JPH0525424A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH0525424A
JPH0525424A JP17972791A JP17972791A JPH0525424A JP H0525424 A JPH0525424 A JP H0525424A JP 17972791 A JP17972791 A JP 17972791A JP 17972791 A JP17972791 A JP 17972791A JP H0525424 A JPH0525424 A JP H0525424A
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JP
Japan
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group
meth
cyclic olefin
acrylate
chemical
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Application number
JP17972791A
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English (en)
Inventor
Keiji Kawamoto
本 圭 司 河
Tadashi Yatoumaru
正 八藤丸
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明に係る塗料用樹脂組成物は、エチレン
と環状オレフィンとを共重合してなる環状オレフィンラ
ンダム共重合体、あるいは該環状オレフィンランダム共
重合体を含む環状オレフィンランダム共重合体組成物上
に塗布される塗料用組成物であって、該組成物が、
(A)多環式(メタ)アクリレートから誘導される繰り
返し単位と、(B)反応性官能基を有するα,β- エチ
レン性不飽和単量体から誘導される繰り返し単位と、
(C)反応性官能基を有さないα,β- エチレン性不飽
和単量体から誘導される繰り返し単位と、からなる共重
合体を含むことを特徴としている。 【効果】 本発明の塗料用樹脂組成物は、環状オレフィ
ンランダム共重合体上にあるいは環状オレフィンランダ
ム共重合体を含む環状オレフィンランダム共重合体組成
物上に、密着性に優れるとともに外観に優れた塗膜を形
成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィンランダム
共重合体あるいは該共重合体を含む環状オレフィンラン
ダム共重合体組成物上に塗布される塗料用樹脂組成物に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】脂環構造を有する樹脂、たとえば
環状オレフィンランダム共重合体あるいは該共重合体を
含む環状オレフィンランダム共重合体組成物は、アクリ
ル系、ウレタン系、メラミン系、アルキッド系などの極
性基を有する塗料組成物との親和性が低い。したがっ
て、通常これらの塗料組成物を用いた場合には、充分に
密着性のある塗膜を上記のような共重合体あるいは組成
物上に形成することは困難であった。
【0003】このため環状オレフィンランダム共重合体
あるいは環状オレフィンランダム共重合体組成物上に塗
膜を形成するには、予じめプライマーを塗布するか、あ
るいは極性化合物で変性した変性物を密着性付与剤とし
て塗料に添加している。しかしながらこれらの方法で
は、プライマー塗布工程が加わることによって塗装コス
トが高くなったり、あるいは塗料コストが高くなったり
するという問題点があった。
【0004】したがって環状オレフィンランダム共重合
体あるいは環状オレフィンランダム共重合体組成物上
に、密着性に優れるとともに外観に優れた塗膜を形成す
ることができる塗料用樹脂組成物の出現が望まれてい
た。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、環状オレフ
ィンランダム共重合体上に、あるいは環状オレフィンラ
ンダム共重合体を含む環状オレフィンランダム共重合体
組成物上に、密着性に優れるとともに外観に優れた塗膜
を形成することができるような塗料用樹脂組成物を提供
することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る塗料用樹脂組成物は、エチ
レンと上記式[I]または[II]で表される環状オレフ
ィンとを共重合してなる環状オレフィンランダム共重合
体、あるいは該環状オレフィンランダム共重合体を含む
環状オレフィンランダム共重合体組成物上に塗布される
塗料用樹脂組成物であって、該組成物が、(A)上記式
[III]で表される多環式(メタ)アクリレートから誘導
される繰り返し単位と、(B)反応性官能基を有する
α,β- エチレン性不飽和単量体から誘導される繰り返
し単位と、(C)反応性官能基を有さないα,β- エチ
レン性不飽和単量体から誘導される繰り返し単位と、か
らなる共重合体を含むことを特徴としている。
【0007】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る塗料用樹脂組成
物について具体的に説明する。本発明に係る塗料用樹脂
組成物を含む塗料は、エチレンと、下記式[I]または
[II]で表される環状オレフィンとを共重合してなる環
状オレフィンランダム共重合体あるいはこの環状オレフ
ィンランダム共重合体を含む環状オレフィンランダム共
重合体組成物上に塗布される。
【0008】
【化4】
【0009】…[I] (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18
a、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
または炭化水素基であり、R15〜R18は、互いに結合し
て単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環ま
たは多環は二重結合を有していてもよく、また、R15
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
