JPH05260695A - 電動機 - Google Patents

電動機

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JPH05260695A
JPH05260695A JP10344092A JP10344092A JPH05260695A JP H05260695 A JPH05260695 A JP H05260695A JP 10344092 A JP10344092 A JP 10344092A JP 10344092 A JP10344092 A JP 10344092A JP H05260695 A JPH05260695 A JP H05260695A
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JP
Japan
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electric motor
vibration
permanent magnet
rotor
fixed
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JP10344092A
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English (en)
Inventor
Joji Ochi
譲次 越智
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流ブラシレス電動機において、コギングに
起因する振動や騒音を軽減する。 【構成】 軸体7と固定座22とを圧入嵌合により連結
し、固定座22と防振部材15とをキー嵌合によって連
結する。固定子12の耐空回り力が非常に大きくなり、
しかも固定座22と防振部材15とのキー嵌合箇所が防
振部材15の一端部だけに限定して設けてあるので、防
振部材15のキー溝20の存在していない部分では防振
部材15の径方向の厚さが厚くなり、それだけ防振作用
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば空気調和機の室
内機に内装されるクロスフローファン等を駆動するため
の電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近までは、空気調和機のファン駆動用
電動機として、交流誘導電動機が主として使われていた
が、小型化及び制御精度向上の要求が高まるに従って直
流ブラシレス電動機を採用することが検計されるように
なってきた。
【0003】その具体例が例えば特開昭64−4169
6号公報に記載されており、その装置においては、略カ
ップ状の回転子ケーシングに周状に永久磁石を配設し、
上記ケーシングをファンロータの一方の側板に防振ゴム
を介して連結してある。またエンドブラケットを室内機
のフレームに固定し、上記エンドブラケットの中心から
軸方向に突設された固定軸の中途部に、複数の突極を有
する固定子を固着し、この固定軸の先端部で上記回転子
を回転自在に支持すると共に、回転子側の永久磁石が上
記固定子の外周を囲う位置に位置する構成となされてい
る。
【0004】ところで永久磁石を回転子に用いた直流ブ
ラシレス電動機は、交流誘導電動機に比べて高効率で小
型化が可能であるけれども、その回転駆動時に、永久磁
石の周方向で隣合う異極の境界点と固定子の突極との相
対位置の変化に応じて永久磁石と固定子との間の吸引力
が増減するためにコギングが発生し、そのコギングによ
り回転子に回転むらが生じると同時に、固定子に振動を
生じ、この振動が固定子を支持している軸体を介して室
内機のフレームに伝播することとなって、装置全体の振
動や騒音が発生することが多い。そしてこのことが、直
流ブラシレス電動機を空気調和機のファン駆動用電動機
として採用する上で大きな障害になっていた。
【0005】そこで本出願入は、先の出願(特願平2−
296557号)において、軸体と固定子との間に防振
ゴムを介装した直流ブラシレス電動機を提案し、これに
より装置の振動や騒音の発生の低減を図ることを試み
た。
【0006】上記の出願で提案した直流ブラシレス電動
機は、図28に示すように、軸体7に、この軸体7より
も軟質材料の固定管90を圧入して固定すると共に、固
定管90のキー部91と円筒状の防振ゴム15における
内面に軸方向全長に亘って形成されたキー溝とを合わせ
