JPH05255883A - 電解方法 - Google Patents

電解方法

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JPH05255883A
JPH05255883A JP4088312A JP8831292A JPH05255883A JP H05255883 A JPH05255883 A JP H05255883A JP 4088312 A JP4088312 A JP 4088312A JP 8831292 A JP8831292 A JP 8831292A JP H05255883 A JPH05255883 A JP H05255883A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使用す
るイオン交換膜法で電解する方法において、電流効率な
どが悪化する欠点を解消し、高い電解効率で苛性アルカ
リを得ること。 【構成】 陰極室3で苛性アルカリ水溶液8を循環し、
陰極室出口14と陰極室入口13とにおける苛性アルカ
リ濃度差が30g/リットル以下になるようにする。或
いは/更に酸素陰極6における苛性アルカリ水溶液側の
圧力を、苛性アルカリ水溶液側と酸素含有ガス側との圧
力差が5000Pa.以上106 Pa.以下であるよ
う、酸素含有ガス側の圧力よりも高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化アルカリ金属水溶
液を酸素陰極を使用するイオン交換膜法で電解する際
に、高電解効率で苛性アルカリ水溶液を得る電解方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】塩化アルカリ金属水溶液(以下「塩水」
という)を酸素陰極を使用するイオン交換膜法で電解
し、苛性アルカリを製造する方法は公知である。この製
造方法は、その大要が、陽極を有し、塩水を入れた陽極
室と、陰極を有し、水又は苛性アルカリ水溶液を入れた
陰極室とを、一般に陽イオン交換膜であるイオン交換膜
により区画し、両電極間に通電して電解する際に、陰極
として素材が多孔質体からなり酸素含有ガスが供給され
るガス拡散電極、いわゆる酸素電極を用いて電解するこ
とにより、陰極室に苛性アルカリを得るものであって、
その陰極では水素−酸素反応が起こり、陰極電位が低下
し、電解電圧がかなり低くなるという利点を有する。こ
の製造方法を開示した特許文献としては、例えば、特開
昭54−97600号、同56−44784号、同56
−130482号、同57−152479号、同59−
133386号、同61−266591号、特公昭58
−44156号、同58−49639号、同60−95
95号及び同61−20634号公報などが挙げられ
る。
【0003】これらの酸素陰極を使用するイオン交換膜
法電解の特許文献においては、酸素陰極の製法や性能の
向上にのみ関心が払われており、電解槽の運転方法につ
いては殆ど考慮がなされていなかった。酸素陰極を使用
するイオン交換膜法電解においては、高電解効率を達成
することが必要で、そのために高電流効率或いは低電圧
を得ることが大切であり、高電流効率は主にイオン交換
膜、低電圧は主に酸素陰極の性能によるところが大きい
が、従来、該高電解効率を達成する電解槽の運転方法は
殆ど提案されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このイオン交換膜電解
法において、酸素陰極を使用しないで、水素ガスを発生
する陰極を使用する従来型の電解方法では、陰極液中を
水素ガスが上昇するため、陰極とイオン交換膜との間隔
をあまり狭くすることができなくて、電極間の距離が大
きくなるし、またその水素ガス泡が電極間に存在するた
め、電極間の通電できる電解液の断面積が減少するの
で、電極間の抵抗が増して電解電圧が高くなるという欠
点があった。その水素ガスの発生に際して水素過電圧の
発生があることも、前述のように電解電圧を高くする一
因となっている。そして、前記の酸素陰極を使用した新
しい電解方法は、水素ガスが発生しないので、前述した
ような欠点を有せず、低い電解電圧で電解できるという
大きな利点を有する。
【0005】しかし、この酸素陰極を用いるイオン交換
膜電解法では、前記のような利点をもたらす一方で、そ
の電流効率が水素ガスを発生する陰極を使用する従来型
の電解方法に比して低いという欠点があることがわかっ
た。苛性アルカリの電解効率は、一般的に電流効率に比
