JPH0525001A - 血清不含有医療用溶液および眼組織の品質を高める方法 - Google Patents

血清不含有医療用溶液および眼組織の品質を高める方法

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JPH0525001A
JPH0525001A JP3167243A JP16724391A JPH0525001A JP H0525001 A JPH0525001 A JP H0525001A JP 3167243 A JP3167243 A JP 3167243A JP 16724391 A JP16724391 A JP 16724391A JP H0525001 A JPH0525001 A JP H0525001A
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L Lyndstrom Richard
エル.リンドストローム リチヤード
Skelnick Debra
スケルニツク デブラ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】角膜の移植を受ける際に、角膜を提供者から摘
出してから患者に移植するまでの低温状態の保存期間中
に、正常な生理代謝と角膜の脱腫張を維持することによ
り角膜組織の生存力を強化すると共に、角膜組織を新鮮
な組織状態で維持期間を延長することを目的とする。 【構成】提供者からの移植角膜組織の摘出から患者への
移植に至るまでの期間、低温状態でヒト角膜組織を保存
し、且つ劣化を防止するための血清不含有医療用溶液お
よび眼組織の品質を高める方法であり、該血清不含有医
療用溶液は、水性栄養素および電解液、グリコサミノグ
リカン、脱腫張剤、緩衝剤、エネルギ源、抗酸化剤成長
因子からなり、少なくとも一種類以上の成長因子を含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用栄養水溶液中で
の眼組織の保存に関し、一層詳細には、提供者からの移
植角膜組織の摘出から移植に至るまでの期間、ヒト角膜
組織を保存し、且つ劣化を防止するための血清不含有医
療用溶液および眼組織の品質を高める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの角膜疾患の患者にとって、角膜移
植は視力回復に有効な方法である。この方法は広く受け
入れられているが、疾患の治癒率は、移植角膜組織の有
効性不適合によって例外なく著しく妨げられている。こ
の問題は、保存溶液の緊急開発を促し、MKTM−保存媒
体および硫酸コンドロイチン含有媒体の開発がなされ、
移植角膜組織の品質の有効性に良好な影響を与えた。
【0003】この分野では、提供された角膜の保存時間
を延長し、移植の成功の大きな要因となる生存内皮を保
存するという観点のもとに研究が続行されている。今日
の技術では、通常の室温では、角膜組織を2〜3日以上
適性な状態で保存することはできないが、4℃では、1
4日未満までの角膜保存が報告されている。角膜基質の
腫張が増加することによって理解されるように、角膜を
96時間以上保存すると上皮破壊および角膜の透明度の
喪失が起こる。この基質浮腫は角膜内皮(角膜基質を裏
打ちする特別な細胞層)の障害物ポンプ機能の維持が低
下するためである。
【0004】角膜保存後の浮腫と維持された角膜の脱腫
張の機能的状態は臨床的に非常に重要であり、そして外
科手術の結果の正否に直接影響を与える。角膜の透明度
を維持するためには、相対的に脱水状態を維持すること
が角膜の有効性にとって重要である。角膜の脱腫張は、
基本的に内皮細胞によって行われるエネルギ依存現象で
ある。角膜を生存状態にしておくには、高レベルのAT
Pによって維持されたエネルギ依存機能を保持するため
に種々の酵素反応を行う必要がある。
【0005】角膜の4℃保存法では、低温のもたらす作
用により角膜の代謝速度を遅延化するものの、この遅延
化を実現するために、保存用媒体は角膜の基本的要求を
満たすものでなければならない。従って、角膜保存媒体
は、均衡のとれた塩、アミノ酸、エネルギ源、抗酸化
剤、緩衝剤、膜安定剤、グリコサミノグリカン、脱腫張
剤および抗生物質の複雑な混合物となる。温度を低下さ
せることは膜脂質、蛋白質および水の構造を変化させ
る。なお、それぞれのものは、能動拡散、担体−気体相
互作用およびカップリング関係の容易性を妨げることに
よって能動輸送機構を変えることができる。このように
形態学的および生科学的変化と膜機能の障害は、低代謝
速度と非常に大きな因果関係があると考えられる。従っ
て、イオンおよびアミノ酸組成、炭酸水素塩平衡、利用
可能なエネルギ源、溶解酸素レベル、浸透圧モル濃度お
よびpH等の生理学的パラメータのしっかりした評価を
各保存媒体について行う必要がある。角膜の4℃保存法
に関するパラメータは、保存中に受ける細胞劣化の回復
力について定義される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヒト角膜内
皮の再生力には限度があり、有糸分裂像はin viv
oでは滅多に観察されない。in vivoでのヒト角
膜内皮は、通常、細胞移動によって損傷部位へ移動して
外傷に対応する。しかしながら、in vivoにおけ
る内皮細胞有糸分裂は、ウナギ、ネコおよび霊長類で示
されている。細胞培養では、有糸分裂はヒト角膜内皮で
観察されている。In vitroにおける角膜の寒冷
損傷および機械損傷後のオートラジオブラフィーチミジ
ン摂取に関する研究は単相内皮での有糸分裂像の存在を
証明している。外科手術による外傷および疾患は内皮細
胞の損失を促進し、さらに角膜を傷つける。このように
角膜内皮の長期保存および強化は眼組織のアイバンクで
の保存のために非常に重要な点である。
【0007】角膜組織の保存および取り扱いに係る組織
概論は、Corneal Surgery 、1−4章、1−128頁
[医学博士 フェデリック S.ブライトビル(Federic
k S.Brightbill, M. D. 編集)、C. V. モスビー
社(C. V. Mosby Company )、ミズーリ州セントルイ
ス市、1986年]に記載されている。種々の保存媒体
および方法が提案され、そして最近の研究は、ドナーか
ら組織を摘出して移植するまでの間ドナー組織の品質を
維持し且つ劣化を阻止することにより角膜組織の保存期
間を延長する方法が用いられている。
【0008】従って、本発明は、移植前の角膜の保存中
に、視覚組織、特に角膜組織の劣化を防ぐ物質または方
法を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、低温保存中、正常な生理
代謝と角膜の脱腫張を維持することによって角膜組織の
生存力を強化することを目的とする。
【0010】さらに、本発明は、眼組織、特に角膜組織
が新鮮な組織の特徴を維持できる期間を延長することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、 1.水性栄養素および電解液 2.グリコサミノグリカン 3.脱腫張剤 4.緩衝剤 5.エネルギ源 6.抗酸化剤 7.成長因子 からなり、少なくとも一種類以上の成長因子を含有する
