JPH05256772A - 塗装面性状測定装置 - Google Patents

塗装面性状測定装置

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JPH05256772A
JPH05256772A JP5291492A JP5291492A JPH05256772A JP H05256772 A JPH05256772 A JP H05256772A JP 5291492 A JP5291492 A JP 5291492A JP 5291492 A JP5291492 A JP 5291492A JP H05256772 A JPH05256772 A JP H05256772A
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暉雄 浅枝
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憲 矢川
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裕 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗装面の鮮映性の三質感を同時に測定できる高
感度高性能でかつ小型軽量の塗装面性状測定装置を提供
する。 【構成】測定ヘッド25のケーシング11内に、投光側
に順に光源2、すりガラス3、ストライプ格子4、鏡1
0、凸レンズ5を、受光側にCCDカメラ8をそれぞれ
光軸を基準として配列する。そしてCCDカメラ8内の
絞り8を回折限界まで絞り込む。開口12は透明ガラス
15で塞ぎ、また測定ヘッド25には四本の自由足16
を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のボディー等の
塗装面の鮮映性を定量的に測定する塗装面性状測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のボディー等の塗装面の性
状の検査は、例えば、天井の蛍光灯を塗装面に反射させ
作業者がその蛍光灯の端線のゆがみ具合を見て、あるい
は作業者がPGD計と呼ばれる測定器を覗きこんで塗装
面の鮮映性(塗膜表面の凹凸の程度)を評価していた。
しかし、この方法では塗装面の鮮映性を定量的に測定す
ることができない。
【0003】そこで、塗装面の鮮映性を定量的に測定す
る方法として、ストライプパターンを塗装面に照射しそ
の反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する方
法が考案されている。この測定原理は、例えば図8に示
すように、光源30からの光をストライプ格子4(例え
ばストライプパターンが印刷されたガラス板)に通して
ストライプパターンを塗装面1に照射しその反射光をC
CDカメラ31でとらえてストライプ像の乱れを観測し
評価するというものであり、塗装面1の鮮映性が悪いほ
どCCDカメラ31でとらえられる塗装面1上のストラ
イプ像が大きく変形することを利用したものである。
【0004】一般に測定の精度を上げるには感度を上げ
るとよいが、図8に示す光学系の場合、その感度(塗装
面の凹凸に対するストライプ像の偏位の大きさ)を上げ
るためには光学的にみてストライプ格子4と塗装面1と
の距離aまたは塗装面1とCCDカメラ31との距離b
を長くとらなければならない。実際上は、後者の距離b
を長くするとCCDカメラ31でとらえる像が小さくな
り系の解像度が悪くなるので、距離aの方を長くとるこ
とになる。しかし、感度を上げるために距離aを長くす
れば装置自体が大きくなってしまう。
【0005】そこで、最近、装置の小型化を図るため、
図9に示すようにストライプ格子4と塗装面1との間に
凸レンズ5を配置してストライプ格子4を塗装面1から
疑似的に無限遠まで離した光学系を有する装置が開示さ
れている(例えば特開昭63−18210号公報参
照)。このようにストライプ格子4と塗装面1との間に
凸レンズ5を配置することにより、光学的にみて系の感
度および拡大率(塗装面上に拡大されるストライプ像の
大きさの割合)が向上するので実際にストライプ格子4
