JPH0526041A - エンジンの冷却フアン回転制御装置 - Google Patents

エンジンの冷却フアン回転制御装置

Info

Publication number
JPH0526041A
JPH0526041A JP17540791A JP17540791A JPH0526041A JP H0526041 A JPH0526041 A JP H0526041A JP 17540791 A JP17540791 A JP 17540791A JP 17540791 A JP17540791 A JP 17540791A JP H0526041 A JPH0526041 A JP H0526041A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fan
engine
clutch
rotation speed
cooling fan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17540791A
Other languages
English (en)
Inventor
Reiji Okita
齢次 沖田
Noriyuki Kurio
憲之 栗尾
Kunihiko Matsumura
邦彦 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP17540791A priority Critical patent/JPH0526041A/ja
Publication of JPH0526041A publication Critical patent/JPH0526041A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P7/00Controlling of coolant flow
    • F01P7/02Controlling of coolant flow the coolant being cooling-air
    • F01P7/04Controlling of coolant flow the coolant being cooling-air by varying pump speed, e.g. by changing pump-drive gear ratio
    • F01P7/044Controlling of coolant flow the coolant being cooling-air by varying pump speed, e.g. by changing pump-drive gear ratio using hydraulic drives

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンにより粘性式ファンクラッチ8又は
差動歯車機構32を介して駆動される冷却ファン6をエ
ンジンの運転状態に応じた適正回転数で回転制御して、
エンジンの過冷却の防止及びファン騒音の低減と、エン
ジンのオーバーヒートの防止とを簡単な構成で低コスト
で両立させる。 【構成】 ファンクラッチ8においてファンに連結され
たクラッチケース10(もしくはクラッチディスク1
4)、又は差動歯車機構32においてファン6及びエン
ジンに連結されていない制御部を電動モータ25及び流
体式制動手段29に連結し、その制動手段29に対する
クラッチケース10(もしくはクラッチディスク14)
又は制御部の連結を断続する断続手段28を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンを冷却する
冷却ファンの回転制御装置に関し、特に、ファンがエン
ジンにより駆動されるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の冷却ファン回転制御
装置として、例えば実開昭62―31722号公報に示
すように、冷却ファンを電動モータに連結するととも
に、このモータの回転軸とエンジンの出力軸とを電磁ク
ラッチを介して連結し、通常の条件下では、電磁クラッ
チをON状態にして冷却ファンをエンジンで駆動する一
方、エンジンの冷却水温度が一定温度以上で高くかつエ
ンジンが低回転域にあるとき、電磁クラッチをOFF状
態にしてファンを電動モータで駆動するようにしたもの
が知られている。
【0003】この従来のものでは、モータによりファン
をエンジン回転数で決まる回転数よりも高い回転数で回
転させることができ、冷却性能を増大させてエンジンが
オーバーヒートに陥るのを防止することができる。
【0004】ところが、このものでは、基本的に、エン
ジンにより駆動されるファンの冷却性能が不足したとき
には、電動モータによるファン駆動に切り換えるという
考え方であるので、例えばエンジンが始動直後に暖機促
進等のために比較的高い回転数で回転するときには、フ
ァンはそのままエンジンにより駆動されて高い回転数で
回転し、ファン騒音が増大するという問題がある。
【0005】また、高速走行時に走行風によりエンジン
冷却水が十分に冷却され、ファンによる冷却があまり必
要でないときにも、ファンがエンジンにより駆動される
ので、エンジンが過冷却状態になる虞れもあった。
【0006】一方、例えば実開昭60―187326号
公報に示されるように、冷却ファンとエンジンの駆動軸
とを粘性式ファンクラッチを介して連結し、そのファン
クラッチにおいてファン側に連結された例えばクラッチ
ケースに被停止部材を設ける一方、この被停止部材にそ
れを制動する停止手段を近接して配置し、エンジン水温
及びエンジン回転数に応じて停止手段を作動させて被停
止部材を制動し、ファンの回転数を低下させるようにし
たものがある。
【0007】このものでは、エンジンが始動直後にファ
ンクラッチでのオイル粘度が高い状態で暖機促進等のた
めに高回転数で回転しても、被停止部材を停止手段で制
動することで、ファンがエンジンに追従して回転するの
を抑制でき、ファン騒音の低減を図ることができる。ま
た、高速走行時に走行風によりエンジン冷却水が十分に
冷却されるときにも、ファンの回転を抑えて、エンジン
が過冷却状態になるのを防止することができ、上記従来
例の持つ問題は解消される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その反
面、冷却ファンはエンジンにより駆動されるので、その
回転数をエンジン回転数に比例した上限値を越えて高く
することはできず、例えば低速走行時等でエンジン温度
