JPH05260511A - 画像調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】スキャナで読み取られた画像の調整を、表示装
置や環境の変化に影響されずに一定レベルに行わせる。 【構成】スキャナで読み取られた画像を全て表示装置に
表示させる一方、複数の標準画像を同時に表示させる
（Ｓ２）。そして、前記表示された画像の中から、調整
する画像及び調整の基準となる標準画像をそれぞれ選択
し（Ｓ４，Ｓ６）、選択した調整する画像と標準画像と
を表示装置に並べて表示させる（Ｓ７）。そして、表示
装置上で調整結果を標準画像と比較しつつ、明るさや色
バランスなどの調整作業を行い、調整データを決定する
（Ｓ８）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は画像調整装置に関し、特
に、画像を表示装置に表示させながら目視確認によって
調整データを決定する装置において、画像を一定レベル
に安定して調整し得る技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、表示装置を用いて画像の調整を行
う装置としては、以下のように、スキャナで読み取られ
た画像を記録するときに、画像を一定レベルに調整して
から記憶させる装置がある。このものでは、スキャナで
読み取られた画像を表示装置（ＣＲＴディスプレィ等）
に１枚ずつ表示させ、この表示装置の表示画面を見なが
ら調整ボリューム等を操作して、表示画像の明るさ・コ
ントラスト・色バランス・彩度等を調整し、表示画像が
所望のレベルに調整されると、該調整データに基づいて
読み取り条件を変えて改めてスキャナで画像読み取りを
行わせたり、又は、スキャナで読み取られた画像信号を
前記調整データに基づいて変換して出力するものであ
る。そして、調整済みの画像信号を、光ディスクや磁気
ディスクなどの記憶媒体に記憶させたり、又は、プリン
タに出力してハードコピーを作成させる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表示画
面上では所望レベルに調整されたと判断しても、実際に
プリンタでプリントしてみると、プリントされた画像が
所望の調整レベルになく、調整が不充分であったことに
初めて気付く場合がある。これは、ＣＲＴディスプレィ
等の表示装置上に表示される画面を目視する場合、その
表示装置の明るさやカラーバランスなどの表示装置毎の
特性ばらつき、更には、表示装置の背景や室内の明るさ
などの環境条件の変化に人間の眼の方が順応してしま
い、然も、基準がないので、本来の調整目標とは異なる
レベルに調整されていてもこれに気づかなくなってしま
うためである。

【０００４】また、複数の画像を調整する場合に、１枚
ずつ表示装置に表示させて、個別に調整することになる
ので、個々の画像のバランスを揃えることが困難である
という問題もあった。本発明は上記問題点に鑑みなされ
たものであり、表示装置に画像を表示させながら行う画
像調整において、一定のレベルに容易に調整できるよう
にすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
画像調整装置は、図１に示すように構成される。図１に
おいて、記憶手段は、調整対象の画像を読み込んで記憶
するものであり、信号変換手段は、この記憶手段に記憶
された画像を読み出して信号変換する。そして、表示手
段は、信号変換手段で変換された画像を所定の標準画像
と共に表示装置に同時に表示させる。ここで、調整手段
は、前記信号変換手段による変換特性を調整するもので
あり、調整データ出力手段は、前記調整手段における調
整データを、記憶手段に記憶された調整対象の画像に対
応する調整データとして出力する。

【０００６】

【作用】かかる構成の画像調整装置によると、表示装置
に対して調整対象の画像と所定の標準画像とが同時に表
示され、調整対象の画像は、調整手段によって信号変換
手段の変換特性を調整することで調整されるので、前記
所定の標準画像との比較によって調整結果を判断し、最
終的に調整データを決定し得る。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図２は、
本発明にかかる画像調整装置の実施例におけるハードウ
ェア構成を示すブロック図であり、この図２に示す装置
は、スキャナで読み取った画像を、オペレータがＣＲＴ
ディスプレィで確認しながら調整し、調整された画像を
出力させる装置である。

【０００８】ここで、スキャナ１は、例えば写真プリン
トやネガフィルム等の銀塩感光材料の画像を、光電的に
読み取ってカラーの画像信号として出力するものであ
り、このスキャナ１で読み取られた画像信号は、記憶手
段としての画像メモリ２に記憶される。また、信号変換
手段としてのデータ変換器３は、前記画像メモリ２に記
憶された画像信号を変換して出力するものであり、かか
るデータ変換器３で変換された画像信号は、一旦フレー
ムメモリ４に記憶され、表示手段としての画像合成部５
で後述する標準画像と合成されて、ＣＲＴディスプレィ
６（表示装置）上に表示される。

【０００９】前記データ変換器３は、カラー画像信号が
Ｒ，Ｇ，Ｂの３原色信号であるとすると、例えば図３に
示すように構成される。図３において、画像メモリ２か
ら読み出された各色信号は、まず、それぞれ変換テーブ
ル21ａ〜21ｃによって変換されて、各色信号毎に明るさ
・コントラストの調整がなされ、次いで、マトリックス
変換回路22によって色バランス及び彩度の調整がなされ
るようになっている。

