JPH0525876Y2 - - Google Patents
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- JPH0525876Y2 JPH0525876Y2 JP1987091620U JP9162087U JPH0525876Y2 JP H0525876 Y2 JPH0525876 Y2 JP H0525876Y2 JP 1987091620 U JP1987091620 U JP 1987091620U JP 9162087 U JP9162087 U JP 9162087U JP H0525876 Y2 JPH0525876 Y2 JP H0525876Y2
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Landscapes
- Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本考案はヒンジを有する熱可塑性樹脂成形品に
関し、詳しくはヒンジを介して一体化された成形
品のヒンジ特性を著しく向上せしめ得るヒンジ形
状に関する。 尚、ここで言うヒンジを介して一体化された成
形品とは、例えば第7図に示す如きものであり、
成形品の或る部分において1回以上の曲げ又は折
り曲げ荷重が加えられる薄肉部を称してヒンジ
(図中1で示す)と呼ぶ。また、本明細書中でヒ
ンジ特性とは、上記の如きヒンジにおける1回以
上の曲げ又は折り曲げ荷重に対する耐久性と定義
する。 〔従来の技術とその問題点〕 熱可塑性樹脂は加工の容易さ等の故に、近年金
属に代わつて極めて広汎な分野に利用されてい
る。中でも熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリアミド樹脂等のエンジニアリン
グ樹脂といわれるものは機械的強度、その他の物
理的、科学的特性にも優れているため、自動車、
電気・電子機器、事務機器、その他の精密機械、
建材、雑貨等の機械部品として広く利用されてい
る。この様な用途の拡大に伴い、樹脂の使われ方
も特殊化する傾向にあり、これに応じた特性が要
求される場合が増加している。 とりわけ近年、部品点数の削減(一体化)によ
る原価低減の必要性等から、幾つかの部品をヒン
ジを介して一体化せしめ、組みつけを容易かつ安
価に行うことが望まれる場合が増えており、斯か
る用途においては、優れたヒンジ特性が要求され
る。 また、ヒンジ部品の低温下での使用等、ヒンジ
特性を低下させる要因も多く、ヒンジ特性改善の
要求は一層切実である。 斯かる要求に応えるべく、ヒンジ特性を向上さ
せる方法として、熱可塑性樹脂にゴム状物質を配
合したものを用いる等の方法が知られているが、
この方法で高度のヒンジ特性を得ようとすると、
引張強度、曲げ強度、剛性等の強度面での物性低
下が大きく、ヒンジ部以外の機能部位が実用に耐
えないものとなるといつた問題がある。 斯
かる如く、材料面での改良で樹脂が本来有する優
れた物性を損なうことなく、ヒンジ部のみ特性を
向上させることは極めて困難であつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案者は斯かる問題点を解決し、熱可塑性樹
脂の優れた諸性質を維持し、かつヒンジ特性に優
れた熱可塑性樹脂成形品を得るべくヒンジ形状の
面から鋭意検討を重ねた結果、本考案に到達し
た。 即ち、本考案はヒンジを介して一体化された熱
可塑性樹脂成形品において、該ヒンジがヒンジ部
の距離(l)1mm以上、平均厚み(d)0.5×l(mm)以下
であり、かつ屈曲応力をかけない状態下での曲率
半径(R)が 0.05≦R≦1.0l(mm) を満足し、曲げ方向に曲率の中心を持つ湾曲部を
すくなくとも1個有してなる事を特徴とするヒン
ジを有する熱可塑性樹脂成形品に関するものであ
る。 以下、図を参照して本考案の熱可塑性樹脂成形
品を説明する。 第7図はヒンジを介して一体化された成形品の
一般的基本型を示す。第7図において2及び3で
示された部分は、各々固有の機能を有する部分で
あり、実際の成形品においては、目的、用途に応
じた複雑な形状をとり得る。またこれを接続して
いる1で示された薄肉部分を称してヒンジと呼
ぶ。ヒンジ部には、これを介して接続された一対
の機能部位を嵌合等により組立てるため或いは組
みつけ、取りはずしを繰り返すため、1回以上の
曲げ又は折り曲げの荷重が加えられる。 本考案は斯かる如きヒンジにおいて、これを特