していてもよい。) 一般式[II]:
【0010】
【化5】
【0011】…[II] (式中、pは0または1以上の整数であり、qおよびr
は、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(または
6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキ
レン基を介して結合していてもよく、また何の基も介さ
ずに直接結合していてもよい。)このような環状オレフ
ィン系ランダム共重合体のうち、軟化温度(TMA)が
70℃以上である環状オレフィン系ランダム共重合体
(以下環状オレフィン系ランダム共重合体[A]とい
う)が好ましく用いられ、環状オレフィン系ランダム共
重合体[A]は一般式[I]または[II]で示される環
状オレフィン類と、エチレンとを、炭化水素混合溶媒中
あるいは上記環状オレフィンからなる液相中で、該溶媒
に可溶性のバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物
とからなる触媒の存在下に共重合させることより製造す
ることができる。
【0012】なお、上記式[I]において、qが0の場
合は、qを用いて表される環は五員環を形成する。さら
に、上記式[I]において、R15〜R18は互いに結合し
て(共同して)単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよい。
このような単環または多環としては、以下に挙げる単環
または多環を例示することができる。さらに、これらの
環は、メチル基などの置換基を有していてもよい。
【0013】
【化6】
【0014】本発明で用いられる上記式[I]で示され
る環状オレフィンとしては、以下のような化合物および
その誘導体が挙げられる。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】以下にこのような化合物のより具体的な例
を示す。
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】
【化18】
【0028】
【化19】
【0029】
【化20】
【0030】
【化21】
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】
【0034】
【化25】
【0035】
【化26】
【0036】
【化27】
【0037】
【化28】
【0038】上記式[I]で示される環状オレフィン
は、シクロペンタジエン類と対応するオレフィン類とを
ディールス・アルダー反応させることにより容易に製造
することができる。
【0039】この環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]は、上記のようにエチレンおよび前記環状オレフ
ィンを必須成分とするものであるが、該必須の二成分の
他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他
の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよ
い。任意に共重合されていてもよい該不飽和単量体とし
て、具体的には、たとえば生成するランダム共重合体中
のエチレン成分単位と等モル未満の範囲のプロピレン、
1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン,1-ヘキセン,1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サテゼン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原
子数が3〜20のα- オレフィンなどを例示することが
できる。
【0040】上記のような環状オレフィン系ランダム共
重合体[A]では、エチレンに由来する繰り返し単位
(a)は、40〜85モル%、好ましくは50〜75モ
ル%の範囲で存在しており、また該環状オレフィンに由
来する繰り返し単位(b)は15〜60モル%、好まし
くは25〜50モル%の範囲で存在しており、エチレン
に由来する繰り返し単位(a)および該環状オレフィン
に由来する繰り返し単位(b)は、ランダムに実質上線
状に配列している。
【0041】なお、エチレン組成および環状オレフィン
組成は13C−NMRによって測定した。この環状オレ
フィン系ランダム共重合体が実質上線状であり、ゲル状
架橋構造を有していないことは、該共重合体が135℃
のデカリン中に完全に溶解することによって確認でき
る。
【0042】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体[A]の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、0.05〜10dl/g、好ましくは0.0
8〜5dl/gの範囲にある。
【0043】また環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]のサーマル・メカニカル・アナライザーで測定し
た軟化温度(TMA)は、70℃以上、好ましくは90
〜250℃、さらに好ましくは100〜200℃の範囲
にある。
【0044】なお軟化温度(TMA)は、デュポン社製
Thermomechanical Analyser を用いて1mm厚さシートの
熱変形挙動により測定した。すなわちシート上に石英製
針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/分で昇温してい
き、針が0.635mm侵入した温度をTMAとした。
【0045】また、該環状オレフィン系ランダム共重合
体[A]のガラス転移温度(Tg)は、通常50〜23
0℃、好ましくは70〜210℃の範囲にあることが望
ましい。
【0046】また、この環状オレフィン系ランダム共重
合体[A]のX線回析法によって測定した結晶化度は、
0〜10%、好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0
