JPH05254849A - 石英系ガラス母材の製造方法 - Google Patents

石英系ガラス母材の製造方法

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JPH05254849A
JPH05254849A JP8952592A JP8952592A JPH05254849A JP H05254849 A JPH05254849 A JP H05254849A JP 8952592 A JP8952592 A JP 8952592A JP 8952592 A JP8952592 A JP 8952592A JP H05254849 A JPH05254849 A JP H05254849A
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glass
layer
molding
porous glass
porous
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JP8952592A
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English (en)
Inventor
Kenji Enomoto
憲嗣 榎本
Hiroshi Hihara
弘 日原
Takeshi Yagi
健 八木
Tsugio Sato
継男 佐藤
Kazuaki Yoshida
和昭 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/0128Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from pulverulent glass
    • C03B37/01282Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from pulverulent glass by pressing or sintering, e.g. hot-pressing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気泡残留をきたすことのない、かつ、光学的
特性、機械的特性のすぐれた石英系ガラス母材を得るこ
とのできる方法を提供する。 【構成】 ガラス体1の外周面上に多孔質ガラス前駆体
層2を形成し、この多孔質ガラス前駆体層2の外周面上
に、または、これを熱処理した未透明ガラス層3の外周
面上に、多孔質ガラス層4を成形する。 【効果】 ガラス体1の外周面上に形成した多孔質ガラ
ス前駆体層2、または、これを熱処理してなる未透明ガ
ラス層3が、ガラス体1、多孔質ガラス層4のいずれに
対しても良好な密着性を呈するので、目的どおりに石英
系ガラス母材を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ母材、イメ
ージファイバ母材、ライトガイド母材、ロッドレンズ母
材などを製造するための技術、特に、これら母材の外周
部分をつくるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】通信、光学系の分野で用いられる各種母
材をつくる手段として、液圧成形法、押出成形法、泥漿
鋳込法、泥漿塗布法などの各法がある。これら各法は、
短時間で多孔質ガラス層を形成することができるので、
母材の量産、最終製品(例:光ファイバ)のコストダウ
ンをはかるのに適している。
【0003】液圧成形法に関する技術は、たとえば、特
開昭61−256937号公報、特開昭63−5513
2号公報により公知である。これら公知技術の場合、伸
縮性を有する成形型内に棒状体(コア用の石英系ガラス
棒)を入れ、その周囲に石英系のガラス粉末を主原料と
する成形材料を充填した後、成形型を外部からの液圧に
より加圧して、棒状体の外周面上に多孔質ガラス層を圧
縮成形する。この多孔質ガラス層は、成形型内から取り
出された後、乾燥、脱水、透明ガラス化などの処理を受
けて透明ガラス体となる。
【0004】押出成形法の場合は、押出装置のクロスヘ
ッド内で前記棒状体と可塑性の成形材料(主原料:石英
系のガラス粉末)とを合流させて棒状体の外周面上に多
孔質ガラス層を成形し、多孔質ガラス層付きの棒状体を
クロスヘッド外へ押し出す。この多孔質ガラス層は、そ
の後、乾燥、脱脂、脱水、透明ガラス化などの処理を受
けて透明ガラス体となる。
【0005】泥漿鋳込法は、成形型内に前記棒状体を入
れ、その周囲に石英系のガラス粉末を主原料とするスラ
リー状の成形材料を充填した後、成形型の脱水性を利用
して成形材料を水切りし、棒状体の外周面上に多孔質ガ
ラス層を成形する。この多孔質ガラス層も、前記と同様
の処理を受けて透明ガラス体となる。
【0006】泥漿塗布法は、回転している前記棒状体の
外周面に前記スラリー状の成形材料を塗布し、棒状体の
外周面上に多孔質ガラス層を成形する。この多孔質ガラ
ス層も、その後、乾燥、脱脂、脱水、透明ガラス化など
の処理を受けて透明ガラス体となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した棒状体(表面
平滑で硬い石英系ガラス棒)と、多孔質ガラス層(石英