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、 1.水性栄養素および電解液 2.グリコサミノグリカン 3.脱腫張剤 4.緩衝剤 5.エネルギ源 6.抗酸化剤 7.抗生物質および/または抗真菌剤 8.成長因子 からなり、生理的pHが6.8から7.8で、2℃から
15℃の低温で保存される角膜組織を含む眼組織の保存
を維持し強化する成分を有し、且つ少なくとも一種類以
上の成長因子を含有することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、 A.1.イーグル最少必須培地(MEM) 2.TC199培地 3.イーグル最少必須培地(MEM)とTC199培地
の混合培地 からなる群から選ばれる水性栄養素および電解液と、 B.1.硫酸コンドロイチン 2.硫酸デルマタン 3.硫酸ヘパリン 4.硫酸ケラチン 5.ヒアルロン酸 からなる群から選ばれる0.01mg/mlから100
mg/mlのグリコサミノグリカンと、 C.1.デキストラン 2.硫酸デキストラン 3.ポリビニルピロリドン 4.硫酸ポリビニル 5.ヒトロキシプロピルメチルセルロース 6.カルボキシプロピルメチルセルロース からなる群から選ばれる0.01mg/mlから100
mg/mlの脱腫張剤と、 D.1.炭酸水素塩緩衝液 2.HEPES緩衝液 からなる群から選ばれる0.1mMから100mMの緩
衝剤と、 E.1.グルコース 2.ピルベート 3.フルクトース 4.デキストロース(D−グルコース) からなる群から選ばれる0.5mMから10mMのエネ
ルギ源と、 F.1.アスコルビン酸 2.2−メルカプトエタノール 3.グルタチオン 4.α−トコフェロール からなる群から選ばれる0.001mMから10mMの
抗酸化剤と、 G.1.ビタミンA 2.ビタミンB 3.レチン酸 4.エタノールアミン 5.ホスホエタノールアミン 6.セレン 7.トランスフェリン からなる群から選ばれる0.01mg/mlから500
mg/mlの膜安定剤と、 H.1.ゲンタマイシン 2.ファジソン からなる群から選ばれる0.1μg/mlから1mg/
mlの抗生物質および/または抗菌剤と、 I.1.表皮成長因子(EGF) 2.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 3.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 4.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
F) 5.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 6.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 7.血小板由来成長因子(PDGF) 8.インスリン からなる群から選ばれる0.001ng/mlから1m
g/mlの成長因子と、からなる生理的pH、低温(2
℃から15℃)で、ヒト角膜組織を含む眼組織の保存を
維持および強化する成分を含有することを特徴とする。
【0014】また、本発明は、角膜移植のために、眼組
織を少なくとも一種類以上の成長因子を含有する血清不
含有医療用溶液中で、約2℃から15℃で保存し、移植
に際して34℃まで昇温することを特徴とする。
【0015】また、本発明は、角膜移植のために、眼組
織を少なくとも一種類以上の成長因子を含有する血清不
含有医療用溶液中で、約2℃から15℃で保存し、移植
に際して34℃まで昇温することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明は、ドナー角膜組織を切除
し、該組織を保存し、次いで該組織受容者である患者に
角膜を移植することかくなる浸透角膜移植法において、
該組織の保存を血清不含有医療用溶液中で、2℃から1
5℃で行うことを特徴とする。
【0017】
【構成の具体的説明】4℃での角膜保存の中間時点で
は、眼内の機能状態を維持し得る組織保存が提供される
べきである。ヒトおよび動物の眼組織、特に角膜は規定
の血清不含有の栄養素補給保存エネルギ中に低温でアイ
バンクにおける保存中に劣化することなく、しかも実際
に強化されることが実験で証明された。血清不含有医療
用溶液中で保存した場合の好ましくない特徴は回避さ
れ、しかも、低温保存中、正常な生理代謝および角膜脱
腫張を保持する角膜内皮細胞のポテンシャルは増加す
る。
【0018】本発明の構成物質並びに本発明に係る方法
に用いられている成長因子(GF)は、ポリペプタイ
ド、若しくは角膜の損傷を治癒し、復元し、または、正
常の代謝により喪失される内皮組織を排出する能力を高
める物質、または、それらの眼科細胞の疾患に適用する
ことにより有糸分裂の可能性を活性化する物質を含有す
る。成長因子は、ある範囲において、活性状態を選択
し、反応するタイプの細胞と反応を引き起こすことが可
能であると共に、組織に特殊な治療を施すことが可能で
ある。例えば、内皮細胞成長因子(EGF)、線維芽細
胞成長因子(FGF)、血小板成長因子(PDGF)、
形質転換成長因子アルフア(TGF−α)、形質転換成
長因子ベータ(TGF−β)、インスリン類似成長因子
I(IGF−I)、インスリン類似成長因子II(IG
F−II)、およびインスリンは、全て分裂と成熟を活
性化する能力を有する担体群である。これらの活性化さ
れた蛋白質の各々は、等級の変化と、それらから誘導さ
れる他のタイプの細胞よりも活性を強化する。
【0019】4℃において、ヒトの角膜の内皮細胞は、
低温環境下の角膜貯蔵場所での代謝活性の低下に伴う有
糸分裂は行われない。
【0020】本発明によれば、内皮細胞成長因子(EG
F)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板成長因子
(PDGF)、形質転換成長因子アルフア(TGF−
α)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)、インス
リンおよびインスリン類似物質のような少なくとも一つ
以上の成長因子を含有する保存溶液では、2℃から15
℃の低温領域のアイバンクで用いられた時に、優れた角
膜組織の保存がなされることが見出された。そのよう
な、低温下では、内皮細胞の有糸分裂は行われない。成
長補助因子を含有する保存溶液中では、角膜は、4℃に
保持され、そして、体温の34℃から37℃に温められ
ながら、DNA合成(有糸分裂が示す)が活性され、そ
の結果、眼組織が強化される。さらに、スポンジのよう
な挙動を示す角膜は、角膜の細胞間質へ成長因子を含有
する溶液を徐々に吸収する。移植後、角膜から保存溶
液、細胞間質に吸収されていた成長因子、および、患者
の眼の前眼房へと流入した周辺組織が排除される。成長
因子は、ヒトの眼細胞を、低温の貯蔵場所において有糸
分裂を活性化することによって、強化するために必要十
分な溶液が供給される。たとえ、成長因子を含有する規
定医療溶液であっても、ヒトの眼細胞には十分な効果が
得られた。
【0021】多くの細胞は、末期状態で変異をきたし、
