された
オペアンプに接続される。オペアンプの出力は各チャネ
ルについてＥＥＧを出力するように出力１６３に供給さ
れる。

【００２８】よって、端子１６３からのチャネル１〜２
８上の出力は本システムの適宜な利得により増倍された
ＥＥＧの入力１３２と等しいものとなろう。チャネル２
９、３０および３１の出力は同様のサンプル・ホールド
回路１６２により再生され、その再生された信号を、ト
ランジスタＱ３のベースに接続された電流制限抵抗Ｒ１
０からなるバッテリの低電圧表示器１６７に信号を送る
バッテリの低電圧検出回路１６６に出力する。トランジ
スタＱ３のエシッタおよびコレクタは地気と発行ダイオ
ードＤ３を介してＶ＋に接続された抵抗Ｒ１１との間に
接続されている。バッテリの低電圧状態が検知される
と、発光ダイオードＤ３は可視表示を行うように動作す
る。そして、トランジスタＱ３はバッテリの低電圧状態
が検出されるとダイオードＤ３がオン状態にされるよう
にオン／オフ・スイッチとして動作することが理解され
得よう。

【００２９】チャネル３２の参照電圧は別のサンプル・
ホールド回路１６２によって再生される。再生された参
照電圧はＤ／Ａ変換器１５８からの出力がＡ／Ｄ変換器
１３８へ入ったものと同じになるように、Ｄ／Ａ変換器
１５８へと戻るライン１７１に印加される。例えば、全
てのチャネルの利得を２０％増加させるなどシステムの
利得を変更したいときは、インターフェース・ボックス
１１０上のノブ１７２を調整することによりＤ／Ａ変換
器１５８への参照電圧を変化させることにより容易に変
更しうる。

【００３０】サンプル・ホールド回路１６２において、
例えばチャネル１についてのＣ１のような各チャネルに
ついての保持キャパシタは例えば１ミリ秒毎に一回のよ
うにとしても短い期間でサンプルされる。キャパシタは
電荷を保持し、その電荷は例えば、チャネル１について
Ａ１のように高いインピーダンスのオペアンプに供給さ
れ、その結果、オペアンプからの出力はサンプル・ホー
ルド・キャパシタの電圧に追随する。

【００３１】ロジック・コントローラ若しくはマイクロ
・プロセッサ１７３にシリアル・パラレル変換器１５７
への出力が入力れ、ラッチ回路１６１に接続される出力
を有している。また、それはワン・ショット・マルチバ
イブレータ１７４へ供給されると共に、エネルギー変換
器１５８のインバータＤ２からシリアル・パラレル変換
器１５７へ供給される入力を有している。ワン・ショッ
トはシリアル・パラレル変換器１５７へデータをシフト
するに必要なクロック信号を再生するのに用いられる。

【００３２】図１６のブロック図に示される回路はイン
ターフェース・ボックス１１０（図１４参照）内に設け
られており、このインターフェースボックスは筺体１８
２のような長方形のものであり、それには平らなヘッド
ボード１８３が備わっている。ヘッドボード１８３は２
つの頭の概略的な表示１８６および１８７を備えてお
り、各々は各表示上同じ方向を向いた一対の耳１８８お
よび鼻１８９を備えている。１０−２０インターナショ
ナル・システムによれば、頭部表示上に位置する複数の
ソケット１９１が設けられている。同様に、１０−２０
インターナショナル・システムでは頭部表示１８７は頭
部表示１８７上に位置する発光ダイオードの形態の複数
の表示器１９３を備えている。これらの表示器は概略、
ラベルが付されている。電源スイッチ１９６はヘッドボ
ード１８３上に設けられている。

【００３３】筺体１８２はコンソール２０２へのブラッ
ケットを備えており、コンソールは残りの部分を図示し
ていない慣用のＥＥＧ装置の一部を構成する台２０３上
に設けられている。コンソール２０２にはインターフェ
ース・ボックス１１０上の頭部の表示１８６および１８
７と同じ方向を向いた耳２０７および鼻２０８を有する
頭部の表示２０６を備えたヘッドボードが設けられてい
る。

