JPH05254046A - 植毛積層シート - Google Patents

植毛積層シート

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JPH05254046A
JPH05254046A JP5375892A JP5375892A JPH05254046A JP H05254046 A JPH05254046 A JP H05254046A JP 5375892 A JP5375892 A JP 5375892A JP 5375892 A JP5375892 A JP 5375892A JP H05254046 A JPH05254046 A JP H05254046A
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flocked
propylene
film
main layer
resin
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JP5375892A
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Seiichi Kobayashi
誠一 小林
Hiromichi Kondo
博道 近藤
Koichi Maki
孝一 牧
Yasuo Fujie
康雄 藤江
Hisashi Sonoda
久 薗田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
L PACKAGE KK
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、廃棄物公害もなく、フィルムと接
着剤との接着強度に優れ、短繊維の剥離、脱落もなく、
植毛密度が高く、植毛ムラがなく、外観優美にして風
合、触感が良好であり、主層のシートと植毛フィルムと
の接着性が良好であり、かつ剛性に優れた、文具、時
計、万年筆、宝石、洋酒等の化粧箱の内装材として好適
な植毛積層シートを提供することにある。 【構成】 メルトフローレートが0.01〜5g/10
分であるプロピレン系樹脂30〜90重量%と無機充填
剤10〜70重量%からなる無機充填剤含有プロピレン
系樹脂を主層とし、該主層の表面に、無延伸状のプロピ
レン系樹脂製フィルムの表面をコロナ放電処理し、処理
面に接着剤を介して短繊維が植毛されている植毛フィル
ムを貼合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物公害もなく、フ
ィルムと接着剤との接着強度に優れ、短繊維の剥離、脱
落もなく、植毛密度が高く、植毛ムラがなく、外観優美
にして風合、触感が良好であり、主層のシートと植毛フ
ィルムとの接着性が良好であり、かつ剛性に優れた、文
具、時計、万年筆、宝石、洋酒等の化粧箱の内装材とし
て好適な植毛積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、文具、時計、万年筆、宝石、洋酒
等の化粧箱の内装材として各種のものが使用されてい
る。このような内装材としては、例えばボール紙の表面
にベルベット等の布地を貼付けたものや、塩化ビニル系
樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、プロピレン系樹脂
等の熱可塑性樹脂シートの表面に、短繊維を植毛加工し
たもの等が利用されていた。しかし、いずれの材料にも
一長一短があり、用途によって使用上の制限を受けるこ
とが多い。
【0003】例えば、ボール紙の表面にベルベット等の
布地を貼付けたものは、手内職で作製していたため能率
が悪く、納期の点で問題があったり、品質のバラツキが
あり、高級感に劣る欠点があった。
【0004】塩化ビニル系樹脂を基材とする植毛シート
は透明性、剛性については優れているが、廃棄物公害に
おいて問題があり、スチレン系樹脂を基材とする植毛シ
ートは耐熱性、耐薬品性に弱点がある。また、ABS樹
脂を基材とする植毛シートは価格が高く、それぞれ用途
が限定されている。さらに、プロピレン系樹脂を基材と
する植毛シートは廃棄物公害の問題が少なく、耐熱性お
よび耐薬品性が優れ、かつ安価である長所はあるが、し
かし塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂およびABS樹
脂をそれぞれ基材とする植毛シートに比較して剛性が低
いという短所を有し、かつ植毛された短繊維の密着性が
悪く、剥離、脱落するという欠点があり、常に良い植毛