と塗装面1との距離を長くとらなくても十分な感度と解
像度を得ることができ、装置を小型化することができ
る。
【0006】また、このような光学系では、塗装面1に
照射される光にむらがあるとCCDカメラ31でとらえ
る像にむらが生じて鮮映性の解析処理が困難になるの
で、むらのない光源(理想は面発光光源)を作ることが
必要である。このようなむらのない光源を作るための一
方法として、従来は、例えば図10に示すように、光源
30を反射鏡30aの焦点に電球30bを置いて平行光
線を発するようにしたスポット型の光源として構成し、
この光源30とストライプ格子4との間に多くの方向に
入射光を拡散透過させる拡散板32(例えばオパールガ
ラス)を配置していた。
【0007】そして以上のような光学系は、通常、例え
ば図9に示すように光の出入口としての開口33をもつ
ケーシング34内に収納されている。このような装置に
おいては、実際の測定は装置を直接塗装面1に接触させ
た状態で行われる。さらに、例えば図11に示すように
開口をもつケーシング35に単なる棒状の足36を取り
付けた構造の測定装置もある。この場合には装置を塗装
面から離した状態で測定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の塗装面性状測定装置には以下に述べるように
光学系および構造の面でいろいろな問題がある。
【0009】まず光学系の面から見ていく。一般に鮮映
性は三種類の質感、すなわち平滑感(ゆず肌)、肉持感
(ちりちり感)、光沢感(つや感)で構成され、これら
は塗装表面のうねりの大きさに対応している(平滑感は
1mm以上、肉持感は0.2〜1mm、光沢感は0.2mm以
下)。ところが、従来の装置の光学系ではこれら三種類
の質感を同時に測定することができない。というのは、
肉持感や光沢感に対応する小さなうねりを測定するには
うねりの大きさが小さいため受光レンズ31aの焦点を
塗装面1に合わせる必要があり、一方で平滑感に対応す
る大きなうねりを測定するにはストライプ格子4に焦点
を合わせた方が見やすくなるため、これらを同時に測定
するためにはストライプ格子4と塗装面1の両方にピン
ト合わせすることが必要である。しかし、従来の光学系
では被写界深度(焦点を合わせた被写体面の前後で鮮明
な結像が得られる範囲)がそれほど大きくないためスト
ライプ格子4と塗装面1の両方に焦点合わせすることが
できないからである。その結果、従来の装置では、受光
レンズ31aを可動式にしたりまたは可変焦点レンズに
したりしてストライプ格子4と塗装面1に別々に順次焦
点を合わせるようにするか、あるいはあえてストライプ
格子4と塗装面1の中間に焦点を合わせるようにするし
かない。ただ、後者の場合は像がぼけてしまうため測定
精度の点ではかなり問題がある。
【0010】また、従来の装置の光学系では感度の向上
にも一定の限界がある。すなわち、前述のように感度は
ストライプ格子4を塗装面1から遠くに離せば離すほど
良くなるが、従来の光学系では、ストライプ格子4と塗
装面1との間に凸レンズ5を配置してストライプ格子4
を塗装面1から疑似的に無限遠まで離した構成にしてい
るものの、前述のように被写界深度があまり大きくない
ためストライプ格子4を疑似的に無限遠より遠くに離し
ても鮮明な像は得られず、実際上ストライプ格子4を疑
似的に無限遠以上に離すことは不可能である。したがっ
て感度をこれ以上に上げることはできない。
【0011】さらに、従来の装置の光学系では、むらの
ない光源を得るため光源30とストライプ格子4との間
に拡散板32を配置しているが、一般に拡散板には光を
直進させる作用がほとんどないためストライプ格子4に
照射される光軸方向の光量が大幅に減少してしまう。そ
のため、測定に必要な光量(明るさ)を確保するために
は光源の容量をかなり大きくしなければならず、装置の
小型化や省エネ化のほか発熱対策の点でも好ましくな
い。
【0012】次に構造の面を見てみると、従来の装置は
通常開口33をもつケーシング34内に前記光学系を収
納した構造をしているが、このような構造では、迷光に
よる影響をできるため少なくするため開口33から外部
の光が入らないようにする必要があり、そのため実際の
測定は前述のように装置を直接塗装面1に接触させた状