て両者を嵌着したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで図28の直流
ブラシレス電動機によると、軸体7と固定管90とが圧
入嵌合によって確実に連結され、しかも固定管90と防
振ゴム15とがキー嵌合によって確実に連結されている
ので、固定子の耐空回り力は非常に大きくなるけれど
も、固定管90の厚さに相応する分だけ防振ゴム15の
径方向の厚さが薄くなり、それだけ防振効果も少なくな
るという問題を有していた。
【0008】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、コギングに起因
する振動や騒音を軽減することのできる直流ブラシレス
方式の電動機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の電動機
は、エンドブラケット3の垂直面に垂直に固定された軸
体7に防振部材15が外嵌合され、この防振部材15に
固定子12がキー嵌合されていると共に、上記防振部材
15における軸方向の一端部だけに具備されたキー溝2
0に、上記軸体7に圧入固定された固定座22のキー部
23が嵌合され、上記固定子12の周囲に永久磁石40
を具備する回転子27が配備されていることを特徴とし
ている。
【0010】請求項2の電動機は、請求項1の構成に加
え、防振部材15が、軸体7に具備された鍔部9と軸体
7に圧入された固定輪26との間で圧縮挟持されている
ことを特徴としている。
【0011】請求項3の電動機は、請求項1または請求
項2の構成に加え、回転子27の永久磁石40が周方向
で複数に分割され、その分割された永久磁石41のそれ
ぞれは、外端面の曲率半径R2よりも内端面の曲率半径
R3が大きくなされたことを特徴としている。
【0012】請求項4の電動機は、請求項3の構成に加
え、分割された永久磁石41の外端面が回転子ケーシン
グ28に具備された円筒部30の内面に沿わされ、相隣
接して配置された上記永久磁石41の相対向するそれぞ
れの端部が、回転子ケーシング28に取着された共通の
固定片45と上記円筒部30とによって挾持固定されて
いることを特徴としている。
【0013】請求項5の電動機は、請求項1または請求
項2の構成に加え、回転子27の永久磁石が周方向で複
数に分割され、その分割された永久磁石57のそれぞれ
は、対称線A−Aを介して対称形状に形成され、外端面
58が回転子ケーシング28に具備された円筒部30の
内面に沿わされ、内端面59が上記対称線A−Aに対し
て直交する平坦面に形成されていると共に、内端面59
の両端部に、半径方向外方に向けて上り勾配となる傾斜
面60が具備されていることを特徴としている。
【0014】請求項6の電動機は、請求項3または請求
項5の構成に加え、回転子ケーシング27に切起し形成
された押え片42と回転子ケーシング27に具備された
円筒部30とにより、相隣接して配置された上記永久磁
石41、57の相対向するそれぞれの端部が挾持固定さ
れていることを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1の電動機によると、軸体7と固定座2
2とが圧入嵌合により確実に連結され、しかも固定座2
2と防振部材15とがキー嵌合によって確実に連結され
るので、固定子12の耐空回り力は大きくなる。その
上、固定座22と防振部材15とのキー嵌合箇所は、防
振部材15の一端部だけに限定されているので、防振部
材15のキー溝形成箇所はその一端部だけでよくなり、
そのことによってキー溝20の存在していない部分では
防振部材15の径方向の厚さが充分に大きくなり、それ
だけ防振作用が向上する。
【0016】請求項2の電動機において、固定輪26の
軸体7に対する圧入深さを変えることにより防振部材1
5、25に対する軸方向の圧縮圧力を変えると、防振系
の共振周波数が変化する。したがって必要回転速度の騒
音を下げたいときには、固定輪26の圧入深さを変えて
防振系の共振周波数を変化させることにより、使用回転
速度から共振周波数を遠ざけて低騒音になる。
【0017】請求項3の電動機によると、回転駆動時
に、永久磁石41の周方向で隣合う異極の境界点と固定
子12の突極との相対位置の変化に応じて発生する永久
磁石と固定子との間の吸引力の急激な変化を防止し得
る。
【0018】請求項4の電動機によると、固定片45に
より永久磁石41が外方向に押されると同時に、分力に
よって円周方向にも押されるため、永久磁石41が等間
隔に配置され、重量的なアンバランスが少なくなり、雑
音や振動の発生が少なくなる。