例し、電解電圧に反比例するから、折角酸素陰極の使用
により電解電圧を低下させることができても、電流効率
が低下しては全体的に効果の改善がなされないことにな
ってしまう。
【0006】また、酸素陰極を使用するイオン交換膜法
電解においては、電解中に電圧が上昇したり、酸素含有
ガスが苛性アルカリ水溶液中に洩れ込むという現象が生
ずる。この現象が生ずると電圧が上昇するので、酸素陰
極内では苛性アルカリ水溶液と酸素含有ガスが反応が最
も効率良く行われるように存在する必要がある。本発明
は、この酸素陰極を使用するイオン交換膜法で電解する
方法において、電流効率を向上させ、或いは電解電圧を
一層低減させた電解方法を得ることを目的とするもので
ある。また、本発明は、この酸素陰極を使用するイオン
交換膜法で電解する方法において、未だ明らかになって
いない高電解効率を達成する運転方法を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の実
情に鑑み、酸素陰極を使用するイオン交換膜法電解にお
いて、高電解効率を得る電解方法ないし運転方法の確立
を達成しようとして鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。本発明者が、酸素陰極を使用するイオ
ン交換膜法電解において、従来の水素発生型のイオン交
換膜法電解と比べて電流効率がやや低いという現象が生
ずる原因を検討したところ、それは次の理由によること
が明らかになった。従来の水素発生型のイオン交換膜法
電解槽では、水素ガスの上昇などによる攪拌のため陰極
室内の苛性アルカリ水溶液における苛性アルカリ濃度の
バラツキは極めて小さく、一方酸素陰極を使用するイオ
ン交換膜法電解においては、水素ガスの発生がないた
め、陰極室の縦方向に苛性アルカリ濃度の分布ができ、
最適苛性アルカリ濃度になっていなかった。このため、
電解槽の陰極室における苛性アルカリ水溶液が苛性アル
カリ濃度についてなるべく均一化を図ればよいことに着
想し、その均一化の手段を検討し、かつ均一化が許容さ
れる範囲を検討することにより本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、次の手段により前記の目
的を達成することができた。 (1) 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使用する
イオン交換膜法で電解する方法において、陰極室で苛性
アルカリ水溶液を循環し、陰極室内における苛性アルカ
リ水溶液の苛性アルカリ濃度の差が30g/リットル以
上にならないようにすることを特徴とする電解方法。 (2) 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使用する
イオン交換膜法で電解する方法において、陰極室の酸素
陰極における苛性アルカリ水溶液側の圧力を、苛性アル
カリ水溶液側と酸素含有ガス側との圧力差が5000P
a.以上106 Pa以下であるように、酸素含有ガス側
よりも高くすることを特徴とする電解方法。
【0009】本発明は、苛性アルカリ水溶液を陰極室で
循環し、その際陰極室内における苛性アルカリ水溶液の
苛性アルカリ濃度差を、30g/リットル以下、好まし
くは20g/リットル以下、更に好ましくは10g/リ
ットル以下とすることにより、陰極室における苛性アル
カリ水溶液の均一化を図っている。苛性アルカリの濃度
差が30g/リットルより大きい場合、高電流効率が得
られず好ましくない。
【0010】本発明において、陰極室で苛性アルカリ水
溶液を循環する手段としては、種々の手段が考えられる
が、陰極室出口から陰極液の苛性アルカリ水溶液を外部
へ取り出し、それを陰極室入口より導入する方式が最も
一般的であり、陰極室出口から取り出される苛性アルカ
リ水溶液が苛性アルカリ濃度が最も高く、陰極室入口か
ら導入される苛性アルカリ水溶液は苛性アルカリ濃度が
最も低くなるから、この両者の苛性アルカリ濃度差が前
記の範囲内にあるようにする。また、イオン交換膜法で
は陰極室が薄いため、陰極室の内部で苛性アルカリ水溶
液を循環することは困難であるので、陰極室の外側で電
解槽の内部に液通路を設けて、それを液循環路としても
よい。さらに、従来の隔膜式電解槽で知られているよう
に、陰極室の外周部で電解に関与しない部分に液通路を
設けるようにしてもよい。
【0011】本発明者らの検討によると、例えば、陰極
室出口から陰極室入口へ苛性アルカリ水溶液を循環する