さらには、有糸分裂を停止する。
【0022】しかしながら、適切な有糸分裂の時期に、
通常、ある特定な成長因子を供給すると、細胞の分裂周
期を回復する能力を保持する変異した多くの細胞が存在
する。
【0023】外科手術と外傷による内皮細胞の損傷は、
移植の成否を左右し、また、良好な状態の内皮細胞は、
成長因子の活性化を可能とする。
【0024】成長因子は、活性化を開始するために時間
を必要とする。たとえそれらが一本鎖DNAの遺伝子の
転写に変わったとしても、そのようなわずかな活性化
は、通常のDNA合成においては惹起されず、好適であ
る。成長因子は、活性状態に到達するまで、数時間を要
する。前記の時間は、すなわち周期の延長は活性化経路
の高機能化を意味する。活性状態の延長の必要性は、多
数の成長因子間の2つ以上の器官に共に作用する相互関
連作用の成分によりなされる。成長因子が細胞表面のレ
セプターと接合する時、それらの順序の周期を決定する
因子は、DNA合成に入る細胞を徐々に確定する。従っ
て、期間経過後、角膜からゆっくりと放出される成長因
子は、これらの内皮細胞に十分な細胞分裂を惹起するた
めに必要な活性状態を絶え間なく供給する。
【0025】新規な栄養素含有溶液は、血清不含有であ
る。血清補給溶液は、組織培養中ヒト角膜内皮細胞の制
限された有糸分裂を活性化することができるが、ヒトの
移植用の組織に使用するための製品中に血清が存在する
と疾病を感染させる媒介となり得る。ヒト由来でない血
清では、免疫反応を誘発し得る各種の物質を含有し、全
ての血清は、エンドトキシン等の物質や成長因子を含有
し、それらは、実際に細胞の有史分裂を阻止する。これ
らの問題は、本発明の血清不含有医療用溶液によって回
避される。
【0026】成長因子である蛋白質を産生するためのD
NA組み換え方法は、組織を強化し、貯蔵する比較評価
のための角膜保護溶液の成長因子補助物質を化学的に特
定することができる。
【0027】成長因子が選択される間に、先天的な生物
学的情報によって決定される成長因子には、本発明が役
立てられる。
【0028】内皮細胞成長因子(EGF)、線維芽細胞
成長因子(FGF)、血小板成長因子(PDGF)、形
質転換成長因子アルフア(TGF−α)、形質転換成長
因子ベータ(TGF−β)、インスリンおよびインスリ
ン類似物質は、特性値と、生物学的活性によって顕著に
特徴づけられる蛋白質として知られている。これらの成
長因子のペプタイドを以下に記述する。その例として、
キリシスの最近出版された報文、1985年2月発行の
「Biotecnology」誌の135頁から140頁の記載並び
に「Hormonal ProteinPeptides 」の記載、成長因子学
会誌(1984)の12巻のチョウハン リーによる記
載等がある。
【0029】内皮細胞成長因子は、分子量が小さく(6
040mw)、バイオケミストリ誌にサベージとコーエ
ン J.が記載した方法によれば、唾液線から単離され
た蛋白質である。欧州特許庁公開117,915号に、
大腸菌の合成遺伝子を用いた形質転換によるヒトの内皮
細胞の遺伝子組み換えの効果が開示されている。
【0030】線維芽細胞成長因子は、ナチュラルソース
(naturalsources )(1986年発行の「Anal Bioche
m」誌154:1−4のR.ロブ、J.W.ハーパー、
J.W.ファット記載のヘパリン添加成長因子の単離に
よる)より単離、精製される。
【0031】線維芽細胞成長因子の遺伝子組み換えによ
る効果は、欧州特許出願248,819号に開示されて
いる。
【0032】欧州特許庁出願200, 341号には、媒
介生物を有する真菌生物の細胞の形質転換による形質転
換成長因子ベータ(TGF−β)の効果が記載されてい
る。
【0033】形質転換成長因子を得る方法は、1978
年発行の「ProNetl Sci USA」誌75:4001に
J.E.デラルコ、G.E.トオダロヲによって記載さ
れたカルコマウイルスを形質転換したねずみから抽出し
た成長因子に掲載されている。
【0034】欧州特許219, 814号には、インスリ
ン類似成長因子I(IGF−I)の遺伝子組み換えによ
る効果が記載されている。
【0035】角膜保存溶液は、よく知られている。本発
明は、一般的には、水性栄養素および電解溶液、グリコ
サミノグリカン、脱腫張剤、エネルギ源、緩衝剤、抗酸
化剤、膜安定成分、抗生物質、ATP前駆物質および細
胞栄養補助剤を含む。栄養素および電解溶液は、組織培
養の該分野で定義される。このような溶液は、細胞維持
および細胞成長に必要な最少濃度で必須栄養素と電解質
を含む。溶液の実際の組成は、非常に多様である。一般
的には、無機塩類(カルシウム、マグネシウム、鉄、炭
酸、硝酸、燐酸のナトリウム塩、カリウム塩、塩化ナト
リウム)、必須アミノ酸および非必須アミノ酸、ビタミ
ンおよびその他の必須栄養素を含有する。
【0036】化学的に規定された基本的な栄養媒体は、
商業的に入手可能なものである。例えば、ギブコ ラボ
ラトリ(Gibco Laboratry )〔郵便番号14073 ニ
ューヨーク州 グランドアイランド市 スタンレーロー
ド3175〕およびマイクロバイオロジカルアソシエー
ト(メリーランド州、ウォーカーヒル市 ブリッグフォ
ールドロード私書箱127〕からイーグル必須培地(M
EM)およびTC199の名称で市販されている。角膜
保存溶液は、これらの栄養媒体の応用である。本発明
は、MEMおよびTC199にATP前駆物質、ビタミ
ン、アミノ酸および成長促進補助剤を添加した成分から
なる。
【0037】本発明に係る血清不含有医療用溶液は、市
販の角膜保存培地CSMTH〔医学博士R.L.リンダス
トローム、理学士デブラ L.スケルニックの開発、シ
ロンアルサルマイクス社(カリフォルニア州 アービン
市から市販〕およびTC199〔ギブコ ラボラトリ
(ニューヨーク州 グランドアイランド市)から市販〕
と比較した。
【0038】本発明の血清不含有医療用溶液は、MEM
およびTC199にATP前駆物質、ビタミン、アミノ
酸および成長促進補助剤を添加した成分からなる。
【0039】本発明の組成物および方法に使用する好適
な血清不含有医療用溶液は、水性電解液(例えば、イー
グル最小必須培地および/またはTC199)、0.0
1mg/mlから100mg/mlのグリコサミノグリ
カン(例えば、標準または精製高または低分子量硫酸コ
ンドロイチン(A、BまたはC異性体)、硫酸デルマタ
ン、硫酸デルマチン、硫酸ヘバリン、硫酸ヘバラン、硫
酸ケラチン、硫酸ケラタンおよび/またはヒアルロン
酸)、0.01mg/mlから100mg/mlの脱腫
脹剤(例えば、デキストラン、硫酸デキストラン、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、酢酸ポリ
ビニル、ヒドロキシメチルプロピルメチルセルロース、
カルボキシプロピルメチルセルロース等の低または高分
子量多糖類)、0.05mMから10mMのエネルギ源
および炭素源(例えば、グルコース、ピルベート、シュ
ークロース、フルクトース、デキストロース)、0.1
mMから100mMの緩衝剤(例えば、炭酸水素緩衝液
およびヒドロキシエチルピペリゼンエタンスルホン酸緩
衝液(HEPES))、生理的pH(好ましくは、6.