【0019】請求項5の電動機によると、永久磁石57
の形状が正弦波形状に近付き、コギングの発生原因が少
なくなる。
【0020】請求項6の電動機によると、押え片42に
より永久磁石57が外方向に押されると同時に、分力に
よって円周方向にも押されるため、永久磁石57が等間
隔に配置され、重量的なアンバランスが少なくなり、雑
音や振動の発生が少なくなる。
【0021】
【実施例】次にこの発明の電動機の具体的な実施例につ
いて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は空気調
和機の室内機におけるファン装置、詳しくはクロスフロ
ーファンのファンロータ1の一方の側板(以下、右側板
という)2側の構成を示している。
【0022】エンドブラケット3は、図2と図3に示す
ように、面板部4と面板部4の外周縁から前方に延びた
筒状部5とが板金加工で作られており、面板部4には中
心孔6が形成されている。
【0023】軸体7は、図4と図5に示すように、軸部
8の基部に鍔部9を有し、この鍔部9に突出部10が具
備されており、突出部10が図1のように上記面板部4
の中心孔6に嵌入された状態で、鍔部9がスポット溶接
やビス等の適宜の固定手段11によって面板部4に固着
されている。
【0024】固定子12は粉体塗装等で電気的に絶縁さ
れた鉄心13に巻線14を装備したものである。この実
施例において使用する鉄心13は、図6に示す形状に打
ち抜かれた平板13aを所定枚数だけ積層して構成され
る。各平板13aには図6と図7に示すような平面視矩
形の打抜凹陥部13bが具備されており、この打抜凹陥
部13bを嵌合させながら多数の平板13aが積層され
て鉄心13が構成される。鉄心13の最も端に積層され
る平板13aを図8と図9に示してある。この平板にあ
っては、打抜き凹陥部に変えて打抜き凹陥部を収容可能
な大きさの矩形の開口13cを形成してある。なお図6
のように打抜凹陥部13bの位置と、各平板13に具備
されたキー溝16とが交互に60°の位相を持たせて等
間隔に配置されている。これは打抜凹陥部13bやキー
溝16の形成による鉄心13内での磁路変化をできるだ
けバランスのとれたものにするための対策であり、この
ようにすると磁路バランスの向上による運転効率の向上
という利点が生じる。
【0025】図10と図11と図12とに防振部材15
を示している。この防振部材15は、キー部17を備え
た筒部18と、筒部18の一端部に一体に設けられた鍔
部19とを有し、鍔部19にはキー溝20を有する異径
孔部21が具備されている。
【0026】この防振部材15は筒部18を上記軸体7
に嵌め込むことにより軸体7に外嵌合される。そして軸
体7と防振部材15とが、次に説明する固定座22によ
り連結される。図13と図14に示すように、固定座2
2はキー部23を有するボス部24と、ボス部24に一
体に設けられた鍔部25とを備えている。そしてボス部
24を軸体7の基部にプレスにより圧入することにより
軸体7に固着され、しかも防振部材15の異径孔部21
に鍔部25が嵌合されると共に、キー部23が防振部材
15のキー溝20と嵌まり合う。
【0027】この構造であれば、軸体7と固定座22と
が圧入嵌合により確実に連結され、しかも固定座22と
防振部材15とがキー嵌合によって確実に連結されるの
で、固定子12の耐空回り力は大きくなる。その上、固
定座22と防振部材15とのキー嵌合箇所は、防振部材
15の一端部だけに限定されているので、防振部材15
のキー溝形成箇所はその一端部だけでよくなり、そのこ
とによってキー溝20の存在していない部分では防振部
材15の径方向の厚さがキー溝20の形成によって薄く
なる余地が無くなる。したがって軸体7へのコギング等
の振動の伝わる距離が長くなり、キー溝20によって防
振作用が減衰するという事態が最小限度に抑制される。
なお図10〜図12で説明した防振ゴム15の形状は、
図28に示した従来の電動機における2つに分割された
各防振ゴム15a、15bを一体としたものの形状に類
似するものである。
【0028】図1において、25は鍔形防振部材(防振
ゴム)である。この鍔形防振部材25は軸体7に挿入さ
れて上記防振部材15の端面に重ね合わされるものであ
り、本来は、上記防振部材15に一体に設けられるもの
であるけれども、この鍔形防振部材25を上記防振部材
15と一体に設けると、防振部材15を鉄心13に嵌合
するときの邪魔になって押し込むことができないので別
体にしたものである。
【0029】26はアルミ等の金属で作られた固定輪
