JPH0525488A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH0525488A
JPH0525488A JP3184495A JP18449591A JPH0525488A JP H0525488 A JPH0525488 A JP H0525488A JP 3184495 A JP3184495 A JP 3184495A JP 18449591 A JP18449591 A JP 18449591A JP H0525488 A JPH0525488 A JP H0525488A
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JP
Japan
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oil
viscosity
oils
weight
specific gravity
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JP3184495A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakanishi
博 中西
Tetsuo Miyamoto
哲夫 宮本
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の電気粘性流体は、芳香族炭化水素
油、弗素油、鉱油、ポリオレフィン油から選ばれる少な
くとも1種以上の電気絶縁性流体と三弗化塩化エチレン
低重合物との混合油からなる基油に多孔質固体粒子が分
散されてなることを特徴とする。 【効果】 本発明の電気粘性流体は、分散性に優れると
共に、特に高温で長時間の条件下での耐熱性、潤滑性、
耐摩耗性に優れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧印加により粘度を
制御しうる電気粘性流体に関し、可変減衰ダンパ、エン
ジンマウント、軸受ダンパ、クラッチ、バルブ、ショッ
クアブソーバー、表示素子等の電気的制御に利用できる
電気粘性流体に関し、特に高温下で長時間の条件下での
使用に耐えうる電気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加により流体の粘度が変化する
電気粘性流体( Electro-RheologicalFluid、Electrovi
scous Fluid、)は古くから知られている(Duff,A.W.P
hysical Review Vol ,4 ,No.1(1896)23)。電気粘性
流体に関する当初の研究は、液体のみの系に注目したも
のであり、効果も不充分なものであるが、その後固体分
散系の電気粘性流体の研究に移り、かなりの電気粘性効
果が得られるようになった。
【0003】電気粘性流体における増粘効果(ER効
果)の発現メカニズムとしては、例えば Klassは、電気
粘性流体中の分散質である各粒子は電場内で二層構造の
誘電分極(Induced Polarization ofthe Double Laye
r)を生じ、これが主因であるとしている( Klass,D.
L.,et al.,J.of Applied Physics,Vol.38,No1(196
7)67)。これを電気二重層(electric double layer )
から説明すると、分散質(シリカゲル等)の周囲に吸着
したイオンは、E(電場)=0の時は分散質の外表面に
均一に配置しているが、E(電場)=有限値の時はイオ
ン分布に片寄りが生じ、各粒子は電場内で相互に静電気
作用を及ぼし合うようになる。このようにして電極間に
おいて各粒子がブリッジ(架橋)を形成し、応力に対し
て剪断抵抗力を発現、即ちER効果を発現するようにな
る。
【0004】又、Winslow はパラフィンとシリカゲル粉
末、それに系を僅かに電導性にするために水を使用した
電気粘性流体を提案した( Winslow,W.M.,J.of Appli
ed Physics,Vol.20(1949)1137)。この Winslowの研究
により電気粘性流体のもつ電気粘性効果は Winslow効果
と呼ばれている。
【0005】このような固体分散系の電気粘性流体にお
ける電気絶縁性流体としては、基油の比重が通常0.7
8〜0.92(25℃)であるのに対して、固体粒子、
例えばシリカゲル粉末の比重は2.2であり、その比重
差が大きく、分散剤を使用するとしても、沈降性が高い
ために、動作作動時での電気粘性効果の変動、または経
時的劣化を生じ、ER効果にとって好ましくない。
【0006】そのため、分散粒子の分散性の改良を図る
