JPH0525A - 人造粒塊およびその製造方法 - Google Patents

人造粒塊およびその製造方法

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JPH0525A
JPH0525A JP3233450A JP23345091A JPH0525A JP H0525 A JPH0525 A JP H0525A JP 3233450 A JP3233450 A JP 3233450A JP 23345091 A JP23345091 A JP 23345091A JP H0525 A JPH0525 A JP H0525A
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JP
Japan
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synthetic resin
artificial
heat
resin foam
substance
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JP3233450A
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Inventor
Takeji Suzuki
武二 鈴木
Hiroshi Azuma
弘 東
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TATSUNO KORUKU KOGYO KK
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TATSUNO KORUKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂発泡体に特有の通気性、保温性、排
水性と、これらの特性と相反する保水性、保肥性とを併
せ持ち、かつ比重が比較的大きく、強度が強い人造粒塊
を提供する。 【構成】 多数の微小物質1と、合成樹脂発泡体の不定
形な熱収縮物2とを、両者の結合面3に微細な空隙を形
成した状態で、熱可塑性発泡粒表面の熱溶融により相互
に結合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、園芸用の土壌やぐり石
等に使用される新規な人造粒塊と、その製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、ポ
リスチレン系発泡体、ポリオレフィン系発泡体等の合成
樹脂発泡体の廃品の再生用途として、当該合成樹脂発泡
体の粉砕物を詰め物として利用したり、或いは、加熱溶
融して射出成形用のペレット等に再生したりすること
が、一般的に行われている。
【0003】しかし、上記合成樹脂発泡体の需要は現在
も増加する傾向にあり、廃品の発生量も増加しつつある
ため、従来の再生用途だけでは、廃品を十分に処理しき
れない状態となっており、新たな再生用途の開発が望ま
れている。そこで、上記合成樹脂発泡体の粉砕品等をプ
ランターの底に敷きつめるぐり石として利用したり、用
土と混合して、園芸用等の合成土壌として利用すること
が考えられ、種々の試みがなされている。
【0004】合成樹脂発泡体の粉砕品を含有する合成土
壌は、軽量で取扱が容易であると共に、排水性や、植物
の根の生育に欠かせない通気性、保温性に優れている。
ところが、合成樹脂発泡体は、排水性の裏返しである疎
水性に優れるため、植物の成長に欠かせないもう1つの
要素である水や肥料を保持する能力、つまり保水性や保
肥性が劣るという問題がある。
【0005】また、上記合成樹脂発泡体は、用土に比べ
て著しく比重が小さいため、潅水の度に土壌中から浮き
上がって上方に集まり、最終的には用土から分離してし
まう。このため、新鮮な空気を必要とする根の部分が空
気の少ない状態になってしまい、植物の生育を妨げる結
果となる。さらに、上記合成樹脂発泡体は強度が弱いた
め、特にプランターの底に敷きつめるぐり石として使用