で、軸体7に圧入されている。そしてこの固定輪26と
軸体7の鍔部9との間で互いに重ね合わされた防振部材
15と鍔形防振部材25とが圧縮挟持されている。
【0030】このように固定輪26と鍔部9との間で防
振部材15と鍔形防振部材25とを圧縮挾持するという
方式を採用した場合、固定輪26の軸体7に対する圧入
深さを変えることにより各防振ゴム15、25に対する
軸方向の圧縮圧力を変えると、防振系の共振周波数が変
化する。すなわち電動機の回転速度を高速から低速まで
変化させたとき、上記圧縮圧力を強くすれば高速の騒音
が低下し、逆に弱くすると低速の騒音が低下する。した
がって必要回転速度の騒音を下げたいときには、固定輪
26の圧入深さを変えて防振系の共振周波数を変化させ
ることにより、使用回転速度から共振周波数を遠ざけて
低騒音の製品にすることができる。この方式を採用する
ことにより、図28で説明した従来の電動機よりも騒音
値が0.5〜1.0db低くなることを確認している。
【0031】一方、図1において、27は回転子であ
る。回転子27はそのケーシング28の取付板部29の
外周縁に円筒部30を延設したもので、取付板部29の
中央に内側に突き出たボス部31が形成されている。こ
のボス部31には軸受32が嵌入されており、その軸受
32が、軸体7の軸部8に、上記固定輪26に当たる状
態で嵌め込まれている。
【0032】回転子ケーシング28のファン側の側面に
軸受ハウジング33をスポット溶接やビスなどの適宜の
固定手段34で固定してある。この軸受ハウジング33
には波ワッシャ35、軸受36、間座37が押し込まれ
ている。また上記一対の軸受32、36は、軸体7の先
端に設けたストッパ7aと、上記固定輪26との間に支
持されている。このようにしておくことにより、荷降ろ
し作業中の落下事故等の大きな衝撃によりファンロータ
1が正常位置に戻らないぐらいずれることを防止するこ
とができる。また軸受ハウジング33は軸受36がスム
ーズに動くように隙間嵌めになる内径になっている。こ
のため回転子27の振れは軸受36の軸方向の動きに変
えられ、そのような軸受36の軸方向の動きが波ワッシ
ャ35により吸収されるので、騒音の発生しにくい低騒
音の製品となる。
【0033】エンドブラケット3の面板部4の後面側に
は、駆動回路やホール素子Hを搭載した基板(駆動回路
基板)38が配備され、その基板38の適所がクリップ
39を用いて上記面板部4に取付けられている。
【0034】回転子27における筒状部30の内面に、
永久磁石(マグネット)40が設けられている。この永
久磁石40については次に説明する第2実施例及び第3
実施例において詳細に説明する。
【0035】図15は第2実施例による電動機を示して
いる。このものは、回転子27の永久磁石40が周方向
で複数に分割されている点、その分割された永久磁石4
1のそれぞれは三日月形状になっている点に特徴を有し
ている。他の部分の構造は第1実施例と同様であるた
め、同一部分を同一符号で示してその説明を省略する
(この点は、以下の各実施例においても同様である)。
【0036】図16を参照して永久磁石40の形状をさ
らに詳しく説明する。図16のR1は永久磁石41の厚
さの最大点を通る内接円、R2は回転子ケーシング28
の円筒部30の内面に接触する寸法すなわち永久磁石4
0の外端面の曲率半径、R3は永久磁石40の内端面の
曲率半径である。そしてR3はR2の約2.2倍になっ
ている。永久磁石40の厚さは周方向中央部が最大で両
端にいくほど薄くなった対称形状になっており、その両
端部の拡がり角度は90°よりも少し小さい角度になっ
ている。また図示したt1はt2より僅かに小さくなっ
ている。
【0037】図18(a)(c)に示すように、回転子
ケーシング28には、90°おきの4箇所に円筒部30
に内側から対向するように切り起こされた比較的長い押
え片42が設けられている。この押え片42は外側に膨
らみ出た押圧部43を有する。また図18(a)(b)
に示すように、隣接する押え片42、42の間の等角度
おきの2箇所に、円筒部30に内側から対向するように
切り起こされた比較的短い当り片44が設けられてい
る。
【0038】分割された永久磁石41は、上記円筒部3
0と上記押え片42との間に永久磁石41を挟み込み、
かつ永久磁石41の端面を上記当り片44に当て付ける
ことによって、回転子ハウジング28に取付けられる。
また図17及び図19(a)(b)のように、非磁性体
で作られた固定片45を用いて行うことも可能である。