【００３４】図１６に示される回路からの出力１６３は
頭１８６の対応する端子１９１に接続される。また、そ
れらはインターフェース・ボックス１１０に取り外し可
能に取り付けられたコネクタ２１１に接続されており、
頭部２０６に設けられたソケット２１４にはまるプラグ
２１３に接続される複数の導電線２１２により接続され
る。また、ソケット２１４は１０−２０インターナショ
ナル・システムに従って配置される。また、図示してい
ないが、一端が頭部１８６のソケット１９１内にはまる
ことができ、他端にソケット２１４内にはまるプラグを
備えている導電線およびワイヤが用いられてもよいこと
は容易に理解されよう。

【００３５】頭部表示２０６内に設けられた端子にプラ
グをさし込むことにより慣用のＥＥＧ装置は本発明の装
置、実際には筺体を介して供給されているとういより、
患者の頭が直接、電気信号を受けているとすることがで
きる。この理由のため、頭部表示２０６と同様に頭部表
示１８６および１８７に対し、１０−２０インターナシ
ョナル・システムが利用され得、この結果、患者の頭か
らの出力１６３は頭部表示２０６の対応するソケット２
１４に導かれる。

【００３６】インターフェース・ボックス１１０は筺体
１８２にさし込まれるプラグ２１９に供給される、コー
ド２１８上の９ボルトの電源を供給する９ボルトの変圧
器２１７に取り付けられたプラグ２１６を用いることに
より、通常の電源を利用することができる。頭部用具２
１内に電極４１が存在しない時を検出する付加的な回路
がインターフェース・ボックス内に設けられている。こ
の回路は良好でない動作状態を示すために、電極と患者
の皮膚との間の高インピーダンス接触を検出するための
手段として供する。この付加的な回路は図１７にブロッ
ク図の形で示されている。患者の頭部からの出力１６３
はチャネル１〜２８に接続される複数の入力２２１に接
続されている。チャネル１〜２８は導電線２２４により
接続されるカウンタ２２３により制御されるアナログ・
マルチプレクサ２２２に接続されている。カウンタ２２
３は１ヘルツの割合でカウンタ２２３を進ませるため
に、１ヘルツの割合で発振する発振器２２６により制御
される。マルチプレクサ２２２への２８個の入力のため
に、コネクタ２２はマルチプレクサ２２２内のチャネル
をサンプリングするために必要な組み合わせとなる３５
ビットを出力する。マルチプレクサ２２２からの出力は
導電線２２１上、慣用ＥＥＧの動作から生じる信号では
なく、６０ヘルツの信号のみを直す６０ヘルツの狭帯域
フィルタとして供するフィルタ２２８を介して出力され
る。６０ヘルツの信号のみを通すことによって、高イン
ピーダンス状態の有無を確実に検出することができる。
通常のＥＥＧ信号と６０サイクルの雑音信号との間に充
分な振幅差があれば、フィルタ２２８を用いる必要がな
いことは御理解いただけよう。

【００３７】フィルタ２２８からの出力はピーク・フォ
ロア若しくは整流器２２９に入力される。それはその出
力をトランジスタＱ４のベースに出力するオペアンプ２
３１からなっている。トランジスタＱ４のコレクタは正
電位Ｖ＋に接続され、エミッタはキャパシタＣ３３と地
気およびオペアンプ２３１の他方の入力に接続された抵
抗Ｒ１２からなる回路網２３２に接続されている。ピー
ク・フォロア若しくは整流器２２９からの出力はＶ＋に
接続された抵抗Ｒ１３および地気に接続されたＲ１４か
らなる抵抗分割回路２３７により作られるスレッシュホ
ールド電圧、Ｖ _THが入力される比較器２３６に入力され
る。スレッシュホールド電圧Ｖ_THは電極が存在しない
か、若しくは、電極と患者の皮膚との間に高いインピー
ダンスが存在するときに比較的２３６からの出力を出力
するよう選ばれる。換言すると、比較器２３６は高い６
０サイクルの成分を検出する。スレッシュホールド電圧
はカウンタ２２３によりチャネルが１から２８と歩進す
るにつれ、各チャネルに供給される。