が高いときには、ファン回転数が要求した冷却性能に対
し不足することがあり、場合によってはエンジンのオー
バーヒートを招くことがある。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記のようにエンジンにより駆動され
るファンを有するファン回転制御装置において、その制
御システムを改良することで、従来技術の背反した問題
を一挙に解決し、低コストで簡単な構成で、冷却ファン
をエンジンの運転状態に応じて最適状態に回転制御し
て、エンジンの過冷却状態及びオーバーヒートを防止
し、ファン騒音を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の発明では、エンジンに粘性式ファンクラ
ッチを介して駆動連結される冷却ファンをその増速のた
めの電動モータと減速のための流体式制動手段とに連結
し、これら機器の組合せにより冷却ファンを回転制御す
るようにした。
【0011】すなわち、この発明では、エンジンと冷却
ファンとを連結する粘性式ファンクラッチにおけるクラ
ッチケース又はクラッチディスクのうち、ファンに連結
されるファン連結部を増速方向に回転駆動する電動モー
タと、ファン連結部に回転抵抗を与える流体式制動手段
と、該制動手段に対するファン連結部の連結を断続する
断続手段と、ファン回転数が設定回転数になるように上
記電動モータ及び断続手段を作動制御する制御手段とを
備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明では、エンジンに差動歯車
機構を介して駆動連結される冷却ファンを上記と同様に
電動モータと流体式制動手段とに連結した。
【0013】すなわち、この発明では、エンジンとファ
ンとを差動歯車機構を介して駆動連結し、上記差動歯車
機構は、エンジンに連結された入力部と、ファンに連結
されたファン連結部と、該ファン連結部の回転を制御す
る制御部とからなり、そのうち、上記ファン連結部が増
速するように制御部にエンジンによる回転方向とは逆方
向の回転力を与える流体式制動手段及び電動モータと、
上記制動手段に対する制御部の連結を断続する断続手段
と、ファン回転数が設定回転数になるように上記電動モ
ータ及び断続手段を作動制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0014】請求項3の発明では、上記電動モータと流
体式制御手段とを配置する場合において、モータの出力
軸の端部においてファン側への連結端と反対側の端部に
断続手段を介して流体式制動手段を同軸上に連結する。
【0015】請求項4の発明では、流体式制動手段を粘
性流体クラッチで構成する。
【0016】請求項5の発明では、冷却ファンの回転数
を検出するファン回転数検出手段を設けるとともに、制
御手段を、上記ファン回転数検出手段により検出された
ファン回転数の上昇率が所定値以上のとき流体式制動手
段が作動するように断続手段を制御する構成とする。
【0017】請求項6の発明では、エンジン温度を検出
する温度検出手段を設け、制御手段を、該温度検出手段
により検出されたエンジン温度に応じて流体式制動手段
が作動するように断続手段を制御する構成とする。
【0018】請求項7の発明では、エンジン水温が所定
温度以上に上昇したときにOFF作動して制御手段と断
続手段との間の接続を断つ水温スイッチを設ける。
【0019】請求項8の発明では、ファンに連結された
クラッチケース又はクラッチディスクの一方からなるフ
ァン連結部をベルト伝動手段によりモータに駆動連結す
るとともに、該ベルト伝動手段においてファン側のプー
リをファン連結部に断熱材を介して回転一体に取り付け
る。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、粘性
式ファンクラッチにおいて冷却ファンに連結されている
クラッチケース又はクラッチディスクの一方からなるフ
ァン連結部は電動モータに連結され、また断続手段を介
して流体式制動手段に連結されているので、制御手段に
より電動モータ及び断続手段を作動制御することで、フ
ァン回転数を設定回転数に保つことができる。すなわ
ち、冷却ファンの回転数が設定回転数よりも低いときに
は、断続手段をOFF作動させて冷却ファンと流体式制
動手段との連結を遮断するとともに、電動モータを作動
させることで、冷却ファンを増速回転させる。一方、逆
に、ファン回転数が設定回転数よりも高いときには、電
動モータの作動を停止保持するとともに、断続手段をO
N作動させて冷却ファンと流体式制動手段とを連結する
ことにより、冷却ファンを制動手段で制動して減速回転
させる。従って、エンジンにより粘性式ファンクラッチ
を介して駆動される冷却ファンをエンジンの運転状態に
応じた適正回転数で回転制御でき、エンジンの過冷却の
防止及びファン騒音の低減と、エンジンのオーバーヒー
トの防止とを簡単な構成で低コストで両立させることが
できる。また、ファンの回転を流体式制動手段により制
動するので、制動に伴う発熱の問題は小さく、安定した
制動効果を確保できる。
【0021】請求項2の発明では、エンジンとファンと
を連結する差動歯車機構において、ファンに連結された
ファン連結部の回転を制御する制御部が電動モータに連
結され、また断続手段を介して流体式制動手段に連結さ
れているので、この電動モータ及び断続手段を作動制御
することにより、ファン回転数を設定回転数に保つこと
ができる。つまり、冷却ファンの回転数が設定回転数よ
りも低い場合には、断続手段の作動により制御部と流体
式制動手段とを連結して制御部の回転を制動するか、或
いは、ファン回転数が不足するときには、断続手段をO
FF作動させて制御部と流体式制動手段とを連結遮断し
かつ電動モータを作動させて、該モータで制御部を通常
時の回転方向とは逆方向(制動方向)に駆動回転させる
かして、ファン連結部を増速させる。一方、逆に、冷却
ファンの回転数が設定回転数よりも高い場合には、断続
手段をOFF作動させて制御部と流体式制動手段とを連
結遮断しかつ電動モータの作動を停止させる制御によ
り、ファン連結部を回転フリーとして冷却ファンを減速
回転させる。従って、この場合でも、冷却ファンをエン
ジンの運転状態に応じた適正回転数で回転制御でき、エ
ンジンの過冷却の防止及びファン騒音の低減と、エンジ
ンのオーバーヒートの防止との両立が図れる。
【0022】請求項3の発明では、流体式制動手段が電
動モータの出力軸においてファン側への連結端と反対側