した場合には、長期の使用によって押し潰されたり破壊
されたりして体積が減少し、排水性を低下させたり、プ
ランターの排水孔から流出したりするおそれがある。
【0006】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、合成樹脂発泡体からなり、当該合成樹脂発
泡体に特有の通気性、保温性、排水性と、これらの特性
と相反する特性である親水性に基づく、保水性、保肥性
とを併せ持っていると共に、比重が比較的大きく、かつ
強度が強い、新規な人造粒塊と、その効率的な製造方法
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、本発明の人造粒塊は、多数の微小物質
と、合成樹脂発泡体の不定形な熱収縮物とが、両者の結
合面に微細な空隙を形成した状態で、熱可塑性発泡粒表
面の熱溶融により相互に結合されていることを特徴とす
る。また、本発明の人造粒塊の製造方法は、熱収縮性を
有する合成樹脂発泡体を、多数の微小物質と混合して不
定形に熱収縮させることによって、上記人造粒塊を製造
することを特徴とする。
【0008】上記構成からなる、本発明の人造粒塊にお
いては、多数の微小物質と、合成樹脂発泡体の不定形な
熱収縮物とが、両者の結合面に微細な空隙を形成した状
態で、熱可塑性発泡粒表面の熱溶融により相互に結合さ
れている。このため、上記人造粒塊は、合成樹脂発泡体
の疎水性と、上記空隙、並びに微小物質自体の性質に基
づく保水性、保肥性とを併せ持ったものとなる。
【0009】また、上記人造粒塊は、合成樹脂発泡体の
熱収縮と微小物質の取り込みによって、未収縮の合成樹
脂発泡体よりも比重が大きいものとなる。しかも、上記
熱収縮によって、発泡体を構成する各セル間の隔壁が、
未収縮のものより強化されているため、人造粒塊は十分
な強度を有するものとなる。さらに、微小物質の種類を
適宜選択することにより、人造粒塊に様々な性質を付与
すること可能である。
【0010】また、本発明の人造粒塊は、微小物質と熱
収縮物との間の微細な空隙に加えて、粒塊内部に比較的
大きな空隙を有する多孔構造になっていてもよい。この
場合には、通気性、保水性等がさらに向上する上、この
比較的大きな空隙に、植物の根が絡み付いて根付きがよ
くなるので、植物の成育をさらに促進することができ
る。
【0011】一方、本発明の製造方法によれば、合成樹
脂発泡体の熱収縮と、微小物質の付着、分散とを、1つ
の工程で行えるので、人造粒塊を効率的に製造すること
ができる。本発明に使用される合成樹脂発泡体として
は、ポリスチレン系、ポリオレフィン系等の熱可塑性合
成樹脂材料からなり、加熱により軟化、溶融して収縮す
る、いわゆる、熱収縮性を有する合成樹脂発泡体があげ
られる。なお、上記合成樹脂発泡体としては、連続気泡
発泡体および独立気泡発泡体の両方を使用することがで
きる。
【0012】ポリスチレン系の発泡体としては、当該ポ
リスチレン系発泡体の大多数を占める、発泡性を有する
ビーズを型内で発泡、一体化させた、発泡倍率20〜7
0倍程度の、いわゆるビーズ成形品を使用できる他、発
泡倍率5〜15倍程度の押出発泡品等を使用することも
できる。一方、ポリオレフィン系の発泡体としては、発
泡ポリエチレンが主に使用されるが、ポリエチレンは、
通常、粘度が低すぎるため、高発泡倍率にするには、放
射線照射、架橋剤添加等を行って架橋させたポリエチレ
ンの押出成形品等を使用することが好ましい。
【0013】上記合成樹脂発泡体の塊としては、合成樹
脂発泡体を成形してなる球体粒子、麺状体、チップ等を
使用できるが、前述した廃品利用の観点からいえば、合
成樹脂発泡体を適当な大きさに粉砕してなる粉砕物が、
特に好ましいものとして挙げられる。上記粉砕物は合成
樹脂発泡体の廃品から、安価且つ容易に入手することが
できる。
【0014】微小物質としては、従来公知の種々の有機
物または無機物を使用することができる。例えば、赤
土、黒土、鹿沼土等の土類、並びに、桐生砂、軽石、富
士砂等の砂類等の天然用土;雲母系の原鉱石を焼成して
膨脹させたバーミキュライトやパーライト等の人工用
