JPH05257536A - トラクションサーボ装置 - Google Patents

トラクションサーボ装置

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JPH05257536A
JPH05257536A JP5250892A JP5250892A JPH05257536A JP H05257536 A JPH05257536 A JP H05257536A JP 5250892 A JP5250892 A JP 5250892A JP 5250892 A JP5250892 A JP 5250892A JP H05257536 A JPH05257536 A JP H05257536A
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JP
Japan
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rotation
output
traction
value
voltage
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Application number
JP5250892A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Takao
信博 鷹尾
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Nidec Shimpo Corp
Original Assignee
Shimpo Industrial Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクション減速機の出力軸の位置誤差の発
生を簡単な構成でもって極力少なくできるようにすると
ともに、トラクション減速機から発生する熱の影響も受
け難いようにする。 【構成】 サーボモータ2の回転量またはトラクション
減速機4の出力要素の回転量に応じた数の回転パルスs
を発生する第1回転検出手段6に加えて、トラクション
減速機4の出力軸10が1回転毎に単発の原点パルスz
を発生する第2回転検出手段8を設ける。そして、補正
手段18によって、上記の原点パルスzの1周期の間に
トラクション減速機4のすべり等によって生じる位置誤
差分に対応する補正値Neを求めるとともに、サーボモ
ータ2の回転量と制御の目標値Niとの差を偏差カウン
ト手段20で求め、この偏差カウント値Ndに補正手段
18で得られた補正値Neを加算することでサーボモー
タ2を制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータの出力軸
にトラクション減速機を接続して位置決め制御等を行う
トラクションサーボ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、トラクション減速機は、摩擦式
減速機とも言われ、歯車式減速機に比較して本質的にバ
ックラッシュや角速度の変動が少ない優れた特性を有す
る。そのため、たとえば、ロボットやNC工作機などの
サーボ制御を行う場合には、サーボモータの出力軸にこ
のトラクション減速機を接続した構成のトラクションサ
ーボ装置が使用される。
【0003】このトラクションサーボ装置においては、
通常、サーボモータの回転量を検出してフィードバック
制御を行うために、サーボモータの反負荷側にその回転
量に応じた数の回転パルスを発生するロータリエンコー
ダ等の回転検出手段Aが設けられている。
【0004】ここで、上記の回転検出手段Aからの回転
パルスのみに基づいて、トラクション減速機の出力軸の
回転量を制御しようとすると、次の問題を生じる。
【0005】トラクション減速機には、それを構成する
リング、太陽ローラ、遊星ローラ等の各機械要素の寸法
公差や、これらの各機械要素間の負荷による微少すべり
や、さらには、負荷の変動による微少すべり等が存在す
るので、これらに起因して、サーボモータの回転量とト
ラクション減速機の出力軸の回転量との相互の対応が取
れなくなって、位置誤差が生じる。すなわち、いま、回
転検出手段Aからはサーボモータの1回転当たりにつき
E個の回転パルスが出力されるものとし、また、トラク
ション減速機の減速比をGとすれば、理論上、E×G個
の回転パルスによってトラクション減速機の出力軸が1
回転することになる。しかし、上記のように、トラクシ