【００１０】ここで、前記変換テーブル21ａ〜21ｃ及び
マトリックス変換回路22の変換特性は、オペレータによ
る調整操作によってそれぞれ変化させることができるよ
うになっており、前記調整操作のために、マウスやタッ
チパネルなどのマン・マシン・インターフェイス７が設
けられ、このマン・マシン・インターフェイス７をオペ
レータが操作することで、ＣＰＵ23を介して変換テーブ
ル21ａ〜21ｃ及びマトリックス変換回路22の変換特性が
調整される。前記マン・マシン・インターフェイス７
が、調整手段に相当する。

【００１１】従って、前記マン・マシン・インターフェ
イス７を操作することで、ＣＲＴディスプレィ６上に表
示されているスキャナ１で読み取られた画像の調整を行
えるものであり、ＣＲＴディスプレィ６上で調整結果を
確認しながら調整作業を進めることができる。また、前
記標準画像は、光ディスクなどの記憶媒体からなる標準
画像ライブラリ８に予め記憶されているものであり、予
め最も好ましい調整が行われた画像として風景，人物，
無機質画などの異なる被写体の画像を複数記憶してい
る。

【００１２】上記構成によってスキャナ１で読み取られ
た画像の調整が終了すると、最終的な調整データが以下
のようにして出力される。代表的な出力例としては、最
終的に得られた調整データに基づき前記データ変換器３
で変換された画像を、記憶媒体９に記憶させるか、又
は、直接プリンタ10に出力してプリントさせる。

【００１３】また、スキャナ１で読み取られた画像信号
そのままと調整データとを対応させて記憶媒体９に記憶
させる。この場合、画像信号と調整データとの対応付け
が行えるようにしてあれば、それぞれに異なる記憶媒体
に記憶させることも可能である。更に、最終的に得られ
た調整データに基づいてスキャナ１の読み取り条件を調
整し、再度同じ画像の読み取りを行わせて、かかる読み
取り結果をそのまま記憶媒体９に記憶させたり、プリン
タ10に出力する。従って、この場合には、調整を行うた
めの予備スキャンと、該予備スキャンで得られた調整デ
ータに基づいて最終的に出力する画像を得るための本ス
キャンとに分かれることになる。

【００１４】ここで、本実施例における調整データ出力
手段は、最終的に調整データを出力するデータ変換器３
のみによって構成されるとすることもできるが、前記調
整データ又は該調整データに基づき調整された画像を記
憶する記憶媒体９、調整された画像をプリントするプリ
ンタ10、更には、調整データに基づいて読み取り条件が
変更されるスキャナ１を含めて調整データ出力手段と見
做すこともできる。

【００１５】尚、記憶媒体９としては、光ディスクや磁
気ディスクなどが用いられる。ここで、具体的な画像調
整作業の様子を、図４のフローチャートに従って説明す
る。まず、スキャナ１による読み取りを行わせ、読み取
られた画像信号を逐次画像メモリ２に取り込んで記憶さ
せる（Ｓ１）。

【００１６】また、画像メモリ２に記憶された画像は、
図５（ａ）に示すように全てＣＲＴディスプレィ６に並
べて同時に表示される（Ｓ２）。このとき、前記データ
変換器３は、予め設定された基準の変換特性で変換する
ようにしても良いし、また、前回の最終的な調整データ
を残しておいても良い。また、画像メモリ２の記憶画像
の数が多く、予め設定された個々の縮小画像サイズでは
全てを同時に表示させることができない場合には、例え
ばスキャナ１によって読み取られた順に表示可能な範囲
で表示し、マン・マシン・インターフェイス７で表示画
像を切り換えられるようにする。

【００１７】ここで、ＣＲＴディスプレィ６には、前記
スキャナ１で読み取られた画像（スキャナ画像）の他
に、標準画像ライブラリ８に記憶されている標準画像を
表示する領域が設けられており（図５参照）、この領域
に、前記ライブラリ８に記憶されている標準画像を並べ
て複数表示する。ここでも、標準画像を全て同時に表示
することができない場合には、予め設定された代表画像
のみを表示させ、マン・マシン・インターフェイス７で
その他の標準画像を切り換えて表示させることができる
ようにすると良い。

【００１８】スキャナ１による読み取り作業が終了する
と、次に、調整作業を開始する（Ｓ３）。調整作業の開
始は、スキャナ１による読み取り毎に行っても良いが、
スキャナ１による読み取りを連続的に行わせて、その読
み取り画像それぞれの調整をまとめて行うようにすると
良い。最初に、スキャナ１で読み取られてＣＲＴディス
プレィ６上に並べて表示されている画像の中から、実際
に調整作業を行う画像を、マン・マシン・インターフェ
イス７によって選択する（Ｓ４）。

【００１９】調整する画像が選択されると、図５（ｂ）
に示すように、読み取られた画像のうちの選択された画
像のみを大きく表示させる（Ｓ５）。この状態では、選
択された調整対象の画像と、複数の標準画像とが表示さ
れており、次いで、前記複数の標準画像の中から調整対
象の画像の調整基準となる標準画像を選択する（Ｓ
６）。