定の形状とすることにより、ヒンジ特性即ち、曲
げ又は折り曲げに対する耐久性の向上を図つたも
のであり、例えば第1図〜第4図の如く、ヒンジ
に特定の湾曲部を設ける事を特徴とするものであ
る。 ここで第1図は、ヒンジ中央に湾曲を設け、か
つヒンジ全体をなめらかな曲線で構成した例、第
2図及び第3図は、ヒンジ中央に湾曲を設け、か
つ湾曲部と、ヒンジのつけ根の間をほぼ直線で構
成した例である。また、第4図は、ヒンジに複数
個の湾曲を設けた例であり、屈曲を両方向へ行う
場合に適している。これらは何れも本願考案の実
施態様をなすヒンジ形状として好ましい例である
が、本考案のヒンジ形状はこれに限定されるもの
ではなく、次に述べるヒンジの要件を満足するも
のである限り、本考案に包含される。 以下、本考案におけるヒンジの要件について詳
細に説明する。 本考案において斯かるヒンジ部の距離(l)は1mm
以上である。ヒンジ部の距離(l)が1mm以下では、
好ましい曲率の湾曲を設けることは困難であり、
ヒンジとしての機能は極めて低いものとなる。
尚、本考案においてヒンジ部の距離とは、ヒンジ
により接続される二つの機能部位間の間隔を意味
する。またヒンジ部の平均厚み(d)は0.5×l(mm)
以下とする必要がある。これより大きな値では、
ヒンジに湾曲部を設けたことによるヒンジ特性の
改良効果は有効に発揮されない。好ましくは0.3
×l(mm)以下である。またヒンジの厚さは必ず
しもヒンジ全体に渡つて均一である必要はなく、
例えば湾曲部の中央にいくに従つて薄くなる形状
とすることは好ましい。より好ましくは湾曲部中
央におけるヒンジ厚さは0.2×l(mm)以下であ
る。 次に本考案のヒンジに設けられる湾曲部は、屈
曲応力をかけない状態下での曲率半径(R)が 0.05≦R≦1.0×l(mm) で示される範囲にあり、かつ曲げ方向に曲率の中
心を持つものであり、斯かる条件に合う限り、1
つのヒンジに複数個の湾曲部を設ける事もでき
る。 湾曲部の有効な曲率半径(R)はヒンジ部の距
離(l)と極めて密接な関係があり、ヒンジの距離(l)
に対する比が大きくなる程、ヒンジはより直線に
近づき、ヒンジ特性の改良効果が低下するため好
ましくない。また曲率半径(R)は小さすぎても
改良効果は低下する。好ましい曲率半径(R)は 0.1≦R≦0.5×l(mm) を満足する場合である。 また、斯かる湾曲部は本考案の条件に合つた一
定の曲率で形成されている場合は勿論、本考案の
条件に合つた曲率を含む複数の曲率の複合された
形状であつても良い。 また本考案のヒンジは、湾曲部の曲率中心の方
向に曲げられる場合に優れた効果を発揮するが、
これと同時にその反対方向にも曲げることを否定
するものではない。 また、ヒンジ部と機能部との接続部(つけ根)
は適度の曲率を持たせた形状とするのが好まし
い。この部分を角度のついた接続にするとヒンジ
に曲げ荷重が加えられた時、この角に応力が集中
して破損する場合がある。 本考案においては、ヒンジ部の巾(w)について
は、特に限定はなく、前記の要件を満足する限
り、目的に応じシート状、帯状、ひも状等の形態
をとることができる。 本考案は斯かる如く、ヒンジの形状を改良する
ことにより、ヒンジ特性の著しい向上を達成する
ものである。それ故、使用する熱可塑性樹脂の種
類は限定されるものではなく、いずれの樹脂に対
しても効果があるが、機械的強度、物理的性質、
化学的性質等も考慮すると、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リアミド樹脂等を使用するのが好ましい。 また、これらの樹脂の組成についても特に限定
はなく、目的に応じ公知の添加物、例えば酸化防
止剤、耐候、耐光安定剤、耐熱安定剤、滑剤、離
型剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等を配合した
ものを用いる事ができ、又、ヒンジ特性を大巾に
阻害しない範囲であれば、ガラス繊維、ガラスフ
レーク、ガラスビーズ、マイカ、タルク、チタン
酸カリ等の無機充填剤を少量配合したものであつ
てもよい。 また、ヒンジ特性の一層の向上が必要であれ
ば、材料面でヒンジ特性の改良を図つたもの、例
えば熱可塑性樹脂にゴム状物質、シリコーンオイ
ル等を配合したもの等を用いることもできる。 本考案の成形品は、斯かる形状となる様に加工
された金型を用い、射出成形、圧縮成形等従来公
知の成形方法により容易に製造することができ