方式を採用して、陰極室出口と陰極室入口の陰極液の苛
性アルカリ濃度差をある一定値にする場合、苛性アルカ
リ水溶液の循環流速は、電流効率、電流密度、極間距
離、陰極室の縦方向の寸法により変化させることが好ま
しいことが明らかとなった。即ち、苛性アルカリ水溶液
循環流速と電流効率は正比例の関係、そして苛性アルカ
リ水溶液循環流速と電流密度は正比例の関係、苛性アル
カリ水溶液循環流速と極間距離は反比例の関係、そして
苛性アルカリ水溶液循環流速と縦方向の寸法は正比例の
関係にある。これらの知見により酸素陰極使用イオン交
換膜法電解槽の任意の仕様、電解条件において最高のイ
オン交換膜性能を得ることが可能となった。
【0012】本発明の酸素陰極を使用するイオン交換膜
法電解では、前記イオン交換膜や酸素陰極などとして従
来知られているものを使用することができる。そのイオ
ン交換膜としては、耐薬品性において非常に優れている
ことが知られているパーフルオロ系の陽イオン交換膜が
適しており、極性基としてカルボン酸基を有するパーフ
ルオロ系樹脂単独からなる膜でも良いし、またカルボン
酸基を有するパーフルオロ系樹脂層とスルホン酸基を有
するパーフルオロ系樹脂層との2層膜でも良い。スルホ
ン酸基を有するパーフルオロ系樹脂膜も知られている
が、イオン選択性が前記のものより劣るので、前記の二
者を用いることが好ましい。
【0013】これらのイオン交換膜を使用して塩水を電
解して苛性アルカリを製造する際、各イオン交換膜の性
質により、電流効率が最大になる苛性アルカリ濃度があ
ることが知られている。従って、陰極液の苛性アルカリ
濃度がその最適濃度より高すぎてもまた低すぎても電流
効率は低下する。このため、陰極室における苛性アルカ
リ水溶液の苛性アルカリ濃度は、その苛性アルカリ水溶
液の平均濃度が、ほぼ使用するイオン交換膜種によって
定まる最適濃度になるようにするのが最も良い。
【0014】上に述べた方法により、塩水の電解による
苛性アルカリの製造において高電流効率を得ることがで
きる。そして、この方法においては、酸素陰極として従
来使用されている酸素陰極をそのまま用いることができ
る。この酸素陰極は、例えばニッケル等の金属粉末、或
いはカーボン粉末を焼結し、白金などの触媒金属を保持
させた多孔質体に酸素、酸素富化空気、空気等の酸素含
有ガスを透過させ、拡散するいわゆるガス拡散電極を陰
極としたものである。
【0015】また、本発明は、高電解効率を発揮させる
のに、電流効率からではなく、電解電圧の低減によって
達成することができる。酸素陰極を使用するイオン交換
膜法電解において、電解中に電圧が上昇したり、酸素含
有ガスが苛性アルカリ水溶液中に洩れ込むという現象
は、次のような原因で生ずることがわかった。酸素陰極
では電解中に苛性アルカリ水溶液が酸素含有ガス側に洩
れるのを防ぐため撥水処理をしているが、この処理のた
め陰極への苛性アルカリ水溶液の供給が不足し、その結
果電圧の上昇が起こり、更に酸素含有ガスは撥水処理部
を速やかに通過できるので、それが苛性アルカリ水溶液
側に洩れ込むということである。そこで、本発明者ら
は、酸素陰極への苛性アルカリ水溶液の供給を促進し、
さらに酸素含有ガスを押し戻すようにした。
【0016】本発明においては、該現象を解消するため
苛性アルカリ水溶液側の圧力を酸素含有ガス側の圧力よ
り5000Pa.以上106 Pa.以下(これをKg/
cm2 の単位で表すと、約0.051Kg/cm2 以上
約10.20Kg/cm2 以下)高くする。このように
苛性アルカリ水溶液側の圧力を高くすることにより、酸
素陰極への苛性アルカリ水溶液の供給が増え、更に酸素
含有ガスの苛性アルカリ水溶液側への侵入を防止でき
る。苛性アルカリ水溶液側と酸素含有ガス側の圧力差が
5000Pa.未満の時は該現象の解決が不十分となる
ので好ましくなく、また圧力差が106 Pa.より高い
場合は、電解槽に特殊な耐圧上の工夫が必要になった
り、更に該現象の一層の改善も望めないので好ましくな
い。
【0017】本発明において、苛性アルカリ水溶液側の
圧力を酸素含有ガス側の圧力より高くする手段は種々考
えられ、特に限定されないが、例えば電解槽の苛性アル
カリ水溶液循環系の陰極室出口部にリリーフ弁を設置す
る方法が採用される。本発明において、酸素含有ガス側
の圧力は特に限定されずいくらでもよいが、特殊な工夫
のいらない大気圧で運転するのが好ましい。
【0018】本発明は、公知のあらゆる酸素陰極使用イ
オン交換膜法電解に適用されるが、撥水部の孔径が0.
