JPH0525477A - 投写型陰極線管及び投写型テレビ装置 - Google Patents

投写型陰極線管及び投写型テレビ装置

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Publication number
JPH0525477A
JPH0525477A JP20455491A JP20455491A JPH0525477A JP H0525477 A JPH0525477 A JP H0525477A JP 20455491 A JP20455491 A JP 20455491A JP 20455491 A JP20455491 A JP 20455491A JP H0525477 A JPH0525477 A JP H0525477A
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JP
Japan
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projection
phosphor
cathode ray
ray tube
red
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Application number
JP20455491A
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English (en)
Inventor
Yasukazu Morita
安一 森田
Yasuhiko Uehara
保彦 上原
Nobuhiro Koseki
悦弘 小関
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Y23:Eu蛍光体からなる蛍光膜PHを有
しているにも係わらず、赤色が濃い、しかも、色再現範
囲が広い赤色画像用投写型陰極線管の提供。 【構成】 付活剤のEu濃度が7モル乃至12モル%の
範囲になるように添加したY23:Eu蛍光体を蛍光膜
PHに用いるか、または、付活剤のEu濃度が7モル乃
至10モル%の範囲になるように添加したY23:Eu
蛍光体に、さらに0.1乃至0.5(重量)%の範囲の
顔料を被着させた蛍光体を蛍光膜PHに用い、CIE色
度座標における赤色発光色の色度値が、x≧0.64
5、y≦0.348になるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型陰極線管及び投
写型テレビ(テレビジョン)装置に係り、特に、付活剤
のEu(ユーロピューム)の添加濃度の範囲を特定する
か、あるいは、前記付活剤のEuの添加濃度及び顔料の
被着の割合の範囲を特定することにより、赤色発光蛍光
体の赤色を濃くして、広い色再現範囲を持たせるように
した投写型陰極線管、及び、前記投写型陰極線管からの
赤色画像を他の2つの投写型陰極線管からの緑色画像及
び青色画像とともに映写スクリーンに投写して拡大投写
画像を得るようにした投写型テレビ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、投写型テレビ装置は、明るさ、解
像度等が改善され、その画質が著しく向上し、一般家庭
用においても需要が増大している。
【0003】こうした投写型テレビ装置に用いられてい
る投写型陰極線管、特に、赤色画像用投写型陰極線管に
は、蛍光体としてEuを付活剤としたY23:Eu蛍光
体が使用されている。一方、一般家庭用の直視型テレビ
装置に用いられている陰極線管には、赤色蛍光体として
同じくEuを付活剤としたY22S:Eu蛍光体が使用
されている。
【0004】ところで、前記一般家庭用の直視型テレビ
装置の陰極線管に用いられているY22S:Eu蛍光体
においては、付活剤としてのEu濃度を増大させると、
赤色が濃くなることが知られており、Eu濃度の増大と
ともに赤色のシフト効果は顕著に現れるものである。
【0005】しかるに、前記投写型テレビ装置の赤色画
像用投写型陰極線管に用いられているY23:Eu蛍光
体においては、付活剤としてのEu濃度を増大させて
も、赤色シフト効果が少ないということが当該技術分野
の技術者間における技術常識であった。このため、前記
投写型陰極線管における蛍光体としては、通常、付活剤
としてのEu濃度を約4モル重量%程度に選び、CIE
色度座標における色度値が、x=0.640、y=0.