〜5%の範囲である。
【0047】また、本発明では、環状オレフィンランダ
ム共重合体として、上述の式[I]で表わされる環状オ
レフィンが開環重合することにより形成される次式[I
V]で表わされる繰り返し単位を含む重合体もしくは共
重合体を用いることもでき、さらに次式[IV]で表わ
される繰り返し単位を水添することにより形成される次
式[V]で示すような繰り返し単位を含む重合体あるい
は共重合体が含まれていてもよい。
【0048】
【化29】
【0049】…[IV]
【0050】
【化30】
【0051】…[V] ただし、上記式[IV]および[V]において、m、
n、qおよびR1〜R18、RaおよびRbは、前記式
[I]で示される環状オレフィンにおけるm、n、qお
よびR1〜R18、RaおよびRbと同じ意味である。
【0052】本発明で塗料が塗布される環状オレフィン
系ランダム共重合体組成物は、上記の環状オレフィン系
ランダム共重合体[A]に加えて、下記のような重合体
が含まれている。
【0053】このような重合体としては、環状オレフィ
ン系ランダム共重合体に配合しうる重合体ならば特に制
限することなく用いられるが、具体的には以下のような
ものが挙げられる。
【0054】イ)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン・α- オレフィン共重合体などのポリオレフィン。 ロ)少なくとも2種のα- オレフィンから形成される非
晶性ないし低結晶性のα- オレフィン共重合体。
【0055】ハ)少なくとも2種のα- オレフィンと、
少なくとも1種の非共役ジエンから形成されるα- オレ
フィン・ジエン系弾性共重合体。 ニ)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体また
はその水素化物。
【0056】ホ)ナイロンなどのポリアミド。 ヘ)エチレンと、上記式[I]または[II]で表わさ
れる環状オレフィンとの共重合体であって、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10
dl/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未
満である環状オレフィン系ランダム共重合体。
【0057】ト)ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル。 チ)ポリフェニレンエーテルなどの芳香族ポリエーテ
ル。 上記のような軟化点(TMA)が70℃未満である環状
オレフィン系ランダム共重合体[B](i)では、エチ
レンに由来する繰り返し単位(a)は、60〜98モル
%、好ましくは60〜95モル%の範囲で存在してお
り、また該環状オレフィンに由来する繰り返し単位
(b)は2〜40モル%、好ましくは5〜40モル%の
範囲で存在しており、エレチンに由来する繰り返し単位
(a)および該環状オレフィンに由来する繰り返し単位
(b)は、ランダムに実質上線状に配列している。
【0058】これらの重合体と、環状オレフィン系ラン
ダム共重合体とから環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物を調製する際には、これらの重合体あるいは環状
オレフィン系ランダム共重合体の少なくとも一部が変性
されていてもよい。
【0059】次に本発明に係る塗料用樹脂組成物につい
て説明する。この塗料用樹脂組成物は、(A)下記式
[III]で表わされる多環式(メタ)アクリレートか
ら誘導される繰り返し単位と、(B)反応性官能基を有
するα,β- エチレン性不飽和単量体から誘導される繰
り返し単位と、(C)反応性官能基を有さないα,β-
エチレン性不飽和単量体から誘導される繰り返し単位と
からなる共重合体を含んでいる。
【0060】
【化31】
【0061】…[III] [上記式[III]において、mは、0もしくは正の整
数であり、nは、0もしくは1であり、Rは、水素原子
もしくはメチル基であり、R1〜R18は、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
群から選ばれる原子もしくは基であり、R15〜R18は、
互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環は二重結合を有していてもよく、
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよく、さらに、pは0または1
であり、pが1の場合には、RaおよびRbはそれぞれ独
立に、水素原子または炭化水素基である]。
【0062】このような上記式[III]で示される化
合物についてより具体的に説明すると、Rが水素原子で
ある化合物は、アクリレート系化合物であり、Rがメチ
ル基である化合物はメタクリレート系化合物である。本
発明においては、これらアクリレート系化合物およびメ
タクリレート系化合物のいずれをも使用することができ
る。
【0063】さらに、R1〜R18は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基を表わす。ここで炭化水素基
としては、通常は炭素原子数が1〜10の範囲内にある
直鎖状あるいは分岐状の炭化水素基を表す。具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、is
o-ブチル基、tert- ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基
のような脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基のような
脂環族炭化水素基ならびにフイニル基、ベンジル基、ト
リル基エチルフェニル基、イソプロピルフイニル基、α
- ナフチル基およびアントラセニル基のような芳香族炭
化水素基を挙げることができる。またハロゲン原子の例
としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素
原子を挙げることができる。R1〜R1 8は、同一である