1μm以下のものが多い酸素陰極を使用する場合特に有
効である。また本発明で使用する陽極、塩水は従来の水
素発生型イオン交換膜法電解で使用されているものと同
等のものでよい。陽極としては、例えばチタン基体の上
に白金や金属酸化物の被覆をしたものが用いられ、特に
チタン製のエクスパンデドメタル表面に酸化ルテニウム
と酸化チタンの固溶体などを被覆したものが好ましく用
いられる。
【0019】次に、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施態様の一例を示すもので、電解槽
1は陽極室2と陰極室3とにイオン交換膜4により区画
され、陽極室2は陽極5を有し、塩水(食塩水)7で満
たされ、陰極室3は酸素陰極6を有し、苛性ソーダ水溶
液8で満たされている。酸素陰極6は、金属多孔質体で
裏側にガス室9を有し、そこへ酸素含有ガス入口10か
ら酸素含有ガスを供給し、酸素含有ガス出口11から排
出する。
【0020】陽極5と酸素陰極6との間を電源12と結
んで両極間に電流を流すと、電解が開始され、陽極室2
からイオン交換膜4を通ってナトリウムイオンと水が陰
極室3に入ってきて、苛性ソーダ水溶液8の濃度が上昇
しはじめる。陰極室入口13から循環苛性ソーダ水溶液
がポンプ(図示しない)により送られて入ってきて、陰
極室出口14から出口苛性ソーダ水溶液が排出され、そ
れはリリーフ弁15を通り、苛性ソーダ水溶液受槽16
に入る。苛性ソーダ水溶液受槽16からその水溶液の一
部が製品の苛性ソーダ水溶液18として取り出され、ま
た他の一部はそれに注加水17が混合され、液管19を
経て陰極室3に循環される。酸素陰極6における苛性ソ
ーダ水溶液側の圧力はリリーフ弁15により所定の値に
保たれる。
【0021】その際、陰極室3からでる出口苛性ソーダ
水溶液と陰極室3に入る循環苛性ソーダ水溶液の濃度差
が30g/リットル以下になるように、循環苛性ソーダ
水溶液の流速を維持させることにより、高い電流効率が
得られる。あるいは、陰極室3の酸素陰極6における苛
性ソーダ水溶液側の圧力が、その圧力と酸素含有ガス側
の圧力との差が5000Pa.以上106 Pa.以下で
あるように、酸素含有ガス側よりも高くなるようにする
ことにより、低い電解電圧が得られる。前記の苛性ソー
ダ水溶液の循環条件とこの苛性ソーダ水溶液の圧力条件
とは同時に設定してもよい。
【0022】
【作用】本発明では、陰極室に苛性アルカリ水溶液を循
環することにより、陰極室内における苛性アルカリ水溶
液の濃度を成るべく均一化して、濃度差を少なくするこ
とができる。これにより陰極室内の苛性アルカリ水溶液
の濃度が薄い或いは濃い部分が存在することによる電流
効率の低下を防ぐことができる。特にその部分における
薄い或いは濃い濃度がそのイオン交換膜についての最適
濃度から外れるときには、前記した濃度の均一化により
電流効率の向上を得ることができる。濃度の薄過ぎる部
分があると電流効率の低下を生じ、また濃度が濃くなり
過ぎると膜が痛んで電流効率が低下することになる。
【0023】また、酸素陰極においては、陰極の内部で
酸素ガスと苛性アルカリ水溶液が存在することにより、
水素−酸素反応が起こるが、従来は陰極の撥水処理のた
め酸素含有ガスが洩れやすくなっているように、陰極の
多孔質部に酸素含有ガスが入りやすく、苛性アルカリ水
溶液が入りにくくなっていて、酸素含有ガスの占める部
分が多くなり過ぎていたのを、本発明では苛性アルカリ
水溶液側の圧力を、苛性アルカリ水溶液側と酸素含有ガ
ス側の圧力差が5000Pa.以上106 Pa.以下あ
るように、酸素含有ガス側の圧力よりも高くすることに
より、苛性アルカリ水溶液を入りやすくして、陰極電位
を低下させ、それにより電解電圧を低下させることがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。実施例次の陽極及び酸素陰極を設置し、
イオン交換膜としてデュポン社のナフィオン膜(カルボ
ン酸基を有するパーフルオロ系樹脂層とスルホン酸基を
有するパーフルオロ系樹脂層との2層膜)で陽極室と陰
極室とを区画した電解槽を使用して食塩水を次の条件で