の端部に断続手段を介して同軸上に連結されているの
で、電動モータと流体式制御手段とを近接位置にまとめ
てコンパクトに配置することができる。
【0023】請求項4の発明では、流体式制動手段が粘
性流体クラッチで構成されているので、制動手段が既存
の部品を利用して安価に得られる。
【0024】請求項5の発明では、ファン回転数検出手
段により冷却ファンの回転数が検出され、この検出され
たファン回転数の上昇率が所定値以上のとき、制御手段
により断続手段が制御されて流体式制動手段が作動する
ので、例えばエンジン始動直後や加速時等でファン回転
数が急激に上昇したときに、素早く、そのファンを制動
して低速に抑えることができ、ファン騒音を低く保つこ
とができる。
【0025】請求項6の発明では、温度検出手段により
エンジン温度が検出され、この検出手段により検出され
たエンジン温度に応じて制御手段により断続手段が制御
されて流体式制動手段が作動するので、例えばエンジン
始動後等でエンジン温度が未だ低いときに、ファンを制
動して低速に抑えることができ、エンジンが過冷却状態
になるのを防止して暖機促進等を図ることができる。
【0026】請求項7の発明では、エンジン水温が所定
温度以上に上昇すると、水温スイッチがOFF作動して
制御手段と断続手段との接続が断たれ、断続手段がOF
F状態になって制動手段の作動が停止する。このため、
制御システムの故障等によりエンジン水温が異常上昇し
ても、ファンは制動手段の抵抗を受けることなくエンジ
ンにより駆動されて回転することとなり、異常時に冷却
不足になるのを防ぐというフェイルセイフ機能を確保す
ることができる。
【0027】請求項8の発明では、ベルト伝動手段にお
いてファン側のプーリと粘性式ファンクラッチのファン
連結部との間に断熱材が介在されているので、ファンク
ラッチで粘性流体の剪断により生じた熱がプーリに伝達
され難くなり、該プーリに掛けられているベルト等の良
好な耐久性を確保することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0029】(実施例1)図1は本発明の実施例1の全
体構成を示す。1はエンジンのクランク軸、2はクラン
ク軸1の前端部に取り付けられたクランクプーリであ
る。3はクランク軸1と平行に配置されてエンジンの前
側壁に回転自在に支持された回転軸で、この回転軸3の
後端部にはプーリ4が回転一体に取り付けられ、このプ
ーリ4と上記クランクプーリ2との間にはVベルトから
なるファンベルト5が巻き掛けられており、クランク軸
1により回転軸3が回転駆動されるようになっている。
【0030】上記回転軸3の前端には粘性式ファンクラ
ッチ8を介して冷却ファン6が支持されている。上記フ
ァンクラッチ8は、回転軸3の先端にベアリング9を介
して相対回転可能に支持された略密閉状のクラッチケー
ス10を有し、このクラッチケース10の外周に冷却フ
ァン6を構成するファンブレード7,7,…が取り付け
られている。つまり、クラッチケース10がファン連結
部を構成している。クラッチケース10の内部には隔壁
11により前後に仕切られた貯蔵室12及び作動室13
が形成され、これらの両室12,13内には粘性流体と
してのシリコンオイルが所定量封入されている。上記作
動室13内には回転軸3の先端に回転一体に取り付けた
クラッチディスク14が配置されており、このディスク
14が回転軸3と共に作動室13内で回転したとき、そ
の回転トルクを作動室13内のシリコンオイルを介して
クラッチケース10に伝達することで、ファン6を回転
するようになっている。
【0031】また、上記隔壁11には両室12,13を
連通する弁孔15が開口され、貯蔵室12内には弁孔1
5を開閉する弁体16が配設されている。この弁体16
は貯蔵室12内を直径方向に延びる板ばね式のもので、
その一端が隔壁11にビス17,17により固定されて
おり、他端で弁孔15を開閉するようになっている。ま
た、弁体16は板ばねのばね力により開弁方向に付勢さ
れている。クラッチケース10の前端にはバイメタル1
8が両端部にて固定されている。このバイメタル18は
周りの雰囲気温度により反応するもので、その中央部に
はロッド19が取り付けられ、このロッド19はクラッ
チケース10の前壁を貫通して貯蔵室12内に延び、そ
の後端は上記弁体16の中間部に当接している。そし
て、雰囲気温度が低いときには、バイメタル18は略直
線状に延び、このことで弁体16がロッド19により押
されて閉弁する一方、雰囲気温度の上昇に伴い、バイメ
タル18が中央部を前側に突出するように彎曲してロッ
ド19を前進させ、このことで弁体16を開弁させて、
貯蔵室12から作動室13に入るシリコンオイルの量を
増加させ、クラッチディスク14からクラッチケース1
0に伝達される動力を増大させて、ファン6の回転数を
高めるようになっている。
【0032】上記クラッチケース10の後端には回転軸
3の周りに位置するプーリ21がセラミック材料等から
なる環状の断熱材20を介して回転一体に取り付けられ
ている。また、回転軸3の側方には回転軸3と平行な出
力軸26を有する電動モータ25が配置固定されてい
る。このモータ25の出力軸26前端には上記プーリ2
1と同等のプーリ径を有するプーリ22が回転一体に取
り付けられ、両プーリ21,22間にはVベルト23が
巻き掛けられている。つまり、ファン6と一体に回転す
るファン連結部たるクラッチケース10はプーリ21,
22及びベルト23からなるベルト伝動機構24を介し
て電動モータ25に駆動連結されており、モータ25を
クラッチディスク14、従ってエンジンよりも高い回転
数で回転させることで、ファン6を増速方向に回転駆動
するようになっている。
【0033】上記モータ25の出力軸26後端はモータ
本体から後方に延び、その後方には伝動軸27が同心に
配置されて支持され、この伝動軸27の前端とモータ2
5の出力軸26後端との間は、両軸26,27を連結又
は連結遮断する断続手段としての常時OFFの電磁クラ
ッチ28が配設されている。また、上記伝動軸27の後
端は流体式制動手段としての流体クラッチ29に連結さ
れている。つまり、流体クラッチ29は、電動モータ2
5の出力軸26においてファン6への連結端たる前端と
は反対の後端に電磁クラッチ28を介して同軸上に連結
されている。上記流体クラッチ29は、基本的に上記フ
ァンクラッチ8と同様の構成であり、シリコンオイルを
封入したクラッチケース30と、このクラッチケース3
0内に配置され、伝動軸27と一体に回転するクラッチ