350近辺の赤色発光色を有するY23:Eu蛍光体が
用いられていた。
【0006】なお、この種の蛍光体として関連するもの
には、例えば、特公昭43−21859号、米国特許第
3,706,666号、特公昭57−354号等が挙げ
られる。
【0007】また、液晶テレビ装置等においては、前記
蛍光体を用いることなく、光フイルタにより色分離を行
っているため、画質の発光色が濃く、色再現範囲が広い
という特徴を有するものであるが、最近、投写型陰極線
管を用いてなる従来の投写型テレビ装置においても、赤
色レンズに色フイルタをコーテイングして赤色を濃くし
た製品が発売されるようになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、以下
に述べるような種々の問題点を有するものである。
【0009】第1に、投写型テレビ装置の赤色画像用投
写型陰極線管に用いられているY23:Eu蛍光体にあ
っては、付活剤としてのEu濃度を増大しただけでは赤
色の濃さを改善することができないという問題点を有す
るものである。
【0010】第2に、前記問題点の解決のために、赤色
レンズに色フイルタをコーテイングして赤色を濃くする
試みもあるが、この手段によればテレビ装置全体のコス
トが高くなってしまうという新たな問題点を有するもの
である。
【0011】第3に、赤色を濃くするためには、一般家
庭用の直視型テレビ装置の陰極線管に用いられている赤
色発光蛍光体Y22S:Euを、投写型陰極線管の蛍光
体に用いることも考えられるが、この蛍光体Y22S:
Euは温度消光(温度が上昇すると輝度が低下する)特
性が大きいため、比較的発熱の大きな投写型陰極線管に
用いると、輝度が不足するという問題点を有するもので
ある。
【0012】本発明は、前記問題点を一挙に解決するた
めに考案されたものであって、その1つの目的は、Y2
3:Eu蛍光体からなる蛍光膜を用いているにも係わ
らず、赤色が濃い、しかも、色再現範囲が広い赤色画像
用投写型陰極線管を提供することにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、前記赤色画像
用投写型陰極線管を用いることにより、色再現範囲が広
く、かつ、安価な投写型テレビ装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記1つの目的を達成す
るために、本発明は、赤色画像用投写型陰極線管に、付
活剤のEu濃度が7モル乃至12モル%の範囲になるよ
うに添加したY23:Eu蛍光体を蛍光膜に用い、CI
E色度座標における赤色発光色の色度値が、x≧0.6
45、y≦0.348になるようにした第1の手段を備
える。
【0015】また、前記1つの目的を達成するために、
本発明は、赤色画像用投写型陰極線管に、付活剤のEu
濃度が7モル乃至10モル%の範囲になるように添加し
たY23:Eu蛍光体に、さらに0.1乃至0.5(重
量)%の範囲の顔料を被着した蛍光体を蛍光膜に用い、
CIE色度座標における赤色発光色の色度値が、x≧
0.645、y≦0.348になるようにした第2の手
段を備える。
【0016】さらに、前記他の目的を達成するため、本
発明は、投写型テレビ装置に、前記赤色画像用投写型陰
極線管を用いた第3の手段を備える。
【0017】
【作用】前述のように、Euを付活剤とした赤色蛍光体
の中で、Y22S:Eu蛍光体については、Eu濃度を
増大させれば赤色が濃くなることが知られているもの
の、Y23:Eu蛍光体については、Eu濃度を増大さ
せても赤色を濃くする効果が少ないとの認識がなされて
いた。
【0018】しかるに、本発明は、Y23:Eu蛍光体
において、改めて、付活剤としてのEu濃度、または、
前記Eu濃度と顔料の被着(コーテイング)の割合に着
目したもので、前記Eu濃度が7モル乃至12モル%の
範囲内になるように添加した蛍光体、または、Eu濃度
が7モル乃至10モル%の範囲内になるように添加した
蛍光体に、さらに0.1乃至0.5(重量)%の範囲内
の顔料を被着した蛍光体をそれぞれ蛍光膜とした赤色画
像用投写型陰極線管を用いて投写型テレビ装置を構成し
たところ、いずれの蛍光体を用いた場合においても、C
IE色度座標における色度値が、赤色の濃さの改善を示
すx≧0.645、y≦0.348を満たしており、そ
の際の輝度も、従来のY23:Eu蛍光体(Eu濃度が
4モル%)が呈する輝度に比べて実用上差し支えない程
度減少するに過ぎないものであることが確認された。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0020】一般に、投写型陰極線管は、映写スクリー
ンより所要距離離間した位置に配置し、投写型陰極線管