シートを得ることが困難であった。
【0005】従って、当業界においては、廃棄物公害が
なく、剛性に優れ、しかも品質の均一な植毛シートが強
く要望されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プロピレン
系樹脂が有する特性を発揮しつつ、剛性に優れ、均一に
植毛された成形性の良好なプロピレン系樹脂製植毛積層
シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために種々検討した結果、特定の無機充填剤
を含有するプロピレン系樹脂を主層とし、該主層の表面
にプロピレン系樹脂製の植毛フィルムを貼合させた植毛
積層シートが、廃棄物公害もなく、短繊維の剥離、脱落
もなく、植毛密度が高く、植毛ムラがなく、外観優美に
して風合、触感が良好であり、主層と植毛フィルムとの
接着性が良好であり、かつ剛性に優れていることを見出
し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、メルトフローレート
が0.01〜5g/10分であるプロピレン系樹脂30
〜90重量%と無機充填剤10〜70重量%からなる無
機充填剤含有プロピレン系樹脂を主層とし、該主層の表
面に無延伸状のプロピレン系樹脂製フィルムの表面に接
着剤を介して短繊維が植毛されている植毛フィルムが貼
合されていることを特徴とする植毛積層シートに関す
る。
【0009】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の主層を製造するために使用されるプロピレ
ン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体ならびにプ
ロピレンとエチレンおよび/もしくは炭素数が多くとも
12個の他のα−オレフィンとのランダムまたはブロッ
ク共重合体(エチレンおよび他のα−オレフィンの共重
合割合は合計量として多くとも30重量%)があげられ
る。これらのプロピレン系樹脂のメルトフローレート
(JIS K−6785に準拠して測定、以下MFRと
いう)は一般には0.01〜5g/10分であり、0.
05〜4g/10分のものが望ましく、とりわけ0.1〜
4g/10分のプロピレン系樹脂が好適である。MFR
が0.01g/10分未満のプロピレン系樹脂を用いる
と、シートの成形性が悪く、良好なシートを得ることが
困難である。一方、5g/10分を越えたプロピレン系
樹脂を使用するならば、熱成形時にドローダウンが大き
く、良好な植毛積層シートが得られない。
【0010】これらのプロピレン系樹脂は、遷移金属化
合物(たとえば、チタン系化合物または遷移金属化合
物)を担体(たとえば、マグネシウム系化合物、その処
理物)に担持させることによって得られる担体担持型触
媒と有機金属化合物(たとえば、有機アルミニウム化合
物)から得られる触媒系(いわゆるチーグラー・ナッタ
触媒)の存在下でプロピレンを単独重合またはプロピレ
ンとエチレンおよび/もしくは前記の他のα−オレフィ
ンとをランダムあるいはブロック共重合させることによ
って得られる。
【0011】また、本発明の主層を製造するために使わ
れる無機充填剤は、一般に合成樹脂およびゴムの分野に
おいて広く使われているものである。これらの無機充填
剤としては、酸素および水と反応しない無機化合物であ
り、混練時および成形時において分解しないものが好ん
で用いられる。このような無機充填剤としては、アルミ
ニウム、銅、鉄、鉛およびニッケルのごとき金属、これ
らの金属およびマグネシウム、カルシウム、バリウム、
亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモ
ン、チタン等の金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、
硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複
塩ならびにこれらの混合物に大別される。無機充填剤の
代表例としては、前記の金属、酸化アルミニウム(アル
ミナ)、その水和物、水酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜
鉛華)、鉛丹および鉛白のごとき鉛の酸化物、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、
ホワイトカーボン、アスベスト、マイカ、タルク、ガラ