8〜7.6)を維持するために0.001mMから10
mMの抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、2−メルカ
プトエタノール、グルタチオン、α−トコフェロー
ル)、0.01mg/mlから500mg/mlの膜安
定剤(例えば、ビタミンAおよびB、レチン酸および/
または補因子、エタノールアミンおよびホスホエタノー
ルアミン、セレンおよびトランスフェリン)、0.00
1mMから10mMの構成物質および/または抗真菌剤
(例えば、アンホテリシン−B、硫酸ゲンタマイシン、
硫酸カナマイシン、硫酸ネオマイシン、ナイスタチン、
ペニシリン、トブラマイシン、硫酸ストレプトマイシ
ン)、0.001mMから10mMのATP前駆物質、
および0.001mMから10mMの細胞栄養補助剤
(例えば、コレステロール、L−ヒドロキシプロリン、
d−ビオチン、カルシフェロール、ナイアシン、p−ア
ミノ安息香酸、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、Fe
(NO3)3 、非必須アミノ酸)を含む。
【0040】本発明の血清不含有医療用溶液は、アイバ
ンクで低温保存した後に細胞代謝、細胞生存、損傷治癒
および角膜脱腫脹を強化するために充分な量のグリコサ
ミノグリカン、脱腫脹剤、エネルギ源、緩衝剤、抗酸化
剤、膜安定剤、抗生物質、ATP前駆物質および細胞栄
養補助剤を補った水性栄養電解液からなる。摘出角膜を
無菌状態で角膜保存溶液の容器に移し、次いで容器を密
閉する。保存および輸送のためには、角膜を低温(例え
ば、2℃〜15℃、最適には4℃)に維持し、細菌繁殖
の危険を最少化し、角膜組織の代謝損傷を減ずる。この
ような低温において、内皮細胞は14日まで維持できる
ことが発見された。移植時に、正常角膜の脱腫脹は手術
中および手術後も維持される。内皮細胞機能および代謝
が維持され、角膜の永続的水和、そして手術後も一定の
厚さと透明度が確保される。移植用の生存角膜の提供に
加え、損傷治癒を強化する。
【0041】本発明はその範囲を逸脱することなく種々
の変更が可能である。例えば、本血清不含有医療用溶液
は様々な医療に応用することができ、眼科のみに厳密に
限定されるものではない。
【0042】
【実施例1】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明するが、これに限定されるものではない。血清不含有医療用溶液 4℃での角膜保存中間期間は、内皮の機能と移植後の角
膜脱腫脹を維持する組織を保存する。CSMTMとK−S
olTMは4℃で保存するための標準媒体となっている。
カウフマン(Kaufman)H.E.、バーネル(Varnell)
E. D.、カウフマン(Kaufman)S.等で述べられてい
る通り、K−SolTM角膜を保存する。Am. J.Ophtha
lmol 1985、100、299−304、ボルネ(Bo
urne) W.M.2.5%硫酸コンドロイチン中に4℃で
1〜13日保存した移植ヒト角膜の内皮細胞の生存、A
m.J.Ophthalmol 1986、102、382−6、
リンドストローム( Lindstrom) R.L.、スケルニッ
ク(Skelnik)D.L.、マインドラップ(Mindrup) E.
A.等、硫酸コンドロイチン含有媒体での角膜の4℃保
存、Invest Ophthalmol Vis Sci (Suppl) 1987、
28(3)、167、ブーグラ(Bhugra) M.K.、シ
ュガー(Suger)A. 、メイヤー(Meyer)R.等、MKTM
およびK−SolTM保存の一組の実験結果、Invest Oph
thalmolVis Sci(Suppl)1988、29、112、およ
びラス(Lass) J.H.、ラインハート(Reinhart)
W.J.、ブルナー(Bruner) W.E.等、ヒト角膜移
植におけるK−SolTMと硫酸コンドロイチン角膜保存
媒体中での角膜保存の比較、Ophthalmology 1989、
96、688−97に記載されている通りである。
【0043】角膜の厚さの増加は、CSMTM保存角膜で
もあり、手術時に明らかに再腫張が起こる。しかし、手
術して1ヶ月後に正常な角膜厚になる。角膜腫張の増加
は、4℃で長期間保存中に硫酸コンドロイチンの低分子
量部分が基質に流入するためであろう。角膜腫張を少な
くするために、血清不含有硫酸コンドロイチン含有媒体
へのデキストランの添加が角膜水和を最少化するかどう
かをみるための研究がなされた。 MKTM媒体中の有効
な浸透剤であるデキストランは角膜を薄く保ち、角膜内
皮のバリア機能を有効に維持する。デキストラン含有媒
体中に保存された角膜は、デキストランのコロイド浸透
圧によって腫張が抑制される。デキストランは角膜内皮
に浸透し、基質に侵入する。このデキストランの侵入お
よび排出は、保存期間および内皮の状態に応じたデキス
トランの浸透の程度により4℃で速やかに起こる。この
ようにデキストランは、硫酸コンドロイチン含有媒体に
よる低温保存に伴う角膜腫張を減じる魅力的な試薬であ
る。
【0044】イーグル最少必須培地(MEM)からなる
血清不含有医療用溶液は、アールス塩(Earle・s salt)
、炭酸水素ナトリウム、25mM HEPES、0.