ことを目的として、例えば特開平3−84093号公報
には、シリコンオイルまたはジオクチルフタレートと三
弗化塩化エチレン低重合物との混合液を基油とし、基油
の比重を分散粒子の比重に一致させた電気粘性流体が開
示されているが、シリコンオイルを基油とする場合に
は、例えばショックアブソーバーに使用するような場
合、潤滑性に欠けるため使用できず、またエステル油の
場合には加水分解されやすく、高温下での長期間の使用
には基油として欠点を有しており、またER特性が低い
という問題を有するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は芳香族系炭化
水素油、弗素油、鉱油、ポリオレフィン油はそれ自体耐
熱性を有し、電気粘性流体における基油として適してい
ることに着目し、これらの電気絶縁性流体を基油とする
場合の分散性を高めると同時に、特に高温で長時間の条
件下での耐熱性、潤滑性を満足させることにより、ショ
ックアブソーバー等の潤滑性、耐摩耗性をも要求される
電気粘性流体の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電気粘性流体
は、芳香族炭化水素油、弗素油、鉱油、ポリオレフィン
油から選ばれる少なくとも1種以上の電気絶縁性流体と
三弗化塩化エチレン低重合物との混合油からなる基油に
多孔質固体粒子が分散されてなることを特徴とする。
【0009】以下、本発明における電気絶縁性流体につ
いて説明する。
【0010】まず、芳香族炭化水素油としては、アルキ
ルベンゼン、アルキルジフェニルエーテル、アルキルビ
フェニル、アルキルナフタレン、塩化ジフェニル等であ
って、40℃における粘度範囲が1cSt 〜100cSt の
ものである。アルキルベンゼンとしては、主としてアル
キルベンゼン型のものであり、ベンゼンやトルエンのよ
うな芳香族炭化水素をフリーデルクラフツ反応等でアル
キル化して得る。また、洗剤の原料を作る際に副生す
る、主としてジアルキル化芳香族炭化水素を含む油であ
る。アルキル基としては直鎖或いは分枝のいずれのもの
もこれに属する。アルキルジフェニルエーテル、アルキ
ルビフェニル、アルキルナフタレン等も同様の製法で得
られるものである。
【0011】弗素油としては、例えば弗素を含むハロゲ
ン化された合成潤滑油があり、25℃での比重が1.7
6〜1.90、体積抵抗率7×1012〜1×1016Ω・
cmのものが使用できる。
【0012】以下、本発明で使用できる弗素油について
例示する。
【0013】(1) F-[ CF(CF3)-CF2O]n CF2-CF3 ( デュポン社製、商品名 Krytox GPL-100 、粘度4cSt
(40℃)、比重1.87(25℃)、体積抵抗率1×
1015 Ω・cm) (2) CF3-[ OCF(CF3)-CF2 ] n - (OCF2)m -OCF3 ( モンテジソン社製、商品名 フォンブリン YVAC 25/
6、粘度270cSt (20℃)、比重1.90(25
℃)、体積抵抗率1×1015Ω・cm) (3) F-( CF2CF2CF2O) n -CF2-CF3 ( ダイキン工業株式会社製、商品名 デムナム S-20、
粘度25cSt (40℃)、比重1.86(25℃)、体
積抵抗率1×1015Ω・cm) (4) CF3CF2CF2O-[ CF(CF3)-CF2O ]n - CF2CF3 ( NOKクリューバー(株)製、商品名 バリエルタ
J-15、粘度15cSt (40℃)、比重1.88(25
℃)、体積抵抗率1×1015Ω・cm) (5) [ NP( ORf )2]3 ( 松村石油研究所(株)製、商品名 フォスファロール
NF-22、粘度22cSt (40℃)、比重1.76(25
℃)) 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粘度は1〜300cSt(40℃)、好ましくは4〜28
0cSt (40℃)のものが使用される。
【0014】鉱油としては、溶剤精製または水添精製に
よる60ニュートラル油、100ニュートラル油、15
0ニュートラル油、300ニュートラル油、500ニュ
ートラル油等及びこれらの基油からワックス分を除くこ
とにより低温流動性を改善した低流動点基油等があり、
これらを単独または適当な割合で混合して用いることが
できる。
【0015】ポリオレフィン油としては、炭素数2〜1
4、好ましくは4〜12の範囲の分岐を有する、或いは
有しないオレフィン炭化水素から選択された任意の1種
の単独重合体又は2種以上の共重合により得られるもの
であり、平均分子量100〜約2000、好ましくは2
00〜約1000の生成物から選択されるが、特に水素
化によって不飽和結合を除去したものが好ましい。