態で行わざるを得ない。したがって、塗装面1が曲面の
ため開口33を十分に塞ぐことができない場合には、外
乱光による影響を受けて塗装面1の性状を測定できない
場合がありうる。また、このように装置を塗装面1から
離して測定できないことは、ロボットによる測定の実現
を困難にしている。
【0013】図11に示すような棒状の足36を備えた
装置についても、外乱光による影響の点を除いて考えて
も、ケーシング35内の光学系の配置や足36の長さは
通常塗装面1が平面の場合を想定してセッティングされ
ているので(図11(A)参照)、曲面の塗装面1′の
場合には光軸がずれてしまって塗装面1′の性状を測定
できない場合がありうる(図11(B)参照)。
【0014】また、図9に示す従来の構造の装置では、
開口33から中に塵等が入り装置の性能を劣化させる虞
があるため、取扱いに注意を要し、雰囲気が悪い場所で
の使用が制限される場合がある。これを回避するため、
図12に示すように開口33に透明ガラス37等を取り
付けて装置それ自体を密閉構造にすることも考えられる
が、この装置のように直接塗装面1に接触させて測定す
るタイプの場合には、ストライプパターンがガラス表面
と塗装面の両方で反射され、これら両反射光がともにC
CDカメラ31にとらえられるので、像がダブって測定
できなくなってしまう。
【0015】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、塗装面における三種類の質
感を同時に測定することができ、しかも感度をさらに向
上させることができ、さらに塗装面から離して測定する
ことができる小型軽量の塗装面性状測定装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】また、本発明は、外乱光や雰囲気に影響さ
れず、しかも塗装面が曲面であっても測定することがで
きる小型軽量の塗装面性状測定装置を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、ストライプパターンを塗装面に照射しそ
の反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗
装面性状測定装置において、光の回折限界近傍まで絞ら
れた絞りを含む光学系を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明は、ストライプパターンを塗
装面に照射しその反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映
性を測定する塗装面性状測定装置において、光源とスト
ライプ格子との間に半拡散板が配置された光学系を有す
ることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明は、ストライプパターンを
塗装面に照射しその反射光の乱れを観測して塗装面の鮮
映性を測定する塗装面性状測定装置において、開口をも
つケーシング内に、投光側に光源、半拡散板、ストライ
プ格子および凸レンズを、また受光側に受光レンズ、光
の回折限界近傍まで絞られた絞りおよびCCD素子を順
にそれぞれ光軸を基準として配列するとともに、前記開
口に密閉用の透明板を取り付け、さらに前記ケーシング
にこれを塗装面から離してセッティングするための伸縮
可能でかつ旋回自在の自由足を取り付けてなることを特
徴とする。
【0020】
【作用】このように構成された塗装面性状測定装置の作
用は次の通りである。なお、図1は本発明による光学系
を示す構成図である。本発明では、絞り8は光の回折限
界近傍まで絞られて口径が非常に小さいため、この絞り
8によってぼけの原因となる結像に望ましくない光束は
すべて制限される。その結果、焦点を合わせた被写体面
の前後どこでも結像として鮮明にとらえることができる
ようになり、被写界深度が飛躍的に大きくなる。なお、
絞り8を回折限界以下に絞らないのは回折現象による解
像度の低下を防ぐためである。
【0021】図1の光学系において、光源2からの光は
半拡散板3により光むらが解消されてストライプ格子4
に投光される。そしてストライプ格子4を通過したむら