土;上記両者を配合した配合用土;バーク、腐葉土、木
くず、おから、コーヒーガラ、魚粉、油かす等の有機
物;炭の粉、灰等が、好ましい微小物質としてあげられ
る。
【0015】上記微小物質の形状は、本発明では特に限
定されず、粒状、粉状、繊維状等の種々の形状のものを
使用することができる。微小物質の粒径は、人造粒塊の
粒径等に応じて適宜変更することができるが、通常は、
10mm以下であることが好ましい。なお、本発明の人造
粒塊を用土と配合して合成土壌に使用する場合には、上
記微小物質として土系色の物質を使用することが好まし
い。土系色の微小物質を使用すれば、白色や薄い青色等
の、土としては不自然な色合いを有する合成樹脂発泡体
を、自然な土の色に着色することができるので、特に鑑
賞用の園芸土として適した合成土壌を得ることができ
る。なお、上記土系色の微小物質として、配合する用土
と同系の用土を使用すれば、さらに自然であるが、必ず
しも同系の用土を使用する必要はない。
【0016】上記合成樹脂発泡体の熱収縮物と微小物質
とからなる、本発明の人造粒塊は、合成樹脂発泡体を、
多数の微小物質と混合して不定形に熱収縮させる、本発
明の製造方法により、好適に製造される。この本発明の
製造方法によれば、合成樹脂発泡体の熱収縮と、微小物
質の付着、分散とを1つの工程で行えるので、より効率
的に、本発明の人造粒塊を製造することができる。
【0017】本発明の人造粒塊の製造方法は、具体的に
は、例えばロータリーキルンや加熱ミキサー等の、内容
物を攪拌しながら加熱できる装置を用いることにより実
施される。そして、上記ロータリーキルンや加熱ミキサ
ーの場合には、内容物を所定の速さに回転させながら加
熱できるので、形成される人造粒塊は、自然な土に近
い、不定形で粒径が不揃いなものとなる。また、上記装
置によれば、回転の速さを変化させることにより、形成
される人造粒塊の大きさを調整することもできる。
【0018】本発明の製造方法を実施する際の装置内の
雰囲気温度(熱収縮温度)は、装置の種類や使用する合
成樹脂発泡体の種類、或いは、製造する人造粒塊の形
状、熱収縮量等の条件により異なるが、主として、発泡
体を構成する合成樹脂の種類により規定される。例えば
発泡ポリスチレンでは、装置内の雰囲気温度が130〜
200℃程度、発泡ポリエチレンでは、120〜160
℃程度であることが好ましい。
【0019】合成樹脂発泡体と微小物質との配合割合に
ついては、溶融した合成樹脂によって微小物質が完全に
包まれて、その特質を発揮できなくならない程度の付
着、分散状態となるように、適宜の割合を設定すれば良
い。上記ロータリーキルンや加熱ミキサー等を用いて、
本発明の製造方法を実施する際に、微小物質として、前
述した天然用土や人工用土、配合用土といった無機物を
使用する場合には、まず、これらの無機物を上記装置内
に投入して十分に加熱した後、合成樹脂発泡体を投入す
ると、合成樹脂発泡体の熱収縮と、微小物質の付着、分
散とがほぼ同時に進行して、本発明の人造粒塊が形成さ
れる。
【0020】また、合成樹脂発泡体を、数回に分けて装
置内に投入するようにすれば、合成樹脂発泡体同士が融
着して巨大な塊になるのを防止して、合成樹脂発泡体と
微小物質とを均一に混合できる。また、微小物質として
有機物をも併用する場合には、これら有機物が炭化して
しまうのを防止するために、無機物と合成樹脂発泡体と
を上記の順序で投入して、装置内の温度が僅かに低下し
た段階で、有機物を投入すればよい。
【0021】さらに、微小物質として有機物のみを使用
する場合には、この有機物と合成樹脂発泡体との投入順
序は、どちらが先でもよく、同時に投入しても構わな
い。上記の順序で各成分を装置内に投入すると、当該装
置内での加熱混合により、合成樹脂発泡体が、微小物質
を内部に取り込んだり表面に付着させたりしつつ、熱収
縮する。また、複数の合成樹脂発泡体が1つに融着する
現象も発生して、さらに微小物質が粒塊の内部に取り込
まれると共に、不定形で不揃いな粒塊が製造される。
【0022】以上のようにして製造された、本発明の人