この固定片45は、外面が永久磁石41の外端面の曲率
半径と同じ曲率半径の円弧面に形成された一対の脚部4
6、46を有し、それらの脚部46、46の分岐部に形
成された凹所47を上記押え片42に差し込むようにな
っている。この固定片45を用いた場合、上記押え片4
2のばね力により、固定片45が、その脚部46、46
に重ねられた永久磁石41の端部を回転子ケーシング2
8の円筒部30に弾圧する。なお相隣接する永久磁石4
1、41は、互いに対向する端部が共通の固定片45の
脚部46、46で回転子ケーシング28の円筒部30に
弾圧されている。このような取付状態において、永久磁
石41と回転子ケーシング28の取付け板部29との間
には当り片44の長さに相当する隙間が形成される。こ
の隙間は、回転子ケーシング28の垂直面を流れる永久
磁石の漏洩磁束を少なくすることに役立っている。なお
図20(a)(b)は、固定片45の変更例を示すもの
である。
【0039】この実施例によると、回転駆動時に、永久
磁石41の周方向で隣合う異極の境界点と固定子12の
突極との相対位置の変化に応じて発生する永久磁石と固
定子との間の吸引力の増減が減少するので、コギングが
抑制され、そのことが回転むらや振動を抑制することに
役立つ。
【0040】図21は第3実施例の電動機を示してい
る。この電動機において、軸体7には中空の管が用いら
れており、そのような軸体7の基部フランジ50がハウ
ジング51の背板に固定されている。この軸体7に、防
振部材15が挿入されていると共に、軸体7に圧入され
た固定座22と上記防振部材15とがキー嵌合されてい
る。また防振部材15に固定子12の鉄心13がキー嵌
合されている。上記ハウジング51の背板と前板とにそ
れぞれ軸受ハウジング52、53が設けられ、これらの
軸受ハウジング52、53に収容保持された軸受54、
55に、支持軸56が回転自在に支持されている。そし
てこの支持軸56に、回転子27が連結支持されてい
る。
【0041】この実施例においては、回転子27の永久
磁石40が周方向で複数に分割され、その分割された永
久磁石41のそれぞれの形状に特徴を有している。
【0042】すなわち分割された永久磁石57は、図2
2のように左右対称であり、外端面58が回転子ケーシ
ング28の円筒部30の内面に沿う曲率半径を有し、内
端面59がその対称線A−Aに対して直交する平坦面に
形成されていると共に、内端面59の両端部に半径方向
外方に向けて上り勾配となる傾斜面60、60となされ
ている。図22の永久磁石57にあっては、傾斜面6
0、60が、内端面59に対して45°の角度を形成し
ている。
【0043】この永久磁石57の45°の傾斜面60は
図18で説明した押え片42を利用して、図23のよう
に隣の永久磁石57の傾斜面60と共に外方向に押して
固定されている。このようにすると、押え片42により
永久磁石57が外方向に押されると同時に、分力によっ
て円周方向にも押されるため、永久磁石57が等間隔に
配置され、重量的なアンバランスが少なくなり、雑音や
振動の発生が少なくなる。
【0044】この実施例によると、等厚さの永久磁石よ
りも極切り替わり時に発生するコギングはかなり小さく
なるが、さらにコギングの発生を小さくするには、図2
4のように傾斜面60の角度θをさらに大きくするとよ
い。実験ではこの角度θを52°にしたとき正弦波形状
とほとんど変わらない厚さの変化形状になった。すなわ
ち図25のように横軸に電気角をとった場合、等厚さの
永久磁石の形状は一点鎖線のようになっているが、第3
実施例における傾斜面60の角度θを45°にしたとき
にはのようになり、52°にしたときにはのように
なる。したがって傾斜面60の角度θを52°にしたと
きには、正弦波形状とほとんど差のない厚さ変化になっ
て、コギングの発生原因がほとんど無くなる。
【0045】上記永久磁石57は、図19及び図20に
示したような非磁性体の固定片45で外方向に押して固
定することが可能である。ただし回転子ケーシング28
を板金加工で作らず切削で作った場合には、図21に示
すように、回転子ケーシング28の取付板部29に固定
片61をビスで固定してもよい。
【0046】なお永久磁石57の周方向の両端を対称線
A−Aに平行な端面に加工してあるのは、永久磁石57
の研磨加工時、固定に必要だからである。また小さなコ
ギングの発生は問題にならず、むしろ組立の容易化を狙
う場合には、永久磁石の端部の傾斜面60の角度θを4
5°にし、コギングを小さく押さえることを重視する場
合にはこの角度θをさらに大きくして正弦波形状に近づ