のフェースプレートパネル面上の再生画像を映写スクリ
ーン面に投写させて、前記再生画像より拡大された投写
画像を得る、いわゆる映像投写装置に広く用いられてい
る。
【0021】図1は、本発明による投写型陰極線管を用
いた投写型テレビ装置の原理を示す要部側面図である。
【0022】同図において、rPRTは赤色画像用投写
型陰極線管、gPRTは緑色画像用投写型陰極線管、b
PRTは青色画像用投写型陰極線管であり、緑色画像用
投写型陰極線管gPRTの中心軸上には、そのフェース
プレートパネル部PNLに対向して一定距離離間した位
置に映写スクリーンSCが配設されている。また、前記
各々の投写型陰極線管rPRT、gPRT、及びbPR
Tのフェースプレートパネル部PNLの前面側には、こ
れらの中心軸と同一線上に各々投写レンズ系LNSが配
置され、前記投写型陰極線管rPRT、gPRT、及び
bPRTのフェースプレートパネル部PNL上に再生さ
れた単色の画像が各々の投写レンズ系LNSによってそ
れぞれ集光拡大されて前記映写スクリーンSCに投写さ
れ、それぞれ互いに3色が合成された重ね合ったカラー
画像が得られる。
【0023】このような投写型陰極線管を用いた投写型
テレビ装置は、直視型テレビのような映像装置に比較し
て大画面が容易に実現できる。
【0024】投写型テレビ装置としては、民生用の投写
型テレビが普及しているが、これは大画面であるために
テレビセットのコンパクト化(薄型化)が要求されてい
る。
【0025】図2(A)は、本発明による投写型陰極線
管を内蔵した背面投写型テレビ装置の一実施例を示す概
略正面図であり、図2(B)は図2(A)のテレビ装置
を側面から見た断面構造を示す概略図である。
【0026】図2(B)において、投写型陰極線管PR
TはカプラーCPLを介して投写レンズ系LNSが結合
され、それらはテレビセット下方に配置されている。こ
の投写型陰極線管PRTからの再生画像を投写レンズ系
LNSを通して集光拡大させ、テレビセット上方に適当
な角度で設置されたミラーで前記拡大再生画像を反射さ
せることにより、映写スクリーンSC上に投写画像が得
られる。
【0027】このような背面投写を利用した投写型陰極
線管PRT内蔵タイプのテレビは、投写距離をかせぐこ
とができ、テレビセットの奥行きが薄くなり、コンパク
ト化に有利である。
【0028】図3は、本発明による投写型陰極線管の一
実施例を示す図で、上側は要部半断面図、下側は要部半
側面図である。
【0029】同図において、ガラスバルブBLBのネッ
ク部NCKには、電子ビームBEMを放射、制御、加
速、及び集光させる電子銃GUNが収納されており、ガ
ラスバルブBLBのパネル部PNLつまり前面側には、
その内面に単色の蛍光面SRNが被着形成されて、投写
型陰極線管PRTが構成されている。また、ガラスバル
ブBLBのファンネル部FNLの周囲には、電子銃GU
Nから発射された電子ビームBEMを水平、垂直方向に
偏向させるための偏向ヨークDYが取り付けられ、蛍光
面SRN全面を発光させる。さらに、前記偏向ヨークD
Yのネック側に隣接して順次、各色の投写型陰極線管P
RTで再生された画像の色ずれ(ミスコンバーゼンス)
を補正するためのコンバーゼンスヨークCYと、電子ビ
ームBEMのフリースポット位置を調整するセンタリン
グマグネットBCMと、電子ビームBEMの集束を行う
ための電磁レンズMFLを形成するフォーカスマグネッ
トMFMが取り付けられている。この他に、電子銃GU
Nが収納されているネック部NCKの外周には、前記フ
ォーカスマグネットMFMで形成された電磁レンズMF
Lの中心軸と電子ビームBEMの通過軸を補正するため
のビームアライメントマグネットBAMが取り付けられ
ている。
【0030】図4は、本発明による投写型陰極線管の蛍
光面周辺の概略構成図を示す要部断面図である。
【0031】同図において、投写型陰極線管は、ネック
側に所定の曲率で湾曲した内面を有するパネルPNLの
内表面に、順次蛍光体層PH及びメタルバック層MBK
(アルミニウム蒸着膜)を設けたものである。
【0032】ここにおいて、本発明による投写型陰極線
管は、赤色画像用投写型陰極線管の蛍光膜を構成する蛍
光体として、付活剤のEu濃度が7モル乃至12モル%
になるように添加したY23:Eu蛍光体を用いるか、
あるいは、付活剤のEu濃度が7モル乃至10モル%に
なるように添加したY23:Eu蛍光体にさらに0.1
乃至0.5(重量)%の範囲内の顔料を被着した蛍光体
を用い、赤色発光色のCIE色度座標における色度値
が、x≧0.645、y≦0.348になるように構成
したものである。
【0033】以下、Y23:Eu蛍光体において、前記
Eu濃度の範囲及び顔料の被着範囲を選定するに至った