【００３８】比較器２３６からの出力はデマルチプレク
サ２４１に入力され、デマルチプレクサはカウンタ２２
３の出力線２２４に接続される入力線２４２を備えてお
り、この結果、マルチプレクサ２２２が歩進するのと同
じようにそれも歩進する。マルチプレクサ２２２内でチ
ャネル１が選択されると、対応するチャネル１がデマル
チプレクサ２４１において選択される。チャネル１〜２
８の出力は保持キャパシタＣ４３に接続される。キャパ
シタＣ４３は図示のとおり地気に接続される。また、出
力２４２は抵抗２４８を介してＶ＋の電圧に接続された
発光ダイオード若しくは表示器１９３に接続されたバッ
ファ・インバータ２４６に接続される。これらの表示器
１９３は頭部表示１８７（図１４参照）内に設けられた
ものである。強い６０ヘルツの信号が点灯する表示器１
９３により表わされるならば、これは電極が存在しない
か、または、電極と皮膚との間に非常に高いインピーダ
ンスが存在することを示している。このように、患者の
頭のある位置のある電極によって受けている信号が不適
当な信号であることが、頭部表示１８７に可視表示され
る。これは被検体の状態を修正若しくは救済するため
に、適宜な手だてをとるようにとのオペレータに対する
警告となる。

【００３９】頭部用具２１上の電極ホルダ４８と電子モ
ジュール１０７との間でシールドされた導電線６８を用
いることにより、全て除去できずとも、６０サイクルの
外部雑音を最小限にすることができる。人体自体は等電
位表面であるので、外界に存在する６０サイクルに起因
する人体上のいかなる点の電位もゼロ若しくはゼロ近辺
である。以下に説明される電子機器に接続された頭部用
具２１の動作および使用法は従来の方法によりＥＥＧ測
定を行うためのものである。頭部用具が図１〜５に示さ
れる方法により患者の頭上に位置決めされたとしよう。
これはオペレータがオペレータの両手で頭部用具２１を
とりあげ、頭部用具２１の弾性ストリップを引き伸ばし
て頭部用具上に付された前心耳の印８６が患者の耳の近
傍の前心耳の点８７と並ぶように、患者の頭の上から頭
部用具の位置決め行うことにより容易になし得る。同時
に、頭部用具の前および後の部分について、ナジオン１
２１に対しては、Ｖ字型部分２５を用いて、イニオン１
２２に対してはＫの位置を用いて適宜、位置決めされ
る。そして、患者の毛髪が電極器具３１のすぐ下にない
か否か電極ホルダ４８かチェックされる。ある場合は、
オペレータはその電極ホルダ４８を片手で持ち上げ、頭
部用具２１の弾性ストリップ２２および２３の間に生じ
た空間２６に他方の手を挿入して電極ホルダ４８の下か
ら毛髪をわきによける。その後、必要であれば、脱脂綿
のついたｑ−ティップ若しくは他の器具を穴５６に挿入
して電極ホルダ４８の下の皮膚の表面を掃くことができ
る。その後、前に準備された、コンテナ４２内に丸い点
４１ａを有する電極４１が後述される方法により、電極
ホルダ４８内にカチッと入れられ、その結果、電極４１
の丸い先端４１ａが患者の皮膚または頭皮につき当た
る。この手続きは全ての電極４１がはめ込まれるまで続
けられる。光ケーブル１０９はインターフェース・ボッ
クス１１０に接続される。コネクタ２１１を使用して、
また、選択的には、ヘッドボード１８３上の頭部の表示
２０６の対応するソケット２１４へ接続された導電線を
用いることにより、インターフェース・ボックス１１０
からコンソール２０２への適宜な接続がなされる。

【００４０】これが終了すると、装置を動作状態にする
ために、インターフェース・ボックス１１０上の電源ス
イッチ１９６により電源投入する。この後は、ＥＥＧ測
定が従来の方法により行われる。以前に指摘したとお
り、コンソール２０２は本発明の装置を介するのではな
く、あたかも患者の頭に直接、接続されたコンソール２
０２に導電線が接続されているかのような態様によりコ
ンソール２０２にＥＥＧ信号が入力される。これによ
り、現存のＥＥＧ装置に変更を加えることなく、顕著な
長所を有する本発明の装置を利用することができる。