1mM非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウ
ム、2mM L−グルタミン、0.5mM 2−メルカ
プトエタノール、1.0%デキストラン、2.5%硫酸
コンドロイチンおよび100μg/mlゲンタマイシン
が添加されている。
【0045】基本媒体にはさらに以下の成分が添加され
ている。
【0046】Fe(NO3)3 ・9H2 O、硫酸アデニン、
コレステロール、L−ヒドロキシプロリン、アスコルビ
ン酸、リン酸α−トコフェロール、D−ビオチン、カル
シフェロール、ナイアシン、p−アミノ安息香酸、塩酸
ピリドキシン、アデノシン、イノシンおよびビタミンB
12。これらの成分は基本培地を完全に規定するために添
加され、細胞成長と細胞機能を強化する(表1A乃至表
1C参照)。
【0047】この血清不含有医療用溶液の安全性および
有効性を評価するために、4℃で12日間保存したヒト
角膜を用いて硫酸コンドロイチン濃度の容量応答曲線を
描いた。硫酸コンドロイチン濃度は、1.5%、1.7
5%、2.0%および2.5%であった。角膜厚の測定
は、4℃保存で0日、1日、7日および12日行った。
【0048】さらに、我々の研究室で開発した単離技術
が、自然の内皮の特徴を残しているヒト角膜内皮の第一
次、そして続く継代培養の確立を可能にした。In v
itroで条件をこれらのヒト角膜内皮細胞を増殖状態
に維持し、活発に有糸分裂を行わせる。[ 3H]−チミ
ジン取り込みによって測定するようにDNA合成の刺激
と阻害における種々の試験媒体の効果を評価するために
定量的バイオアッセイが開発された。次に、臨床試験を
行い、血清不含有医療用溶液(配合A)中に保存し、次
いで患者に移植した角膜の厚さおよび生存内皮を評価し
た。材料および方法 ヒト角膜における硫酸コンドロイチン用量応答曲線 ヒトドナー眼球を生理食塩水(normal sallne )中、
1.0%ヨウ化ポビドン中に3分間浸し、次に生理食塩
水中に1分間浸した。次に、18−ゲージ針装着用シリ
ンジを用いて生理食塩水12ccで洗浄した。年齢また
は死因のために移植には不適当な16対の提供者からの
角膜を死から平均12時間後に認証アイバンクで摘出
し、1・5%、1.75%、2.0%および2.5%硫
酸コンドロイチンを添加した医療用溶液20ml中に放
置した。コントロール媒体は市販のDexsolTM(シ
ロン アフサルマイクス社、カリフォルニア州 アービ
ン)を用いた。角膜を媒体中に入れる前に、成分補充媒
体を室温に暖め、角膜厚を測定した。角膜厚の測定は、
マイクロメーターで調整したロイツ型顕微鏡を用いて行
った。マイクロメーターダイヤル指示器をステージ上に
ダイヤル指示器脚部直下ステージを貫通する調整ねじで
顕微鏡スタンドに取り付けた。角膜厚の測定は内皮にピ
ントを合わせ、調整ねじをダイヤルが“0”になるよう
に調整し、上皮が焦点にくるようにステージを上げ、ダ
イヤル指示器の目盛りを読み取ることにより行う。次い
で、角膜を4℃に冷却し、12日間保存した。角膜を保
存媒体から取り出し、2mM L−グルタミンおよび1
00μg/mlゲンタマインシを添加したMEM15m
l中に入れた。次に、角膜を34℃に2時間暖め、角膜
の中央部厚の測定を加温開始後30分、60分および1
20分時に行った。角膜内皮は、最後の角膜厚測定を行
った後、0.1%トリパンブルーおよびアリザリンレッ
ドSで染色して評価した。ヒト角膜内皮細胞の[ 3H]−チミジン取り込み 14種の媒質成分を以下のようにして試験した。
【0049】Fe(NO3)3 ・9H2 O、硫酸アデニン、
コレステロール、L−ヒドロキシプロリン、アスコルビ
ン酸、リン酸α−トコフェロール、D−ビオチン、カル
シフェロール、ナイアシン、p−アミノ安息香酸、塩酸
ピリドキシン、アデノシン、イノシンおよびビタミンB
12。成分は別々に、あるいは一緒に、アールス塩、炭酸
水素ナトリウム、25mM HEPES、0.1mM
非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、2m
M L−グルタミン、0.5mM 2−メルカプトエタ
ノール、2.5%硫酸コンドロイチンおよび100μg
/mlゲンタマイシンを添加したイーグル最少必須培地
(MEM)からなる基本媒体に添加した。1.75%お
よび2.0%の硫酸コンドロイチンも試験した。コント
ロール媒体は10%ウシ胎児血清を添加した市販のDe
xsolTM(シロン アフサルマイクス社、カリフォル
ニア州 アービン)およびCSMTMからなる。全ての試
験媒体サンプルは実験時に新たに調整され、室温に暖め
られた。定量的バイオアッセイ 定量的バイオアッセイは血清不含有または含有媒体中で
インキュベートされたヒト角膜内皮細胞のDNAの[ 3
H]−チミジンの取り込みに基づく。
【0050】コスター(Coctar)96ウエル組織培養プ
レートの指定された媒体最終容量200μl中に3×1
3 接種した。4代継代したヒト角膜内皮細胞を95%
空気、5%CO2 中、35.5℃で加湿インキュベータ
中に保存した。10%ウシ胎児血清を添加したCSMTM
中で24時間インキュベーション後、媒体を除去し、各
ウエルをアールス塩および25mM HEPES含有血
清不含有最少必須培地で一度洗浄した。次に細胞を洗浄
し、適当な試験溶液でインキュベートした。次にヒト角
膜内皮細胞を1microcuvie/ウエルの[ 3H]−チミジ
ンの存在下でさらに72時間インキュベートした。摂取
を放射性媒体の吸引によって終結させ、細胞を血清不含
有最少必須培地で2回洗浄した。ヒト角膜内皮細胞を
0.5%トリプシンで剥離し、液体シンチレーション計
数用に調整した。[3H]−チミジンカウントは酸不溶
カウントを表す。一元変動分析(One-way analysis of
variance)とニューマン−ケウルス マルチプルレンジ
テスト(Newman-Keuls multiple range test)を用いて
統計的有意差(p<0.05)を評価した。臨床試験 アイバンク法 ヒトドナー眼球を1.0%ヨウ化ホビドン生理食塩水に
3分間浸し、次に生理食塩水中に1分間浸した。次に、
18ゲージ針装着シリンジを用いて生理食塩水12cc
で洗浄した。適性な提供者からの角膜を平均死後8.6
時間にアイバンクで摘出し、血清不含有医療用溶液(配
合A)中に入れた。角膜を溶液中に入れる前に該溶液を
室温に戻した。次いで角膜を4℃に冷却し、平均4.3
日間保存した(平均1〜7日)。被移植者の基準 以下の被移植者の診断結果を用いた。
【0051】無水晶体水疱性角膜症、フックスジストロ
フィー、偽水晶体水疱性角膜症、角膜瘢痕、円錐角膜お
よび移植の失敗。手術前の試験は細孔強制視力、眼内
圧、細隙灯および検眼鏡試験からなる。The United Sta
tes of Health and Human Servicesのガイドラインに準
拠し、臨床試験の全関係者から同意を得た。この任意的
臨床試験は Institutional Review Board の同意とモニ
タを得て行われた。手術法 移植時に角膜を室温に戻した。提供者の角膜を角トレフ
ィンプレスを用いて内皮側から切断した。ヒアルロン酸
ナトリウム(Healon)またはヒアルロン酸ナトリウム−
硫酸コンドロイチン(Viscoat )を全てのケースで用い
た。手術中および手術後の治療は全例で略同様である。
縫合術は12インタラプテッド10−0縫合とランニン
グ11−0縫合[ナイロンまたはメルシレン(mersilen
e)]の組み合わせからなる。各施術の最後にゲンタマイ
シン、ベタメサゾンおよびアンセフ(Ancef)を結膜下に
注射した。手術後の処置 手術後全ての患者は最初の1ヶ月1日4回ネオマイシン
またはゲンタマインシ点滴を受けた。必要な場合には代
表的なステロイドを塗布した。手術後最初の2ヶ月間、
患者の合併症、拒絶反応、角膜の欠陥新生、感染症、傷
漏れ(wound leak)、創傷離開、上皮欠損の存続および
全体的な角膜状態を観察した。角膜の超音波膜厚測定
は、手術前、手術後1日、1週間、1ヶ月および2ヶ月
で行った。この研究を行った患者総数は15人である。
角膜膜厚のグループ間差を分析し、対t−テストを用い
て有意差があるかどうか評価した。結論 ヒト角膜におけるデキストラン用量応答曲線 角膜厚についての4℃で12日間インキュベートしたヒ
ト角膜の硫酸コンドロイチン用量応答曲線を図1に示
す。1.35%硫酸コンドロイチン含有DexsolTM
でインキュベートした角膜は、1日、7日および12日
で有効な薄さであった。これらの時点での角膜厚の測定
値は、0.425±0.082mm、0.530±0.