必要はなく、異なる基あるいは原子であってもよいこと
は勿論である。
【0064】さらに、R15〜R18は、互いに結合して単
環または多環を形成していてもよい。例えば、R15とR
17とが結合して、全体としてシクロペンチル環あるいは
シクロヘキシル環、さらにこれらの環が複数個連結した
環構造を形成していてもよい。またこれらの単環または
多環は環内に二重結合を有していてもよい。
【0065】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。例えばエチ
リデン基、プロピリデン基等である。さらに、式[II
I]において、pは0または1を表す。そして、pが1
の場合において、RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素
原子または炭化水素基を表す。またpが0の場合には、
それぞれの結合手が結合して5員環を構成する。
【0066】上記式[III]で表される多環式(メ
タ)アクリレート単量体の具体的な例としては、以下に
記載する化合物を挙げることができる。
【0067】
【化32】
【0068】
【化33】
【0069】
【化34】
【0070】
【化35】
【0071】
【化36】
【0072】
【化37】
【0073】
【化38】
【0074】
【化39】
【0075】
【化40】
【0076】
【化41】
【0077】
【化42】
【0078】
【化43】
【0079】
【化44】
【0080】上記のような多環式(メタ)アクリレート
は、例えば、上記式[III]で表される多環式(メ
タ)アクリレートに対応する構造を有する環状オレフィ
ンに蟻酸を反応させて得られた多環式アルコールに、ア
クリル酸あるいはメタクリル酸のような(メタ)アクリ
ル酸類、またはアクリル酸ハライドあるいはメタクリル
酸ハライドのような(メタ)アクリル酸ハライド類を反
応させることにより調製することができる。
【0081】この方法で使用される多環式(メタ)アク
リレートに対応する構造を有する環状オレフィンは、例
えば次式[VI]で表すことができる。
【0082】
【化45】
【0083】…[VI] 但し、上記式[VI]において、R1〜R18、Ra
b、およびm、n、pは、上記式[III]における
これらと同じ意味である。
【0084】次に反応性官能基を有するα,β- エチレ
ン性不飽和単量体について説明する。この反応性官能基
を有するα,β- エチレン性不飽和単量体としては、反
応性官能基を有し、かつ上記式[III]で示される多
環式(メタ)アクリレートと共重合可能であるものであ
れば、特に限定されることなく用いられるが、具体的に
は、以下のような化合物が用いられる。
【0085】2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε
- カプロラクトン(1〜10量体)付加体、2-ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートのε- カプロラクトン
(1〜10量体)付加体等の水酸基含有単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、ビニルグリシジルエーテル等のエポキシ
基含有単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等の
アミド基含有単量体;N-メチルロールアクリルアミド、
N-メチロールメタクリルアミド等のアミノメチロール基
含有単量体;N-メトキシメチルアクリルアミド、N-メト
キシメチルメタクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリ
ルアミド、N-ブトキシメチルメタクリルアミド、メチル
アクリルアミドグリコレートメチルエーテル等のアルキ
ル化アミノメチルエーテル基含有単量体;イソシアネー
トエチル(メタ)アクリレート、m-イソプロペニルα,
α- ジメチルベンジルイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トとのハーフブロック体、1,6-ヘキサメチレンジイソシ
アネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと
のハーフブロック体、トルエンジイソシアネートと2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートとのハーフブロッ
ク体、イソホロンジイソシアネートと2-ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートとのハーフブロック体、1,6-
ヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートとのハーフブロック体、トルエ
ンジイソシアネートと2-ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートとのハーフブロック体等のイソシアネート基
含有単量体;4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-1,3
- ジオキソラン-2- オン、4-(メタ)アクリロイルオキ
シエチル-1,3- ジオキソラン-2- オン等のシクロカーボ
ネート基含有単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)
アクリレート等のアセトアセトキシアルキル基含有単量
体;アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N-t-ブチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート等のアミノ基含有単量体;無水マレイン酸
等の酸無水物基含有単量体;(メタ)アクリル酸とエノ
油脂肪酸グリシジルエステルとのエステル化合物、(メ
タ)アクリル酸と大豆油脂肪酸グリシジルエステルとの
エステル化合物、(メタ)アクリル酸とサフラワー油脂
肪酸グリシジルエステルとのエステル化合物、(メタ)
アクリル酸とアマニ油脂肪酸グリシジルエステルとのエ
ステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートとエノ
油脂肪酸とのエステル化合物、グリシジル(メタ)アク
リレートと大豆油脂肪酸とのエステル化合物、グリシジ
ル(メタ)アクリレートとサフラワー油脂肪酸とのエス
テル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートとアマニ
油脂肪酸とのエステル化合物、メチルグリシジル(メ
タ)アクリレートとエノ油脂肪酸とのエステル化合物、
メチルグリシジル(メタ)アクリレートと大豆油脂肪酸
とのエステル化合物、メチルグリシジル(メタ)アクリ
レートとサフラワー油脂肪酸とのエステル化合物、メチ
ルグリシジル(メタ)アクリレートとアマニ油脂肪酸と
のエステル化合物等の炭素・炭素二重結合基含有単量体
など。
【0086】これらは単独で、あるいは組合せて用いる
ことができる。次に反応性官能基を有さないα,β- エ
チレン性不飽和単量体としては、反応性官能基を有さ
ず、かつ上記式[III]で示される多環式(メタ)ア
クリレートと共重合可能であるものであれば、特に限定
されることなく用いられるが、具体的には、以下のよう
な化合物が用いられる。
【0087】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、
iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)
アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、sec-
ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、スチレン、α- メチルスチレン、p-ビニ
ルトルエン、アクリロニトリルなど。
【0088】これらは単独で、あるいは組合せて用いる
ことができる。本発明に係る塗料用樹脂組成物は、
(A)上記のような式[III]で表される多環式(メ
タ)アクリレートから誘導される繰り返し単位と、
(B)反応性官能基を有するα,β- エチレン性不飽和
単量体から誘導される繰り返し単位と、(C)反応性官
能基を有さないα,β- エチレン性不飽和単量体から誘
導される繰り返し単位とからなる共重合体を含んでいる
が、このような共重合体は、上記のような式[III]
で表される多環式(メタ)アクリレートと、反応性官能
基を有するα,β- エチレン性不飽和単量体と、反応性
官能基を有さないα,β- エチレン性不飽和単量体と
を、ラジカル重合開始剤の存在下、公知のラジカル重合
法、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法
等により重合して製造することができる。
【0089】前記ラジカル重合開始剤としては、例えば
有機過酸化物、アゾ化合物、無機過酸化物等を好ましく
用いることができる。具体的には、例えばベンゾイルペ
ルオキシド、2,4-ジクロルベンゾイルペルオキシド、タ
ーシャリーブチルペルオキシ-2- エチルヘキサノエー
ト、ターシャリーブチルペルオキシベンゾエート、ジク
ミルペルオキシド等のペルオキシド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス-2,4- ジメチルバレロニトリル、
ジメチル-2,2´-アゾビスイソブチレート等のアゾビス
化合物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物およびこれら
の混合物を挙げることができる。
【0090】前記ラジカル重合開始剤は、重合方法、重
合条件、共重合成分の種類等により異なるが、好ましく
は全単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部
の範囲で用いることが望ましく、また重合温度および重
合時間も、使用する単量体の成分組成、反応性および重
合開始剤の種類および使用量により異なるが、通常10
〜150℃にて1〜100時間反応させることが望まし
い。また得られる共重合体の分子量は、重合法により異
なり、特に限定されるものではないが1,000〜1,
000,000であることが好ましい。
【0091】この共重合体においては、(a)多環式
(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位は、
0.1〜95重量%、好ましくは1〜60重量%の量
で、(b)反応性官能基を有するα,β- エチレン性不
飽和単量体から誘導される繰り返し単位は、1〜99重
量%、好ましくは10〜90重量%の量で、(C)反応
性官能基を有さないα,β- エチレン性不飽和単量体か
ら誘導される繰り返し単位は、1〜99重量%、好まし
くは10〜90重量%の量で含まれることが望ましい。
【0092】また本発明において、前記共重合体は、そ
のまま塗料用樹脂組成物成分として用いることもできる
が、さらに化学的修飾することにより導入された反応性
官能基を有する共重合体として用いることもできる。具
体的には、不飽和単量体1分子当たり2個以上のα,β
- エチレン性不飽和基を含有する多官能単量体を併用し
て乳化重合させることにより、内部架橋させた有機微粒
子として用いることもでき、これらはそのまま水系の塗
料に使用したり、あるいは乳化重合体を有機溶媒系に転
換した後、溶剤型塗料の一成分として用いることもでき
る。また、共重合体は一般によく用いられる非水系分散
重合法(NAD法)により有機微粒子化して用いること
もできる。
【0093】本発明の塗料用樹脂組成物は、前記共重合
体と反応し、架橋構造を形成する硬化剤を含有すること
ができる。該硬化剤は、前記共重合体の有する架橋性官
能基の種類により、以下のような化合物より選択するこ
とができる。すなわち、共重合体が水酸基および/また
はカルボキシル基含有共重合体である場合の硬化剤とし
ては、たとえばメラミン、尿素、グリコールウリルとホ
ルムアルデヒドとの縮合化合物等のアミノ化合物等が挙
げられ、具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、