る。 〔実施例〕 以下、実施例はもつて本考案を更に具体的に説
明するが、本考案はこれに限定されるものではな
い。 実施例1〜10及び比較例1〜5 ポリブチルテレフタレート樹脂〔ポリプラスチ
ツクス(株)製、商品名「ジユラネツクス2002」〕及
びポリアセタール樹脂〔ポリプラスチツクス(株)
製、商品名「ジユラコンM90」〕を用い、射出成
形により第1図〜第3図に示すヒンジ形状で、ヒ
ンジ距離(l)、曲率中央部のヒンジ厚み及び曲率半
径(R)を第1表の如く変化させた成形品を成形
し、品特性を評価した。尚、いずれの成形品もヒ
ンジ巾(w)は10mmで一定とし、又、ヒンジのつけ根
には適度の曲がりを設けた。 比較のため、第5図及び第6図に示すヒンジ形
状を有する成形品及び基本的には第1図に示す如
きヒンジ形状で、本考案の規定外の曲率半径を有
する成形品を成形し、同様にして評価した。結果
を第1表に併記する。 尚、ヒンジ特性は次に示す基準に基づき評価し
た。 サンプル数:n=10 テスト方法:1 サンプルを23℃、50%RHの環
境下に24時間以上放置した後、同条件下でヒン
ジ部を概そ180度の角度で曲率中心の方向に約
135度、反対方向に約45度で100回くり返し折り
曲げる。 2 サンプルを−20℃環境下に24時間以上放置し
た後、同条件下でヒンジ部を概そ180度の角度
(同上)で100回くり返し折り曲げる。 評価A:100回折り曲げの間にヒンジ部が破壊し
た個数(数値の小さい程優れる) 評価B:100回折り曲げを行つた後のヒンジ部状
態を次の様な判定基準で評価し、平均点で表
したもの(数値の大きい程優れる) 5:殆ど異常が認められなかつたもの 4:ヒンジ部の表面に微小クラツクが発生し
たもの 3:ヒンジ部表面のクラツクが成長し、大き
くなつたもの 2:ヒンジ部のクラツクが更に中心部に向か
つて成長し、ヒンジ部が極めて薄くなつたも
の 1:薄くなつたヒンジ部に切れ目が入り、切
断しかかつたもの 0:破壊したもの
関し、詳しくはヒンジを介して一体化された成形
品のヒンジ特性を著しく向上せしめ得るヒンジ形
状に関する。 尚、ここで言うヒンジを介して一体化された成
形品とは、例えば第7図に示す如きものであり、
成形品の或る部分において1回以上の曲げ又は折
り曲げ荷重が加えられる薄肉部を称してヒンジ
(図中1で示す)と呼ぶ。また、本明細書中でヒ
ンジ特性とは、上記の如きヒンジにおける1回以
上の曲げ又は折り曲げ荷重に対する耐久性と定義
する。 〔従来の技術とその問題点〕 熱可塑性樹脂は加工の容易さ等の故に、近年金
属に代わつて極めて広汎な分野に利用されてい
る。中でも熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリアミド樹脂等のエンジニアリン
グ樹脂といわれるものは機械的強度、その他の物
理的、科学的特性にも優れているため、自動車、
電気・電子機器、事務機器、その他の精密機械、
建材、雑貨等の機械部品として広く利用されてい
る。この様な用途の拡大に伴い、樹脂の使われ方
も特殊化する傾向にあり、これに応じた特性が要
求される場合が増加している。 とりわけ近年、部品点数の削減(一体化)によ
る原価低減の必要性等から、幾つかの部品をヒン
ジを介して一体化せしめ、組みつけを容易かつ安
価に行うことが望まれる場合が増えており、斯か
る用途においては、優れたヒンジ特性が要求され
る。 また、ヒンジ部品の低温下での使用等、ヒンジ
特性を低下させる要因も多く、ヒンジ特性改善の
要求は一層切実である。 斯かる要求に応えるべく、ヒンジ特性を向上さ
せる方法として、熱可塑性樹脂にゴム状物質を配
合したものを用いる等の方法が知られているが、
この方法で高度のヒンジ特性を得ようとすると、
引張強度、曲げ強度、剛性等の強度面での物性低
下が大きく、ヒンジ部以外の機能部位が実用に耐
えないものとなるといつた問題がある。 斯
かる如く、材料面での改良で樹脂が本来有する優
れた物性を損なうことなく、ヒンジ部のみ特性を
向上させることは極めて困難であつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案者は斯かる問題点を解決し、熱可塑性樹
脂の優れた諸性質を維持し、かつヒンジ特性に優
れた熱可塑性樹脂成形品を得るべくヒンジ形状の
面から鋭意検討を重ねた結果、本考案に到達し
た。 即ち、本考案はヒンジを介して一体化された熱
可塑性樹脂成形品において、該ヒンジがヒンジ部