【0016】好ましいポリオレフィン油としては、例え
ばポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン・
α−オレフィンオリゴマー等である。ポリブテンとして
は、例えばイソブテンを主体とし、ブテン−1、及びブ
テン−2の単量体混合物を共重合させて得られるものが
好ましい。又、α−オレフィンオリゴマーとしては、炭
化水素の熱分解又は低級オレフィンの3量化〜6量化に
より得られる炭素数6〜12のα−オレフィン混合物、
例えばヘキセン−1が25重量%〜50重量%、オクテ
ン−1が30重量%〜40重量%及びデセン−1が25
重量%〜40重量%の混合物を共重合したものを使用す
ることができる。又、デセンのごとき単独モノマーから
得られるオリゴマーも好適である。更にエチレン・α−
オレフィンオリゴマーとしては、エチレンが40重量%
〜90重量%、α−オレフィン、例えばプロピレンが1
0重量%〜60重量%の割合の単量体を混合し重合した
ものを使用することができる。
【0017】これらのポリオレフィン油は、塩化アルミ
ニウム、フッ化硼素等のフリーデルクラフト型触媒、チ
ーグラー触媒及び酸化クロム等の酸化物触媒等を使用し
て製造することができる。又ポリオレフィンの水素化は
反応生成物から触媒を除去した後、加温、加圧下におい
て、例えばニッケル−モリブデン/アルミナのような水
素化触媒と接触させることにより行うことができる。
【0018】その他、セバシン酸ジブチル、トリメリッ
ト酸エステル、ピロメリット酸エステル等を用いること
ができる。
【0019】これら電気絶縁性流体は単独で使用して
も、また混合して使用してもよい。
【0020】次に、これらの電気絶縁性流体と混合され
る三弗化塩化エチレン低重合物について説明する。
【0021】三弗化塩化エチレン低重合物は、−(CFCl-
CF2)n −の一般式を有し、式中nは3〜12の範囲であ
り、又は平均分子量が500〜1300であって、その
比重は1.85〜1.98(25℃)である。このよう
な三弗化一塩化エチレン低重合物としては、例えばダイ
キン工業株式会社製の商品名 ダイフロイル#1(粘度
5cSt (40℃)、比重1.85、体積抵抗率7×10
12Ω・cm)を使用することができる。
【0022】電気絶縁性流体と三弗化塩化エチレン低重
合物との混合比は、75:25〜20:80(重量%)
の範囲が好ましく、この混合油の比重が多孔質固体粒子
のそれに略等しくなるように選択するとよい。只、三弗
化塩化エチレン低重合物の混合割合が80重量%を越え
ると分散剤の溶解性が悪くなり、導電性が増し、粘度増
大を引き起こす等の問題を生じる。
【0023】なお、電気絶縁性流体と三弗化塩化エチレ
ン低重合物との混合方法としては、例えば芳香族炭化水
素油と三弗化塩化エチレン低重合物との混合油を調製し
た後、この混合油に分極促進剤、分散剤、多孔質固体粒
子を添加して調製してもよく、また、芳香族炭化水素油
に分極促進剤、分散剤の存在下、多孔質固体粒子を分散
させたのち、三弗化塩化エチレン低重合物を所定割合混
合して調製してもよい。
【0024】本発明の電気粘性流体における多孔質固体
粒子としては、慣用のものが使用され、例えばシリカゲ
ル、含水性樹脂、ケイソウ土、アルミナ、シリカ- アル
ミナ、ゼオライト、イオン交換樹脂、セルロース等を使
用できる。特にシリカゲル(比重約2.2)が好まし
い。これら多孔質固体粒子は、通常粒径10nm〜 200μm
のものが、電気粘性流体全体で0.1wt %〜50wt%の割合
で使用される。0.1wt %未満ではER効果が少なく、ま
た 50 wt%を越えると分散性が悪くなるので好ましくな
い。
【0025】次に、分極促進剤としては、例えば多価ア
ルコール又はその部分誘導体が挙げられる。
【0026】多価アルコールとしては、二価アルコー
ル、三価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール等を挙げることができる。好ま
しい多価アルコールとしてはトリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール等が挙げられる。
【0027】また、多価アルコールの部分誘導体として
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、アルキ
ル置換フェニル基(フェニル基に置換されたアルキル基
の炭素数は1〜25)等により置換された部分エーテル
類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等によりエステル化された部分エステル類が
挙げられる。
【0028】これらの多価アルコール又はその部分誘導