造粒塊は、図1に示すように、微小物質1と、合成樹脂
発泡体の収縮物2とが、熱可塑性発泡粒表面の熱溶融に
より相互に結合されて混在している。両者の結合面3に
は、図示していないが、微細な空隙が形成されている。
この空隙は、微小物質1が、合成樹脂発泡体の熱溶融温
度程度では溶融せず、したがって、合成樹脂発泡体の、
微小物質1に接触する部分のみが熱溶融して、当該微小
物質1の表面に接触した後、冷却固化されて、互いに非
溶着状態で結合されるために生じるものである。上記空
隙は、着色した水を染み込ませることで確認できる。
【0023】なお、図において符号2aは、合成樹脂発
泡体の収縮物2のうち大きな気孔を表している。また、
図では表していないが、収縮物2内には、上記気孔2a
以外の部分にも、極めて細かな気孔が存在する。上記気
孔2aや、それ以外の細かな気孔は、何れも、発泡体を
構成する各セルが熱収縮して生じたもので、セル間の隔
壁が、未収縮のものより強化されている。
【0024】符号2bは、熱溶融により、合成樹脂発泡
体が完全に溶融して上記気孔2aが潰れ、ガラス化した
部分を示している。このガラス化部分2bは、主として
微小物質1との接触部分に発生しているが、図にみるよ
うに、微小物質1との接触部分で、合成樹脂発泡体がガ
ラス化していない部分もある。これらの部分では、微小
物質1と接触するごく薄い領域が熱溶融したものと考え
られる。
【0025】符号4は、粒塊内部に存在する比較的大き
な空隙を表している。これらの空隙4は、微小物質と合
成樹脂発泡体の不定形な熱収縮物とが相互に結合され
て、人造粒塊が形成される際に、粒塊内部に取り込まれ
る。上記のように、本発明の人造粒塊は、微小物質と合
成樹脂発泡体の収縮物とが、両者の結合面に微細な空隙
を形成した状態で、熱可塑性発泡粒表面の熱溶融により
相互に結合されているため、この空隙と、微小物質自体
の持つ性質とによって保水性、保肥性が付与されてお
り、合成樹脂発泡体自体の持つ通気性、保温性、排水性
と、上記保水性、保肥性とを併せ持ったものとなる。こ
のため、用土と混ぜたり、あるいは、単独で使用したり
することによって、植物の生育に欠かせない上記各特性
を兼ね備えた、従来に無い優れた合成土壌を得ることが
できる。
【0026】また、合成樹脂発泡体の熱収縮と微小物質
の取り込みによって、上記人造粒塊は、未収縮の合成樹
脂発泡体よりも比重が大きくなっており、合成土壌に使
用した場合に、用土と分離するおそれがない。しかも、
上記人造粒塊は、発泡体を構成する各セル間の隔壁が熱
収縮によって強化されているため、十分な強度を有し、
例えばぐり石として長期間の使用に絶えることができ
る。
【0027】さらに、上記人造粒塊は、熱収縮時の熱に
よって滅菌処理されるため、植物にとって有害な病原菌
や雑菌、害虫の卵等を含んでいないため、合成土壌やぐ
り石等に使用した際に、植物を病気や害虫から守ること
ができる。本発明の人造粒塊の粒径は、用途によって適
宜変更することができる。例えば、用土と配合して合成
土壌に使用する場合には、通気性等を考慮すると、粒径
は5〜10mm程度であることが好ましい。また、ぐり石
として使用する場合には、粒径は10〜30mm程度であ
ることが好ましい。
【0028】人造粒塊の熱収縮後における発泡倍率は、
人造粒塊の強度の他、人造粒塊の比重や疎水性、保温性
に影響を与えるので、これらの特性を考慮しつつ、適宜
の発泡倍率を選択することができ、通常は、5〜20倍
の範囲内であることが好ましい。また、嵩密度は、0.
3〜1.0g/cm3 程度が好ましい。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を、実施例に基づいて説明す
る。実施例1 発泡ポリスチレンのビーズ成形品(使用済みの魚箱、発
泡倍率40〜50倍)の粉砕物(約13mm)3000容
量部、鹿沼土(2mm以下)100容量部、炭の粉(1mm
以下)10容量部を、160℃に加熱された加熱ミキサ
ー中に、鹿沼土、ビーズ成形品の粉砕物、炭の粉の順に
投入し、加熱ミキサーの攪拌羽根の回転速度40r.p.m.