のないストライプパターンの光は凸レンズ5を通って塗
装面1に照射され、その反射光は受光レンズ7で集光さ
れた後絞り8で望ましくない光が遮光され、絞り8を通
過した光だけがCCD素子9にとらえられて結像され
る。なお、受光レンズ7、絞り8およびCCD素子9は
CCDカメラ6を構成している。
【0022】このとき、絞り8によって上記のように被
写界深度が著しく増大するので、被写体の位置がどこで
あろうとピントが合うことになり、受光レンズ7を移動
させたりその焦点距離を変えたりすることなくストライ
プ格子4と塗装面1の両方にピントを合わせることがで
きる。これにより塗装面1のうねりの大小を同時に測定
することができるようになる。また、被写界深度が極め
て大きくピントがどこにでも合うため、凸レンズ5との
関係においてストライプ格子4を任意の適当な位置に置
くことができ、ストライプ格子4を塗装面1から疑似的
に無限遠以上に離すことができる。これにより感度をさ
らに上げることができるようになる。さらに、絞り8は
回折限界程度の非常に小さい口径を有するので、外乱光
もほとんど遮断され、その結果測定が外乱光による影響
を受けることはなくなる。これにより装置を塗装面1か
ら離しての測定が可能になる。
【0023】また、半拡散板3は小さな散乱角の範囲内
で入射光を拡散透過させるものであり拡散板と違って光
を直進させる作用をある程度有するため、ストライプ格
子4に照射される光軸方向の光量の減少は比較的小さく
てすむ。それゆえ従来より小さな容量の光源2で測定に
必要な明るさを確保することができ、これにより装置の
小型化や省エネ化を図ることができる。
【0024】さらに、本発明では、ケーシングに取り付
けられた伸縮可能でかつ旋回自在の自由足によって装置
を塗装面1から離してセッティングすることができ、し
かも足が伸縮可能でかつ旋回自在であるため塗装面が曲
面であっても対応することができる。このように装置を
塗装面1から離してセッティングしても、上記のように
絞り8によって外乱光の影響が防止されるので非接触の
測定が可能である。また、光路となるケーシングの開口
に取り付けられた透明板によって密閉構造が形成される
ので、塵等による装置の性能低下を防ぐことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は本発明による塗装面性状測定装置
の一例を示す構造図で、同図(A)は主にその内部構造
を示す正面図、同図(B)はその底面図である。なお、
図1と共通の部分には同じ符号を付している。
【0026】この塗装面性状測定装置25は小型軽量の
ハンディータイプの測定ヘッドであって、光の出入口と
なる開口12をもつケーシング11を備えている。この
ケーシング11内には、投光側に光源2、半拡散板3、
ストライプ格子4、鏡10および凸レンズ5が、また受
光側にはCCDカメラ6を構成する受光レンズ7、絞り
8およびCCD素子9が順にそれぞれ光軸を基準として
配列収納されている。光源2はハロゲン電球2aと反射
鏡2bで構成され、またストライプ格子4は例えばスト
ライプパターンが印刷されたガラス板からなっている。
こうして、投光側からストライプパターンが塗装面1に
照射されその反射光が受光側のCCDカメラ6によって
撮像されるようになっている。なお、CCDカメラ6で
撮像された反射ストライプパターンは内蔵モニター13
の画面に表示されるとともに外部コネクター14を介し
て図示しない鮮映性を数値化し記録する演算処理装置等
に出力されるようになっている。一方、ケーシング11
の開口12は透明板たる透明ガラス15で密閉され、ま
たケーシング11の底面にはそれぞれ伸縮自在で先端が
旋回自在の四本の自由足16が取り付けられている。
【0027】概略以上のような構造をもつ本測定ヘッド
25の各構成要素の詳細について以下に順に説明する。
まず、本測定ヘッド25の光学系から説明すると、本発
明の最大の特徴は受光側の絞り8にある。この絞り8
は、光の回折限界近傍まで絞られた直径0.2〜0.3
mm程度のピンホール絞りであって、同じCCDカメラ6
内の受光レンズ7とCCD素子9との間に配置されてい
る。前述したように、この非常に小さい絞り8によっ