体は、通常多孔質固体粒子に対して1wt%〜100wt
%、特に好ましくは2wt%〜80wt%使用するとよい。
添加量が1wt%未満であるとER効果が少なく、又10
0wt%を越えると電流が流れやすくなるので好ましくな
い。尚、この多価アルコール類と共にER効果を阻害し
ない程度に水を使用してもよいことは勿論である。
【0029】又、更に酸、塩、又は塩基成分を添加して
もよい。このような酸成分としては硫酸、塩酸、硝酸、
過塩素酸、クロム酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、或は
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
シュウ酸、マロン酸等の有機酸が使用される。
【0030】塩としては、金属又は塩基性基(N
4 + 、N2 5 + 等)と酸基からなる化合物であり、
これらはいずれでも使用することができる。中でも多価
アルコール、多価アルコール部分誘導体の系に溶解して
解離するもの、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属
のハロゲン化物などの典型的なイオン結晶を形成するも
の、あるいは有機酸のアルカリ金属塩などが好ましい。
この種の塩として、LiCl、NaCl、KCl、Mg
Cl2 、CaCl2 、BaCl2 、LiBr、NaB
r、KBr、MgBr2 、LiI、NaI、KI、Ag
NO3 、Ca( NO3 )2、NaNO2 、NH4 NO3
2 SO4 、Na2 SO4 、NaHSO4 、(NH4
2 SO4 あるいはギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸など
のアルカリ酸金属塩がある。
【0031】塩基としてはアルカリ金属或いはアルカリ
土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アミン類
などであり、多価アルコール、多価アルコール部分誘導
体、或いは多価アルコール及び/又は多価アルコール部
分誘導体と水の系に溶解して解離するものが好ましい。
この種の塩基として、NaOH、KOH、Ca(OH)
2 、Na2 CO3 、NaHCO3 、K3 PO4 、Na3
PO4 、アニリン、アルキルアミン、エタノールアミン
などがある。尚、前記した塩と塩基を併用することもで
きる。
【0032】酸、塩、塩基類は、分極効果を増大させる
ことができるものであるが、多価アルコール及び/又は
多価アルコール部分誘導体と組合せ使用することによ
り、より分極効果を増大させることができるものであ
り、電気粘性流体全体で0.01wt%〜5wt%の割合で使用
するとよい。0.01wt%未満であるとER効果が少なく、
また5wt %を越えると通電しやすくなり、消費電力が増
大するので好ましくない。又、本発明の電気粘性流体に
酸、塩、又は塩基成分を添加する場合には、多価アルコ
ールの部分エステル化物が加水分解しないものであるこ
とが必要である。
【0033】分散剤としては、例えばスルホネート類、
フェネート類、ホスホネート類、コハク酸エステル類、
コハク酸イミド類、アミン類、非イオン系分散剤等が使
用され、具体的にはマグネシウムスルホネート、カルシ
ウムスルホネート、カルシウムホスホネート、ポリブテ
ニルコハク酸イミド、ソルビタンモノオレート、ソルビ
タンセスキオレート等が挙げられる。これらは通常、電
気粘性流体全体で 0.1wt%〜15 wt %の割合で使用され
る。
【0034】本発明における分散剤としては、電場がか
かった条件下で三弗化塩化エチレン低重合物との共存で
電流を多く流さない分散剤を使用することがより好まし
く、例えばコハク酸エステル、コハク酸イミド、非イオ
ン系分散剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ソルビタンモノオレート、ペンタエリスリトールト
リオレート)等が好ましい。
【0035】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて他の添加剤として酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗
防止剤、極圧剤、消泡剤等を添加される。
【0036】酸化防止剤は、電気絶縁性液体の酸化防止
と共に、分極促進剤である多価アルコール、多価アルコ
ール部分誘導体等の酸化を防止することを目的とするも
のである。
【0037】酸化防止剤としては、分極促進剤、多孔質
固体粒子等に不活性なものを使用するとよく、慣用され
るフェノール系、アミン系酸化防止剤を使用することが