けた形状の永久磁石を採用することが望まれる。
【0047】ところで直流ブラシレス電動機を回転させ
るためには電子回路が必要であり、この電子回路がコス
ト、小型化、信頼性等、電動機の評価を決定する要因に
なっている。この3要因を決めるのは、1Cの放熱が如
何によくなされているかにあり、そのためにはICの放
熱面積と放熱フィンとが熱的に良好に接触し、本熱フィ
ンの放熱面積をどれだけ広く確保できるかによってい
る。そこで上記第3実施例では、図21のように、IC
62と基板38との間にゴムシート63を挟み込み、ま
た基板38とハウジング51の背板(エンドブラケッ
ト)との間の外周部に図26のような円弧状のゴム製ス
ペーサ64を挾み込んでいる。そして基板38をスプリ
ング65で固定してある。このようにすると、エンドブ
ラケット3の側面と基板38とが平行になり、IC62
の放熱面とエンドブラケット3との接触が良好になる。
図26に示したスペーサ64の両端の突起66、67
は、基板38やエンドブラケット3に形成された位置決
め孔に嵌入されるものであって、この構成により、基板
38に取付けられているホール素子Hの位置が電動機効
率の最も高い位置に設定されるようになっている。
【0048】またホール素子Hは、角度方向の位置を正
確に決める必要があると同時に、固定子12の鉄心13
に接触しない高さでできるだけ高い位置に固定しておく
ことが、検出感度を高める上で有効である。そのため図
21の実施例では、ホルダー68にホール素子Hを取付
けてある。このホルダー68は、図27に示すように、
下部に空間Sを具備しており、基板38のランド部を半
田浴に浸漬したときに半田がその空間Sに面する基板3
8のランド部に付きやすいようにしてある。
【0049】
【発明の効果】請求項1の電動機によると、固定子の耐
空回り力が非常に大きくなる上、防振部材の径方向の厚
さを厚くしやすくなり、それだけ防振作用が向上する。
【0050】請求項2の電動機によると、防振系の共振
周波数を変化させることが可能であるので、低騒音化を
容易に図ることができるようになる。
【0051】請求項3の電動機によると、回転駆動時
に、永久磁石と固定子との間の吸引力の増減が減少して
コギングを抑制することが可能になる。
【0052】請求項4の電動機によると、永久磁石が等
間隔に配置され、重量的なアンバランスが少なくなり、
雑音や振動の発生が少なくなる。
【0053】請求項5の電動機によると、永久磁石の形
状が正弦波形状に近付き、コギングの発生原因が少なく
なる。
【0054】請求項6の電動機によると、永久磁石が等
間隔に配置され、重量的なアンバランスが少なくなり、
雑音や振動の発生が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例による電動機の断面図で
ある。
【図2】エンドブラケットの正面図である。
【図3】エンドブラケットの断面図である。
【図4】軸体の断面図である。
【図5】軸体の正面図である。
【図6】鉄心に使われる平板の正面図である。
【図7】図6の平板の要部の断面図である。
【図8】鉄心に使われる他の平板の正面図である。
【図9】図8の平板の要部の断面図である。
【図10】防振部材の正面図である。
【図11】防振部材の断面図である。
【図12】防振部材の背面図である。
【図13】固定座の正面図である。
【図14】固定座の断面図である。
【図15】この発明の第2実施例による電動機の断面図
である。
【図16】分割された永久磁石の形状説明図である。
【図17】分割された永久磁石の配置説明図である。
【図18】(a)(b)(c)は回転子ケーシングを示
し、(a)はその正面図、(b)はその断面図、(c)
は他の部分の断面図である。
【図19】(a)(b)は固定片を示し、(a)は平面
図、(b)は正面図である。
【図20】(a)(b)は固定片の変更例を示し、
(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図21】この発明の第3実施例による電動機の断面図
である。
【図22】分割された永久磁石の形状説明図である。
【図23】分割された永久磁石の配置説明図である。
【図24】分割された永久磁石の形状説明図である。
【図25】分割された永久磁石と正弦波形状との違いを
示す説明図である。
【図26】スペーサの正面図である。
【図27】ホール素子のホルダーの正面図である。
【図28】従来例の断面図である。
【符号の説明】