ョン減速機にはすべり等の誤差要因があるため、回転検
出手段AからE×G個の回転パルスが出力されても、ト
ラクション減速機の出力軸は、実際には1回転しない場
合が起こり得る。
【0006】このような位置誤差の発生を回避するは、
たとえば、トラクション減速機の出力軸にロータリエン
コーダ等の回転検出手段Bを取り付け、この回転検出手
段Bの出力値が所要の目標値になるようにサーボモータ
をフィードバック制御することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラク
ション減速機の出力軸に対して、ロータリエンコーダ等
の回転検出手段Bを直接に取り付ける場合には、次の問
題を生じる。
【0008】すなわち、この回転検出手段Bからの出力
によってサーボモータを制御するためには、少なくとも
サーボモータ側に設けた回転検出手段Aと同じだけの分
解能が必要となる。しかし、これだけの分解能を得よう
とすると、回転検出手段Bからトラクション減速機の出
力軸1回転当たりに出力されるパルス数は、サーボモー
タ側の回転検出手段Aから1回転当たりに出力されるパ
ルス数の減速比倍だけ必要となる。たとえば、サーボモ
ータ側の回転検出手段Aの1回転当たりに出力される回
転パルスの数Eを3000、減速比Gを20とすると、
トラクション減速機側の回転検出手段Bから1回転当た
りに出力されるパルス数は、E×G=3000×20=
60000も必要になる。このような多量のパルスを発
生させるためには、回転検出手段Bとして、たとえばロ
ータリエンコーダを適用する場合を考えると、スリット
円板を極めて高精度に製作せねばならず、製作に手間が
かかるばかりでなく、たとえ、高精度のスリット円板が
製作できたとしても、これをトラクション減速機に取り
付ける際には、僅かな偏心も許されないので、組み立て
作業が極めて困難となる。さらに、トラクション減速機
の出力軸にこの回転検出手段Bを単純に取り付けた場合
には、トラクション減速機の回転に伴って発生する熱が
ケーシング等を介してこの回転検出手段Bに伝導し、こ
れを構成するスリット円板や発光素子や受光素子等の半
導体素子が熱の影響を受けて耐久性が劣化する等の不具
合を生じる。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、トラクション減速機の出力軸の1回転当
たりに発生するパルス数が少なくても、トラクション減
速機に生じる位置誤差を精度良く補正できるようにする
ことを第1の課題とし、また、トラクション減速機に回
転検出手段を取り付ける場合に、それを構成する各素子
がトラクション減速機から発生する熱の影響を受け難い
ようにすることを第2の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
達成するため、次の構成を採る。
【0011】すなわち、本発明のトラクションサーボ装
置では、サーボモータの回転量あるいはトラクション減
速機の出力要素の回転量に応じた数の回転パルスを発生
する第1回転検出手段と、トラクション減速機の出力軸
の一回転毎に単発の原点パルスを発生する第2回転検出
手段と、前記第1回転検出手段からの回転パルスと第2
回転検出手段からの原点パルスとを共に入力して前記原
点パルスの1周期の間に含まれる回転パルスの数をカウ
ントし、そのカウント値と予め設定された規定値(トラ
クション減速機のすべりなどの誤差要因が無い理想状態
の下で得られるカウント値)との差を補正値として出力
する補正手段と、前記第1回転検出手段からの回転パル
スをカウントし、このカウント値と予め設定された制御
の目標値との差を偏差カウント値として出力する偏差カ
ウント手段と、この偏差カウント手段からの偏差カウン
ト値に、前記補正手段で得られた補正値を加算して出力
する加算手段と、この加算手段の出力に基づいて前記サ
ーボモータを駆動する駆動手段とを備えた構成とした。
【0012】
【作用】上記構成において、第1回転検出手段からは、
サーボモータの回転量あるいはトラクション減速機の出
力要素の回転量に応じた数の回転パルスが、また、第2
回転検出手段からは、トラクション減速機の出力軸の一
回転毎に単発の原点パルスがそれぞれ発生される。補正
手段は、上記の回転パルスと原点パルスとを共に入力し
て原点パルスの1周期の間に含まれる回転パルスの数を
カウントし、そのカウント値と規定値との差を補正値と