て、結像がぼける原因となる望ましくない光束がすべて
遮光されるため、焦点を合わせた被写体面の前後どこで
も結像として鮮明にとらえることができるようになり、
被写界深度が飛躍的に大きくなる。そしてこの絞り8に
よる被写界深度の飛躍的増大によって、被写体の位置が
どこであろうとピントが合うようになり、受光レンズ7
を移動させたりその焦点距離を変えたりすることなくス
トライプ格子4と塗装面1の両方にピントを合わせるこ
とができるようになる。その結果、塗装面1のうねりの
大小に対応する鮮映性の三質感(平滑感、肉持感、光沢
感)を同時に精度良く測定することができるようにな
る。この他、絞り8により被写界深度が著しく増大した
ことで、再度後述するが、感度のさらなる向上および感
度の調節が可能になり、また測定ヘッド25を塗装面1
から離しての非接触の測定が可能になる。なお、ピンホ
ール8の直径を回折限界以下に小さくすると回折現象に
よって解像度が低下するため、好ましくない。
【0028】次に投光側の光学系について説明する。こ
の光学系に含まれる凸レンズ5は感度を上げるためスト
ライプ格子4を疑似的にできるだけ遠くに置くようにす
るためのものであって、この凸レンズ5を入れることに
よってストライプ格子4を無限遠にあるように見せかけ
ることが可能になり、感度を上げつつ装置25を小型化
できるようになっている。さらに、前述のように絞り8
によって被写界深度が極めて大きくピントがどこにでも
合うため、凸レンズ5との関係においてストライプ格子
4を任意の適当な位置に置くことができ、ストライプ格
子4の位置を適当に調節すれば人間にはぼけて見えない
けれどもストライプ格子4を塗装面1から疑似的に無限
遠以上に離すことが可能になる。これによって感度がさ
らに一層向上する。また、本実施例では、鏡10を設け
て光路をかせぎ、より一層装置の小型化を図っている。
【0029】また、本実施例では、光源2について、図
3に示すように、従来の場合と違ってハロゲン電球2a
を反射鏡2bの焦点よりも若干遠くに配置し、光がいっ
たん集光した後広がる集光型の光源を構成している。こ
れは、塗装面1は通常曲面であるため、従来の平行光線
を発するスポット型の光源では照射面の端が中心部に比
べて暗くなりがちであるため、照射面の端の光量を増加
させて曲面に対してより安定した明るさを確保するため
である。この集光型光源2の配光角はたとえば40°以
上であり、スポット型のもの(配光角0〜10°)に比
べ大きくなっている。
【0030】光むらを解消させるための半拡散板3は、
従来使用していた拡散板と違って小さな散乱角の範囲内
で入射光を拡散透過させるもので、例えばすりガラスや
ピントガラス等を使用する。この半拡散板3は、図3に
示すように、光源2からの光の集光点Cの手前に配置す
る。拡散板と半拡散板との光軸上での光透過率を比較す
ると、拡散板で約45%、半拡散板で約85%(ともに
実測値)である。このように、半拡散板は拡散板と異な
り光を直進させる作用をある程度有するため、ストライ
プ格子4に照射される光軸方向の光量の減少は比較的小
さくてすむ。そのため、半拡散板3を用いることによっ
て従来より小さな容量の光源2で測定に必要な明るさを
確保することができる。また、本実施例では三枚の半拡
散板3を使用してむらを十分になくすようにしている。
このように適当な枚数の半拡散板3を使用することによ
り、光量を確保しつつむらのない光をストライプ格子4
に照射することができる。
【0031】次にこの測定ヘッド25の構造について説
明すると、まず、光の出入口としてのケーシング11の
開口12に透明ガラス15が取り付けられ、測定ヘッド
25自体が密閉構造になっている。これにより、塵等が
測定ヘッド25内部に侵入して光学系を汚染し装置の性
能低下をきたすことが防止される。なお、このとき、測
定ヘッド25は自由足16により塗装面1から離れた位
置に支持されるため、図4に示すようにガラス面からの
反射光はCCDカメラ6に入射しない。そのため、開口
12を透明ガラス15で塞いでも測定は可能である。こ
の他、直接塗装面1に接触させて測定するタイプの装置
の場合には、図示しないが、ガラス面が光軸に対して直
角になるようガラスを逆V字形に配置して密閉すれば、