の条件で、上記加熱温度を保ちつつ、10分間の加熱攪
拌処理を行って、粒径8mmアンダー、発泡倍率15倍、
嵩密度0.8g/cm3 で、上記鹿沼土と炭とが内部に分
散していると共に、表面にも付着した人造粒塊を得た。
【0030】次に、この人造粒塊100容量部を、人工
用土としてのパーライト30容量部、バーク肥料70容
量部と混合して合成土壌を製造した。実施例2 発泡ポリスチレンのビーズ成形品(使用済みの魚箱、発
泡倍率40〜50倍)の粉砕物(約13mm)2000容
量部と、バーク肥料(10mm以下)100容量部とを、
ビーズ成形品の粉砕物、バーク肥料の順に、180℃に
加熱されたロータリーキルン中に投入し、キルンの回転
速度20r.p.m.の条件で、上記加熱温度を保ちつつ、5
分間の加熱攪拌処理を行って、粒径10mmアンダー、発
泡倍率5倍、嵩密度0.4g/cm3 で、表面に上記バー
ク肥料が分散、付着され、内部に、バーク肥料中の木の
繊維が取り込まれた人造粒塊を得た。
【0031】次に、この人造粒塊70容量部を、人工用
土としてのパーライト70容量部、山砂肥料50容量部
と混合して合成土壌を製造した。上記両実施例で得られ
た合成土壌と、比較のための市販の花の土(山砂70%
とバーク肥料30%の混合物)とを用いて、それぞれ、
マリーゴールドを生育させたところ、実施例1,2の人
造粒塊を含む合成土壌の場合には、市販の花の土に比べ
て約10〜14日早く、かつ2倍から3倍多い花がつい
た。
【0032】また、根の張り具合を観察したところ、実
施例1,2の人造粒塊を含む合成土壌の場合には、プラ
ンターの全体に根が張っているのが観察されたが、市販
の花の土の場合には、茎から垂直に伸びる幹根が目立つ
他は、根の数も実施例1,2の半分程度に過ぎなかっ
た。実施例3 発泡ポリスチレンのビーズ成形品(使用済みの包装緩衝
材、発泡倍率50倍)の粉砕物(約13mm)4000容
量部、鹿沼土(2mm以下)100容量部、炭の粉(1mm
以下)10容量部を、180℃に加熱された加熱ミキサ
ー中に、鹿沼土、ビーズ成形品の粉砕物、炭の粉の順に
投入し、加熱ミキサーの攪拌羽根の回転速度25r.p.m.
の条件で、上記加熱温度を保ちつつ、10分間の加熱攪
拌処理を行って、粒径約30mm、発泡倍率10倍、嵩密
度0.6g/cm3 で、上記鹿沼土と炭とが内部に分散し
ていると共に、表面にも付着した人造粒塊を得た。
【0033】この人造粒塊は排水性に富み、植木鉢のぐ
り石として好適に使用することができた。実施例4 パーライト(密度0.13〜0.15g/cm3 、1mm以
下)60容量部と山砂(2mm以下)40容量部とを混合
して、200℃に加熱された加熱ミキサー中に投入し、
加熱ミキサーの攪拌羽根の回転速度40r.p.m.の条件
で、上記加熱温度を保ちつつ、発泡ポリスチレンのビー
ズ成形品(使用済みの包装緩衝材、発泡倍率50倍)の
粉砕物(約13mm)2200容量部を、3回に分けて、
上記加熱ミキサー中に投入した。そして、さらに5分間
の加熱攪拌処理を行って、粒径約10mm、発泡倍率5
倍、嵩密度0.3g/cm3 で、上記パーライトと山砂と
が内部に分散していると共に、表面にも付着した人造粒
塊を得た。
【0034】次に、この人造粒塊70容量部を、バーク
肥料30容量部と混合して合成土壌を製造した。上記実
施例4で得られた合成土壌と、比較のための市販の花の
土(山砂70%とバーク肥料30%の混合物)とを用い
て、それぞれ、適時に肥料を施しつつ、冬期の軒下にお
いて矢車草の成育テストを行った。
【0035】その結果、市販の花の土の場合には、11
月末に苗の大きさが90mmであったものが、2月には高
さ280mmに成長して8個の蕾を付け、4月始めには高
さ650mmに成長して、直径約35mmの花を6個開くと
ともに、56個の蕾を付けた。しかし、2月の低温で、
半分以上の蕾が下向きになるという低温障害を生じ、3