【００４１】図１８に示される頭の図はとヴェルクロの
首バンド２５２内に位置する参照点２５１を利用する本
発明の装置が参照点が患者の耳たぶの一方若しくは両方
に関連づけられる慣用のＥＥＧ装置により利用される追
加の参照点として同一の機能を果たすような方法を示す
ものである。本発明においては、患者の脳の中に電気的
活動は首バンド２５２内の参照点２５１に対して測定さ
れ得る一方で、患者の耳たぶのところに位置する参照点
を利用することにより生成されるであろう場合と同一の
目的電圧を得る。この参照点は参照符号Ａ１が付され、
患者の１つの耳の近傍に設定され、他方の参照点Ａ２
（図示せず）は患者の他の耳の近傍に設定される。参照
点２５１と参照点Ａ１との間の電位差はＶ₀ ′として示
される。参照点Ａ１と電極Ｔ５との間の電位差は矢印Ｖ
₁ により示される。参照点２５１と電極Ｄ５との間の電
位差はＶ₁ ′により示される。参照点Ａ１と電極Ｔ３と
の間の電位差は矢印Ｖ₂ により示され、参照点２５１と
電極Ｔ３との間の電位差はＶ ₂ ′により示される。同様
に、参照点Ａ１から電極０１への電位差はＶ₃ として示
され、参照点２５１から電極０１への電位差はＶ₃ ′と
して示される。

【００４２】以上により、 Ｖ₁ ＝Ｖ₁ ′−Ｖ₀ ′ Ｖ₂ ＝Ｖ₂ ′−Ｖ₀ ′ Ｖ₃ ＝Ｖ₃ ′−Ｖ₀ ′ となることがわかるであろう。

【００４３】同様にして、参照電極Ａ１および／または
参照電極Ａ₂ などの耳たぶの参照点を用いることにより
得られるであろうものと同一の最終電圧をもたらすため
に、電圧Ｖ₀ ′が頭部用具の電極により生成された他の
電圧から減算されうる。本発明の装置において、電圧信
号はデマルチプレクサ１５９により受信される。デマル
チプレクサ１５９は前述の計算を行い、コンソールに電
圧情報を出力し、コンソールは通常、患者の耳たぶに関
連する電極Ａ１およびＡ２ではなく、首バンド２５２内
の参照電極２５１の位置決めによる差分により生成され
る電圧の変化を除去する。

【００４４】軽量の光ケーブル１０９を用いると、患者
は頭部用具２１が患者の頭の上に載せられた後も動き回
わることができる。光ファイバーは非常に軽いので、必
要であれば、患者は長い光ファイバを使って装置から脱
離することなく、自由に歩き回わることができる。ま
た、光ファイバ１０９は必要に応じ、容易に切り離すこ
とができる。さらに、頭部用具はバッテリで動くので、
光ファイバ１０９は他の外部装置からの危険から患者を
電気的に絶縁することができる。この特徴は電気的に動
作する麻酔監視、電気メス装置、および細動除去器がよ
く使用される外科手術の間は特に重要である。光ケーブ
ルによりもたらされる光学的絶縁を利用することにあ
り、患者または患者の頭部からの受信される出力信号に
有害な影響をもたしうる地気電流を処理したり、生成し
たりすることなく、他の機械、患者に流れる電気雑音を
生じさせるようなものでさえ、使用することができる。

【００４５】本頭部用具の構造、それに関係する装置お
よびシステムにより、例えば外科手術中のＥＥＧモニタ
または睡眠の研究の関連などの様々なタイプのＥＥＧに
関連してそれらを利用することが可能となる。これらは
全て頭部用具を装置に接続するための絶縁光ケーブルを
利用することにより容易に可能となる。

【００４６】

【発明の効果】電極器具３１の間のストリップが伸張し
うる頭部用具２１の弾性によって、頭部用具２１が様々
な頭の大きさにフィットし、例えば、１０−２０システ
ムの電極の正確な位置決めも可能となる。本発明の頭部
用具２１は他の電極位置決めシステムにも利用可能であ
ることは御理解いただけよう。例えば、前述の如く、患
者の首などの患者の体の近傍に増幅器および回路を設け
ることにより、良好な接触を得るために皮膚の準備をす
る必要がなくなる。なぜならば、電気的妨害をもたらす
他の信号源および６０サイクルの信号源からの周囲雑音
を拾ってしまう傾向を有する長い導電ワイヤを介して信
号を送る必要がなくなるからである。

【００４７】本発明のシステムにより信号対雑音比を大
幅に向上させることが可能である。本システムは綿密な
皮膚の準備を不要とする。また、本システムは患者が移
動できるようにすると共に、患者を他の機械から絶縁す
ることができる。一回きりの使い捨ての乾いた電極を用
いれば、容易に使うことができ、良好な電気導電をもた
らすことができる。一回の測定が終了すれば、電極４１
は簡単に外され、頭部用具２１を容易に再利用すること
ができる。