でき、具体的にはフェノール系としては2・6−ジ−t
−ブチルパラクレゾール、4・4’−メチレンビス(2
・6−ジ−t−ブチルフェノール)、2・6−ジ−t−
ブチルフェノール等、またアミン系としてはジオクチル
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキルジフェニルアミン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン等を使用することができ、電気粘性流体全体に対して
0.01〜10wt%、好ましくは 0.1〜2.0wt %使用すること
ができ、0.01wt%より少ないと酸化防止効果がなく、ま
た10wt%を越えると色相悪化、濁りの発生、スラッジの
発生、粘調性の増大等の問題がある。
【0038】また、腐食防止剤を添加してもよいが、分
極促進剤、多孔質固体粒子等に不活性なものを使用する
とよく、具体的には窒素化合物ではベンゾトリアゾール
およびその誘導体、イミダゾリン、ピリミジン誘導体
等、イオウ及び窒素を含む化合物では、1.3.4-チアジア
ゾールポリスルフィド、1.3.4-チアジアゾリル-2.5- ビ
スジアルキルジチオカルバメート、2-( アルキルジチ
オ) ベンゾイミダゾール等、その他、β-(o−カルボキ
シベンジルチオ)プロピオンニトリルまたはプロピオン
酸等を使用することができ、電気粘性流体全体に対して
0.001〜10wt%好ましくは0.01〜1.0wt %使用するとよ
い。0.001wt %より少ないと腐食防止効果がなく、また
10wt%を越えると色相悪化、濁りの発生、スラッジの発
生、粘調性の増大等の問題がある。
【0039】
【作用】本発明の電気粘性流体においては、その基油と
して、芳香族炭化水素油、弗素油、鉱油、ポリオレフィ
ン油から選ばれる少なくとも1種以上の電気絶縁性流体
と三弗化塩化エチレン低重合物との混合油とすることに
より、多孔質固体粒子との比重差を小さくすることがで
き分散性に優れるものとできると共に、高温、長時間で
の耐熱性、耐摩耗性を有するものとすることができるの
で、ショックアブソーバー等への利用に適した電気粘性
流体とすることができる。
【0040】以下、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0041】
【実施例1】下記組成の電気粘性流体を調製し、試料油
1(粘度10cP(40℃))とした。
【0042】 アルキルベンゼン(粘度4.3cSt (40℃)、比重0.86)と三弗化塩 化エチレン低重合物(ダイキン工業株式会社製の商品名 ダイフロイル#1、粘 度5cSt (40℃)、比重1.85、体積抵抗率7×1012Ω・cm)の25/7 5(重量比)混合油(粘度4.7cSt (40℃)、比重1.44) ・・・・149 重量部 シリカゲル(比重2.2) ・・・・ 5.5重量部 トリエチレングリコール ・・・・ 1 重量部 コハク酸エステル ・・・・ 5 重量部 2,6−ジ−t−ブチルフェノール ・・・・ 0.3重量部 試料油1において、アルキルベンゼンと三弗化塩化エチ
レン低重合物との混合比を50/50(重量比)とし、
その混合油を120重量部とした以外は試料油1と同様
に、試料油2(粘度3.6cSt (40℃)、比重1.1
7)を調製した。
【0043】
【比較例1】下記組成の電気粘性流体〔粘度10cP
(40℃)〕を調整し、比較油1とした。
【0044】 アルキルベンゼン(粘度4.3cSt (40℃)、比重0.86) ・・・・ 88.2重量部 シリカゲル(比重2.2) ・・・・ 5.5重量部 トリエチレングリコール ・・・・ 1 重量部 コハク酸エステル ・・・・ 5 重量部 2,6−ジ−t−ブチルフェノール ・・・・ 0.3重量部 試料油1、2、比較油をそれぞれよく攪拌した後、内
径13mm、高さ10cmの試験管にそれぞれ12.5g入
れ、多孔質固体粒子の沈降量を測定した。
【0045】その結果を、横軸を経過日数、縦軸を沈降
物の高さ(mm)にし、第1図に示す。図からわかるよう
に、本発明の電気粘性流体は沈降量が極めて低いことが
わかる。
【0046】
【実施例2】試料油1におけるアルキルベンゼンに代え
て、構造式 F-[ CF(CF3)-CF2O]n CF2-CF3 を有する弗素
油(デュポン社製、商品名クライトックスGPL、粘度
4cSt (40℃)、比重1.83、体積抵抗率1×10
15Ω・cm)との混合油を189重量部使用した以外は試
料油1同様にして、試料油3〔粘度10cP(40
℃)〕を調製した。
【0047】
【実施例3】試料油1におけるアルキルベンゼンに代え
て、鉱油(粘度4cSt (40℃)、比重0.85)との
混合油を165重量部使用した以外は試料油1同様にし