して出力する。つまり、補正手段からは、トラクション
減速機の出力軸が一回転するたびに生じるサーボモータ
との位置誤差分に相当する補正値が出力される。一方、
偏差カウント手段は、第1回転検出手段からの回転パル
スをカウントし、このカウント値と予め設定された制御
の目標値との差を偏差カウント値として出力する。そし
て、この偏差カウント値と補正値が加算手段によって加
算されて駆動手段に出力される。したがって、駆動手段
には、トラクション減速機の出力軸の1回転毎に位置誤
差が補正された制御値が与えられるため、トラクション
減速機における位置誤差が累積することがなくなる。そ
の結果、サーボモータが停止した時のトラクション減速
機の位置誤差は、最大でも、上記の補正値に対応する範
囲内の僅かなものとなる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の実施例に係るトラクションサ
ーボ装置の全体構成図である。
【0014】同図において、符号1はトラクションサー
ボ装置の全体を示し、2はサーボモータ、4はサーボモ
ータ2の負荷側に接続されたトラクション減速機であ
る。
【0015】6はサーボモータ2の回転に伴い、その回
転量に応じた数の回転パルスsを発生する第1回転検出
手段としてのロータリエンコーダ、8はトラクション減
速機4の出力軸10が1回転する毎に単発の原点パルス
zを発生する第2回転検出手段としての原点検出器であ
る。この原点検出器8は、トラクション減速機4の出力
要素(たとえば出力軸10に直結された円筒状のホルダ)
30に磁性材料でできた検出体32を固定する一方、ケ
ーシング34の出力要素30との対向位置に検出回路3
6を取り付けてなるもので、その具体的な構成について
は後述する。
【0016】12はサーボ制御部であって、マイクロコ
ンピュータ14および駆動手段16を主体に構成されて
いる。そして、マイクロコンピュータ14は、補正手段
18、偏差カウント手段20、および加算手段22を備
え、上記の補正手段18は、カウント手段24と判別手
段26とからなる。
【0017】カウント手段24は、ロータリエンコーダ
6からの回転パルスsと原点検出器8からの原点パルスz
とを共に入力して原点パルスzの1周期Rの間に含まれ
る回転パルスsの数をカウントするものである。
【0018】一方、判別手段26は、原点パルスzが入
力される毎に、カウント手段24からのカウント値Nc
を入力し、このカウント値Ncと予め設定された規定値
Ns(トラクション減速機4のすべりなどの誤差要因が無
い理想状態の下で得られるカウント値)との差Nc−Ns
を求め、この差Nc−Nsが所定の第1しきい値±Nsh1
の範囲内(−Nsh1≦Nc−Ns≦+Nsh1)にある場合に
は、この差Nc−Nsを補正値Neとして、また、前記差
Nc−Nsが第1しきい値±Nsh1の範囲外(Nc−Ns<−
Nsh1またはNc−Ns>+Nsh1)で、かつカウント値Nc
が所定の第2しきい値±Nsh2の範囲内(−Nsh2≦Nc≦
+Nsh2)にある場合には、カウント値の符号を反転して
この値−Ncを補正値Neとして、さらに、これらのいず
れの条件にも適合しない場合にはエラー信号を、それぞ
れ出力するものである。
【0019】また、偏差カウント手段20は、ロータリ
エンコーダ6からの回転パルスsを順次カウントし、こ
のカウント値と予め設定された位置制御や速度制御のた
めの目標値Niとの差を偏差カウント値Ndとして出力す
るものである。
【0020】加算手段22は、偏差カウント手段20か
らの偏差カウント値Ndに、補正手段18で得られた補
正値Neを加算してこの値Nd+Neを制御値Nkとして出
力するものである。さらに、駆動手段16は、加算手段
22からの制御値Nkに基づいてサーボモータ2を駆動
するものである。
【0021】次に、上記構成のトラクションサーボ装置
1の動作について説明する。
【0022】サーボモータ2が回転駆動されるのに伴
い、ロータリエンコーダ6からはサーボモータ2の回転
量に応じた数の回転パルスsが出力される。また、原点
検出器8からは、トラクション減速機4の出力軸10の
一回転毎に単発の原点パルスzが発生される。
【0023】カウント手段24は、ロータリエンコーダ
6からの回転パルスsと原点検出器8からの原点パルスz
とを共に入力して、サーボモータ2の正回転時には回転
パルスsが入力される毎に増カウントし、逆回転時には
回転パルスsが入力される毎に減カウントする。そし