【００４８】１０−２０システムの１９個のチャンネル
に加え、２つの耳の参照チャネルを標準ＥＥＧ装置に入
力することにより、現存の機械を利用することができ
る。なぜならば、２１個のチャネル全てを入力すること
により、その機械は本発明の装置およびシステムではな
く、患者に直接、接続されていると思わせられるからで
ある。耳の近傍の参照電極から得られる情報をもたらす
ために２つの追加のチャネルを設定することにより、い
かなる電極システムも利用可能となる。バッテリ検査情
報は多くの場合は患者から離れた場所にあるバッテリ検
査回路に送られる。より小さい大きさの頭部用具を幼児
用のために作ることができる。そのようなシステムは潜
在需要のある、および／または従来のＥＥＧ測定のため
に用いられうる。

【００４９】本発明に関し、図１９に示されるように、
弾性ストリップ２６１、２６２、２６３、２６４、２６
６、２６７、２６８、２６９、２７１、２７２、２７
３、および２７４から頭部用具２１を組み立てることが
望ましいことがわかっている。これらの弾性ストリップ
は前述のストリップ２２および２３と同じ材質のものか
ら作られうる。しかしながら、図１９に示されたストリ
ップは前の頭部用具の如く、開口２６を取り出す必要な
しに裁断されうるという点で効果を有する。前述のスト
リップ２６１〜２７４は穴２７７のあいた連結点、２７
６を有している。図示のとおり、ストリップ２６１〜２
７４は前述のように、組み合わされて１つの頭部用具２
１が作られるように、適宜な文字により番号づけされて
いる。図１９に示されたストリップ２６１〜２７４は製
造および頭部用具２１のための操作を容易にする。図１
７に示されたストリップ２６１〜２７４によれば、連結
点２６６の間のストリップの長さは連続的であり、前の
実施例の頭部用具２１のように分離したり、巻き込んだ
り、とじあわせる必要のないスリーブ（図示せず）によ
って保護されうる。換言すると、そのようなスリーブを
ワイヤ若しくは導電線（図示せず）およびストリップ２
６１〜２７４の各々の一端を覆うようにかぶせ入れ、連
結点２６６の間のストリップ２６１〜２７４の部分を覆
うよう位置決めすることができる。

【００５０】以上の説明において、分離したワイヤまた
は導電線が頭部用具に用いられるとされてきた。しかし
ながら、その代わりに柔軟性のあるテープ・ケーブル２
８１が図１２および１３に示されるように用いられても
よい。図中、テープ・ケーブルには前述の導電線６８と
同じように機能するために、電極ホルダ４８の間が接続
されるようなエッチングを施すことなど適宜な方法によ
り形成された長手方向に延び、粘着性を有する導電体２
８３を有するストリップ２８２の形状の平らな樹脂製の
ストリップからなっている。弾性ストリップ２２および
２３の伸張に対応するために、テープ・ケーブル２８１
は頭部用具が取り付けられた患者の頭の大きさに応じて
変化するように電極ホルダ４８間に空間に空くようにす
るために、図１２および１３に示されるようなヘビのよ
うな態様により縮まる。テープ・ケーブル上の導電線は
例えば、適宜なはんだ付け（図示せず）により電極４１
を係止するタブ７２に、電気的接続をとるためにとり付
けられうる。

【００５１】以上より、多くの特徴および効果有する使
いすて電極も備えたＥＥＧ頭部用具と、それと共に用い
られる装置、システムおよび方法とが提供されたことが
おわかりいただけであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】接続された首バンドを供った人間のモデル上に
設けられた頭部用具の右側の側面図である。