ヘキサn-ブトキシメチルメラミン、ヘキサiso-ブトキシ
メチルメラミン、メトキシ- ブトキシ混合メラミン等の
単該体メラミン- ホルムアルデヒド樹脂およびこれらの
重縮合多該体等、さらにはイソシアネート化合物または
ブロックイソシアネート化合物が挙げられる。具体的に
は、たとえばp-フェニレンジイソシアネート、ビフェニ
ルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、3,3
´-ジメチル-4,4´-ビフェニレンジイソシアネート、1,
4-テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイ
ソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネー
ト)、リジンメチルエステルジイソシネート、ビス(イ
ソシアネートエチル)フマレート、イソホロンジイソシ
アネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、こ
れらイソシアネート化合物のビュレットまたはイソシア
ヌレート体、これら化合物の活性水素含有化合物による
ブロック体およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0094】共重合体がカルボキシル基含有化合物であ
る場合の硬化剤としては、アジリジン化合物またはキレ
ート形成性化合物等が挙げられる。共重合体が、オキシ
ラン基および/またはシクロカーボネート基含有共重合
体である場合の硬化剤としては、ポリアミン、ポリアミ
ド化合物等が挙げられる。具体的には、たとえばエチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテ
トラミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチル
アミノプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン、4,7,10- ト
リオキサトリデカン-1、13- ジアミン、「ビス(3-アミ
ノプロピル)ポリテトラハイドロフラン-750」、「同11
00」、「同2100」、(商品名、BASF社製)、多価ア
ルコールとアクリロニトリルとの反応生成物を還元して
得られるポリアミン、前記ポリアミンとポリカルボン酸
化合物との縮合反応により得られるポリアミド化合物等
が挙げられる。
【0095】共重合体がオキシラン基および/または水
酸基含有共重合体である場合の硬化剤としては、ポリカ
ルボン酸および/または酸無水物が挙げられる。具体的
には、たとえば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、テトラハイドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ無
水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバチ
ン酸、ドデカンジカルボン酸、無水トリメリット酸、無
水ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸が挙げられ
る。
【0096】共重合体がカルボキシル基またはアミノ基
含有共重合体である場合の硬化剤としては、ポリエポキ
シ化合物が挙げられる。具体的には、たとえば「エポミ
ックR130」、「同R140」、「同R301」、
「同R304」(三井石油化学工業株式会社製、商品
名)「エピコート828」、「同834」、「同100
1」、「同1004」(シェル化学(株)製、商品名)
「エピクロン830」、「同840」、「同850」
(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)「エポトー
トYD−115」、「同YD−011」、「同YD−8
124」、「同YDM−120」(東都化成(株)製、
商品名)等が挙げられる。
【0097】本発明において、前記硬化剤の使用量は塗
料組成物の用途により異なり、たとえば本発明の塗料用
樹脂組成物を、熱硬化性塗料とする場合の共重合体およ
び硬化剤の配合割合は、使用する単量体、硬化剤の種類
および所望の用途に要求される物理性能、化学性能によ
り異なり、たとえば共重合体と硬化剤の混合比は95:
5〜50:50の範囲であるのが好ましい。この際硬化
剤の混合比が5未満の場合には、得られる塗膜の架橋密
度が少なすぎ、硬度、耐薬品性、耐溶剤性が充分ではな
く、一方、50を越える場合には、過度の架橋が起きる
ため塗膜が脆くなりすぎ実用的でないので好ましくな
い。また本発明の塗料用樹脂組成物の硬化に要する温度
および時間は配合する共重合体と硬化剤との種類により
異なるが、50℃〜200℃で2分〜1時間の範囲が一
般的である。
【0098】また本発明に用いる共重合体がアミノメチ
ロール基または炭素・炭素二重結合含有共重合体である
場合には、硬化剤は必要でなく、アミノメチロール基含
有共重合体の場合自己硬化型となり、また炭素・炭素二
重結合含有共重合体である場合には、常温乾燥により塗
膜を架橋させることができる。
【0099】本発明の塗料用樹脂組成物は、着色顔料等
を含まないクリヤー塗料あるいは着色顔料、アルミニウ
ム顔料等を含むエナメル塗料やメタリック塗料、さらに
は、使用する溶媒の種類および有無により、有機溶剤型
塗料、水性塗料、粉体塗料のいずれの塗料形態とするこ
とも可能である。さらに本発明の塗料組成物は必要に応
じて、たとえば2-ヒドロキシ-4-n- オクトキシベンゾフ
ェノン、ベンゾトリアゾール置換体等の紫外線吸収剤、
ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の抗酸化剤
や光安定剤、シリコーン樹脂等の表面調整剤、硬化触
媒、流動調整剤等、通常、塗料に用いられる各種添加剤
を配合して用いることができる。また、本発明の塗料用
樹脂組成物の製造方法、塗装方法および乾燥方法は、所
要の用途に応じ、公知の技術を用いて行うことができ
る。
【0100】
【発明の効果】本発明に係る塗料用樹脂組成物を用いれ
ば、特定の構造を有する環状オレフィンランダム共重合