【００２０】標準画像が選択されると、図５（ｂ）に示
すように、標準画像の表示領域の表示はそのままに、選
択された標準画像が拡大されて、スキャン画像表示領域
に前記選択された調整対象画像と並べて表示される（Ｓ
７）。即ち、ＣＲＴディスプレィ６上に、これから調整
される画像と、調整基準となる標準画像とが並べて表示
されることになるものであり、かかる状態で、マン・マ
シン・インターフェイス７によってデータ変換器３の変
換特性（変換テーブル，マトリクス特性）を調整するこ
とで、リアルタイムにＣＲＴディスプレィ６上の調整画
像が変化し、かかる調整結果を標準画像と見比べながら
調整作業を進めていく（Ｓ８）。

【００２１】前記標準画像は、調整した結果がこの標準
画像に近づくようにする調整目標であるから、例えば青
空の風景画像が調整画像である場合には、この情景に近
い標準画像を選択することが好ましい。上述のように、
標準画像と調整対象の画像とを、同じＣＲＴディスプレ
ィ６上に並べて同時に表示させれば、調整対象の画像が
ＣＲＴディスプレィ６の再現特性や周囲の環境条件など
に影響されてオペレータに不正確な認識を与えても、同
じ条件で標準画像が表示されることになるから、標準画
像に合わせる調整を行えば、所望の調整を行ったことに
なり、ＣＲＴディスプレィ６の変化や環境条件の変化な
どの不安定要素に影響されずに一定したレベルに調整が
できる。

【００２２】また、個々の画像をそれぞれ標準画像と比
較して調整するから、一枚ずつ調整作業を行っても、調
整ばらつきの発生を抑止することができる。調整作業が
終了した場合には、調整終了（調整データの確定）を指
示する。すると、調整データ又は調整データに基づき変
換された画像が記憶媒体９に出力されるなどの調整デー
タ出力の処理が行われる（Ｓ９）。

【００２３】ここで、全読み取り画像の調整が終了して
いない場合には、調整画像の選択に戻って調整作業を繰
り返す（Ｓ10→Ｓ４）。尚、図５（ａ）に示すような表
示状態において、調整済みの画像を消去し、調整が終了
していない画像のみを残して表示させるようにしても良
いが、調整済みの画像も調整済みであることが明確に判
別できるようにして表示させるようにしても良い。

【００２４】また、上記実施例では、予め設定された標
準画像を表示させる構成としたが、オペレータが自ら調
整し、例えばプリンタ10でプリントして所望の調整が行
われたことを確認した画像を、標準画像として登録でき
るようにしても良い。更に、調整対象の画像と標準画像
とをＣＲＴディスプレィ６上に同時に表示する場合に
は、図５（ｂ）に示すように、横に並べて表示する方法
の他、図６に示すように、標準画像を背景として調整対
象の画像を中に嵌め込むようにして表示させるようにし
ても良い。この場合、調整対象の画像の周囲は、標準画
像で囲まれることになるから、調整結果の比較が明瞭と
なりより調整作業が容易になる。

【００２５】尚、図６の表示例では、調整対象の画像を
手が持っているような構図になっているが、前記手の表
示部分も含めて標準画像を設定し、手で持っている画像
が調整対象であることが容易に認識できるようにしたも
のである。また、標準画像を多種多様にわたる調整対象
画像に対応して、予め数多く設定することは困難である
ので、調整作業中に標準画像を入れ替えられるようにし
て、複数の標準画像との比較によって調整作業を行わせ
るようにしても良い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる画
像調整装置によると、調整対象の画像を表示装置に表示
させ、明るさ，コントラスト，色バランスなどの調整
を、表示装置で目視で確認しながら行う画像調整におい
て、表示装置や環境の変化に影響されずに、個々の画像
をバランス良く一定のレベルに調整することができるよ
うになるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる画像調整装置の基本構成を示す
ブロック図。

【図２】実施例のハードウェア構成を示すブロック図。

【図３】データ変換器の構成例を示すブロック図。

【図４】実施例における画像調整作業の流れを示すフロ
ーチャート。

【図５】調整対象の画像及び標準画像の表示状態を示す
図。

【図６】調整対象の画像及び標準画像の表示状態の他例
を示す図。

【符号の説明】

１ スキャナ ２ 画像メモリ ３ データ変換器 ４ フレームメモリ ５ 画像合成部 ６ ＣＲＴディスプレィ ７ マン・マシン・インターフェイス ８ 標準画像ライブラリ ９ 記憶媒体 10 プリンタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調整対象の画像を読み込んで記憶する記憶
   手段と、 該記憶手段に記憶された画像を読み出して信号変換する
   信号変換手段と、 該信号変換手段で変換された画像を所定の標準画像と共
   に表示装置に同時に表示させる表示手段と、 前記信号変換手段による変換特性を調整する調整手段
   と、 該調整手段における調整データを、前記記憶手段に記憶
   された調整対象の画像に対応する調整データとして出力
   する調整データ出力手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする画像調整装置。