ディスク31とを有し、クラッチディスク31がクラッ
チケース30内で回転するときのシリコンオイルの粘性
抵抗により、伝動軸27、電磁クラッチ28、モータ2
5及びベルト伝動機構24を介して連結されているファ
ンクラッチ8のクラッチケース10ないしファン6に回
転抵抗を与える。
【0034】そして、上記モータ25の回転制御及び電
磁クラッチ28の断続制御はコントローラ61により行
われるようになっている。図2に詳示するように、上記
コントローラ61はCPU62を備え、このCPU62
には、エンジン温度としてのエンジン冷却水温度を検出
する水温センサ63の出力信号と、車速を検出する車速
センサ64の出力信号と、エンジン回転数を検出する回
転数センサ65の出力信号と、車載空気調和機(図示せ
ず)におけるコンプレッサの作動によりガス冷媒が高圧
状態になったことを検出する圧力センサ66の出力信号
とが入力されている。
【0035】モータ25のプラス側端子とバッテリ67
(図1参照)との間の回路には電流増幅トランジスタT
r1が接続され、このトランジスタTr1のベースにはオペ
アンプ68の出力側が接続されている。オペアンプ68
の入力側には抵抗R1 ,R2により設定される電圧信号
と、CPU62のモータ回転数設定部62aから出力さ
れるアナログの回転数設定信号とが入力されており、回
転数設定信号に応じたモータ供給電圧をオペアンプ68
から出力させ、その電圧信号をトランジスタTr1で電流
増幅してモータ25に供給する。また、上記トランジス
タTr1のコレクタは、CPU62のモータON/OFF
制御部62bから出力されるモータ停止信号の有無によ
りON/OFF動作するトランジスタTr2を介してアー
スされており、CPU62からトランジスタTr2にモー
タ停止信号が出力されたとき、トランジスタTr2がON
作動してバッテリ電源をアース側に短絡することで、モ
ータ25の作動を停止する。さらに、モータ25のプラ
ス側端子はCPU62の逆起電力モニタ部62cに接続
されており、モータ25が回転するときにその回転数に
応じて変化するように生じる逆起電力をCPU62で監
視し、この逆起電力の大きさによりファン6の実際の回
転数を検出するようになっている。つまり、CPU62
は冷却ファン6の回転数を検出するファン回転数検出手
段を構成する。
【0036】一方、CPU62のクラッチON/OFF
制御部62dと電磁クラッチ28とは常時ONの水温ス
イッチ69を介して接続されており、水温スイッチ69
がON状態にあるとき、CPU62から出力される信号
に応じて電磁クラッチ28がON/OFF作動する。上
記水温スイッチ69は、エンジン水温が所定温度以上に
上昇すると機械的にOFF作動するもので、この水温ス
イッチ69がOFF状態になったときには、コントロー
ラ61と電磁クラッチ28との接続を断って電磁クラッ
チ28を強制的にOFF状態にし、流体クラッチ29の
作動を停止するようになっている。
【0037】上記CPU62において、冷却ファン6の
回転を制御するときの手順について図3により説明す
る。まず、ステップS1 でエンジン始動後の経過時間を
検出し、ステップS2 で経過時間が基準値よりも長いか
否かを判定する。この判定がNOのときには、ステップ
S3 に進み、電磁クラッチ28をON状態にしてファン
クラッチ8のクラッチケース10(ファン連結部)を流
体クラッチ29に連結し、この流体クラッチ29の粘性
抵抗によりファン6を停止保持し、しかる後にステップ
S1 に戻る。
【0038】エンジンの始動から一定時間が経過して上
記ステップS2 の判定がYESになるとステップS4 に
進み、水温スイッチ69がON状態にあるかどうかを判
定する。この判定がYESのときにはステップS5 にお
いて、エンジン温度が異常状態になっているとして、モ
ータ25の回転数を最大にした後、ステップS1 に戻
る。
【0039】上記ステップS4 でNOと判定されるとス
テップS6 に進み、車速センサ64により検出された車
速と、水温センサ63により検出されたエンジン水温、
回転数センサ65により検出されたエンジン回転数、モ
ータ25の逆起電力により求められる実際のファン回転
数、及び圧力センサ66により検出された空気調和機の
ガス冷媒の圧力を読み込む。次いで、ステップS7で上
記ファン回転数の変化率を算出した後、ステップS8 で
上記算出したファン回転数の変化率が所定値以上に上昇
しているかどうかを判定し、この判定がYESのときに
はステップS9に進み、モータ25の回転数を下げると
ともに、電磁クラッチ28をON作動させてファン6
(ファンクラッチ8のクラッチケース10)を流体クラ
ッチ29に連結し、流体クラッチ29の粘性抵抗により
ファン6の回転を減速する。
【0040】上記ステップS8 の判定がNOのときに
は、ファン回転数を設定回転数に保つための通常のフィ
ードバック制御を行う。つまり、ステップS10で、予め
設定されている制御マップによりエンジン運転状態に対
応したファン回転数の設定値を演算する。上記制御マッ
プは車速、エンジン水温、エンジン回転数及び空気調和
機のガス冷媒圧力を基に設定される。この後、ステップ
S11で上記実際のファン回転数と設定回転数との差の絶
対値が基準値よりも小さいかどうかを判定し、この判定
がYESのときには、ファン回転数が設定値近くの一定
範囲以内にあるので、ステップS12においてモータ25
の回転制御又は電磁クラッチ28のON/OFF制御を
それまでと同じに維持し、しかる後にステップS1 に戻
る。
【0041】また、上記ステップS11でNOと判定され
ると、ファン回転数が設定値近くの一定範囲を越えたの
で、ステップS13に進み、ファン回転数と設定値との大
小を比較する。ファン回転数が設定値よりも高くて判定
がYESのときには、ステップS14においてファン6を
減速すべく、モータ25の回転数を下げるとともに、電
磁クラッチ28をON作動させてファン6(ファンクラ
ッチ8のクラッチケース10)を流体クラッチ29に連
結し、流体クラッチ29の粘性抵抗によりファン6の回
転を減速する。このとき、図4に示すように、ファン回
転数に応じて電磁クラッチ28のON時間を変えるよう
にしてもよい。つまり、ファン回転数が高いほどクラッ
チON時間を長くし、図4(a)に示すようにクラッチ
ON時間T1 ,T2 ,…をファン回転数の一定回転数N
1 ,N2 ,…を越える毎に変えたり、或いは図4(b)
に示すようにファン回転数の増大に応じて比例的に増大
させるようにすることができる。
