JPH05260893A - 乳飲料の製造方法 - Google Patents
乳飲料の製造方法Info
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- JPH05260893A JPH05260893A JP4065872A JP6587292A JPH05260893A JP H05260893 A JPH05260893 A JP H05260893A JP 4065872 A JP4065872 A JP 4065872A JP 6587292 A JP6587292 A JP 6587292A JP H05260893 A JPH05260893 A JP H05260893A
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Abstract
ーヒー抽出液入り又は果汁入り乳飲料の提供を目的とす
る。 【構成】 コーヒー抽出液入り乳飲料又は果汁入り乳飲
料を製造する過程で、コーヒー抽出液又は果汁と乳を混
合する前に、トランスグルタミナーゼによって、乳中の
乳蛋白質とゼラチン又は/及びゼラチン加水分解物を架
橋高分子化させることにより、乳蛋白が凝集分離せず、
かつ風味良好な乳飲料を得ることができる。
Description
くはコーヒー抽出液又は果汁入り乳飲料の製造方法に関
する。更に詳しくは蛋白質などが凝集分離することのな
い、長期間保存しても安定な、コーヒー抽出液入り乳飲
料又は果汁入り乳飲料の製造方法に関する。
液入り乳飲料や、イチゴやミカン、リンゴ、メロンなど
の果汁入り乳飲料を製造する際に、コーヒー抽出液中又
は果汁中に含まれる酸類やタンニン類、ペクチン類によ
り、カゼインなどの乳蛋白質成分は凝集分離を起こす。
このような現象を防ぐために従来は、a)重炭酸水素ナ
トリウム等のpH調整剤を多量添加して乳飲料のpHを
6.5〜7.0の中性付近に調整する方法、b)カラギ
ーナンなどの天然高分子物質やカルボキシメチルセルロ
ースなどの化学処理した多糖類等を安定剤として用いて
乳蛋白質を安定化させる方法、c)コーヒー抽出液や果
汁に乳を添加して生じた凝集物をあらかじめ除去してお
く方法、d)果汁中に含まれるペクチン類やタンニン
類、酸類を限外ろ過、電気透析等の処理で除去し、乳蛋
白質の凝集を防ぐ方法(特開昭59−143574)、
更にはe)乳飲料の粘度を高くして凝集物の沈降を防ぐ
方法などが行われてきた。
凝集する原因成分を除去したり、乳蛋白質に電荷を与え
て間接的に乳蛋白質を安定化させたり、凝集した乳蛋白
質を除去しているだけであり、乳蛋白質自身が凝集しな
い性質を獲得したわけではなかった。例えば、従来の方
法で製造した果汁入り乳飲料に新たに果汁を添加した場
合はやはり乳蛋白質が凝集分離してしまうし、レトルト
殺菌等の加熱処理を施した場合も同じように乳蛋白質が
凝集してしまうことが多い。またpHを中性付近に調整
された果汁入り乳飲料は、もとの果汁の持つさわやかな
酸味が奪われ、甘味だけが強くなってしまうという欠点
があった。これと同様に、pHを中性付近に調整された
コーヒー抽出液入り乳飲料はコーヒー抽出液本来の風味
特に酸味を失っている。
ーヒー抽出液入り乳飲料の場合、従来用いられてきたカ
ラギーナン等の非蛋白質態の安定剤を低減ないしは全く
使用しないコーヒー抽出液入り乳飲料の製造方法を、
2)果汁入り乳飲料の場合、従来の果汁入り乳飲料製造
方法の欠点を解消した、安定剤を用いず、また果汁中に
含まれる乳蛋白質凝集原因成分を除去したりしないで、
乳蛋白質自身が凝集せず安定に溶解又は分散する性質を
付与させ、さらにレトルト殺菌等の加熱処理に対しても
安定である果汁入り乳飲料の製造方法を提供することで
ある。
解決する為に鋭意検討を加えた結果、(1)乳蛋白質と
(2)ゼラチン及び/又はゼラチン加水分解物からなる
混合物にトランスグルタミナーゼを作用させることによ
り、上記課題を解決できることを見いだし本発明を完成
するに至らしめた。即ち、本発明は(1)乳蛋白質と
(2)ゼラチン及び/又はゼラチン加水分解物を含む混
合物にトランスグルタミナーゼを作用させて乳蛋白を安
定化させた後に、コーヒー抽出液又は果汁を添加混合す
ることを特徴とする乳飲料の製造方法である。
牛乳、脱脂乳、羊乳などの動物性乳及び豆乳など植物性
乳状物を原料としてそのまま用いれば良い。さらには、
それらを希釈したものや濃縮したもの、粉末化したもの
も用いることができる。一方、コーヒー抽出液として
は、コーヒー豆を焙煎等の加熱処理したもの及びそれを
粉末化したものから水、熱水で抽出したもの、及びそれ
らを乾燥させたものを水や熱水に溶解したものを用いる
ことができる。また、果汁としては、イチゴ、ミカン、
リンゴ、メロン、バナナ、ブドウ、グレープフルーツ等
の果実から得られる果汁だけでなく、スイカ、ニンジ
ン、トマト等の青果から得られる果汁をも含めて用いる
ことができる。また、直接搾汁して得られた果汁のほか
に、それを加熱処理したものや希釈したもの、果実から