理由を、以下の各図に示す実験例によって説明する。
【0034】図5は、付活剤としてのEu濃度を、従来
のもののように4モル%(No.1)になるように添加
した蛍光体と、新たに、7モル%(No.2)、10モ
ル%(No.3)、12モル%(No.4)、13モル
%(No.5)になるように添加した蛍光体とのCIE
色度座標における色度値(x、y)と、従来の蛍光体
(No.1)の呈する輝度を100とした場合に、前記
No.2乃至No.5の蛍光体の呈する輝度との比率
(輝度比)を表した図であり、図6は、前記No.1乃
至No.5の蛍光体の色度値(x、y)が変化する状態
を点A乃至Eで表している図である。
【0035】図5及び図6に見られるように、付活剤と
してのEu濃度を増大させれば、限られた範囲内におい
ては赤色が濃い方にシフトされることが判明した。一
方、図5に見られるように、Eu濃度を増大させれば、
その増大に伴って輝度比が低下、即ち、発光輝度が次第
に低下することも判明した。
【0036】これらの結果から、色度値(x、y)に着
目すれば、従来の蛍光体(No.1)が呈する色度値x
=0.640、y=0.350に比べて、赤色の濃さの
改善効果が認識できるのは、色度値としてx≧0.64
5、y≦0.348であると見られるから、本発明にお
いては、Eu濃度の最小値を、図5に基づいて色度値が
x≧0.645、y≦0.348の限界値に当たる、7
モル%(No.2)に選定したものである。また、輝度
比に着目すれば、従来の蛍光体(No.1)の輝度に比
べて実用上差し支えない程度の輝度の目安としては、輝
度比70以上であると見られるから、本発明において
は、Eu濃度の最大値を、図5に基づいて、12モル%
(No.4)に選定したものである。
【0037】ここで、例えば、図5のNo.2の蛍光体
からなる蛍光膜を有する投写型陰極線管を製造するに
は、付活剤としてのEu濃度を7モル%になるように添
加したY23:Eu蛍光体を沈降塗布法によりパネルP
NLの内表面に塗膜し、そこに赤色蛍光膜PHを形成し
て、赤色蛍光膜PHを有する投写型陰極線管PRTを構
成させる。そして、この投写型陰極線管PRTを赤色画
像用投写型陰極線管rPRTとして用いれば、例えば、
図2(B)に示すような背面投写型テレビ装置が構成さ
れる。
【0038】ところで、この投写型テレビ装置において
得られる赤色発光色は、図5の(No.2)及び図6の
点Bに示すように、従来のこの種の蛍光体(No.1)
からなる赤色蛍光膜の呈する赤色発光色に比べて、色度
値がxにおいて0.005、yにおいて0.002だけ
濃くなっており、また、当該蛍光体(No.2)による
色再現範囲は従来の蛍光体(No.1)のそれよりも約
3%拡大している。
【0039】次に、図7は、付活剤としてのEu濃度を
4モル%になるように添加した蛍光体、即ち、従来の蛍
光体(図5におけるNo.1)において、顔料を従来の
もののように全く被着させない蛍光体(No.1)と、
顔料をそれぞれ0.1(重量)%(No.2)、0.5
(重量)%(No.3)、1.0(重量)%(No.
4)被着させた蛍光体とのCIE色度座標における色度
値(x、y)と、従来の蛍光体(No.1)の輝度を1
00とした場合に、前記No.2乃至No.4の蛍光体
の呈する輝度との比率(輝度比)を表した図であり、図
8は、前記No.1乃至No.4の蛍光体の色度値
(x、y)が変化する状態を点F(A)乃至Iで表して
いる図である。
【0040】図7及び図8に見られるように、顔料の被
着の割合を増大させれば、同じく限られた範囲内におい
ては赤色が濃い方にシフトされることが判明した。一
方、図7に見られるように、顔料の被着の割合を増大さ
せれば、増大に伴って輝度比が低下、即ち、発光輝度が
低下し、その低下の割合はEu濃度を増大させた場合に
比べてかなり大きくなることも判明した。このため、顔
料の被着の割合の調整によってのみ、蛍光体における赤
色の濃さを改善しようとすることは実際的ではないこと
が判り、本発明においては、以下に述べるように、Eu
濃度を増大させるとともに、顔料の被着の割合を選定
し、それらによる複合効果によって赤色の濃さを改善す
るようにしている。
【0041】ところで、図9は、付活剤としてのEu濃
度を7モル%(図5におけるNo.2)及び10モル%
(図5におけるNo.3)になるように添加した蛍光体
のそれぞれに対して、さらに顔料を0.1(重量)%
(No.1、No.3)及び0.5(重量)%(No.
2、No.4)付着させた蛍光体のCIE色度座標にお
ける色度値(x、y)と、従来の蛍光体(図5における
No.1)の輝度を100とした場合に、前記No.1
乃至No.4の蛍光体の呈する輝度との比率(輝度比)
を表した図であり、図10は、前記No.1乃至No.