系ガラス粉末の成形体)とは、同系の物質であるといえ
ども、常温下においてこれらの表面が活性化しておら
ず、互いになじむ性質のものでもないので、相対的な接
着性や粘着性がないのはもちろん、密着性も乏しい。し
たがって、冷間成形法に属する前記各法を介して棒状体
の外周面に多孔質ガラス層を設けたとき、密着性の欠如
に起因してこれらの界面に不整合が生じ、その後、多孔
質ガラス層を透明ガラス化したときに、棒状体と透明ガ
ラス層との界面に気泡が残留する。
【0008】このような気泡残留をもつ石英系の母材
は、たとえば、これを加熱延伸して光ファイバを作製し
たとき、構造不完全により光ファイバの伝送特性、機械
的特性が低下し、特に、線引き時において光ファイバの
断線が起こりがちとなる。
【0009】本発明はかかる技術的課題に鑑み、気泡残
留をきたすことのない、しかも、光学的特性、機械的特
性の優れた石英系ガラス母材を得ることのできる方法を
提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載の石英系ガラス母材の製造方法は、所期の目的を達
成するために、石英系の棒または管からなるガラス体の
外周面上に、石英系のガラス前駆体微粒子のみからなる
多孔質ガラス前駆体層または石英系のガラス前駆体微粒
子を含む多孔質ガラス前駆体層を形成し、その後、多孔
質ガラス前駆体層の外周面上に石英系の多孔質ガラス層
を設けることを特徴とする。
【0011】本発明に係る請求項2に記載の石英系ガラ
ス母材の製造方法は、所期の目的を達成するために、石
英系の棒または管からなるガラス体の外周面上に、石英
系のガラス前駆体微粒子のみからなる多孔質ガラス前駆
体層または石英系のガラス前駆体微粒子を含む多孔質ガ
ラス前駆体層を形成し、その後、多孔質ガラス前駆体層
を熱処理して透明ガラス化に至らない未透明ガラス層を
つくり、その後、未透明ガラス層の外周面上に石英系の
多孔質ガラス層を設けることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の本発明方法は、石英系の棒ま
たは管からなるガラス体の外周面上に、石英系の多孔質
ガラス前駆体層、石英系の多孔質ガラス層を順次設ける
から、多孔質ガラス前駆体層は、ガラス体と多孔質ガラ
ス層との間にあって、これらの両方に接する。
【0013】多孔質ガラス前駆体層は、たとえば、Si
を含む金属アルコキシド、Siを含む金属塩などを加水
分解反応、縮重合反応させて得られる化合物の微粒子が
多孔質状に集合したものであり、その微粒子表面が活性
なOH基を有しているから、ガラス体、多孔質ガラス層
のいずれに対しても良好に密着し、特に、多孔質ガラス
層に対しては、シラノール結合あるいは縮重合反応を利
用することで、これとの結合性、整合性が向上する。さ
らに、この多孔質ガラス前駆体層は、シリカ粉末(Si
2 )よりも透明ガラス化温度が低いので、ガラス体と
多孔質ガラス層との界面付近における透明ガラス化がス
ムーズに進行する。
【0014】したがって、多孔質ガラス前駆体層、多孔
質ガラス層を透明ガラス化すべく、これらを所定の温度
で熱処理したとき、ガラス体と透明ガラス層との間、さ
らには、各透明ガラス層相互の間に、界面不整合に起因
した気泡残留が生じない。
【0015】請求項2に記載の本発明方法は、ガラス体
上にある多孔質ガラス前駆体層を未透明ガラス層にして
から、これの上に多孔質ガラス層を設ける。
【0016】この未透明ガラス層も、多孔質ガラス前駆
体層と同様の化学的ないし物理的特性を有しているの
で、請求項1に記載の本発明方法と同じく、界面不整合
に起因した気泡残留が生じない。
【0017】
【実施例】本発明方法の各実施例について、図面を参照
して説明する。図1、図2において、1はガラス体、2
は多孔質ガラス前駆体層、3は多孔質ガラス前駆体層を
熱処理した後の未透明ガラス層、4は多孔質ガラス層、
5、6は多孔質ガラス層、未透明ガラス層などを透明ガ
ラス化した後の透明ガラス層をそれぞれ示す。
【0018】ガラス体1は、気相法、鋳込泥漿法、ゾル
ゲル法、泥漿塗布法、粉末成形法のごとき方法で形成さ
れた石英系の多孔質ガラス層を脱水ならびに透明ガラス
化したものである。この石英系のガラス体1は、一例と
して、コア用ガラスとその外周にクラッド用ガラスとを
備えた棒状体からなり、他例として、コア用ガラスのみ
の棒状体からなる。場合により、ガラス体1がコア用ガ
ラスおよび/またはクラッド用ガラスを備えた石英系の
管状体からなることもある。
【0019】多孔質ガラス前駆体層2は、スプレー法、
塗布法、ディップ法(浸漬法)のごとき任意の方法を介
して形成されたものである。多孔質ガラス前駆体層2を
形成しているガラス前駆体は、一例として、Siを含む
金属アルコキシド、Siを含む金属塩などを加水分解反
応、縮重合反応させて得られる化合物の微粒子からな
る。上記金属アルコキシドとして、Si(OEt)4
Si(OMe)4 などのシリコンアルコキシドをあげる
ことができ、上記金属塩として、SiCl4 をあげるこ
とができる。
【0020】多孔質ガラス層4は、加圧成形法(液圧成
形法)、押出成形法、スリップキャスト法、泥漿鋳込
法、泥漿塗布法など、これら任意の方法を介して成形さ
れたものである。多孔質ガラス層4は、一例として、純