抽出した抽出液などももちろん使用できる。トランスグ
ルタミナーゼとしては、微生物由来のもの(特開平1ー
27471参照)、モルモット肝臓由来のもの(特公平
1ー50382参照)等のトランスグルタミナーゼ活性
を有する限り如何なる種類のものを用いても良いが、好
ましくは微生物由来のトランスグルタミナーゼを用いる
のがよい。
せる方法としては、コーヒー抽出液及び果汁と混合する
以前の乳に対し、以下のような処理を行うことが肝要で
ある。 すなわち、牛乳等の乳にゼラチン及び/又はゼ
ラチン加水分解物を、乳中の乳蛋白100質量に対して
30〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部
になるように溶解し、そこに乳蛋白質1g当たりに1〜
100単位、好ましくは5〜50単位になるようにトラ
ンスグルタミナーゼを添加すればよい。この処理によ
り、乳蛋白質とゼラチン及び/又はゼラチン加水分解物
は架橋高分子化し、安定化された乳蛋白質になる。処理
中のトランスグルタミナーゼ反応における反応温度は4
〜65℃、好ましくは20〜55℃が適当で、反応時間
は3時間〜1分、好ましくは1時間〜20分が適当であ
る。もちろん、反応条件は上記条件にこだわるものでは
ない。
処理された乳は、その後にコーヒー抽出液あるいは果汁
と混合されるが、その混合割合は特に限定されず、通
常、最終製品である乳飲料100重量部あたり、(1)
コーヒー抽出液の場合はコーヒー抽出液を50〜90重
量部、また(2)果汁の場合は、果汁を10〜50重量
%含有するようにするのが好ましい。また、混合時に蔗
糖等の糖類、アスパルテーム等の甘味料を加えてもよ
い。他に少量の香料、少量の重炭酸水素ナトリウム等の
pH調整剤等の添加物を加えておいても良い。このコー
ヒー抽出液入り乳飲料及び果汁入り乳飲料はレトルト殺
菌またはUHT殺菌(超高温殺菌)されて、あるいは、
無菌的に充填されて、市場に供給される。
ーゼの作用により乳中の乳蛋白質自身が安定になるの
で、その後に所定量のコーヒー抽出液及び果汁と混合し
ても、乳蛋白質が凝集分離することがない。しかもレト
ルト殺菌またはUHT殺菌のような加熱処理に対しても
安定であるという優れた効果が認められる。尚、レトル
ト処理、UHT殺菌の条件は教科書に記載されているよ
うな通常の条件で行なえば良い。
明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
g(乳蛋白質を約4g含有)に、酸処理ゼラチン
((株)ニッピ製)2gを加温しながら溶解し、それに
比活性が1単位/mgであるトランスグルタミナーゼ
(特開平1−27471の実施例1の方法により得たも
の)を80mg添加し、55℃で1時間インキュベート
した。次いで、インスタントコーヒー(味の素ゼネラル
フーズ(株)製)1.4g、グラニュー糖4g、重炭酸
水素ナトリウム0.02gを加温した蒸留水に溶解した
後、上記のトランスグルタミナーゼ処理した牛乳と混合
し、蒸留水にて全体量を1000gにして、ミキサーで
均質化して調製液を得た。この調製液を250mlの缶
に充填、密封後、123℃で20分間レトルト殺菌し、
殺菌後室温まで冷却して缶入りコーヒー飲料を得た(試
料)。
トランスグルタミナーゼも添加しないで、後は試料と同
様の処理をしたもの(対照1)、牛乳に酸処理ゼラチン
を溶解せず、トランスグルタミナーゼも添加しないで、
重炭酸水素ナトリウムの量だけを0.08gにして、後
は試料と同様の処理をしたもの(対照2)、牛乳に酸処
理ゼラチンを溶解したものに、あらかじめ失活させてお
いたトランスグルタミナーゼを添加し、後は試料と同様
の処理をしたもの(対照3)を対照のコーヒー飲料とし
て調製した。
に対して、pH、乳蛋白質の凝集状態、本来コーヒーが
持っている風味のうち特に酸味を維持しているかどうか
について評価を行った。また、55℃で3カ月保存後の
各コーヒー入り乳飲料についても同様に評価を行った。
それらの結果を表1に示した。
℃で3カ月保存後ともに試料が最も良好で、乳蛋白質の
凝集がなく、コーヒー本来の風味特に酸味を維持してい
た。更に、試料は洗練されたパネラーによる味覚評価に
おいても最も優れた評価を得た。
細切し、ガーゼによりろ過し種子等を除去した。このよ
うにして得られた果汁を以下は第1次果汁と呼ぶ。ま
た、第1次果汁をさらに遠心分離(5,000rpm、
10分間)して、浮遊物を除いて得られた上清を第2次
果汁とした。
白質を含む)に対して、酸処理ゼラチン((株)ニッピ
製)を1.5%になるように溶解した。これにトランス
グルタミナーゼ(例えば、実施例1記載のトランスグル
タミナーゼ)を、乳蛋白質1gに対して20単位になる
ように添加し、37℃で1時間インキュベートした。こ
の乳に対し、上記の第1次果汁又は第2次果汁をそれぞ
れ最終乳飲料100重量部あたり20%又は40%にな
るように混合し、模擬的なイチゴ果汁入り乳飲料を調製
した(試料)。
に果汁と混合したもの(対照1)、及び、試料と同様
に、牛乳に酸処理ゼラチンを溶解させた後に、あらかじ