体上あるいはこの環状オレフィンランダム共重合体を含
む環状オレフィンランダム共重合体組成物上に、密着性
に優れるとともに外観にも優れた塗膜を、プライマーを
用いなくとも形成することができる。特に塗料用樹脂組
成物中の共重合体の多環式(メタ)アクリレートから誘
導される繰り返し単位が5重量%未満である場合でも、
密着性および外観に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0101】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお例
中、部は重量部、%は重量%である。
【0102】
【実施例1】 (重合体組成物の調製)13C−NMRで測定したエチレ
ン含量62モル%、MFR260℃7.8g/10分、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]0.61d
l/g、軟化温度(TMA)147℃、Tg136℃の
エチレンと、1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a- オ
クタヒドロナフタレン(以下DMONと略す)とのラン
ダム共重合体のペレット4Kgと、エチレン・プロピレン
ランダム共重合体(エチレン含量80モル%、Tg−5
4℃、MFR230℃0.7g/10分、[η]2.2d
l/g)のペレット0.7Kgとを充分混合した後、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製、PCM45)によりシリン
ダー温度230℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにて
ペレット化した。得られたペレット1Kgに対し、日本油
脂(株)製パーヘキシン25B(商標)を1g、ジビニ
ルベンゼンを3gの割合で添加し、充分混合した。この
混合物を前記の二軸押出機(シリンダー温度230℃)
を用いて溶融状態で反応させ、ペレタイザーにてペレッ
ト化した。
【0103】上記のようにして得られた反応生成物に、
エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体(MFR230
=18g/10分、結晶化度=50%、密度0.92、
弾性率=3000Kg/cm2)のペレット0.47Kgを充
分混合した後、前述の二軸押出機(シリンダー温度23
0℃)を用いて溶融混練し、ペレタイザーにてペレット
化した。得られたペレットを用いて試験片を作成した。 (塗料樹脂組成物の調製)攪拌装置、温度計、還流冷却
器、ガス導入管および滴下ロートを備えたフラスコに酢
酸n-ブチルを149部仕込み、窒素ガス中125℃に昇
温した後、テトラシクロ[4,4,0,12.5
7.10]ドデシル-3- アクリレート(TD−A)4部、
メチルメタアクリレート81g、アクリル酸2.3部、
t-ブチルペルオキシ-2- エチルヘキサノエート(パーブ
チルO)1.0部からなる混合物を2時間かけて滴下し
た。滴下終了後125℃、30分間攪拌した後パーブチ
ルOを0.1g添加し、さらに2時間反応させた。
【0104】次いで反応溶液を100℃まで冷却した
後、脂肪酸誘導体12.7部、ハイドロキノン0.25
部、テトラブチルアンモニウム0.10部からなる混合
物を添加し、125℃まで加熱攪拌した。その後125
℃で溶液の酸価が1以下になるまで反応させた。
【0105】このようにして得られた共重合体溶液12
5部と二酸化チタン40部、キシレン30部、酢酸n-ブ
チル20部、レベリング剤1.0部をペイントシェイカ
ーに仕込み、粒度が10μm以下になるまで分散させ
た。
【0106】上記塗料にシンナー(キシレン/トルエン
/エチルベンゼン=1/1/1重量比)で塗装粘度(フ
ォードカップNo.4、20℃で18秒)に希釈して、一液
型アクリル塗料組成物を調製した。 (塗膜の作成および性能評価)上述した樹脂組成物の試
験片上に、エアスプレーで上記の塗料組成物をプライマ
ーなしで塗装(膜厚20μm)し、室温で5分間放置し
た後、60℃、30分間エアーオーブン中で焼き付け
た。
【0107】試験片上に形成された塗膜を、下記のよう
にして評価した。結果を第1表に示す。
【0108】
【比較例1〜2】市販の一液型アクリル系塗料組成物を
用いて、実施例1と同様にして試験片上に塗膜を形成し
て、実施例1と同様にして評価した。
【0109】結果を第1表に示す。
【0110】
【表1】 第1表 実施例1 市販品1 市販品2 初期密着性 ○ △ × 耐湿性 ○ × × 耐温水性 ○ × × 耐摩耗性 ○ ○ ○ 耐候性 ○ ○ ○ ○:密着性良好 △:密着不足 ×:全面剥離 初期密着性:塗装後2時間放置して碁盤目試験(1mm中
正方碁盤目、テープ剥離)を行った。 耐湿性:50℃、95%相対密度の恒温恒湿槽中に24
0hr放置し、取り出し後1日風乾したのち碁盤目試験を
行った。 耐温水性:40℃の温水中に240hr浸漬し、1日風乾
した後、基盤目試験を行った。 市販品1:一液型アクリル塗料「プラネットPPH−
3」(商品名 PP用、オリジン電気(株)製) 市販品2:一液型アクリル塗料レクラック34M(商品
名 PP用、藤倉化成(株)製)
【0111】
【実施例2】変性環状オレフィン付加重合体である無水
マレイン酸変性樹脂を下記の方法にて調製した。
【0112】実施例1で用いたエチレンとDMONとの
ランダム共重合体のペレット5Kgに、アセトン25gに
溶解させた無水マレイン酸5g、有機過酸化物(日本油
脂(株)製、パーヘキシン25B、商標)0.3gを加
え充分混合した後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、P
CM45)によりシリンダー温度250℃で溶融下反応
を行い、ペレタイザーにてペレット化した。得られた無
水マレイン酸変性樹脂の無水マレイン酸含有量は0.0
7重量%(酸無水基含有量として0.05重量%)であ
った。
【0113】次にポリアミド樹脂(東レ(株)製、6ナ
イロンCM1017、商標)のペレット2.0Kgおよび前記の
方法で調製した無水マレイン酸変性樹脂のペレット2.