ス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、硅藻土、
シリカ、ワラストナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸
化チタン(チタニア)、リトポン、軽石粉、硫酸アルミ
ニウム(石膏等)、硅酸ジルコニウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデンおよ
び砂鉄があげられる。これらの無機充填剤のうち、粉末
状のものはその径が30ミクロン以下(好適には10ミ
クロン以下)のものが好ましい。また繊維状のもので
は、径が1〜500ミクロン(好適には1〜300ミク
ロン)であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜
5mm)のものが望ましい。さらに、平板状のものは径が
30ミクロン以下(好適には10ミクロン以下)のものが
好ましい。これらの無機充填剤のうち、特に平板状(フ
レーク状)のものおよび粉末状のものが好適である。
【0012】本発明の無機充填剤含有プロピレン系樹脂
は前記のプロピレン系樹脂と無機充填剤とを均一に混合
させることによって製造することができる。無機充填剤
含有プロピレン系樹脂中に占める無機充填剤の組成割合
(含有割合)は10〜70重量%であり、15〜70重
量%が望ましく、とりわけ20〜70重量%が好適であ
る。無機充填剤含有プロピレン系樹脂中に占める無機充
填剤の組成割合が10重量%未満では、得られる植毛積
層シートの剛性が不足する。一方、70重量%を越える
と、得られる植毛積層シートの耐衝撃性の低下が著し
く、実用に適しない植毛積層シートしか得られない。
【0013】さらに、全組成物に多くとも50重量%の
密度が0.810〜0.975g/cm3 のエチレン系樹
脂を配合させてもよい。
【0014】本発明の無機充填剤含有プロピレン系樹脂
を製造するにあたり、プロピレン系樹脂および無機充填
剤を均一に混合することによって目的を達成することが
できる。すなわち、本発明の組成物はポリオレフィンの
業界において一般に使われているヘンシェルミキサーの
ごとき混合機を用いてドライブレンドしてもよく、バン
バリーミキサー、ニーダー、ロールミルおよびスクリュ
ー式押出機のごとき混合機を使用して溶融混練すること
によって得ることができる。この際、あらかじめドライ
ブレンドし、得られる組成物(混合物)を溶融混練する
ことによって均一状の組成物を得ることができる。この
場合、一般には溶融混練した後、ペレット状物に成形
し、後記の成形に供する。
【0015】さらに、本発明の組成物を製造するとき、
全組成成分を同時に混合してもよい。また、それらのう
ち一部をあらかじめ混合してマスターバッチを作製し、
得られた組成物(マスターバッチ)に残りの組成成分を混
合してもよい。要するに、本発明の組成物を製造するに
は、全組成成分の前記の組成割合になるように、かつ均
一状になるようにすれば、目的を達成することができ
る。
【0016】一方、プロピレン系樹脂製フィルムを製造
するために用いられるプロピレン系樹脂はMFRを除
き、前記の主層の製造に使用されたプロピレンの単独重
合体および/またはランダムもしくはブロック共重合体
と同種のものである。このプロピレン系樹脂のMFRは
通常0.01〜20g/10分であり、0.05〜15g
/10分が望ましく、とりわけ1〜10g/10分が好
適である。MFRが0.01g/10分未満のプロピレ
ン系樹脂を用いると、成形性がよくない。一方、20g
/10分を越えたプロピレン系樹脂を使用するならば、
成形性が悪く、良好なフィルムを製造することができな
い。
【0017】プロピレン系樹脂製フィルムを製造する際
には、プロピレン系樹脂製フィルムの剛性を向上させる
ためにプロピレン系樹脂に無機充填剤を配合してもよ
い。使用する無機充填剤の種類およびその使用量は、前
記の主層の製造に使用されるものと同じである。混合方
法は、前記の主層の組成物を製造する方法と同様であ
る。
【0018】このプロピレン系樹脂は後記の添加剤を前
記のような混合方法によって添加させて組成物として使
ってもよい。
【0019】さらに、全組成物に多くとも50重量%の
密度が0.910〜0.975g/cm3 のエチレン系樹
脂を配合させてもよい。
【0020】前記の主層の無機充填剤含有プロピレン系
樹脂でも、このフィルムを製造するための基材となるプ
ロピレン系樹脂および無機充填剤含有プロピレン系樹脂
でも、要望によってオレフィン系樹脂の分野に一般に使