の距離(l)1mm以上、平均厚み(d)0.5×l(mm)以下
であり、かつ屈曲応力をかけない状態下での曲率
半径(R)が 0.05≦R≦1.0l(mm) を満足し、曲げ方向に曲率の中心を持つ湾曲部を
すくなくとも1個有してなる事を特徴とするヒン
ジを有する熱可塑性樹脂成形品に関するものであ
る。 以下、図を参照して本考案の熱可塑性樹脂成形
品を説明する。 第7図はヒンジを介して一体化された成形品の
一般的基本型を示す。第7図において2及び3で
示された部分は、各々固有の機能を有する部分で
あり、実際の成形品においては、目的、用途に応
じた複雑な形状をとり得る。またこれを接続して
いる1で示された薄肉部分を称してヒンジと呼
ぶ。ヒンジ部には、これを介して接続された一対
の機能部位を嵌合等により組立てるため或いは組
みつけ、取りはずしを繰り返すため、1回以上の
曲げ又は折り曲げの荷重が加えられる。 本考案は斯かる如きヒンジにおいて、これを特
定の形状とすることにより、ヒンジ特性即ち、曲
げ又は折り曲げに対する耐久性の向上を図つたも
のであり、例えば第1図〜第4図の如く、ヒンジ
に特定の湾曲部を設ける事を特徴とするものであ
る。 ここで第1図は、ヒンジ中央に湾曲を設け、か
つヒンジ全体をなめらかな曲線で構成した例、第
2図及び第3図は、ヒンジ中央に湾曲を設け、か
つ湾曲部と、ヒンジのつけ根の間をほぼ直線で構
成した例である。また、第4図は、ヒンジに複数
個の湾曲を設けた例であり、屈曲を両方向へ行う
場合に適している。これらは何れも本願考案の実
施態様をなすヒンジ形状として好ましい例である
が、本考案のヒンジ形状はこれに限定されるもの
ではなく、次に述べるヒンジの要件を満足するも
のである限り、本考案に包含される。 以下、本考案におけるヒンジの要件について詳
細に説明する。 本考案において斯かるヒンジ部の距離(l)は1mm
以上である。ヒンジ部の距離(l)が1mm以下では、
好ましい曲率の湾曲を設けることは困難であり、
ヒンジとしての機能は極めて低いものとなる。
尚、本考案においてヒンジ部の距離とは、ヒンジ
により接続される二つの機能部位間の間隔を意味
する。またヒンジ部の平均厚み(d)は0.5×l(mm)
以下とする必要がある。これより大きな値では、
ヒンジに湾曲部を設けたことによるヒンジ特性の
改良効果は有効に発揮されない。好ましくは0.3
×l(mm)以下である。またヒンジの厚さは必ず
しもヒンジ全体に渡つて均一である必要はなく、
例えば湾曲部の中央にいくに従つて薄くなる形状
とすることは好ましい。より好ましくは湾曲部中
央におけるヒンジ厚さは0.2×l(mm)以下であ
る。 次に本考案のヒンジに設けられる湾曲部は、屈
曲応力をかけない状態下での曲率半径(R)が 0.05≦R≦1.0×l(mm) で示される範囲にあり、かつ曲げ方向に曲率の中
心を持つものであり、斯かる条件に合う限り、1
つのヒンジに複数個の湾曲部を設ける事もでき
る。 湾曲部の有効な曲率半径(R)はヒンジ部の距
離(l)と極めて密接な関係があり、ヒンジの距離(l)
に対する比が大きくなる程、ヒンジはより直線に
近づき、ヒンジ特性の改良効果が低下するため好
ましくない。また曲率半径(R)は小さすぎても
改良効果は低下する。好ましい曲率半径(R)は 0.1≦R≦0.5×l(mm) を満足する場合である。 また、斯かる湾曲部は本考案の条件に合つた一
定の曲率で形成されている場合は勿論、本考案の
条件に合つた曲率を含む複数の曲率の複合された
形状であつても良い。 また本考案のヒンジは、湾曲部の曲率中心の方
向に曲げられる場合に優れた効果を発揮するが、
これと同時にその反対方向にも曲げることを否定
するものではない。 また、ヒンジ部と機能部との接続部(つけ根)
は適度の曲率を持たせた形状とするのが好まし
い。この部分を角度のついた接続にするとヒンジ
に曲げ荷重が加えられた時、この角に応力が集中
して破損する場合がある。 本考案においては、ヒンジ部の巾(w)について
は、特に限定はなく、前記の要件を満足する限
り、目的に応じシート状、帯状、ひも状等の形態
をとることができる。 本考案は斯かる如く、ヒンジの形状を改良する
ことにより、ヒンジ特性の著しい向上を達成する
ものである。それ故、使用する熱可塑性樹脂の種
類は限定されるものではなく、いずれの樹脂に対
しても効果があるが、機械的強度、物理的性質、
化学的性質等も考慮すると、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リアミド樹脂等を使用するのが好ましい。 また、これらの樹脂の組成についても特に限定