040mmおよび0.572±0.043mmであっ
た。1.5%−2.0%硫酸コンドロイチン含有媒体で
インキュベートした角膜は、同時点で角膜脱腫脹が増加
し、2.5%硫酸コンドロイチンで角膜は最も薄いこと
を示した。インキュベーション後1日、7日および12
日後の角膜厚はそれぞれ0.405±0.021mm、
0.480±0.042mm、0.480±0.028
mmであった。12日間DexsolTM中に保存した角
膜は34℃に暖めた後腫脹は19.6%増加することを
示した。硫酸コンドロイチン1.5%−1.75%に保
存した角膜の加温後の腫脹は統計的には差のない増加で
あった。2.0%および2.5%硫酸コンドロイチン中
に保存した角膜は加温後の腫脹は15.6%および1
3.5%増加を示した(図2)。
【0052】試験した全硫酸コンドロイチン濃度につい
て全ての単層内皮細胞は無傷で、正常な内皮細胞形態で
あった。より高い硫酸コンドロイチン濃度でインキュベ
ートした角膜は基質ひだおよびデスメー膜のアリザリン
レッドS染色域は殆どなかった。全てのアリザリンレッ
ドS染色は全角膜で最小であり、基質ひだの部分に限ら
れていた。結論として、1.35%−2.5%硫酸コン
ドロイチン中に保存した全ての角膜は、4℃で12日間
の保存後も無傷の角膜内皮を有していた。医療用溶液
(2.5%硫酸コンドロイチン含有)中に保存された角
膜は12日の保存期間中、最も優れた角膜脱腫脹を維持
した。この試験グループについては34℃に再加温後の
最小の角膜の折り畳みと腫脹も注目に値する。これらの
結果は、移植用に4℃でヒト角膜を保存するのに本発明
の血清不含有医療用溶液を使用するのを支持するもので
ある。ヒト角膜内皮細胞の[ 3H]−チミジン取り込み 血清不含有医療用溶液の成分を評価するためにこの研究
を行った。
【0053】試験媒体をヒト角膜内皮細胞を用いた[ 3
H]−チミジン取り込みバイオアッセイで評価した。こ
のバイオアッセイはこれらの細胞のDNAへの[ 3H]
−チミジンの取り込みを阻害または刺激するかどうかを
評価するための感度の高い方法である。1または14成
分以上を含む試験溶液でインキュベートしたヒト角膜の
内皮細胞による[ 3H]−チミジンの取り込みを血清不
含有DexsolTM培地と10%FBS添加CSMTM
地と比較した(図3)。統計的有意差(P<0.05)
の評価には、一元変動分析とニューマン−ケウルス マ
ルチプルレンジテストを用いた。
【0054】このバイオアッセイでは、細胞は増殖状態
(活発に有糸分裂をしている状態)に保った。ヒト角膜
内皮細胞DNAへの[ 3H]−チミジン取り込みの阻害
は、細胞代謝の阻害、細胞状態の悪化および細胞毒の可
能性の指標である。10%FBSを低下したCSMTM
地でインキュベートしたヒト角膜内皮細胞は、新たに調
整したコントロールの血清不含有DexsolTM培地と
比較すると、統計的に有意に高い[ 3H]−チミジン取
り込み率を示した。1.75%または2.0%硫酸コン
ドロイチンでインキュベートしたHCE細胞は、血清不
含有DexsolTMでインキュベートしたHCE細胞と
統計的に近似した[ 3H]−チミジン取り込み率を示し
た。以下の各成分と組み合わせた2.5%硫酸コンドロ
イチンおよび1%デキストランの添加は、血清不含有D
exsolTMでインキュベーションしたHCE細胞と統
計的に近似する[ 3H]−チミジン取り込み率を示した
(成分:Fe(NO3)3 ・9H2 O、硫酸アデニン、L−
ヒドロキシプロリン、アスコルビン酸、リン酸α−トコ
フェロール、D−ビオチン、塩酸ピリドキシン、イノシ
ンおよびビタミンB12)。アデノミンまたはアデノミ
ン、アデミンおよびイノシンの組み合わせを添加した
2.5%硫酸コンドロイチンおよび1%デキストラン添
加媒体は、DexsolTMコントロール培地でインキュ
ベートしたHCE細胞より統計的に大きい[ 3H]−チ
ミジン取り込み率を示した。全ての14種の成分を補充
MEM基礎培地中、2.5%硫酸コンドロイチンと組み
合わせると、DexsolTMコントロールと比べ統計的
に大きい[ 3H]−チミジン取り込み率を示した。試験
した全ての媒体は、72時間のインキュベーション期間
を通して正常内皮細胞の形態を維持した。
【0055】ヒト角膜内皮細胞を用いた[ 3H]−チミ
ジン取り込みの研究から、結論として、2.5%硫酸コ
ンドロイチン、1%デキストラン、Fe(NO3)3 ・9H
2 O、硫酸アデニン、コレステロール、L−ヒドロキシ
プロリン、アスコルビン酸、リン酸α−トコフェロー
ル、D−ビオチン、カルシフェロール、ナイアシン、p
−アミノ安息香酸、塩酸ピリドキシン、アデノシン、イ
ノシンおよびビタミンB 12からなる血清不含有医療用溶
液(配合A)はバイオアッセイのパラメータによって評
価すると血清不含有DexsolTM培地より統計的に大
きく[ 3H]−チミジン取り込み率を活性化することが
できた。この血清不含有医療用溶液は、さらに完全な溶
液を提供することによって、コントロールDexsol
TMよりもヒト角膜内皮細胞の有糸分裂ポテンシャルを強
化することができる。従って、この溶液は4℃保存媒体
として使用し得る。臨床試験 15角膜を血清不含有医療用溶液(配合A)を用い移植
した。一人の外科医によって全患者の手術をし、全患者
について以下の研究を行った。提供者の角膜は以下の特
徴を持っていた。
【0056】角膜の提供者の年齢(平均53±19
才)、死から摘出までの時間(平均4.3±2.7時
間)および死からの保存時間(平均4.3±3.2時
間)。4℃での角膜の保存時間は4.3日であった(1
〜7日)100%配合Aで保存された移植角膜は2ヶ月
でも澄明であった。この患者群中では永続的な上皮欠損
はみられなかった。手術中の角膜厚は0.623±0.