【0042】また、ステップS13での判定がファン回転
数が設定値以下のNOのときには、ステップS15におい
てファン6を増速すべく、電磁クラッチ28をOFF作
動させてファン6(ファンクラッチ8のクラッチケース
10)と流体クラッチ29との連結を切り離すととも
に、モータ25の回転数を上げてファン6の回転を増速
する。上記ステップS14,S15の後はステップS1 に戻
る。
【0043】次に、上記実施例の作用について説明す
る。エンジンの始動後、一定時間が経過すると、コント
ローラ61において、水温センサ63により検出された
エンジン水温(冷却水温度)、回転数センサ65により
検出されたエンジン回転数、及び圧力センサ66により
検出されたガス冷媒の圧力に基づいて、エンジン運転状
態に対応したファン回転数の設定値が求められ、この設
定値と、モータ25の逆起電力により求められる実際の
ファン回転数とが比較されて、ファン回転数が設定値に
なるようにモータ25及び電磁クラッチ28がフィード
バック制御される。すなわち、実際のファン回転数と設
定回転数との差が一定範囲内にあるときには、モータ2
5の回転制御又は電磁クラッチ28のON/OFF制御
をそれまでと同じに維持するが、ファン回転数が設定値
よりも一定範囲を越えて高くなると、モータ25の回転
数が下げられ、かつ電磁クラッチ28がON作動してフ
ァン6及びファンクラッチ8のクラッチケース10がベ
ルト伝動機構24、モータ25及び電磁クラッチ28を
介して流体クラッチ29に連結され、この流体クラッチ
29の粘性抵抗によりファン6の回転が減速される。逆
に、ファン回転数が設定値よりも低いときには、電磁ク
ラッチ28がOFF作動して上記ファン6(ファンクラ
ッチ8のクラッチケース10)と流体クラッチ29との
連結が切り離されるとともに、モータ25の回転数が上
昇してファン6の回転が増速される。
【0044】この実施例では、上記のように、モータ2
5による増速及び流体クラッチ29による制動を組み合
わせて、冷却ファン6をエンジンの運転状態に応じた適
正回転数で回転制御でき、エンジンの過冷却の防止及び
ファン騒音の低減と、エンジンのオーバーヒートの防止
とを簡単な構成で低コストで両立できる。
【0045】さらに、流体クラッチ29が電動モータ2
5の出力軸26後端に電磁クラッチ28を介して同軸上
に連結されているので、電動モータ25と流体クラッチ
29とを一体的にまとめてコンパクトに配置することが
できる。
【0046】流体クラッチ29でファン6の回転を制動
するので、制動手段が既存の部品を利用して低コストで
得られる。しかも、制動により発生する熱の問題が少な
く、安定した制動効果が得られる。
【0047】また、ベルト伝動機構24においてファン
6と一体に回転するプーリ21とファンクラッチ8のク
ラッチケース10との間に断熱材20が介在されている
ので、粘性式ファンクラッチ8においてクラッチケース
10とクラッチディスク14との相対回転に伴いシリコ
ンオイルの剪断による発熱があっても、その熱はプーリ
21に伝達され難くなり、ベルト23等の良好な耐久性
を確保できる。
【0048】そして、冷却ファン6の回転数が監視さ
れ、その上昇率が所定値以上のとき、電磁クラッチ28
がON状態に制御されて流体クラッチ29が作動する。
このため、例えばエンジン始動直後や加速時等でファン
回転数が急上昇したときでも、素早く、そのファン6を
制動して低速に抑えることができ、ファン騒音を低減す
ることができる。
【0049】また、ファン回転数の設定値を演算する制
御マップの要素にエンジン水温が含まれているので、エ
ンジン水温に応じて電磁クラッチ28がON/OFF制
御されて流体クラッチ29の作動が制御される。このた
め、例えばエンジン始動直後等でエンジン温度が低いと
きに、ファン6を制動して低速に保つことができ、エン
ジンが始動後に過冷却状態になるのを防止して暖機促進
を図ることができる。
【0050】また、エンジン水温が所定温度以上に上昇
すると、水温スイッチ69がOFF作動して電磁クラッ
チ28がOFF状態になり、ファン6と流体クラッチ2
9との伝動経路が切り離される。従って、制御システム
の故障等によりエンジン水温が異常上昇しても、ファン
6は流体クラッチ29の制動を受けることなくエンジン
により駆動されて回転することとなり、異常時に冷却不
足になるのを防いでフェイルセイフ機能を確保すること
ができる。
【0051】尚、上記実施例では、ファンクラッチ8の
クラッチディスク14をエンジンに、またクラッチケー
ス10をファン6にそれぞれ連結しているが、逆に、ク
ラッチケースをエンジンに、またクラッチディスクをフ
ァン連結部としてファン6にそれぞれ連結した構造のフ
ァンクラッチにも適用できる。その場合、ファン6に連
結されるクラッチディスクを電動モータ25及び流体ク
ラッチ29に連結する。
【0052】(実施例2)図5は本発明の実施例2を示
し(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付してそ
の詳細な説明は省略する)、エンジンとファン6とを差
動歯車機構を介して連結するとともに、流体クラッチ2
9の粘性抵抗を可変としたものである。
【0053】すなわち、この実施例では、回転軸3の前
端には遊星歯車機構からなる差動歯車機構32が連結さ
れている。この差動歯車機構32は、図6にも示すよう
に、回転軸3に回転一体に取り付けられたサンギヤ33
と、回転軸3にベアリング34,34を介して回転可能
に支持され、上記サンギヤ33に噛合する3つのピニオ
ン35,35,…を回転自在に担持するピニオンキャリ
ア36と、このピニオンキャリア36の周りにベアリン
グ37,37を介して回転可能に支持され、内周の歯3
8aで各ピニオン35に噛合するリングギヤ38とを備
えてなり、このリングギヤ38の外周にファンブレード
7,7,…が取り付けられている。従って、この実施例
では、上記サンギヤ33がエンジンに連結された入力部
を、またリングギヤ38がファン6に連結されたファン
連結部を、さらにピニオンキャリア36がファン連結部
たるリングギヤ38の回転を制御する制御部をそれぞれ
構成しており、上記制御部としてのピニオンキャリア3
6の回転を制動することで、ファン連結部としてのリン
グギヤ38つまりファン6の回転数を増速させるように
なっている。
【0054】また、流体クラッチ29′はエンジンオイ
ルを粘性流体として使用するように構成されていて、オ
イル配管45を介してエンジンのオイルパン46及びオ