【図２】首バンド上に設けられたバッテリーパックを備
えた電子モジュールおよびそれに接続された出力ケーブ
ルを示す。図１に示された頭部用具の左側側面図であ
る。

【図３】図１および図２に示された頭部用具の正面図で
ある。

【図４】図１、２および３に示された頭部用具の平面図
である。

【図５】図１、２、３および４に示された頭部用具の後
３正面図である。

【図６】人間の頭部上におかれる前に図１〜５に示され
る頭部用具の平面図である。

【図７】弾性部材のストリップが覆う前の保護被覆を示
す図６に示された頭部用具の一部を示す図である。

【図８】弾性ストリップの回りを覆う保護被覆を示す、
図６の線８−８に沿った断面の図７に類似する断面図で
ある。

【図９】図８の線９−９の断面の断面図である。

【図１０】図１１の線１０−１０に沿った図１〜５に示
される電極器具のうちの１つの断面図である。

【図１１】電極がはずされた状態の図１０の線１１−１
１に沿ってみた図１０に示される電極器具の平面図であ
る。

【図１２】本発明の他の実施例を組み込んだ頭部用具の
一部分である。

【図１３】図１２の線１３−１３に沿った断面の断面図
である。

【図１４】慣用のＥＥＧ装置の台座に接続されると共に
その上に載置されるデマルチプレクサ・インターフェー
ス・ボックスの正面図である。

【図１５】本発明の装置およびシステムに用いられてい
る電気回路の一部を示すブロック図である。

【図１６】本発明の装置およびシステムに用いられてい
る電気回路の一部を示すブロック図である。

【図１７】本発明の装置およびシステムに用いられてい
る電気回路の一部を示すブロック図である。

【図１８】等価な電圧が耳たぶの参照点からではなく首
バンドの参照点を用いてＥＥＧのために取得される方法
を示す概略図である。

【図１９】本発明の頭部用具の他の実施例において用い
られる選択的な弾性ストリップの平面図である。

Claims (21)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者の頭部の所定の解剖学上の位置に複
   数の電極の使用を必要とする電極位置決めシステムを用
   いて人間の形状の患者の頭部上でＥＥＧ測定を行うため
   の頭部用具において、開口を備えたパターンを形成する
   弾性部材からなる複数の長手方向に延びるストリップお
   よび横手方向に延びるストリップと離間した前記ストリ
   ップの部材上に設けられた複数の電極器具と、前記電極
   器具が前記患者の頭部の大きさにかかわらず、前記患者
   の頭部上の所望の解剖学上の位置に位置するように、前
   記ストリップおよびその上に設けられた電極器具を前記
   ストリップを引き延ばすことにより患者の頭に取りつけ
   るための前記ストリップに取りつけられた手段とを備え
   た頭部用具。
2. 【請求項２】 ストリップは十文字となるように相互に
   直角の方向に延びる請求項１の頭部用具。
3. 【請求項３】 電極器具の各々に設けられた取り外し可
   能な電極を供った請求項１の頭部用具。
4. 【請求項４】 ストリップには連結点が設けられてお
   り、前記連結点は中央に設けられた穴を備えており、前
   記電極器具は患者の頭部への延びる開口と、電極器具内
   に設けられた患者の頭部と接触する電極と、電極器具内
   の前記電極を保持し、それと電気的接触を行うための電
   極器具に設けられた手段とを備えた請求項１の頭部用
   具。
5. 【請求項５】 前記電極器具は電極を係止し、電極器具
   の穴の中で一方向にのみ電極が動くことができるように
   する伸縮可能なスプリング部材を請求項４の頭部用具。
6. 【請求項６】 前記ストリップに取りつけられた前記手
   段は頭部用具を患者の頭の上の適宜な位置に保持するた
   めに、患者の頭部に取りつけられるようにされた頭部用
   具に取りつけられたストラップを含む請求項１の頭部用
   具。
7. 【請求項７】 患者の首の回まわりに延びる首バンドを
   伴ない、前記ストラップは頭部用具の後ろを前記首バン
   ドに結ぶストラップを含む請求項６の頭部用具。
8. 【請求項８】 首バンドに設けられた電子モジュールお
   よび前記電子モジュールを電極器具の電極に接続するケ
   ーブルを備えた請求項７の頭部用具。
9. 【請求項９】 首バンドの上に設けられ、前記電子モジ
   ュールに電源供給を行うために前記電子モジュールに接
   続されたバッテリー・パックを備えた請求項８の頭部用
   具。
10. 【請求項１０】 前記ケーブルは電極器具の電極に接続
    され、頭部用具の後ろの方に延びる電気的導電体を含む
    請求項８の頭部用具。
11. 【請求項１１】 ストラップが患者の頭の毛髪に接触し
    ないように、ストラップおよび電気的導電体の回わりに
    延びるプラスチック製のシースを備えた請求項１０の頭
    部用具。
12. 【請求項１２】 弾性のストラップは自由な長さを持っ