電解した。 (電解条件) 通電量 :30A 電流密度 :30A/dm2 陽極 :チタンベース上にRuO2 とTi
2 をコーティングした電極(登録商標、DSA) 酸素陰極 :銅のメッシュを内部に有し、カー
ボン粉末とポリ4フツ化エチレン粉末とを成形し、焼結
し、Ptを0.56mg/cm2 含有させたガス拡散電
極 極間距離 :15mm 平均温度 :90℃ NaCl(陽極液):200g/リットル 酸素含有ガス :酸素(理論量の1.2倍) 酸素含有ガス圧力 :1ata その際に、陰極室出口、陰極室入口の苛性ソーダ水溶液
の苛性ソーダ濃度差と、陰極室内苛性ソーダ水溶液側と
酸素含有ガス側との圧力差を種々変化させた時の電流効
率と電圧を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1によれば、陰極室出口と陰極室入口との苛性ソーダ
水溶液の苛性ソーダ濃度差が30g/リットル以下であ
れば、酸素陰極における苛性ソーダ水溶液側の圧力を、
苛性ソーダ水溶液側と酸素含有ガス側との圧力差が50
00Pa.以上106 Pa.以下あるように、酸素含有
ガス側よりも高く保持されているとき、或いはそうでな
くとも高い電流効率が得られる。しかし、実施例5〜6
にみるように苛性ソーダ水溶液側の圧力が前記の圧力差
だけ高くなっていないときには、電圧が高くなる。一
方、実施例9〜10にみるように、前記の苛性ソーダ濃
度差が前記の30g/リットルを超えても、酸素陰極に
おける苛性ソーダ水溶液側の圧力が前記の範囲に高く保
持されているときには、電圧を低くすることができる。
実施例9〜10では、陰極室出口の苛性ソーダ濃度が実
施例1〜8に比してかなり高くしてあるため、電流効率
が悪くなっているが、その苛性ソーダ濃度を435g/
リットル程度に抑えれば、高い電流効率となる。これら
の点から、本発明の実施にあたっては、両方の条件を満
たすようにすると、高い電流効率と低い電圧が合わせて
得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、陰極室内の苛性アルカ
リ水溶液中の濃度差が小さくなり、苛性アルカリ濃度の
分布の程度が減少することにより、高い電流効率が得ら
れる。さらに、酸素陰極の苛性アルカリ水溶液側におけ
る圧力を前記した範囲で酸素含有ガス側よりも高めるこ
とにより、電解電圧が低下して電解効率が高くなる。こ
れらの両条件を同時に設定すれば一層その電解効率を高
めることができる。そして、これらの効果は、低い電解
電圧で電解が行われる酸素陰極を用いるイオン交換膜法
電解をより高電解効率で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解方法を実施するための電解装置の
模式図を示す。
【符号の説明】
1 電解槽 11 酸素含有ガス出
口 2 陽極室 12 電源 3 陰極室 13 入口 4 イオン交換膜 14 出口 5 陽極 15 リリーフ弁 6 酸素陰極 16 苛性ソーダ水溶
液受槽 7 塩水 17 注加水 8 苛性ソーダ水溶液 18 製品苛性ソーダ
水溶液 9 ガス室 19 液管 10 酸素含有ガス入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 長一 山梨県甲府市中村町2番14号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使
    用するイオン交換膜法で電解する方法において、陰極室
    で苛性アルカリ水溶液を循環し、陰極室内における苛性
    アルカリ水溶液の苛性アルカリ濃度の差が30g/リッ
    トル以上にならないようにすることを特徴とする電解方
    法。
  2. 【請求項2】 塩化アルカリ金属水溶液を酸素陰極を使
    用するイオン交換膜法で電解する方法において、陰極室
    の酸素陰極における苛性アルカリ水溶液側の圧力を、苛
    性アルカリ水溶液側と酸素含有ガス側との圧力差が50
    00Pa.以上106 Pa以下であるように、酸素含有
    ガス側よりも高くすることを特徴とする電解方法。
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