イルポンプ47に接続され、上記オイル配管45にはコ
ントローラ61により制御される流量制御弁48が配設
されており、オイルポンプ47から圧送されたオイルの
一部を流量制御弁48で流量調整して流体クラッチ2
9′に供給することで、その粘性抵抗を変えて制動力を
可変とするようになっている。
【0055】この実施例では、上記差動歯車機構32に
おける制御部としてのピニオンキャリア36の後端にベ
ルト伝動機構24のプーリ21が回転一体に取り付けら
れている。そして、ファン回転数を増速回転させるとき
には、電磁クラッチ28をON作動させて流体クラッチ
29′によりピニオンキャリア36を制動力を変えなが
ら制動するか、或いは電磁クラッチ28をOFF作動さ
せてモータ25によりピニオンキャリア36をエンジン
による通常の回転方向とは逆方向(制動方向)に駆動す
ることで、リングギヤ38つまりファン6を増速回転さ
せ、一方、ファン回転数を減速回転させるときには、電
磁クラッチ28をOFF作動させ、かつモータ25を作
動停止させてリングギヤ38に対する伝動を遮断するこ
とで、ファン6を減速回転させようになっている。その
他の構造は、実施例1と同様である。
【0056】したがって、この実施例においては、電動
モータ25の回転及び電磁クラッチ28のON/OFF
作動を制御することで、ファン6を設定回転数に制御で
き、ファン回転数が設定回転数よりも低いために増速回
転させるときには、モータ25が停止保持されるととも
に、電磁クラッチ28がON作動してピニオンキャリア
36が流体クラッチ29′に連結され、この流体クラッ
チ29′によりピニオンキャリア36の回転が制動され
て、リングギヤ38つまりファン6を増速回転させるこ
とができる。そのとき、オイルポンプ47から圧送され
たオイルの一部を流量制御弁48で流量調整すること
で、流体クラッチ29′の制動力、すなわちファン回転
数を調整することができる。
【0057】また、上記ピニオンキャリア36を流体ク
ラッチ29′により制動する状態では、ピニオンキャリ
ア36の回転数が零となると、ファン回転数が最大にな
るが、実際のファン回転数が設定回転数に対し大幅に低
くて、ピニオンキャリア36の制動のみではファン回転
数が不足することがある。このときには、電磁クラッチ
28がOFF作動してピニオンキャリア36と流体クラ
ッチ29′との連結が遮断されるとともに、モータ25
が作動し、このモータ25によりピニオンキャリア36
がエンジンによる回転方向とは逆方向(制動される方
向)に駆動される。このようなモータ25による駆動に
より、ファン回転数をエンジン回転数で決まる最大回転
数よりもさらに高い回転数で回転させることができる。
尚、上記ピニオンキャリア36の流体クラッチ29′又
はモータ25に対する連結の切換えを一方向クラッチを
利用して行うようにしてもよく、切換制御がスムーズと
なる利点がある。
【0058】一方、ファン回転数が設定回転数よりも高
いために減速回転させるときには、電磁クラッチ28が
OFF作動してピニオンキャリア36と流体クラッチ2
9′との連結が遮断されるとともに、モータ25が作動
停止され、ピニオンキャリア36は回転自在な状態にな
る。このため、エンジンの回転がリングギヤ38に伝達
されず、ファン6が減速回転される。よって、この実施
例でも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0059】(実施例3)図7は実施例3を示し、差動
歯車機構の構造を変えたものである。すなわち、差動歯
車機構32′は、回転軸3に回転一体に取り付けられ後
側面外周に歯39aを有する第1のサイドギヤ39と、
このサイドギヤ39後側の回転軸3にベアリング40,
40を介して回転自在に支持され、外周に上記サイドギ
ヤ39の歯39aに噛合するピニオン41,41,…を
有するピニオンキャリア42と、このピニオンキャリア
42及び第1のサイドギヤ39を包むように配置されて
ピニオンキャリア42のボス部42aにベアリング43
を介して回転可能に支持され、後側壁部の前面に上記各
ピニオン41に噛合する歯44aを有する第2のサイド
ギヤ44とを備えてなり、上記第2のサイドギヤ44外
周にファンブレード7,7,…が取り付けられ、上記ピ
ニオンキャリア42のボス部42a後端にプーリ21が
回転一体に取り付けられている。
【0060】また、上記ピニオンキャリア42を制動す
る制動手段としてオイルポンプ49が連結されている。
このオイルポンプ49はコントローラ61により制御さ
れる差圧制御弁50を配設したオイル配管45を介して
エンジンのオイルパン46及びオイルポンプ47に接続
されており、オイルポンプ49の駆動負荷によりピニオ
ンキャリア42を制動するとともに、そのオイルポンプ
49に対するオイル量を差圧制御弁50で制御すること
で、オイルポンプ49の制動力を可変としている。その
他は上記実施例2と同様である。従って、この実施例で
も上記実施例2と同様の作用効果を奏することができ
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、エンジンと冷却ファンとの間に介在される粘性
式ファンクラッチにおいて、ファンに連結されるクラッ
チケース又はクラッチディスクを電動モータ及び流体式
制動手段に連結し、その制動手段に対するクラッチケー
ス又はクラッチディスクの連結を断続する断続手段を設
けたことにより、電動モータ及び断続手段の作動制御に
より、エンジンにより粘性式ファンクラッチを介して駆
動される冷却ファンをエンジンの運転状態に応じた適正
回転数で回転制御でき、エンジンの過冷却の防止及びフ
ァン騒音の低減と、エンジンのオーバーヒートの防止と
を簡単な構成で低コストで両立させることができる。
【0062】請求項2の発明によると、エンジンとファ
ンとを連結する差動歯車機構において、ファンに連結さ
れるファン連結部を制御する制御部を電動モータ及び流
体式制動手段に連結し、その制動手段に対する制御部の
連結を断続する断続手段を設けたことにより、電動モー
タ及び断続手段の作動制御により、エンジンにより差動
歯車機構を介して駆動される冷却ファンをエンジンの運
転状態に応じた適正回転数で回転制御でき、請求項1の
発明と同様の効果が得られる。
【0063】請求項3の発明によれば、上記流体式制動
手段を、電動モータの出力軸においてファン側への連結
端と反対側の端部に断続手段を介して同軸上に連結した
ので、電動モータと流体式制御手段とを一箇所にまとめ