3 エンドブラケット 7 軸体 9 鍔部 12 固定子 15 防振部材 20 キー溝 22 固定座 23 キー部 26 固定輪 27 回転子 28 回転子ケーシング 30 円筒部 40 永久磁石 41 分割された永久磁石 42 押え片 45 固定片 57 分割された永久磁石 58 分割された永久磁石の外端面 59 分割された永久磁石の内端面 60 分割された永久磁石の傾斜面 R2 分割された永久磁石の外端面の曲率半径 R3 分割された永久磁石の内端面の曲率半径 A−A 対称線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドブラケット(3)の垂直面に垂直
    に固定された軸体(7)に防振部材(15)が外嵌合さ
    れ、この防振部材(15)に固定子(12)がキー嵌合
    されていると共に、上記防振部材(15)における軸方
    向の一端部だけに具備されたキー溝(20)に、上記軸
    体(7)に圧入固定された固定座(22)のキー部(2
    3)が嵌合され、上記固定子(12)の周囲に永久磁石
    (40)を具備する回転子(27)が配備されているこ
    とを特徴とする電動機。
  2. 【請求項2】 防振部材(15)が、軸体(7)に具備
    された鍔部(9)と軸体(7)に圧入された固定輪(2
    6)との間で圧縮挾持されていることを特徴とする請求
    項1の電動機。
  3. 【請求項3】 回転子(27)の永久磁石(40)が周
    方向で複数に分割され、その分割された永久磁石(4
    1)のそれぞれは、外端面の曲率半径(R2)よりも内
    端面の曲率半径(R3)が大きくなされた三日月形状で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2の電動
    機。
  4. 【請求項4】 分割された永久磁石(41)の外端面が
    回転子ケーシング(28)に具備された円筒部(30)
    の内面に沿わされ、相隣接して配置された上記永久磁石
    (41)の相対向するそれぞれの端部が、回転子ケーシ
    ング(28)に取着された共通の固定片(45)と上記
    円筒部(30)とによって挾持固定されていることを特
    徴とする請求項3の電動機。
  5. 【請求項5】 回転子(27)の永久磁石が周方向で複
    数に分割され、その分割された永久磁石(57)のそれ
    ぞれは、対称線(A−A)を介して対称形状に形成さ
    れ、外端面(58)が回転子ケーシング(28)に具備
    された円筒部(30)の内面に沿わされ、内端面(5
    9)が上記対称線A−Aに対して直交する平坦面に形成
    されていると共に、内端面(59)の両端部に、半径方
    向外方に向けて上り勾配となる傾斜面(60)が具備さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2の電
    動機。
  6. 【請求項6】 回転子ケーシング(27)に切起し形成
    された押え片(42)と回転子ケーシング(27)に具
    備された円筒部(30)とにより、相隣接して配置され
    た上記永久磁石(41、57)の相対向するそれぞれの
    端部が挾持固定されていることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項5の電動機。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006127171A3 (en) * 2005-05-25 2007-11-08 Harold Wagner Universal direct current brushless air conditioning system

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US7310966B2 (en) * 2004-01-16 2007-12-25 Harold Wagner Universal direct current brushless air conditioning system
WO2006127171A3 (en) * 2005-05-25 2007-11-08 Harold Wagner Universal direct current brushless air conditioning system

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