はなく、目的に応じ公知の添加物、例えば酸化防
止剤、耐候、耐光安定剤、耐熱安定剤、滑剤、離
型剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等を配合した
ものを用いる事ができ、又、ヒンジ特性を大巾に
阻害しない範囲であれば、ガラス繊維、ガラスフ
レーク、ガラスビーズ、マイカ、タルク、チタン
酸カリ等の無機充填剤を少量配合したものであつ
てもよい。 また、ヒンジ特性の一層の向上が必要であれ
ば、材料面でヒンジ特性の改良を図つたもの、例
えば熱可塑性樹脂にゴム状物質、シリコーンオイ
ル等を配合したもの等を用いることもできる。 本考案の成形品は、斯かる形状となる様に加工
された金型を用い、射出成形、圧縮成形等従来公
知の成形方法により容易に製造することができ
る。 〔実施例〕 以下、実施例はもつて本考案を更に具体的に説
明するが、本考案はこれに限定されるものではな
い。 実施例1〜10及び比較例1〜5 ポリブチルテレフタレート樹脂〔ポリプラスチ
ツクス(株)製、商品名「ジユラネツクス2002」〕及
びポリアセタール樹脂〔ポリプラスチツクス(株)
製、商品名「ジユラコンM90」〕を用い、射出成
形により第1図〜第3図に示すヒンジ形状で、ヒ
ンジ距離(l)、曲率中央部のヒンジ厚み及び曲率半
径(R)を第1表の如く変化させた成形品を成形
し、品特性を評価した。尚、いずれの成形品もヒ
ンジ巾(w)は10mmで一定とし、又、ヒンジのつけ根
には適度の曲がりを設けた。 比較のため、第5図及び第6図に示すヒンジ形
状を有する成形品及び基本的には第1図に示す如
きヒンジ形状で、本考案の規定外の曲率半径を有
する成形品を成形し、同様にして評価した。結果
を第1表に併記する。 尚、ヒンジ特性は次に示す基準に基づき評価し
た。 サンプル数:n=10 テスト方法:1 サンプルを23℃、50%RHの環
境下に24時間以上放置した後、同条件下でヒン
ジ部を概そ180度の角度で曲率中心の方向に約
135度、反対方向に約45度で100回くり返し折り
曲げる。 2 サンプルを−20℃環境下に24時間以上放置し
た後、同条件下でヒンジ部を概そ180度の角度
(同上)で100回くり返し折り曲げる。 評価A:100回折り曲げの間にヒンジ部が破壊し
た個数(数値の小さい程優れる) 評価B:100回折り曲げを行つた後のヒンジ部状
態を次の様な判定基準で評価し、平均点で表
したもの(数値の大きい程優れる) 5:殆ど異常が認められなかつたもの 4:ヒンジ部の表面に微小クラツクが発生し
たもの 3:ヒンジ部表面のクラツクが成長し、大き
くなつたもの 2:ヒンジ部のクラツクが更に中心部に向か
つて成長し、ヒンジ部が極めて薄くなつたも
の 1:薄くなつたヒンジ部に切れ目が入り、切
断しかかつたもの 0:破壊したもの
以上の説明並びに実施例により明らかな如く、
本考案はヒンジ形状の改良により、ヒンジ特性の
向上を図つたものであり、本考案で規定される形
状のヒンジを有する成形品は極めて優れたヒンジ
特性を有し、しかもヒンジ以外の機能部において
も樹脂が本来有する優れた特性を損なうといつた
不都合は全く生じない。 斯かるヒンジ部品の用途例として、自動車、電
気・電子、建材、雑貨等の分野における各種のヒ
ンジ部品があげられるが、より具体的には、自動
車用コネクター、電気機器用コネクター等があげ
られこれらの用途に好適に用いられる。
本考案はヒンジ形状の改良により、ヒンジ特性の
向上を図つたものであり、本考案で規定される形
状のヒンジを有する成形品は極めて優れたヒンジ
特性を有し、しかもヒンジ以外の機能部において
も樹脂が本来有する優れた特性を損なうといつた
不都合は全く生じない。 斯かるヒンジ部品の用途例として、自動車、電
気・電子、建材、雑貨等の分野における各種のヒ
ンジ部品があげられるが、より具体的には、自動
車用コネクター、電気機器用コネクター等があげ
られこれらの用途に好適に用いられる。
第1図〜第6図はいずれもヒンジ部の断面図で
あり、第1図〜第4図はヒンジに湾曲部を設けた
例で、この内特定寸法のものは本考案に該当す
る。第5図,第6図は従来からみられる通常のヒ
ンジの例の断面図である。また第7図は、ヒンジ
を介して一体化された成形品の一般的基本型を示
す斜視図である。 1……ヒンジ部、2,3……機能部、l……ヒ
ンジ部の距離、d……ヒンジ部の厚み、R……曲