め失活させておいたトランスグルタミナーゼを添加し
て、あとは試料と全く同様の処理を行ったもの(対照
2)を別に調製した。
2の3サンプルについて、その状態を観察したときの結
果を下記の表2に示した。
いに分散した溶液状態。 △:わずかに乳蛋白質が凝集しているが、分散してい
る。 ×:乳蛋白質が凝集、分離している。
ブにより、120℃、10分間の加熱処理を行い、加熱
処理後の各サンプルの状態を観察したときの結果を表3
に示した。
は、遠心分離処理した第2果汁に比べて粘性が高く、乳
蛋白質の凝集が起こりやすい特徴がある(表2参照)。
また、酸処理ゼラチンを牛乳に加えることで、表2の結
果からわかるように、若干の乳蛋白質安定効果が見られ
たが、果汁の割合が多くなるとやはり凝集が起き、その
効果は不十分であった。しかも表3からわかるように、
加熱処理を施されると、乳蛋白質は完全に凝集分離して
しまった。それに対して、表2、3より明らかなように
本発明により得られた試料は、果汁の遠心分離処理の有
無に関わらず、全く乳蛋白質の凝集分離がなく、明らか
に乳蛋白質が安定になっていた。同様に、試料を加熱処
理しても全く安定であった。また、洗練されたパネラー
による味覚評価においても、表2及び3中の試料は対照
品に比較して、味、風味、香りのいずれも点に於いても
有意に優れていた。更に、加熱処理後の試料に対して、
さらに果汁を加えて希釈したが、その時も乳蛋白質の凝
集分離は起きず、安定であった。
Claims (1)
- 【請求項1】 (1)乳蛋白質と(2)ゼラチン及び/
又はゼラチン加水分解物を含む混合物にトランスグルタ
ミナーゼを作用させて乳蛋白を安定化させた後に、コー
ヒー抽出液又は果汁を添加混合することを特徴とする乳
飲料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4065872A JP3047608B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 乳飲料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4065872A JP3047608B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 乳飲料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05260893A true JPH05260893A (ja) | 1993-10-12 |
JP3047608B2 JP3047608B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=13299509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4065872A Expired - Lifetime JP3047608B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 乳飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3047608B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008035783A (ja) * | 2006-08-07 | 2008-02-21 | Uha Mikakuto Co Ltd | 野菜を発酵させた新規食品用素材、その製造方法及び前記食品用素材を含有する食品 |
JP2019205378A (ja) * | 2018-05-29 | 2019-12-05 | ミヨシ油脂株式会社 | 水中油型乳化物 |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP4065872A patent/JP3047608B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008035783A (ja) * | 2006-08-07 | 2008-02-21 | Uha Mikakuto Co Ltd | 野菜を発酵させた新規食品用素材、その製造方法及び前記食品用素材を含有する食品 |
JP4561711B2 (ja) * | 2006-08-07 | 2010-10-13 | ユーハ味覚糖株式会社 | 野菜を発酵させた新規食品用素材、その製造方法及び前記食品用素材を含有する食品 |
JP2019205378A (ja) * | 2018-05-29 | 2019-12-05 | ミヨシ油脂株式会社 | 水中油型乳化物 |
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---|---|
JP3047608B2 (ja) | 2000-05-29 |
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