て配置でき、ファン回転制御装置のコンパクト化を図る
ことができる。
【0064】請求項4の発明によると、流体式制動手段
を粘性流体クラッチで構成したので、コストダウン化を
図ることができる。
【0065】請求項5の発明によると、冷却ファンの回
転数を検出するファン回転数検出手段を設け、この検出
手段により検出されたファン回転数の上昇率が所定値以
上のとき流体式制動手段が作動するように断続手段を制
御する構成としたので、例えばエンジン始動直後や加速
時等でファン回転数が急上昇するのを防止してファン騒
音を低減することができる。
【0066】請求項6の発明によれば、エンジン温度を
検出する温度検出手段を設け、該検出手段により検出さ
れたエンジン温度に応じて流体式制動手段が作動するよ
うに断続手段を制御する構成としたので、例えばエンジ
ン始動後等でエンジン温度が低いときにファンを制動で
き、エンジンが始動後に過冷却状態になるのを防止して
暖機促進を図ることができる。
【0067】請求項7の発明によれば、エンジン水温が
所定温度以上に上昇したとき、制御手段と断続手段との
間の接続を断って断続手段をOFF状態にし、制動手段
の作動を停止するように構成したので、制御システムの
故障等によりエンジン水温が異常上昇しても、ファンは
制動手段の抵抗を受けることなくエンジンにより駆動回
転でき、異常時に冷却不足になるのを防ぐというフェイ
ルセイフ機能を確保することができる。
【0068】請求項8の発明によると、ファンに連結さ
れたクラッチケース又はクラッチディスクをベルト伝動
手段によりモータに駆動連結するとともに、ファン側の
プーリをクラッチケース又はクラッチディスクに断熱材
を介して回転一体に取り付けたので、粘性式ファンクラ
ッチで粘性流体の剪断により生じた熱がプーリに伝達さ
れるのを断熱材で遮断でき、ベルト等の良好な耐久性を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る冷却ファン回転制御装
置の全体構成図である。
【図2】制御装置の構成を示す電気回路図である。
【図3】CPUでの信号処理手順を示すフローチャート
図である。
【図4】ファンの設定回転数に応じて電磁クラッチのO
N時間を設定するための特性図である。
【図5】実施例2を示す図1相当図である。
【図6】図5のVI―VI線断面図である。
【図7】実施例3を示す図1相当図である。
【符号の説明】
6…冷却ファン 8…ファンクラッチ 10…クラッチケース(ファン連結部) 14…クラッチディスク 20…断熱材 21…プーリ 24…ベルト伝動機構 25…電動モータ 26…出力軸 28…電磁クラッチ(断続手段) 29,29′…流体クラッチ(流体式制動手段) 32,32′…差動歯車機構 33…サンギヤ(入力部) 36…ピニオンキャリア(制御部) 38…リングギヤ(ファン連結部) 39…サイドギヤ(入力部) 42…ピニオンキャリア(制御部) 44…サイドギヤ(入力部) 49…オイルポンプ(流体式制動手段) 61…コントローラ 62…CPU(ファン回転数検出手段) 63…水温センサ(エンジン温度検出手段) 69…水温スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに粘性式ファンクラッチを介し
    て駆動連結された冷却ファンの回転制御装置であって、 上記ファンクラッチのクラッチケース又はクラッチディ
    スクの一方が、上記ファンに連結されたファン連結部と
    され、 上記ファン連結部を増速方向に回転駆動する電動モータ
    と、ファン連結部に回転抵抗を与える流体式制動手段
    と、該制動手段に対するファン連結部の連結を断続する
    断続手段と、ファン回転数が設定回転数になるように上
    記電動モータ及び断続手段を作動制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とするエンジンの冷却ファン回転制御
    装置。
  2. 【請求項2】 エンジンに差動歯車機構を介して駆動連
    結された冷却ファンの回転制御装置であって、 上記差動歯車機構は、エンジンに連結された入力部と、
    ファンに連結されたファン連結部と、該ファン連結部の
    回転を制御する制御部とからなり、 上記ファン連結部が増速するように制御部にエンジンに
    よる回転方向とは逆方向の回転力を与える流体式制動手
    段及び電動モータと、上記制動手段に対する制御部の連
    結を断続する断続手段と、ファン回転数が設定回転数に
    なるように上記電動モータ及び断続手段を作動制御する
    制御手段とを備えたことを特徴とするエンジンの冷却フ
    ァン回転制御装置。
  3. 【請求項3】 流体式制動手段が、電動モータの出力軸
    においてファン側への連結端と反対側の端部に断続手段
    を介して同軸上に連結されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載のエンジンの冷却ファン回転制御装置。
  4. 【請求項4】 流体式制動手段が粘性流体クラッチであ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のエンジン
    の冷却ファン回転制御装置。
  5. 【請求項5】 冷却ファンの回転数を検出するファン回
    転数検出手段が設けられ、 制御手段は、上記ファン回転数検出手段により検出され
    たファン回転数の上昇率が所定値以上のとき流体式制動
    手段が作動するように断続手段を制御するものであるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のエンジン
    の冷却ファン回転制御装置。
  6. 【請求項6】 エンジン温度を検出する温度検出手段が
    設けられ、 制御手段は、上記温度検出手段により検出されたエンジ
    ン温度に応じて流体式制動手段が作動するように断続手
    段を制御するものであることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載のエンジンの冷却ファン回転制御装
    置。
  7. 【請求項7】 エンジン水温が所定温度以上に上昇した
    ときにOFF作動して制御手段と断続手段との間の接続
    を断つ水温スイッチが設けられていることを特徴とする
    請求項1、2、3又は4記載のエンジンの冷却ファン回
    転制御装置。