われている熱、光(紫外線)および酸素に対する安定剤、
難燃化剤、滑剤、加工性改良剤ならびに帯電防止剤のご
とき添加剤を前記の効果(特徴)をそこなわない範囲なら
ば添加(配合)してもよい。
【0021】本発明の主層を構成する無機充填剤含有プ
ロピレン系樹脂は後記の成形方法によってシートに成形
される。また、プロピレン系樹脂製フィルムは後記のご
とくフィルムに成形される。
【0022】主層である無機充填剤含有プロピレン系樹
脂のシートを製造する場合でも、プロピレン系樹脂製フ
ィルムを製造する場合でも、一般のオレフィン系樹脂の
分野において実施されている成形方法を適用すればよ
い。この成形方法の代表例としては、Tダイ法、インフ
レーション法およびカレンダー法があげられる。
【0023】プロピレン系樹脂から成形されたフィルム
は、無延伸状であることが必要であり、その厚さは、1
0〜200ミクロン、特に20〜100ミクロンである
ことが好ましい。延伸したプロピレン系樹脂製フィルム
を使用した場合は、実用的な植毛フィルムが得られるも
のの、得られた植毛フィルムを主層である無機充填剤含
有プロピレン系樹脂のシートに溶融または加熱貼合でき
ないという難点を有する。プロピレン系樹脂製フィルム
の厚さが10ミクロン未満では、植毛時の幅出しが困難
であり、そのためラインにフィルムが真直ぐ入らなくな
り、そのうちシワの発生、折曲り等が発生し、連続作業
ができなくなる。また厚さが200ミクロンを超える
と、植毛フィルムとシートの接着性が低下する。
【0024】無延伸状のプロピレン系樹脂製フィルムま
たは無機充填剤を含有する無延伸状のプロピレン系樹脂
製フィルムは、接着剤との接着性を向上させるために、
プロピレン系樹脂製フィルムの表面をあらかじめ化学的
処理、機械的処理、電気的処理等の表面処理を行っても
よい。代表的な表面処理方法としては、コロナ放電処
理、プラズマ処理、電子線処理等があげられる。
【0025】本発明において、フィルムに短繊維を植毛
するために使用される接着剤としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−
アクリル酸エステル三元共重合体エマルジョン、アクリ
ル酸エステル共重合体エマルジョン、スチレン−アクリ
ル酸エステル多元共重合体エマルジョン等が好ましい。
接着剤の塗布量は、固形分が56%のエマルジョンとし
て50〜300g/m2が好ましい。
【0026】無延伸状のプロピレン系樹脂製フィルムの
表面に接着剤を塗布する方法には特に制限はなく、ロー
ル法、ブラシ法、ドクターナイフ法、スプレー法、フロ
ーコーター法等があげられる。
【0027】本発明において使用される植毛用短繊維と
しては、天然繊維、合成繊維、再生繊維等からなる短繊
維があげられ、代表的にはレーヨン、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ナイロン等からなる短繊維があげられ
る。短繊維の太さは、0.5〜3デニールの範囲が好ま
しい。また、短繊維の長さは、0.3〜1.5mmの範囲が
好ましい。
【0028】短繊維を接着剤面に植毛する方法は特に限
定するものではなく、通常の植毛方法、例えば静電植毛
法、振動式植毛法、撒布植毛法等が使用される。これら
の植毛方法の中で静電植毛法が短繊維が立ち易いので好
ましい。
【0029】短繊維の植毛量は、植毛フィルムの用途に
よって適宜選択すればよいが、通常は30〜150g/
2である。
【0030】本発明の植毛積層シートを製造するには、
まず以上のようにして製造された主層を構成する無機充
填剤含有プロピレン系樹脂のシートとプロピレン系樹脂
の植毛フィルムとを積層する。この積層方法は、一般に
合成樹脂の分野において実施されているシートまたはフ
ィルムを積層させている方法を適用すればよい。代表的
な積層方法としては、ドライラミネート法および押出ラ
ミネート法があげられる。この植毛積層シートを製造す
る際、あらかじめシートおよびフィルムを前記の方法に
よって製造し、それらを積層してもよい。また、これら
のうち植毛フィルムをあらかじめ成形し、シートを製造
しながら植毛積層シートを製造してもよい。
【0031】このようにして製造された植毛積層シート
の厚さは通常0.1〜5.0mmであり、0.2〜4.0
mmが望ましく、とりわけ0.3〜2.5mmが好適であ
る。シートの厚さが0.1mm未満では、剛性が不足して
成形品を製造することができない。一方、5.0mmを越
えると、植毛積層シートから成形品を製造することが困
難であり、良好な成形品を得ることができない。植毛積