て、試料油4〔粘度10cp(40℃)〕を調製した。
【0048】
【実施例4】試料油1におけるアルキルベンゼンに代え
て、エチレン−α−オレフィンオリゴマー(5cSt 、4
0℃)60重量%とα−オレフィンオリゴマー(5cSt
、40℃)40重量%とからなるポリ−α−オレフィ
ン(粘度5cSt (40℃)、比重0.79)との混合油
を167重量部使用した以外は、試料油1同様にして、
試料油5〔粘度10cP(40℃)〕を調製した。
【0049】
【比較例2】試料油1におけるアルキルベンゼンに代え
て、ジオクチルフタレート(59cSt (40℃)、比重
0.95)を使用した以外は、試料油1同様にして、比
較油2〔粘度45cp(40℃)〕を調製した。
【0050】上記で調製した試料油1〜5について、4
0℃と90℃で、電圧の印加が可能な回転粘度計を用い
て、以下の項目について測定し、電気粘性流体としての
評価を行った。
【0051】・応答性−交流電場を0(V/m) から2.0 ×
106 (V/m) に変化させた時に、何秒で粘度が安定するか
により評価。
【0052】・再現性−交流電場を0(V/m) →2.0 ×10
6 (V/m) →0(V/m) のサイクルを繰り返した時、電場1.
4 ×106 ( V/m)の時の粘度の変動割合により評価。
【0053】・耐久性−交流電場を2.0 ×106 (V/m)で
一定させた時、経時的な粘度の変化量(%)(測定時間
50時間)で評価。(粘度低下は多孔質固体粒子の沈降
量が多いために生じる。) ・増粘効果−電場0(V/m) 時と比較して、交流電場を1.
4 ×106 (V/m) とした時の粘度の倍率で評価。
【0054】また、試料油1〜5、及び比較油2につい
て、下記の電気特性を調べた。
【0055】・電気特性−2.0×106 (V/m) の電圧
をかけた時の電流測定値。
【0056】結果を下表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1及び図1からわかるように、本発明の
電気粘性流体は、応答性、再現性、増粘効果、耐久性、
及び分散安定性に優れたものである。
【0059】また、比較油2について電気特性を測定し
た結果、電流値が10mA以上流れた。一方、各試料油
では、表1からわかるように2mA以下と低く、消費電
力を少なくできると共に耐久性に優れることがわかる。
【0060】
【比較例3】試料油1におけるアルキルベンゼンに代え
て、シリコーン油(10cP(40℃)、比重0.9
5)との混合油を167重量部使用した以外は試料油1
同様にして、比較油3〔粘度10cP(40℃)〕を調
製した。
【0061】次に、上記試料油1〜5及び比較油3につ
いてシェル四球耐摩耗試験(ASTM:D2783−7
1)を行った。
【0062】荷重 30Kg、回転数600rpm、温
度60℃で30分間測定後の摩擦係数及び摩耗痕幅を観
察・評価した。
【0063】その結果を下記に示す。
【0064】
【表2】
【0065】このように、本発明の電気粘性流体は耐摩
耗性に優れることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の電気粘性流体は、分散性、保存
安定性に優れると共に、応答性、再現性、耐久性、増粘
効果に優れるものであり、また耐摩耗性に優れるので、
ショックアブソーバー等の緩衝器用の電気粘性流体とし
ても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気粘性流体の分散安定性を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:52 125:26) C10N 40:14 8217−4H

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 芳香族炭化水素油、弗素油、鉱油、ポリ
    オレフィン油から選ばれる少なくとも1種以上の電気絶
    縁性流体と三弗化塩化エチレン低重合物との混合油から
    なる基油に多孔質固体粒子が分散されてなる電気粘性流
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7365939B2 (en) 2003-10-23 2008-04-29 Nidec Corporation Dynamic-pressure bearing device and disk drive

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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