て、原点パルスzが入力された場合には、それまでのカ
ウント値Ncがリセットされる。したがって、カウント
手段24によって、原点パルスzの1周期Rの間に含ま
れる回転パルスsの数Ncがカウントされ、そのカウント
値Ncが次段の判別手段26に送られる。
【0024】ここで、いま、ロータリエンコーダ6から
は、サーボモータ2の1回転当たりにつきE個の回転パ
ルスが出力されるものとし、また、トラクション減速機
の減速比をGとすれば、理論上、トラクション減速機4
の出力軸10が1回転すると、その間に得られる回転パ
ルスsのカウント値はE×G=Nsとなるはずである。そ
こで、このカウント値Nsを規定値として予め判別手段
26に設定しておく。
【0025】しかし、現実にはトラクション減速機4の
すべり等の誤差要因によって、原点パルスzの1周期R
の間にカウントした回転パルスsのカウント値Ncは、上
記の規定値Nsに一致しないことが起こる。したがっ
て、このときの位置誤差分のパルス数Neは、 Ne=Nc−Ns (1) となる。一般には、トラクション減速機4の出力軸10
に加わる負荷が正負荷の場合にはNe>0、逆負荷の場
合には、Ne<0である。
【0026】また、トラクション減速機4の出力軸10
が、原点検出器8が設けられた原点位置から正回転し、
1回転するまでの間に今度は逆回転に転じて再び元の原
点位置に戻る場合を考えると、理論上、その間に得られ
る回転パルスsのカウント値Ncは零となるはずである。
しかし、前述した同様の理由によって零とはならず、そ
のカウント値Ncの符号を反転した値−Ncとなる。つま
り、位置誤差分のパルス数Neは、 Ne=−Nc (2) となる。
【0027】この事実に基づいて、判別手段26は、以
下の処理を行う。
【0028】すなわち、判別手段26は、原点パルスz
が入力される毎に、カウント手段24からのカウント値
Ncを入力し、このカウント値Ncと予め設定された規定
値Nsとの差Nc−Nsを求める。そして、この差Nc−N
sが第1しきい値±Nsh1の範囲内(−Nsh1≦Nc−Ns≦
+Nsh1)にある場合には、トラクション減速機4の出力
軸10が単純に正回転したとみなせるため、この差Nc
−Nsを補正値Neとして出力する。また、差Nc−Nsが
第1しきい値±Nsh1の範囲外(Nc−Ns<−Nsh1また
はNc−Ns>+Nsh1)でかつカウント値Ncが所定の第
2しきい値±Nsh2の範囲内(−Nsh2≦Nc≦+Nsh2)に
ある場合には、トラクション減速機4の出力軸10が、
原点検出器8における原点位置から正回転し、1回転す
るまでの間に今度は逆回転に転じて再び元の原点位置に
戻ったものとみなせるため、カウント値の符号を反転し
てこの値−Ncを補正値Neとして出力する。いずれにし
ても、補正手段18からは、トラクション減速機4の出
力軸10が1回転するたびに生じるサーボモータ6との
位置誤差分に相当する補正値Neが出力される。なお、
上記の各条件に適合しない場合にはカウント異常とみな
せるため、エラー信号が出力される。
【0029】一方、偏差カウント手段20は、ロータリ
エンコーダ6からの回転パルスsを順次カウントし、こ
のカウント値と予め設定された制御の目標値Niとの差
を偏差カウント値Ndとして出力する。そして、この偏
差カウント値Ndと補正値Neとが加算手段22によって
加算され、この加算値Nd+Neが制御値Nkとして駆動
手段16に出力される。つまり、駆動手段16には、偏
差カウント値Ndだけでなく、トラクション減速機4の
出力軸10の1回転毎に生じる位置誤差分に相当する補
正値Neが余分に加わることによって、トラクション減
速機4に生じる位置誤差が、その出力軸10の1回転毎
に相殺されることとなり、その結果、サーボモータ2が
停止した時のトラクション減速機4の位置誤差Δ0は、
最大でも、上記の(1)式あるいは(2)式に示される補正
値Neに対応する範囲内の僅かなものとなる。
【0030】図2は、上記の動作の理解を一層容易にす
るため、トラクション減速機4の出力軸10に正負荷が
接続され(よって、Nc>Ns)、この状態で原点位置から
正回転が継続されるものとし、また、目標値Niは予め
偏差カウント値20に全て与えられている、との前提に
立って、上記の制御動作を模式的に表したものである。
【0031】同図において、横軸はトラクション減速機
4の出力軸10の時間経過に伴う回転量R(t)を、縦軸
は加算手段22から出力される制御値Nkを示してい