粋シリカ粉末の成形物からなり、他例として、屈折率設
定用、軟化温度調整用などのドーパントを含むドープト
シリカ粉末の成形物からなる。
【0021】図3(a)(b)(c)に例示した各装置
は、ガラス体1の外周面上に多孔質ガラス前駆体層2を
形成するために用いられる。図3(a)のスプレー装置
は、雰囲気形成室11内において、ガラス体1を回転自
在に両端支持するためのガラス旋盤[図3(b)のガラ
ス旋盤13を参照]と、ガラス旋盤を介して両端支持さ
れたガラス体1の軸線方向沿いに往復動自在なスプレー
12とを備え、スプレー12が、成形材料18の供給系
(図示せず)に接続されたものである。図3(b)の泥
漿塗布装置は、上述したガラス旋盤13と、ガラス体1
の軸線方向沿いに往復動自在な塗布器14および電気ヒ
ータ、熱風ヒータのごとき乾燥器15とを備え、塗布器
14内に成形材料18が収容されている。この泥漿塗布
装置は、多孔質ガラス層4の成形にも適用することがで
きる。図3(c)のディッピング装置は、成形材料18
が収容された浸漬槽16と、浸漬槽16の内外にわた
り、ガラス体1を出し入れするための昇降機械17とを
備えている。図3(a)〜(c)において、多孔質ガラ
ス前駆体層2をつくるための成形材料18は、前述した
化合物の微粒子を含む混合溶液またはスラリーからな
る。
【0022】図4に例示した加熱炉21は、多孔質ガラ
ス前駆体層2、多孔質ガラス層4を半燒結状態に焼き締
めたり、精製(不純物の除去と脱水)したり、あるい
は、透明ガラス化するために用いられる。この加熱炉2
1は、雰囲気ガスの出入口22、23を有する石英製炉
心管24の外周にリング状の電気ヒータ25が備えられ
たものである。
【0023】図5に例示した液圧成形装置は、多孔質ガ
ラス前駆体層2または未透明ガラス層3の外周面上に多
孔質ガラス層4を成形するために用いられる。図5にお
いて、31は成形用筒型、32、33は一対の成形用蓋
体、36は支持筒、39は高圧容器、43は成形空間、
44は加圧空間、45成形材料、46は圧力媒体をそれ
ぞれ示す。
【0024】成形用筒型31は、両端が開放された円筒
形状を有している。成形用筒型31は、ゴム、合成樹脂
のごとき弾性を有するものからなり、代表的な成形用筒
型31は、ニトリルゴム製、シリコーンゴム製などであ
る。
【0025】一対の成形用蓋体32、33は外周面に段
差のある円板形状を有し、該各成形用蓋体32、33の
内面中央には凹部34、35がそれぞれ形成されてい
る。これら成形用蓋体32、33は、金属、または、金
属と同程度の剛性を有するゴム、合成樹脂などからな
り、具体的一例として、耐食性を有する金属製の成形用
蓋体32、33が採用される。両成形用蓋体32、33
のいずれか一方または両方には、後述の成形空間43内
を吸引するために、その蓋体を厚さ方向に貫通する吸引
孔(図示せず)が形成されることがある。
【0026】支持筒36は、壁面の一部に圧力媒体46
の出入口37、38を有する金属製の円筒体からなる。
支持筒36の上下両端には、両成形用蓋体32、33と
の組み立て状態を保持するための保持具(図示せず)が
備えられることがある。
【0027】高圧容器39は、金属製の筒体40と、筒
体40の両端を閉じるための金属製の蓋体41、42と
が組み合わされたものである。
【0028】図5の液圧成形装置において、多孔質ガラ
ス層4をつくるための成形材料45は、石英系のガラス
粉末、たとえば、純粋石英微粒子および/またはB2
3 、Fのごときドーパントを含む石英系のガラス微粒子
からなる。後述の成形空間43内に充填される成形材料
45のガラス粉末粒径は、通常、0.01μm〜100
μm程度である。
【0029】ガラス粉末の細粒化が著しく、これを成形
空間43内へ充填するのがむずかしい場合、純水あるい
は純水と成形助剤とを利用して、細粒化粉末を粒径50
μm〜250μmに造粒すればよく、かかる造粒によ
り、ガラス粉末の均一な高密度充填が可能になる。この
場合、粒径50μm以上の粉末の割合を50%以上と
し、粒径10μm以下の粉末の割合を10%未満とする
のが好適である。
【0030】場合により、成形材料45のガラス粉末に
は、溶媒たとえば純水が混合されてゾル状を呈している
こともある。この際、ガラス粉末には、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グ
リセリンのごとき有機物が成形助剤として採用されるこ
ともある。ガラス粉末中への成形助剤の添加量は、ガラ
ス粉末に対して、1〜20重量%程度であり、望ましく
は15重量%以下である。
【0031】後述する加圧空間44内に供給される圧力
媒体46は、一例として水、他の一例として滑油、さら
に他の一例として水と滑油との混合物からなる。
【0032】図5における各部材の相対関係について
は、つぎのとおりである。一対の成形用蓋体32、33
は、相対的に径の大きい部分(大径部)と、相対的に径
の小さい部分(小径部)とを有しているため、図示のご
とく、外周面に段差がある。この場合において、両成形
用蓋体32、33の大径部は、これの内面を成形用筒型
31、支持筒36の各端面に突き合わせることができ、
両成形用蓋体32、33の小径部は、これらを成形用筒
型31の両端と密に嵌め合うことができる。したがっ