    ており、前記導電体は患者の異なる大きさの頭部に対し
    対応可能となるようにストリップが延び縮みできるよう
    に、ストリップの自由な長さより長い長さを有する請求
    項１０の頭部用具。
13. 【請求項１３】 電極器具は連結点の所でストラップを
    固定する請求項４の頭部用具。
14. 【請求項１４】 前記器具が前記導電体を電極器具に取
    りつけるための前記スナップ固定手段を含むときに前記
    電極器具に接続された電気的導電体を備えた請求項１３
    の頭部用具。
15. 【請求項１５】 前記頭部用具は前心耳のしるしが付さ
    れている請求項１の頭部用具。
16. 【請求項１６】 患者の首に止めるようにするための首
    バンド内に設けられた印を備えた請求項９の頭部用具。
17. 【請求項１７】 ＥＥＧ測定を行うための導電体を有す
    る頭部用具と共に使用されるための電極器具において、
    円筒形のバレル形状の部材は貫通穴を有し、円周方向に
    突出を有した、外方向に延びるリムを有し、リングが前
    記円周方向の突出を覆い、前記リングは前記導電体を受
    け入れるようにするためのくぼみを有し、導電性の金属
    性リングは前記くぼみを覆い、前記くぼみを介して導電
    体のうちの１つに接続されるようにされており、別のリ
    ング形状の部材は金属性のリングおよびその付加的なリ
    ングに設けられる手段および前記円周方向の突出全体に
    かけて前記リングを係止するためのバレル上の部材を覆
    い、前記金属性リングは穴へと内側に延びるタブを有す
    る電極器具。
18. 【請求項１８】 患者の頭部の所定の解剖学上の位置に
    複数の電極の使用を必要とする電極位置決めシステムを
    用いて人間の形状の患者の頭部上でＥＥＧ測定を行うた
    めの頭部用具において、頭部用具は患者の頭部に取りつ
    けられるようになっており、前記頭部用具は一方向に延
    びる複数のストリップおよび開口を有する十文字形状の
    パターンを作るように異なる方向に延びる複数のストリ
    ップ、なお、前記ストリップは弾性部材から形成されて
    いる、と、前記ストリップ上の所定の位置に設けられた
    複数の電極器具と、頭部用具を患者の頭に固定する手
    段、尚前記ストリップはストリップが患者の頭にフィッ
    トするには少なくとも所定量を引き伸ばさなければなら
    ないような長さのものであり、前記ストリップは電極が
    患者の頭の大きさにかかわらず、患者の頭上の所要の解
    剖学上の位置に位置するように延びることができる、
    と、患者によりもち運ばれ、複数のチャネルに電気信号
    をもたらすための電気的に接続された電気回路と、前記
    電気信号を解析するための手段とを備えた頭部用具。
19. 【請求項１９】 患者によりもち運ばれる電気回路は電
    極器具から電気信号を受けるためのマルチプレクサと、
    アナログ−ディジタル変化器に接続されたシリアル−パ
    ラレル変換器を形成するためにマルチプレクサの出力に
    接続され、シリアル出力を出力するアナログ−ディジタ
    ル変化器と、パルス幅変調された信号を出力するために
    パラレル−シリアル変換器に接続されたパルス幅変調器
    と、パラレルデータを出力するためにパルス幅変調され
    た信号を受けるためのシリアル−パラレル変換器と、パ
    ラレルデータをアナログ情報に変換するためのディジタ
    ル−アナログ変換器と、前記アナログ情報を電極器具か
    ら受けるチャンネル内の信号に対応する複数のチャンネ
    ルに変換するためのデマルチプレクサと、チャネル内の
    信号を解析するための手段とを含む請求項１８のシステ
    ム。
20. 【請求項２０】 患者の頭上の所定の解剖学上の位置に
    位置する複数の電極を使って、人間の形状の患者からＥ
    ＥＧ測定を行うための方法において、パラレルな状態で
    複数のチャネルにより患者の電極からの電気的信号を受
    け、その電気的信号をマルチプレクスし、患者からのマ
    ルチプレクスされた信号を患者から離れた位置に伝送
    し、その電気的信号をデマルチプレクスし、このデマル
    チプレクスされた電気信号を解析するＥＥＧ測定方法。
21. 【請求項２１】 電極からの信号はアナログの形態であ
    り、アナログ−ディジタルの形態からパラレル形態のマ
    ルチプレクスされた情報を変換し、パラレル形態の情報
    をシリアル形態に変換し、ディジタル−アナログ形態か
    らのシリアル形態の情報を変換し、シリアル−パラレル
    形態からのアナログ情報を患者の頭上の電極から受けら
    れる電気的情報に対応する複数のチャネルに変換し、そ
    の受信された情報を検査するステップをさらに含む請求
    項２０の方法。