る。また、図中の一点鎖線Vは、トラクション減速機4
のすべり等の誤差要因が無い場合の理論上の偏差カウン
ト値Ndの経時変化を示すものであり、また、実線Wは
加算手段22から実際に出力される制御値Nkの経時変
化を示すものである。
【0032】図2から分かるように、トラクション減速
機4の出力軸10が1回転すると(原点パルスzの1周期
Rに相当)、この期間Rにカウント手段24で得られる
カウント値はNcであり、このカウント値Ncは規定値N
sよりもNe分だけ多い。また、この1周期Rで偏差カウ
ント手段20から出力される偏差カウント値Ndは、Ni
−Ncとなる。しかし、加算手段22において、この偏
差カウント値Ndに対して、位置誤差分に相当する補正
値Neが加算されるために、加算手段22から出力され
る制御値Nkは、Nd+Ne=Nsとなる。つまり、駆動手
段16には、トラクション減速機4の出力軸10が1回
転する毎に、偏差カウント値Ndに対して位置誤差分に
対応する補正値Neが上積みされて、出力軸10に生じ
る位置誤差分が相殺される。
【0033】したがって、補正手段18を設けない場合
には、図2の符号Δ1で示すだけの位置誤差が最終的に
生じることになるが、本発明のように補正手段18を備
えた場合には、トラクション減速機4の出力軸10に生
じる位置誤差の累積が無くなるため、サーボモータ2が
停止した時のトラクション減速機4の位置誤差はΔ0
なる。この位置誤差Δ0は、最大でも、上記の(1)式あ
るいは(2)式に示される補正値Neに対応する範囲内の
僅かなものであり、トラクション減速機4の出力軸10
に生じる位置誤差は殆ど無視できる程度のものとなる。
【0034】図3は第2回転検出手段としての原点検出
器8の詳細を示す全体構成図である。
【0035】この原点検出器8は、トラクション減速機
4の出力要素(たとえば出力軸10に直結された円筒状
のホルダ)30に、磁性材料でできた検出体32が固定
される一方、ケーシング34の出力要素30との対向位
置に検出回路36を取り付けて構成されている。
【0036】上記の検出回路36は、出力要素30に対
面して、発振コイル38およびこの発振コイル38を挟
む一対の検出コイル40a,40bがそれぞれ配置され、
発振コイル38には発振回路42が接続され、また、各
検出コイル40a,40bには、これらの各検出コイル4
0a,40bの出力b1,b2を整流、平滑した電圧c1,c2
それぞれ出力する電圧出力回路44a,44bが個別に接
続されている。これらの各電圧出力回路44a,44b
は、たとえば、コンデンサ、抵抗、およびダイオードを
組み合わて構成される。
【0037】46は、これらの各電圧出力回路44a,
44bの出力電圧c1,c2を共に入力してその和d(=c1+c
2)を出力する差動出力回路であり、本例では、抵抗
1,R2の直列回路からなる。また、48a,48bは両
電圧出力回路44a,44bの各出力電圧c1,c2と予め設
定された各基準電圧E1,E2とを個別に比較する原点抽
出用比較回路、50はこの差動出力回路46の出力電圧
dと予め設定された上下のしきい値電圧E3,E4とを比
較する原点検出用比較回路、52はこれらの各比較回路
48a,48b,50の比較出力e1,e2,fを共に入力し
てその論理積を出力する論理積出力回路である。
【0038】上記構成の原点検出器8の動作を図4に示
すタイムチャートを参照して説明する。
【0039】トラクション減速機4の出力要素30の回
転によって、この出力要素30に固定された検出体32
が図3の矢印方向に移動する。これに伴い、発振コイル
38と各検出コイル40a,40bの間の磁気抵抗が変化
することにより、検出コイル40a,40bからの各検出
出力b1,b2が変化する。この場合、検出体32が検出コ
イル40aあるいは40bに近付く程、磁気抵抗が小さく
なって検出出力b1あるいはb2が大きくなり、逆に、検出
体32が遠ざかると検出出力b1あるいはb2は小さくな
る。
【0040】そして、一方の検出出力b1は、電圧出力回
路44aによって整流、平滑され、正電圧c1として出力
される。同様に他方の検出出力b2は、電圧出力回路44
bによって整流、平滑され、負電圧c2として出力され
る。したがって、各電圧出力回路44a,44bからの各
出力電圧c1,c2は、図4(a),(b)に示すようになる。
【0041】一方の電圧出力回路44aからの正電圧c1
は、一方の原点抽出用比較回路48aに入力され、予め
設定された基準電圧E1と比較される。そして、図4(d)