て、支持筒36を外殻として、成形用筒型31、両成形
用蓋体32、33を図5のように組み立てた場合、成形
用筒型31、両成形用蓋体32、33にて囲われた空間
が成形空間43となり、両成形用蓋体32、33、支持
筒36にて囲われた空間が加圧空間44となる。
【0033】高圧容器39は、このようにして組み立て
られる成形用筒型31、両成形用蓋体32、支持筒36
などを内蔵することのできる容積を有し、さらに、その
残部空間内に圧力媒体46を収容することができる。
【0034】両成形用蓋体32、33には、多孔質ガラ
ス前駆体層2、多孔質ガラス層4へのコンタミナントを
防止するため、たとえば、フッ素系樹脂(商品名テフロ
ン)によるコーティングが施される。成形用筒型31
は、多孔質ガラス前駆体層2、多孔質ガラス層4に対す
る汚染を惹き起こさず、支持筒36、高圧容器39は、
成形空間43に直接関与しないので、これらには、コン
タミナント防止のためのコーティングが不要である。そ
の他、図5の部材相互を組み立てるとき、高度の気密
性、液密性を要する部材相互の接触箇所には、必要に応
じてシール部材が介在される。
【0035】図6に例示したクロスヘッド型の押出成形
装置は、未透明ガラス層3の外周面上に多孔質ガラス層
4を成形するために用いられる。図6において、51は
押出機、57はクロスヘッド、61は乾燥器、62は可
塑性を有する成形材料をそれぞれ示す。
【0036】押出機51は、伝動手段を備えた原動機
(モータ)52、ホッパ53を有する一次混練室54、
真空室55、および、二次混練室56が、所定の方向に
連結されて構成されており、一次混練室54内、二次混
練室56内には、原動機52と伝動軸(図示せず)とを
介して回転される混練器(図示せず)がそれぞれ内蔵さ
れている。
【0037】クロスヘッド57は、独立した二つの入口
部58、59と、共通した一つの出口部60と、これら
入口部58、59、出口部60に通じる各通路(図示せ
ず)とを備えており、該各通路が出口部60付近で同心
状に合流している。
【0038】乾燥器61は、たとえば、円筒形のごとき
筒形からなり、これには、図示しない電気ヒータが備え
つけられている。
【0039】図6において、クロスヘッド57の入口部
59、出口部60には、押出機51の二次混練室56、
乾燥器61がそれぞれ連結されている。
【0040】図6の押出成形装置において、多孔質ガラ
ス層4をつくるための可塑性の成形材料62は、前述し
た石英系のガラス粉末を主原料とし、この主原料が、純
水または前記成形助剤を含む純水で均質に混練されて調
製されたものであり、かかる調製により可塑性が付与さ
れている。
【0041】図7に例示した泥漿鋳込装置は、多孔質ガ
ラス前駆体層2または未透明ガラス層3の外周面上に多
孔質ガラス層4を成形するために用いられる。図7にお
いて、71は成形型を示し、72はスラリー注入器を示
す。
【0042】成形型71は、一例として、石英粉末素材
を燒結凝固化した多孔質円筒体(無機質多孔質体製)か
らなり、他例として、連続気孔をもつ合成樹脂製の円筒
体からなる。スラリー注入器72は、上端に入口73、
下端に出口74を有し、内部に攪拌翼75を備えたホッ
パ形状からなる。図7において、多孔質ガラス層4をつ
くるためのスラリーの成形材料76は、前述したと同
様、石英系のガラス粉末を主原料とし、この主原料が、
純水または前記成形助剤を含む純水で均質に混練されて
調製されたものであり、かかる調製によりスラリーを呈
している。
【0043】つぎに、図1(a)〜(c)に示す順序に
したがい、石英系ガラス母材を製造する例を以下に述べ
る。
【0044】図1(a)の工程では、図3(a)〜
(c)に例示したいずれかの方法を用いてガラス体1の
外周面上に多孔質ガラス前駆体層2を形成し、図1
(a)の工程では、図3(b)、図5、図7に例示した
いずれかの方法を用いて多孔質ガラス前駆体層2の外周
面上に多孔質ガラス層4を形成し、図1(c)の工程で
は、図4に例示した方法を用いて多孔質ガラス前駆体層
2、多孔質ガラス層4を精製ならびに透明ガラス化す
る。
【0045】図1(a)の工程において図3(a)のス
プレー法を実施するとき、ガラス旋盤を介してガラス体
1を回転自在に両端支持し、かつ、雰囲気形成室11内
を所定の雰囲気に保持した後、ガラス体1を回転させつ
つこれの軸線方向沿いにスプレー12を往復動させ、ス
プレー12から噴射されたスラリー状の成形材料18を
ガラス体1の外周面上に付着させる。かくて、ガラス体
1の外周面上には多孔質ガラス前駆体層2が形成され、
その後、多孔質ガラス前駆体層2は、図示しない乾燥手
段により100〜150℃程度の温度で乾燥される。こ
のようにして多孔質ガラス前駆体層2を形成するとき、
ガラス体1を回転させながらこれの軸線方向沿いに往復
動させ、定位置に保持されたスプレー12から成形材料
18を噴射してよい。
【0046】図1(a)の工程において図3(b)の泥
漿塗布法を実施するとき、前記と同じく、ガラス旋盤1
3を介してガラス体1を回転させつつこれの軸線方向沿
いに塗布器14、乾燥器15を往復動させ、塗布器14
を介してガラス体1の外周面上にスラリー状の成形材料
18を塗布するとともに、塗布された成形材料18を乾
燥器15により乾燥する。この場合、塗布器14と乾燥
器15は、成形材料18をガラス体1へ一回塗布するご