054mmであった。同様の条件のもとでDexsol
TM中に保存した手術中の角膜の厚さの測定値は、0.7
87±0.047mmであった。配合AおよびDexs
olTM保存角膜の1週間時の厚さはそれぞれ0.650
±0.084mmおよび0.743±0.093mmで
あった。配合A保存膜は、手術中および手術後1週間に
おいて有意に薄かった(図4)。2ヶ月の追跡期間中に
全患者の角膜は段々薄くなった(角膜厚:1ヶ月0.6
12±0.167mm、2ヶ月0.544±0.062
mm)。眼内圧は全患者が正常範囲内であった。配合A
保存角膜群では基本的に提供角膜に問題はなかった。
【0057】血清不含有医療用溶液(配合A)は手術中
および手術後に正常角膜脱腫脹を維持するのに有効であ
った。内皮細胞機能および代謝が維持され、角膜の正常
水和を許容し、一定の角膜厚と手術後の透明性が保たれ
た。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】TC−199、CSMTMおよび血清不含有
医療用溶液の配合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4℃で保存後のヒト角膜の角膜厚さ(mm)で
ある。
【図2】4℃で12日間保存後および保存後24℃に暖
めるまでの角膜厚さ(mm)である。
【図3】血清不含有医療用溶液でインキュベートしたヒ
ト角膜内皮細胞の[ 3H]−チミジン取り込みである。
【図4】手術後の角膜厚さ(mm)である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/79 8314−4C 37/24 8314−4C 37/36 8314−4C // A61K 45/06 8415−4C (72)発明者 リチヤード エル.リンドストローム アメリカ合衆国、ミネソタ州 55331、エ クセルシオール、レイクビユー アベニユ ー 20050 (72)発明者 デブラ スケルニツク アメリカ合衆国、ミネソタ州 55008、ケ ンブリツジ、ルート 5、ボツクス 344

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.水性栄養素および電解液 2.グリコサミノグリカン 3.脱腫張剤 4.緩衝剤 5.エネルギ源 6.抗酸化剤 7.成長因子 からなり、少なくとも一種類以上の成長因子を含有する
    ことを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  2. 【請求項2】1.水性栄養素および電解液 2.グリコサミノグリカン 3.脱腫張剤 4.緩衝剤 5.エネルギ源 6.抗酸化剤 7.抗生物質および/または抗真菌剤 8.成長因子 からなり、生理的pHが6.8から7.8で、2℃から
    15℃の低温で保存される角膜組織を含む眼組織の保存
    を維持し強化する成分を有し、且つ少なくとも一種類以
    上の成長因子を含有することを特徴とする血清不含有医
    療用溶液。
  3. 【請求項3】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、成長因子は、ポリペプタイドであることを特徴と
    する血清不含有医療用溶液。
  4. 【請求項4】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、成長因子は、(遺伝的)組み換え体であることを
    特徴とする血清不含有医療用溶液。
  5. 【請求項5】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、成長因子は、天然の生体成分由来物質であること
    を特徴とする血清不含有医療用溶液。
  6. 【請求項6】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、成長因子は、 1.表皮成長因子(EGF) 2.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
    F) 3.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 4.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 5.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 6.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 7.インスリン からなる群の中の一種類以上であることを特徴とする血
    清不含有医療用溶液。
  7. 【請求項7】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、基礎培地は、イーグル最少必須培地(MEM)か
    らなることを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  8. 【請求項8】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、基礎培地は、TC199培地からなることを特徴
    とする血清不含有医療用溶液。
  9. 【請求項9】請求項2記載の血清不含有医療用溶液にお
    いて、成長因子は、インスリンであることを特徴とする
    血清不含有医療用溶液。
  10. 【請求項10】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約0.001ng/mlから1m
    g/mlの濃度のインスリンであることを特徴とする血
    清不含有医療用溶液。
  11. 【請求項11】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10μg/mlの濃度のインス
    リンであることを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  12. 【請求項12】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10μg/mlの濃度のヒト組
    み換えインスリンであることを特徴とする血清不含有医
    療用溶液。
  13. 【請求項13】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、EGFであることを特徴とする血
    清不含有医療用溶液。
  14. 【請求項14】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約0.001ng/mlから1m
    g/mlの濃度のEGFであることを特徴とする血清不
    含有医療用溶液。
  15. 【請求項15】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10ng/mlの濃度のEGF
    であることを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  16. 【請求項16】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10ng/mlの濃度のヒト組
    み換えEGFであることを特徴とする血清不含有医療用
    溶液。
  17. 【請求項17】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、インスリンとEGFであることを
    特徴とする血清不含有医療用溶液。
  18. 【請求項18】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約0.001ng/mlから1m
    g/mlの濃度のインスリンとEGFであることを特徴
    とする血清不含有医療用溶液。
  19. 【請求項19】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10μg/mlの濃度のインス
    リンと、約10ng/mlの濃度のEGFであることを
    特徴とする血清不含有医療用溶液。
  20. 【請求項20】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、約10μg/mlの濃度のヒト組
    み換えインスリンと、約10ng/mlの濃度のヒト組
    み換えEGFであることを特徴とする血清不含有医療用
    溶液。
  21. 【請求項21】 A.1.イーグル最少必須培地(MEM) 2.TC199培地 3.イーグル最少必須培地(MEM)とTC199培地
    の混合培地 からなる群から選ばれる水性栄養素および電解液と、 B.1.硫酸コンドロイチン 2.硫酸デルマタン 3.硫酸ヘパリン 4.硫酸ケラチン 5.ヒアルロン酸 からなる群から選ばれる0.01mg/mlから100
    mg/mlのグリコサミノグリカンと、 C.1.デキストラン 2.硫酸デキストラン 3.ポリビニルピロリドン 4.硫酸ポリビニル 5.ヒトロキシプロピルメチルセルロース 6.カルボキシプロピルメチルセルロース からなる群から選ばれる0.01mg/mlから100
    mg/mlの脱腫張剤と、 D.1.炭酸水素塩緩衝液 2.HEPES緩衝液 からなる群から選ばれる0.1mMから100mMの緩
    衝剤と、 E.1.グルコース 2.ピルベート 3.フルクトース 4.デキストロース(D−グルコース) からなる群から選ばれる0.5mMから10mMのエネ