率半径、W……ヒンジ部の巾、h……湾曲高さ。
あり、第1図〜第4図はヒンジに湾曲部を設けた
例で、この内特定寸法のものは本考案に該当す
る。第5図,第6図は従来からみられる通常のヒ
ンジの例の断面図である。また第7図は、ヒンジ
を介して一体化された成形品の一般的基本型を示
す斜視図である。 1……ヒンジ部、2,3……機能部、l……ヒ
ンジ部の距離、d……ヒンジ部の厚み、R……曲
率半径、W……ヒンジ部の巾、h……湾曲高さ。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 ヒンジを介して一体化された熱可塑性樹脂成形
品において、該ヒンジがヒンジ部の距離(l)1mm以
上、平均厚み(d)0.5×l(mm)以下であり、かつ屈
曲応力をかけない状態下での曲率半径(R)が 0.05≦R≦1.0×l(mm) を満足し、曲げ方向に曲率の中心を持つ湾曲部を
少なくとも1個有してなる事を特徴とするヒンジ
を有する熱可塑性樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987091620U JPH0525876Y2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987091620U JPH0525876Y2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63198517U JPS63198517U (ja) | 1988-12-21 |
JPH0525876Y2 true JPH0525876Y2 (ja) | 1993-06-30 |
Family
ID=30952574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987091620U Expired - Lifetime JPH0525876Y2 (ja) | 1987-06-15 | 1987-06-15 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0525876Y2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56135042A (en) * | 1980-03-26 | 1981-10-22 | Shigeru Takemoto | Manufacture of hinge device |
JPH021827U (ja) * | 1988-06-15 | 1990-01-09 | ||
JPH0261783A (ja) * | 1988-08-29 | 1990-03-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 文字認識装置 |
JPH0249656U (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-06 | ||
JPH035077U (ja) * | 1989-06-02 | 1991-01-18 |
-
1987
- 1987-06-15 JP JP1987091620U patent/JPH0525876Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56135042A (en) * | 1980-03-26 | 1981-10-22 | Shigeru Takemoto | Manufacture of hinge device |
JPH021827U (ja) * | 1988-06-15 | 1990-01-09 | ||
JPH0261783A (ja) * | 1988-08-29 | 1990-03-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 文字認識装置 |
JPH0249656U (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-06 | ||
JPH035077U (ja) * | 1989-06-02 | 1991-01-18 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63198517U (ja) | 1988-12-21 |
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