と、ガラス体1の外周面から微小量ずつ遠ざかる。かく
て、ガラス体1の外周面上には、乾燥状態の多孔質ガラ
ス前駆体層2が形成される。図3(b)の泥漿塗布法に
おいても、塗布器14、乾燥器15に代え、ガラス体1
を往復動させてよい。
【0047】図1(a)の工程において図3(c)のデ
ィッピング法を実施するとき、昇降機械17を介してク
ランプしたガラス体1を、浸漬槽16内の前記成形材料
18中にゆるやかに浸漬し、かつ、ゆるやかに引き上げ
る。この操作により、ガラス体1の外周面に成形材料1
8が付着するので、ガラス体1の外周面上には多孔質ガ
ラス前駆体層2が形成される。その後、多孔質ガラス前
駆体層2は、前記と同様に乾燥される。
【0048】図1(b)の工程において図3(b)に例
示した泥漿塗布法を実施するとき、既述のとおり、ガラ
ス旋盤13を介してガラス体1を回転させつつこれの軸
線方向沿いに塗布器14、乾燥器15を往復動させ、塗
布器14を介して多孔質ガラス前駆体層2の外周面上に
スラリー状の成形材料45を塗布するとともに、塗布さ
れた成形材料45を乾燥器15により乾燥する。かく
て、多孔質ガラス前駆体層2の外周面上には、成形材料
45による多孔質ガラス層4が形成される。
【0049】図1(b)の工程において図5に例示した
液圧成形法を実施するとき、これの準備のために、内外
に嵌めこまれた成形用筒型31、支持筒36の各下部に
成形用蓋体33を組みつけ、ガラス体1を成形空間43
内に挿入する。このとき、ガラス体1の下端は、成形用
蓋体33の凹部35内に嵌りこんで成形空間43の軸心
に保持され、ガラス体1の上端も、成形空間43内の上
部に一時的にセットされた中心保持具(図示せず)を介
して成形空間43の軸心に保持される。この準備を終え
た後、成形空間43内に脱気処理済みの成形材料45を
投入すると、投入された成形材料45は、成形空間43
内に落下し、ガラス体1を周囲から埋めながら堆積す
る。成形空間43内への成形材料45の充填量が増し、
その成形材料45を介してガラス体1が安定に支持され
るに至ったとき、成形空間43内から中心保持具を取り
除き、引き続いて、成形空間43内へ成形材料45を投
入する。成形空間43内に所定量の成形材料45が充填
された後は、成形用筒型31、支持筒36の各上部に成
形用蓋体32を組みつける。このとき、ガラス体1の上
端は成形用蓋体32の凹部34内に嵌りこむ。ついで、
必要ならば、成形用蓋体33(または成形用蓋体32)
の吸引孔に接続された真空ポンプ(図示せず)を介して
成形空間43内を脱気する。その後、成形用筒型31、
成形用蓋体32、33、支持筒36などによる成形ユニ
ットを高圧容器39内に入れ、当該容器39を密閉す
る。高圧容器39は、図示しない高圧印加装置内に注入
かつ充填した圧力媒体46により内圧が高まるので、こ
のようにして高圧容器39内を高圧にしたとき、支持筒
36の出入口37、38より加圧空間44内に充満して
いる圧力媒体46が成形用筒型31を外部から加圧す
る。かくて、成形空間43内には、成形材料45による
嵩密度の均一な、しかも、亀裂、割れのない多孔質ガラ
ス層4が成形される。以下は、高圧容器39の内圧を徐
々に減じて成形用筒型31を復元させ、成形用筒型31
の復元後、高圧容器39内から成形ユニットを取り出
し、さらに、成形用蓋体32、33のいずれかを支持筒
36から取り外して、成形空間43内からガラス体1と
共に多孔質ガラス層4を取り出す。この多孔質ガラス層
4が水分、成形助剤を含んでいるとき、つぎの工程へか
ける前、必要に応じて、これを約110℃で乾燥し、約
400〜600℃で加熱処理すればよい。
【0050】図1(b)の工程において図7に例示した
泥漿鋳込法を実施するとき、事前の準備として、成形型
71の底部を図示しない端栓で密閉し、ガラス体1を成
形型71内の軸心部に立ててこの状態を保持し、さら
に、スラリー注入器72内にスラリー状の成形材料76
を投入する。かかる準備を終えた後、スラリー注入器7
2から成形型71内に成形材料76を注入する。その
後、時間の経過を待つと、成形型71内の成形材料76
は、これの溶媒が成形型71により脱水吸収されて体積
収縮し、かくて、多孔質ガラス前駆体層2の外周面上に
は、成形材料76による多孔質ガラス層4が形成され
る。この多孔質ガラス層4は、ある程度乾燥し体積収縮
しているので、ガラス体1を引き上げることにより、成
形型71内から取り出すことができる。以下、多孔質ガ
ラス層4は、図示しない乾燥器により、100〜150
℃の温度で乾燥される。
【0051】図1(c)の工程のとき、図4に例示した
加熱炉21を用いて多孔質ガラス前駆体層2、多孔質ガ
ラス層4の熱処理を実施する。はじめの熱処理では、多
孔質ガラス前駆体層2、多孔質ガラス層4を精製(不純
物の除去と脱水)するために、約1200℃のCl2
He雰囲気に保持された炉心管24内に多孔質ガラス前
駆体層2、4を入れて、これを電気ヒータ25で高温に
加熱する。つぎの熱処理では、多孔質ガラス前駆体層
2、多孔質ガラス層4を透明ガラス化するために、炉心
管24内を約1600℃のHe雰囲気に保持し、電気ヒ
ータ25を介して多孔質ガラス前駆体層2、4を前記よ
りも高温に加熱する。かくて、ガラス体1の外周面上に
ある多孔質ガラス前駆体層2、4が、それぞれ透明ガラ