    ルギ源と、 F.1.アスコルビン酸 2.2−メルカプトエタノール 3.グルタチオン 4.α−トコフェロール からなる群から選ばれる0.001mMから10mMの
    抗酸化剤と、 G.1.ビタミンA 2.ビタミンB 3.レチン酸 4.エタノールアミン 5.ホスホエタノールアミン 6.セレン 7.トランスフェリン からなる群から選ばれる0.01mg/mlから500
    mg/mlの膜安定剤と、 H.1.ゲンタマイシン 2.ファジソン からなる群から選ばれる0.1μg/mlから1mg/
    mlの抗生物質および/または抗菌剤と、 I.1.表皮成長因子(EGF) 2.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 3.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 4.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
    F) 5.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 6.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 7.血小板由来成長因子(PDGF) 8.インスリン からなる群から選ばれる0.001ng/mlから1m
    g/mlの成長因子と、 からなる生理的pH、低温(2℃から15℃)で、ヒト
    角膜組織を含む眼組織の保存を維持および強化する成分
    を含有することを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  22. 【請求項22】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、ポリペプタイドであることを特
    徴とする血清不含有医療用溶液。
  23. 【請求項23】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、成長因子は、(遺伝的)組み換え体であること
    を特徴とする血清不含有医療用溶液。
  24. 【請求項24】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、天然の生体成分由来物質である
    ことを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  25. 【請求項25】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、 1.表皮成長因子(EGF) 2.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
    F) 3.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 4.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 5.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 6.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 7.インスリン からなる群の中の一種類以上であることを特徴とする血
    清不含有医療用溶液。
  26. 【請求項26】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、インスリンであることを特徴と
    する血清不含有医療用溶液。
  27. 【請求項27】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約0.001ng/mlから1
    mg/mlの濃度のインスリンであることを特徴とする
    血清不含有医療用溶液。
  28. 【請求項28】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10μg/mlの濃度のイン
    スリンであることを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  29. 【請求項29】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10μg/mlの濃度のヒト
    組み換えインスリンであることを特徴とする血清不含有
    医療用溶液。
  30. 【請求項30】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、EGFであることを特徴とする
    血清不含有医療用溶液。
  31. 【請求項31】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約0.001ng/mlから1
    mg/mlの濃度のEGFであることを特徴とする血清
    不含有医療用溶液。
  32. 【請求項32】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10ng/mlの濃度のEG
    Fであることを特徴とする血清不含有医療用溶液。
  33. 【請求項33】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10ng/mlの濃度のヒト
    組み換えEGFであることを特徴とする血清不含有医療
    用溶液。
  34. 【請求項34】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、インスリンとEGFであること
    を特徴とする血清不含有医療用溶液。
  35. 【請求項35】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約0.001ng/mlから1
    mg/mlの濃度のインスリンとEGFであることを特
    徴とする血清不含有医療用溶液。
  36. 【請求項36】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10μg/mlの濃度のイン
    スリンと、約10ng/mlの濃度のEGFであること
    を特徴とする血清不含有医療用溶液。
  37. 【請求項37】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、成長因子は、約10μg/mlの濃度のヒト
    組み換えインスリンと、約10ng/mlの濃度のヒト
    組み換えEGFであることを特徴とする血清不含有医療
    用溶液。
  38. 【請求項38】請求項2記載の血清不含有医療用溶液に
    おいて、保存の過程は、約2℃から15℃で行うことを
    特徴とする血清不含有医療用溶液。
  39. 【請求項39】角膜移植のために、眼組織を少なくとも
    一種類以上の成長因子を含有する血清不含有医療用溶液
    中で、約2℃から15℃で保存し、移植に際して34℃
    まで昇温することを特徴とする眼組織の品質を高める方
    法。
  40. 【請求項40】請求項39記載の方法において、成長因
    子は、 1.表皮成長因子(EGF) 2.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 3.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 4.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
    F) 5.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 6.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 7.血小板由来成長因子(PDGF) 8.インスリン からなる群の中の一種類以上であることを特徴とする眼
    組織の品質を高める方法。
  41. 【請求項41】請求項21記載の血清不含有医療用溶液
    において、保存の過程は、約2℃から15℃で行うこと
    を特徴とする血清不含有医療用溶液。
  42. 【請求項42】角膜移植のために、眼組織を少なくとも
    一種類以上の成長因子を含有する血清不含有医療用溶液
    中で、約2℃から15℃で保存し、移植に際して34℃
    まで昇温することを特徴とする眼組織の品質を高める方
    法。
  43. 【請求項43】請求項42記載の方法において、成長因
    子は、約0.001ng/mlから1mg/mlで 1.表皮成長因子(EGF) 2.インスリン類似成長因子I(IGF−I) 3.インスリン類似成長因子II(IGF−II) 4.塩基性若しくは酸性の線維芽細胞成長因子(FG
    F) 5.形質転換成長因子アルファ(TGF−α) 6.形質転換成長因子ベータ(TGF−β) 7.血小板由来成長因子(PDGF) 8.インスリン からなる群の中の一種類以上であることを特徴とする眼
    組織の品質を高める方法。
  44. 【請求項44】ドナー角膜組織を切除し、該組織を保存
    し、次いで該組織受容者である患者に角膜を移植するこ
    とからなる浸透角膜移植法において、該組織の保存を血
    清不含有医療用溶液中で、2℃から15℃で行うことを
    特徴とする眼組織の品質を高める方法。
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