結像に望ましくないガラス面での反射はなくなるため、
ガラスで密閉しても測定することができる。
【0032】また、測定ヘッド25の底面には四本の自
由足16が取り付けられている。この自由足16の一例
を図5に示す。この自由足16は、先端がボールジョイ
ント17の旋回自在のスイベル式の足先で、しかも脚部
がばね18内蔵の伸縮自在の構造をもっている。先端部
17にはフェルト19が取り付けられており、測定時に
塗装面1を傷つけないように配慮している。また、ばね
18は測定ヘッド25を塗装面1の上に置いだけでは縮
まず、ヘッド25の自重より大きな力が加わったとき、
すなわち押したときに縮むようなばね定数を有してい
る。このように自由足16は足先が旋回自在のスイベル
式でしかも脚部が押すと縮む伸縮自在のものであるた
め、塗装面1が曲面であっても足先の向きと脚部の長さ
を適当に調節することにより塗装面1からの反射光を常
にCCDカメラ6でとらえることができる。なお、この
ように足16を設けることで測定に際しヘッド25を塗
装面1から離すことができるが、前述のようにCCDカ
メラ6内の絞り8は回折限界程度と非常に小さいので、
開口12からの外乱光は絞り8によりほとんど遮断さ
れ、外乱光による影響はなくなり、したがって測定ヘッ
ド25を塗装面1から離して測定することが可能にな
る。
【0033】さらに、本実施例では、操作スイッチ取付
基板20にタイマー回路が組み込まれており、一定時間
操作スイッチが操作されないと自動的に光源2やCCD
カメラ6、モニター13等の内部機器への電源供給が切
れ、操作スイッチが操作されると直ちに電源が入るよう
になっている。
【0034】なお、本発明によれば、前述のように、絞
り8によって被写界深度が飛躍的に増大しピントがどこ
にでも合うようになるため、塗装面1の性状に応じて感
度を可変にすることが可能になる。すなわち、測定精度
を上げるため一般に感度はなうべく大きく設定するが、
塗装面1がたいへん乱れている場合(長波成分が多い場
合)には、図13に示すようにCCDカメラ6でとらえ
られるストライプ像が大きく乱れて隣のストライプどう
しがくっついてしまい、画像解析が極めて困難になる場
合がある。そこで、塗装面1の凹凸に長波成分が多い場
合には感度を下げてストライプ像の乱れを抑制する一
方、短波・中波成分が多い場合には感度を上げてストラ
イプ像の乱れを強調しうるようにすることが望ましい。
このような感度調節を実現する方法としては、例えば、
第一に、ストライプ格子4を可動式にしてこれを光軸に
沿って移動させうるようにすること、第二に、凸レンズ
5のほかに図示しないもう一枚の出し入れ自在の補助凸
レンズをストライプ格子4と塗装面1との間に配置し、
補助凸レンズの出し入れにより焦点距離を切り換えうる
ようにすること等が考えられる。そして、どちらの方法
においても、CCDカメラ6でとらえた画像を判定し
て、長波成分が多いときにはストライプ格子4を凸レン
ズ5に近づく方向に移動させあるいは補助凸レンズを出
す方向に動かし、また短波・中波成分が多いときにはス
トライプ格子4を凸レンズ5から遠ざかる方向に移動さ
せあるいは補助凸レンズを入れる方向に動かして、塗装
面1の性状に応じて自動的に感度調節を行いうるように
することも可能である。
【0035】最後に、この測定ヘッド25を用いて実際
に塗装面1の鮮映性を測定した実測例を図6および図7
に示す。図6は実車の各部位の塗装面の実測例、図7は
肌見本の実測例である。ここで、写真の反射ストライプ
パターンは測定ヘッド25に付いているモニター13の
画面および図示しない外部の小型ビデオプリンターに出
力された画像であり、図中の三つの数値は、PGD値が
従来のPGD計相当の数値で平滑感(ゆず肌)を表すも
の、肉持感が肉持感(ちりちり感)を表す数値、光沢感
が光沢(つや感、コントラスト)を表す数値である。
【0036】このように、本実施例によれば、CCDカ
メラ6の絞り8を光の回折限界近傍まで絞って被写界深
度を飛躍的に大きくしたので、被写体の位置がどこであ
ろうとピントが合うようになり、受光レンズ7を移動さ
せたりその焦点距離を変えたりすることなくストライプ
格子4と塗装面1の両方にピントを合わせることができ