に示すように、c1≧E1の場合に比較出力e1が発生され
る。また、他方の電圧出力回路44bからの負電圧c
2は、他方の原点抽出用比較回路48bに入力され、予め
設定された基準電圧E2と比較される。そして、図4(e)
に示すように、c2≦E2の場合に比較出力e2が発生され
る。さらに、各電圧出力回路44a,44bからの各出力
電圧c1,c2は、共に差動出力回路46に入力され、図4
(c)に示すように、正、負の各電圧c1,c2を加算した差
動出力電圧dとして出力される。引き続いて、この差動
出力回路46からの出力電圧dは、原点検出用比較回路
50に入力され、予め設定された基準電圧E3,E4と比
較される。そして、図4(f)に示すように、E4≦d≦E3
の場合に、比較出力fが発生される。上記の各比較回路
48a,48b,50の各比較出力e1,e2,fは、論理積
出力回路52に共に入力されて、これらの論理積が原点
パルスzとして出力される。
【0042】なお、図3に示した実施例では、一対の原
点抽出用比較回路48a,48bを設けているが、一方を
省略することも可能である。また、他方の電圧出力回路
44bからは、負電圧c2が出力されることを前提として
いるが、正電圧c2が出力される場合には、差動出力回路
46としては、両正電圧c1,c2の差を求めるために、差
動増幅器と抵抗とを組み合わて構成することができる。
【0043】図1に示した実施例においては、サーボモ
ータ2の反負荷側に第1回転検出手段としてのロータリ
エンコーダ6を設けているが、図5および図6に示すよ
うに、トラクション減速機4側に設けることも可能であ
る。
【0044】図5および図6に示す実施例においては、
トラクション減速機4の出力要素(たとえば出力軸10
に直結された円筒状の回転ホルダ)30の外周に、これ
よりも小径のローラ60が摺接され、このローラ60が
トラクション減速機4のケーシング34に別途取り付ら
れたハウジングケース62に設けた軸受け64によって
支持されており、ローラ60の軸の一端に前記ロータリ
エンコーダ6がカップリング66を介して接続されてい
る。また、回転ホルダ30とローラ60との圧接力は、
ネジ68の締め具合によってバネ70で調節されるよう
になっている。そして、図3の場合と同様に、ロータリ
エンコーダ6の出力がカウント手段24と偏差カウント
手段20とに、また、原点検出器8の出力がカウント手
段24と判別手段26にそれぞれ与えられるようになっ
ている。なお、72はオイルシールである。
【0045】この図5および図6に示す実施例において
は、トラクション減速機4の出力軸10の回転がローラ
60によって増速されるので、このローラ60に接続さ
れたロータリエンコーダ6は、出力軸10にこれを取り
付ける場合に比べて、同じ分解能を得ようとする場合
に、スリット円板のスリット数が少なくて済むため、そ
の製作が容易であるとともに、トラクション減速機4の
回転に伴って発生する熱もロータリエンコーダ6に伝わ
り難くなり、耐久性も向上する。さらに、トラクション
減速機4を構成するリング、太陽ローラ、遊星ローラ等
の各機械要素の寸法公差や、これらの各要素間の負荷に
よる微少なすべりや、さらに負荷の変動による微少なす
べりなどの影響も受け難くなるので、それだけ補正手段
18から出力される補正値Neは、図1の実施例の場合
よりも小さな値となる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、トラクション減速機の
出力要素に第1回転検出手段あるいは第2回転検出手段
を取り付けることにより、トラクション減速機の出力軸
の1回転当たりのパルス数が従来よりも少なくて済むと
ともに、トラクション減速機の出力軸の位置誤差の発生
が極力少なくできるようになる。
【0047】また、本発明のように、トラクション減速
機の出力要素に設けた第2回転検出手段は、磁気方式を
用いて回転位置を検出するようにしているので、温度の
影響を殆ど受けることがなく、しかも、一対の検出コイ
ルからの検出電圧の差動出力に基づいて原点パルスを生
成するようにしているため、トラクション減速機の出力
軸の1回転ごとに出力される原点パルスの位置再現性が
極めて良好なものとなり、高精度の制御を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトラクションサーボ装置
の全体構成図である。
【図2】図1の装置の動作説明図である。