ス層5、6に仕上がる。
【0052】つぎに、図2(a)〜(d)に示す順序に
したがい、石英系ガラス母材を製造する例を以下に述べ
る。
【0053】図2(a)の工程のとき、図3に例示した
各法のいずれかを前記図1(a)の工程と同様に実施し
て、ガラス体1の外周面上に多孔質ガラス前駆体層2を
形成する。
【0054】図2(b)の工程のとき、図4に例示した
加熱炉21内において、多孔質ガラス前駆体層2を透明
ガラス化未満の温度(約500〜1200℃)で熱処理
してこれを未透明ガラス層3にする。この未透明ガラス
層3は、ガラス燒結が一部進行しているために多孔質ガ
ラス状態のときよりも格段に機械的特性が高められる。
したがって、未透明ガラス層3を後述のように押出成形
装置にかけたとき、これが脆性破壊しない。
【0055】図2(c)の工程において図6に例示した
押出成形法を実施するとき、これの準備のために、押出
機51のホッパ53より一次混練室54内に可塑性の成
形材料62を投入し、ガラス体1の先端にダミー棒を継
ぎ足しておく。かかる準備後、押出機51の原動機52
を稼働させながら、ガラス体1の先端に取りつけたダミ
ー棒をクロスヘッド57の入口部58内に挿入する。こ
のようにして成形装置を運転すると、未透明ガラス層3
を有するガラス体1がクロスヘッド57の入口部58よ
りその内部へ進入し、成形材料62も一次混練室54か
ら真空室55、二次混練室56を経てクロスヘッド57
の入口部59よりその内部へ送りこまれる。以下は、ガ
ラス体1、成形材料62がクロスヘッド57内の出口部
60付近で合流するとともに、筒状に成形された成形材
料62、すなわち、多孔質ガラス層4が未透明ガラス層
3の外周面上に被さり、これらが出口部60より押し出
される。押し出し直後の多孔質ガラス層4は、乾燥器6
1を介して乾燥されるが、これ以外に、別の乾燥器を用
いて約110℃に乾燥されたり、約500℃の高温で脱
脂されることがある。このような処理を終えた後、ガラ
ス体1の先端からダミー棒の部分が取り除かれる。
【0056】図2(d)の工程のとき、図4に例示した
加熱炉21を用いて未透明ガラス層3、多孔質ガラス層
4を図1(c)の工程の同様に熱処理するので、これら
ガラス層3、4が精製ならびに透明ガラス化されて、そ
れぞれ透明ガラス層5、6に仕上がる。
【0057】なお、図1の実施例においても、同図
(a)の工程と同図(b)の工程との間に、図2(b)
のような、多孔質ガラス前駆体層2を未透明ガラス層3
にする工程を介在させてよい。
【0058】以上に述べた各実施例の場合、ガラス体1
は、石英系の棒、管のいずれであってもよい。ただし、
管状のガラス体1がコア用であるとき、既述の工程のほ
かに管状ガラス体1をコラプスするための熱処理も必要
になる。さらに、ガラス体1が管状の場合、これの破断
事故を回避するために、図5の液圧成形法は採用しない
のがよい。その他、既成のVAD法、OVD法などを介
して、多孔質ガラス前駆体層2または未透明ガラス層3
の外周面上に多孔質ガラス層4を形成してもよい。
【0059】具体例1 この具体例1は、図1(a)(b)(c)に例示した工
程に基づく。
【0060】[図1(a)の工程]棒状のガラス体1と
して、コア用ガラスがSiO2 −GeO2 、クラッド用
ガラスがSiO2 からなるものを用いた。このガラス体
1は、VAD法により作製されたものであり、外径1
0.6mmφ、長さ約270mm、コア用ガラス外径/
クラッド用ガラス外径=1/4、比屈折率差約0.35
%である。成形材料18として、テトラエトキシシラン
(1モル)に、12モル比の水、3モル比のエチルアル
コールを加えて調製した混合溶液200mlを用いた。
図3(a)の雰囲気形成室11内において、これらの材
料を用いてスプレー法を実施するとき、雰囲気形成室1
1内をアンモニア蒸気雰囲気に保持し、ガラス体1の外
周面上に厚さ100μmの多孔質ガラス前駆体層2を形
成した。その後、多孔質ガラス前駆体層2を110℃で
乾燥した。
【0061】[図1(b)の工程]成形材料45とし
て、平均粒径80μmのシリカ造粒粉末を用いた。成形
用筒型31として、外径60mmφ、内径50mmφ、
長さ270mm、有効長250mmのニトリルゴムから
なるものを用い、両成形用蓋体32、33として、成形
用筒型31に対応する寸法のものを用いた。上記におい
て、図5に例示した液圧成形法を実施するとき、成形空
間43内に多孔質ガラス前駆体層2を有するガラス体1
をセットし、前記成形材料45を充填した後、加圧空間
44内の圧力媒体(滑油)41を介して、成形用筒型3
1に1.5t/cm2 の圧力を約1分間かけ、外径42
mmφの多孔質ガラス層4を成形した。成形空間43内
に多孔質ガラス前駆体層2を取り出すとき、30分の時
間をかけてゆるやかに成形用筒型31を復元させた。
【0062】[図1(c)の工程]図4に例示した加熱
炉21を用いて、多孔質ガラス前駆体層2、多孔質ガラ
ス層4を1250℃のCl2 、He雰囲気(Heに対し
Cl2 10%)で精製(不純物の除去と脱水)した後、
1600℃のHe雰囲気で透明ガラス化して、透明ガラ
ス層5、6とした。この透明ガラス母材の場合、ガラス
体1と透明ガラス層5との界面、両透明ガラス層5、6
相互の界面に、いずれも気泡の存在がみられなかった。