  8. 【請求項8】 ファン連結部がベルト伝動手段によりモ
    ータに駆動連結されており、該ベルト伝動手段において
    ファン側のプーリはファン連結部に断熱材を介して回転
    一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1記
    載のエンジンの冷却ファン回転制御装置。
JP17540791A 1991-07-16 1991-07-16 エンジンの冷却フアン回転制御装置 Withdrawn JPH0526041A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17540791A JPH0526041A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 エンジンの冷却フアン回転制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17540791A JPH0526041A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 エンジンの冷却フアン回転制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0526041A true JPH0526041A (ja) 1993-02-02

Family

ID=15995557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17540791A Withdrawn JPH0526041A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 エンジンの冷却フアン回転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0526041A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299881A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Hino Motors Ltd ファンクラッチ制御方法及び装置
WO2008041450A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-10 Shindaiwa Corporation Soufflante
CN107143518A (zh) * 2017-07-13 2017-09-08 华南理工大学 一种工业风扇及其叶片旋转方法
CN108071476A (zh) * 2017-12-06 2018-05-25 东风商用车有限公司 一种硅油风扇离合器控制系统及其控制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299881A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Hino Motors Ltd ファンクラッチ制御方法及び装置
WO2008041450A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-10 Shindaiwa Corporation Soufflante
JP2008088825A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Shin Daiwa Kogyo Co Ltd ブロワ
CN107143518A (zh) * 2017-07-13 2017-09-08 华南理工大学 一种工业风扇及其叶片旋转方法
CN108071476A (zh) * 2017-12-06 2018-05-25 东风商用车有限公司 一种硅油风扇离合器控制系统及其控制方法
CN108071476B (zh) * 2017-12-06 2023-06-06 东风商用车有限公司 一种硅油风扇离合器控制系统及其控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7182047B1 (en) Cooling fan system for automotive vehicle
US3853098A (en) Driving system for automobile engine cooling fan
JP2775431B2 (ja) 感温作動型流体式フアン・カツプリング装置
EP1751410B1 (en) Drive pulleys
EP2049811B1 (en) Viscous fan drive systems having fill and scavenge control
US5046326A (en) Transport refrigeration system
JP3708499B2 (ja) 車両用複合型補機制御装置
JPH0893798A (ja) 液体クラッチ
JP3786374B2 (ja) 液体クラッチ
US5617817A (en) Fan drive with a fluid-friction clutch
US4606445A (en) Fluid coupling device with improved fluid cooling capability
US6755030B2 (en) Hybrid compressor system
JP2008508480A (ja) 連結
JPH0526041A (ja) エンジンの冷却フアン回転制御装置
JPS59131040A (ja) 内燃機関の冷却空気フアン用の液体摩擦クラツチ
JPH0526040A (ja) エンジンの冷却フアン回転制御装置
JPH0526039A (ja) エンジンの冷却フアン回転制御装置
US3498272A (en) Engine accessory drive
JPS59190521A (ja) 粘性流体継手
JPH0526042A (ja) エンジンの冷却フアン回転制御装置
JPH04258530A (ja) 液体クラッチ
US5509516A (en) Viscous fluid coupling
JP2000186553A (ja) 車両用冷却装置
JP2015017522A (ja) ファンカップリング装置およびファンカップリング制御装置
JPH04258531A (ja) 液体クラッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981008