月中旬まで回復しなかった。
【0036】これに対し、実施例4の人造粒塊を含む合
成土壌の場合には、矢車草は、低温障害を生じることな
く順調な成育を示し、11月末に、同じく苗の大きさが
90mmであったものが、2月には高さ300mmに成長し
て9個の蕾を付け、4月始めには高さ720mmに成長し
て、直径約50mmの花を5個開くとともに、65個の蕾
を付けた。
【0037】
【発明の効果】本発明の人造粒塊は、以上のように構成
されており、通気性、保温性、排水性と、保水性、保肥
性とを併せ持っているため、用土と混ぜたり、あるい
は、単独で使用したりすることによって、植物の生育に
欠かせない上記各特性を兼ね備えた、従来に無い優れた
合成土壌を得ることができる。また、上記人造粒塊は、
未収縮の合成樹脂発泡体よりも比重が大きくなってお
り、合成土壌に使用した場合に、用土と分離するおそれ
がない。しかも、上記人造粒塊は、発泡体を構成する各
セル間の隔壁が熱収縮によって強化されているため、十
分な強度を有し、例えばぐり石として長期間の使用に絶
えることができる。さらに、上記人造粒塊は、熱収縮時
の熱によって滅菌処理されるため、植物にとって有害な
病原菌や雑菌、害虫の卵等を含んでおらず、植物を病気
や害虫から守ることができる。
【0038】また、本発明の人造粒塊は、微小物質と熱
収縮物との間の微細な空隙に加えて、粒塊内部に比較的
大きな空隙を有する多孔構造になっていてもよく、この
場合には、通気性、保水性等がさらに向上する上、この
比較的大きな空隙に、植物の根が絡み付いて根付きがよ
くなるので、植物の成育をさらに促進することができ
る。
【0039】一方、本発明の人造粒塊の製造方法によれ
ば、合成樹脂発泡体の熱収縮と、微小物質の非溶着状態
での分散、付着とを、1つの工程で行えるので、本発明
の人造粒塊を効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人造粒塊の、内部構造の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 微小物質 2 合成樹脂発泡体の収縮物 3 結合面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の微小物質と、合成樹脂発泡体の不定
    形な熱収縮物とが、両者の結合面に微細な空隙を形成し
    た状態で、熱可塑性発泡粒表面の熱溶融により相互に結
    合されていることを特徴とする人造粒塊。
  2. 【請求項2】微小物質と熱収縮物との間の微細な空隙に
    加えて、粒塊内部に比較的大きな空隙を有する多孔構造
    になっている請求項1記載の人造粒塊。
  3. 【請求項3】熱収縮性を有する合成樹脂発泡体を、多数
    の微小物質と混合して不定形に熱収縮させることによっ
    て、上記請求項1記載の人造粒塊を製造することを特徴
    とする人造粒塊の製造方法。
  4. 【請求項4】微小物質として無機物を使用し、この無機
    物を予め加熱した状態で、熱収縮性を有する合成樹脂発
    泡体を加えて熱収縮させる請求項3記載の人造粒塊の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009055875A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Sumika Agrotech Co Ltd 人工培土
US7968017B2 (en) 2001-04-06 2011-06-28 Sony Corporation Stamper for optical disc, method for manufacturing optical disc, and optical disc

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