【0063】以下、上記透明ガラス母材を周知の加熱延
伸法で線引きして、コア径10μmφ、外径125μm
φの光ファイバをつくり、その線引き直後の光ファイバ
外周に、紫外線硬化性樹脂による外径400μmφの被
覆層を施した。この被覆光ファイバは、気相法で作製さ
れた母材から得られる光ファイバと同等以上の伝送特性
を示し、線引き中の断線事故も発生しなかった。
【0064】具体例2 この具体例2も、図1(a)(b)(c)に例示した工
程に基づく。 [図1(a)の工程]VAD法に基づく棒状ガラス体1
として、具体例1と同様のものを用いた。成形材料18
つくるために、平均粒径0.3μmのシリカ粉末100
gに純水を加えてシリカ濃度60%のスラリーをつく
り、このスラリーには、0.07gのNH3 を添加した
後、ボールミル中において混合しながらエチルアルコー
ル、テトラエトキシシランを順次加えた。かかるシリカ
スラリーの成分は、下記のとおりである。 p=[Si(OC254 ]/[SiO2 ]=0.0
11モル比 q=[OC2 OH5 ]/[Si(OC254 ]=2
モル比 r=[H2 O]/[Si(OC254 ]=87.2
モル比 a=[SiO2 ]/[SiO2 +H2 O]=0.6重量
比 こうして得られたシリカスラリー成形材料18は、さら
に、30℃、24時間をかけてこれを均質に攪拌混合し
た。これらの材料を用いて図3(a)のスプレー法を前
記と同様に実施し、ガラス体1の外周面上に厚さ200
μmの多孔質ガラス前駆体層2を形成した。その後、多
孔質ガラス前駆体層2を110℃で乾燥した。
【0065】[図1(b)の工程]具体例1と同様にし
て、図5の液圧成形法を実施し、多孔質ガラス前駆体層
2の外周面上に外径約42mmφの多孔質ガラス層4を
成形した。この際に用いた成形材料45は、平均粒径7
0μmのシリカ造粒粉末である。
【0066】[図1(c)の工程]図4に例示した加熱
炉21を用いて、多孔質ガラス前駆体層2、多孔質ガラ
ス層4を1280℃のCl2 、He雰囲気で精製(不純
物の除去と脱水)した後、1580℃のHe雰囲気で透
明ガラス化して、透明ガラス層5、6とした。透明ガラ
ス母材(透明ガラス層6)の外径は、35mmφであっ
た。この透明ガラス母材の場合も、具体例1と同様に気
泡残留がみられなかった。
【0067】以下も、具体例1と同様にして上記透明ガ
ラス母材から光ファイバをつくり、その線引き直後の光
ファイバ外周に被覆層を施して、被覆光ファイバ作製し
たところ、この被覆光ファイバも、具体例1と同等の伝
送特性を示し、線引き中の断線事故も発生しなかった。
【0068】棒状ガラス体1の外周面上に多孔質ガラス
前駆体層2を形成しない以外は、具体例1、2と同様に
して、多孔質ガラス層4の形成を含む透明ガラス母材の
作製から被覆光ファイバの作製までを実施した。この比
較例の場合、ガラス体1と透明ガラス層6(=多孔質ガ
ラス層4の透明ガラス化物)との界面に気泡が残留して
いたために、被覆光ファイバの伝送特性が、気相法で作
製された母材から得られる光ファイバよりも劣ってい
た。
【0069】具体例3 この具体例3は、図2(a)(b)(c)(d)に例示
した工程に基づく。
【0070】[図2(a)の工程]VAD法に基づく棒
状ガラス体1として、外径14mmφ、長さ600m
m、コア用ガラス(SiO2 −GeO2 )の外径/クラ
ッド用ガラス(SiO2 )の外径=1/3、比屈折率差
約0.35%のものを用いた。このガラス体1の一端
に、石英製からなる外径14mmφ、長さ300mmの
ダミー棒をガラス溶接した。成形材料18として、テト
ラエトキシシラン(1モル)に対し、14モル比の水、
4モル比のエチルアルコールを加えて調製した混合溶液
2000mlを用いた。図3(c)のディッピング法に
おいて、成形材料(上記混合溶液)18を収容せる浸漬
槽16内にガラス体1を浸漬して多孔質ガラス前駆体層
2を形成した。その後、ガラス体1を浸漬槽16内から
取り出し、多孔質ガラス前駆体層2を50℃のアンモニ
ア蒸気中に30分間放置し、さらに、その後、多孔質ガ
ラス前駆体層2を110℃で乾燥した。
【0071】[図2(b)の工程]図4の加熱炉21を
用い、多孔質ガラス前駆体層2を650℃のHe雰囲気
で熱処理して多孔質ガラス前駆体層2を未透明ガラス層
3とした。
【0072】[図2(c)の工程]可塑性の成形材料6
2として、平均粒径8μmのシリカ粉末100重量部
に、メチルセルロース(結合剤)3重量部、純水(溶
媒)22重量部を加え、これらを均質に攪拌したものを
用いた。ガラス体1を図6の押出成形装置(押出量30
kg/H)にかけて、未透明ガラス層3の外周面上に成
形材料62による多孔質ガラス層4を押出成形し、押出
直後の多孔質ガラス層4を乾燥器61により110℃で
乾燥した。この際の押出時間は、ダミー棒の部分も含め
15分である。押出成形された多孔質ガラス層4は、厚
さが約38mm、外径が約90mmφである。
【0073】[図2(d)の工程]図4に例示した加熱
炉21を用いて、未透明ガラス層3、多孔質ガラス層4
を既述の内容に準じて精製ならびに透明ガラス化し、透
明ガラス層5、6とした。透明ガラス母材(透明ガラス
層6)の外径は35mmφであった。この透明ガラス母
材の場合も、各具体例と同様に気泡残留がみられなかっ