【図3】図1の装置における原点パルス発生手段の詳細
を示す全体構成図である。
【図4】図3の原点パルス発生手段の作用を示すタイム
チャートである。
【図5】本発明の他の実施例に係るトラクションサーボ
装置における回転パルス発生手段と原点パルス発生手段
のトラクション減速機への取り付け状態を示す側面図で
ある。
【図6】図5の詳細を拡大して示す一部切欠側面図であ
る。
【符号の説明】
1…トラクションサーボ装置、2…サーボモータ、4…
トラクション減速機、6…第1回転検出手段(ロータリ
エンコーダ)、8…第2回転検出手段(原点検出器)、1
6…駆動手段、18…補正手段、20…偏差カウント手
段、22…加算手段、30…出力要素、32…検出体、
38…発振コイル、40a,40b…検出コイル、42…
発振回路、44a,44b…電圧出力回路、46…差動出
力回路、48a,48b…原点抽出用比較回路、50…原
点検出用比較回路、52…論理積回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモータにトラクション減速機が接
    続されたものであって、 前記サーボモータの回転量あるいはトラクション減速機
    の出力要素の回転量に応じた数の回転パルスを発生する
    第1回転検出手段と、 前記トラクション減速機の出力軸の一回転毎に単発の原
    点パルスを発生する第2回転検出手段と、 前記第1回転検出手段からの回転パルスと前記第2回転
    検出手段からの原点パルスとを共に入力して原点パルス
    の1周期の間に含まれる回転パルスの数をカウントし、
    そのカウント値と予め設定された規定値との差を補正値
    として出力する補正手段と、 前記第1回転検出手段からの回転パルスをカウントし、
    このカウント値と予め設定された制御の目標値との差を
    偏差カウント値として出力する偏差カウント手段と、 この偏差カウント手段からの偏差カウント値に、前記補
    正手段で得られた補正値を加算して出力する加算手段
    と、 この加算手段の出力に基づいて前記サーボモータを駆動
    する駆動手段と、 を備えることを特徴とするトラクションサーボ装置。
  2. 【請求項2】 前記第2回転検出手段は、 トラクション減速機の出力要素に、磁性材料からなる検
    出体が固定され、前記出力要素の対向位置には、発振コ
    イルおよびこの発振コイルを挟む一対の検出コイルがそ
    れぞれ配置され、前記発振コイルには発振回路が接続さ
    れ、また、前記各検出コイルには、これらの各検出コイ
    ルの出力を整流平滑した電圧を出力する電圧出力回路が
    個別に接続される一方、これらの各電圧出力回路の出力
    電圧を共に入力してその和を出力する差動出力回路と、
    前記両電圧出力回路の少なくとも一方の出力電圧と予め
    設定された基準電圧とを比較する原点抽出用比較回路
    と、前記差動出力回路の出力電圧と予め設定された上下
    のしきい値電圧とを比較する原点検出用比較回路と、前
    記各比較回路の比較出力を共に入力してその論理積を出
    力する論理積出力回路と、を備えて構成されていること
    を特徴とする請求項1記載のトラクションサーボ装置。
JP5250892A 1992-03-11 1992-03-11 トラクションサーボ装置 Pending JPH05257536A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011002075A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Toyota Central R&D Labs Inc 駆動装置
JP2011002082A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Toyota Central R&D Labs Inc 駆動装置および速度指令生成装置

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JP2011002075A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Toyota Central R&D Labs Inc 駆動装置
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