0Kgを充分混合した後、二軸押出機(前記と同じ)によ
りシリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタイザ
ーにてペレット化した。
【0114】得られたペレットを用いて前記の方法によ
り試験片を作成した。 (塗料樹脂組成物の調製)実施例1において、攪拌装
置、温度計、還流冷却器、ガス導入管および滴下ロート
を備えたフラスコにキシレンを70部仕込み、窒素ガス
中140℃に昇温した後、テトラシクロ[4,4,0,
2.5,17.10]ドデシル-3- アクリレート(TD−
A)19部、メチルメタアクリレート31部、アクリル
酸1.4部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート13
部、n-ブチルメタクリレート12.4部、2-ヒドロキシ
エチルアクリレート23部、t-ブチルペルオキシ-2- エ
チルヘキサノエート(パーブチルO)5.5部からなる
混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後140℃、
30分間攪拌した後パーブチルOを0.2部添加し、さ
らに2時間反応させた以外は実施例1と同様にして共重
合体溶液を得た。。
【0115】得られた共重合体液83部と二酸化チタン
48部、キシレン5部、酢酸n-ブチル2部、レベリング
剤0.7部をペイントシェイカーに仕込み、粒度が10
μm以下になるまで分散させた。
【0116】上記塗料140部に硬化剤としてイソシア
ネート化合物「コロネートEH」(商品名、日本ポリウ
レタン工業(株)製)を10部加え、シンナー(キシレ
ン/トルエン/エチルベンゼン=1/1/1重量比)で
塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃で18秒)に希
釈して、2液型アクリルウレタン塗料組成物を調製し
た。 (塗膜の作成および性能評価)上述した樹脂組成物の試
験片上に、エアスプレーで上記の塗料組成物をプライマ
ーなしで塗装(膜厚20μm)し、室温で10分間放置
した後、80℃、30分間エアーオーブン中で焼き付け
た。
【0117】試験片上に形成された塗膜を、下記のよう
にして評価した。結果を第2表に示す。
【0118】
【比較例1〜2】市販の2液型アクリルウレタン系塗料
組成物を用いて、実施例2と同様にして試験片上に塗膜
を形成して、実施例1と同様にして評価した。
【0119】結果を第2表に示す。
【0120】
【表2】 第2表 実施例1 市販品3 市販品4 外観 ○ △ △ 初期密着性 ○ △ △ 耐湿性 ○ × × 耐温水性 ○ × × 耐摩耗性 ○ ○ ○ 耐候性 ○ ○ ○ 市販品3:2液型アクリルウレタン塗料「レクラック4
40H」(商品名、藤倉化成(株)製) 市販品4:2液型アクリルウレタン塗料「プラネットP
H−2」(商品名、オリジン電気(株)製)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/18 LCZ 7107−4J

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレンと下記式[I]または[II]
    で表される環状オレフィンとを共重合してなる環状オレ
    フィンランダム共重合体、あるいは該環状オレフィンラ
    ンダム共重合体を含む環状オレフィンランダム共重合体
    組成物上に塗布される塗料用樹脂組成物であって、該組
    成物が、(A)下記式[III]で表される多環式(メ
    タ)アクリレートから誘導される繰り返し単位と、
    (B)反応性官能基を有するα,β- エチレン性不飽和
    単量体から誘導される繰り返し単位と、(C)反応性官
    能基を有さないα,β- エチレン性不飽和単量体から誘
    導される繰り返し単位と、からなる共重合体を含むこと
    を特徴とする塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、qは0または1であり、 R1〜R18、Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有し
    ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい。) 【化2】 [式中、pは0または1以上の整数であり、qおよびr
    は、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立
    に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族
    炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(または
    6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキ
    レン基を介して結合していてもよく、また何の基も介さ
    ずに直接結合していてもよい。] 【化3】 [上記式[III]において、mは、0もしくは正の整数
    であり、nは、0もしくは1であり、Rは、水素原子も
    しくはメチル基であり、R1〜R18は、それぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子もしくは基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有し
    ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよく、 さらに、pは0または1であり、pが1の場合には、R
    aおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子または炭化水素
    基である]。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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