た。
【0074】以下も、前記具体例と同様に、上記透明ガ
ラス母材から光ファイバをつくり、その線引き直後の光
ファイバ外周に被覆層を施したところ、この被覆光ファ
イバも前記具体例と同等の伝送特性を示し、線引中の破
断事故も発生しなかった。
【0075】比較例2 棒状ガラス体1の外周面上に多孔質ガラス前駆体層2を
形成しない以外は、具体例3と同様にして、多孔質ガラ
ス層4の形成を含む透明ガラス母材の作製から被覆光フ
ァイバの作製までを実施した。この比較例2の場合、ガ
ラス体1と透明ガラス層6(=多孔質ガラス層4の透明
ガラス化物)との界面で密着不良が発生したために、被
覆光ファイバの伝送特性が、気相法に基づく母材から得
られるシングルモード光ファイバよりも劣っていた。
【0076】本発明方法が開示した技術内容は、前述し
た各実施例、各具体例のように、光ファイバ用の石英系
多孔質ガラス層、石英系ガラス母材をつくる場合のほ
か、イメージファイバ用、ライトガイド用、ロッドレン
ズ用の母材つくる場合にも適用することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明方法によるときは、ガラス体の外
周面上に多孔質ガラス前駆体層を形成し、この多孔質ガ
ラス前駆体層の外周面上に、または、これを熱処理した
未透明ガラス層の外周面上に、多孔質ガラス層を成形す
るから、これら各層の界面に気泡残留をきたすことのな
い、しかも、光学的特性、機械的特性の優れた石英系ガ
ラス母材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例を工程順に略示した説明
図である。
【図2】本発明方法の他実施例を工程順に略示した説明
図である。
【図3】本発明方法で用いられる多孔質ガラス前駆体層
の各種形成手段を略示した説明図である。
【図4】本発明方法で用いられる加熱炉を略示した断面
図である。
【図5】本発明方法で用いられる液圧成形装置を略示し
た断面図である。
【図6】本発明方法で用いられる押出成形装置を略示し
た平面図である。
【図7】本発明方法で用いられる泥漿鋳込装置を略示し
た断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス体 2 多孔質ガラス前駆体層 3 未透明ガラス層 4 多孔質ガラス層 5 透明ガラス層 6 透明ガラス層 11 雰囲気形成室 12 スプレー 13 ガラス旋盤 14 塗布器 15 乾燥器 16 浸漬槽 17 昇降機械 18 成形材料 21 加熱炉 24 炉心管 25 電気ヒータ 31 成形用筒型 32 成形用蓋体 33 成形用蓋体 36 支持筒 39 高圧容器 40 筒体 41 蓋体 42 蓋体 43 成形空間 44 加圧空間 45 成形材料 46 圧力媒体 51 押出機 52 原動機 53 ホッパ 54 一次混練室 55 真空室 56 二次混練室 57 クロスヘッド 58 入口部 59 入口部 60 出口部 61 乾燥器 62 成形材料 71 成形型 72 スラリー注入器 76 成形材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 継男 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 吉田 和昭 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英系の棒または管からなるガラス体の
    外周面上に、石英系のガラス前駆体微粒子のみからなる
    多孔質ガラス前駆体層または石英系のガラス前駆体微粒
    子を含む多孔質ガラス前駆体層を形成し、その後、多孔
    質ガラス前駆体層の外周面上に石英系の多孔質ガラス層
    を設けることを特徴とする石英系ガラス母材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 石英系の棒または管からなるガラス体の
    外周面上に、石英系のガラス前駆体微粒子のみからなる
    多孔質ガラス前駆体層または石英系のガラス前駆体微粒
    子を含む多孔質ガラス前駆体層を形成し、その後、多孔
    質ガラス前駆体層を熱処理して透明ガラス化に至らない
    未透明ガラス層をつくり、その後、未透明ガラス層の外
    周面上に石英系の多孔質ガラス層を設けることを特徴と
    する石英系ガラス母材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013130141A1 (en) * 2011-11-30 2013-09-06 Corning Incorporated Pressed, multilayered silica soot preforms for the manufacture of single sinter step, complex refractive index profile optical fiber
JP2013540681A (ja) * 2010-08-27 2013-11-07 コーニング インコーポレイテッド 光ファイバ被覆クラッディングのためのスートの半径方向加圧

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