る。したがって、塗装面1のうねりの大小、つまり鮮映
性の三質感を同時に測定することが可能になる。
【0037】また、本実施例では、上記のように被写界
深度が極めて大きくピントがどこにでも合うため、凸レ
ンズ5との関係においてストライプ格子4を任意の適当
な位置に置くことができるため、ストライプ格子4を適
当な位置に配置すればストライプ格子4を塗装面1から
疑似的に無限遠以上に離すことができる。したがって感
度をさらに上げることが可能になる。
【0038】さらに、本実施例では、上記のように絞り
8が光の回折限界近傍まで絞られているため外乱光もほ
とんど遮断されるので、外乱光による影響を受けること
はなくなる。したがって、測定ヘッド25に足16を取
り付け、塗装面1から離して測定することが可能にな
る。また、足を取り付けないで測定ヘッドをロボットに
持たせて自動的に非接触な測定を行うことも可能とな
る。
【0039】また、上記のように絞り8により被写界深
度が著しく増大しピントがどこにでも合うようになるた
め、塗装面1の凹凸の程度に応じた感度調節を行うこと
が可能になる。したがって、例えばストライプ格子4を
可動式にしたりあるいは凸レンズ5に加えて出し入れ自
在の補助凸レンズを設けるなどして感度を変えうるよう
にし、どんな乱れた塗装面でも、また平らな塗装面でも
感度を調節して同じように測定することが可能になる。
【0040】また、本実施例によれば、光むらを解消す
るためにすりガラス等の半拡散板3を使用したので、ス
トライプ格子4に照射される光軸方向の光量の減少が少
なくてすみ、従来より小さな容量の光源2で測定に必要
な明るさを確保することができる。よって、測定ヘッド
25の小型化や省エネ化を図ることができるほか、装置
の小型化に必要な発熱対策にも寄与することになる。
【0041】さらに、本実施例では、光源2を集光型に
したため、塗装面1が曲面の場合に照射面の端の光量が
増加し、曲面に対してより安定した明るさを確保するこ
とができる。
【0042】また、本実施例では、ケーシング11の開
口12に透明ガラス15を取り付けて測定ヘッド25を
密閉構造にしたので、塵等の侵入による性能低下のおそ
れはない。よって、取扱いが楽になり、雰囲気が悪い場
所での使用が可能になる。
【0043】さらに、本実施例では、測定ヘッド25に
足先が旋回自在のスイベル式で脚部が押すと縮む伸縮・
調整可能な自由足16を取り付けたので、塗装面1が曲
面であっても足先の向きと脚部の長さを適当に調節する
ことによって塗装面1からの反射光を確実にCCDカメ
ラ6に入光させることができる。したがって、曲面にも
対応可能で測定することができる。
【0044】また、本実施例では、測定ヘッド25にタ
イマー回路を組み込んで一定時間スイッチが操作されな
いと自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能を付加
したので、光源2やCCDカメラ6、モニター13等の
内部機器の寿命が延び信頼性が向上するほか、省エネに
もなる。また、発熱が減るため発熱対策が不要になり、
装置構成の簡素化・軽量化が図られる。
【0045】そして、本実施例では、以上のように構成
された測定ヘッド25は極めて小型軽量であるため、手
持ちによりボディーのどこでも測定することができる。
その際、モニター13を見ながら測定場所を選ぶことが
できる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光
の回折限界近傍まで絞られた絞りの存在によって被写界
深度がきわめて大きくなる。そのため被写体の位置がど
こであろうとピントが合うことになる。したがって、ス
トライプ格子と塗装面の両方にピントを合わせることが
できるようになり、塗装面のうねりの大小を同時に測定
することが可能になる。また、凸レンズとの関係でスト
ライプ格子を適当な位置に置くことによりストライプ格
子を塗装面から疑似的に無限遠以上に離すことができる
ようになり、感度をさらに上げることが可能になる。さ
らに、感度を調節することも可能になる。
【0047】また、本発明によれば、絞りにより外乱光
も遮断される。そのため外乱光による影響はなくなり、
測定装置を塗装面から離して測定することが可能にな