4の蛍光体の色度値(x、y)が変化する状態を点J乃
至Mで表している図である。
【0042】図9及び図10に見られるように、付活剤
としてのEu濃度及び顔料の被着の割合をともに増大さ
せれば、同じく限られた範囲内においては赤色が濃い方
にシフトされることが判明した。一方、図9に見られる
ように、Eu濃度及び顔料の被着の割合をともに増大さ
せれば、それらの増大に伴って輝度比が低下、即ち、発
光輝度が低下するが、その低下の割合はEu濃度を増大
させた場合よりも大きいが、顔料の被着の割合を増大さ
せた場合よりも小さくなることも判明した。
【0043】これらの結果から、色度値(x、y)に着
目すれば、前記No.1乃至No.4の蛍光体のいずれ
も、赤色の濃さの改善効果が認識できる色度値であるx
≧0.645、y≦0.348の条件を満たしており、
また、輝度比に着目すれば、前記No.1乃至No.4
の蛍光体のいずれも、実用上差し支えない程度の輝度の
目安である70以上の条件を満たしている。
【0044】この場合、Eu濃度及び顔料の被着の割合
がそれぞれ最も大きいNo.4の蛍光体は、輝度比が前
記輝度の目安の限界ぎりぎりの70であるので、Eu濃
度及び顔料の被着による赤色の濃さの改善の複合効果を
得る場合に、本発明においては、Eu濃度の最大値を1
0モル%に選定し、かつ、顔料の被着の割合の最大値を
0.5(重量)%に選定したものである。
【0045】ここにおいても、例えば、図9のNo.1
の蛍光体からなる蛍光膜を持った投写型陰極線管を製造
するには、付活剤としてのEu濃度を7モル%になるよ
うに添加したY23:Eu蛍光体に、さらに0.1(重
量)%のFe23顔料を被着させた蛍光体を作成し、こ
の蛍光体を前述の製造例の場合と同様に沈降塗布法によ
りパネルPNLの内表面に塗膜し、そこに赤色蛍光膜P
Hを形成して、赤色蛍光膜PHを有する投写型陰極線管
PRTを構成させる。そして、ここでも、この赤色蛍光
膜PHを有する投写型陰極線管PRTを赤色画像用投写
型陰極線管rPRTとして用いれば、例えば、図2
(B)に示すような背面投写型テレビ装置が構成され
る。
【0046】そして、この投写型テレビ装置において得
られる赤色発光色は、図9のNo.1及び図10の点J
に示すように、従来のこの種の蛍光体(図5におけるN
o.1)からなる赤色蛍光膜が呈する赤色発光色に比べ
て、色度値がxにおいて0.01、yにおいて0.00
7だけ濃くなっており、また、前記蛍光体(No.1)
による色再現範囲は従来の蛍光体(図5におけるNo.
1)のそれよりも約7%拡大している。
【0047】次に、例えば、図9のNo.4の蛍光体か
らなる蛍光膜を持った投写型陰極線管を製造するには、
付活剤としてのEu濃度を10モル%になるように添加
したY23:Eu蛍光体に、さらに0.5(重量)%の
Fe23顔料を被着させた蛍光体を作成し、この蛍光体
を前述の製造例の場合と同様に沈降塗布法によりパネル
PNLの内表面に塗膜し、そこに赤色蛍光膜PHを形成
して、赤色蛍光膜PHを有する投写型陰極線管PRTを
構成させる。この場合も、この赤色蛍光膜PHを有する
投写型陰極線管PRTを赤色画像用投写型陰極線管rP
RTとして用いれば、例えば、図2(B)に示すような
背面投写型テレビ装置が構成される。
【0048】この投写型テレビ装置において得られる赤
色発光色は、図9のNo.4及び図10の点Mに示すよ
うに、従来のこの種の蛍光体(図5におけるNo.1)
からなる赤色蛍光膜が呈する赤色発光色に比べ、色度値
がxにおいて0.02、yにおいて0.013だけ濃
く、また、前記蛍光体(No.4)による色再現範囲は
従来の蛍光体(図5におけるNo.1)のそれよりも約
10%拡大している。
【0049】以上の結果を総合すれば、赤色の濃さの改
善に当たって、色度値の0.645≦x≦0.650、
0.348≧y≧0.343はEu濃度の増大による効
果が有効であり、また、色度値のx≧0.650、y≦
0.343は前記複合効果が有効になる。
【0050】以上の実施例の説明は、図3に示すような
全体構成を有し、かつ、図4に示すような構成のフロン
ト部を有する投写型陰極線管に適用した場合についての
ものであるが、本発明はこれらの構成のものに限定され
るものではなく、例えば、他の構成の投写型陰極線管に
も適用できるものである。
【0051】また、投写型テレビ装置の構成について
も、本発明は、図2(B)に示すようなものに適用され
るだけでなく、他の構成のものについても同様に適用で
きるものである。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、赤色画像用投写型陰極
線管に、付活剤のEu濃度が7モル乃至12モル%の範
囲になるように添加したY23:Eu蛍光体を蛍光膜に