層シートの主層の厚さと植毛フィルムの厚さの比率は、
主層の厚さをA、植毛フィルムの厚さをBとすると、B
/Aは1.0以下であることが好ましい。
【0032】以上の溶融混練の場合でも、無機充填剤含
有プロピレン系樹脂のシートおよびプロピレン系樹脂の
フィルムを製造する場合でも、さらにこれらからなる植
毛積層シートを製造する場合でも、いずれも使われるプ
ロピレン系樹脂の融点以上の温度であるが、プロピレン
系樹脂が劣化しない温度で実施しなければならない。こ
れらのことから、いずれの場合でも140℃ないし30
0℃の温度範囲で実施しなければならない。
【0033】本発明の方法によって得られた植毛積層シ
ートは、真空成形法、圧空成形法等の各種成形法によっ
て成形することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0035】実施例1主層を形成する無機充填剤含有プロピレン系樹脂の製造 MFRが0.5g/10分であるプロピレン単独重合体
70重量%と平均粒径が0.1ミクロンの炭酸カルシウ
ム30重量%とをヘンシェルミキサーでドライブレンド
した。得られた混合物をベント付押出機(径85mm)を
用いて230℃でペレット化した。
【0036】植毛フィルムの製造 MFRが7g/10分のプロピレン−エチレンランダム
共重合体(エチレン含有量4重量%)80重量%と炭酸
カルシウム20重量%からなる組成物から成形した厚さ
30ミクロンの無延伸状のフィルムの表面をコロナ放電
処理(コロナ処理強度38dyen)し、処理面に、エチレ
ン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体(共重合
比15:80:15)エマルジョン(固形分56%)を
ドクターナイフ法で150g/m2塗布した。次いで、こ
の接着剤上に太さが1.5デニール、長さが0.6mmの
レーヨン繊維を静電圧4万ボルトでダウン方式により静
電植毛した後、70℃で7分間乾燥して植毛フィルムを
得た。得られた植毛フィルムは、フィルムと接着剤との
接着強度に優れており、180度剥離強度(kg/3cm)
は、0.55であった。また、植毛フィルムは、レーヨ
ン繊維の剥離、脱落もなく、植毛密度が高く、植毛ムラ
も認められなかった。
【0037】前記のようにして製造した主層を形成する
ペレットをT−ダイをそなえた押出機(径65mm)を使
用して樹脂温度が240℃において押出し、ロール圧着
方式でシートの成形を行なった。この際、圧着ロールの
入口で前記の植毛フィルムを合流させ、ロールの熱圧力
で主層を形成するシートに熱ラミネートさせ、4mmの厚
さを有する植毛積層シート(幅300mm)を製造した。
ASTM D−747に準拠して測定した植毛積層シー
トの剛性は15,000kg/cm2であった。
【0038】この植毛積層シートを真空成形してライタ
ー用化粧箱中皿に成形したところ、その角部における植
毛積層シートの破れもなく、植毛ムラがなく、高級感を
もった中皿が得られた。
【0039】実施例2植毛フィルムの製造 MFRが1.5g/10分のプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(エチレン含量10重量%)から形成され
た厚さ30ミクロンのフィルムの表面をコロナ放電処理
(コロナ処理強度40dyen)した無延伸状のフィルムの
処理面に、実施例1と同様のエチレン−酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体エマルジョンをドクターナイ
フ法で150g/m2塗布した。以下、実施例1と同様に
してレーヨン繊維を静電植毛して、植毛フィルムを得
た。得られた植毛フィルムは、フィルムと接着剤との接
着強度に優れており、180度剥離強度(kg/3cm)
は、0.51であった。また、植毛フィルムは、レーヨ
ン繊維の剥離、脱落もなく、植毛密度が高く、植毛ムラ
もなく、外観優美にして、風合、触感が良好であった。
【0040】実施例1で製造した主層を形成するペレッ
トをT−ダイをそなえた押出機(径65mm)を使用して
樹脂温度が240℃において押出し、ロール圧着方式で
シートの成形を行なった。この際、圧着ロールの入口で
前記の植毛フィルムを合流させ、ロールの熱圧力で主層
を形成するシートに熱ラミネートさせ、4mmの厚さを有
する植毛積層シート(幅300mm)を製造した。ASTM
D−747に準拠して測定した植毛積層シートの剛性
は15,000kg/cm2であった。
【0041】この植毛積層シートを真空成形してライタ