る。
【0048】さらに、本発明によれば、半拡散板の使用
により比較的小さな容量の光源で測定に必要な明るさを
確保することができるようになり、装置の小型化や省エ
ネ化が図られる。
【0049】また、本発明によれば、透明板により装置
が密閉されるので、塵等による装置の性能低下が防止さ
れ、装置の信頼性が向上するとともに使用範囲が拡大す
る。また、自由足により測定装置を塗装面にあてがい自
由にセッティングすることができるので、塗装面が曲面
であっても測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塗装面性状測定装置の光学系の構
成図である。
【図2】本発明の一実施例による塗装面性状測定ヘッド
の構造図である。
【図3】図2の光源の構成図である。
【図4】図2の実施例の説明に供する図である。
【図5】図2の自由足の拡大詳細図である。
【図6】図2の測定ヘッドによる実車の実測例を示す図
である。
【図7】図2の測定ヘッドによる肌見本の実測例を示す
図である。
【図8】本発明の基礎である測定方法の原理の説明に供
する図である。
【図9】従来の塗装面性状測定装置の一例を示す概略構
成図である。
【図10】従来の光源の一例を示す構成図である
【図11】従来技術の説明に供する図である。
【図12】従来技術の説明に供する図である。
【図13】塗装面の乱れが著しい場合の反射ストライプ
パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…塗装面 2…光源 3…すりガラス(半拡散板) 4…ストライプ格子 5…凸レンズ 6…CCDカメラ 7…受光レンズ 8…絞り 9…CCD素子 10…鏡 11…ケーシング 12…開口 13…モニター 15…透明ガラス(透
明板) 16…自由足 25…測定ヘッド(塗
装面性状測定装置)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストライプパターンを塗装面に照射しその
    反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗装
    面性状測定装置において、 光の回折限界近傍まで絞られた絞りを含む光学系を有す
    ることを特徴とする塗装面性状測定装置。
  2. 【請求項2】ストライプパターンを塗装面に照射しその
    反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗装
    面性状測定装置において、 光源とストライプ格子との間に半拡散板が配置された光
    学系を有することを特徴とする塗装面性状測定装置。
  3. 【請求項3】ストライプパターンを塗装面に照射しその
    反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗装
    面性状測定装置において、 開口をもつケーシング内に、投光側に光源、半拡散板、
    ストライプ格子および凸レンズを、また受光側に受光レ
    ンズ、光の回折限界近傍まで絞られた絞りおよびCCD
    素子を順にそれぞれ光軸を基準として配列するととも
    に、 前記開口に密閉用の透明板を取り付け、 さらに前記ケーシングにこれを塗装面から離してセッテ
    ィングするための伸縮可能でかつ旋回自在の自由足を取
    り付けてなることを特徴とする塗装面性状測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11510254A (ja) * 1995-08-01 1999-09-07 メディスペクトラ・インコーポレーテッド 光学的微細プローベ及び材料のスペクトル分析方法
EP2703789A1 (de) * 2012-09-04 2014-03-05 X-Rite Europe GmbH Handfarbmessgerät
JP2017167039A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 株式会社リコー 検査装置

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