用いるか、または、付活剤のEu濃度が7モル乃至10
モル%の範囲になるように添加したY23:Eu蛍光体
にさらに0.1乃至0.5(重量)%の範囲の顔料を被
着させた蛍光体を蛍光膜に用いるようにしたので、これ
らの蛍光膜を持った赤色画像用投写型陰極線管を用いて
なる投写型テレビ装置は、従来のこの種の投写型テレビ
装置よりも、赤色の濃い画像を得ることができ、さら
に、色再現範囲も拡大させることができるという効果が
ある。
【0053】また、本発明によれば、前記赤色画像用投
写型陰極線管を用いてなる投写型テレビ装置に、色シフ
トを行うための赤色コーテイングレンズを使用する必要
がないので、投写型テレビ装置のコストを増大すること
なく、赤色の濃い画像が得られ、かつ、色再現範囲も拡
大できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投写型陰極線管を用いた投写型テ
レビ装置の原理を示す要部側面図である。
【図2】本発明による投写型陰極線管を内蔵した背面投
写型テレビ装置の一実施例を示す概略正面図、及び、そ
の側面の断面構造を示す概略図である。
【図3】本発明による投写型陰極線管の一実施例を示す
図である。
【図4】本発明による投写型陰極線管の蛍光面周辺の概
略を示す要部断面図である。
【図5】Y23:Eu蛍光体のEu濃度を変えた場合
の、Eu濃度と色度値及び輝度比との関係を示す説明図
である。
【図6】図5においてEu濃度を増大した場合の色度値
の変化を示す図である。
【図7】Y23:Eu蛍光体の顔料の被着の割合を変え
た場合の、顔料の被着の割合と色度値及び輝度比との関
係を示す説明図である。
【図8】図7において顔料の被着の割合を増大した場合
の色度値の変化を示す図である。
【図9】Y23:Eu蛍光体のEu濃度及び顔料の被着
の割合を変えた場合の、それらと色度値及び輝度比との
関係を示す説明図である。
【図10】図7においてEu濃度と顔料の被着の割合を
増大させた場合の色度値の変化を示す図である。
【符号の説明】
PRT 投写型陰極線管 rPRT 赤色画像用投写型陰極線管 gPRT 緑色画像用投写型陰極線管 bPRT 青色画像用投写型陰極線管 PNL パネル部 LNS 投写レンズ SC 映写スクリーン BLB ガラスバルブ NCK ネック部 BEM 電子ビーム GUN 電子銃 SRN 蛍光面 FNL ファンネル部 DY 偏向ヨーク CY コンバーゼンスヨーク BCM センタリングマグネット MFL 電磁レンズ MFM フォーカスマグネット BAM ビームアライメントマグネット PH 蛍光体層 MBK メタルバック層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 悦弘 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付活剤のEu濃度が7モル乃至12モル
    %の範囲になるように添加したY23:Eu蛍光体を蛍
    光膜に用い、CIE色度座標における赤色発光色の色度
    値が、x≧0.645、y≦0.348になるようにし
    たことを特徴とする投写型陰極線管。
  2. 【請求項2】 付活剤のEu濃度が7モル乃至10モル
    %の範囲になるように添加したY23:Eu蛍光体に、
    さらに0.1乃至0.5(重量)%の範囲の顔料を被着
    させた蛍光体を蛍光膜に用い、CIE色度座標における
    赤色発光色の色度値が、x≧0.645、y≦0.34
    8になるようにしたことを特徴とする投写型陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記投写型陰極線管を赤色画像用投写型
    陰極線管として用いたことを特徴とする請求項1及び2
    記載の投写型テレビ装置。
JP20455491A 1991-07-22 1991-07-22 投写型陰極線管及び投写型テレビ装置 Pending JPH0525477A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7202594B2 (en) * 2002-12-26 2007-04-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Display device panel with an emitting fluorescent film composed of red fluorescent particles covered with a red pigment

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