ー用化粧箱中皿に成形したところ、その角部における植
毛積層シートの破れもなく、植毛ムラがなく、高級感を
もった中皿が得られた。
【0042】実施例3植毛フィルムの製造 実施例2で用いたと同様のプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体85重量%と炭酸カルシウム15重量%から
なる組成物から作製したフィルムをコロナ放電処理(コ
ロナ処理強度38dyen)して得られた厚さ50ミクロン
の無延伸状のフィルムの処理面に、実施例1と同様のエ
チレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマ
ルジョンをドクターナイフ法で150g/m2塗布した。
以下、実施例1と同様な方式でレーヨン繊維を静電植毛
し、植毛フィルムを得た。得られた植毛フィルムは、フ
ィルムと接着剤との接着強度に優れ、180度剥離強度
(kg/3cm)は、0.58であった。また、植毛フィル
ムは、レーヨン繊維の剥離、脱落もなく、植毛密度が高
く、植毛ムラも皆無であり、高級感のある外観を呈して
いた。
【0043】実施例1で製造した主層を形成するペレッ
トをT−ダイをそなえた押出機(径65mm)を使用して
樹脂温度が240℃において押出し、ロール圧着方式で
シートの成形を行なった。この際、圧着ロールの入口で
前記の植毛フィルムを合流させ、ロールの熱圧力で主層
を形成するシートに熱ラミネートさせ、4mmの厚さを有
する植毛積層シート(幅300mm)を製造した。AST
M D−747に準拠して測定した植毛積層シートの剛
性は15,000kg/cm2であった。
【0044】この植毛積層シートを真空成形してライタ
ー用化粧箱中皿に成形したところ、その角部における植
毛積層シートの破れもなく、植毛ムラがなく、高級感を
もった中皿が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明により得られた植毛積層シート
は、廃棄物公害もなく、短繊維の剥離、脱落もなく、植
毛密度が高く、植毛ムラがなく、外観優美にして風合、
触感が良好であり、主層シートと植毛フィルムとの接着
性が良好であり、かつ剛性に優れており、これを成形し
た場合、その角部における破れもなく、高級感をもった
成形品を提供できるものである。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 博道 福岡県福岡市東区東浜二丁目7番75号 株 式会社エルパッケージ内 (72)発明者 牧 孝一 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電工 株式会社大分工場内 (72)発明者 藤江 康雄 神奈川県茅ヶ崎市浜見平16−2−508 (72)発明者 薗田 久 埼玉県浦和市大谷口1105−6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが0.01〜5g/
    10分であるプロピレン系樹脂30〜90重量%と無機
    充填剤10〜70重量%からなる無機充填剤含有プロピ
    レン系樹脂を主層とし、該主層の表面に、無延伸状のプ
    ロピレン系樹脂製フィルムの表面に接着剤を介して短繊
    維が植毛されている植毛フィルムが貼合されていること
    を特徴とする植毛積層シート。
  2. 【請求項2】 植毛フィルムが無機充填剤を含有する無
    延伸状のプロピレン系樹脂製フィルムの表面に、接着剤
    を介して短繊維が植毛されたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の植毛積層シート。
  3. 【請求項3】 無延伸状のプロピレン系樹脂製フィルム
    が表面処理されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の植毛積層シート。
JP5375892A 1992-03-12 1992-03-12 植毛積層シート Pending JPH05254046A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2324156A1 (en) 2008-08-11 2011-05-25 Philip Morris Products S.A. Container with tactile surface

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